JP2005119425A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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千春 中澤
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幸彦 井上
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Abstract

【課題】 ブレーキバイワイヤ制御実行時に、精度の高い液圧制御を達成可能なブレーキ制御装置を提供すること。
【解決手段】 マスタシリンダと、各車輪に制動力を発生させるホイルシリンダと、マスタシリンダと異なる液圧源と、ホイルシリンダ圧を任意に制御可能な液圧制御手段と、液圧源とホイルシリンダとの間の油路の連通・非連通を切り替える切換弁とを備えたブレーキ制御装置において、液圧源としてポンプを設け、液圧制御手段は、運転者のブレーキ操作に応じて、ポンプ及び切換弁の駆動によりホイルシリンダ圧力の増圧、保持、減圧を行うとともに、保持制御時には切換弁を非連通状態とすることとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者の操作により発生するマスタシリンダ圧以外の液圧源を備え、運転者の意図に応じて前記液圧源からブレーキ液圧を発生させる、所謂ブレーキバイワイヤ制御を実行可能なブレーキ制御装置に関する。
従来、ブレーキ制御装置にあっては、マスタシリンダとホイルシリンダの間にポンプを配置して、ポンプの回転によりホイルシリンダの増減圧を制御する技術が特許文献1に開示されている。
特開平5−147524号公報(図1参照)。
しかしながら、上述の従来技術にあっては、増圧制御から保持制御に移行する際にポンプ慣性力によりポンプ回転がすぐに止まらず、保持制御時にホイルシリンダが過増圧となり、液圧制御の精度が低下する虞があった。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、ブレーキバイワイヤ制御実行時に、精度の高い液圧制御を達成可能なブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため本願発明では、ブレーキ制御装置において、液圧源として、ポンプを設けることとした。ポンプとは例えば電動モータにより駆動するギアポンプ等を用いるものとする。また、ポンプとホイルシリンダの間の油路の連通、非連通を切り替える切換弁を設け、保持制御時に切換弁を非連通とすることとした。
ポンプを用いることで、ブレーキ制御装置の耐久性の向上を図ることができる。尚、ポンプを用いると、増圧制御が終了し、保持制御に移行する際、ポンプ駆動指令を停止したとしても、慣性力により液圧が発生する場合がある。このような場合であっても、切換弁によりポンプとホイルシリンダを遮断することで、確実にホイルシリンダ圧力の過増圧の防止を図ることができる。
以下、本発明のブレーキ制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例1におけるブレーキ制御装置の全体構成を表すシステム図である。まず、構成について説明すると、ブレーキペダル1を踏み込むと油路21,22を介して流体としてのブレーキ液を制動力発生手段としてのホイルシリンダ12,13に供給する。尚、ホイルシリンダ12はFL側(左前輪側)、ホイルシリンダ13はFR側(右前輪側)である。また、マスタシリンダ3にはブレーキ液を貯留するリザーバタンク18が設けられている。
油路19と油路21との間には遮断弁4が設けられている。油路20と油路22の間には遮断弁5が設けられている。遮断弁4から油路21→油路23→油路25→油路27と連通する油路上にはホイルシリンダ12が設けられている。また、遮断弁5から油路22→油路24→油路26→油路28と連通する油路上にはホイルシリンダ13が設けられている。
また、上記油路上には、ホイルシリンダ内の圧力を検出するホイルシリンダ圧センサ14,15が配置されている。
油路33と油路35の間にはギアポンプ8が設けられている。油路34と油路36の間にはギアポンプ9が設けられている。このギアポンプ8,9は、コントロールユニットからの指令値に基づいてポンプモータ10,11により駆動され、油路37,38,39を介してリザーバタンク18からブレーキ液をギアポンプ8,9に吸入する。
油路31と油路33の間には電磁弁6が設けられている。油路32と油路34の間には電磁弁7が設けられている。この電磁弁6,7は、非通電(OFF)時は閉弁状態である。
油路29と油路30との間には各輪毎の油路を連通及び遮断可能なアイソレーションバルブ44が設けられている。このアイソレーションバルブ44は、非通電(OFF)時は閉弁状態(所謂ノーマルクローズタイプ)である。
ギアポンプ8,9に並列にリリーフバルブ45,46が設けられている。このリリーフバルブ45,46は、ポンプ回転により液圧が上昇した場合にリリーフする。
(ブレーキバイワイヤ制御)
実施例1では、液圧制御手段としてブレーキバイワイヤ制御を実行している。すなわち、運転者のキー操作によりイグニッションONとされると、遮断弁4,5を閉じる。そして、運転者のブレーキ操作意図をマスタシリンダ圧等から検出し、その意図及び走行状況に応じて、ギアポンプ8,9によって所望のブレーキ液圧を発生させるものである。
(ポンプの回転方向の変更によるマスタシリンダ増減圧制御)
図2は、ポンプの回転方向の変更によるマスタシリンダ増減圧制御を表すフローチャートである。尚、本フローチャートは便宜上ブレーキ制御装置の静的な状態に基づき説明してある。
ステップ101において、ブレーキスイッチ2がON状態であるかどうかを確認し、ONのときはステップ102へ進み、OFFのときは本制御フローを終了する。
ステップ102において、マスタシリンダ変化率が−ΔPよりも小さいかどうかを判断し、小さい場合はステップ108へ進み、大きい場合はステップ103へ進む。
ステップ103において、マスタシリンダ変化率がΔPよりも大きいかどうかを確認し、大きい場合はステップ106へ、小さい場合はステップ104へ進む。
ステップ104において、電磁弁6,7をCLOSEし、ステップ105へ進む。
ステップ105において、ギアポンプ8,9を停止し、本制御フローを終了する。
ステップ106において、電磁弁6,7をOPENし、ステップ107へ進む。
ステップ107において、ギアポンプ8,9を正転し、本制御フローを終了する。
ステップ108において、電磁弁6,7をOPENし、ステップ109へ進む。
ステップ109において、ギアポンプ8,9を逆転し、本制御を終了する。
以下、ポンプの正転・逆転を用いたマスタシリンダ増減圧制御の内容を、図3のタイムチャートに基づいて説明する。
図3は、上記ポンプの正転・逆転を用いたマスタシリンダ増減圧制御を表すタイムチャートである。
時刻Tにおいて、マスタシリンダ圧力の上昇を検知すると、図2のフローチャートのステップ101においてブレーキスイッチ2がONであることを確認してステップ102へ進む。マスタシリンダ圧力変化率が−ΔPより大きく増圧と判断されるためステップ103へ進み、電磁弁をOPENしてステップ107へ進む。ステップ107でギアポンプ8,9を正転し、ホイルシリンダ12,13を加圧する。
時刻Tにおいて、マスタシリンダ圧変化率が−ΔPより大きいと判断し、ステップ103へ進む。マスタシリンダ圧変化率がΔPより小さいため、ステップ104へ進み電磁弁6,7をCLOSEし、ステップ105へ進む。ステップ105において、ギアポンプ8,9を停止する。これにより、運転者の要求制動力が定常状態のときは、ホイルシリンダ内のブレーキ液圧を保持することとなる。
時刻Tにおいて、マスタシリンダ圧変化率がマイナス側へ減少し始めるため、ステップ102において、マスタシリンダ変化率が−ΔPより小さいと判断しステップ108へ進む。ステップ108では、電磁弁6,7をOPENし、ステップ109へ進む。ステップ109でギアポンプ8,9を逆転させ、油路35,36,37,38,39を介しブレーキ液をリザーバ18へ環流することで、制動力を減少させる。
時刻Tにおいて、運転者のブレーキ操作終了に伴い、ホイルシリンダ圧の減圧が完了する。これにより、ブレーキスイッチ2はOFFとなる。また、ギアポンプ8,9を停止し、電磁弁6,7をCLOSEして本制御を終了する。
以上説明したように、実施例1においては、ブレーキバイワイヤ制御を実行するブレーキ装置において、マスタシリンダ増圧時にはギアポンプ8,9が正転してホイルシリンダに圧力が供給され、マスタシリンダ減圧時にはギアポンプ8,9が逆転して減圧制御を行うことが可能となり、ギアポンプ8,9の回転方向の変更による増減圧制御を達成できる。特に、素早い減圧(大きな減圧勾配)を要求されたときは、ギアポンプ8,9を逆転させることは有効である。また、保持制御時に電磁弁6,7をCLOSEすることでギアポンプ8,9の慣性力による液圧がホイルシリンダへ伝わるのを防止して過増圧を防ぐことが可能となり、適切なブレーキ制動力を得ることができる(請求項1に対応)。
次に実施例2について説明する。
図4は、ポンプ回転によるマスタシリンダ増圧制御を表すフローチャートである。基本的な構成は実施例1の図2と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。
減圧制御時にギアポンプ8,9を逆転させる代わりに、ギアポンプ8,9のリークを利用する。ギアポンプ8,9は、サイドリーク、歯先リーク等リーク箇所が多いため、ポンプを停止していてもリークが起こる。これを利用して減圧制御を行う。よって、ステップ108で電磁弁6,7をOPENした後、ステップ110でギアポンプ8,9を停止する。
以下、ポンプ回転によるマスタシリンダ増圧制御の内容を、図5のタイムチャートに基づいて説明する。
図5は、ポンプ正転時のマスタシリンダ増圧制御を表すタイムチャートである。
時刻Tにおいて、マスタシリンダ圧力の上昇を検知すると、図2のフローチャートのステップ101においてブレーキスイッチ2がONであることを確認してステップ102へ進む。ステップ102でマスタシリンダ圧力変化率が−ΔPより大きく増圧と判断されるためステップ103へ進む。ステップ103でマスタシリンダ圧の変化率がΔPより大きいため、ステップ106で電磁弁をOPENしてステップ107へ進む。ステップ107でギアポンプ8,9を正転する。
時刻Tにおいて、マスタシリンダ圧変化率が−ΔPより小さいと判断し、ステップ103へ進む。ステップ103でマスタシリンダ圧変化率がΔPより小さいためステップ104へ進み、電磁弁6,7をCLOSEし、ステップ105へ進む。ステップ105において、ギアポンプ8,9を停止する。これにより、運転者の要求制動力が定常状態のときは、ホイルシリンダ内のブレーキ液圧を保持することとなる。
時刻Tにおいて、マスタシリンダ圧変化率がマイナス側へ減少し始めるため、ステップ102において、マスタシリンダ変化率が−ΔPより小さいと判断しステップ108へ進む。ステップ108で、電磁弁6,7をOPENし、ギアポンプ8,9を停止する。ギアポンプ8,9のリークを利用してブレーキ液をリザーバ18へ環流することで、制動力を減少させる。
時刻Tにおいて、運転者のブレーキ操作終了に伴い、ホイルシリンダ圧の減圧が完了する。これにより、ブレーキスイッチ2はOFFとなり、電磁弁6,7をCLOSEして本制御を終了する。
以上説明したように実施例2においては、ブレーキバイワイヤ制御を実行するブレーキ装置において、マスタシリンダ増圧時にはギアポンプ8,9が正転してホイルシリンダに圧力が供給され、マスタシリンダ減圧時にはギアポンプの反転を行う代わりにギアポンプ8,9のリークを利用して減圧制御を行うことができる。特に、実施例1に比べて、ゆっくりとした減圧(減圧勾配が小さい)の要求に有効であり、ギアポンプ8,9を駆動しない点で耐久性も向上する。また、要求された減圧勾配に合わせて実施例1,2の制御を組み合わせてもよい。また、実施例1同様、保持制御時に電磁弁6,7をCLOSEすることでギアポンプ8,9の慣性力による液圧がホイルシリンダへ伝わるのを防止して過増圧を防ぐことが可能となり、適切なブレーキ制動力を得ることができる(請求項2に対応)。
本発明の実施例1におけるブレーキ制御装置のシステム構成図である。 実施例1におけるポンプの回転方向の変更によるマスタシリンダ増減圧制御を表すフローチャートである。 実施例1におけるポンプの回転方向の変更によるマスタシリンダ増減圧制御を表すタイムチャートである。 実施例2におけるポンプ回転によるマスタシリンダ増圧制御を表すフローチャートである。 実施例2におけるポンプ回転によるマスタシリンダ増圧制御を表すタイムチャートである。
符号の説明
1 ブレーキペダル
2 ブレーキスイッチ
3 マスタシリンダ
4,5 マスタシリンダ圧力センサ
6,7 電磁弁
8,9 ギアポンプ
10,11 ポンプモータ
12 ホイルシリンダ(FL)
13 ホイルシリンダ(FR)
14,15 ホイルシリンダ圧力センサ
16,17 リリーフバルブ
18 リザーブタンク
44 アイソレーションバルブ
45,46 リリーフバルブ

Claims (2)

  1. 運転者のブレーキ操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダと、
    少なくとも前記マスタシリンダを液圧源とし、各車輪に制動力を発生させるホイルシリンダと、
    前記マスタシリンダと異なり、前記ホイルシリンダに液圧を供給可能な液圧源と、
    前記ホイルシリンダ圧を任意に制御可能な液圧制御手段と、
    前記液圧源と前記ホイルシリンダとの間の油路の連通・非連通を切り替える切換弁と、
    を備えたブレーキ制御装置において、
    前記液圧源としてポンプを設け、
    前記液圧制御手段は、運転者のブレーキ操作に応じて、前記ポンプ及び前記切換弁の駆動によりホイルシリンダ圧力の増圧、保持、減圧を行うとともに、保持制御時には前記切換弁を非連通状態とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記液圧制御手段は、減圧制御時は前記ポンプの駆動を停止し、前記切換弁を連通状態とすることを特徴とするブレーキ制御装置。
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