JP2005120283A - 微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より粒径の小さい球形で均質な微粒子を製造することができるとともに、製造コストを抑えて、工業的な応用範囲を広げ量産を図ることができる微粒子の製造方法を実現する。
【解決手段】微粒子の製造方法は、製造装置1の超音波噴霧器2において、蛍光体原料物質を含有する原料溶液を液滴化させ、キャリアガスとともに前記液滴化させた原料溶液を火炎3e内に導入し、燃料ガスの流量を制御することにより火炎3eの温度を制御して、火炎3e中で微粒子を生成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、微粒子の製造方法に関し、特には、火炎法を用いた、蛍光体に用いられる微粒子をはじめとする微粒子の製造方法に関する。
現在、工業的に使用されている多くの微粒子(微粒子材料)は、固相法によって製造されている。固相法は、原料粉末を混合したものを焼成容器に入れた後、高温で長時間加熱することにより固相反応を起こさせ、それをボールミル等で微粉砕することにより製造する方法である。しかし、固相法には、粉砕プロセスが施されているため、製造された微粒子は形態が不規則で粒径分布も悪く、均一な微粒子を製造することは困難である。特に、電子材料のような多成分を含む材料(多成分系材料)の微粒子を製造する場合、不純物を含んでしまうという問題も生じる。
そこで、固相法に代替しうる微粒子製造方法として、噴霧熱分解法による微粒子の製造方法が開発されている。噴霧熱分解法は、分子レベルで十分に混合された原料溶液を噴霧して微小液滴を形成した後、この微小液滴を熱分解合成炉に導入して加熱することにより熱分解合成を行って化学的に均一な粒子を製造する方法である。噴霧熱分解法は、反応時間が数秒と非常に短く、連続的に微粒子が製造でき、噴霧熱分解法に用いられる熱分解合成炉等の装置がシンプルである等の利点がある。そのため現在、熱分解合成炉(熱分解反応炉)として電気炉を用いた噴霧熱分解法による機能性微粒子の製造に関する研究が盛んに行われている。
下記の特許文献1には、イットリウム、セリウム及びアルミニウムを含有する水溶液を作成し、キャリアガスとともに前記水溶液を液滴状にして熱分解反応炉に導入するセリウム付活アルミン酸イットリウム蛍光体の製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2000−87033号公報(第1頁)
しかしながら、上述したような従来の噴霧熱分解法による微粒子の製造方法では、特許文献1に示されるように、一度の加熱では結晶性が悪く、蛍光体として利用できる程度に粒径の揃った微粒子を生成するためには、再度加熱を行うことが必要である。このため、製造工程が2段階必要となり複雑であり、量産することの妨げとなり得る。また、従来の熱分解合成炉においては、空気中の熱伝達により微粒子を生成するため、エネルギー効率や生産性が低く、工業的に応用範囲を広げることが難しい。
本発明は、より粒径の小さい球形で均質な微粒子を製造することができるとともに、製造コストを抑えて、工業的な応用範囲を広げ量産を図る(スケールアップを図る)ことができる微粒子の製造方法を実現することを課題とするものである。
本発明は上記課題を解決するために、蛍光体原料物質を含有する原料溶液を液滴化させ、
キャリアガスとともに前記液滴化させた原料溶液を火炎内に導入し、燃料ガスの流量を制御することにより前記火炎の温度を制御して、火炎中で微粒子を生成することを特徴とする微粒子の製造方法を提供する。
前記蛍光体原料物質は、イットリウム及びユウロピウム、バリウム及びマグネシウム及びアルミニウム及びユウロピウム、イットリウム及びアルミニウム及びテルビウム、又は、ガドリニウム及びユウロピウムからなる群より選ばれるいずれか1種であることが好ましい。
前記蛍光体原料物質を含有する前記原料溶液の濃度を制御することにより、生成される前記微粒子の大きさを制御することが好ましい。
超音波を利用して、前記原料溶液を液滴化させることが好ましい。
前記火炎の温度は、2000K〜5000Kの範囲に制御されることが好ましい。
以上の構成から成る本発明に係る微粒子の製造方法によると、より粒径の小さい球形で均質な微粒子を製造することができるとともに、製造コストを抑えて、工業的な応用範囲を広げ量産を図る(スケールアップを図る)ことができる。
本発明では、火炎法を用いて微粒子(例えば酸化物微粒子)の製造方法を提供する。本発明の火炎法を用いた微粒子の製造方法は、蛍光体原料物質を含有する原料溶液を液滴化させ、キャリアガスとともに前記液滴化させた原料溶液、つまり液滴を、火炎内に導入し、燃料ガスの流量を制御することにより火炎の温度を制御して、火炎中で微粒子を生成する方法である。
原料溶液の液滴化には、様々な方法が用いられる。例えば、加圧空気で原料溶液を吸い上げながら噴霧して液滴化させる方法、回転している円板上に原料溶液を一定速度で落下させて遠心力により液滴を形成する方法、原料溶液表面に高い電圧を印加して液滴を発生させる方法、超音波を利用して原料溶液を液滴化させる方法等が考えられる。
ブラウン管(CRT、Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Displays、電界放出ディスプレイ)、PDP(Plasma Display Panels、プラズマディスプレイパネル)等のディスプレイの蛍光体に用いられる、サブミクロンからミクロンオーダーの粒径の揃った微粒子の製造には、液滴径の比較的均一な液滴を形成できる超音波を利用して液滴化させる方法が好ましい。なお、超音波を利用して原料溶液を液滴化させてから火炎法を用いた微粒子の製造方法を、本明細書では超音波噴霧火炎法という。
また、上記のような蛍光体に用いられる微粒子の場合、微粒子の構成金属元素となる蛍光体原料物質の原料としては、水溶性であって、高温に加熱するときに酸化物や硫化物を生成し得る無機塩や有機金属化合物等を使用することができる。また、このような微粒子の構成金属元素となる蛍光体原料物質の酸化物を酸に溶解して使用することもできる。なお、蛍光体に用いられる微粒子を製造する場合、蛍光体に用いられる微粒子の構成金属元素の硝酸塩を使用することが好ましい。硝酸塩の状態であれば構成金属元素はイオン化しているため、加熱により容易に分解して蛍光体に用いられる微粒子を生成するためである。
キャリアガスとしては、空気、窒素、アルゴン、又は、水素等の使用が考えられるが、窒素、アルゴン、又は、水素といった中性又は還元性のガスが好ましい。
火炎の燃料ガスとしては、例えば、メタン及び酸素が用いられるが、これらの物質には限定されず、他の燃料ガスを使用することも可能である。これらの燃料ガスの流量を制御することにより、火炎の温度は、2000K〜5000Kの範囲に制御される。これは、従来の噴霧熱分解法において熱分解反応炉の加熱温度の範囲が約900K〜約2200K程度又はそれ以下の温度範囲であったことと比べて、より高温で加熱できる、さらに具体的には2倍以上の高温で加熱できることとなる。なお、以下に述べる実施例(実験例)では、火炎の温度を4000K前後の温度において変化させ(制御し)、微粒子を製造している。
上記のようなキャリアガスとともに、液滴化させた原料溶液、即ち、液滴を、火炎内に直接導入し、火炎中で微粒子を生成する。このような本発明の微粒子の製造方法では、火炎内で液滴を一度加熱すればよい。つまり、火炎の中に液滴を直接導入して微粒子を加熱生成するため、従来にはなかった高温中で微粒子を生成することができ、結晶性のよい微粒子を製造できるからである。要するに、本発明の微粒子の製造方法では、従来の噴霧熱分解法のように2段階の加熱(再加熱)が不要であり、微粒子を製造する工程を単純にすることができる。
また、本発明の微粒子の製造方法では、蛍光体原料物質を含有する原料溶液の濃度、つまり、微粒子の構成元素である蛍光体原料物質の濃度を変える(制御する)ことにより、生成される微粒子の大きさ(粒径)を制御することが可能である。
本発明の火炎法を用いた製造方法は、従来の電気炉を用いた噴霧熱分解法よりも、上述のように火炎の操作温度(制御温度)が高いため、熱容量が大きくなり、微粒子の生成量が多くなること、また、火炎の熱をそのまま利用するので生産コストが安価であること、及び、工業的に利用できる範囲が広がり、量産可能(スケールアップが容易)である等の利点を有する。微粒子の生成量においては、従来、1時間に数グラム程度の微粒子が製造されていたことに比べて、本発明の微粒子の製造方法では、例えば1時間に数100グラム程度(オーダー)の微粒子を製造することが可能となり、大幅に量産性を向上させることができる。
以下、本発明に係る微粒子の製造方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。
本実施例(実験例)では、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Displays)、及びPDP(Plasma Display Panels)などのディスプレイに赤色蛍光体として利用されているY:Eu微粒子(立方晶型)を、本発明の超音波噴霧火炎法を用いた微粒子の製造方法によって製造した。
図1は、本発明の実施例に係る微粒子の製造方法に用いられる製造装置(実験装置)1の模式的な概略図である。製造装置1は、超音波を利用して蛍光体原料物質を含有する原料溶液を噴霧して液滴化させる超音波噴霧器2と、火炎を生じさせるバーナー3と、生成された微粒子を捕集する静電捕集器4と、から構成される。
蛍光体原料物質は、生成される微粒子の構成金属元素となる物質である。本実施例のY:Eu微粒子(立方晶型)を製造する場合、このような蛍光体原料物質は、イットリウム(Y)及びユウロピウム(Eu)である。そこで、蛍光体原料物質を含有する原料溶液として、超純水に硝酸イットリウム(Y(NO・6HO)、及び、硝酸ユウロピウム(Eu(NO・6HO)を溶解させたものを用いた。
なお、本発明の微粒子の製造方法により、本実施例のY:Eu微粒子(立方晶型)に限らず、他の微粒子も生成することができる。生成可能な他の微粒子として、例えば、BAMと呼ばれるBaMgAl1017にEuがドープされたBaMgAl1017:Euや、YAGと呼ばれるYAl12にTbがドープされたYAl12:Tbや、Gd:Eu等が挙げられる。BaMgAl1017:Eu微粒子を製造する場合、この微粒子の構成金属元素である蛍光体原料物質は、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、及びユウロピウム(Eu)である。YAl12:Tb微粒子を製造する場合、この微粒子の構成金属元素である蛍光体原料物質は、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、及びテルビウム(Tb)である。Gd:Eu微粒子を製造する場合、この微粒子の構成金属元素である蛍光体原料物質は、ガドリニウム(Gd)及びユウロピウム(Eu)である。要するに、本実施例では、蛍光体原料物質としてイットリウム(Y)及びユウロピウム(Eu)を用いたが、他の蛍光体原料物質の例として、バリウム(Ba)及びマグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)及びユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)及びアルミニウム(Al)及びテルビウム(Tb)、又は、ガドリニウム(Gd)及びユウロピウム(Eu)等を用いて他の微粒子を製造することが可能である。
超音波噴霧器2は、例えば圧電結晶からの超音波を利用してこの原料溶液を噴霧し液滴を形成する。超音波噴霧器2の上方にはバーナー3が設置されており、バーナー3の上部に火炎3eが生じる。バーナー3は、同軸中心を有する複数の円筒3a〜3dから構成されている。また、超音波噴霧器2及びバーナー3にはキャリアガスが送り込まれるようになっている。キャリアガスが送り込まれることにより、超音波噴霧器2で形成された液滴は、バーナー3の円筒3a内を通して、バーナー3の火炎3e中に直接導入される。キャリアガスとしては、例えば窒素(N)が用いられる。なお、キャリアガスを送り込む配管8には流量計9が取り付けられている。
図2に、バーナー3の拡大された概略図を示す。バーナー3は、上述のように同軸中心を有する複数の円筒3a〜3dを含んで構成されている。図2(1)はバーナー3の同軸方向に垂直な方向の正面図であり、図2(2)はバーナー3の同軸方向に平行な方向の側面図である。円筒3aがバーナー3の最も中心に位置し、その周りが円筒3b、円筒3c、及び円筒3dによりそれぞれ順に取り囲まれている。円筒3aの長さが最も長く、下方に突出しており、円筒3aの外側を順に取り囲む円筒3b、円筒3c、及び円筒3dは、その長さが順次短くなるように構成されている。
バーナー3には、本実施例では2本の配管5a、5bが接続されており、これらの配管5a、5bを通じてバーナー3に燃料ガスが送り込まれる。燃料ガスとして、例えばメタン(CH)及び酸素(O)が使用される。各配管5a、5bに取り付けられているマスフローコントローラ6a、6bにより、これらの燃料ガスの流量を変化させることができ、燃料ガスが制御される。燃料ガスが制御されることにより、バーナー3に生じる火炎3e中の温度が制御される。なお、燃料ガスが通る配管5a、5bには安全のため逆止弁が7a、7bが設けられている。
バーナー3において、円筒3b内、即ち、円筒3aの外周を取り囲む円筒3b内には、配管5bによりメタン(CH)が送り込まれる。円筒3c内、即ち、円筒3dの外周を取り囲む円筒3c内には、配管5aにより酸素(O)が送り込まれる。また、バーナー3の中心に位置する円筒3a内には、超音波噴霧器2で形成された液滴がキャリアガスである窒素とともに直接導入される。なお、円筒3d内、即ち、円筒3cの外周を取り囲む円筒3d内は、予備用として設けられている。
静電捕集器4は、高電圧発生装置4bにより印加された高電圧により生じる静電気力を用いて、バーナー3の火炎3e中で反応し生成された微粒子を本体4a内に捕集する。静電捕集器4は、捕集効率を良くするためにヒーター(図示せず)等により加熱されている。なお、火炎中で生成された微粒子と共に上昇したキャリアガス等のガスを吸引するために、ポンプ4dが設けられており、吸引されたガスは、冷却トラップ(cold trap)4c内に集められ、ポンプ4dを介して排出される。
次に、本発明の実施例に係る微粒子の製造方法について詳しく説明する。硝酸イットリウム(Y(NO・6HO)、及び、硝酸ユウロピウム(Eu(NO・6HO)
を超純水に溶解させた原料溶液を、まず作成した。このとき、原料である硝酸イットリウムの濃度のみを変化させて作成し、原料溶液の濃度は、0.01M、0.1M、0.3M、0.5M(ここでMは、モル/リットルを表す)のように変化させて作成した。
これらの原料溶液を、超音波噴霧器2により噴霧し液滴化させ、キャリアガスである窒素(N)によりバーナー3の円筒3a内を通じて火炎3eの中心に直接導入した。火炎3eの燃料となる燃料ガスとして、メタン(CH)及び酸素(O)を使用し、マスフローコントローラ6a、6bによりこれらの燃料ガスの流量を変化させて、火炎3eの温度制御を行った。具体的には、メタン(CH)を1.5L/min、キャリアガスである窒素(N)を2.0L/minで固定し、酸素(O2)の流量のみを変化させることによって、火炎3eの温度を制御した。本実施例では、酸素(O)の流量を、3.2L/min、3.75L/min、そして、4.3L/minに変化させることで、火炎3eの温度をそれぞれ、4120K、3900K、そして、3720Kと変化させた。(ここでL/minはリットル/分:1分間に流れるガスの流量を表す)
バーナー3の火炎中で反応し生成した微粒子は、約470K(200℃)に加熱された静電捕集器4により捕集した。その後、捕集した微粒子の表面形態、結晶性、及び、蛍光特性を、走査型電子顕微鏡(以下、SEMという)、X線回折装置(以下、XRDという)、及び、フォトメーターにより評価した。
図3には、上述のように火炎3eの温度を変化させることによって、本発明の製造方法により製造された微粒子のSEM写真(図3(1))とXRDによる結晶性測定結果(図3(2))とが示されている。なお、図3(2)のXRDによる結晶性測定結果において、図面右上に表示された記号及び番号は、Yを表す検索のためのカードナンバーである。また、図3(2)の縦軸は、強度を表し、横軸は回折角度を表す。図3の(a)、(b)、(c)はそれぞれ、火炎3eの温度を4120K、3900K、3720Kに変化させた時の結果である。これらの結果から、SEM写真による微粒子の粒径も、XRDによる微粒子の結晶性も特に変化が見られなかった。
図4は、原料である硝酸イットリウムの濃度のみを変化させて製造した微粒子のSEM写真である。図4(a)には商品粒子が示されている。ここで商品粒子とは、一般に商品ととして流通している粒子である。また、図4(b)、(c)、(d)、(e)には、硝酸イットリウムの濃度を変化させることにより原料溶液の濃度をそれぞれ、0.01M、0.1M、0.3M、0.5Mのように変化させたときに製造された微粒子を示す。この時の燃料ガス及びキャリアガスの操作(制御)条件は、メタン(CH)が0.5L/min、酸素(O2)が3.75L/min、キャリアガスである窒素(N)が2L/minである。
図4に示されるように、原料溶液の濃度が高くなっていくにつれて、微粒子の粒径も大きくなっていることが分かる。これは、原料溶液の濃度、つまり、微粒子の構成元素である蛍光体原料物質の濃度、具体的には、本実施例の場合、イットリウム(Y)の濃度が大きくなっていくにつれて、微粒子の結晶成長が促進されたのではないかと考えられる。したがって、既に述べたように、本発明の微粒子の製造方法により、蛍光体原料物質を含有する原料溶液の濃度、つまり、微粒子の構成元素である蛍光体原料物質の濃度を変える(制御する)ことにより、生成される微粒子の大きさ(粒径)を制御することが可能である。
図4(a)の商品粒子と本実施例(本実験)で製造した図4(b)〜(e)の微粒子とを比較すると、商品粒子は従来の固相法で製造している為、非球形で粒径が6μm程度であるのに対して、本実施例(本実験)の超音波噴霧火炎法で製造した微粒子は球形で、粒径もサブミクロンオーダーと比較的小さい粒子が製造できた。
図5には、商品粒子(図5(a)商品粒子)と、本発明の実施例に係る超音波噴霧火炎法で製造した平均径が1.0μmの微粒子(図5(b)火炎)と、従来の電気炉を用いた噴霧熱分解法で製造した平均径が0.5μmの微粒子(図5(c)電気炉)と、の間で比較された蛍光強度(PL強度)が示されている。尚、電気炉を用いた噴霧熱分解法で製造した微粒子は、ユウロピウム(Eu)が6モル(mol)%ドープされたもので、電気炉における加熱条件は、1550℃である。また、本発明の実施例に係る超音波噴霧火炎法により製造した微粒子は、ユウロピウム(Eu)が12モル(mol)%ドープされたもので、燃料ガス及びキャリアガスの流量は、メタン(CH)が1.5L/min、酸素(O)が3.75L/min、キャリアガスである窒素(N)が2L/minである。
図5に示されるように、従来の電気炉を用いた噴霧熱分解法で製造した微粒子は、商品粒子の43%の蛍光強度であるのに対して、本発明の実施例に係る超音波噴霧火炎法で製造した微粒子は、商品粒子の61%の蛍光強度を示していることが分かる。これは、火炎の温度(操作温度、制御温度)が高いため、本発明の実施例に係る超音波噴霧火炎法で製造した方が、従来の電気炉を用いた噴霧熱分解法で製造したものよりも緻密な粒子ができた為であると考えられる。
蛍光体微粒子はその粒径が大きいほど蛍光強度が大きい特性を示すことが知られているが、本発明の実施例に係る超音波噴霧火炎法で製造した微粒子は、その粒径が商品粒子と比較して数分の一の大きさしかないにも拘わらず、商品粒子の61%の蛍光強度を示したことは驚異的でさえある。また、本発明の実施例に係る超音波噴霧火炎法で製造した蛍光体微粒子をブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Displays、電界放出ディスプレイ)、PDP(Plasma Display Panels、プラズマディスプレイパネル)等のディスプレイに用いる場合は、その粒径が小さいために塗布や蒸着の際のムラを少なくでき、また蛍光体層の薄膜化も可能とできる。
以上、本発明に係る微粒子の製造方法の最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。
本発明の活用例として、ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)FED(Field Emission Displays、電界放出ディスプレイ)PDP(Plasma Display Panels、プラズマディスプレイパネル)等のディスプレイの蛍光体に用いられる微粒子をはじめとする電子材料用機能性微粒子、他の各種機能性微粒子を製造するために利用できる。
本発明の実施例に係る微粒子の製造方法に用いられる製造装置の模式的な概略図である。 バーナーの拡大された概略図である。 火炎の温度を変化させることによって、本発明の製造方法により製造された微粒子のSEM写真(図3(1))、及び、XRDによる結晶性測定結果(図3(2))である。 原料である硝酸イットリウムの濃度のみを変化させて製造した微粒子のSEM写真である。 商品粒子(商品で流通している粒子)(図5(a)商品粒子)と、本発明の実施例に係る火炎法(超音波噴霧火炎法)で製造した微粒子(図5(b)火炎)と、従来の電気炉を用いた噴霧熱分解法で製造した平均径が0.5μmの微粒子(図5(c)電気炉)と、の間で比較された蛍光強度(PL強度)を示す図である。
符号の説明
1 製造装置
2 超音波噴霧器
3 バーナー
3a、3b、3c、3d 円筒
3e 火炎
4 静電捕集器
4a 本体
4b 高電圧発生装置
4c 冷却トラップ
4d ポンプ
5a、5b、8 配管
6a、6b マスフローコントローラ
7a、7b 逆止弁
9 流量計

Claims (5)

  1. 蛍光体原料物質を含有する原料溶液を液滴化させ、
    キャリアガスとともに前記液滴化させた原料溶液を火炎内に導入し、
    燃料ガスの流量を制御することにより前記火炎の温度を制御して、火炎中で微粒子を生成することを特徴とする微粒子の製造方法。
  2. 前記蛍光体原料物質は、イットリウム及びユウロピウム、バリウム及びマグネシウム及びアルミニウム及びユウロピウム、イットリウム及びアルミニウム及びテルビウム、又は、ガドリニウム及びユウロピウムからなる群より選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1記載の微粒子の製造方法。
  3. 前記蛍光体原料物質を含有する前記原料溶液の濃度を制御することにより、生成される前記微粒子の大きさを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒子の製造方法。
  4. 超音波を利用して、前記原料溶液を液滴化させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微粒子の製造方法。
  5. 前記火炎の温度は、2000K〜5000Kの範囲に制御されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微粒子の製造方法。
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