JP2005116787A - イオンミリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望のイオンビーム面分布、エネルギー分布をもつイオンビームを得ることができ、被加工物に所望のエッチング形状を形成することが可能となる。
【解決手段】 イオンミリング装置は、真空排気可能な処理室1と、処理室1にXY方向に移動可能で、且つ回転可能および角度調整可能に配置されたステージ3と、ステージ3上に配置される被加工物4に対向する位置に設置されたイオンガン2と、を備えている。イオンガン2と被加工物4との間には、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出すための引き出し電極と、被加工物でのイオンビーム強度分布を補正する補正電極とが設けられている。補正電極は同心円状に複数個に分割された電極片から構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はイオンミリング装置に関する。
通常のイオンミリング装置は、ステージを有する真空容器の天井にイオンガンが装着され、イオンガン内部に発生したイオンは取り出し電極に設けられた多数個の孔を通して真空容器内に放射される(例えば特許文献1参照)。
一般に、イオンガンは直流や高周波放電により生じたプラズマから引き出し電極によりイオンを引き出して、正イオンビームや負イオンビームを得る構造となっている。
イオンガンの正面に配置された引き出し電極と対向するステージに被加工物が搭載されており、イオンガンから真空容器内に放射されたイオンを衝突させる事により被加工物の表面がエッチングされる。
図9に従来のイオンミリング装置のイオンガンの構造を示す。この図において、イオンガンの正面に引き出し電極と補正電極9が配置されていて、該引き出し電極は加速電極8と減速電極9からなる。この引き出し電極が平坦でしかも孔の開口面積および間隔が等しく設けられていると、被加工面でのイオンビームの強度分布は図11(a)に示すように、中心部が最大で周辺部に向かって漸減する傾向にある。
また、図10に示すように補正電極10に設けられた孔の大きさ、あるいは孔の密度を変えることによりイオンビームの強度分布を変えることが行われてきた(例えば特許文献2参照)。補正電極10の中心ほど密度の大きいプラズマ分布を補正するもので、電極の中心部は孔と孔の間隔が大きく、かつ該孔の開口面積が小さくなっており、電極の外周部は孔と孔の間隔が小さく、かつ該孔の開口面積の割合は大きくなっている。その結果、電極の中心部に比べて外周部で多くのイオンビームを引き出すことができる。その結果、被加工面でのイオンビーム強度分布がより均一なイオンビームを得ることができる。なお、図11(b)に、この電極構成でのイオンビーム強度分布を示しており、図11(a)の場合に比べ、より均一なイオンビーム強度分布であることが分かる。
また、特許文献3には、引き出し電極を複数個に分割し異なる電位を与えることによりイオンビームの面密度とエネルギー分布の偏りを改善することが提案されている。
例えば図12に示すように、引き出し電極(加速電極)を複数の電極片(符号8-a、8-b、8-c)に分割し、これらの電極片に各々に異なる電位を与える。または、上記イオン引き出し電極を複数個対向して配置することにより、イオンビームの面密度とエネルギー分布の偏りが解消される。
特開平8−008230号公報 特開平8−129982号公報 特開平5−205681号公報 マイクロ加工技術編集委員会編、「マイクロ加工技術」、日刊工業新聞社発行、昭和52年発行、44項
しかし、特許文献1、特許文献2のいずれの方法でもイオンビームの強度分布は物理的に決定され、強度分布を自由に変更することができない。
また、特許文献3では、イオンビームの面密度とエネルギー分布の偏りを改善をするものであり、イオンビームの強度分布を大きく可変できるものではない。
図13に示すように、引き出し電極(加速電極9)に対向して配置させる対向電極(減速電極)として、平坦に設けられている電極を用いた場合、電極中心部のイオンビーム強度を強め、電極外周部のイオンビーム強度を弱めるためには、中心部に高いプラス電極を印加する必要がある。このように、中心と外周の電界強度の差が大きいとイオンビームが発散してしまい、外周部のイオンビーム強度を十分低減できない。
また、対向電極として複数に分割された電極を用いる場合、イオンビームの発散を防止するために電界強度差を縮小する方向に電圧を印加する。しかし、この印加の仕方であると、中心のイオンビーム強度が弱まり、外周のイオンビーム強度が強まってしまう。
従って、電極中心のイオンビーム強度を強めるビーム強度分布と、電極外周部のイオンビーム強度を弱める強度分布とを、イオンビームの発散を防止しながら同時に制御できない。
以上、提案されているイオンビームガンを用いて、イオンミリングを行った場合、均一に広い面積をミリングが可能であるが、次の項目を満たすイオンガンを実現することができなかった。
非特許文献1に掲載されている、イオンビームを用いたBK−7ガラスの加工の様に、イオンビームの強度分布を利用して被加工物をミリングし、所望の形状を作りこむ場合には、イオンビームの強度分布が均一でなく、ガウス分布に近い分布が必要であり、加工速度を向上させる為には、電極中心のイオンビーム強度を強くする必要がある。
更に、所望の複雑なミリング形状を作りこむには、同一形状のイオンビーム強度分布では難しく、少なくとも、2つ以上の強度分布を持つイオンビームが必要であり、しかも、ミリング範囲も変更可能であることが望ましい。例えば、広い面積で全体強度が強いイオンビームと、狭い面積でガウス分布に近いイオンビームが必要となる。これらの2種類以上のイオンビームを用いて、ミリングを行うことにより、複雑かつ精巧なミリング形状を始めて形成することができる。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、所望のイオンビーム面分布、エネルギー分布をもつイオンビームを得ることができ、かつ被加工物に所望のエッチング形状を形成することが可能となるイオンミリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、被加工物を搭載するためのステージとイオンガンとを有するイオンミリング装置であって、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とを前記イオンガンと前記ステージの間に有し、該補正電極が複数の電極片に同心円状に分割され、それぞれの電極片に独自に直流電圧を印加することにより、イオンビームの強度分布を変更する手段を有するイオンミリング装置である。
また、本発明は、被加工物を搭載するためのステージとイオンガンとを有するイオンミリング装置であって、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とを前記イオンガンと前記ステージの間に有し、該加速電極および該補正電極が複数の電極片に同心円状に分割され、それぞれの電極片に独自に直流電圧を印加することにより、イオンビームの強度分布を変更する手段を有するイオンミリング装置である。
また、本発明は、被加工物を搭載するためのステージとイオンガンとを有するイオンミリング装置であって、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とを前記イオンガンと前記ステージの間に有し、該補正電極は中心がくり抜かれ、かつ、複数の電極片に同心円状に分割され、それぞれの電極片に独自に直流電圧を印加することにより、イオンビームの強度分布を変更する手段を有するイオンミリング装置である。
上記のいずれかの装置において、前記補正電極と前記ステージの間に、絶縁物からなる複数の補正筒が設けられ、各補正筒は、前記補正電極の分割された各電極片の範囲を囲むように設けられていることが好ましい。
さらに、前記補正筒の材質はガラス、石英、またはセラミックが好ましい。
上記構成のイオンミリング装置では、イオンガンと、被加工物を搭載するためのステージとの間に、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とが配置され、該引き出し電極で引き出されたイオンビームを被加工物の表面に衝突させる際に、補正電極によってそのビーム強度分布が変更される。
特に、補正電極の分割された各電極片に異なった直流電圧を印加することによりイオンビームの強度分布を任意に変更することが可能となり、被加工物の加工形状を変更し、任意の処理速度、処理形状を生成させることができないという問題が解決できた。
従って、2種類以上のイオンビームを用いて、ミリングを行うことにより始めて複雑な、精巧なミリング形状を形成することが可能となる。
本発明によれば、
1)加速電極、減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極が設けられており、補正電極は同心円状に複数個に分割された電極片から構成されており、電極片毎に電位差を与えることにより、プラズマから引き出されるイオンビームの面分布とエネルギー分布を制御できる。
2)加速電極、減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とが設けられており、加速電極及び補正電極は同心円状に複数個に分割された電極片から構成されており、電極片毎に異なる電位を与えることにより、プラズマから引き出されるイオンビームの面分布とエネルギー分布を制御できる。
3)加速電極、減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と補正電極が設けられており、補正電極の中心がくりぬかれた構造となっており、且つ、同心円状に複数個に分割された電極片から構成されており、電極片毎に異なる電位を与えることにより、プラズマから引き出されるイオンビームの面分布とエネルギー分布を制御できる。
4)加速電極、減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と補正電極が設けられており、補正電極とステージの間に補正筒が設置されている。補正電極は同心円状に複数個に分割された電極片から構成されており、補正電極の分割された各電極片の範囲を囲むように複数の補正筒が設けられている。そして、補正電極の電極片毎に異なる電位を与えることにより、プラズマから引き出されるイオンビームの面分布とエネルギー分布を制御できる。
さらに、以上のように構成したことで、中心のイオンビーム強度が強く、しかも、補正電極の分割された各電極片に印加する電位を変えることにより外周部のイオンビーム強度を任意に変更することができる。その結果、所望のイオンビーム面分布、エネルギー分布をもつイオンビームを得ることができ、しかも、イオンミリングの加工プロセス中に補正電極に印加する電位を変更することにより、イオンビームも面分布、エネルギー分布を変更することが可能となる。
本発明のイオンミリング装置を用いることにより、被加工物にイオンビームを照射し、所望のエッチング形状を形成することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のイオンミリング装置である。
本実施形態のイオンミリング装置は、真空排気可能な処理室1と、処理室1にXY方向(図1の紙面に垂直でかつ互いに直交する2方向)に移動可能で、且つ回転可能および角度調整可能に配置されたステージ3と、ステージ3上に配置される被加工物4に対向する位置に設置されたイオンガン2と、を備えている。
一方、イオンガン2と被加工物4との間には、図2に示すように、加速電極8、減速電極9からなるイオンビームを引き出すための引き出し電極と、被加工物でのイオンビーム強度分布を補正する補正電極10とが設けられている。補正電極10は図3に示すように、同心円状に複数個に分割された電極片10-a,10-b,10-cから構成されている。尚、加速電極8と減速電極9はともに1枚の平板からなる。
加速電極8、減速電極9、補正電極10ともに全面に多数の細穴が設けられている。加速電極8にはプラス電位、減速電極9にはマイナス電位が、補正電極10には任意の電圧が印加される。
図4(a1)は、補正電極に等電位(アース電位)を印加した場合のイオンビームの強度分布である。
一般に、処理室内のプラズマ分布は中心ほどプラズマ密度が大きい。引き出されるイオンビームは、この分布を反映し中心ほど密度(強度)が高い分布となる。
図5に、補正電極10の中心部の電極片10-cに減速電極9と同じマイナス電位を印加し、外周に向かって順次マイナス電位が小さくなり最外郭の電極片10-aがアース電位となるように各電極片10−c,10−b,10−aに異なった電位を与えた場合の等電位面12と荷電粒子の運動方向(イオンビームの方向13)とを示す。この印加条件では、電極中心部のイオンビームは減速されず、電極外周のイオンビームほど減速されて強度が低下する。その結果、図4(a1)に示した強度分布に対し、図4(b1)に示すように外周の強度が低下したイオンビームの分布が得られる。
また、図5に示した電極構造において、補正電極10の最外郭の電極片10−aに減速電極9と同じマイナス電位を印加し、電極中心に向かって順次マイナス電位が小さくなり電極中心の電極片10−cがアース電位となるように各電極片10−a,10−b,10−cに異なった電位を与える。この印加条件では、電極外周のイオンビームは減速されず、電極中心のイオンビームは減速されて強度が低下する。その結果、図4(a1)に示した強度分布に対し、図4(c1)に示すように中心の強度が低下したイオンビームの分布が得られる。
本発明のイオンミリング装置を製作し、SiO2膜のミリング実験を行ったところ、各イオンビーム強度分布に対応したミリング形状が得られた。
即ち、図4(a1)に示した強度分布のイオンビームでミリングを行うと、図4(a2)に示すように広い面積でイオンビーム強度分布に対応したミリング形状が得られる。
更に、補正電極10の中心部の電極片10-cに減速電極9と同じマイナス電位を印加し、外周に向かって順次マイナス電位が小さくなり最外郭の電極片10-aがアース電位となるように各電極片10−c,10−b,10−aに異なった電位を与えた場合(図4(b2)の強度分布)のイオンビームでミリングを行うと、図4(b2)に示すように狭い面積でミリングが可能となり、狭い面積のミリング形状が得られる。
これらの2種類のイオンビームを適時変更してミリングを行うことにより被加工物に任意の形状を作りこむことが可能となった。本実施形態では、それぞれが所定のイオンビーム強度分布を持つ2種類のイオンビームを使用してミリングを行ったが、2種類以上のイオンビームを使用したミリング加工も可能である。
本実施形態のミリング装置では、補正電極に印加する電圧を任意に変更することによりイオンビームの強度分布を変えることができるため、所望の加工形状を得るのに最適なイオンビーム強度を得ることができる。従って、複数のイオンビーム強度分布を持つイオンビームで加工が可能であり、複雑な形状を作り込むことが可能となった。
また、本発明の特徴として同一プロセス(真空を破らずに)中で、イオンビーム強度分布を変更することができるため、作業効率が向上した。イオンビーム強度分布を変えたイオンビームでの加工が同一真空中で加工できるため、従来問題となっていた真空を破ることによる表面が酸化し、ミリングレートが変わり、所望のミリング形状が得られないという問題も発生しなかった。
本実施形態では、被加工物としてSiO2膜のミリングで説明したが、SiO2膜に限定されるものでなく、Siウエハ、Siバルク、石英、各種ガラス、金属膜、金属部材、誘電体、絶縁部材等、ミリング可能なものであれば良い。
尚、補正電極の分割された電極片は、必ずしも図3で説明した分割法(複数の電極片を同心円状に分割する方法)で分割する必要はない。
また、補正電極に印加する電位は、マイナスからプラスまで可能であり、必ずしもアース電位にする必要がない。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図6を用いて説明する。
本実施形態においても、図2に示したとおり、イオンガン2と被加工物4との間には、加速電極8、減速電極9からなるイオンビームを引き出すための引き出し電極と、被加工物でのイオンビームの強度分布を補正する補正電極10とが設けられている。
加速電極8および補正電極10はそれぞれ、図6(a)に示すように、同心円状に複数個に分割された電極片(8-a,8-b,8-c、10-a,10-b,10-c)から構成されており、加速電極8、減速電極9、補正電極10ともに全面に多数の細穴が設けられている。
加速電極8にはプラス電位、減速電極9にはマイナス電位、補正電極10には任意の電圧が印加される。
加速電極8に外側から中心に向かって順次プラス電位が大きくなるように各電極片8−a,8−b,8−cに異なった電位を与え、補正電極10の中心部の電極片10−cに減速電極9と同じマイナス電位を印加し、外側に向かって順次マイナス電位が小さくなり最外周の電極片10−aがアース電位となるように各電極片10−c,10−b,10−aに異なった電位を与えると、第1の実施形態の構成より外周のイオンビームは、加速電位が小さく、更に、減速電位が大きいため、引き出されるイオンビームは、外周のイオンビームは相対的に大きく減速され、より強度が低下する。この結果、図6(b)に示すように外周側の強度が低下したイオンビームの分布が得られた。
本発明のイオンミリング装置を製作し、ミリング実験を行ったところ、各イオンビーム強度分布に対応したミリング形状が得られた。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態を図7を用いて説明する。
本実施形態においても、図2に示したとおり、イオンガン2と被加工物4との間には、加速電極8、減速電極9からなるイオンビームを引き出すための引き出し電極と、被加工物でのイオンビームの強度分布を補正する補正電極10とが設けられている。
図7(a)に示すように補正電極10は中心部にくり抜き部分14を有しており、加速電極8、減速電極9、補正電極10ともに全面に多数の細穴が設けられている。
補正電極10には、アース電位、または、プラス電位が印加される。中心部のイオンビームは減速されず、更に、中心に電極片自体がない為、第1の実施形態より中心部のイオンビーム強度は強くなり、図7(b)に示すようにイオンビームの強度分布は中心部が強い分布となる。
更に、補正電極10の、外周部に配置された電極片10−aにより高電位のプラス電位を印加することができるため、電極外周部でのイオンビームの強度は激減し、補正電極10のくり抜かれた中心部に集中するイオンビームが得られた。
また、補正電極10に減速電極9と同じ電位を印加すると、図4(a1)で示されるようなイオンビーム分布が得られる。
従って、補正電極に印加する電位を変えることによりビーム面積の広く、しかも、全体のビーム強度が強いイオンビームが得られる。また、ビーム面積が狭く、中心部に集中したイオンビームも得ることができる。
即ち、同一構造で印加する電位を任意に変えることにより、図4(a1)に示すような強度分布のイオンビームが実現でき、広い面積でミリングが可能となり、更に、図7(b)に示すような強度分布のイオンビームが実現でき、狭い面積でのミリングが可能となる。
本発明のイオンミリング装置を製作し、ミリング実験を行ったところ、各イオンビーム強度分布に対応したミリング形状が得られた。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態を図8を用いて説明する。
本実施形態のイオンミリング装置は、第1の実施形態の装置に加え、イオンガン2と、被加工物4を置くステージと3の間に補正筒11−a,11−b,11−cとして石英管を備えたものである。
イオンガン2と補正筒11−a,11−b,11−cとの間には、加速電極8、減速電極9からなるイオンビームを引き出すための引き出し電極と、補正電極10とが設けられている。補正電極10は図8(b)に示すように、同心円状に複数個に分割された電極片10-a,10-b,10-cから構成されている。加速電極8、減速電極9、補正電極10ともに全面に多数の細穴が設けられている。
図8(c)に示すように、複数の補正筒(石英管)11−a、11−b、11−cは、分割された補正電極10の電極片10-a,10-b,10-cをそれぞれ覆うように構成されている。
本構成の場合、補正電極10で制御されたイオンビームが干渉することなく被加工物に照射される為、イオンビーム分布を、制御することが可能となる。特に、最外周領域のイオンビーム強度を低く制御することが可能である。
本発明のイオンミリング装置を作製し、石英部材のミリング実験を行ったところ、各イオンビーム強度分布に対応したミリング形状が得られた。
本実施形態のミリング装置では、補正電極に印加する電圧を任意に変更することによりイオンビームの強度分布を変えることができるため、所望の加工形状を得るに最適なイオンビーム強度を得ることができる。従って、複数のイオンビーム強度分布を持つイオンビームで加工が可能であり、複雑な形状を作り込むことが可能となった。
尚、本実施形態では補正筒11の材質として石英で説明したが、絶縁物であれば良く、例えば、ガラス、セラミック等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態は、第3の実施形態の構成に補正筒(図8の(a),(b))を設けた構成で説明したが、第1の実施形態および第2の実施形態の構成に補正筒を設けた場合にも同様な効果が得られる。
本発明の第1の実施形態によるイオンミリング装置を示す断面図である。 図1に示したイオンガンの構造を示す図である。 図1に示した補正電極の構造を示す図である。 図1に示したイオンミリング装置によるイオンビーム強度分布とミリング形状とを示す図である。 本発明のイオンミリング装置において複数に分割された補正電極を配置した場合の等電位面とビーム方向を示す図である。 (a)は本発明の第2の実施形態のイオンミリング装置における補正電極及び加速電極の構造を示す図、(b)はイオンビーム分布強度を示す図である。 (a)は本発明の第3の実施形態のイオンミリング装置における補正電極の構造を示す図、(b)はイオンビーム分布強度を示す図である。 (a)は本発明の第3の実施形態のイオンミリング装置を示す断面図、(b)は(a)に示した補正電極の構造を示す図、(c)は(a)に示した補正筒の構造を示す図である。 従来のイオンミリング装置のイオンガン構造を示す図である。 図9に示した補正電極の構造を示す図である。 (a)および(b)はそれぞれ従来のイオン強度分布を示す図である。 従来のイオンミリング装置におけるイオンガンの加速電極または減速電極を示す図である。 従来のイオンミリング装置におけるイオンガンの、複数に分割された加速電極と平坦な金属電極を対向配置した場合の等電位面とビーム方向を示す図である。
符号の説明
1 処理室
2 イオンガン
3 ステージ
4 被加工物
5 RFアンテナ
6 マグネット
7 プラズマ
8 加速電極
9 減速電極
10 補正電極
10−a,10−b,10−c 電極片
11−a,11−b,11−c 補正筒
12 等電位面
13 イオンビームの方向
14 くり抜き部分

Claims (5)

  1. 被加工物を搭載するためのステージとイオンガンとを有するイオンミリング装置であって、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とを前記イオンガンと前記ステージの間に有し、該補正電極が複数の電極片に同心円状に分割され、それぞれの電極片に独自に直流電圧を印加することにより、イオンビームの強度分布を変更する手段を有するイオンミリング装置。
  2. 被加工物を搭載するためのステージとイオンガンとを有するイオンミリング装置であって、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とを前記イオンガンと前記ステージの間に有し、該加速電極および該補正電極が複数の電極片に同心円状に分割され、それぞれの電極片に独自に直流電圧を印加することにより、イオンビームの強度分布を変更する手段を有するイオンミリング装置。
  3. 被加工物を搭載するためのステージとイオンガンとを有するイオンミリング装置であって、加速電極と減速電極からなるイオンビームを引き出す為の引き出し電極と、補正電極とを前記イオンガンと前記ステージの間に有し、該補正電極は中心がくり抜かれ、かつ、複数の電極片に同心円状に分割され、それぞれの電極片に独自に直流電圧を印加することにより、イオンビームの強度分布を変更する手段を有するイオンミリング装置。
  4. 前記補正電極と前記ステージの間に、絶縁物からなる複数の補正筒が設けられ、各補正筒が、前記補正電極の分割された各電極片の範囲を囲むように設けられた請求項1から3のいずれかに記載のイオンミリング装置。
  5. 前記補正筒は、ガラス、石英、またはセラミックからなる請求項1から4のいずれかに記載のイオンミリング装置。
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