JP2005116299A - プラズマディスプレイパネルの製造方法、プラズマ表示装置及びその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法、プラズマ表示装置及びその製造方法 Download PDF

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利光 林
Hiroshi Kanda
博司 神田
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Abstract

【課題】放電空間における不純物ガスの悪影響を防止するとともに、薄型化可能なプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】一方の面に表示部を構成する構造部分を形成したガラス板8A,8Bを、表示部形成面を対向させて配置し、一方のガラス板8Aに設けられた貫通孔7上に金属プレート3を配置し、全体を真空環境下で加熱して、ガラス板8A,8Bの外周部間と、金属プレート3とガラス板8A間とを封着して真空密閉パネル1を形成する工程と、金属プレート3を含むガラス板上を封止フランジで覆って排気する工程と、金属プレート3にピンホール6を形成したのち、封止フランジ内に放電ガスを充填してピンホール6から真空密閉パネル1内に導入する工程と、ピンホール6をシール材を溶融して封止する工程とを順次実施する。
【選択図】図1

Description

この発明は、排気管が不要、又は排気管をなるべく短くすることが可能な、プラズマディスプレイパネルの製造方法、並びにプラズマ表示装置及びその製造方法に関する。
プラズマ表示装置は、従来、広く用いられている陰極線管(CRT)表示装置や、液晶表示装置等と比較して、薄型で大画面構成が比較的容易であるとともに、応答速度が速い等の利点を有しているため、近年において、テレビ受信機やその他のディスプレイ装置として、広く用いられようとしている。
プラズマ表示装置において表示部として用いられるプラズマディスプレイパネルには、複数の画素を構成する各放電セルにおいて、電極が放電空間に露出していて直流放電の状態で動作させるDC型のものと、電極が誘電体層で被覆されていて交流放電の状態で動作させるAC型のものとがあるが、構造が比較的簡単であって大画面構成に適しているAC型が一般的であって、多く用いられている。
プラズマディスプレイパネルは、互いに平行な走査電極と維持電極とからなる電極対を複数配置した前面基板と、前記電極対に交差するように複数のデータ電極を配置した背面基板とを対向して配置し、各電極の交差部ごとに隔壁で隔離して形成された空間を放電セルとして、この放電セル内でプラズマ放電を起こさせることによって、可視的表示を行わせるようになっている。
図14は、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示したものであって、3電極AC型プラズマディスプレイパネルの場合を例示している。図示のプラズマディスプレイパネル70は、前面基板71と、背面基板72とを対向して配置するとともに、両基板71,72間に放電ガス空間73を形成した基本的構成を有している。
前面基板71は、ガラス等の透明板からなる第1の絶縁基板74と、絶縁基板74の内面に、Hで示す水平方向に沿って平行に形成された、透明電極75A及び透明電極75Aの一部に形成された低抵抗層であるバス電極75Bとからなる走査電極75と、透明電極76A及び透明電極76Aの一部に形成された低抵抗層であるバス電極76Bとからなる維持電極76と、走査電極75及び維持電極76を被覆する透明誘電体層77と、透明誘電体層77を放電から保護するための保護膜78とからなっている。
また、背面基板72は、ガラス等の透明板からなる第2の絶縁基板81と、絶縁基板81の内面に、Vで示す垂直方向に沿って形成されたデータ電極83と、データ電極83を覆う白色誘電体層84と、放電用ガスが充填されて前述の放電ガス空間73を確保するとともに、個々の放電セルを区切るように垂直方向Vに沿って形成された隔壁85と、隔壁85の底面及び壁面を覆う、R(赤色),G(緑色)及びB(青色)の蛍光体が放電セルごとに塗り分けられた蛍光体層86とからなっている。
従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、前面基板及び背面基板を構成するそれぞれのガラス板上に、それぞれ電極,隔壁等を形成したのち、それぞれの形成面を対向させて、周囲を封止する封着が行われるが、このとき、円筒状のカラス製排気管も、プレスフリットを介して、前面基板の一方の側に、シールする形で取り付けられる。
次に、封着ずみのパネルを排気炉内に装入して、パネルの排気管と排気炉の真空系とを接続し、真空加熱によってパネル内の真空引きを行う。そして、排気炉内のパネル温度が常温付近まで冷却されたのち、排気管を介して放電ガスを封入する。その後、ガラス製排気管をバーナ等によって局所加熱溶融して、パネルと排気炉真空系とを切り離すことによって、プラズマディスプレイパネルが完成する。このような排気管構成は、国内外を問わず各プラズマディスプレイパネルメーカにおいて一般的に用いられている。
しかしながら、ガラス製排気管を加熱溶融して封止する際には、排気管を構成するガラス自体に含まれているガス成分が放出されてパネルの密封部内に残留するため、パネル内に導入されている放電ガスの純度を低下させて、放電特性を悪化させるとともに、パネルの寿命を短縮することになるという問題がある。
これに対して、特許文献1においては、排気管の材質を金属製として、排気工程終了時、排気管の肉薄部を圧切して封止することによって、ガラス排気管を溶融封止する場合のように、放出されたガスがパネル内に残留することを防止する技術が開示されている。
図15は、金属排気管を使用した従来のプラズマディスプレイパネルの構造を示したものである。同図において、15は封着パネルであって、例えば背面基板と前面基板とを構成する第1のガラス板17と第2のガラス板18とを、その外周をシール部19で封着したものからなっている。16は金属排気管であって、第1のガラス板17に設けられた貫通孔7の部分に、シール部4によって、ガラス板17と垂直方向に接続されている。
図15に示されたプラズマディスプレイパネルの製造方法としては、大気圧環境下で封着パネル15を完成し、金属排気管を排気・ガス導入装置に接続して、排気を行って封着パネル15の内部を真空にしたのち放電ガスを導入し、最後に金属排気管16を圧切封止することによって完成するようになっている。
この従来例の場合の金属製排気管は、パネル面から垂直方向に突起状に伸びる形状であるため、パネルの薄型化を図る上で障害となる恐れがある。
特開2002−324503号公報(〔0063〕〜〔0069〕及び図5〜図7等)
一般に、プラズマディスプレイパネルの排気管は、ガラス製であって、パネルの薄型化のために、極力、短く形成される傾向がある。しかしながら、ガラス製排気管を単純に短くすると、溶融するガラス管から、放電特性に悪影響を及ぼす恐れのある不純物ガスが発生して、十分に希釈及び冷却されることなく、溶融部分から最短距離にある放電セル内に滞留して、その放電特性を、画面内の他の部分と比較して不均一にすることが予測される。また、放電電圧の局所的異常が生じることも経験的に確認されており、従って、ガラス製排気管を単純に短くすることは困難である。
これに対して、金属排気管の場合は、溶融させることなく圧切によって、プラズマディスプレイパネルを真空系から切り離すので、不純ガス発生の問題はなくなるが、この場合も、単純に短くすると、圧切時の排気管の変形に基づいて、パネルにシールされている部分に応力が残留して、熱的に脆弱なものとなる恐れがある。さらにこれらのリスクを認めたとしても、排気管の突起をなくすことはできない。
この発明は上述の事情に鑑みてなされたものであって、プラズマディスプレイパネルにおいて、排気及びガス導入のためのガラス製排気管の、加熱封止時における高温に基づく不純物ガスの発生の問題を解決するとともに、排気管の突起を少なくしてプラズマディスプレイパネルの薄型化を可能にする、プラズマディスプレイパネルの製造方法、並びにプラズマ表示装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板の外周部間といずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に配置された金属プレートとガラス板間とを封着するとともに上記2枚のガラス板間の空間を排気して真空密閉パネルを形成したのち、上記金属プレートにピンホールを形成して、該ピンホールから上記真空密閉パネル内に放電ガスを導入したのち、上記ピンホールを封止することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板のいずれか一方の側にゲッタを配置したものを真空環境下に置いて上記2枚のガラス板間の空間を排気したのち、放電ガス雰囲気中に置いて上記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入してから、上記2枚のガラス板の外周部間を封着することを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板のいずれか一方に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置し、該金属プレートにガラス管を接続して、上記2枚のガラス板の外周部間と上記金属プレートとガラス板間と上記ガラス管と金属プレート間とを封着するとともに、上記2枚のガラス板間の空間を排気して真空密閉パネルを形成したのち、上記金属プレートにピンホールを形成し、上記ガラス管から上記ピンホールを経て上記真空密閉パネル内に放電ガスを導入したのち、上記ガラス管をチップオフすることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記貫通孔内又は上記ガラス管内又は上記2枚のガラス板間にゲッタを配置することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板のいずれか一方に設けられた貫通孔にガラス管を接続して、上記2枚のガラス板の外周部間と上記ガラス管とガラス板管とを封着して封着パネルを形成したのち、該ガラス管内にテープゲッタを配置し、上記ガラス管を経て上記封着パネル内を排気したのち、上記ガラス管を経て上記封着パネル内に放電ガスを導入してから、上記ガラス管をチップオフすることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの上記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置したものを真空環境下に置いて排気したのち加熱して、上記2枚のガラス板の外周部間と上記金属プレートとガラス板間とをそれぞれ封止材によって封着して真空密閉パネルを形成する工程と、上記金属プレートを含むガラス板の外側を封止フランジによって部分的に密閉して真空環境下に置く工程と、上記金属プレートにピンホールを形成したのち、上記封止フランジ内に放電ガスを充填して上記ピンホールから真空密閉パネル内に放電ガスを導入する工程と、上記ピンホールを予めその周囲に配置されていた封止材によって封止する工程とを順次実施することを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記貫通孔内にテープゲッタを配置することを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項6記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記貫通孔と対向するガラス板上にピル状ゲッタを配置することを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項6乃至8のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記ピンホールを、上記封止フランジに設けられた透明部から上記金属プレートにレーザ光を照射して形成することを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項6乃至9のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記ピンホールの直径が、0.2〜0.3mmであることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの上記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置するとともに、上記貫通孔と対向するガラス板にピル状ゲッタを配置したものを真空環境下に置いて、上記2枚のガラス板の外周部間を封止するための封止材と、上記金属プレートとガラス板間を封着するための封止材との、上記ガラス板又は金属プレートとの隙間から排気したのち、放電ガス雰囲気中に置いて、上記隙間から上記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入する工程と、上記放電ガス導入後、全体を加熱して、それぞれの上記封止材によって、上記2枚のガラス板の外周部間と、上記金属プレートとガラス板間とを封着する工程とを順次実施することを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの上記表示部形成面を対向させて配置するとともに、一方のガラス板上にピル状ゲッタを配置したものを真空環境下に置いて、上記2枚のガラス板の外周部間を封着するための封止材と上記ガラス板との隙間から排気したのち、放電ガス雰囲気中に置いて、上記隙間から上記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入する工程と、上記放電ガス導入後、全体を加熱して、上記封止材によって上記2枚のガラス板の外周部間を封着する工程とを順次実施することを特徴としている。
また、請求項13記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの上記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置し、上記貫通孔と対向するガラス板上にピル状ゲッタを配置するとともに、上記金属プレートを含むガラス板の外側を耐熱型封止フランジによって部分的に密閉したものを真空環境下に置いて、上記2枚のガラス板の外周部間を封着するための第1の封止材と上記ガラス板との隙間から排気して、上記2枚のガラス板間の空間と上記耐熱型封止フランジ内とを真空にしたのち加熱して、上記第1の封止材によって上記2枚のガラス板の外周部間を封着する工程と、上記耐熱型封止フランジ内に放電ガスを充填して上記金属プレートとガラス板間を封着するための第2の封止材と上記金属プレート又はガラス板との隙間から上記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入する工程と、上記放電ガス導入終了時、昇温して、上記第2の封止材によって上記金属プレートとガラス板間を封着する工程とを順次実施することを特徴としている。
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記第2の封止材が、上記第1の封止材よりも高い軟化点を有することを特徴としている。
また、請求項15記載の発明は、請求項11乃至14のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記各封止材が、未軟化状態では、封着すべきガラス板又は金属プレートと接する面に、気体の流通路となる凹凸を有することを特徴としている。
また、請求項16記載の発明は、請求項11乃至15のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記ピル状ゲッタを、複数個、パネル中心に対して対称な位置に配置することを特徴としている。
また、請求項17記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの上記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置するとともに、該金属プレート上に上記貫通孔と同軸にガラス管を配置したものを真空環境下に置いて排気したのち加熱して、上記2枚のガラス板の外周部間と、上記金属プレートとガラス板間と、上記ガラス管と金属プレート間とをそれぞれ封止材によって封着して真空密閉パネルを形成する工程と、上記金属プレートにピンホールを形成したのち、上記ガラス管から上記ピンホールを経て上記真空密閉パネル内に放電ガスを導入する工程と、該放電ガス導入終了時、上記ガラス管を加熱してチップオフする工程とを順次実施することを特徴としている。
また、請求項18記載の発明は、請求項17記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記ガラス管内にテープゲッタを配置することを特徴としている。
また、請求項19記載の発明は、請求項17又は18記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記ピンホールを、上記貫通孔が設けられていない側のガラス板の外側からレーザ光を用いて形成することを特徴としている。
また、請求項20記載の発明は、請求項19記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記レーザ光の波長が、1.06±0.1μm であることを特徴としている。
また、請求項21記載の発明は、請求項19又は20記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記ピンホールの半径をω(mm)としたとき、上記レーザ光のパルス出力が58/(ω2 )ジュール未満であることを特徴としている。
また、請求項22記載の発明は、請求項19乃至21のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、上記ピンホールの半径が、0.1〜0.2mmであることを特徴としている。
また、請求項23記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの上記表示部形成面を対向させて配置するとともに、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔と同軸にガラス管を配置したものを加熱して、上記2枚のガラス板の外周部間と、上記ガラス管とガラス板間とをそれぞれ封止材によって封着して封着パネルを形成する工程と、該封着パネルの形成後、上記ガラス管内にテープゲッタを配置する工程と、上記ガラス管を経て上記封着パネル内を排気して真空にしたのち、上記ガラス管を経て封着パネル内に放電ガスを導入する工程と、該放電ガス導入終了時、上記ガラス管を加熱してチップオフする工程とを順次実施することを特徴としている。
また、請求項24記載の発明は、プラズマ表示装置に係り、アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースと、プラズマディスプレイパネルと上記ディジタル画像情報を信号処理して上記プラズマディスプレイパネルを駆動するための信号を出力するディジタル信号処理・制御回路と電源用回路とを含むプラズマディスプレイパネルモジュールとからなるプラズマ表示装置であって、
上記プラズマディスプレイパネルが、請求項1〜23のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製造されたものであることを特徴としている。
また、請求項25記載の発明は、プラズマ表示装置の製造方法に係り、アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースを製造する工程と、プラズマディスプレイパネルを製造する工程と、上記プラズマディスプレイパネルと上記ディジタル画像情報に応じて上記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路と電源用回路とによって、プラズマディスプレイパネルモジュールを製造する工程と、上記アナログインタフェースと上記プラズマディスプレイパネルモジュールとを電気的に接続する工程とを備えるプラズマ表示装置の製造方法であって、
上記プラズマディスプレイパネルを製造する工程において、請求項1〜23のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法を実行することを特徴としている。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法によれば、プラズマディスプレイパネルの放電ガス導入部を、排気部よりも小さい孔にすることによって、シールフリット又は排気管を溶融封止する際に発生する不純物ガスを希釈しながらパネル内に拡散させるようにするとともに、放電ガス導入部近傍にゲッタ(テープゲッタを含む)を配置して、不純物ガスを吸着するようにしたので、パネル内に拡散する不純物ガスの総量を減少させることができ、従って、パネル各部における表示むらを少なくしてプラズマディスプレイパネルの性能を向上し、その寿命を延長することが可能になるとともに、パネル面の突起を少なくできるので、プラズマディスプレイパネルの薄型化が可能になる。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルの別の製造方法によれば、プラズマディスプレイパネルの前面基板と背面基板を構成する2枚のガラス板の外周部間等を封着する際に、封止用シールフリットの面と封着すべきガラス板等との隙間から排気と放電ガスの導入とを行うとともに、放電ガスとして低純度のものを使用し、2枚のガラス板間にピル状ゲッタを配置して封着後に放電ガスの純化を行うようにしたので、プラズマディスプレイパネルの製造工程を単純化するとともに、導入する放電ガスの純化のためのガス純化装置を簡易化して、プラズマディスプレイパネルの量産化に対応することができるようになる。
本発明のプラズマ表示装置は、アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースと、プラズマディスプレイパネルと、アナログインタフェースからのディジタル画像情報を信号処理してプラズマディスプレイパネルを駆動するための信号を出力するディジタル信号処理・制御回路と、電源用回路とを含むプラズマディスプレイパネルモジュールとから構成されているが、プラズマディスプレイパネルが、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製造されているので、パネル各部の表示性能が均一化され、かつ、長寿命であるとともに、パネル面の突起が少ないので、プラズマディスプレイパネルを薄型化することができる。
本発明のプラズマ表示装置の製造方法では、アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースを製造する工程と、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法によってプラズマディスプレイパネルを製造する工程と、このプラズマディスプレイパネルと、アナログインタフェースからのディジタル画像情報に応じてプラズマディスプレイパネルを駆動する回路と、電源用回路とによって、プラズマディスプレイパネルモジュールを製造する工程と、アナログインタフェースとプラズマディスプレイパネルモジュールとを電気的に接続して、プラズマ表示装置を製造する工程とを備えているので、パネル各部の表示性能が均一化され、かつ、長寿命であるとともに、パネル面の突起が少ないので、薄型化されたプラズマディスプレイパネルを製造することができる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法では、電極及び隔壁を形成した2枚のガラス基板を、両基板面に形成された電極及び隔壁等の構造部を内側にして組み立てた状態で、基板外周部をシールして2枚の基板を封着した構造を有しているが、放電ガスがまだ封入されていず、かつ貫通孔を金属プレートで密閉した状態の真空密閉パネルを形成したのち、一方のガラス基板上の金属プレートを配置した部分を、一部が光透過機能を持つ封止フランジを、O−リングを介して大気側側面から装着して仮にシールし、排気装置を用いて密閉された封止フランジ内部を真空引きする。その後、封止フランジ外からピンホール形成用レーザ光を用いて金属プレート中央部にピンホールを設けて、これから真空密閉パネル内に放電ガスを導入する。さらにその後、金属プレート中央部のピンホールを、その周囲に配置されているシールフリットを封止用レーザ光で溶融することによって、放電ガスが封入された状態で封止したのち、封止フランジを取り外す。シールフリットは、ピンホール形成前に金属プレート上に予めセットされるが、ピンホール形成用レーザ光を遮らないように配置されている。封止用レーザ光は、ピンホール形成用レーザ光を、そのビーム径を拡げてパワー密度を下げた状態で使用する。
本発明に係るプラズマ表示装置は、アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースと、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法で製造されたプラズマディスプレイパネルと、アナログインタフェースからのディジタル画像情報を信号処理してプラズマディスプレイパネルを駆動するための信号を出力するディジタル信号処理・制御回路と、電源用回路とを含むプラズマディスプレイパネルモジュールとから構成されている。
本発明に係るプラズマ表示装置の製造方法では、アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースを製造する工程と、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法によってプラズマディスプレイパネルを製造する工程と、このプラズマディスプレイパネルと、アナログインタフェースからのディジタル画像情報に応じてプラズマディスプレイパネルを駆動する回路と、電源用回路とによって、プラズマディスプレイパネルモジュールを製造する工程と、アナログインタフェースとプラズマディスプレイパネルモジュールとを電気的に接続して、プラズマ表示装置を製造する工程とを備えている。
図1は、本発明の第1実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図、図2は、本実施例のプラズマディスプレイパネルの製造方法の概略を示す図、図3は、本実施例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す第1の部分拡大図、図4は、本実施例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す第2の部分拡大図である。
図1において、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図を示す。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図1に示すように、真空密閉パネル1と、放電ガス2と、金属プレート3と、シール部4と、シール部5と、ピンホール6と、貫通孔7とを備えている。金属プレート3は、ガラス板と同じ熱膨張係数を持つ金属材料(例えば商品名4・2・6合金)を用いることが望ましい。
真空密閉パネル1は、図1(a)にその断面図を示すように、例えば前面基板と背面基板とを構成する第1のガラス板8Aと第2のガラス板8Bとを、その外周部をシール部9で封着するとともに、その内部を真空状態に保ったものからなっている。放電ガス2は、プラズマディスプレイパネルの動作時に電極間の電圧によって放電状態となって、紫外線を発生してプラズマディスプレイパネル内部の蛍光体を励起する。金属プレート3は、貫通孔7を覆ってプラズマディスプレイパネルを密閉状態に保つ。シール部4は、金属プレート3の外周部に配置されたシールフリットを溶融して封着することによって形成され、金属プレート3を真空密閉パネル1に対して気密状態にシールする。シール部5は、金属プレート3に設けられたピンホール6の周囲に配置されたシールフリットを溶融して封着することによって形成され、ピンホール6を気密状態にシールする。ピンホール6は、金属プレート3の中央部分に形成され、放電ガス2を導入する際の通路となる。貫通孔7は、ガラス板8Aに設けられ、真空密閉パネル1の排気時と放電ガスの導入時とに、外部との通路となる。
例えば、蛍光表示管や真空マイクロ素子等のように内部が真空である場合には、金属プレート3とシール部4とによって、パネルを真空中で封着して真空密閉パネルを形成すればよく、このタイプの表示パネルの排気管レスはすでに確立されている。
この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、その内部を一旦真空状態にしてから放電ガスを封入するため、排気工程が終了して真空状態になった真空密閉パネル1に対する放電ガス導入工程が必要となるが、この例においては、このような工程を、真空密閉パネル1の貫通孔7を塞ぐ金属プレート3の中央部にピンホール6を設けて、この部分から放電ガス2を導入し、放電ガス2の導入終了後に、ピンホール6をシール部5によって再び塞ぐことによって実現している。なお、ピンホール6を塞ぐためには、シールフリットに代えて、金属ロウ材を使用してもよい。
以下、図1乃至図4を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を詳細に説明する。
最初、真空密閉パネル1の製造工程について説明する。まず、第1のガラス板8Aと第2のガラス板8B上に、それぞれ背面基板と前面基板を構成するための電極や隔壁等の構造部分を形成する。この場合は、貫通孔7は、通常は第1のガラス板8Aに設けられる。以下においては、第1のガラス板8Aと第2のガラス板8Bとの関係がこのようなものである場合について説明する。
このようにして形成されたガラス板8A,8Bの、電極や隔壁等の表示のための構造部分が形成された側を対向させて重ね合わせて配置し、さらに、第1のガラス板8Aの貫通孔7が配置されている部分の上に金属プレート3を重ね合わせて配置したものに対して、任意の方法で、2枚のガラス板8A,8B間の空間を真空状態に排気するとともに、それぞれシールフリットを用いて、ガラス板8A,8Bの外周部間を封着し、金属プレート3とガラス板8A間を封着する処理を行って、真空密閉パネル1を作成する。
図1において(b)は、このようにして形成された真空密閉パネル1を、第1のガラス板8Aの側から見た場合の上面図を示したものである。ただし、金属プレート3とシール部4とは省略して示されている。
図中、21は、参考のため示されたシャットオフ電極であって、使用状態でのガラス板の破断を検出する機能を有している。また、22は各放電セルにおける維持電極に接続される共通電極を示し、23は、プラズマディスプレイパネルの表示部を構成する各放電セルに対応して設けられたカラーフィルタである。
図1(b)に示されるように、貫通孔7は、表示部とシール部9との中間における、透明部分に設けられている。
次に、排気処理について説明する。基本的には、真空密閉パネル内部はすでに真空状態になっているので、排気は不要であるが、放電ガスを導入する際には、ガス導入部を一時的に真空環境下におく必要があり、以下においては、この処理を排気と呼ぶこととする。
以下、図2を参照して、この例における排気工程について説明する。まず、金属プレート3の貫通孔7に対応する部分の、ピンホール6を設ける予定位置の周囲に、シール部5を形成すべきシールフリット5Aを、例えば円筒状に配置する。
次に、図2に示すように、貫通孔7が設けられたガラス板8の表面上に、金属プレート3を囲むように封止フランジ25を設置する。封止フランジ25は、その下面にO−リング26を有するとともに、その上面は、ガラス板等のような光透過部27で構成されている。
封止フランジ7を接続管28を介して排気・ガス導入装置(不図示)に接続し、排気を行って封止フランジ25の内部を真空にする。この際O−リング26は、封止フランジ25の内部に、外気が侵入するのを防止する役目を果たす。
次に、図3を参照して、この例における放電ガス導入工程について説明する。図3においては、真空密閉パネル1の第1のガラス板8Aと、ガラス板8Aに設けられた貫通孔7の上に、シール部4で固定された金属プレート3と、金属プレート3上に配置されたシール部5を形成すべきシールフリット5Aと、金属プレート3にピンホール6を形成するためのレーザ光10とが示されている。
まず、封止フランジ25の上面の光透過部27の部分を介して、レーザ装置(不図示)から、シールフリット5Aが照射されないように十分に収束されたレーザ光10を照射して、金属プレート3の中央部にピンホール6を形成する。
金属プレート3にピンホール6が形成された状態で、接続管28を経て、排気・ガス導入装置から封止フランジ25内に放電ガスを導入すると、放電ガスがピンホール6と貫通孔7を経て真空密閉パネル1の内部に拡散するので、所定の圧力に達するまで放電ガスの導入を続ける。
この際における、ピンホール6の大きさは、直径0.2〜0.3mmとすることが適当である。一般には、ピンホールにおける気体の流通時のコンダクタンスは、分子流域圧力よりも粘性流域圧力の方が大きいので、真空からある程度の圧力に到達するまでの時間は十分短いため、ピンホールの大きさが特に問題となることはない。
次に、図4を参照して、この例における封止工程について説明する。図4においては、図3におけると同じものを同じ番号で示し、5は封着状態のシール部、11は、シールフリット5Aを溶融するために用いられるレーザ光である。
前工程において放電ガス2の導入が終了したとき、封止フランジ25の上面の光透過部27の部分を介してレーザ光11を照射する。この場合のレーザ光11は、ビーム径を拡げてパワー密度を下げた状態とし、シールフリット5Aの全体を加熱することによって、溶融したシールフリットによって形成されるシール部5が、ピンホール6を確実に封止するようにする。
ピンホール6が封止されたとき、レーザ光の照射を停止して加熱を止めて、シール部5の凝固を待つ。その後、排気・ガス導入装置から大気を導入して封止フランジ25内の圧力を大気圧まで上昇させたのち、真空密閉パネル1から封止フランジ25を取り外す。
このような各工程を経て、排気管レスのプラズマディスプレイパネルが完成する。なお、シール部5を形成するために、シールフリット5Aの代わりに、ハンダ等の金属ロウ材を用いてもよく、必ずしもガラス材でなくてもよい。
このようにこの例のプラズマディスプレイパネルでは、パネル面に設けられた貫通孔を金属プレート3によってシールするとともに内部を真空状態にした真空密閉パネルに対して、金属プレートにピンホールを設けてこの部分から放電ガスを導入したのち、ピンホールをシールして密閉状態に保つようにしたので、プラズマディスプレイパネルに排気管を設ける必要がなく、従って、ガラス排気管の場合に生じる不純物ガスの悪影響を除去するとともに、プラズマディスプレイパネルを薄型化することが可能となる。
図5は、本発明の第2実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図5に示すように、真空密閉パネル1と、放電ガス2と、金属プレート3と、シール部4と、シール部5と、ピンホール6と、貫通孔7と、テープゲッタ12とを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、テープゲッタ12を有する以外は、図1に示された第1実施例のプラズマディスプレイパネルと同様である。
テープゲッタ12は、ガラス板8Aに設けられた貫通孔7の内面に予め貼り付けられていて、真空密閉パネル1の密閉された内部空間において、放電ガス以外の不純物ガスを吸着する作用を行う。
以下、図5を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。なお、図5(b)において、金属プレート3等は、省略して示されている。
最初、真空密閉パネル1となるべきガラス板8A,8Bを組み立てる際に、ガラス板8Aに設けられた貫通孔7の内面に、テープゲッタ12を予め貼り付けておく。以後、第1実施例の場合と同様にして、真空密閉パネル1を作製する。
以後の排気工程と、放電ガス導入工程と、封止工程とは、第1実施例の場合と同様にして行われる。
この例の場合の、テープゲッタ12は、封止工程において発生する放電ガス以外の不純物ガスをトラップ(吸着)する役目を持っている。
すなわち、ピンホール6をシールするために、シールフリットを加熱溶融してシール部5を形成する際には、シールフリットに含まれているバインダ等から、放電ガス以外の不純物ガスが発生して、真空密閉パネル1内に拡散し、これによって、特に貫通孔7の近傍の放電セルにおける放電特性が局部的に悪化して、プラズマディスプレイパネル表示面内の表示特性が不均一となる現象が発生するが、この例のように、不純物ガスの通路にあたる貫通孔7の内面にテープゲッタ12を配置しておくことによって、このような不純物ガスをトラップして、表示特性の悪化を防止することができる。
この例の場合も、シール部5を形成するシールフリットの代わりに、金属ロウ材を用いてもよい。ただし、金属ロウ材は、還元性雰囲気下でないと、金属プレート3に対してシールされない。そのためロウ付けは、一般に高温水素炉を用いて行われるが、水素は放電ガス成分ではないので、この例の場合は使用することができない。そのため、還元剤としてグリースを用いる手法もあるが、グリースは封止工程で気化して不純物ガスを発生するので、上述のようにテープゲッタによって吸着することが必要となる。
このように、この例のプラズマディスプレイパネルでは、貫通孔の部分に、テープゲッタ12を配置するようにしたので、封止工程で発生する不純物ガスを吸着して、プラズマディスプレイパネルの表示特性の悪化を防止することができるとともに、ピンホールをシールするために金属ロウ材を用いることが可能になるため、プラズマディスプレイパネルの製作を容易にして,コスト低減に寄与することができる。
図6は、本発明の第3実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図6に示すように、真空密閉パネル1と、放電ガス2と、金属プレート3と、シール部4と、シール部5と、ピンホール6と、貫通孔7と、ピル状ゲッタ部材13とを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、ピル状ゲッタ部材13を有する以外は、図1に示された第1実施例のプラズマディスプレイパネルと同様である。
ゲッタ部材13はピル(錠剤)状をなし、真空密閉パネル1の貫通孔7の部分に対応する、対極側のガラス板8Bに埋め込む形で、予め配置されていて、真空密閉パネル1の密閉された内部空間における、放電ガス以外の不純物ガスを吸着する作用を行う。
以下、図6を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。なお、図6(b)において、金属プレート3等は、省略して示されている。
最初、真空密閉パネル1となるべきガラス板8A,8Bを組み立てる際に、真空密閉パネル1の貫通孔7の部分に対応する対極側ガラス板8Bの面に、ピル状ゲッタ部材13を予め配置しておいて、以後、第1実施例の場合と同様にして、真空密閉パネル1を作製する。
以後の排気工程と、放電ガス導入工程と、封止工程とは、第1実施例の場合と同様にして行われる。
この例の場合のピル状ゲッタ部材13は、第2実施例の場合のテープゲッタ12と同様に、封止工程において発生する放電ガス以外の不純物ガスを吸着する役目を持っている。 第2実施例の場合のテープゲッタ12は、真空密閉パネルの製作時にもガスを吸着するとともに総吸着量が比較的少ないため、封止完了後の不純物ガスの純化能力が劣っているが、この例の場合のピル状ゲッタ部材13は吸着量が大きいので、封止完了後も吸着能力を維持し続けることができる。
ただし、ピル状ゲッタ部材13は吸着力が強いので、ゲッタ部材13が配置されている部分と、それ以外の部分との不純物ガス濃度が異なることになって、ゲッタ部材13の近傍と離れた部分との放電特性が変化する恐れがある。そのため、ゲッタ部材13は、ガス吸着能力を均等にするために、貫通孔7の直下だけでなく、パネルの4隅に設けるか、又は複数のゲッタ部材をパネル中心に対して対称な位置に配置することが望ましい。
このように、この例のプラズマディスプレイパネルでは、真空密閉パネル内に、ガス吸着力の強いピル状ゲッタ部材13を配置したので、封止工程で発生する不純物ガスをより強力に吸着して、プラズマディスプレイパネルの表示特性の悪化を防止するとともに、封止完了後も、不純物ガスを吸着し続けるので、プラズマディスプレイパネルの寿命を延長することができる。
図7は、本発明の第4実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図7に示すように、放電ガス2と、金属プレート3と、シール部4と、貫通孔7と、ガラス板8A,8Bと、シール部9と、ピル状ゲッタ部材13とを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、ピンホールを形成しないとともに、ピンホールを溶封するためのシール部を有しない点以外は、図6に示された第3実施例のプラズマディスプレイパネルと同様であるが、製造方法が異なっている。なお、ピル状ゲッタ部材13は、少なくとも1個必要であるが、パネル中心に対して対称に2個以上設けることが望ましい。
以下、図7を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。
なお、図7(b)において、金属プレート3等は省略して示されている。
最初、前面基板と背面基板となる2枚のガラス板8A,8Bを対向して配置し、ガラス板8Aの貫通孔7の部分の上部に、金属プレート3を配置して仮組み立てを行う。この際、ガラス板8A,8Bのいずれか一方の外周部に貼り合わせ用シールフリットを予め塗布し、ガラス板8A上の、金属プレート3の外周部に対応する部分にシールフリットを予め塗布しておくとともに、貫通孔7の部分に対応する対極側ガラス板8Bの面に、ピル状ゲッタ部材13を予め配置しておく。
仮組み立てを終了した部品を真空封着炉(不図示)に装入して、常温から真空排気を開始するとともに、加熱を行う。排気終了時、2枚のガラス板8A,8Bを貼り合わせるためのシールフリットの融点より低い温度に30分前後保ったのち、真空封着炉内に放電ガスを充填して、2枚のガラス板8A,8B間の空間に放電ガス2を導入する。放電ガスの導入終了時、真空封着炉の温度を上げて、金属プレート3の外周部のシールフリットを溶融して、シール部4を形成して金属プレート3をガラス板8Aの上面に封着するとともに、ガラス板貼り合わせ用シールフリットを溶融して、シール部9を形成してガラス板8A,8Bの外周部間の封着を行ってプラズマディスプレイパネルを完成する。
この場合の排気と放電ガスの導入は、いずれか一方のガラス板の外周部に塗布されたシールフリットの面とこれに接する他方のガラス板との隙間と、ガラス板8A上に塗布されたシールフリットの面と金属プレート3との隙間から行われるので、シールフリットの部分からの排気と放電ガスの導入を容易にするために、シールフリットは未軟化の状態では、封着すべきガラス板又は金属プレートと接する面に、気体の流通路となる凹凸が形成されているようにする。
このような凹凸は、例えば、最初平坦に塗布したシールフリットの面に、断続的にシールフリットをさらに塗布して部分的な盛り上がりを作って形成してもよい。または、シールフリットを塗布する代わりに、プレスして凹凸を形成した所要の形状のプレスフリットを、所要の位置に配置して、上述の排気と放電ガスの導入および封着の処理を行うようにしてもよい。
この場合の放電ガス2は、真空封着炉に充填するため大量に使用するので、回収を繰り返したものを使用することになる。
回収された大量の放電ガスの純度を十分上げるためには、放電ガス純化装置として大規模な設備を必要とし、その占有面積も大きなものとなって、コスト的に負担が大きく、実際上、困難であって、量産目的のためには、低純度の放電ガスを使用せざるを得ない。
しかしながら、この例の場合は、ガラス板8A,8Bによって密閉されたパネルの内部に、ピル型ゲッタ部材13を設けているので、プラズマディスプレイパネルの製作後に、パネル内部で不純物ガスを吸着して放電ガスの純度を向上させることができる。
そこで、製作後の放電ガスの純度向上によって、放電ガスの純度が許容範囲内になることを見極めた上で、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を適用することによって、簡易化してコストを低減した放電ガス純化装置を用いて、プラズマディスプレイパネルを量産することが可能となる。
なお、この例のプラズマディスプレイパネルにおいて、テープゲッタを使用することは適当ではない。なぜならば、テープゲッタは不純物ガスの吸着量が少ないため、大量に使用しなければならないが、そのためには、ある程度厚みを持たせるとともに、広い面積のものとする必要があり、そのため、パネル内部にテープゲッタを収容するための、テープゲッタの厚み相当の深さを持つ大きな溝を作らなければならず、これはプラズマディスプレイパネルの構造上、困難なためである。
このように、この例のプラズマディスプレイパネルでは、パネル内部にピル型ゲッタ部材13を配置したので、低純度の放電ガスを繰り返し使用して、プラズマディスプレイパネルを製造しても、製作後に放電ガスの純度を許容範囲内に達するまで向上させることができるので、簡易な放電ガス純化装置を用いてプラズマディスプレイパネルを量産することができ、コスト低減に寄与することができる。
図8は、本発明の第5実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図8に示すように、放電ガス2と、ガラス板8A,8Bと、シール部9と、ピル状ゲッタ部材13とを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、ガラス板8Aに貫通孔7を有せず、金属プレート3及びシール部4を備えない点以外は、図7に示された第4実施例のプラズマディスプレイパネルと同様である。なお、ピル状ゲッタ部材13は、少なくとも1個必要であるが、パネル中心に対して対称に2個以上設けることが望ましい。
以下、図8を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。
最初、前面基板と背面基板となる2枚のガラス板8A,8Bを対向して配置して、仮組み立てを行う。この際、ガラス板8A,8Bのいずれか一方の外周部に貼り合わせ用シールフリットを予め塗布し、貫通孔7の部分に対応する対極側ガラス板8Bの面に、ピル状ゲッタ部材13を予め配置しておく。
仮組み立てを終了した部品を真空封着炉(不図示)に装入して、常温から真空排気を開始するとともに、加熱を行う。排気終了時、2枚のガラス板8A,8Bを貼り合わせるためのシールフリットの融点より低い温度に30分前後保ったのち、真空封着炉内に放電ガスを充填して、2枚のガラス板8A,8B間に放電ガス2を導入する。放電ガスの導入終了時、真空封着炉の温度を上げて、ガラス板貼り合わせ用シールフリットを溶融して、シール部9を形成してガラス板8A,8Bの封着を行って、プラズマディスプレイパネルを完成する。
この場合の排気と放電ガスの導入は、いずれか一方のガラス板の外周部に塗布されたシールフリットの面とこれに接する他方のガラス板との隙間から行われるので、シールフリットの部分からの排気と放電ガスの導入を容易にするために、シールフリットは未軟化状態では、封着すべきガラス板と接する面に、気体の流通路となる凹凸が形成されているようにする。
なお、このような凹凸の形成方法は、第4実施例の場合に説明したのと同様である。
この例の場合も、放電ガス2としては、真空封着炉に充填するため大量に使用するので、回収を繰り返したものを使用する。
しかしながら、この例の場合は、ガラス板8A,8Bによって密閉されたパネルの内部に、ピル型ゲッタ部材13を設けているので、第4実施例の場合と同様に、プラズマディスプレイパネルの製作後に、パネル内部で不純物ガスを吸着して放電ガスの純度を向上させることができ、簡易化してコストを低減した放電ガス純化装置を用いて、プラズマディスプレイパネルを量産することが可能である。
なお、この例の場合も、第4実施例の場合と同様に、テープゲッタを使用することは適当ではない。
このように、この例のプラズマディスプレイパネルでは、パネル内部にピル型ゲッタ部材13を配置したので、低純度の放電ガスを繰り返し使用して、プラズマディスプレイパネルを製造しても、製作後に放電ガスの純度を許容範囲内に達するまで向上させることができるので、簡易な放電ガス純化装置を用いてプラズマディスプレイパネルを量産することができ、コスト低減に寄与することができるとともに、第4実施例の場合よりも構造が簡単なので、プラズマディスプレイパネルの、より低コスト化を実現することが可能である。
図9は、本発明の第6実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図9に示すように、放電ガス2と、金属プレート3と、シール部4Bと、貫通孔7と、金属プレート8A,8Bと、シール部9と、ピル状ゲッタ部材13ととを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、ピンホールを形成しないとともに、ピンホールを溶封するためのシール部を有しない点は、図7に示された第4実施例のプラズマディスプレイパネルと同様であが、製造方法が異なっている。また、シール部4Bを形成するためのシールフリットは、シール部9を形成するためのシールフリットよりも軟化点が高いものを使用する。なお、ピル状ゲッタ部材13は、少なくとも1個必要であるが、パネル中心に対して対称に2個以上設けることが望ましい。
以下、図9を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。なお、図9(b)において、金属プレート3等は省略して示されている。
最初、前面基板と背面基板となる2枚のガラス板8A,8Bを対向させて配置し、ガラス板8Aの貫通孔7の部分の上部に金属プレート3を配置するとともに、ガラス板8A上に、金属プレート3を覆うように、耐熱型の封止フランジ(不図示)を載置し、封止フランジの接続管をガス導入装置に接続して仮組み立てを行う。この際、ガラス板8A,8Bのいずれか一方の外周部に貼り合わせ用のシールフリットを予め塗布し、ガラス板8A上の、金属プレートの外周部に対応する位置にガラス板貼り合わせ用シールフリットよりも軟化点が高い別のシールフリットを予め塗布しておくとともに、貫通孔7の部分に対応する対極側ガラス板8Aの面にピル状ゲッタ部材13を予め配置しておく。
仮組み立てを終了した部品を真空封着炉(不図示)に装入して、常温から真空排気を開始するとともに、加熱を行う。排気終了時、ガラス板8A,8Bを貼り合わせるためのシールフリットの融点より低い温度に30分前後保ったのち、真空封着炉内の温度を上げてガラス板8A,8Bを貼り合わせるためのシールフリットを溶融してシール部9を形成して、ガラス板8A,8Bの外周部間を封着する。
次にガス導入装置から接続管を介して封止フランジ内に放電ガスを充填して、貫通孔7からパネル内部に放電ガスを導入する。放電ガスの充填終了時、真空封着炉内の温度をさらに上げて、金属プレート3の外周部のシールフリットを溶融してシール部4Bを形成して、金属プレート3をガラス板8Aに封着する。冷却後、封止フランジ内の気圧を上げて封止フランジを取り外し、真空封着炉から取り出すことによって、プラズマディスプレイパネルが完成する。
この場合の排気と放電ガスの導入は、いずれか一方のガラス板の外周部に塗布されたシールフリットの面とこれに接する他方のガラス板との隙間と、ガラス板8A上に塗布されたシールフリットの面と金属プレート3との隙間から行われるので、シールフリットの部分からの排気と放電ガスの導入を容易にするために、シールフリットは未軟化の状態では、ガラス板又は金属プレートと接する面に、気体の流通路となる凹凸が形成されているようにする。
なお、このような凹凸の形成方法は、第4実施例の場合に説明したのと同様である。
この例の場合は、使用する放電ガスは、封止フランジに充填するだけの量があればよいため、第4実施例及び第5実施例の場合のように大量の放電ガスを必要としないので、小容量の安価な放電ガス純化装置を用いて、プラズマディスプレイパネルを量産することが可能である。
また、この例の場合は、パネル内に封入される放電ガスの純度を上げることが容易なので、ゲッタ部材を小型化することが可能であり、場合によっては、ピル状ゲッタ部材に代えてテープゲッタを使用し、またはゲッタを省略することも可能である。
このようにこの例のプラズマディスプレイパネルでは、パネル内部にピル型ゲッタ部材13を配置したので、低純度の放電ガスを繰り返し使用して、プラズマディスプレイパネルを製造しても、製作後に放電ガスの純度を許容範囲内に達するまで向上させることができるので、簡易な放電ガス純化装置を用いてプラズマディスプレイパネルを量産することができ、製造設備のコスト低減に寄与することができるとともに、放電ガス導入時、封止フランジを用いるため、放電ガスの使用量が少ないので、比較的純度の高い放電ガスを用いることによって、ゲッタ部材を小型化して、製品のコストダウンを図ることができる。
図10は、本発明の第7実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図10に示すように、真空密閉パネル1と、放電ガス2と、金属プレート3と、シール部4と、ピンホール6と、貫通孔7と、ガラス管14とを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、金属プレートにピンホールを設けて放電ガスの導入と封止とを行う代わりに、金属プレート3上に、ガラス管14を取り付けて、この部分で放電ガスの導入と封止とを行うようにした点が、上述の各実施例と異なっている。
以下、図10を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。なお、図10(b)において、金属プレート3及びガラス管14等は省略して示されている。
最初、真空密閉パネル1の製造方法について説明する。背面基板と前面基板を形成すべき2枚のガラス板8A,8Bの、電極や隔壁等の表示のための構造部分が形成された側を対向させて重ね合わせて配置し、さらに、ガラス板8Aに設けられた貫通孔7を塞ぐように金属プレート3を配置するとともに、金属プレート3上に、貫通孔7の中心軸とその軸を合わせるように垂直にガラス管14を配置したものに対して、任意の方法で、2枚のガラス板8A,8B間の空間を真空状態に排気するとともに、それぞれ予め配置されているシールフリットを用いて、ガラス板8A,8Bの外周部間を封着し、金属プレート3の外周部とガラス板8A間を封着するとともに、ガラス管14の基部を金属プレート3に封着して真空密閉パネル1を形成する。
次に、ガラス管14を排気・ガス導入装置に接続して、まず、ガラス管14内を排気する。このとき、真空密閉パネル1の金属プレート3が配置されていない側のガラス板8Bの外部から、ガラス板8A,8Bを透して、肉眼で金属プレート3を確認することができるので、狭ビームのレーザ光を用いて、ガラス板8Bの外側から貫通孔7を経て金属プレート3にピンホール6を形成する。ピンホール6が形成されたら、排気・ガス導入装置からガラス管14を経て真空密閉パネル1内に放電ガス2を導入して、所定の圧力に達したとき、ハンドバーナ等を使用して、ガラス管14の側面を加熱してチップオフすることによって、プラズマディスプレイパネルが完成する。
ガラス管14をチップオフする際には、ガラス管14から大量の不純物ガスが発生するが、金属プレート3に設けられたピンホール6は半径が0.1〜0.2mmであって極めて小さいため、たとえ不純物ガスがパネル内に流入しても、放電ガス2によって十分に希釈されるので、貫通孔7の近傍の放電セルにおける、局所的放電異常の発生は少ない。
このように、この例のプラズマディスプレイパネルでは、真空密閉パネルの一方のガラス板に設けられた貫通孔を封止する金属プレートにガラス管14を接続し、ガラス管14から金属プレートに設けられたピンホールを経て、パネル内に放電ガスを導入するようにしたので、ガラス管14をチップオフする際に発生する不純物ガスの影響を少なくすることができ、不純物ガスに基づくプラズマディスプレイパネルの性能低下を防止することができる。
なお、真空密閉パネル1の表示面となるべきガラス板8Bの外側からレーザ光を照射してピンホールを形成する際には、表示面を形成するガラス板における損傷の発生について考慮する必要があるので、以下、この点について検討する。
プラズマディスプレイパネルのガラス基板は、表示素子としての光吸収損失が十分小さいものが使用されているが、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法のように、レーザ光によって高出力密度のエネルギーを投入する場合には、クラックの発生等に注意しなければならない。ガラスの熱伝導速度と比較して極めて速い、msオーダーの瞬間加熱を行った場合、断熱効果によって瞬時に溶融と冷却が行われて、激しい歪みを発生するものと考えられる。そこで、レーザ光の照射によって溶融しないことが、この例の製造方法の制限事項となる。
以下、この場合に使用可能な、レーザ光のパルス出力について簡単に見積もりを行う。 いま、ガラス基板の熱伝導度=0.65kcal /m・h・℃(0℃)として
1Jのパルスエネルギーの基板吸収熱量=(投入エネルギー)・(基板吸収率)
=1J・0.203
=4.84×10-2cal …(1)
ガラスの比熱γ=0.18cal /g・℃としたとき
レーザ光が通る微小エリアの1℃あたりの熱量q/℃は
q/℃=(比熱)×(体積)×(比重)
=(0.18cal /g・℃)×(9.792×10-5cc)×(2.50g/cc)
=3.96×10-5cal /℃ …(2)
1Jのパルスエネルギーの基板吸収による微小エリアの温度上昇ΔTは
ΔT=(吸収熱量)/(1℃あたりの熱量)
=(4.84×10-2cal )/(3.96×10-5cal /℃)
=1222℃ …(3)
ガラス基板の軟化点Mp=740℃から、基板は瞬時に軟化点を超えるため、瞬間的に溶融し、固体化すると予測される。
この場合、軟化点以内に温度上昇を抑えるためには、パワー密度を0.58J/パルス(ビーム半径ω=0.1mm)に抑える必要がある。又は、基板内でのビーム半径を0.17mmに拡大すれば、瞬時の温度上昇ΔTは基板軟化点740℃を超えることはない。
これを一般化すれば、レーザ光の波長1.06μm のとき、基板内のビーム半径ω(mm)とパルス出力Pとの間には、
P<58/(ω2 )(J/パルス) …(4)
の制限が存在することが予測できる。
いま、ω=0.1mmとすると、P<0.58Jとなる。この例の場合、目的とするピンホール6は、ω=0.1〜0.2mmを設計値としているので、パルス出力は1Jもあれば十分である。
ガラスの光損失は可視域の方が少ないが、現状で知られている、可視域で集光性がよくて1J前後のパルス出力が得られる光源としては、非線形光学素子を用いた1.06μm /2=0.53μm (緑域)のものがあるが、基本波(1.06μm )に比べて、非線形光学素子のばらつき(位相整合温度依存性,位相整合角依存性,基本波モード依存性,基本波偏光依存性,基本波パワー密度依存性,吸湿性による非線形光学素子結晶劣化)があり、出力の安定度が劣るので、レーザ光の波長は、1.06±0.1μm を選択することが望ましい。
ピンホール6の設計値の下限は、レーザ光のモードに関係する。シングルモードを選択すれば、穴径の精度は上がるが、パルス出力が1Jのシングルモードのレーザを選択しようとすると、高価な半導体レーザ励起固体レーザを選択しなければならず、安価なランプ励起固体レーザを使用することはできない。しかしながら、マルチモードのレーザを選択すれば、安価なランプ励起固体レーザを使用することができる。この場合は加工精度から、ビーム半径ωの下限は0.1mmとなるが、この例の場合、これで十分、目的を達成することができる。
また、穴径の上限は、
(1) 平均出力20W機(標準機)での対応が、ω=0.2mmで限界であること
(2) 特殊仕様で平均出力を上げれば穴径を大きくできるが、穴径が大き過ぎると穴を開けた際に、金属がスパッタされて放電セル内の異物として問題になり得ること
等の問題から、穴径の上限はω=0.2mmとすることが好適である。
図11は、本発明の第8実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図11に示すように、真空密閉パネル1と、放電ガス2と、金属プレート3と、シール部4と、ピンホール6と、貫通孔7と、テープゲッタ12と、ガラス管14とを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、ガラス管14の内部にテープゲッタ12が配置されている以外は、図10に示された第7実施例の場合と同様である。
以下、図11を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。なお、図11(b)において、金属プレート3及びガラス管14等は省略して示されている。
最初、第7実施例の場合と同様にして、背面基板と前面基板を形成すべき2枚のガラス板8A,8Bの、電極や隔壁等の表示のための構造部分が形成された側を対向させて重ね合わせて封着し、さらに、ガラス板8Aに設けられた貫通孔7を塞ぐように金属プレート3を封着し、金属プレート3上に、貫通孔7の中心軸とその軸を合わせるように垂直にガラス管14を封着した真空密閉パネル1を形成する。
次に、ガラス管14内にテープゲッタ12を配置したのち、実施例7の場合と同様に、ガラス管14を排気・ガス導入装置に接続して、ガラス排気管14内を排気し、真空密閉パネル1のガラス板8Bの外側から狭ビームのレーザ光を用いて、貫通孔7を経て金属プレート3にピンホール6を形成し、排気・ガス導入装置からピンホール6を経て真空密閉パネル1内に放電ガス2を導入して、所定の圧力に達したとき、ガラス管14をチップオフすることによって、プラズマディスプレイパネルが完成する。
ガラス管14をチップオフする際には、ガラス管14から大量の不純物ガスが発生するが、金属プレート3に設けられたピンホール6は非常に小さいため、たとえ不純物ガスがパネル内に流入しても、放電ガス2によって十分に希釈されるだけでなく、ガラス管14内には、テープゲッタ12が配置されているので、パネル内における、不純物ガスの量をより少なくすることができる。
このように、この例のプラズマディスプレイパネルでは、ガラス管14の内部にテープゲッタ12を配置して、ガラス排気管14をチップオフする際に発生する不純物ガスを吸着するようにしたので、その悪影響を第7実施例の場合よりさらに低減することができ、プラズマディスプレイパネルの表示特性の悪化を確実に防止することができる。
図12は、本発明の第9実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)はX−X’断面図、(b)は上面図である。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図12に示すように、放電ガス2と、シール部4と、ピンホール6と、貫通孔7と、テープゲッタ12と、ガラス管14と、封着パネル15とを備えている。
この例のプラズマディスプレイパネルは、図11に示された第8実施例の場合と比較して、金属プレート3が省略されている以外は同様であるが、製造工程が異なっている。
以下、図12を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を説明する。なお、図12(b)において、ガラス管14等は省略して示されている。
最初、背面基板と前面基板を形成すべきガラス板8A,8Bの一方の外周にシールフリットを塗布し、ガラス板8A,8Bを対向して配置するとともに、ガラス板8Aに設けられた貫通孔7の中心軸とその軸を合わせるように、垂直にガラス管14を配置する。さらに、ガラス管14の基部を囲むようにその外部にシールフリットを配置した後、この状態で封着炉内に装入し加熱して、ガラス板8A,8B間のシールフリットを溶解して、シール部9を形成してガラス板8A,8B間を封着するとともに、ガラス管14の周辺のシールフリットを溶解して、シール部4を形成してガラス管14をガラス板8Aに封着して、封着パネル15を形成する。
次に、ガラス管14内に、テープゲッタ12を挿入する。その後、ガラス管14を排気・ガス導入装置に接続し、封着パネル15をベーキングしながらガラス管14を経て排気して封着パネル15内部を真空にしたのち、ガラス管14を経て封着パネル15内に放電ガス2を導入する。放電ガス2が所定の圧力に達したとき、ハンドバーナ等を使用して、ガラス管14の側面を加熱してチップオフすることによって、プラズマディスプレイパネルが完成する。
このように、この例のプラズマディスプレイパネルでは、第1実施例から第4実施例、及び第6実施例から第8実施例の場合に示された金属プレート3を使用せずに、ガラス管14を接続し、封着パネルを形成してから、ガラス管14を介して排気するので、真空封着炉によって真空封着を行う際のシール材からの不純物ガスの発生を考慮する必要がないとともに、ガラス管14をチップオフする際に発生する不純物ガスは、テープゲッタ12によって吸着して除去することができるので、不純物ガスに基づく悪影響を排除することができる。また、このような不純物ガス除去効果の程度に応じて、ガラス管14を短縮することができる。
図13は、本発明の第10実施例である、プラズマ表示装置の概略の構成を示すブロック図である。
この例のプラズマ表示装置30は、図13に示すように、アナログインタフェース40と、プラズマディスプレイパネルモジュール50とから概略構成されている。プラズマディスプレイパネルモジュール50は、プラズマディスプレイパネル70を含んでいる。
アナログインタフェース40は、クロマ・デコーダを備えたY/C分離回路41と、アナログディジタル(A/D)変換回路42と、PLL回路を備えた同期信号制御回路43と、画像フォーマット変換回路44と、逆γ(ガンマ)変換回路45と、システム・コントロール回路46と、PLE制御回路47とから構成されている。
アナログインタフェース40は、概略的には、受信したアナログ映像信号をディジタル信号に変換したのち、これをプラズマディスプレイパネルモジュール50に供給する機能を有している。
入力アナログ映像信号は、Y/C分離回路41において、RGBの各色の輝度信号に分解されたのち、A/D変換回路42においてディジタル信号に変換される。
その後、プラズマディスプレイパネルモジュール50の画素構成と映像信号の画素構成とが異なる場合には、画像フォーマット変換回路44において、必要な画像フォーマットの変換の処理が行われる。
プラズマディスプレイパネルにおける、入力信号に対する表示輝度の特性は線型特性を有しているが、通常の映像信号はCRT(陰極線管)の特性に合わせて、予め補正(γ変換)が施されている。
そこで、A/D変換回路42において、映像信号のA/D変換を行ったのち、逆γ変換回路45において、映像信号に対して逆γ変換を施して、線形特性に復元されたディジタル映像信号を生成して、RGB映像信号としてプラズマディスプレイパネルモジュール50に出力する。
アナログ映像信号には、A/D変換用のサンプリングクロック信号およびデータクロック信号が含まれていないため、同期信号制御回路43に内蔵されているPLL回路が、アナログ映像信号と同時に供給される水平同期信号を基準として、サンプリングクロック信号およびデータクロック信号を生成して、プラズマディスプレイパネルモジュール50に出力する。
アナログインタフェース40のPLE制御回路47は、プラズマディスプレイパネルの輝度制御を行う。具体的には、平均輝度レベルが所定値以下である場合には表示輝度を上昇させ、平均輝度レベルが所定値を超える場合には、表示輝度を低下させるように制御する。また、システム・コントロール回路46は、プラズマディスプレイパネルモジュール50に対して、各種制御信号を出力する。
プラズマディスプレイパネルモジュール50は、さらに、ディジタル信号処理・制御回路51と、パネル部52と、DC/DCコンバータを内蔵するモジュール内電源回路53とから構成されている。
ディジタル信号処理・制御回路51は、入力インタフェース信号処理回路54と、フレームメモリ55と、メモリ制御回路56と、ドライバ制御回路57とを含んでいる。
例えば、入力インタフェース信号処理回路54に入力された映像信号の平均輝度レベルは、入力インタフェース信号処理回路54内の入力信号平均輝度レベル演算回路(不図示)によって計算されて、例えば5ビットデータとして出力される。
また、PLE制御回路47は、平均輝度レベルに応じてPLE制御データを設定して、入力インタフェース信号処理回路54内の輝度レベル制御回路(不図示)に供給する。
ディジタル信号処理・制御回路51では、入力インタフェース信号処理回路54において、これらの各種信号の処理を行ったのち、各種制御信号をパネル部52に送信する。これと同時に、メモリ制御回路56はメモリ制御信号を、ドライバ制御回路57はドライバ制御信号を、それぞれパネル部52に送出する。
パネル部52は、前述した各実施例のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製作されたプラズマディスプレイパネル70と、プラズマディスプレイパネル70の走査電極を駆動する走査ドライバ58と、プラズマディスプレイパネル70のデータ電極を駆動するデータドライバ59と、プラズマディスプレイパネル70および走査ドライバ58にパルス電圧を供給する高圧パルス回路60と、高圧パルス回路60からの余剰電力を回収する電力回収回路61とから構成されている。
プラズマディスプレイパネル70は、例えば1365個×768個に配列された画素を有するものとして構成されている。プラズマディスプレイパネル70においては、走査ドライバ58が走査電極を制御し、データドライバ59がデータ電極を制御することによって、複数の画素のうちの所定の画素の点灯または非点灯が制御されて、所望の画像表示が行われる。
なお、ロジック用電源(不図示)が、ディジタル信号処理・制御回路51およびパネル部52にロジック用電力を供給している。さらに、モジュール内電源回路53は、表示用電源から直流電力を供給されて、その電圧を所定の電圧に変換したのち、パネル部52に供給する。
次に、図13に示されたプラズマ表示装置の製造方法を概略的に説明する。
まず、前述のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製作したプラズマディスプレイパネル70と、走査ドライバ58と、データドライバ59と、高圧パルス回路60と、電力回収回路61とを基板上に配置して、パネル部52を作成する。さらに、パネル部52とは別個に、ディジタル信号処理・制御回路51を作成する。
このようにして作成されたパネル部52およびディジタル信号処理・制御回路51とモジュール内電源回路53とを、一つのモジュールとして組み立てて、プラズマディスプレイパネルモジュール50を作成する。
さらに、プラズマディスプレイパネルモジュール50とは別個に、アナログインタフェース40を作成する。
このようにして、アナログインタフェース40と、プラズマディスプレイパネルモジュール50とをそれぞれ別個に作成したのち、双方を電気的に接続することによって、図13に示されたようなプラズマ表示装置30が完成する。
このように、プラズマディスプレイパネル70をモジュール化することによって、プラズマ表示装置30を形成する他の構成部品とは、それぞれ別個独立に製作することが可能になる。
従って、例えば、プラズマ表示装置30において、プラズマディスプレイパネル70が故障した場合には、プラズマディスプレイパネルモジュール50ごと、交換することによって、補修の簡素化および補修期間の短縮を図ることができる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られたものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、第1〜第3実施例および第7,第8実施例において、真空密閉パネル1を形成する際の排気を、第4〜第6実施例の場合と同様に、2枚のガラス板の外周部間又は金属プレートとガラス板間又はガラス管と金属プレート間等に配置されたシールフリットの面と、それが接するガラス板又は金属プレートとの隙間から行うようにしてもよく、この場合は、排気を容易に容易にするために、シールフリットは未軟化状態では、封着すべきガラス板又は金属プレートと接する面に、気体の流通路となる凹凸が形成されているようにする。なお、このような凹凸の形成方法は、第4実施例の場合に説明したのと同様である。また、各実施例において、第1のガラス板8Aと第2のガラス板8Bとは、いずれが前面基板となり背面基板となるものであってもよいが、通常は、プラズマディスプレイパネルを極力薄型にするために突起物を背面側にすることが望ましいので、第1のガラス板8Aと第2のガラス板8Bが、それぞれ背面基板と前面基板に対応するようにすることが好適であり、この場合は、貫通孔7は、第1のガラス板8Aに設けられるが、必ずしもこれに限るものでなく、逆の関係であってもよい。
また、実施例1〜3,6の場合に、封止フランジとして、半導体製造工程において、半導体ウェハの吸着等に用いられている静電チャックを利用することも可能である。静電チャックは、その内部に設けた金属電極に交流電圧を印加して、被吸着物と静電チャック表面に正・負の電荷を発生させ、この間に働く静電引力(ジャンセン・ラーベック力)によって被吸着物を固定するものである。静電チャックの吸引力を上げるため、ガラス基板外面に導電性薄膜を設けてもよい。静電チャックには、静電チャック内部の電極と被吸着物とに電位差を与えて使用する単極型と、静電チャック内部の2つ以上の電極に電位差を与えて使用する双極型とがあるが、いずれの型であってもよい。
この発明の製造方法によるプラズマディスプレイパネルは、テレビジョン装置の表示器用として好適なものであるが、これに限るものではなく、他の用途の各種表示装置、特に大型の直視型ディスプレイ用としても好適なものである。
本発明の第1実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 同実施例のプラズマディスプレイパネルの製造方法の概略を示す図である。 同実施例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す第1の部分拡大図である。 同実施例のプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す第2の部分拡大図である。 本発明の第2実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の第3実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図である。 本発明の第4実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の第5実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の第6実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の第7実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の第8実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の第9実施例である、プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図であって、(a)は断面図、(b)は上面図である。 本発明の第10実施例である、プラズマ表示装置の概略の構成を示すブロック図である。 プラズマディスプレイパネルの概略の構成を示す図である。 金属排気管を使用した従来のプラズマディスプレイパネルの構成を示す図である。
符号の説明
1 真空密閉パネル
2 放電ガス
3 金属プレート
4,4B シール部
5 シール部
6 ピンホール
7 貫通孔
8A ガラス板
8B ガラス板
9 シール部
10 レーザ光
11 レーザ光
12 テープゲッタ
13 ピル状ゲッタ部材
14 ガラス管
15 封着パネル

Claims (25)

  1. プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板の外周部間といずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に配置された金属プレートとガラス板間とを封着するとともに前記2枚のガラス板間の空間を排気して真空密閉パネルを形成したのち、前記金属プレートにピンホールを形成して、該ピンホールから上記真空密閉パネル内に放電ガスを導入したのち、前記ピンホールを封止することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板のいずれか一方の側にゲッタを配置したものを真空環境下に置いて前記2枚のガラス板間の空間を排気したのち、放電ガス雰囲気中に置いて前記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入してから、前記2枚のガラス板の外周部間を封着することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板のいずれか一方に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置し、該金属プレートにガラス管を接続して、前記2枚のガラス板の外周部間と前記金属プレートとガラス板間と前記ガラス管と金属プレート間とを封着するとともに、前記2枚のガラス板間の空間を排気して真空密閉パネルを形成したのち、前記金属プレートにピンホールを形成し、前記ガラス管から前記ピンホールを経て前記真空密閉パネル内に放電ガスを導入したのち、前記ガラス管をチップオフすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記貫通孔内又は前記ガラス管内又は前記2枚のガラス板間にゲッタを配置することを特徴とする請求項1又は3記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. プラズマディスプレイパネルを構成する2枚のガラス板のいずれか一方に設けられた貫通孔にガラス管を接続して、前記2枚のガラス板の外周部間と前記ガラス管とガラス板管とを封着して封着パネルを形成したのち、該ガラス管内にテープゲッタを配置し、前記ガラス管を経て前記封着パネル内を排気したのち、前記ガラス管を経て前記封着パネル内に放電ガスを導入してから、前記ガラス管をチップオフすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの前記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置したものを真空環境下に置いて排気したのち加熱して、前記2枚のガラス板の外周部間と前記金属プレートとガラス板間とをそれぞれ封止材によって封着して真空密閉パネルを形成する工程と、前記金属プレートを含むガラス板の外側を封止フランジによって部分的に密閉して真空環境下に置く工程と、前記金属プレートにピンホールを形成したのち、前記封止フランジ内に放電ガスを充填して前記ピンホールから真空密閉パネル内に放電ガスを導入する工程と、前記ピンホールを予めその周囲に配置されていた封止材によって封止する工程とを順次実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前記貫通孔内にテープゲッタを配置することを特徴とする請求項6記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 前記貫通孔と対向するガラス板上にピル状ゲッタを配置することを特徴とする請求項6記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 前記ピンホールを、前記封止フランジに設けられた透明部から前記金属プレートにレーザ光を照射して形成することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 前記ピンホールの直径が、0.2〜0.3mmであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの前記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置するとともに、前記貫通孔と対向するガラス板にピル状ゲッタを配置したものを真空環境下に置いて、前記2枚のガラス板の外周部間を封止するための封止材と、前記金属プレートとガラス板間を封着するための封止材との、前記ガラス板又は金属プレートとの隙間から排気したのち、放電ガス雰囲気中に置いて、前記隙間から前記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入する工程と、前記放電ガス導入後、全体を加熱して、それぞれの前記封止材によって、前記2枚のガラス板の外周部間と、前記金属プレートとガラス板間とを封着する工程とを順次実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  12. 一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの前記表示部形成面を対向させて配置するとともに、一方のガラス板上にピル状ゲッタを配置したものを真空環境下に置いて、前記2枚のガラス板の外周部間を封着するための封止材と前記ガラス板との隙間から排気したのち、放電ガス雰囲気中に置いて、前記隙間から前記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入する工程と、前記放電ガス導入後、全体を加熱して、前記封止材によって前記2枚のガラス板の外周部間を封着する工程とを順次実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  13. 一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの前記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置し、前記貫通孔と対向するガラス板上にピル状ゲッタを配置するとともに、前記金属プレートを含むガラス板の外側を耐熱型封止フランジによって部分的に密閉したものを真空環境下に置いて、前記2枚のガラス板の外周部間を封着するための第1の封止材と前記ガラス板との隙間から排気して、前記2枚のガラス板間の空間と前記耐熱型封止フランジ内とを真空にしたのち加熱して、前記第1の封止材によって前記2枚のガラス板の外周部間を封着する工程と、前記耐熱型封止フランジ内に放電ガスを充填して前記金属プレートとガラス板間を封着するための第2の封止材と前記金属プレート又はガラス板との隙間から前記2枚のガラス板間の空間に放電ガスを導入する工程と、前記放電ガス導入終了時、昇温して、前記第2の封止材によって前記金属プレートとガラス板間を封着する工程とを順次実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 前記第2の封止材が、前記第1の封止材よりも高い軟化点を有することを特徴とする請求項13記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  15. 前記各封止材が、未軟化状態では、封着すべきガラス板又は金属プレートと接する面に、気体の流通路となる凹凸を有することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  16. 前記ピル状ゲッタを、複数個、パネル中心に対して対称な位置に配置することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  17. 一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの前記表示部形成面を対向させて配置し、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔上に金属プレートを配置するとともに、該金属プレート上に前記貫通孔と同軸にガラス管を配置したものを真空環境下に置いて排気したのち加熱して、前記2枚のガラス板の外周部間と、前記金属プレートとガラス板間と、前記ガラス管と金属プレート間とをそれぞれ封止材によって封着して真空密閉パネルを形成する工程と、前記金属プレートにピンホールを形成したのち、前記ガラス管から前記ピンホールを経て前記真空密閉パネル内に放電ガスを導入する工程と、該放電ガス導入終了時、前記ガラス管を加熱してチップオフする工程とを順次実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  18. 前記ガラス管内にテープゲッタを配置することを特徴とする請求項17記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  19. 前記ピンホールを、前記貫通孔が設けられていない側のガラス板の外側からレーザ光を用いて形成することを特徴とする請求項17又は18記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  20. 前記レーザ光の波長が、1.06±0.1μm であることを特徴とする請求項19記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  21. 前記ピンホールの半径をω(mm)としたとき、前記レーザ光のパルス出力が58/(ω2 )ジュール未満であることを特徴とする請求項19又は20記載のプラズマディスプレイパルスの製造方法。
  22. 前記ピンホールの半径が、0.1〜0.2mmであることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  23. 一方の面にそれぞれ表示部を構成する構造部分を形成した2枚のガラス板を、それぞれの前記表示部形成面を対向させて配置するとともに、いずれか一方のガラス板に設けられた貫通孔と同軸にガラス管を配置したものを加熱して、前記2枚のガラス板の外周部間と、前記ガラス管とガラス板間とをそれぞれ封止材によって封着して封着パネルを形成する工程と、該封着パネルの形成後、前記ガラス管内にテープゲッタを配置する工程と、前記ガラス管を経て前記封着パネル内を排気して真空にしたのち、前記ガラス管を経て封着パネル内に放電ガスを導入する工程と、該放電ガス導入終了時、前記ガラス管を加熱してチップオフする工程とを順次実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  24. アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースと、プラズマディスプレイパネルと前記ディジタル画像情報を信号処理して前記プラズマディスプレイパネルを駆動するための信号を出力するディジタル信号処理・制御回路と電源用回路とを含むプラズマディスプレイパネルモジュールとからなるプラズマ表示装置であって、
    前記プラズマディスプレイパネルが、請求項1〜23のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製造されたものであることを特徴とするプラズマ表示装置。
  25. アナログ映像信号をフォーマット変換してディジタル画像情報を出力するアナログインタフェースを製造する工程と、プラズマディスプレイパネルを製造する工程と、前記プラズマディスプレイパネルと前記ディジタル画像情報に応じて前記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路と電源用回路とによって、プラズマディスプレイパネルモジュールを製造する工程と、前記アナログインタフェースと前記プラズマディスプレイパネルモジュールとを電気的に接続する工程とを備えるプラズマ表示装置の製造方法であって、
    前記プラズマディスプレイパネルを製造する工程において、請求項1〜23のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法を実行することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
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