JP2005120935A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

可変圧縮比内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2005120935A
JP2005120935A JP2003357628A JP2003357628A JP2005120935A JP 2005120935 A JP2005120935 A JP 2005120935A JP 2003357628 A JP2003357628 A JP 2003357628A JP 2003357628 A JP2003357628 A JP 2003357628A JP 2005120935 A JP2005120935 A JP 2005120935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
wedge member
hole
wall surface
ratio changing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003357628A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Kamiyama
栄一 神山
Daisuke Akihisa
大輔 秋久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003357628A priority Critical patent/JP2005120935A/ja
Publication of JP2005120935A publication Critical patent/JP2005120935A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更する内燃機関において、シリンダブロックとクランクケースとのより円滑な相対移動を行うとともに、圧縮比をより安定的に保持する。
【解決手段】上記可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロック側内壁面又はクランクケース側内壁面がテーパ状に形成された圧縮比変更用孔と、圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と面接触するテーパ面を有し圧縮比変更用孔へ挿入される圧縮比変更用くさび部材と、圧縮比変更用くさび部材の圧縮比変更用孔への挿入量を調整することでシリンダブロック3とクランクケース12との相対位置を変化させる相対位置制御手段と、圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持する保持手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能を向上させることを目的として、内燃機関の圧縮比を変更可能にする技術が提案されている。これらの技術においては、内燃機関の燃焼室を構成する機関要素であるシリンダブロックとクランクケースに連結されている制御軸を回転駆動して、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで、燃焼室の容積を変更して該内燃機関の圧縮比を変更する(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)。
特開2003−206771号公報 特開平7−26981号公報
上記のように、制御軸を回転駆動することでシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させる可変圧縮比機構を有する内燃機関では、制御軸とシリンダブロックとの間および/または制御軸とクランクケースとの間にクリアランスを設け、制御軸の円滑な回転を図る場合がある。
ここで、燃焼室において燃料が燃焼することで発生する燃焼圧、ピストンの往復運動によってシリンダブロックへ掛かる摩擦力やシリンダ内が負圧状態となることでシリンダブロックに掛かる圧力等が存在するため、上述したクリアランスが存在すると、シリンダブロックやクランクケースが移動することで燃焼室の容積が変動し、内燃機関の圧縮比を一定の値に保持することが困難となる場合がある。その結果、内燃機関の圧縮比を変更することによる燃費性能や出力性能の効果が低下する虞がある。
本発明では、上記した問題に鑑み、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更する内燃機関において、シリンダブロックとクランクケースとのより円滑な相対移動と、圧縮比をより安定的に保持することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更する内燃機関において、シリンダブロックまたはクランクケースに対して面接触状態する要素によって押圧力をかけて該相対移動を行うともに、移動後においてもその面接触状態を保持することとした。圧縮比の変更時においては、シリンダブロックまたはクランクケースを面接触状態のもと押圧することで相対移動がより円滑に行われるとともに、移動後もその面接触状態を保持することで移動対象となるシリンダブロックまたはクランクケースとこれを押圧する要素との間に存在するクリアランスは極めて小さくなり、移動対象物をより確実に固定し得るからである。
そこで、本発明は、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させて内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの何れかに設けられた孔であって、該孔のシリンダブロック側内壁面又はクランクケース側内壁面がテーパ状に形成された圧縮比変更用孔と、前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と面接触するテーパ面を有し、前記圧縮比変更用孔へ挿入される圧縮比変更用くさび部材と、前記圧縮比変更用くさび部材の前記圧縮比変更用孔への挿入量
を調整することで、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を変化させる相対位置制御手段と、前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と前記圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持する保持手段と、を備える。
上記可変圧縮比内燃機関においては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで、燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の圧縮比が変更される。即ち、シリンダブロックをクランクケースに対して近接させることで燃焼室の容積が減少し、以て圧縮比が上昇する。また、シリンダブロックをクランクケースに対して遠ざけることで燃焼室の容積が増大し、以て圧縮比が低下する。
シリンダブロックまたはクランクケース設けられた圧縮比変更用孔のテーパ状内壁面に圧縮比変更用くさび部材のテーパ面が接触した状態で、相対位置制御手段によって圧縮比変更用くさび部材が圧縮比変更用孔に挿入されると、圧縮比変更用くさび部材が該テーパ状内壁面を押圧し、押圧力が作用する。このとき、テーパ状内壁面がシリンダブロック側内壁面である場合、該押圧力のシリンダ軸線方向の分力がシリンダブロックからシリンダヘッドに向かう方向となる。また、テーパ状内壁面がクランクケース側内壁面である場合、該押圧力のシリンダ軸線方向の分力がシリンダブロックからクランクケースに向かう方向となる。そしてこれらの押圧力の分力によって、圧縮比変更用孔が設けられたシリンダブロックまたはクランクケースの一方を他方に対して相対移動される。その結果、燃焼室の容積が変更し、可変圧縮比内燃機関の圧縮比が変更される。
また、保持手段によって、圧縮比変更用くさび部材と圧縮比変更用孔のテーパ状内壁面との面接触状態は保持されるため、相対位置制御手段によって圧縮比変更用くさび部材が圧縮比変更用孔から抜き出されるときは、圧縮比変更用孔が設けられたシリンダブロックまたはクランクケースには、圧縮比変更用くさび部材が圧縮比変更用孔に挿入されるときに作用する上記力とは逆の方向の力が作用する。その結果、圧縮比変更用くさび部材が圧縮比変更用孔に挿入されるときとは逆の方向に可変圧縮比内燃機関の圧縮比が変更される。従って、圧縮比変更用くさび部材の圧縮比変更用孔への挿入量を調整することで、シリンダブロックとクランクケースとが相対移動し、可変圧縮比内燃機関の圧縮比を変更することが可能となる。
更に、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動が終了した後も、保持手段によって圧縮比変更用くさび部材と圧縮比変更用孔のテーパ状内壁面との面接触状態は維持されるため、両面間に存在するクリアランスが可及的に小さくなる。これにより、相対移動後において、シリンダブロックをより確実に固定することが可能となる。
ここで、燃焼室における燃焼圧によってシリンダブロックに作用する力は、ピストンの往復運動の摩擦力によってシリンダブロックに作用する力と比べて非常に大きい。そこで、燃焼圧によってシリンダブロックがクランクケースに対して遠ざかる方向に移動して両者間の相対位置が変動するのを抑制すべく、圧縮比変更用くさび部材を圧縮比変更用孔のテーパ状内壁面に対して配置するのが好ましい。このように圧縮比変更用くさび状部材を配置することで、燃焼圧によってシリンダブロックに力が作用する場合であっても、圧縮比変更用くさび部材によって該力に対抗することが可能となる。また、ピストンの往復運動の摩擦力によってシリンダブロックに作用する力に対しては、保持手段によって対抗することで、シリンダブロックとクランクケースとの相対位置の変動を抑制し得る。
以上より、可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックとクランクケースとのより円滑な相対移動を行うとともに、圧縮比をより安定的に保持することが可能となる。
ここで、上述した可変圧縮比内燃機関において、保持手段を以下に示すように構成して
もよい。即ち、上述した可変圧縮比内燃機関において、前記保持手段は、前記圧縮比変更用孔が設けられた前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの何れかに設けられた孔であって、該孔のシリンダブロック側内壁面とクランクケース側内壁面のうち、前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面とは逆側の内壁面がテーパ状に形成された保持用孔と、前記保持用孔に形成されたテーパ状内壁面と面接触するテーパ面を有し、前記保持用孔へ挿入される保持用くさび部材と、前記圧縮比変更用くさび部材の前記圧縮比変更用孔への挿入量に応じて前記保持用くさび部材の前記保持用孔への挿入量を調整することで、前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と前記圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持する面接触状態制御手段と、を具備する。
即ち、先述した圧縮比変更用くさび部材と圧縮比変更用孔との関係と同様に、保持用くさび部材と保持用孔のテーパ状内壁面との面接触を利用して、圧縮比変更用孔のテーパ状内壁面と圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持するものである。このとき、保持用孔のテーパ状内壁面は、圧縮比変更用孔のテーパ状内壁面に対して逆側のテーパ状内壁面となる。例えば、圧縮比変更用孔に設けられたテーパ状内壁面がシリンダブロック側内壁面である場合は、保持用孔に設けられたテーパ状内壁面はクランクケース側内壁面となる。即ち、それぞれのテーパ状内壁面に対応するくさび部材がそれぞれの孔において挿入されることでそれぞれの孔が設けられたシリンダブロックまたはクランクケースに作用する力の、シリンダ軸線方向の分力が逆方向になるべく、圧縮比変更用孔のテーパ状内壁面と保持用孔のテーパ状内壁面とは相異する。
そして、シリンダ軸線方向の分力が逆方向になることで、圧縮比変更用孔と圧縮比変更用くさび部材との面接触状態および保持用孔と保持用くさび部材との面接触状態とをより良好に保持することが可能となる。このとき、相対位置制御手段と面接触状態制御手段とによるそれぞれのくさび部材のそれぞれの孔への挿入量を制御し、シリンダ軸線方向への分力の比率を調整することで、可変圧縮比内燃機関における圧縮比を目的の圧縮比に変更し、その後保持する。
ここで、上述した可変圧縮比内燃機関において、圧縮比変更用孔と保持用孔とを単一の孔によって形成してもよい。即ち、上述した可変圧縮比内燃機関において、前記圧縮比変更用孔と前記保持用孔は単一のくさび部材挿入孔を形成し、前記圧縮比変更用くさび部材と前記保持用くさび部材は、互いに接触し且つ相対移動自在に前記くさび部材挿入孔への挿入量が調整され、前記面接触状態制御手段は、前記相対位置制御手段による前記圧縮比変更用くさび部材の前記くさび部材挿入孔への挿入方向と相反する方向へ前記保持用くさび部材を相対移動させることで、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置の変更を許容するとともに、前記くさび部材挿入孔における前記圧縮比変更用くさび部材に対応するテーパ状内壁面と該圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持する。
単一のくさび部材挿入孔において、シリンダブロック側内壁面とクランクケース側内壁面とを形成し、それぞれのテーパ状内壁面に対応したくさび部材を互いに接触する状態で相対移動させることで、くさび部材挿入孔が設けられているシリンダブロック又はクランクケースに、押圧力による分力を作用させる。
例えば、くさび部材挿入孔がシリンダブロックに設けられ、且つくさび部材挿入孔において圧縮比変更用くさび部材がクランクケース側内壁面と面接触し、保持用くさび部材がシリンダブロック側内壁面と面接触する場合、圧縮比変更用くさび部材がくさび部材挿入孔に挿入しクランクケース側内壁面を押圧すると、シリンダブロックがクランクケースに対して近づく方向に移動する。尚、シリンダブロックをクランクケースに近づく方向に移動する場合には、更に保持用くさび部材によるシリンダブロック側内壁面への押圧力を低減すべく、くさび部材挿入孔への挿入量が面接触状態制御手段によって調整される。
そして、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動が終了した後も、圧縮比変更用くさび部材と保持用くさび部材とは接触した状態において、圧縮比変更用くさび部材と保持用くさび部材のくさび部材挿入孔への挿入量が調整されることで、両くさび部材とくさび部材挿入孔が設けられたシリンダブロックまたはクランクケースの三者は互いに接触し合い、より確実に固定される。その結果、シリンダブロックとクランクケースとの相対位置の変動を抑制し、可変圧縮比内燃機関の圧縮比をより安定的に保持することが可能となる。
ここで、上述の可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動をより円滑に行うためには、圧縮比変更用くさび部材または保持用くさび部材と、くさび部材挿入孔が設けられているシリンダブロックまたはクランクケースとの間に潤滑油を介在させることが好ましい。そこで、上述の可変圧縮比内燃機関において、前記くさび部材挿入孔へ潤滑油を供給する潤滑油供給手段を更に備え、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置の変更を開始する前に、前記くさび部材挿入孔における前記圧縮比変更用くさび部材に対応するテーパ状内壁面から該圧縮比変更用くさび部材を所定量遠ざけ、または前記くさび部材挿入孔における前記保持用くさび部材に対応するテーパ状内壁面から該保持用くさび部材を所定量遠ざけ、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置の変更を終了した後に、前記くさび部材挿入孔における前記圧縮比変更用くさび部材に対応するテーパ状内壁面と該圧縮比変更用くさび部材とを接触させ、且つ前記くさび部材挿入孔における前記保持用くさび部材に対応するテーパ状内壁面と該保持用くさび部材とを接触させる。
即ち、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動を開始する前には、圧縮比変更用くさび部材または保持用くさび部材をそれぞれに対応するテーパ状内壁面との面接触を一時的に解消して間隙を形成することで、両者の間への潤滑油の流入が容易となるようにする。従って、上記所定量とは、潤滑油の流入に適した間隙の形成のための、圧縮比変更用くさび部材と保持用くさび部材の挿入量の変位である。更に、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動が終了すると、くさび部材挿入孔が設けられたシリンダブロックまたはクランクケースをより確実に固定するため、圧縮比変更用くさび部材および保持用くさび部材とシリンダブロックまたはクランクケースとの間隙を解消すべく、両くさび部材とそれぞれに対応するテーパ状内壁面とを面接触させる。これにより、可変圧縮比内燃機関の圧縮比をより円滑に変更するとともに、より安定的な圧縮比の保持が可能となる。
尚、上述までの可変圧縮比内燃機関に設けられた圧縮比変更用孔、保持用孔およびくさび部材挿入孔を、シリンダの軸線を挟んでシリンダブロックの左右に設けることで、より円滑に、シリンダブロックをシリンダの軸線方向にクランクケースに対して相対移動させることが可能となる。また、シリンダブロックの片側に圧縮比変更用孔、保持用孔およびくさび部材挿入孔を設けると共に、該圧縮比変更用孔等に対してシリンダの軸線を挟んで反対側のシリンダブロックの一部を中心点としてシリンダブロックを回動自在とすることで、シリンダブロックを該中心点を軸として傾斜させながらクランクケースに対して相対移動させることも可能となる。
シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更する内燃機関において、シリンダブロックとクランクケースとのより円滑な相対移動を行うとともに、圧縮比をより安定的に保持することが可能となる。
ここで、本発明に係る可変圧縮比内燃機関の実施の形態について図面に基づいて説明す
る。
図1は、圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)1の概略構成を表す図である。シリンダ2内の燃焼室には、シリンダヘッド6に設けられた吸気ポートを介して吸気管10が接続されている。シリンダ2への吸気の流入は吸気弁7によって制御される。また、シリンダヘッド6に設けられた排気ポートを介して、排気管11が接続されている。シリンダ2外への排気の排出は排気弁8によって制御される。更に、吸気ポートには燃料噴射弁5が、シリンダ2の頂部には、点火プラグ9が設けられている。
ここで、内燃機関1において、圧縮比の変更は、シリンダブロック3の左右両側に設けられたくさび部材挿入孔21に、それぞれ可変圧縮比機構15の構成部材が挿入されることで、シリンダブロック3をクランクケース12に対してシリンダ2の軸線方向に相対移動させる。これによって、シリンダブロック3、シリンダヘッド6およびピストン4によって構成される燃焼室の容積が変更され、その結果、内燃機関1の圧縮比が可変制御される。
ここで、図2に基づいて、可変圧縮比機構15の構成と動作、およびくさび部材挿入孔21の構成について説明する。くさび部材挿入孔21は中心部分が凹状の孔であって、図2に示すようにシリンダ2の軸線方向の断面において、クランクケース12側に設けられたテーパ状内壁面であるクランクケース側内壁面21aと、シリンダブロック3側に設けられたテーパ状内壁面であるシリンダブロック側内壁面21bとを有する。そして、くさび部材挿入孔21において、クランクケース側内壁面21aとシリンダブロック側内壁面21bによって形成される窪みは、外部に対して末広がり形状となっている。
また、可変圧縮比機構15には、第一油圧シリンダ15bおよび第二油圧シリンダ15cが並列して設けられている。第一油圧シリンダ15bおよび第二油圧シリンダ15cの先端部には、それぞれクランクケース側内壁面21aとシリンダブロック側内壁面21bと平行なテーパ面を有し且つくさび状をした圧縮比変更用くさび部材15dおよび保持用くさび部材15eが設けられている。第一油圧シリンダ15bおよび第二油圧シリンダ15cに供給する潤滑油量は、潤滑油供給装置15aによって行われる。潤滑油供給装置15aより各油圧シリンダへ潤滑油が供給されると、各油圧シリンダは先端部に設けられた各くさび部材のくさび部材挿入孔21への挿入量が増大されて、各くさび部材はそれぞれに対応するテーパ状内壁面を押圧する。また、潤滑油供給装置15aによって各油圧シリンダから潤滑油が回収されると、各くさび部材のくさび部材挿入孔21への挿入量が低減される。更に、各くさび部材とそれぞれに対応するテーパ状内壁面との接触部位に潤滑油を供給する接触部位用潤滑油供給通路15fが、潤滑油供給装置15aから該摺動部位まで延出している。
ここで、図1に示すように潤滑油供給装置15aへの潤滑油の供給は、内燃機関1の機関出力によって駆動されるポンプ14によって、オイルパン13に貯留された潤滑油が圧送され、潤滑油供給路16を経て潤滑油供給装置15aへと供給される。また、各油圧シリンダから回収された潤滑油は、潤滑油供給装置15a、潤滑油回収路17を経て、再びオイルパン13内へと貯留される。尚、図1においては、図中右側の可変圧縮比機構15に連結される潤滑油供給路16等のみを表示し、図中左側の可変圧縮比機構15に連結される潤滑油供給路等の表示は省略している。
ここで、図2(a)は、可変圧縮比機構15によって内燃機関1のシリンダブロック3をクランクケース12から遠ざける方向に相対移動させるときの、可変圧縮比機構15の
動きを示している。一方で、図2(b)は、可変圧縮比機構15によって内燃機関1のシリンダブロック3をクランクケース12に近接する方向に相対移動させるときの、可変圧縮比機構15の動きを示している。ここで本実施例においては、圧縮比変更用くさび部材15dと保持用くさび部材15eは、その一部で互いに接触しているとともに、圧縮比変更用くさび部材15dのテーパ面とクランクケース側内壁面21aとは面接触した状態が、保持用くさび部材15eのテーパ面とシリンダブロック側内壁面21bとは面接触した状態が、それぞれ維持されている。
このような状態のもと、潤滑油供給装置15aによって第一油圧シリンダ15bから潤滑油を回収すると共に、第二油圧シリンダ15cへ潤滑油を供給すると、図2(a)中の実線矢印で表されるように、圧縮比変更用くさび部材15dはくさび部材挿入孔21から引き抜かれる方向へ移動するとともに、保持用くさび部材15eはくさび部材挿入孔21へ挿入される方向へ移動する。
このとき、保持用くさび部材15eによってシリンダブロック側内壁面21bに加えられた押圧力が、シリンダブロック3を図2(a)中の点線矢印の方向へ移動させることで、クランクケース側内壁面21aが付勢されて、クランクケース側内壁面21aと圧縮比変更用くさび部材15dとの面接触状態が保持される。その結果、圧縮比変更用くさび部材15dと保持用くさび部材15eとがそれぞれに対応するテーパ状内壁面と面接触した状態を維持しながら、各くさび部材のくさび部材挿入孔21への挿入量が変更され、シリンダブロック3は、図2(a)中の点線矢印で表されるようにクランクケース12から遠ざかる方向へ移動し、内燃機関1の圧縮比は低下する。
一方で、潤滑油供給装置15aによって第一油圧シリンダ15bに潤滑油を供給すると共に、第二油圧シリンダ15cから潤滑油を回収すると、図2(b)中の実線矢印で表されるように、圧縮比変更用くさび部材15dはくさび部材挿入孔21へ挿入される方向へ移動するとともに、保持用くさび部材15eはくさび部材挿入孔21から引き抜かれる方向へ移動する。
このとき、圧縮比変更用くさび部材15dによってクランクケース側内壁面21aに加えられた押圧力が、シリンダブロック3を図2(b)中の点線矢印の方向へ移動させることで、シリンダブロック側内壁面21bが付勢されて、シリンダブロック側内壁面21bと保持用くさび部材15eとの面接触状態が保持される。その結果、圧縮比変更用くさび部材15dと保持用くさび部材15eとがそれぞれに対応するテーパ状内壁面と面接触した状態を維持しながら、各くさび部材のくさび部材挿入孔21への挿入量が変更され、シリンダブロック3は、図2(b)中の点線矢印で表されるようにクランクケース12に近接する方向へ移動し、内燃機関1の圧縮比は上昇する。
また、内燃機関1の圧縮比を一定値に保持するときは、潤滑油供給装置15aによる各油圧シリンダへの潤滑油の供給および各油圧シリンダからの潤滑油の回収を停止する。これにより、圧縮比変更用くさび部材15dはクランクケース側内壁面21aに面接触した状態であって、保持用くさび部材15eはシリンダブロック側内壁面21bに面接触した状態で、且つ圧縮比変更用くさび部材15dおよび保持用くさび部材15eは互いに接触した状態で、くさび部材挿入孔21内において停止する。このとき、各要素間の接触は全て面接触の状態が保持されるため、各要素間におけるクリアランスは可及的に減少される。
以上より、潤滑油供給装置15aによって各油圧シリンダへの潤滑油の供給を制御することでシリンダブロック3をクランクケース12に対して相対移動することで、より円滑な圧縮比の変更が可能となる。また、可変圧縮比機構15およびくさび部材挿入孔21の
各要素間のクリアランスを減少することで、燃料の燃焼に伴う燃焼圧やピストン4の往復動作でシリンダブロック3にかかる力をクランクケース側内壁面21a、シリンダブロック側内壁面21b、各くさび部材のテーパ面、および圧縮比変更用くさび部材15dと保持用くさび部材15eとの接触面によって受け止めることで、シリンダブロック3とクランクケース12との相対位置の変動を抑え、以て内燃機関1の圧縮比が変動することをより確実に抑制することが可能となる。
また、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」という)20が併設されている。このECU20は、CPUの他、後述する各種のプログラム及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
ECU20には、クランクポジションセンサ18、アクセル開度センサ19等、内燃機関1の運転状態を検出する種々のセンサが電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU20に入力されるようになっている。一方、ECU20には、本実施例に係る潤滑油供給装置15aが電気配線を介して接続され、ECU20からの指令によって潤滑油供給装置15aが第一油圧シリンダ15bおよび第二油圧シリンダ15cに供給する潤滑油量またはそれらから回収される潤滑油量が制御される。
このように構成される内燃機関1において、上述したように、圧縮比を変更する際には圧縮比変更用くさび部材15dと保持用くさび部材15eのくさび部材挿入孔21への挿入量を制御する。ここで、圧縮比の変更をより円滑に行うためには、クランクケース側内壁面21aとシリンダブロック側内壁面21bと、各くさび部材との面接触部位に潤滑油を介在させるのが好ましい。そこで、該面接触部位に潤滑油を供給するための潤滑油供給制御について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、S101では、内燃機関1の運転状態が、その圧縮比の変更が要求される状態か否かが判断される。具体的には、クランクポジションセンサ18からの検出信号より算出される機関回転速度や、アクセル開度センサ19からの検出信号より算出される機関負荷の変動から、内燃機関1における燃料の燃焼条件をより適正なものとするために、圧縮比の変更が必要とされるか否かが判断される。S101において、内燃機関1の運転状態が、その圧縮比の変更が要求される状態であると判断されると、S102へ進む。内燃機関1の運転状態が、その圧縮比の変更が要求される状態でないと判断されると、本制御を終了する。
S102では、潤滑油供給装置15aによって第二油圧シリンダ15cから潤滑油を微少量回収することで、保持用くさび部材15eのくさび部材挿入孔21への挿入量を微少量低減する。これにより保持用くさび部材15eとシリンダブロック側内壁面21bとの間に間隙が生じ、接触部位用潤滑油供給通路15fから供給される潤滑油が円滑にくさび部材挿入孔21内での接触部位に供給される。S102の処理が終了すると、S103へ進む。
S103では、S101で内燃機関1において圧縮比の変更が必要と判断されたとき、該圧縮比の変更が低圧縮比側への変更か、または高圧縮比側への変更かが判断される。低圧縮比側への変更と判断されるとS104へ進み、高圧縮比側への変更と判断されるとS106へ進む。
S104では、圧縮比変更用くさび部材15dのくさび部材挿入孔21への挿入量を低減するとともに、保持用くさび部材15eのくさび部材挿入孔21への挿入量を増大する。即ち、図2(a)に示す方向にくさび部材を移動させることで、シリンダブロック3を
クランクケース12から遠ざける方向に移動させる。これにより、燃焼室の容積が増大していき、内燃機関1の圧縮比が徐々に低下する。一方で、S106では、圧縮比変更用くさび部材15dのくさび部材挿入孔21への挿入量を増大するとともに、保持用くさび部材15eのくさび部材挿入孔21への挿入量を低減する。即ち、図2(b)に示す方向にくさび部材を移動させることで、シリンダブロック3をクランクケース12に近接する方向に移動させる。これにより、燃焼室の容積が低減していき、内燃機関1の圧縮比が徐々に上昇する。S104またはS106の処理が終了すると、それぞれS105またはS107へ進む。
S105またはS107では、内燃機関1の圧縮比を目的の圧縮比まで変更させるために、潤滑油供給装置15aから各油圧シリンダへの潤滑油の供給または回収が完了したか否かが判断される。各油圧シリンダへの潤滑油の供給または回収が完了したと判断されるとS108へ進み、各油圧シリンダへの潤滑油の供給または回収が完了していないと判断されると、再びS104またはS106の処理が繰り返される。
S108では、圧縮比変更用くさび部材15dおよび保持用くさび部材15eのくさび部材挿入孔21への挿入量を、それぞれ微少量増大させる。これによって、内燃機関1の圧縮比を一定値に保持するときは、圧縮比変更用くさび部材15dおよび保持用くさび部材15eとそれぞれに対応するテーパ状内壁面との間に介在する潤滑油を排除して、各要素間を直接に面接触させることで、各要素間のクリアランスを可及的に小さくすることが可能となる。S108の処理後、本制御を終了する。
尚、S108において、圧縮比変更用くさび部材15dおよび保持用くさび部材15eのくさび部材挿入孔21への挿入量を、それぞれ微少量増大させることで、内燃機関1の圧縮比が微少量変動する虞がある。そこでS108の処理後、変動した内燃機関1の圧縮比を補正すべく、圧縮比変更用くさび部材15dおよび保持用くさび部材15eを移動させる。また、S108において生じる内燃機関1の圧縮比の変動量に応じて、S104またはS106によって行う各くさび部材のくさび部材挿入孔21への挿入量を補正してもよい。
本制御によると、内燃機関1の圧縮比を変更するときくさび部材挿入孔21において、クランクケース側内壁面21aとシリンダブロック側内壁面21bと、各くさび部材との面接触部位に潤滑油がより確実に確保され、より円滑な圧縮比の変更が可能となる。また、圧縮比を一定値に保持する際は、潤滑油が排除されることで各テーパ状内壁面と各くさび部材との間のクリアランスが小さくなり、各要素同士が面接触状態となることで、圧縮比の変動がより確実に回避される。
ここで、図4にくさび部材挿入孔21と可変圧縮比機構15の別の実施の形態について示す。本実施の形態と上述した実施の形態との違いは、くさび部材挿入孔21において、クランクケース側内壁面21aとシリンダブロック側内壁面21bによって形成される窪みは、外部にして間口が徐々に狭まる形状となっている点である。即ち、くさび部材挿入孔21に設けられたテーパ状内壁面の向きが、上述した実施の形態におけるテーパ状内壁面と異なる向きである。その結果、各くさび部材をくさび部材挿入孔21への挿入量を低減する方向へ移動させると、各くさび部材が対応するくさび部材挿入孔21のテーパ状内壁面を押圧し、該挿入量が増大すると、各くさび部材は該テーパ状内壁面から離れる方向へ移動する。
そこで、潤滑油供給装置15aによって第一油圧シリンダ15bから潤滑油を回収すると共に、第二油圧シリンダ15cへ潤滑油を供給すると、図4(a)中の実線矢印で表されるように、圧縮比変更用くさび部材15dはくさび部材挿入孔21から引き抜かれる方
向へ移動するとともに、保持用くさび部材15eはくさび部材挿入孔21へ挿入される方向へ移動する。その結果、図4(a)の点線矢印に示すように、可変圧縮比機構15によって内燃機関1のシリンダブロック3はクランクケース12に近接する方向に移動し、内燃機関1の圧縮比が上昇する。
一方で、潤滑油供給装置15aによって第一油圧シリンダ15bに潤滑油を供給すると共に、第二油圧シリンダ15cから潤滑油を回収すると、図4(b)中の実線矢印で表されるように、圧縮比変更用くさび部材15dはくさび部材挿入孔21へ挿入される方向へ移動するとともに、保持用くさび部材15eはくさび部材挿入孔21から引き抜かれる方向へ移動する。その結果、図4(b)の点線矢印に示すように、可変圧縮比機構15によって内燃機関1のシリンダブロック3はクランクケース12から遠ざかる方向に移動し、内燃機関1の圧縮比が低減する。
また、内燃機関1の圧縮比を一定値に保持するときは、潤滑油供給装置15aによる各油圧シリンダへの潤滑油の供給および各油圧シリンダからの潤滑油の回収を停止することで、上述した実施の形態と同様に、各要素間の接触は全て面接触の状態に保持されるため、各要素間におけるクリアランスは可及的に減少される。
上記の実施例においては、クランクケース側内壁面21aとシリンダブロック側内壁面21bとは、単一のくさび部材挿入孔21内に設けられているが、クランクケース側内壁面21aとシリンダブロック側内壁面21bとをそれぞれ異なる孔に設けてもよい。即ち、シリンダブロック3に設けられた一の圧縮比変更用孔にシリンダブロック側内壁面21bを設け、また圧縮比変更用孔とは別の保持用孔にクランクケース側内壁面21aを設け、それぞれのテーパ状内壁面に対して、各くさび部材を面接触させる。尚、このとき圧縮比変更用くさび部材15dおよび保持用くさび部材15eが互いに接触しない場合は、外力によってくさび部材が変形しないように、各くさび部材を高剛性の部材や構造とするのが好ましい。
シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更する内燃機関であって、シリンダブロックとクランクケースとのより円滑な相対移動と、圧縮比より安定的に保持する可変圧縮比内燃機関の第二の実施例について、図5および図6に基づいて説明する。尚、図5および図6に示す構成要素と図1に示す構成要素と同一の構成要素については、同一の番号を付して、その説明を省略する。図6は、図5に示した内燃機関1の側面図である。尚、図6中においては、モータ22およびオイルパン13の表示は省略してある。
図5に示す内燃機関1においては、シリンダブロック3の側部に設けられたくさび部材挿入孔26と可変圧縮比機構25および可変圧縮比機構25の動力源であるモータ22、モータ22の駆動力を可変圧縮比機構25に伝達するウォームギア23とウォームホイール24によって、シリンダブロック3をクランクケース12に対して相対移動させることで、圧縮比が変更される。尚、モータ22はECU20からの指令に従い、駆動される。
ここで、くさび部材挿入孔26は、内燃機関1のクランク軸方向に沿って設けられている。くさび部材挿入孔26は、内燃機関1のクランク軸方向に沿ってクランクケース12側に設けられたテーパ状内壁面であるクランクケース側内壁面26aを有している。また、モータ22、ウォームギア24等は支持部材27に支持されており、支持部材27はクランクケース12に連結されている。
可変圧縮比機構25は、クランクケース側内壁面26aと平行なテーパ面を有し且つく
さび状をしたくさび部材25aを有し、くさび部材25aはクランクケース側内壁面26aと面接触状態となっている。ここで、くさび部材25aの端部には支持棒25cが連結されている。また、ウォームホイール23の中心部は雌ねじ形状となり、支持棒25cは雄ねじ形状となることで、支持棒25cとウォームホイール23は連結されている。更に、くさび部材挿入孔26において、くさび部材25aをクランクケース側内壁面26aに押圧するための板バネ25bが、くさび部材挿入孔26のシリンダヘッド6側の空間に設けられている。
ここで、モータ22が右回転すると、それに併せてウォームホイール23が回転する。そしてウォームホイール23に対して雄ねじとして連結される支持棒25cは回転動作が制限されることで、くさび部材25aとともにクランクケース側内壁面26aの方向に移動する。その結果、くさび部材25aがクランクケース側内壁面26aを押圧するため、その押圧力の分力によってシリンダブロック3はクランクケース12に近接する方向に移動し、内燃機関1の圧縮比は上昇する。尚、シリンダブロック3がクランクケース12に近接する方向に移動するほど、板バネ25bが設けられているくさび部材挿入孔26内の空間が小さくなるため、板バネ25bがより圧縮される。その結果、内燃機関1の圧縮比が高くなるほど、くさび部材26aはより強い力で、クランクケース側内壁面26aに付勢される。
逆に、モータ22が左回転すると、くさび部材25aは、クランクケース側内壁面26aとは逆の方向に移動する。ここで、くさび部材25aは板バネ25bによって付勢されているため、その付勢力によってクランクケース側内壁面26aは常にくさび部材25aのテーパ面に面接触した状態に維持される。その結果、くさび部材25aが、クランクケース側内壁面26aとは逆の方向に移動すると、シリンダブロック3はクランクケース12から遠ざかる方向に移動し、内燃機関1の圧縮比は低下する。
また、内燃機関1の圧縮比を一定値に保持する際は、モータ22による駆動を停止する。これによって、くさび部材25aは板バネによる付勢力を常に受けているため、シリンダブロック3とクランクケース12は、くさび部材25aおよび板バネ25bによってクリアランスが可及的に少ない状態で、その相対位置が保持される。ウォームギア24とウォームホイール23との間にバックラッシが存在する場合であっても、該バックラッシには影響されず、シリンダブロック3とクランクケース12の相対位置は保持される。
また、燃焼圧によってシリンダブロック3はシリンダヘッド6側へ移動する力を受けるが、くさび部材25aとクランクケース側内壁面26aが面接触状態となることにより、燃焼圧によるシリンダブロック3の位置の変動を、より確実に抑制することが可能となる。また、ピストン4の往復運動による摩擦力によって、シリンダブロック3をクランクケース12側へ移動させる力が作用するが、該摩擦力は燃焼圧によって受ける力と比べ、非常に小さい。従って、板バネ25bの弾性係数を該摩擦力に抗し得る程度の数値とすることで、該摩擦力によるシリンダブロック3の位置の変動を、より確実に抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関における可変圧縮比機構の動作を示す図である。 本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関において、可変圧縮比機構に潤滑油を供給する潤滑油供給制御を示す制御フローチャートである。 本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関における可変圧縮比機構の動作を示す第二の図である。 本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成を示す第二の図である。 図5に示す可変圧縮比内燃機関の側面図である。
符号の説明
1・・・・可変圧縮比内燃機関(内燃機関)
2・・・・シリンダ
3・・・・シリンダブロック
4・・・・ピストン
6・・・・シリンダヘッド
12・・・・クランクケース
15・・・・可変圧縮比機構
15a・・・・潤滑油供給装置
15b・・・・第一油圧シリンダ
15c・・・・第二油圧シリンダ
15d・・・・圧縮比変更用くさび部材
15e・・・・保持用くさび部材
20・・・・ECU
21・・・・くさび部材挿入孔
21a・・・・クランクケース側内壁面
21b・・・・シリンダブロック側内壁面
22・・・・モータ
25・・・・可変圧縮比機構
25a・・・・くさび部材
25b・・・・板バネ
26・・・・くさび部材挿入孔
26a・・・・クランクケース側内壁面

Claims (4)

  1. シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させて内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、
    前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの何れかに設けられた孔であって、該孔のシリンダブロック側内壁面又はクランクケース側内壁面がテーパ状に形成された圧縮比変更用孔と、
    前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と面接触するテーパ面を有し、前記圧縮比変更用孔へ挿入される圧縮比変更用くさび部材と、
    前記圧縮比変更用くさび部材の前記圧縮比変更用孔への挿入量を調整することで、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を変化させる相対位置制御手段と、
    前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と前記圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持する保持手段と、
    を備えることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記保持手段は、
    前記圧縮比変更用孔が設けられた前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの何れかに設けられた孔であって、該孔のシリンダブロック側内壁面とクランクケース側内壁面のうち前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面とは逆側の内壁面がテーパ状に形成された保持用孔と、
    前記保持用孔に形成されたテーパ状内壁面と面接触するテーパ面を有し、前記保持用孔へ挿入される保持用くさび部材と、
    前記圧縮比変更用くさび部材の前記圧縮比変更用孔への挿入量に応じて前記保持用くさび部材の前記保持用孔への挿入量を調整することで、前記圧縮比変更用孔に形成されたテーパ状内壁面と前記圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持する面接触状態制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記圧縮比変更用孔と前記保持用孔は単一のくさび部材挿入孔を形成し、
    前記圧縮比変更用くさび部材と前記保持用くさび部材は、互いに接触し且つ相対移動自在に前記くさび部材挿入孔への挿入量が調整され、
    前記面接触状態制御手段は、前記相対位置制御手段による前記圧縮比変更用くさび部材の前記くさび部材挿入孔への挿入方向と相反する方向へ前記保持用くさび部材を相対移動させることで、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置の変更を許容するとともに、前記くさび部材挿入孔における前記圧縮比変更用くさび部材に対応するテーパ状内壁面と該圧縮比変更用くさび部材との面接触状態を保持することを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記くさび部材挿入孔へ潤滑油を供給する潤滑油供給手段を更に備え、
    前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置の変更を開始する前に、前記くさび部材挿入孔における前記圧縮比変更用くさび部材に対応するテーパ状内壁面から該圧縮比変更用くさび部材を所定量遠ざけ、または前記くさび部材挿入孔における前記保持用くさび部材に対応するテーパ状内壁面から該保持用くさび部材を所定量遠ざけ、
    前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置の変更を終了した後に、前記くさび部材挿入孔における前記圧縮比変更用くさび部材に対応するテーパ状内壁面と該圧縮比変更用くさび部材とを接触させ、且つ前記くさび部材挿入孔における前記保持用くさび部材に対応するテーパ状内壁面と該保持用くさび部材とを接触させることを特徴とする請求項3に記載の可変圧縮比内燃機関。
JP2003357628A 2003-10-17 2003-10-17 可変圧縮比内燃機関 Withdrawn JP2005120935A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003357628A JP2005120935A (ja) 2003-10-17 2003-10-17 可変圧縮比内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003357628A JP2005120935A (ja) 2003-10-17 2003-10-17 可変圧縮比内燃機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005120935A true JP2005120935A (ja) 2005-05-12

Family

ID=34614464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003357628A Withdrawn JP2005120935A (ja) 2003-10-17 2003-10-17 可変圧縮比内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005120935A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008125005A1 (fr) * 2007-04-13 2008-10-23 Yongzhu Lan Moteur à pression de compression constante et à rapport air/carburant constant, sans papillon d'air, et procédé de commande de cliquetis du moteur
JP2013177876A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Toyota Motor Corp 可変圧縮比機構を備える内燃機関

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008125005A1 (fr) * 2007-04-13 2008-10-23 Yongzhu Lan Moteur à pression de compression constante et à rapport air/carburant constant, sans papillon d'air, et procédé de commande de cliquetis du moteur
JP2013177876A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Toyota Motor Corp 可変圧縮比機構を備える内燃機関

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9797307B2 (en) Actuator of variable compression ratio mechanism and actuator of link mechanism
KR100980863B1 (ko) 자동차 엔진용 가변 압축비 장치
JP2002138867A (ja) 内燃機関の可変圧縮比機構
JP2004324464A (ja) 圧縮比を変更可能な内燃機関と圧縮比制御方法
JP4075730B2 (ja) 可変圧縮比機構
JP6509666B2 (ja) 内燃機関の可変圧縮比装置
JP4631830B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2005120935A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4103731B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2008038753A (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4491426B2 (ja) 内燃機関の可変圧縮比機構
JP2005069204A (ja) 可変圧縮比機構付き内燃機関
JP2008045561A (ja) 可変圧縮比機構
JP4207974B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4491425B2 (ja) 内燃機関の可変圧縮比装置
JP2009264258A (ja) 内燃機関の機械圧縮比変更機構の制御装置
JP2005133612A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4007350B2 (ja) 可変圧縮比機構の制御方法
JP2005069179A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4714610B2 (ja) 内燃機関の可変圧縮比装置
JP2007056835A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4207975B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2005120880A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2005098176A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2003278518A (ja) エンジンの潤滑油供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070109