JP2005117957A - もろみ酢の緑茶による抗酸化力増強方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】泡盛や焼酎を製造する際に発生するもろみを原料として製造するもろみ酢において、緑茶の持つ特性を利用することによってもろみ酢の抗酸化力増強を実現する。
【解決手段】泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、緑茶の成分を混合することにより、DPPHラジカルスカベンジャー能が増大したことから、生体内で生成するフリーラジカルが捕捉・消去され、動脈硬化、高血圧、心臓病などの生活習慣病が予防される可能性がある。また、DPPHラジカル捕捉能のほかに、リノール酸自動酸化抑制、β−カロチン退色抑制、ウサギ血球膜酸化抑制等、他の作用が増強される可能性も考えられる。
【選択図】図2
【解決手段】泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、緑茶の成分を混合することにより、DPPHラジカルスカベンジャー能が増大したことから、生体内で生成するフリーラジカルが捕捉・消去され、動脈硬化、高血圧、心臓病などの生活習慣病が予防される可能性がある。また、DPPHラジカル捕捉能のほかに、リノール酸自動酸化抑制、β−カロチン退色抑制、ウサギ血球膜酸化抑制等、他の作用が増強される可能性も考えられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、泡盛や焼酎を製造する際に発生するもろみを原料として製造するもろみ酢の抗酸化力増強方法に関する。
高血圧をはじめとする生活習慣病の治療や予防は、現代社会が抱える大きな問題である。生活習慣病の主な原因が活性酸素であることが、保健医学界の定説となっており、活性酸素を体内から除去する作用、すなわち抗酸化作用を有する食品の開発が必要とされている。
泡盛製造業は、沖縄県における重要な産業であるが、その製造過程で泡盛蒸留粕なる廃棄物が大量に生じ、その処理責任が泡盛製造業社に負わされている。当廃棄物が高濃度に有機物を含有するため処理コストが高くつく。このようなことから、泡盛蒸留粕の有効な再利用方法が必要とされていた。
近年、泡盛業界の努力の結果、泡盛蒸留粕を原料とする飲料(以下、もろみ酢と呼ぶ)が商品化され、人々に愛飲されるようになった。尚、このもろみ酢は生体の代謝機構で重要な役割を持つクエン酸をはじめ、各種の有機酸、アミノ酸、ビタミン類を豊富に含む。さらには、抗酸化作用を示し高血圧の改善に効果があることが医学研究者により大々的に報じられるに至って、もろみ酢は健康食品分野の人気商品としての地位を確立した。
したがって、もろみ酢の商品化は泡盛蒸留粕に対する最も有効な処理方法であるといえる。すなわち、もろみ酢の市場拡大こそが泡盛蒸留粕処理問題を前進させるのである。また、健康食品業界は各々の市場シェアを維持発展させるために、多様化する消費者ニーズを捉えながら絶えず新たなる高機能商品を開発している。このような市場動向の中において、もろみ酢の市場拡大のためにはより付加価値の高い製品の開発が不可欠であった。
健康飲料としてのもろみ酢の付加価値をより高めるための一つとして、抗酸化力の増強が望まれていた。その例として、特願2001−208853のように、豆腐よう漬け汁をもろみ酢と配合することによって、もろみ酢に紅麹を混合する技術や特願2002−305102のようにもろみ酢にパパイヤ搾汁液を30〜50%混和する技術が提案されている。
特願2001−208853
特願2002−305102
今回発明した技術および製品は、前記のような抗酸化力増強技術の開発に関連し、鋭意研究している間に、さらに効果的な抗酸化力増強にすぐれた技術を実現したものである。すなわち、より付加価値の高いもろみ酢を実現することが可能となった。
そのために今回は、緑茶に着目した。緑茶には、抗酸化物質であるカテキン類やポリフェノールを多量に含んでおり、日常的に熱水抽出により「お茶」として服用されている。本発明では、もろみ酢製造工程中に緑茶を混合し、水溶性のカテキン、ポリフェノール類をもろみ酢中に浸出・溶解させることによって、緑茶由来の抗酸化力をもろみ酢に付与することをねらったものである。すなわち、本発明の技術的課題は、緑茶の持つ特性を利用することによってもろみ酢の抗酸化力増強を実現することにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、緑茶の成分を混合することを特徴とするもろみ酢の抗酸化力増強方法である。「工程中に〜を混合する」とは、A)もろみ仕込み時、B)もろみ発酵過程、C)発酵を終了した蒸留前のもろみ、D)もろみ蒸留時、E)蒸留粕中、F)蒸留粕圧搾液(もろみ酢)中のうち、以上の各工程のいずれか、あるいは複数箇所において、緑茶成分すなわち緑茶、緑茶抽出物(もしくはその濃縮物)を混合することによって緑茶の成分を混合することをいう。
このように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、緑茶の成分を混合することにより、DPPHラジカルスカベンジャー能が増大したことから、生体内で生成するフリーラジカルが捕捉・消去され、動脈硬化、高血圧、心臓病などの生活習慣病が予防される可能性がある。また、DPPHラジカル捕捉能のほかに、リノール酸自動酸化抑制、β−カロチン退色抑制、ウサギ血球膜酸化抑制等、他の作用が増強される可能性も考えられる。
請求項2は、泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶を混合し、緑茶中成分を浸出せしめることを特徴とするもろみ酢の製造方法である。
このように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中又は製造後に緑茶を混合することにより、緑茶中成分をもろみ酢中に浸出せしめることで、緑茶成分をもろみ酢に混合することが可能となり、その結果、もろみ酢のDPPHラジカルスカベンジャー能を増大せしめることができる。
請求項3は、泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶の抽出物もしくはその濃縮物を混合し、緑茶中成分を溶解せしめることを特徴とするもろみ酢の製造方法である。
このように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶の抽出物もしくはその濃縮物を混合して、緑茶中成分をもろみ酢中に溶解せしめることで、緑茶成分をもろみ酢に混合することが可能となり、その結果、もろみ酢のDPPHラジカルスカベンジャー能を増大せしめることができる。
請求項4は、泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶又は緑茶の抽出物を混合し、緑茶中成分を混合せしめてなることを特徴とするもろみ酢飲料である。このように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中又は製造後に緑茶又は緑茶の抽出物を混合し、緑茶中成分を混合せしめてなるもろみ酢飲料は、DPPHラジカルスカベンジャー能が増大したもろみ酢となる。その結果、このもろみ酢を摂取することにより、生体内で生成するフリーラジカルが捕捉・消去され、動脈硬化、高血圧、心臓病などの生活習慣病が予防される可能性がある。また、リノール酸自動酸化抑制、β−カロチン退色抑制、ウサギ血球膜酸化抑制等、他の作用が増強される可能性も考えられる。
請求項1のように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、緑茶の成分を混合することにより、もろみ酢のDPPHラジカルスカベンジャー能が増大することから、生体内で生成するフリーラジカルが捕捉・消去され、動脈硬化、高血圧、心臓病などの生活習慣病が予防される可能性がある。また、DPPHラジカル捕捉能のほかに、リノール酸自動酸化抑制、β−カロチン退色抑制、ウサギ血球膜酸化抑制等、他の作用が増強される可能性も考えられる。
請求項2のように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中又は製造後に緑茶を混合することにより、緑茶中成分をもろみ酢中に浸出せしめることで、緑茶成分をもろみ酢に混合することが可能となり、その結果、もろみ酢のDPPHラジカルスカベンジャー能を増大せしめることができる。
請求項3のように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶の抽出物もしくはその濃縮物を混合して、緑茶中成分をもろみ酢中に溶解せしめることで、緑茶成分をもろみ酢に混合することが可能となり、その結果、もろみ酢のDPPHラジカルスカベンジャー能を増大せしめることができる。
請求項4のように、泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中又は製造後に緑茶又は緑茶の抽出物を混合し、緑茶中成分を混合せしめてなるもろみ酢飲料は、DPPHラジカルスカベンジャー能が増大したもろみ酢となる。その結果、このもろみ酢を摂取することにより、生体内で生成するフリーラジカルが捕捉・消去され、動脈硬化、高血圧、心臓病などの生活習慣病が予防される可能性がある。また、リノール酸自動酸化抑制、β−カロチン退色抑制、ウサギ血球膜酸化抑制等、他の作用が増強される可能性も考えられる。
次に本発明によるもろみ酢の抗酸化力増強方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は、従来技術によるもろみ酢の製造方法を示すフローチャートである。まず、ステップS1のように、焼酎を製造する場合であれば、原料として、米や麦、いも、黒糖などと麹を用意する。泡盛を製造する場合は、泡盛麹菌を培養した米麹を用意する。
そして、ステップS2の「もろみの仕込み工程」において、前記の発酵原料に仕込み水、酒母(酵母)を加えた後、ステップS3の「もろみ発酵工程」において、アルコール発酵を進行させて、ステップS4のようにもろみを製造する。そして、ステップS5の蒸留工程で前記のもろみを蒸留すると、ステップS6のように、蒸留液として泡盛又は焼酎が得られる。そして、蒸留した後には、ステップS7のように蒸留粕が残る。
ステップS8において、この蒸留粕を圧搾しろ過して得た液体がステップS9の蒸留粕圧搾液すなわち「もろみ酢原液」となる。このもろみ酢原液は、麹菌が生産したクエン酸を多量に含有している。
次に、このように通常の方法で製造したもろみ酢の抗酸化力を検証する。いま、米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加して26〜28℃で14日間発酵を行なった。発酵終了後、蒸留を行なって泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は46%であった。
以上は通常のもろみ酢の製造方法であるが、本発明は、このような通常の泡盛又は焼酎を製造する各工程のいずれかにおいて、緑茶の成分を混合することによって抗酸化力を増強させる。緑茶の成分を混合する方法としては、(1).泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、緑茶を混合して緑茶中成分を浸出せしめる、あるいは、(2).泡盛・焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、緑茶の抽出物もしくはその濃縮物を混合し、緑茶中成分を溶解せしめる、の二通りがある。
図2は、本発明によるもろみ酢の抗酸化力増強方法を実現するための本発明によるもろみ酢の製造方法を示すフローチャートである。本発明により緑茶の成分を混合するには、緑茶を混合して緑茶中成分を浸出せしめるか、緑茶抽出物若しくはその濃縮物を混合し、溶解せしめる。このとき、前記の「緑茶」とは、緑茶茶葉でもよいし、緑茶茶葉の粗砕物や粉砕物であってもよい。また、「緑茶抽出物」を得る際の抽出溶媒は、水もしくはアルコール、あるいはアルコール飲料である。水で抽出する場合の抽出温度に制限はないが、好ましくは25℃〜121℃がよい。
そして、緑茶又は緑茶抽出物を混合する時期としては、
A)ステップS2のような、もろみ仕込み時、
B)ステップS3のような、もろみ発酵過程、
C)ステップS4のような、発酵を終了した蒸留前のもろみ、
D)ステップS5のような、もろみ蒸留時、
E)ステップS7のような、蒸留後に残った蒸留粕中、
F)ステップS9のような、蒸留粕圧搾液(もろみ酢)中、などが有り、
以上の各工程のいずれか、あるいは複数工程において緑茶又は緑茶抽出物(もしくはその濃縮物)を混合する。
A)ステップS2のような、もろみ仕込み時、
B)ステップS3のような、もろみ発酵過程、
C)ステップS4のような、発酵を終了した蒸留前のもろみ、
D)ステップS5のような、もろみ蒸留時、
E)ステップS7のような、蒸留後に残った蒸留粕中、
F)ステップS9のような、蒸留粕圧搾液(もろみ酢)中、などが有り、
以上の各工程のいずれか、あるいは複数工程において緑茶又は緑茶抽出物(もしくはその濃縮物)を混合する。
また、F)のような蒸留粕圧搾液(もろみ酢)に緑茶を混合する場合は、黒糖等の副原料を配合する前、同時又は後のいずれでもよい。緑茶混合後に緑茶成分を効率よく浸出させるためには、蒸留粕圧搾液(もろみ酢)の温度は60℃〜90℃が好ましい。温度60℃以下では緑茶成分の浸出が緩慢でかつ微生物増殖の危険性が生じる。91℃以上では、もろみ酢自体の風味劣化の問題が生じる。
次に、前記の各工程における緑茶混合によるもろみ酢の抗酸化力増強の効果について検討する。
(1)通常の方法で製造したもろみ酢の抗酸化力については、前記のように、もろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は46%であった。
これに対し、本発明の方法で製造したもろみ酢の抗酸化力については、以下のとおりである。
これに対し、本発明の方法で製造したもろみ酢の抗酸化力については、以下のとおりである。
(2)仕込み時(A) に緑茶を混合したもろみ酢の抗酸化力
米麹1000kgに水1700kgを加え、通常よりやや多めに酒母を添加し、さらに緑茶粉末を5kg添加して、29℃で14日間発酵を行なった。発酵終了後、蒸留を行ない泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は60%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
米麹1000kgに水1700kgを加え、通常よりやや多めに酒母を添加し、さらに緑茶粉末を5kg添加して、29℃で14日間発酵を行なった。発酵終了後、蒸留を行ない泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は60%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
(3)もろみ発酵過程(B) で緑茶を混合したもろみ酢の抗酸化力
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26℃で発酵を開始した。アルコール濃度が13%以上に達した発酵10日目のもろみに緑茶を5kg添加し、発酵温度を29℃に上昇させてさらに4日間発酵を継続した。発酵終了後、蒸留を行ない泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は60%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26℃で発酵を開始した。アルコール濃度が13%以上に達した発酵10日目のもろみに緑茶を5kg添加し、発酵温度を29℃に上昇させてさらに4日間発酵を継続した。発酵終了後、蒸留を行ない泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は60%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
(4)発酵終了後(C) のもろみに緑茶を混合したもろみ酢の抗酸化力
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で14日間発酵を行なった。発酵終了後、もろみに緑茶を10kg添加し、温度を20℃に保って、適宜攪拌を行ないながら3日間緑茶成分を浸出せしめた。その後蒸留を行なって泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は63%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で14日間発酵を行なった。発酵終了後、もろみに緑茶を10kg添加し、温度を20℃に保って、適宜攪拌を行ないながら3日間緑茶成分を浸出せしめた。その後蒸留を行なって泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は63%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
(5)もろみの蒸留時(D) に緑茶を混合したもろみ酢の抗酸化力
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で1
4日間発酵を行なった。発酵終了後、もろみを蒸留装置に投入する時に、同時に緑茶を10kg投入し、蒸留を行なって泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は70%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で1
4日間発酵を行なった。発酵終了後、もろみを蒸留装置に投入する時に、同時に緑茶を10kg投入し、蒸留を行なって泡盛原酒を採取し、残留した蒸留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は70%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
(6)蒸留粕中(E) に緑茶を混合したもろみ酢の抗酸化力
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で1
4日間発酵を行なった。発酵終了後、蒸留を行なって泡盛原酒を採取した。その後、蒸留装置内に残留した蒸留粕中に緑茶10kgを投入し、30分間軽く攪拌しながら緑茶成分を浸出せしめた。これを圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は70%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で1
4日間発酵を行なった。発酵終了後、蒸留を行なって泡盛原酒を採取した。その後、蒸留装置内に残留した蒸留粕中に緑茶10kgを投入し、30分間軽く攪拌しながら緑茶成分を浸出せしめた。これを圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は70%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
(7)蒸留粕圧搾液(もろみ酢)(F) に緑茶を混合したもろみ酢の抗酸化力
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で1
4日間発酵を行なった。発酵終了後、蒸留を行なって泡盛原酒を採取し、残留した残留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢に緑茶10kgを混合し、温度を80℃に保って30分間緑茶成分を浸出せしめたのち、ろ過によって緑茶を除去した。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は94%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
米麹1000kgに水1700kgを加え、適量の酒母を添加し26〜28℃で1
4日間発酵を行なった。発酵終了後、蒸留を行なって泡盛原酒を採取し、残留した残留粕を圧搾装置で圧搾ろ過してもろみ酢を得た。このもろみ酢に緑茶10kgを混合し、温度を80℃に保って30分間緑茶成分を浸出せしめたのち、ろ過によって緑茶を除去した。このもろみ酢のDPPHラジカル消去率(抗酸化力)は94%となり、通常の方法で製造したもろみ酢よりも抗酸化力が増大した。
抗酸化活性の測定(DPPHラジカル消去率)
DPPHラジカル消去率(抗酸化力)は、DPPHラジカルスカベンジャー法により以下の通りの方法で測定した。
DPPHラジカル消去率(抗酸化力)は、DPPHラジカルスカベンジャー法により以下の通りの方法で測定した。
試料液の調整
試料となるもろみ酢は、90℃で3分間熱したのち、回転数12000rpmの遠心分離機に10分間かけて液部を採取し、続いて12000rpmで10分間遠心分離し、さらにメンブランフィルターでろ過した。
試料となるもろみ酢は、90℃で3分間熱したのち、回転数12000rpmの遠心分離機に10分間かけて液部を採取し、続いて12000rpmで10分間遠心分離し、さらにメンブランフィルターでろ過した。
ラジカル補足反応
分光光度計によるDPPHラジカル補足能の測定は次のように行なった。
濃度400μMのDPPH、0.2Mの2・morpholinoethanesulphonic acid緩衝液(pH6.0)、エタノールをそれぞれ0.3mlずつ混和し、これに蒸留水を285μ1加え、最後に試料液(もろみ酢、パパイヤ搾汁液、パパイヤ発酵液)を添加し20分間反応させた後、波長517nmの吸光度を測定した。ブランクは同様の反応条件で、DPPHの代わりに同量の蒸留水を加えて吸光度を測定した。また、コントロールは同様の反応条件で、試料液の代わりに同量の蒸留水を加えて吸光度を測定した。
分光光度計によるDPPHラジカル補足能の測定は次のように行なった。
濃度400μMのDPPH、0.2Mの2・morpholinoethanesulphonic acid緩衝液(pH6.0)、エタノールをそれぞれ0.3mlずつ混和し、これに蒸留水を285μ1加え、最後に試料液(もろみ酢、パパイヤ搾汁液、パパイヤ発酵液)を添加し20分間反応させた後、波長517nmの吸光度を測定した。ブランクは同様の反応条件で、DPPHの代わりに同量の蒸留水を加えて吸光度を測定した。また、コントロールは同様の反応条件で、試料液の代わりに同量の蒸留水を加えて吸光度を測定した。
そして、以下の式によってDPPHラジカル補足能を算出した。
DPPHラジカル補足能(%)
=100 −(試料反応液吸光度−ブランク吸光度)÷コントロール吸光度×100
DPPHラジカル補足能(%)
=100 −(試料反応液吸光度−ブランク吸光度)÷コントロール吸光度×100
次に、緑茶成分を混合するタイミングについて検討する。前記のA)〜F)のいずれの方法においても、もろみ酢の抗酸化力を増強させることができるが、A)、B)、C)の方法では、もろみ品温が25〜30度であるため、緑茶からの成分浸出が緩慢となる。
また、A)、B)の方法では、酵母菌の活動や酵素反応に負担がかかり、アルコール発酵が遅くなる傾向にある。C)の場合は、アルコール発酵に対する影響は起こらないが、醗酵が終了したもろみを、更に数日間放置することにより、泡盛・焼酎の酒質に影響が出る可能性がある。D)、E)の方法であれば、アルコール発酵が遅れるということは無い。
ただし、D)、E)ともに、緑茶中成分が蒸留粕固形分に吸着保持され、蒸留粕圧搾(固液分離工程)の後、本来液層に溶存するはずの緑茶浸出成分の一部が圧搾粕(固体層)に移行してしまう傾向が見られる。また、D)においては、蒸留工程で行なわれる長時間の煮沸によって、ビタミンC等、一部の緑茶成分の分解が起きてしまう。アルコール発酵や酒質への影響が無く、緑茶成分の吸着・分解等による欠減を最も最小にとどめることができるのは、F)の方法である。
以上は緑茶を使用した場合の各方法の得失を述べたものであるが、緑茶抽出物を使用する場合でも同様のことが言える。ただし、その場合はC)の方法を行なうときに、発酵終了後に緑茶抽出物を混合した後、緑茶混合時のように数日間放置する必要はない。なぜなら緑茶抽出物は容易にもろみ中に分散し、その後の蒸留工程で完全に溶解するからである。
以上のように、従来から「もろみ酢」「黒麹クエン酸酢」などと呼ばれる製品は、泡盛蒸留粕の圧搾液に黒糖などを添加して製品としていたが、本発明によると、緑茶、緑茶抽出液あるいはその濃縮物を、もろみ酢の製造工程中またはもろみ酢自体に混合し、緑茶成分を浸出・溶解せしめることで、製品の抗酸化力(さらに詳しくは、抗酸化力のうちのDPPHラジカル補足能)を増大せしめ、もろみ酢の付加価値をより高めることができる。
以上のように、緑茶成分をもろみ酢中に混合することによって、もろみ酢の健康食品としての効能が改善されるため、他社品との差別化が実現される。その結果、泡盛や焼酎などのメーカーにとって、これまで廃棄物とされていた酒粕が高付加価値の商品として販売できるため、泡盛や焼酎の関連業界が活性化され、発展が期待できる。
Claims (4)
- 泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に、少なくとも緑茶の成分を混合することを特徴とするもろみ酢の抗酸化力増強方法。
- 泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶を混合し、緑茶中成分を浸出せしめることを特徴とするもろみ酢の製造方法。
- 泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶の抽出物もしくはその濃縮物を混合し、緑茶中成分を溶解せしめることを特徴とするもろみ酢の製造方法。
- 泡盛又は焼酎のもろみを原料としてもろみ酢を製造する工程中に又は製造後に緑茶又は緑茶の抽出物を混合し、少なくとも緑茶中成分を混合することを特徴とするもろみ酢飲料。
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JP (1) | JP2005117957A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007274984A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Nanto Shuhan Kk | 紅芋もろみ酢飲料とその製造方法 |
WO2008087705A1 (ja) * | 2007-01-16 | 2008-07-24 | Mizkan Group Corporation | 筋肉損傷抑制組成物 |
-
2003
- 2003-10-16 JP JP2003356586A patent/JP2005117957A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007274984A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Nanto Shuhan Kk | 紅芋もろみ酢飲料とその製造方法 |
WO2008087705A1 (ja) * | 2007-01-16 | 2008-07-24 | Mizkan Group Corporation | 筋肉損傷抑制組成物 |
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