JP2005117513A - 放射線透過試験画像の解像度を求める方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
放射線透過試験で撮影した検査フィルムの画像の解像度を、ラインペアの分解能を計測することにより、定量化して保障し、解像度の保障されたデジタル画像を得る方法を提供する。
【解決手段】
長方形のスリットを複数本有する放射線透過試験用透過度計と試験体とを放射線透過試験で同時に検査フィルムに撮影し(手順5)、その検査フィルムをスキャナにかけてコンピュータへデジタル画像データとして入力し(手順10)、そのデジタル画像データの放射線透過試験用透過度計の画像データ部分の輝度情報からスリットの像とその間隔の像との画像に係るMTF値をコンピュータで求めて(手順11)、そのMTF値が予め定めた値以上か否かを判定し(手順12)そのMTF値が予め定めた値以上の場合に検査フィルムの解像度が保証されてそのデジタル画像データはコンピュータのメモリ等に電子的に保存される(手順13)。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線透過試験で試験体を撮像した検査フィルム内の画像の解像度を視覚によらずに定量的に求める技術、およびその定量化で保証された検査フィルムのデジタル画像データを得る技術に関する。
現在、放射線透過試験(以下、RTともいう。)においては、放射線透過試験装置にて試験体を撮影した検査フィルムを、検査員が目視判定し、検査フィルム内に写された試験体の欠陥の像の有無を判定する方法がとられている。検査フィルムに試験体を写す際には、同時に放射線透過試験用透過度計もその検査フィルム内に写して解像度の目安としている。その目安は検査員の視覚によってたよっていた。
ここで、撮影するフィルムの解像度を保障するために使用される放射線透過試験用透過度計は、JIS Z 2306-2000 「放射線透過試験用透過度計」に示されるように、針金形透過度計と有孔形透過度計の2種類に分類される。針金形透過度計はさらに、一般形と、帯形の2種類に分類されている。一般形の針金形透過度計は、7本の直径の異なる針金を、X線の吸収の少ないプラスチック等に埋め込んだ構造になっている。帯形の針金形透過度計は、同一直径の針金9本を埋め込んだ構造になっていて、主に管の円周溶接部の撮影に利用されている。
一方、有孔形透過度計には、方形,円形の2種類があり、夫々、方形,円形の板を、識別試験体板厚の2%に相当する板厚とし、その板上に、板厚と同等の直径を持つ円孔,板厚の半分の直径となる円孔,板厚の2倍の直径を持つ円孔等の、板厚と関連する寸法の貫通孔を設けた形状である。
これらの放射線透過試験用透過度計は、例えば鋼の場合、JIS Z 3104-1995 「鋼溶接継手の放射線透過試験方法」に示されるように、放射線透過試験のフィルム撮影持、試験対象箇所端部に配置され、検査フィルム内に針金、もしくは円孔の像を写しこみ、その線や孔が明瞭に検査フィルム内で識別できることが、検査フィルムに要求される。
しかしながら、線や孔が明瞭に識別できるか否かは、検査員個人個人の判断に依存する場合があり、判定結果が検査員によって食い違う可能性も否定できない。
これを解決するための手段のひとつとして、従来のRTフィルムデジタイジング解像力の確認方法及びフィルムデジタイジング装置においては、撮影した検査フィルムをデジタイジング装置にてデジタル画像化する際に、複数のラインペアを持つ基準フィルムとともにデジタイズすることによって、フィルム画像に取り込まれたラインペアの線幅,ピッチ幅を計測し、解像力確認チャートの線幅,ピッチ幅の偏差を許容率と比較することによりデジタル画像データの解像度を定量的に保障できる方法を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−209654号公報
しかしながら、このような従来のRTフィルムデジタイジング解像力の確認方法及びフィルムデジタイジング装置においては、放射線透過試験時の透過度計は従来のものを使用するため、撮影後の検査フィルムそのものが持つ解像度は、有孔形透過度計もしくは針金形透過度計によりフィルム内に写し込まれた円、もしくは線の像が、目視確認できるかどうかを判断する必要がある。すなわち、この方法は解像度が確認されたフィルムに対して、デジタル画像化する際に解像度を保ちつつ、デジタル化できる方法を提供するものであり、検査フィルムそのものの解像度を定量的に保証することができないという課題を持つ。
従って、本発明の目的は、放射性透過試験で撮影した検査フィルムそのものの解像度を定量的に保証することである。
本発明の他の目的は、放射性透過試験で撮影した検査フィルムそのものの解像度が視覚にたよることなく保証された画像をデジタル画像データとして取得することである。
本発明の手段は、放射線透過試験のフィルム撮影時に放射線透過試験用透過度計を試験体と同時に検査フィルム内に移しこみ、前記検査フィルム内に移しこまれた前記放射線透過試験用透過度計の像のMTF値を求めて、前記検査フィルム内の画像の解像度を定量化して放射線透過試験画像の解像度を保障する。
より具体的には、放射線透過試験のフィルム撮影時に使用する放射線透過試験用透過度計として、透過度計板厚と等しいもしくは2倍或いは4倍のスリット幅を持つ長方形スリット貫通穴と、前記スリット幅と同じ幅のスリット間隔を一対としてこれを複数対持つ形状の放射線透過試験用透過度計を使用し、前記放射線透過試験のフィルム撮影時に、検査フィルム内に前記放射線透過試験用透過度計を試験体と共に写し込み、その後に前記検査フィルムをスキャナでスキャニングしてデジタル画像データとし、前記デジタル画像データに基づいて放射線透過試験用透過度計の画像の前記スリット幅方向に並んだ明暗に係るMTF値を求めて前記検査フィルム内の画像の解像度を定量化し、前記検査フィルムに係る前記デジタル画像データを電子的記憶装置に保存して取得する。
本発明によれば、放射線透過試験で撮影した検査フィルムそのものの解像度を視覚に頼らずに保証できるので、放射線透過試験の信頼性が向上する。
本発明を実施するため最良の形態は、放射線透過試験のフィルム撮影時に使用する放射線透過試験用透過度計として、放射線透過試験用透過度計板厚と等しいもしくは2倍若しくは4倍のスリット幅のスリットとスリット間隔の対を複数持つ透過度計を使用し、放射線透過時に検査フィルム内にこのスリットとスリット間隔によるラインペアと試験体とを同時に撮影して写しこみ、撮影した検査フィルムをデジタイズした後、前記検査フィルム画像の解像度を前記ラインペアの像のスリット幅方向に並んだ明暗に係るMTF値を計測することにより定量化して保障し、更にこのましくは、その解像度が保証された検査フィルムのデジタル画像データを保存して取得することである。
更に具体的には、放射線透過試験に用いる放射線透過試験用透過度計として、図1に示されるように、試験体厚さの2%の板厚を持つ方形の板材1に、透過度計板厚と等しいもしくは2或いは4倍の幅を持つ長方形スリット貫通穴2と、スリット幅と同じ幅のスリット間隔3を一対としてこれを複数持つ放射線透過試験用透過度計(以下、ラインペア形透過度計と呼ぶ)を使用する。
これは、現状の有孔形透過度計が、試験対厚さの2%の板材に、その板厚と同値、2倍もしくは4倍の孔径の貫通穴を持ち、放射線透過試験条件に応じて指定の貫通孔の透過像がフィルム上で目視可能であることが要求されることを勘案し、この寸法上の特徴を踏襲した寸法要求である。
上記ラインペア形透過度計を使用して放射線透過試験の検査フィルム内にこのスリットとスリット間隔により形成される明暗のラインペア画像を写しこみ、この検査フィルム1枚全体を単独でスキャナによってデジタル画像化し、写しこまれたラインペアの像のMTF値を測定することにより、検査フィルムの画像の解像度を保障できる技術を確立した。
図1に示されるように、放射線透過試験に用いる放射線透過試験用透過度計として、試験体22の厚さの2%の板厚を持つ方形の板材1に、その板厚と等しいもしくは2倍或いは4倍のスリット幅Wを持つ3本の長方形スリット貫通穴2と、スリット幅Wと同じ幅Sのスリット間隔3を一対としてこれを複数対持つ放射線透過試験用透過度計(以下、ラインペア形透過度計と呼ぶ。)を使用する。ラインペア形透過度計の板材1の材料は、試験体22と同種或いは同様な放射線透過度合いを示す材料とされる。
長方形スリット貫通穴2の形状を長方形のスリットとすることにより、放射線透過試験による放射線透過後に検査フィルムに長方形スリット貫通穴2とスリット間隔3からなる等幅のラインのペアを写しこむことができる。
ここで、ラインペア形透過度計の寸法要求を式にて以下に整理する。スリット形貫通穴2(以下、スリット2という。)のスリット幅Wと、スリット間隔Sの関係はラインペア形透過度計の板材1の板厚をTとするとき、
スリット幅Wが1Tのスリット2の場合、 1T=W=S (1)式
スリット幅Wが2Tのスリット2の場合、 2T=W=S (2)式
スリット幅Wが4Tのスリット2の場合、 4T=W=S (3)式
また、スリット幅Wと、スリット長さLの関係は、
L>7*W (4)式
式(1)(2)(3)は、現状の有孔形透過度計が、試験体22の厚さの2%の板材に、その板厚と同値或いは2倍もしくは4倍の孔径の貫通孔を持ち、放射線透過試験条件に応じて指定の貫通孔の像が検査フィルム上で目視可能であることが要求されることを勘案し、この寸法上の特徴を踏襲した寸法要求である。
このようにラインペア形透過度計のスリットの幅と、有孔形透過度計の孔径を同じ寸法とすることで、従来の有孔形透過度計の識別度要求規定に従い、ラインペア形透過度計の像を評価できる。
また、式(4)のように、スリット長さLをスリット幅Wに対し7倍をこえるように十分大きくすることにより、放射線透過後、検査フィルム23にスリット2による暗い像とスリット間隔3による明るい像とによる明暗状態で写しこまれるラインペア像が見やすくなるとともに、後述のラインペア像のスリット幅Wの方向にラインペア像の明暗を計る際、スリット長さL方向で分散した複数の位置で計測可能になる上、その計測を行う計測位置の座標設定が容易である。
この実施例のラインペア像は、図6のP1,P2,P3の暗部とその周辺の明部との明暗を一対として複数対の像となる。このように複数対の像に対して明暗を計って複数対の計測結果を平均化すると誤差が吸収されて計測結果の精度が上がる。
また、スリット2はスリット長さLがスリット幅Wの7倍にも達するので、明暗を計っていく座標記号X11,X12,X13で示されるスリット幅Wの方向の計測ラインがスリット長さL方向に座標記号X11とX13で囲われた範囲では何所でも精度の良い計測が可能となる。
図2のフロー図は、本発明の一実施例による放射線透過試験方法の試験手順を示している。その手順を示すと、まず、手順4において中央に溶接部26のある試験体22の材質,厚さに従い、使用するラインペア形透過度計の材質,種別を試験体22の材質にあわせて決める。この際、放射線透過力は材料により異なるため、ラインペア型透過度計の材料は試験体22の材料と同等のものを選択して使用するように決める。
次に、手順5において、選択したラインペア形透過度計を用いてフィルム撮影を行う。ラインペア形透過度計を用いた放射線透過試験におけるフィルム撮影の一例としては、図3に示されるように、試験体22に放射線を照射出来る位置に放射線の線源20を置き、更に、ラインペア形透過度計21を線源20側の試験体22表面に置く。更に、検査フィルム23を線源20とは反対に面する試験体22の面に配置し、その検査フィルム23と試験体22との間に階調計24を配置してフィルム撮影を行う。フィルム撮影は、線源
20から放射線を試験体22方向に照射して放射線を溶接部26を含む試験体22と階調計24とラインペア形透過度計21に透過させ、透過した放射線で検査フィルムを感光させて、その透過像を検査フィルム23に写しこむことで成される。その検査フィルム23には図3の(b)図のL3の範囲が写しこまれる。
このフィルム撮影の際、使用する透過度計の名称28,試験の管理番号27を、放射線を試験体22の材質よりも透過しにくい材質の重金属で作成しラインペア形透過度計21の近傍に配置する。ラインペア形透過度計21と透過度計の名称28と試験の管理番号
27は樹脂等であらかじめ一体となるよう固定しても良い。これにより、フィルム撮影後の検査フィルム23に、ラインペア形透過度計21の名称,試験の管理番号が白色の文字で写しこむことが可能であり、後のフィルム管理に役立つ。
このようにして撮影した検査フィルム23には、ラインペア形透過度計21のスリット2とスリット間隔3の部分による明暗のラインペア像が検査フィルム23内に試験体22やその溶接部26の放射線透過像とともに写しこまれる。
このような放射線透過試験時には、上述の方法により撮影するラインペア像をもった検査フィルム23各々に対し、手順6で、図4に示される管理番号,試験品名称,登録日等の属性データを控えておく。
ここで、撮影後の検査フィルムのスキャニングから欠陥判定までに使用するツールとその役割を図5に示す。手順7で、スキャナ30を用いてこの撮影後の検査フィルム23をデジタル画像データ化するにあたってのスキャニング条件を設定する。
次に手順8で、スキャナ30にデジタル画像データ化する対象の検査フィルム23を1枚ずつ設定し、手順9でスキャニング処理を行う。スキャニング処理して得られたデジタル画像データは、手順10においてコンピュータ31のハードディスク等のメモリへ取り込まれ、且つディスプレイ32上にデジタル画像データによる画像が表示される。そのデジタル画像データのデータ構成の中には、検査フィルム23内の各座標位置での明暗の程度を示す輝度データが含まれている。
ディスプレイ32上に示される撮影後の検査フィルム23のデジタル画像データによる画像の概要を図6に示す。撮影後の検査フィルム23に写されているフィルム像33の中には、ラインペア形透過度計21にかかわる透過時計の名称28の像34,ラインペア形透過度計21の像35,試験の管理番号27の像36,諧調計24の像37,溶接部26の像38がそれぞれ写しこまれている状況が視認できる。
ここで、ディスプレイ32上で表示された画像のデジタル画像データに対し、光学機器の解像度を保障する目的で広く利用されているMTF値の考え方を適用し、手順11でラインペア像の解像度をMTF値を求めることで計測する。その解像度の計測はコンピュータ31を用いて図7に示すプログラムフローチャートの手順で実行される。
即ち、コンピュータ31に撮影後の検査フィルム23の画像のデジタル画像データを取り込んでMTF値を計測する対象データとする。次に、手順39でコンピュータ31内のMTF値の計測用のソフトウェアを起動する。次に、手順40において、画像調整機能により、ラインペア像の大きさ,コントラストを変化させ、ラインペア像が目視できるように調整する。次に、手順41においてラインペア像のMTF値の計測位置を、ラインペア像のスリット幅方向、即ち明部と暗部とによるラインのラインペアに垂直な方向に、位置を示す座標記号x11,x12,x13を決めて設定して、それらに対応した計測ラインK1,K2,K3をスリット2のスリット幅Wの方向に決める。スリット2のスリット幅Wの方向とは、検査フィルムやデスプレイに表示された図6の画面上ではラインペア像の3本の暗部の並びの方向を意味する。
本実施例のように、スリット2の形状を長方形にすることにより、そのスリット2の長手方向に対し垂直な方向の断面を複数位置、例えば計測ラインK1,K2,K3にとり、濃度分布を計測することが可能となる。
次に手順42において、スリットの像に垂直な計測ラインK1,K2,K3に沿う方向P1→P2→P3の濃度分布を座標X11,X12,X13、即ち計測ラインK1,K2,K3で別々に計測する。
手順42に計測ラインK1,K2,K3ごとにおいて別々に計測した座標X11,X12,X13における濃度分布を、手順43においてスリットの像に垂直な方向P1→P2→P3の位置ごとに積算し、図8に示されるように、縦軸に濃度、横軸にスリットに垂直な方向P1→P2→P3の位置をとってヒストグラムを作成する。
ここで、手順44においてスリット2の像である暗ラインP1,P2,P3の中心部の最も暗い像となる濃度極大値(=最大値)を夫々求め平均した値をB、ラインペア間隔の中心部すなわち、P1とP2の間、P2とP3の間となる最も明るい部分2ヶ所の平均値をA、透過度計像の両端等の基準となる明るさとなる部分の平均値となる基準値Cの濃度をそれぞれ算出する。
このように、ラインペア像の暗ラインP1,P2,P3長手方向、その長手方向に垂直な方向に各々求める濃度を積算、もしくは平均化することにより、画像データのノイズによる影響を低減し、より正確なMTF値を算出することが可能である。
上述の方法で求めた値を利用して、光学機器等の解像度を保証する際の考え方を適用して、ラインペア像のMTF値を手順45で計算する。
MTF(Modulation Transfer Function)値とは像の明暗のコントラストの度合いを示す値で、明暗の強度レベルをIとしたとき、下記の式で表される。
MTF値=(I(明)−I(暗))/(I(明)+I(暗)) (5)式
ここで、I(明)はもっとも高い強度レベルの値、I(暗)はもっとも低い値である。その値が大きいほうがコントラストが高い。一般的にこの値が0.2 以上であれば、識別可能であるとされるため、ラインペア像の分解能評価の際にも0.2 以上であることを識別可否の閾値とする。
よって今回の例の場合には、以下の式によりMTF値を算出する。
MTF値={(B−C)−(A−C)}/{(B−C)+(A−C)}
=(B−A)/(B+A−2C) (6)式
これが0.2 すなわち20%以上であれば、デジタル化されたフィルム画像は十分に識別可能であり、放射線透過試験結果として適切な解像度が得られるとして手順46でMTF値が0.2 以上か否かを判定する。この判定は図2の手順12に相当する。MTF値が
0.2 以上の判定を受けたデジタル画像データは手順48でコンピュータ31のメモリに保存される。この保存は図2の手順13に該当する。MTF値が0.2 未満と判定された場合には、手順46で、その判定を受けたラインペア像のデータを有するデジタル画像データは手順47でコンピュータ31のメモリから消去され破棄される。
このように、検査フィルムの段階での解像度が保証されたデジタル画像データのみが保存されることになる。手順44で、MTF値が0.2 未満、即ち判定合格範囲外と判定された場合には、図2の手順12のように、手順5に戻って再度放射線透過試験でのフィルム撮影の条件を調整して実行し同様な手順を繰り返す。
その後、図2の手順14にてデジタル画像データが持つ検査フィルムの各座標位置での輝度データの違いから欠陥有無を判定できる欠陥判定・サイジングソフトウェアを起動し、欠陥判定・サイジングソフトウェアで処理するMTF値が0.2 以上のデジタル画像データをメモリから読み出し、更には当該デジタル画像データを手順15にて試験条件等の属性条件とともに指定のメモリに再度保存する等の準備作業を行う。欠陥判定・サイジングソフトウェアは、コンピュータ31に設定されているプログラムであって、デジタル画像データから各像の輝度と、輝度の分布を求めて欠陥の候補部を抽出し、その抽出した欠陥候補部の形状を計測してその形状から欠陥のみを検出し、その検出した欠陥に関する寸法や形状を示すサイジングや欠陥の座標位置等の欠陥に係る情報をディスプレイ32の画面上に表示する手順の内容を有している。
認定された試験員は、手順16でデジタル画像データによる画像と欠陥に係る情報が表示されたディスプレイ32のデジタル画像の画面を見て、各産業界における規格基準に定められる欠陥に関する寸法形状等の各情報に係る許容値と比較判定する。この結果、許容できない欠陥があると見なされた場合には、試験体となった製品は補修,再製が必要と判断されるため、手順17で試験体を補修・再製対象として分類する。
許容できない欠陥が認められない場合には、手順18にて試験体の放射線透過試験は合格となり、検査報告書が作成される。ここには上述のデジタル画像データ,試験条件等の属性データが纏められ、手順19にて試験体の品質を保証する情報としてコンピュータのメモリに保存される。
これらの情報は電子的に保存されるため、状況に応じてデータの公開が要求される場合には、WEB等を利用した情報公開も可能である等、IT技術を応用した情報の伝達性,検索性の向上,情報管理の高度化につながる。
本実施例によってデジタル化された放射線透過試験の検査フィルムに係るデジタル画像データは、ラインペア像の識別分解能を定量的に評価することにより、フィルム画像データの解像度を定量的に保障し、試験員個人による、撮影後の検査フィルムの段階での解像度判定のばらつきのない試験結果を提供することが可能となる。
同時に、撮影後の検査フィルムをデジタル画像に変換可能することにより、IT技術との連携による試験結果管理の簡素化,遠隔地からの放射線透過試験結果判定支援等の試験プロセスの合理化,画像処理技術を生かした欠陥判定支援等の検査の高度化が実現できる。
本発明は、例えば、各種プラントの配管や機器の溶接部やその周辺に放射線を透過して配管や機器の溶接部をフィルムに撮影して非破壊で配管や機器の溶接部の内部欠陥を検査する用途に用いることが出来る。
本発明の実施例に用いられるラインペア形透過度計の上面図(上図)及び立面図(下図)である。 本発明の実施例による放射線透過試験方法の試験手順を示すフロー図である。 本発明の実施例による放射線透過試験状況を示しており、(a)図はその状況の立面図、(b)図は(a)図の試験体の上面から見た図である。 本発明の実施例による放射線透過試験の属性データ登録項目を示した図である。 本発明の実施例による検査フィルムのスキャニングから欠陥判定までに使用するツールとその役割を示した説明図である。 本発明の実施例によるデジタル画像データのディスプレイ上での表示内容を示した図である。 本発明の実施例による解像度の測定を行うためのプログラムの処理手順を示したフロー図である。 本発明の実施例によるラインペア像各位置の濃度のヒストグラム図である。
符号の説明
1…ラインペア形透過度計の板材、2…スリット、3…スリット間隔、20…線源、
21…ラインペア形透過度計、22…試験体、23…検査フィルム、30…スキャナ、
31…コンピュータ、32…ディスプレイ。

Claims (4)

  1. 放射線透過試験用透過度計及び試験体に放射線を照射し、前記放射線透過試験用透過度計及び前記試験体を透過した放射線でフィルムを感光し、前記フィルムに写った前記放射線透過試験用透過度計の像のMTF値を求める放射線透過試験画像の解像度を求める方法。
  2. 請求項1において、前記フィルムに写った像をデジタル画像データに変換し、前記デジタル画像データに基づいて前記MTF値を求め、前記MTF値が予め定めた値よりも大きい場合に前記デジタル画像データを保存することを特徴とする放射線透過試験画像の解像度を求める方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、前記放射線透過試験用透過度計として、前記放射線透過試験用透過度計の板厚と等しいもしくは2倍或いは4倍のスリット幅を持つ長方形スリット貫通穴と、前記スリット幅と同じ幅のスリット間隔を一対としてこれを複数対持つ形状の放射線透過試験用透過度計を使用することを特徴とする放射線透過試験画像の解像度を求める方法。
  4. 放射線透過試験用透過度計として、その放射線透過試験用透過度計の板厚と等しいもしくは2倍或いは4倍のスリット幅を持つ長方形スリット貫通穴と、前記スリット幅と同じ幅のスリット間隔を一対としてこれを複数対持つ形状の放射線透過試験用透過度計を使用し、前記放射線透過試験用透過度計及び試験体に放射線を照射して放射線透過試験用透過度計及び試験体を透過した放射線でフィルムを感光し、次に前記フィルムをスキャナでスキャニングして前記フィルムに写った像をデジタル画像データとし、前記デジタル画像データに基づいて放射線透過試験用透過度計の画像の前記スリット幅方向に並んだ明暗に係るMTF値を求め、前記MTF値が予め定めたMTF値以上であるか否かを判定して、前記予め定めたMTF値以上と判定されたものに係る前記デジタル画像データを電子的に保存する放射線透過試験画像の取得方法。
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