JP2005118804A - 連続鋳造鋳片の凝固完了位置検知方法 - Google Patents

連続鋳造鋳片の凝固完了位置検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 横波超音波を用いて鋳片の凝固完了位置を検知する際に、鋳造条件及び鋼種によって変動する凝固完了位置を少ないセンサー個数で精度良く検知する。
【解決手段】 横波を発信する送信センサー11と、受信する受信センサー12とからなるセンサーを、鋳造方向の離れた位置に2箇所以上設置し、上流側のセンサーの位置が凝固完了位置16となる鋳造条件下に調整した状態で、下流側のセンサーによって鋳片13を透過した伝播時間を測定し、この伝播時間から鋳片の厚み方向の平均温度を求め、上流側のセンサーで検出した凝固完了位置と、下流側のセンサーで求めた平均温度とを用いて、該鋳造条件下における伝熱計算から求まる平均温度を校正し、該校正を種々の鋳造条件下で繰り返し実施して鋳造条件と平均温度とのデータベースを構築し、構築したデータベースと、センサーによって測定された測定データとに基づいて凝固完了位置を推定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、連続鋳造機で鋳造されつつある連続鋳造鋳片の凝固完了位置を検知する方法に関するものである。
鋼の連続鋳造においては、連続鋳造鋳片の凝固完了位置(「クレータエンド位置」とも云う)が鋳片のどの位置にあるかを判定することが、極めて重要である。凝固完了位置を検知することが、鋳片の生産性や品質の向上に大きく貢献するためである。
例えば、生産性を向上させるために鋳造速度を上昇させると、凝固完了位置は鋳片の鋳造方向下流側に移動する。凝固完了位置が鋳片支持ロールの範囲を超えてしまうと、鋳片が静鉄圧により膨らみ(以下、「バルジング」と記す)、内質の悪化や巨大バルジングの場合には鋳造停止と云った問題が発生する。又、鋳片の中心偏析を低減して高品質化を図るための軽圧下操業では、凝固完了位置を軽圧下帯に位置させるように鋳造速度や二次冷却水量を制御する必要がある。
又、スラブ鋳片においては、その断面が扁平形状であるため、凝固完了位置は鋳片の幅方向で均一ではなく、且つ、時間によってその形状が変動することが知られている。この幅方向で異なる凝固完了位置の形状も、鋳片の品質や生産性を決める大きな要因となっている。
例えば、上記の軽圧下帯を用いた軽圧下操業であっても、鋳片の中心偏析を安定して低減するためには、凝固完了位置を鋳片の幅方向で均一にすることが必要である。鋳片幅方向で凝固完了位置が異なる場合には、軽圧下帯における圧下量が鋳片幅方向の各位置で異なり、圧下量の少ない位置では十分な中心偏析改善効果が得られない。又、生産性を向上させるため、或いは直送圧延のために、鋳造速度を最大限にしていた場合には、凝固完了位置の伸張した箇所が鋳片支持ロールの範囲を超えてしまうことがあり、この場合にはバルジングに伴う内質の悪化などと云った問題が発生する。尚、直送圧延とは、連続鋳造機で鋳造された高温の鋳片を補助的な加熱を施した後に熱間圧延する技術である。
これらの要求に応えるには、鋳片の凝固状態をオンラインで計測する必要があり、従って、鋳片の凝固状態を判定するための種々の方法が提案されており、そのなかでも、超音波の横波の透過強度を利用した方法が多数提案されている。横波は固相のみを透過し、液相が存在すると透過しないと云う性質があり、横波を鋳片の厚み方向に送信し、鋳片を透過した信号が検知されれば完全に凝固していると判断でき、信号が得られなければ未凝固層が残存していると判断できるからである。
例えば、特許文献1には、横波超音波の発信器と受信器とを鋳片幅方向に走査させ、鋳片幅方向の凝固完了位置の形状を検知する装置が開示されている。又、特許文献2には、鋳片を透過した横波超音波の測定制度を向上させる手段として、送信器及び受信器と鋳片との距離に基づいて透過横波超音波の強度を補正し、補正した強度に基づいて凝固状況を判定する装置が開示されている。
特開昭62−148851号公報 特開平11−83814号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に提案された装置は、凝固が完了しているか或いは未凝固であるかを判定する装置であり、これらの装置を用いることにより、装置を配置したその位置における凝固状態は判定できるものの、凝固完了位置は鋳造速度や二次冷却強度などの鋳造条件の変更によって鋳造方向に大きく変化するので、鋳造条件を変更した場合にも凝固完了位置を把握するためには、送信器及び受信器を一対とした多数のセンサーを鋳造方向に配置する必要があった。そのため、実際には、多数のセンサーを配置することによる設備費を抑えるために、センサーの配置数を制限して特定の鋳造条件についてのみ凝固完了位置を検知する、或いは、センサーの設置間隔を広げ、それによる検知精度の低下はやむなしとするなどが余儀なくされていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、横波超音波を用いて鋳片の凝固完了位置を検知する際に、鋳造条件及び鋼種によって変動する凝固完了位置を少ないセンサーの設置数で精度良く検知することのできる凝固完了位置の検知方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る連続鋳造鋳片の凝固完了位置検知方法は、電磁超音波の横波を発信する送信用センサーと発信された横波を受信する受信用センサーとからなる電磁超音波センサーを、連続鋳造機の幅方向には同一位置であって鋳造方向の離れた位置に2箇所以上設置し、先ず、上流側の電磁超音波センサーの位置が鋳片の凝固完了位置となる鋳造条件下に調整した状態で、下流側の電磁超音波センサーによって鋳片を透過する横波の伝播時間を測定し、測定した伝播時間から鋳片の厚み方向の平均温度を求め、上流側の電磁超音波センサーで検出した凝固完了位置と、下流側の電磁超音波センサーによって求めた鋳片の厚み方向の平均温度と、を用いて当該鋳造条件下における伝熱計算から求まる鋳片の厚み方向の平均温度を校正し、当該校正を成分の異なる鋼種、異なる鋳造速度、異なる二次冷却強度の下で繰り返し実施して、鋳造条件と鋳片の厚み方向の平均温度との関係のデータベースを予め構築し、次いで、予め構築した前記データベースと、前記電磁超音波センサーによって測定された測定データとに基づいて、鋳片の凝固完了位置を推定することを特徴とするものである。
第2の発明に係る連続鋳造鋳片の凝固完了位置検知方法は、第1の発明において、前記送信用センサー及び受信用センサーは、連続鋳造機の幅方向に同期して移動し、鋳片の幅方向全体の凝固完了位置を検知することが可能であることを特徴とするものである。
本発明によれば、電磁超音波の横波を発信し、受信する電磁超音波センサーを連続鋳造機の鋳造方向に2箇所以上設置し、各々受信信号による横波の伝播時間から鋳片の厚み方向の平均温度を算出し、こうして得た鋳片厚み方向の平均温度を、予め構築した、鋳造条件と鋳片の厚み方向の平均温度との関係のデータベースと照らし合わせて凝固完了位置を推定するので、連続鋳造機のストランド当たり、最低で2つの電磁超音波センサーを設置するのみで、精度良く鋳片の凝固完了位置を検知することが可能となる。その結果、鋳片の中心偏析の低減、並びに、鋳造速度上限値までの増速による生産性の向上などが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を実施したスラブ連続鋳造機の概略図である。
図1に示すように、スラブ連続鋳造機1には、溶鋼を注入して凝固させるための鋳型2が設置され、この鋳型2の下方には、対向する一対のロールを1組として複数組の鋳片支持ロール3が設置されており、そして、鋳片支持ロール3の下流側には、複数本の搬送ロール4と、搬送ロール4の上方に位置して鋳片13の鋳造速度と同期するガス切断機5とが設置されている。鋳片支持ロール3には、鋳型2の直下から下流側に向かって、第1冷却ゾーン7a、7b、第2冷却ゾーン8a、8b、第3冷却ゾーン9a、9b、及び、第4冷却ゾーン10a、10bの合計8つに分割された冷却ゾーンからなる二次冷却帯6が設置されている。二次冷却帯6の各冷却ゾーンには、エアーミストスプレー用又は水スプレー用の複数個のスプレーノズル(図示せず)が設置されており、スプレーノズルから鋳片13の表面に二次冷却水が噴霧される。尚、各冷却ゾーンにおいて、スラブ連続鋳造機1の上面側の冷却ゾーンをaで表示し、下面側の冷却ゾーンをbで表示しており、又、冷却ゾーンの設置数は図1では合計8であるが、スラブ連続鋳造機1の機長などに応じて幾つに分割してもよく、更に、鋳片支持ロール3の全範囲を二次冷却帯としてもよい。
二次冷却帯6の下流側の鋳片支持ロール3の間隙には、鋳片13の凝固完了位置16を検知する凝固状態判定装置の一部を構成する送信用センサー11(11a,11b)、及び受信用センサー12(12a,12b)が鋳造方向に3箇所設置されている。これらの送信用センサー11,11a,11b及び受信用センサー12,12a,12bは、スラブ連続鋳造機1の幅方向には同一位置に設置されている。図1では、送信用センサー11と受信用センサー12とを一対とする電磁超音波センサーが鋳造方向で3箇所に設置されているが、設置数は3に限る訳ではなく、2以上であるならば幾つでもよい。但し、設置数が多くなるほど設備費が高くなるので、本発明においては2箇所又は3箇所で十分である。
凝固状態判定装置は、鋳片13を挟んで対向配置させた送信用センサー11及び受信用センサー12からなる電磁超音波センサーと、送信用センサー11に送信信号を出力する送信出力系(図示せず)と、受信用センサー12にて受信した受信信号を処理する受信処理系(図示せず)とからなっている。送信用センサー11及び受信用センサー12は、鋳片13の幅方向に移動可能な取り付け架台(図示せず)に取り付けられており、送信用センサー11と受信用センサー12とが同期して移動することによって、鋳片13の幅全体で凝固完了位置16を検知できる構成となっている。即ち、鋳片13の幅方向に移動可能であるので、凝固完了位置16の鋳片幅方向の状況を把握することができるようになっている。
送信用センサー11は、送信信号を横波の電磁超音波として発信し、鋳片13を透過した電磁超音波の透過信号を受信用センサー12が受信する。図2に、発信した送信信号と受信した透過信号の例を示す。図2(A)は、鋳片13が完全に凝固した状態のときに送信信号を発信した場合であり、送信信号は鋳片13を貫通して、受信用センサー12では透過信号が受信される。送信用センサー11が送信信号を発信した後に受信用センサー12が受信するまでの時間が、鋳片13を貫通した横波の伝播時間となる。一方、図2(B)は、鋳片13の内部に未凝固層15が存在する状態のときに送信信号を発信した場合であり、送信信号は未凝固層15を貫通することができず、受信用センサー12では透過信号を受信することができない。図2において、○印で囲った部分が透過信号である。
鋳片13を貫通する横波の伝播時間と鋳片13の温度とには相関関係がある。図3は、本発明者等が、加熱炉を用いて均一に加熱した連続鋳造鋳片において鋳片の温度と当該鋳片を通過する横波の速度との関係を調査した結果を示す図である。図3に示すように、鋳片の温度が高くなるほど、鋳片中の横波の透過速度は遅くなる。従って、たとえ鋳片13の表面温度が同一であっても、鋳片13が凝固完了した直後には鋳片13の厚み方向の平均温度が高いため、伝播時間は長くなり、一方、凝固完了位置16から鋳造方向の下流側に離れた位置では、鋳片13の厚み方向の平均温度が低くなり、伝播時間は短くなる。
ここで、伝熱計算によって求めた鋳片13の厚み方向の温度分布をT(x)で表すと、鋳片13の厚み方向各位置における横波の音速はC(T(x))で表される。従って、厚み方向の温度分布がT(x)である鋳片13の厚み方向の平均温度(Tav)は、下記の(1)式で表され、この鋳片13を透過する横波の伝播時間(td )は、下記の(2)式で表される。但し、(1)式及び(2)式において、dは鋳片13の厚みである。
Figure 2005118804
Figure 2005118804
厚み(d)が235mmの鋳片において、このようにして求めた鋳片の厚み方向の平均温度(Tav)と、横波の伝播時間(td )との関係を図4に示す。図4に示すように、凝固状態判定装置によって横波の伝播時間(td )を測定することにより、測定した伝播時間(td )に基づいて鋳片13の厚み方向の平均温度を求めることができる。この場合、送信用センサー11及び受信用センサー12は鋳片13の幅方向に同期して移動可能であるので、鋳片13の幅方向の各位置で、伝播時間(td )から鋳片13の厚み方向の平均温度を求めることができる。
本発明を実施したスラブ連続鋳造機1は、このような構成になっており、このような構成のスラブ連続鋳造機1において、本発明に係る凝固完了位置16の検知方法を以下のようにして実施する。
浸漬ノズル(図示せず)を介して鋳型2内に溶鋼を鋳造する。鋳型2内に鋳造された溶鋼は鋳型2内で冷却されて凝固殻14を形成し、内部に未凝固層15を有する鋳片13として、鋳片支持ロール3に支持されつつ下方に連続的に引き抜かれる。鋳片13は鋳片支持ロール3を通過する間、二次冷却帯6で冷却され、凝固殻14の厚みを増大して、やがて中心部までの凝固を完了する。
本発明に係る凝固完了位置16の検知方法は、このような鋳片13の鋳造中に、横波電磁超音波の伝播時間から鋳片13の厚み方向における平均温度を求め、予め伝熱計算によって求めた、鋳片13の厚み方向における平均温度と凝固完了位置16との関係式を用いて、伝播時間から求めた鋳片13の厚み方向の平均温度から凝固完了位置16を推定するものであるが、伝熱計算の結果を、予め凝固状態判定装置による測定値に基づいて校正し、校正した伝熱計算結果に基づいて凝固完了位置16を推定することを特徴とする。
この平均温度の校正は次のようにして行う。先ず、上流側の電磁超音波センサーの位置、即ち、電磁超音波センサーを3箇所に設置した図1においては、送信用センサー11と受信用センサー12とが設置された位置、又は、送信用センサー11aと受信用センサー12aとが設置された位置が、凝固完了位置16になるように、鋳造速度及び二次冷却強度を調整する。これは、受信用センサー(12又は12a)で受信されていなかった送信信号が透過信号として受信される、或いは、受信していた透過信号が受信されなくなることにより、調整することができる。
上流側の電磁超音波センサーの位置と凝固完了位置16とが一致した鋳造条件の下で、鋳片13の凝固状態を伝熱計算から求める。そして、伝熱計算によって求めた凝固完了位置16と、凝固状態判定装置によって検出される凝固完了位置16(センサー11,12の位置か、又はセンサー11a,12aの位置)とを比較すると共に、伝熱計算によって求めた鋳片13の厚み方向の平均温度と、下流側の凝固状態判定装置によって測定された横波の伝播時間から求められる鋳片13の厚み方向の平均温度とを比較して、伝熱計算結果を凝固状態判定装置によって検出される値で校正する。
図5に、この校正の例を示す。尚、図5は、送信用センサー11と受信用センサー12とが設置された位置に凝固完了位置16を合わせ、送信用センサー11aと受信用センサー12aとで伝播時間を測定した例を示している。図5は、伝熱計算で求めた鋳片13の厚み方向の平均温度(破線)の方が、凝固状態判定装置による測定点(図中の2つの●印)よりも高く、従って、伝熱計算による厚み方向の平均温度を、凝固状態判定装置による2つの測定値に基づいて実線で示す温度に校正した例を示している。この場合、伝熱計算によって算出された凝固完了位置16は、凝固状態判定装置の検出結果に基づき、上流側へと校正される。
このように、本発明においては、鋳造方向の少なくとも2箇所で伝熱計算の結果を、凝固状態判定装置による測定点によって校正するので、伝熱計算から得られる凝固状態は、実際の凝固状態と極めて類似したものとなる。
そして、この校正を、成分の異なる鋼種、異なる鋳造速度、異なる二次冷却強度の下で繰り返し実施して、鋳造条件と鋳片13の厚み方向の平均温度との関係のデータベースを構築する。校正する際に、凝固完了位置16と電磁超音波センサーの設置位置とを合致させるために、電磁超音波センサーの設置位置を鋳造方向の上下に移動してもよい。
鋳片13の連続鋳造中に送信用センサー11及び受信用センサー12を備えた凝固状態判定装置によって横波の伝播時間を測定し、上記のようにして構築したデータベースと、凝固状態判定装置によって測定された測定データとを対比させ、鋳片13の凝固完了位置16を推定する。例えば、送信用センサー11の設置位置と送信用センサー11aの設置位置との間に凝固完了位置16がある場合、受信用センサー12では透過信号を受信できず、受信用センサー12a及び受信用センサー12bでは透過信号を受信する。受信用センサー12a及び受信用センサー12bにおける伝播時間から鋳片13の厚み方向の平均温度を求め、求めた平均温度を予め構築したデータベースと照らし合わせ、凝固完了時点に相当する厚み方向の平均温度の位置を、凝固完了位置16として定める。
鋳造方向に隔てて設置された電磁超音波センサー同士を、鋳片13の幅方向に同期して移動させることで、凝固完了位置16の鋳片13の幅方向による変化、即ち、凝固完了位置16の幅方向の形状を検知することができる。
検知された鋳片幅方向の凝固完了位置16に基づき、例えば、中心偏析を低減すべく鋳片13に対して軽圧下を施す場合には、凝固完了位置16が軽圧下帯(図示せず)を逸脱しないように、又、スラブ連続鋳造機1の生産性を最大とすべく、スラブ連続鋳造機1の出側まで凝固完了位置16を延ばした場合には、凝固完了位置16が鋳片支持ロールを逸脱しないように、鋳造速度及び二次冷却強度を調整して鋳造する。そして、このようにして鋳造した鋳片13をガス切断機5により切断して鋳片13aを得る。
以上説明したように、本発明によれば、スラブ連続鋳造機1のストランド当たり最低で2つの電磁超音波センサーを設置するのみで、精度良く鋳片13の凝固完了位置16を検知することが可能となる。その結果、鋳片13の中心偏析の低減、並びに、鋳造速度上限値までの増速による生産性の向上などが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
尚、上記説明はスラブ連続鋳造機1に関して行ったが、本発明の適用はスラブ連続鋳造機1に限るものではなく、ブルーム連続鋳造機やビレット連続鋳造機にも、上記説明に準じて適用することができる。
図1に示すスラブ連続鋳造機(機長:42m)を用い、表1に示す組成の低炭素鋼及び中炭素鋼を鋳造した。鋳片の断面サイズは厚みが235mm、幅が1340〜2000mmであり、1.8〜2.6m/minの鋳造速度で鋳造した。
Figure 2005118804
この鋳造中に凝固状態判定装置により凝固完了位置を検知した。又、比較のために、伝熱計算結果に対して凝固状態判定装置の測定結果に基づく校正を行わずに、凝固状態判定装置による厚み方向平均温度と伝熱計算結果による厚み方向の平均温度とを対比させて、凝固完了位置を求める方法も実施した(比較例)。実際の凝固完了位置は、鋳片の中心部まで至る金属鋲を鋳片の鋳造方向に複数本打ち込み、凝固完了後、打ち込んだ金属鋲の溶融の有無から未凝固層の有無を調べる方法によって確認した。金属鋲の融点は、調査する溶鋼の融点に合わせてあり、金属鋲が溶融している範囲は未凝固層が残留している範囲で、溶融していない範囲は完全凝固範囲となる。表2に、凝固完了位置の検知結果及び金属鋲の打ち込みによる実測結果を併せて示す。尚、表2に示す凝固完了位置は、鋳型内の溶鋼湯面からの距離(m)で表示している。
Figure 2005118804
表2に示すように、比較例では、金属鋲の打ち込みにより検知した凝固完了位置との差が0.8〜1.5mであるのに対して、本発明例では、金属鋲の打ち込みより検知した凝固完了位置との差は0.3m以内であり、本発明方法によって凝固完了位置を精度良く検知可能であることが確認できた。
本発明を実施したスラブ連続鋳造機の概略図である。 発信した送信信号と受信した透過信号の例を示す図で、(A)は、完全に凝固した状態のときに送信信号を発信した場合であり、(B)は、内部に未凝固層が存在する状態のときに送信信号を発信した場合である。 鋳片の温度と鋳片を通過する横波の速度との関係を示す図である。 鋳片の厚み方向の平均温度と横波の伝播時間との関係を示す図である。 伝熱計算結果を凝固状態判定装置により検出される値で校正する例を示す図である。
符号の説明
1 スラブ連続鋳造機
2 鋳型
3 鋳片支持ロール
4 搬送ロール
5 ガス切断機
6 二次冷却帯
11 送信用センサー
12 受信用センサー
13 鋳片
14 凝固殻
15 未凝固層
16 凝固完了位置

Claims (2)

  1. 電磁超音波の横波を発信する送信用センサーと発信された横波を受信する受信用センサーとからなる電磁超音波センサーを、連続鋳造機の幅方向には同一位置であって鋳造方向の離れた位置に2箇所以上設置し、
    先ず、上流側の電磁超音波センサーの位置が鋳片の凝固完了位置となる鋳造条件下に調整した状態で、下流側の電磁超音波センサーによって鋳片を透過する横波の伝播時間を測定し、測定した伝播時間から鋳片の厚み方向の平均温度を求め、上流側の電磁超音波センサーで検出した凝固完了位置と、下流側の電磁超音波センサーによって求めた鋳片の厚み方向の平均温度と、を用いて当該鋳造条件下における伝熱計算から求まる鋳片の厚み方向の平均温度を校正し、当該校正を成分の異なる鋼種、異なる鋳造速度、異なる二次冷却強度の下で繰り返し実施して、鋳造条件と鋳片の厚み方向の平均温度との関係のデータベースを予め構築し、
    次いで、予め構築した前記データベースと、前記電磁超音波センサーによって測定された測定データとに基づいて、鋳片の凝固完了位置を推定することを特徴とする、連続鋳造鋳片の完全凝固位置検知方法。
  2. 前記送信用センサー及び受信用センサーは、連続鋳造機の幅方向に同期して移動し、鋳片の幅方向全体の凝固完了位置を検知することが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造鋳片の完全凝固位置検知方法。
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