JP2005116316A - リチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解液中へのMn溶出率等の材料特性、及び高温時の充放電サイクル特性等の電池特性に優れたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いてなるリチウム二次電池である。リチウム遷移金属複合酸化物が、平均粒径が0.1〜1.0μmの、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物を含むとともに、粘性が50〜300mPa・sの範囲に調整された原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたものである。
【選択図】なし
【解決手段】正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いてなるリチウム二次電池である。リチウム遷移金属複合酸化物が、平均粒径が0.1〜1.0μmの、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物を含むとともに、粘性が50〜300mPa・sの範囲に調整された原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、リチウム二次電池、及びその製造方法に関し、更に詳しくは、電解液中へのMn溶出率等の材料特性、及び高温時の充放電サイクル特性等の電池特性に優れたリチウム二次電池、並びにその効率的な製造方法に関する。
近年、携帯電話やVTR、ノート型パソコン等の携帯型電子機器の小型軽量化が急速に進行しており、その電源用電池として、正極活物質にリチウム複合酸化物、負極活物質に炭素質材料を用いて、このような正負極活物質をスラリー化したものを集電体たる金属箔の表面に塗布することで、金属箔表面に正負極活物質層の形成された正極板及び負極板を構成するとともに、電解液にリチウムイオン電解質を有機溶媒に溶解した有機電解液を用いた、二次電池が用いられるようになってきている。
このような電池は、一般的に、リチウム二次電池、又はリチウムイオン電池と称せられており、エネルギー密度が大きく、また単電池電圧も約4V程度と高い特徴を有することから、前述の携帯型電子機器のみならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として一般への普及が積極的に図られている電気自動車(以下、「EV」と記す)又はハイブリッド電気自動車(以下、「HEV」と記す)のモータ駆動用電源としても注目を集めている。
このようなリチウム二次電池において、その電解液中へのMn溶出率等の材料特性及び高温時の充放電サイクル特性等の電池特性は、使用する正極活物質の材料特性に依存するところが大きい。ここで、正極活物質として用いられるリチウム複合酸化物としては、具体的には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、又はマンガン酸リチウム(LiMn2O4)等のリチウム遷移金属複合酸化物を挙げることができる。
ここで、LiCoO2とLiNiO2は、リチウム容量が大きく、単純な構造であり可逆性に優れ、また、イオン拡散に優れた二次元層状構造を有している等の特徴を有している。しかしその一方で、LiCoO2については、コバルト(Co)の産出地が限られており、また産出量が決して多いとはいえず高価であるため、汎用的なリチウム二次電池に用いるにはコスト面での問題があり、LiMn2O4と比較すると出力密度が小さいという問題がある。また、LiNiO2については、ニッケル(Ni)の3価の状態が比較的不安定なために化学量論組成の化合物の合成が困難であり、また、リチウムの脱離量が多くなった場合に、ニッケルが2価の状態に遷移するとともに酸素を放出してNiOとなり、電池として機能しなくなるばかりでなく、酸素放出による電池破裂の危険が生ずる等の問題がある。
これに対し、LiMn2O4は原料が安価であり、また、出力密度が大きく、電位が高いという特徴がある。しかしながら、LiMn2O4を正極活物質として用いた場合には、充放電サイクルの繰り返しに伴って徐々に放電容量が減少し、良好なサイクル特性が得られないという問題がある。これはリチウムイオンの挿入・脱離によって結晶構造が非可逆的に変化することによる正極容量の減少に起因するところが大きいと考えられている。
このように、LiCoO2等のリチウム遷移金属複合酸化物は、それぞれが正極活物質としての長所と短所とを併せ持っていることから、一律にどの物質を用いなければならないというものではなく、用途に適した特性を発揮できる正極活物質を、適宜、取捨選択して用いられている。
従来、このような正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物の混合物に水等を加えてスラリーを調製し、得られたスラリーを乾燥・焼成することにより製造されていた。関連する従来技術として、リチウム化合物、マンガン化合物、及び必要に応じて使用される置換ドープとなる金属元素を含む化合物を、10μm以下の粒子径となるように粉砕・混合して得られたスラリーを乾燥・焼成するリチウムマンガン複合酸化物の製造方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。また、正極活物質を用いた正極材の製造方法としては、正極活物質を含む固形分の平均粒径が10μm以下であるスラリーを噴霧乾燥して造粒する方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
特開2001−146426号公報
特開2000−40504号公報
しかしながら、特許文献1において開示された方法により製造された正極活物質は、必ずしもその結晶性が高いものであるとはいえなかった。従って、このような正極活物質を用いたリチウム二次電池は、その非水電解液中にMnが溶出し易い場合があり、材料特性、及び電池特性の面で必ずしも十分に満足し得るものではないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電解液中への、Mnをはじめとする遷移金属溶出率等の材料特性、及び高温時の充放電サイクル特性等の電池特性に優れたリチウム二次電池、並びにその効率的な製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下に示すリチウム二次電池、及びその製造方法が提供される。
[1]正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いてなるリチウム二次電池であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物が、平均粒径が1.0μm以下の、前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物を含むとともに、粘性が50〜300mPa・sの範囲に調整された原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたものであるリチウム二次電池。
[2]前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属として、少なくともMnを含む前記[1]に記載のリチウム二次電池。
[3]前記リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子サイズが50nm以上である前記[1]又は[2]に記載のリチウム二次電池。
[4]前記原料スラリーに含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜1.0μmである前記[1]〜[3]のいずれかに記載のリチウム二次電池。
[5]前記原料スラリーに含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜0.5μmである前記[1]〜[4]のいずれかに記載のリチウム二次電池。
[6]前記原料スラリーの粘性が100〜200mPa・sの範囲に調整された前記[1]〜[5]のいずれかに記載のリチウム二次電池。
[7]前記原料スラリーの粘性が130〜160mPa・sの範囲に調整された前記[1]〜[6]のいずれかに記載のリチウム二次電池。
[8]前記リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式LiMn2-XMXO4(但し、Mは、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、Co、Cr、Al、B、V、Si、Sn、P、Sb、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選択される少なくとも一種の元素(置換元素)を示し、Xは、1分子中におけるMの構成比(置換割合)を示す)で示される酸化物である前記[2]〜[7]のいずれかに記載のリチウム二次電池。
[9]前記一般式LiMn2-XMXO4における、前記置換元素Mの中に、少なくともNiを含む前記[8]に記載のリチウム二次電池。
[10]前記一般式LiMn2-XMXO4における、前記置換元素Mの中に、少なくともTiを含む前記[8]に記載のリチウム二次電池。
[11]前記一般式LiMn2-XMXO4における、前記置換元素Mの構成比(置換割合)Xが、0.01≦X≦0.5の範囲内の値である前記[8]〜[10]のいずれかに記載のリチウム二次電池。
[12]前記一般式LiMn2-XMXO4における、LiとMnとの構成比の割合[(Li/Mn)=(1/(2−X))]が、0.5を超える前記[8]〜[11]のいずれかに記載のリチウム二次電池。
[13]正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いたリチウム二次電池を製造する方法であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物に、少なくとも水を添加して混合物を得、得られた前記混合物を、前記混合物に含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜1.0μmとなるように混合及び粉砕するとともに、その粘性が50〜300mPa・sとなるように調整して原料スラリーを得、得られた前記原料スラリーを乾燥して乾燥粉末を得、得られた前記乾燥粉末を焼成して、前記リチウム遷移金属複合酸化物を得ることを含むリチウム二次電池の製造方法。
[14]前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属が、Ni、Co、Mn、Ti、又はFeのいずれかである前記[13]に記載のリチウム二次電池の製造方法。
[15]前記遷移金属がMnである前記[14]に記載のリチウム二次電池の製造方法。
[16]前記原料スラリーをスプレードライヤー法により乾燥する前記[13]〜[15]のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
[17]前記原料スラリーの粘性を130〜160mPa・sとなるように調整する前記[13]〜[16]のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
[18]前記混合物を、前記原料スラリーに含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜0.5μmとなるように混合及び粉砕する前記[13]〜[17]のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
[19]前記乾燥粉末を、酸化雰囲気で、かつ650℃〜1000℃の範囲で、5〜50時間かけて焼成する前記[13]〜[18]のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質に含まれるリチウム遷移金属複合酸化物が、平均粒径が1.0μm以下の、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物を含むとともに、粘性が50〜300mPa・sの範囲に調整された原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたものであるため、電解液中への、Mnをはじめとする遷移金属溶出率等の材料特性、及び高温時の充放電サイクル特性等の電池特性に優れたものである。
また、本発明のリチウム二次電池の製造方法は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いたリチウム二次電池を製造する方法であり、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物に、少なくとも水を添加して混合物を得、得られた混合物を、混合物に含まれる塩及び/又は酸化物の平均粒径が0.1〜1.0μmとなるように混合及び粉砕するとともに、その粘性が50〜300mPa・sとなるように調整して原料スラリーを得、得られた原料スラリーを乾燥して乾燥粉末を得、得られた乾燥粉末を焼成して、リチウム遷移金属複合酸化物を得ることを含むため、電解液中への、Mnをはじめとする遷移金属溶出率等の材料特性及び高温時の充放電サイクル特性等の電池特性に優れたリチウム二次電池を効率的に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いてなるリチウム二次電池であって、リチウム遷移金属複合酸化物が、平均粒径が1.0μm以下の、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物を含むとともに、粘性が50〜300mPa・sの範囲に調整された原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたものである。なお、以降、単に「原料粉末」というときは、「リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物」を意味する。
原料スラリーは、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物(原料粉末)に少なくとも水を添加して得た混合物を、この混合物に含まれる原料粉末の平均粒径が1.0μm以下となるように混合及び粉砕するとともに、その粘性が50〜300mPa・sとなるように調整することによって得ることができる。
原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径が1.0μm以下であると、原料スラリーに含まれる原料粉末が十分に均一に混合されており、このような原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を正極活物質とした本発明のリチウム二次電池は、そのリチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属が電解液中へ溶出し難く、高温時の充放電サイクル特性に優れたものである。原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径が1.0μm超であると、焼成後に得られるリチウムマンガン複合酸化物に格子歪が残り易く、これが要因となってMnが溶出し易くなると考えられるために好ましくない。一方、実質的な粉砕可能性等に鑑みれば、原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径を0.1μm未満にまで粉砕することは困難であると考えられるため、原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径は0.1μm以上であればよい。
ここで、本発明にいう原料粉末の「平均粒径」は、原料スラリーを120℃、12時間以上乾燥させて粉末とした後、レーザ回折/散乱法(レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2000A((株)島津製作所製))を用いて、光源の波長を680nm、出力を3mW、屈折率を1.70−0.2iという条件下で測定した数値をいう。なお、電解液中への遷移金属(例えばMn)の溶出を更に抑制するという観点からは、原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径は0.1〜0.5μmであることが好ましい。
原料スラリーの粘性が50〜300mPa・sの範囲であると、原料スラリーに含まれる原料粉末が十分に均一に混合されており、このような原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を正極活物質とした本発明のリチウム二次電池は、電解液中へ遷移金属が溶出し難く、高温時の充放電サイクル特性に優れたものである。原料スラリーの粘性が50mPa・s未満、又は300mPa・s超であると原料粉末の混合が不十分となり、混合不均一といった問題を生ずる場合がある。また、粘性が高すぎると、例えばスプレードライヤー等を用いて原料スラリーの乾燥を行うに際して装置内の液詰まり等の問題を生ずる場合があるために好ましくない。なお、電解液中へ遷移金属が更に溶出し難く、高温時の充放電サイクル特性により優れたリチウム二次電池を提供するといった観点からは、原料スラリーの粘性が100〜200mPa・sの範囲であることが好ましく、130〜160mPa・sの範囲であることが更に好ましい。
本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子サイズが50nm以上であることが好ましく、60nm以上であることが更に好ましい。結晶子サイズが50nm以上であるリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質は、その抵抗が低減されており、これを用いたリチウム二次電池をより低内部抵抗なものとすることができる。なお、本発明においては結晶子サイズの上限については特に限定されないが、実質上の製造可能性等の観点からは100nm以下であればよい。
ここで、本発明にいう「結晶子」とは、一般的にクリスタレットと呼ばれるものであり、顕微鏡的、又は超顕微鏡的に小さい単結晶を意味するものである。また、本発明にいう結晶子の大きさ、即ち「結晶子サイズ」とは、粉末X線回折法による回折像を、Wilson法により解析して得られる値を意味するものである。更に具体的にいうと、本発明における「結晶子サイズ」とは、「理学電機(株)、RINT2000シリーズアプリケーションソフトウェア「結晶子の大きさ格子歪の解析」3版、1996.10.16」により求め、決定した値をいう。
本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物は、一般式LiMn2-XMXO4(但し、Mは、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、Co、Cr、Al、B、V、Si、Sn、P、Sb、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選択される少なくとも一種の元素(置換元素)を示し、Xは、1分子中におけるMの構成比(置換割合)を示す)で示される酸化物であることが、原料粉末の平均粒径と、これを含む原料スラリーの粘性とを規定したことによる材料特性の向上の点から好ましい。
中でも、一般式LiMn2-XMXO4における、置換元素Mの中に、少なくともNiを含むことが更に好ましい。一方、一般式LiMn2-XMXO4における、置換元素Mの中に、少なくともTiを含むことも同様に好ましい。
また、リチウム二次電池を構成する材料の材料特性をより向上させるといった観点からは、一般式LiMn2-XMXO4における、置換元素Mの構成比(置換割合)Xは、0.01≦X≦0.5の範囲内の値であることが好ましく、0.01≦X≦0.3の範囲内の値であることが更に好ましい。
更に、一般式LiMn2-XMXO4における、LiとMnとの構成比率の割合[(Li/Mn)=(1/(2−X))]は、0.5を超えることが、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造安定化の点から好ましい。
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いたリチウム二次電池を製造する方法であって、原料粉末に少なくとも水を添加して混合物を得、得られた混合物を、混合物に含まれる塩及び/又は酸化物の平均粒径が0.1〜1.0μmとなるように混合及び粉砕するとともに、その粘性が50〜300mPa・sとなるように調整して原料スラリーを得、得られた原料スラリーを乾燥して乾燥粉末を得、得られた乾燥粉末を焼成して、リチウムマンガン複合酸化物を得ることを含むものである。
原料粉末の平均粒径が0.1〜1.0μmとなるように混合物を混合・粉砕すると、原料スラリーに含まれる原料粉末を十分に均一に混合することができ、このような原料スラリーを乾燥及び焼成することに得られたリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を正極活物質とすれば、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属が電解液中へ溶出し難く、高温時の充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を製造することができる。原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径を1.0μm超とすると、焼成後に得られるリチウムマンガン複合酸化物に格子歪が残り易く、これが要因となって遷移金属が溶出し易くなると考えられるために好ましくない。一方、実質的な粉砕可能性等に鑑みれば、原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径を0.1μm未満にまで粉砕することは困難であると考えられる。なお、原料粉末の平均粒径を調整するには、例えば、原料粉末に水を添加して得られた混合物を混合・粉砕するに際しての時間や、使用する混合・粉砕手段(装置)の強度等を適宜調整すればよい。なお、電解液中への遷移金属の溶出を更に抑制するという観点からは、原料粉末の平均粒径が0.1〜0.5μmとなるように混合物を混合・粉砕することが好ましい。
原料スラリーの粘性が50〜300mPa・sとなるように調整すると、原料スラリーに含まれる原料粉末が十分に均一に混合することができ、このような原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を正極活物質とすれば、電解液中へ遷移金属が溶出し難く、高温時の充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を製造することができる。原料スラリーの粘性を50mPa・s未満、又は300mPa・s超とすると原料粉末の混合が不十分となり、混合不均一といった問題を生ずる場合がある。また、粘性が高すぎると、例えばスプレードライヤー等を用いて原料スラリーの乾燥を行うに際して装置内の液詰まり等の問題を生ずる場合があるために好ましくない。なお、電解液中へ遷移金属が更に溶出し難く、高温時の充放電サイクル特性により優れたリチウム二次電池を提供するといった観点からは、原料スラリーの粘性が100〜200mPa・sとなるように調整することが好ましく、130〜160mPa・sとなるように調整することが更に好ましい。
原料スラリーの粘性を調整するには、例えば、原料粉末に対して添加する水の量を加減すればよい。また、得られるリチウム遷移金属複合酸化物、及びこれを用いたリチウム二次電池の材料・電池特性に影響を及ぼさない範囲内で、適当な粘度調整剤(例えば、酒石酸等)を添加してもよい。
本発明では、上述のようにして得られた原料スラリーを乾燥して乾燥粉末を得る。原料スラリーを乾燥する方法としては一般的な乾燥方法を採用すればよいが、具体的にはスプレードライヤーを用いた乾燥方法(いわゆるスプレードライ法)を採用することが好ましい。スプレードライ法によれば、原料スラリーを瞬時に粉状にすることができるとともに、乾燥物を解砕する手段の不要化、二次粒子(正極活物質は、通常、サブミクロンの一次粒子が多数結合した二次粒子からなる)の大きさの調節、造粒の容易化、原料混合の均一化などをすることができ、得られる正極活物質の粒子サイズをある程度制御することができるために好ましい。
更に、原料スラリーを乾燥して得られた乾燥粉末を、酸化雰囲気で、かつ好ましくは、650℃〜1000℃の範囲で焼成する。焼成温度が、650℃未満であると、焼成物のXRDチャートに原料の残留を示すピーク、例えばリチウム源として炭酸リチウム(Li2CO3)を用いた場合にはLi2CO3のピークが観察されることがあり、1000℃を超えると、目的とする結晶系の化合物以外に、高温相が生成し、単相が得られなくなることがある。また、焼成時間が、5時間未満であると、乾燥粉末の反応が不十分で単相が得られ難いことがあり、50時間を超えると、乾燥粉末の反応が進み、粒子どうしが焼結し易いことがある。
本発明におけるリチウム遷移金属複合酸化物やバインダーとしては上述のものを用いることができる。この場合、本発明に用いられる原料粉末としては特に制限はない。なお、このような原料粉末は、予め略一次粒子径以下にまで粉砕するか、原料スラリーを調製する段階で粉砕してもよい。ここで、粉砕の手段としては特に制限はなく、例えば、ボールミル、振動ミル等の手段を挙げることができる。また、全体を分散、混合、及び粉砕して原料スラリーを調製するにあたっては、ボールミルを用いる方法や乳化器、ディスパーザ等を用いる方法等の種々の分散、混合方法を用いることができる。
なお、本発明においては、正極活物質以外の構成要素(負極活物質、非水電解液、電解質等)については、従来と同様のものを用いることができる。例えば、負極活物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料や、人造黒鉛、天然黒鉛等の高黒鉛化炭素材料を用いることができる。中でも、リチウム容量の大きい高黒鉛化炭素材料を好適に用いることができる。
非水電解液に用いられる有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系有機溶媒の他、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の有機溶媒が挙げられ、これらを単独で、或いは混合して用いることができる。
電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物等が挙げられ、このうちの少なくとも一種を前記有機溶媒に溶解して用いることが好ましい。中でも、酸化分解が起こり難く、非水電解液の導電性を高めることができるLiPF6を好適に用いることができる。
電池の全体構造としては、板状に成形された正極活物質と負極活物質の間にセパレータを配したコイン型電池や、金属箔の表面に正極活物質を塗工してなる正極板と、同様に金属箔の表面に負極活物質を塗工してなる負極板とを、セパレータを介して捲回し、或いは積層してなる電極体を用いた円筒型や箱型の各種電池を挙げることができる。
本発明のリチウム二次電池は、リチウム遷移金属複合酸化物からの、Mn等の遷移金属の溶出が防止されるとともに、高温サイクル特性に優れるため、コイン型電池等の小容量電池にも好適に用いることができる。但し、このような高温サイクル特性の向上は、大量の電極活物質を用いる大容量電池において特に顕著に現れるため、例えば、EVやHEVのモータ駆動電源用電池等の大容量電池に特に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、原料スラリーの粘性(mPa・s)、及び原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径(μm)は、それぞれ以下に示す方法に従って測定した。
[原料スラリーの粘性]:共軸二重円筒形回転粘土計(内筒定速方式)を使用して、JIS Z 8803に従って測定した。
[原料粉末の平均粒径]:原料スラリーを、120℃、12時間以上乾燥して得た乾燥粉末を、レーザ回折/散乱法(レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2000A((株)島津製作所製))を用いて、光源の波長を680nm、出力を3mW、屈折率を1.70−0.2iとして測定した。
(正極活物質の合成)
出発原料として、市販のLi2CO3、MnO2、NiO、TiO2、Al2O3、MgO、及びCo3O4粉末を用い、表1に示す正極活物質の組成となるようにそれぞれを秤量した後に水を加え、循環式の粉砕機(商品名:SC−MILL(三井鉱山(株)社製))により、粉砕と混合とを同時に行って原料スラリーを得た。得られた原料スラリーの粘性(mPa・s)、及び原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径(μm)を表1に示す。これらの原料スラリーを、120℃、12時間以上乾燥して得た乾燥粉末を、酸化雰囲気中、800℃、24時間焼成することにより、スピネル構造を有する正極活物質を合成した。
出発原料として、市販のLi2CO3、MnO2、NiO、TiO2、Al2O3、MgO、及びCo3O4粉末を用い、表1に示す正極活物質の組成となるようにそれぞれを秤量した後に水を加え、循環式の粉砕機(商品名:SC−MILL(三井鉱山(株)社製))により、粉砕と混合とを同時に行って原料スラリーを得た。得られた原料スラリーの粘性(mPa・s)、及び原料スラリーに含まれる原料粉末の平均粒径(μm)を表1に示す。これらの原料スラリーを、120℃、12時間以上乾燥して得た乾燥粉末を、酸化雰囲気中、800℃、24時間焼成することにより、スピネル構造を有する正極活物質を合成した。
(電解液中へのMn溶出率の測定)
正極活物質の材料特性の良否を確認するため、電解液中へのMn溶出率の測定を行った。即ち、合成した正極活物質の5gずつを、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等体積比(1:1)で混合された有機溶媒に電解質としてLiPF6を1mol/lの濃度となるように溶解して調製した、20ml、80℃の電解液に400時間浸漬した。次に、各試料を濾紙フィルターで電解液と分離し、電解液中に溶出したMnを、誘導結合高周波プラズマ発光分析(ICP)により定量した。結果を表1に示す。なお、表1中の「Mn溶出率(%)」とは、実施例1の正極活物質(LiNi0.1Mn1.9O4)のMn溶出量を100(%)として算出した数値を意味する。
正極活物質の材料特性の良否を確認するため、電解液中へのMn溶出率の測定を行った。即ち、合成した正極活物質の5gずつを、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等体積比(1:1)で混合された有機溶媒に電解質としてLiPF6を1mol/lの濃度となるように溶解して調製した、20ml、80℃の電解液に400時間浸漬した。次に、各試料を濾紙フィルターで電解液と分離し、電解液中に溶出したMnを、誘導結合高周波プラズマ発光分析(ICP)により定量した。結果を表1に示す。なお、表1中の「Mn溶出率(%)」とは、実施例1の正極活物質(LiNi0.1Mn1.9O4)のMn溶出量を100(%)として算出した数値を意味する。
(電池の作製)
前述の正極活物質を使用し、導電材としてのアセチレンブラック粉末と結着材としてのポリフッ化ビニリデンとを、質量比で50:2:4の割合で添加・混合して正極材料を調製した。その正極材料0.02gを300kg/cm2の圧力で直径20mmφの円板状にプレス成形して正極を作製した。次に、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを等体積比(1:1)で混合した有機溶媒に、電解質としてLiPF6を1mol/lの濃度となるように溶解して電解液を調製した。次いで、前述の正極と、カーボンからなる負極と、正極と負極とを隔てるセパレータと、前述の電解液とを用いてコインセルを作製した(実施例1〜13、比較例1〜4)。
前述の正極活物質を使用し、導電材としてのアセチレンブラック粉末と結着材としてのポリフッ化ビニリデンとを、質量比で50:2:4の割合で添加・混合して正極材料を調製した。その正極材料0.02gを300kg/cm2の圧力で直径20mmφの円板状にプレス成形して正極を作製した。次に、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを等体積比(1:1)で混合した有機溶媒に、電解質としてLiPF6を1mol/lの濃度となるように溶解して電解液を調製した。次いで、前述の正極と、カーボンからなる負極と、正極と負極とを隔てるセパレータと、前述の電解液とを用いてコインセルを作製した(実施例1〜13、比較例1〜4)。
(高温サイクル特性の評価)
電池特性の良否を確認するため、作製したコインセル(実施例1〜13、比較例1〜4)を内温60℃の恒温槽内に設置した。そして、正極活物質の容量に応じて、1Cレートの定電流−定電圧で4.1Vまで充電し、次いで、同じく1Cレートの定電流で2.5Vまで放電させる充放電を1サイクルとして、100サイクルまで行い、100サイクル経過後の放電容量維持率(%)を測定した。結果を表1に示す。ここで、「放電容量維持率(%)」とは、100サイクル経過後の放電容量を、初回の放電容量で除して得た数値を意味する。
電池特性の良否を確認するため、作製したコインセル(実施例1〜13、比較例1〜4)を内温60℃の恒温槽内に設置した。そして、正極活物質の容量に応じて、1Cレートの定電流−定電圧で4.1Vまで充電し、次いで、同じく1Cレートの定電流で2.5Vまで放電させる充放電を1サイクルとして、100サイクルまで行い、100サイクル経過後の放電容量維持率(%)を測定した。結果を表1に示す。ここで、「放電容量維持率(%)」とは、100サイクル経過後の放電容量を、初回の放電容量で除して得た数値を意味する。
表1に示す結果から以下のことがわかる。即ち、実施例1〜13と比較例1〜4とを比較すると、原料粉末の平均粒径が1.0μm以下、その粘性が50〜300mPa・sとなるように調整して得た原料スラリーを用いた、実施例1〜13の電池を構成する正極活物質の方が、Mn溶出量が抑制され、放電容量維持率が高い(材料特性及び電池特性に優れる)ことがわかる。また、実施例1、実施例8、及び実施例9を相互に比較すると、原料粉末の平均粒径が小さくなるに従って、上述の材料特性及び電池特性に優れていることがわかる。この理由としては、原料の平均粒径が規定値の範囲であれば、原料の反応性が高くなり(原料どうしが相互に拡散し易く)、より均一な組成を有する正極活物質が得られ易いことが考えられる。
更に、実施例1〜4,12,13を相互に比較すると、原料スラリーの粘性が100〜200mPa・sの範囲内(実施例1〜4)、更には130〜160mPa・sの範囲内(実施例2,3)である方が、上述の材料特性及び電池特性に優れていることがわかる。原料粉末の平均粒径、及び原料スラリーの粘性が上述の範囲内であると、原料スラリーに含まれる原料粉末は均一に混合されており、これらを乾燥・焼成して得られた正極活物質(リチウムマンガン複合酸化物)は結晶性が高く、原子間の結合が強固であり、電解液中にMnが溶出し難いためであると考えられる。
更に、実施例2,5,6,7と、実施例10,11とを比較すると、その組成を表す一般式LiMn2-XMXO4における置換元素Mの中に、少なくともNi又はTiを含むリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として用いた方が、上述の材料特性及び電池特性に優れていることが明らかである。
本発明のリチウム二次電池は、電解液中へのMn溶出率等の材料特性、及び高温時の充放電サイクル特性等の電池特性に優れたものであるため、例えば、携帯型電子機器、電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用電源として好適である。
Claims (19)
- 正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いてなるリチウム二次電池であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物が、平均粒径が1.0μm以下の、前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物を含むとともに、粘性が50〜300mPa・sの範囲に調整された原料スラリーを乾燥及び焼成することにより得られたものであるリチウム二次電池。 - 前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属として、少なくともMnを含む請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子サイズが50nm以上である請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
- 前記原料スラリーに含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜1.0μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
- 前記原料スラリーに含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜0.5μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
- 前記原料スラリーの粘性が100〜200mPa・sの範囲に調整された請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
- 前記原料スラリーの粘性が130〜160mPa・sの範囲に調整された請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式LiMn2-XMXO4(但し、Mは、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、Co、Cr、Al、B、V、Si、Sn、P、Sb、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選択される少なくとも一種の元素(置換元素)を示し、Xは、1分子中におけるMの構成比(置換割合)を示す)で示される酸化物である請求項2〜7のいずれか一項のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式LiMn2-XMXO4における、前記置換元素Mの中に、少なくともNiを含む請求項8に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式LiMn2-XMXO4における、前記置換元素Mの中に、少なくともTiを含む請求項8に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式LiMn2-XMXO4における、前記置換元素Mの構成比(置換割合)Xが、0.01≦X≦0.5の範囲内の値である請求項8〜10のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式LiMn2-XMXO4における、LiとMnとの構成比の割合[(Li/Mn)=(1/(2−X))]が、0.5を超える請求項8〜11のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
- 正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む物質を用いたリチウム二次電池を製造する方法であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する元素のそれぞれの塩及び/又はそれぞれの酸化物に、少なくとも水を添加して混合物を得、
得られた前記混合物を、前記混合物に含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜1.0μmとなるように混合及び粉砕するとともに、その粘性が50〜300mPa・sとなるように調整して原料スラリーを得、
得られた前記原料スラリーを乾燥して乾燥粉末を得、
得られた前記乾燥粉末を焼成して、前記リチウム遷移金属複合酸化物を得ることを含むリチウム二次電池の製造方法。 - 前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属が、Ni、Co、Mn、Ti、又はFeのいずれかである請求項13に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記遷移金属がMnである請求項14に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記原料スラリーをスプレードライヤー法により乾燥する請求項13〜15のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記原料スラリーの粘性を130〜160mPa・sとなるように調整する請求項13〜16のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記混合物を、前記原料スラリーに含まれる前記塩及び/又は前記酸化物の平均粒径が0.1〜0.5μmとなるように混合及び粉砕する請求項13〜17のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記乾燥粉末を、酸化雰囲気で、かつ650℃〜1000℃の範囲で、5〜50時間かけて焼成する請求項13〜18のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の製造方法。
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JP2011508378A (ja) * | 2007-12-22 | 2011-03-10 | プリメット プレシジョン マテリアルズ, インコーポレイテッド | 小粒子電極材料組成物および小粒子電極材料組成物を形成する方法 |
JP2017073331A (ja) * | 2015-10-09 | 2017-04-13 | 株式会社デンソー | 二次電池装置 |
-
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