JP2005116873A - Cmp研磨材および基板の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属膜の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能な研磨材、基板の研磨方法を提供する。
【解決手段】 金属膜脆弱化剤、金属膜表面に対する保護膜形成剤、砥粒、金属の酸化剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材及び研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て、金属、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材を、研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に移動させて、研磨膜を脆弱化しながら研磨する基板の研磨方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 金属膜脆弱化剤、金属膜表面に対する保護膜形成剤、砥粒、金属の酸化剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材及び研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て、金属、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材を、研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に移動させて、研磨膜を脆弱化しながら研磨する基板の研磨方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、特に半導体デバイスの配線工程における金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下LSIと記す)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下CMPと記す)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である。この技術は、例えば米国特許No.4944836に開示されている。
また、最近はLSIを高性能化するために、配線材料として銅合金の利用が試みられている。しかし、銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜上に銅合金薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の銅合金薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術は、例えば特開平2−278822号公報に開示されている。
金属のCMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を金属用研磨液で浸し、基体の金属膜を形成した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(以下研磨圧力と記す)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属膜を除去するものである。
CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には酸化剤及び固体砥粒からなっており必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、保護膜形成剤が添加される。まず酸化によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられている。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないので、CMPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基体表面は平坦化される。この詳細についてはジャ−ナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)の第138巻11号(1991年発行)の3460〜3464頁に開示されている。
CMPによる研磨速度を高める方法として酸化金属溶解剤を添加することが有効とされている。固体砥粒によって削り取られた金属酸化物の粒を研磨液に溶解させてしまうと固体砥粒による削り取りの効果が増すためであると解釈できる。但し、凹部の金属膜表面の酸化層も溶解(以下エッチングと記す)されて金属膜表面が露出すると、酸化剤によって金属膜表面がさらに酸化され、これが繰り返されると凹部の金属膜のエッチングが進行してしまい、平坦化効果が損なわれることが懸念される。これを防ぐためにさらに保護膜形成剤が添加される。酸化金属溶解剤と保護膜形成剤の効果のバランスを取ることが重要であり、凹部の金属膜表面の酸化層はあまりエッチングされず、削り取られた酸化層の粒が効率良く溶解されCMPによる研磨速度が大きいことが望ましい。
このように酸化金属溶解剤と保護膜形成剤を添加して化学反応の効果を加えることにより、CMP速度(CMPによる研磨速度)が向上すると共に、CMPされる金属層表面の損傷(ダメ−ジ)も低減される効果が得られる。
しかしながら、従来の固体砥粒を含む金属用研磨液を用いてCMPによる埋め込み配線形成を行う場合、高速研磨が可能であるが、金属膜表面に多くの研磨傷がついてしまう。従って、研磨後に研磨傷が発生しない金属用研磨液が望まれていた。
本発明は、金属膜の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能な研磨材、基板の研磨方法を提供するものである。
本発明は、金属膜の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能な研磨材、基板の研磨方法を提供するものである。
本発明は次のものに関する。
(1)金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材。
(2)金属脆弱化剤が含フッ素酸である請求項1記載の半導体金属膜用CMP研磨材。
(3)研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材を、研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に移動させて、研磨膜を脆弱化しながら研磨する基板の研磨方法。
(1)金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材。
(2)金属脆弱化剤が含フッ素酸である請求項1記載の半導体金属膜用CMP研磨材。
(3)研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材を、研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に移動させて、研磨膜を脆弱化しながら研磨する基板の研磨方法。
上記の半導体用CMP研磨材を用いてCMPによる埋め込み配線形成を行うと、CMP研磨中は、金属脆弱化剤が被研磨表面に化学的に作用し脆弱化させ、より化学作用の大きいCMP研磨を行うことによって研磨傷を低減することを可能とする。
本発明のCMP研磨材には、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を分散させることによって得られる。
本発明の研磨液中における砥粒濃度は、0.1〜10重量%であることが好ましい。
砥粒は、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニアより選ばれた一種であることが好ましく、平均粒径100nm以下のコロイダルシリカまたはコロイダルアルミナであることが好ましい。
砥粒は、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニアより選ばれた一種であることが好ましく、平均粒径100nm以下のコロイダルシリカまたはコロイダルアルミナであることが好ましい。
金属脆弱化剤は、F−酪酸、F−ヘキサン酸、F−オクタン酸、F−デカン酸、F−ドデカン酸、トリフルオロアクリル酸、ペンタフルオロ安息香酸、フッ化水素酸から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
導体の酸化剤は、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
導体の酸化剤は、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
保護膜形成剤は、従来から広く用いられてきたベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾールの誘導体から選ばれた少なくとも1種(BTA類)であることが好ましい。
酸は、有機酸であることが好ましく、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
水溶性高分子は、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸の塩から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
導体は、銅または銅合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種の金属層を含む堆積膜からなる金属膜である。
本発明の基板の研磨方法は、銅または銅合金を研磨する研磨方法であると好ましい。
本発明の研磨方法は、研磨定盤の研磨布上に前記の研磨液を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨することができる。
本発明の研磨方法は、研磨定盤の研磨布上に前記の研磨液を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨することができる。
本発明では、金属脆弱化剤が被研磨膜表面に化学的に作用し脆弱化させ、より化学作用の大きいCMP研磨を行うことによって研磨傷を低減させることを可能とする。
本発明のCMP研磨材は、金属脆弱化剤を含有することにより、金属膜の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能となる。
本発明においては、表面に凹部を有する基体上に銅、銅合金(銅/クロム等)を含む金属膜を形成・充填する。この基体を本発明による金属用研磨液を用いてCMPすると、基体の凸部の金属膜が選択的にCMPされて、凹部に金属膜が残されて所望の導体パタ−ンが得られる。
本発明の研磨方法は、金属脆弱化剤、砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する研磨液を研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に移動させて、研磨膜を脆弱化しながら研磨する基板の研磨方法である。
本発明の研磨材の砥粒濃度は、0.01重量%〜10重量%が好ましく0.05重量%から5重量%の範囲であることがより好ましい。この配合量が0.01重量%未満では砥粒を含まない場合の研磨速度と有意差がなく、10重量%を超えるとCMPによる研磨速度は飽和し、それ以上加えても増加は見られない。
本発明の研磨材の砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、炭化珪素等の無機物砥粒、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル等の有機物砥粒のいずれでもよいが、研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数が少ない、平均粒径が100nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましい。コロイダルシリカはシリコンアルコキシドの加水分解または珪酸ナトリウムのイオン交換による製造方法が知られており。コロイダルアルミナは硝酸アルミニウムの加水分解による製造法が知られている。
金属脆弱化剤としては、含フッ素酸が挙げられる。
含フッ素酸としては、以下の群から選ばれたものが適している。
トリフルオロ酢酸、トリフルオロプロピオン酸、F−酪酸、F−ヘキサン酸、F−オクタン酸、F−デカン酸、F−ドデカン酸、トリフルオロアクリル酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタフルオロフェノール、トリフルオロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸カリウム、トリフルオロ酢酸アンモニウム、トリフルオロプロピオン酸ナトリウム、トリフルオロプロピオン酸カリウム、トリフルオロプロピオン酸アンモニウム、F−酪酸ナトリウム、F−酪酸カリウム、F−酪酸アンモニウム、F−ヘキサン酸ナトリウム、F−ヘキサン酸カリウム、F−ヘキサン酸アンモニウム、F−オクタン酸ナトリウム、F−オクタン酸カリウム、F−オクタン酸アンモニウム、F−デカン酸ナトリウム、F−デカン酸カリウム、F−デカン酸アンモニウム、F−ドデカン酸ナトリウム、F−ドデカン酸カリウム、F−ドデカン酸アンモニウム、トリフルオロアクリル酸ナトリウム、トリフルオロアクリル酸カリウム、トリフルオロアクリル酸アンモニウム、ペンタフルオロ安息香酸ナトリウム、ペンタフルオロ安息香酸カリウム、ペンタフルオロ安息香酸アンモニウム、ペンタフルオロフェノールナトリウム、ペンタフルオロフェノールカリウム、ペンタフルオロフェノールアンモニウム等の有機フッ素化合物及びそれらのアンモニウム塩;
フッ化水素酸、フルオロ燐酸、ヘキサフルオロ珪酸、テトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロチタン酸、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、二フッ化水素アンモニウム、二フッ化水素カリウム、フルオロ燐酸ナトリウム、フルオロ燐酸カリウム、フルオロ燐酸アンモニウム、ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム、ヘキサフルオロ珪酸カリウム、ヘキサフルオロ珪酸アンモニウム、テトラフルオロ硼酸ナトリウム、テトラフルオロ硼酸カリウム、テトラフルオロ硼酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン酸ナトリウム、ヘキサフルオロチタン酸カリウム、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム等の無機フッ素化合物及びそれらのアンモニウム塩;
が挙げられる。
含フッ素酸としては、以下の群から選ばれたものが適している。
トリフルオロ酢酸、トリフルオロプロピオン酸、F−酪酸、F−ヘキサン酸、F−オクタン酸、F−デカン酸、F−ドデカン酸、トリフルオロアクリル酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタフルオロフェノール、トリフルオロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸カリウム、トリフルオロ酢酸アンモニウム、トリフルオロプロピオン酸ナトリウム、トリフルオロプロピオン酸カリウム、トリフルオロプロピオン酸アンモニウム、F−酪酸ナトリウム、F−酪酸カリウム、F−酪酸アンモニウム、F−ヘキサン酸ナトリウム、F−ヘキサン酸カリウム、F−ヘキサン酸アンモニウム、F−オクタン酸ナトリウム、F−オクタン酸カリウム、F−オクタン酸アンモニウム、F−デカン酸ナトリウム、F−デカン酸カリウム、F−デカン酸アンモニウム、F−ドデカン酸ナトリウム、F−ドデカン酸カリウム、F−ドデカン酸アンモニウム、トリフルオロアクリル酸ナトリウム、トリフルオロアクリル酸カリウム、トリフルオロアクリル酸アンモニウム、ペンタフルオロ安息香酸ナトリウム、ペンタフルオロ安息香酸カリウム、ペンタフルオロ安息香酸アンモニウム、ペンタフルオロフェノールナトリウム、ペンタフルオロフェノールカリウム、ペンタフルオロフェノールアンモニウム等の有機フッ素化合物及びそれらのアンモニウム塩;
フッ化水素酸、フルオロ燐酸、ヘキサフルオロ珪酸、テトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロチタン酸、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、二フッ化水素アンモニウム、二フッ化水素カリウム、フルオロ燐酸ナトリウム、フルオロ燐酸カリウム、フルオロ燐酸アンモニウム、ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム、ヘキサフルオロ珪酸カリウム、ヘキサフルオロ珪酸アンモニウム、テトラフルオロ硼酸ナトリウム、テトラフルオロ硼酸カリウム、テトラフルオロ硼酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン酸ナトリウム、ヘキサフルオロチタン酸カリウム、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム等の無機フッ素化合物及びそれらのアンモニウム塩;
が挙げられる。
但し、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化合物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。その中でもF−酪酸、F−ヘキサン酸、F−オクタン酸、F−デカン酸、F−ドデカン酸、トリフルオロアクリル酸、ペンタフルオロ安息香酸、フッ化水素酸がより好ましい。
本発明の研磨材の導体の酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。基体が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物などによる汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は組成の時間変化が激しいので過酸化水素が最も適している。但し、適用対象の基体が半導体素子を含まないガラス基板などである場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
研磨液の保護膜形成剤としては、ベンゾトリアゾール(BTA)、BTA誘導体、例えばBTAのベンゼン環の一つの水素原子をメチル基で置換したもの(トリルトリアゾール)もしくはカルボキシル基で置換したもの(ベンゾトリアゾール−4−カルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル及びオクチルエステル)、又はナフトトリアゾール、ナフトトリアゾール誘導体及びこれらを含む混合物の中から選ばれる。
研磨液の酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコ−ル酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等、及びそれらの有機酸のアンモニウム塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、例えば過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等、クロム酸等又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中では、実用的なCMP研磨速度が得られるという点で、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸が好ましい。
研磨液の水溶性高分子としては、以下の群から選ばれたものが好適であり、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド等のカルボキシル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマーおよびその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマーが挙げられる。但し、適用する基板が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基板がガラス基板等である場合はその限りではない。
これらの水溶性高分子は、金属の表面保護膜形成効果を持ち、保護膜形成剤との相乗効果および水溶性高分子の基材表面への保護膜形成効果により、ディッシング等の平坦化特性を向上させることができる。
本発明を適用する導体膜としては、銅または銅合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種の金属層を含む堆積膜からなる金属膜である。
本発明のCMP研磨材は、研磨材のpHが1〜5が好ましく、1.5〜4がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。pH1未満では酸化膜の表面荒れが顕著に表れ、pHが5より大きいと研磨速度が低下する。
本発明のCMP研磨材の金属脆弱化剤の配合量は、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、水溶性ポリマ及び水の総量100gに対して0〜0.05モルとすることが好ましく、0.00005〜0.005モルとすることがより好ましい。この配合量が0.05モルを超えると、前述したCMP研磨剤のpHを好ましい範囲内に調節するのが困難となる。
本発明のCMP研磨材の金属の酸化剤の配合量は、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、水溶性ポリマ及び水の総量100gに対して、0.003〜0.7モルとすることが好ましく、0.03〜0.5モルとすることがより好ましく、0.2〜0.3モルとすることが特に好ましい。この配合量が0.003モル未満では、金属の酸化が不十分でCMP速度が低く、0.7モルを超えると、研磨面に荒れが生じる傾向がある。
本発明のCMP研磨材の保護膜形成剤の配合量は、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、酸、保護膜形成剤、水溶性高分子及び水の総量100gに対して0.0001〜0.05モルとすることが好ましく0.0003〜0.005モルとすることがより好ましく、0.0005〜0.0035モルとすることが特に好ましい。この配合量が0.0001モル未満では、エッチングの抑制が困難となる傾向があり、0.05モルを超えるとCMP速度が低くなってしまう傾向がある。
本発明のCMP研磨材の酸の配合量は、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、酸、保護膜形成剤、水溶性高分子及び水の総量100gに対して0〜0.005モルとすることが好ましく、0.00005〜0.0025モルとすることがより好ましく、0.0005〜0.0015モルとすることが特に好ましい。この配合量が0.005モルを超えると、エッチングの抑制が困難となる傾向がある。
本発明のCMP研磨材の水溶性高分子の配合量は、金属脆弱化剤、砥粒、金属の酸化剤、酸、保護膜形成剤、水溶性高分子及び水の総量に対して0.001〜0.3重量%とすることが好ましく0.003重量%〜0.1重量%とすることがより好ましく0.01重量%〜0.08重量%とすることが特に好ましい。この配合量が0.001重量%未満では、エッチング抑制において保護膜形成剤との併用効果が現れない傾向があり0.3重量%を超えるとCMP速度が低下してしまう傾向がある。
研磨装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布にはCMP研磨材がたまるような溝加工を施すことが好ましい。研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200min-1以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は研磨後に傷が発生しないように9.8×104Pa以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
(実施例)
(研磨液1の作製方法)
テトラエトキシシランのアンモニア水溶液中での加水分解により作製した平均粒径20nmのコロイダルシリカを砥粒として0.3重量部、保護膜形成剤としてBTA0.29重量部、リンゴ酸0.21重量部、水溶性高分子としてポリアクリル酸アンモニウム0.57重量部、メタノール0.71重量部、2.5重量%F−酪酸28.57重量部、脱イオン水69.35重量部を加えて溶解した混合液を作成した。上記混合液と過酸化水素(試薬特級、30%水溶液)を7:3の重量比率で混合した。
(研磨液1の作製方法)
テトラエトキシシランのアンモニア水溶液中での加水分解により作製した平均粒径20nmのコロイダルシリカを砥粒として0.3重量部、保護膜形成剤としてBTA0.29重量部、リンゴ酸0.21重量部、水溶性高分子としてポリアクリル酸アンモニウム0.57重量部、メタノール0.71重量部、2.5重量%F−酪酸28.57重量部、脱イオン水69.35重量部を加えて溶解した混合液を作成した。上記混合液と過酸化水素(試薬特級、30%水溶液)を7:3の重量比率で混合した。
(研磨液2の作成方法)
テトラエトキシシランのアンモニア水溶液中での加水分解により作製した平均粒径20nmのコロイダルシリカを砥粒として0.3重量部、保護膜形成剤としてBTA0.29重量部、リンゴ酸0.21重量部、水溶性高分子としてポリアクリル酸アンモニウム0.57重量部、メタノール0.71重量部、脱イオン水97.92重量部を加えて溶解した混合液を作製した。上記混合液と過酸化水素(試薬特級、30%水溶液)を7:3の重量比率で混合した。
テトラエトキシシランのアンモニア水溶液中での加水分解により作製した平均粒径20nmのコロイダルシリカを砥粒として0.3重量部、保護膜形成剤としてBTA0.29重量部、リンゴ酸0.21重量部、水溶性高分子としてポリアクリル酸アンモニウム0.57重量部、メタノール0.71重量部、脱イオン水97.92重量部を加えて溶解した混合液を作製した。上記混合液と過酸化水素(試薬特級、30%水溶液)を7:3の重量比率で混合した。
(研磨条件)
基材:厚さ1μmの銅膜を形成したシリコン基板
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂
研磨圧力:140gf/cm2
基板と研磨定盤との相対速度:100m/min
基材:厚さ1μmの銅膜を形成したシリコン基板
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂
研磨圧力:140gf/cm2
基板と研磨定盤との相対速度:100m/min
(研磨品評価項目)
CMP速度:銅膜のCMP前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
CMP後の基板の目視、光学顕微鏡観察により研磨傷発生の有無を確認した。
CMP速度:銅膜のCMP前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
CMP後の基板の目視、光学顕微鏡観察により研磨傷発生の有無を確認した。
(実施例1)
初めに研磨液1を用いて、基板の銅膜を1分間研磨した。CMP後の基板を目視、及び光学顕微鏡観察により研磨傷発生の有無を確認した。その結果、研磨傷の発生は見られなかった。
初めに研磨液1を用いて、基板の銅膜を1分間研磨した。CMP後の基板を目視、及び光学顕微鏡観察により研磨傷発生の有無を確認した。その結果、研磨傷の発生は見られなかった。
(比較例1)
研磨液2を用いて、基板の銅膜を1分間研磨した。CMP後の基板を目視、及び光学顕微鏡観察により研磨傷発生の有無を確認した。その結果、23個の研磨傷があった。
研磨液2を用いて、基板の銅膜を1分間研磨した。CMP後の基板を目視、及び光学顕微鏡観察により研磨傷発生の有無を確認した。その結果、23個の研磨傷があった。
実施例1及び比較例1における、CMP速度の評価結果は表1に示す様であった。
実施例1が示したように、金属脆弱化剤を含む研磨材は、CMP後の基板の研磨傷が無く、CMP速度は、金属脆弱化材を含まない研磨材と同等の値を有する。
Claims (3)
- 金属膜脆弱化剤、金属膜表面に対する保護膜形成剤、砥粒、金属の酸化剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材。
- 金属膜脆弱化剤が含フッ素酸である請求項1記載のCMP研磨剤。
- 研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押し当て、金属、砥粒、金属の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸、水溶性高分子及び水を含有する半導体金属膜用CMP研磨材を、研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に移動させて、研磨膜を脆弱化しながら研磨する基板の研磨方法。
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JP2003350803A JP2005116873A (ja) | 2003-10-09 | 2003-10-09 | Cmp研磨材および基板の研磨方法 |
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Cited By (1)
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WO2007029465A1 (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-15 | Asahi Glass Company, Limited | 研磨剤、被研磨面の研磨方法および半導体集積回路装置の製造方法 |
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2003
- 2003-10-09 JP JP2003350803A patent/JP2005116873A/ja active Pending
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WO2007029465A1 (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-15 | Asahi Glass Company, Limited | 研磨剤、被研磨面の研磨方法および半導体集積回路装置の製造方法 |
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