薄型テレビはその薄型化、軽量化により、室内等での持ち運びが簡単化したが、その移動時には例えば従来技術1のモニタ装置においてはスタンド部などを掴み、また把持部を有する上記説明のスタンド式薄型テレビにおいては、本体部101からスタンドベース103までを一体として運ぶため、移動先が、例えばテーブルの上などのように見る視点の高さから支柱102が不要な場所や、スタンドベース103が邪魔になったりする狭い設置場所への移動の場合には依然としてその移動に伴う不具合があり、より設置場所に限定されない汎用性の高い薄型テレビが望まれていた。
また、従来技術2のモニタ装置とベース装置のシステムにおいては、ベース装置へ載置して視聴する場合には表示画面の角度調整ができず、仰角方向や左右方向への角度調整機能を設けるにも複雑な構造が要求されるという課題がある。
本発明は、前記の問題点を解消するためになされたものであって、スタンド部材から表示部の着脱、持ち運びが簡単で、表示部の設置場所に限定されず、スタンド部材へ装着して使用する場合には表示画面の仰角方向や左右方向への角度調整も可能となり、さらに表示部を壁掛けして使用するなど、使い勝手のよい薄型表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、次の構成を有する。
本発明の第1の要旨は、薄型の表示部が備える挿脱部をスタンド支柱部の挿入穴に挿嵌することでスタンド支柱部による表示部の支持状態とされる薄型表示装置であって、前記表示部には電池が内蔵され、前記挿脱部の挿入方向の長さは前記スタンド支柱部に挿入して前記支持状態とすることが可能な長さを有し、前記表示部の挿脱部が前記スタンド支柱部から抜脱可能としたことを特徴とする。
本発明の第1の要旨によれば、表示部を安定的に支持するスタンド支柱部からの挿脱を容易な構成とすることにより、薄型化が可能となり、かつ電源部を備えることによりモバイル性が生まれた表示部に対して、その持ち運びを簡単にすることにより、そのモバイル性を有効に活用することができる。
本発明の第2の要旨は、掴むことが可能な把持部を有することを特徴とする。
本発明の第2の要旨によれば、表示部の持ち運びを容易なものとすることができる。
本発明の第3の要旨は、前記スタンド支柱部は、前記挿入穴に前記挿脱部を挿入するときにその挿入を案内する挿入案内手段を備えていることを特徴とする。
本発明の第3の要旨によれば、スタンド支柱部に対する挿脱部の挿抜をスムーズに行うことを可能とするとともに、誤った方向に挿脱部をスタンド支柱部に挿入して装置の重心バランスを崩して転倒する等の事故を未然に防ぐことができる。
本発明の第4の要旨は、前記スタンド支柱部の挿入穴内には、前記スタンド支柱部による表示部の支持状態において前記挿脱部に対して当接することにより前記挿脱部の揺動を防止する緩衝材を備えることを特徴とする。
本発明の第4の要旨によれば、スタンド支柱部内でのスタンド兼連結部のガタツキを防止するとともに、挿脱部をスタンド支柱部に挿入した際の挿脱部の損傷を防ぎスタンド支柱部に対する挿脱部の挿抜を繰り返し行うことを可能とする。
本発明の第5の要旨は、前記挿脱部の挿入方向先端部を弾性部材で形成し、前記スタンド支柱部の挿入穴内には、前記スタンド支柱部による表示部の支持状態において前記挿脱部の前記先端の対向部位近傍に弾性部材を備えることを特徴とする。
本発明の第5の要旨によれば、スタンド支柱部による表示部の支持状態においてスタンド支柱部内での挿脱部のガタツキを防止してスタンド支柱部に対する表示部の安定性を高めるとともに、挿脱部をスタンド支柱部に挿入した際の挿脱部の損傷を防ぎスタンド支柱部に対するスタンド兼連結部の挿抜を繰り返し行うことを可能とする。
本発明の第6の要旨は、薄型の表示部が備える挿脱部をスタンド支柱部の挿入穴に挿嵌することでスタンド支柱部による表示部の支持状態とされる薄型表示装置であって、前記表示部は把持部を有する一方、前記スタンド支柱部は前記挿脱部の離脱を防止する離脱防止機構と、該離脱防止機構を解除する離脱防止解除機構とを有し、前記離脱防止解除機構は前記挿脱部の前記スタンド支柱部に対する挿入方向への力の作用により前記挿脱部の離脱防止が解除されることを特徴とする。
本発明の第6の要旨によれば、表示部を安定的に支持するスタンド支柱部に表示部の離脱を防止機構が施されてさらに安定的に使用でき、しかも離脱防止手段は前記挿脱部の前記スタンド支柱部に対する挿入方向への力の作用により前記挿脱部の離脱防止が解除されるので、把持部を持ち上げる方向とは逆の力の作用が働き、スタンド支柱部のふらつきを抑えながら安全かつ簡単に表示部の抜脱が可能となり、薄型の表示部の持ち運び機能をより有効なものとすることができる。
本発明の第7の要旨は、把持部を有する薄型の表示部が備える挿脱部をスタンド支柱部の挿入穴に挿嵌することでスタンド支柱部による表示部の支持状態とされ、離脱防止機構により前記挿脱部の離脱が防止されている場合において、前記把持部を持ち上げることにより前記挿脱部の前記スタンド支柱部からの離脱方向に力を作用させる一方、前記離脱防止機構に前記挿脱部の前記スタンド支柱部に対する挿入方向に力を作用させることで前記表示部の挿脱部を前記スタンド支柱部から抜脱することを特徴とする。
本発明の第7の要旨によれば、把持部を持ち上げる方向と離脱防止手段の離脱防止を解除する方向とに逆の力の作用が働き、安全かつ簡単に表示部を抜脱することが可能となり、薄型の表示部の持ち運び機能をより有効なものとすることができる。
本発明の第8の要旨は、薄型の表示部が備えるスタンド兼連結部をスタンド支柱部の挿入穴に挿嵌することでスタンド支柱部による表示部の支持状態とされる薄型表示装置であって、前記スタンド支柱部による表示部の支持状態として使用される第1の使用形態と、前記表示部のスタンド兼連結部を、前記スタンド支柱部から抜脱し前記表示部を支持するスタンドとして用いる第2の使用形態とを有することを特徴とする。
本発明の第8の要旨によれば、第1の使用形態においては表示部をスタンド支柱部にて支持することにより安定的に使用することができるとともに、第2の使用形態においては表示装置の移動先もスタンド支柱部の占有スペースにとらわれることなく快適な視聴を可能とする。
本発明の第9の要旨は、前記表示部の背面と前記スタンド兼連結部の一端とが回動可能な回動部によって接続されていることを特徴とする。
本発明の第9の要旨によれば、第1の使用形態及び第2の使用形態どちらの使用形態においても、表示部の仰角及び俯角の調整が可能となる。
本発明の第10の要旨は、掴むことが可能な把持部を有することを特徴とする。
本発明の第10の要旨によれば、表示部の持ち運びを容易なものとすることができる。
本発明の第11の要旨は、前記回動部の回動軸は前記表示部の幅方向に平行であり、前記スタンド兼連結部は前記回動軸を中心としてその他端が前記表示部の下辺側にある位置から上辺側の位置まで回動可能であることを特徴とする。
本発明の第11の要旨によれば、スタンド兼連結部が表示部の外枠外に露出することを防ぐことができる。また、スタンド兼連結部の角度を調整することで表示部の仰角も制御できる。
本発明の第12の要旨は、前記表示部は下方側に電池を内蔵することを特徴とする。
本発明の第12の要旨によれば、重量の重いバッテリーの取り付け位置を表示装置の下部に沿って内蔵することで、表示装置の向き、載置の安定性を高めている。特に第2の使用形態時には安定的となる。さらには、バッテリー交換時には、スタンド支柱に前記表示装置を載置した状態で反転回動して電池交換をする際にも好都合である。特に燃料電池などのように、バッテリー液を補充するような形式の電池には有益である。
本発明の13の要旨は、前記第1の使用形態と前記第2の使用形態とで、前記表示部と前記スタンド兼連結部との仰角許容範囲が異なる仰角方向規制手段を有することを特徴とする。
本発明の第13の要旨によれば、表示部を無理な姿勢でスタンド支柱部にスタンド兼連結部を挿入すること未然に防ぐこととなり安全な操作のガイドとなる。また、第1の使用形態の表示部を無理な仰角に傾斜させることを未然に防ぎ、第1の使用形態での表示部の安定性を確保できる。
本発明の第14の要旨は、前記表示部と前記スタンド兼連結部との回動角が推奨仰角となったことをユーザに知らせる報知手段を備えることを特徴とする。
本発明の第14の要旨によれば、スタンド連結部の回動はユーザ自身の操作に依存されるので、係るスタンド連結部の回動範囲によって装置や操作の安定性に幅が生じる場合、例えば、第2の使用形態時や該第2の使用形態から第1の使用形態への移行時などではそのスタンド連結部の操作時にユーザに不安が生じる可能性があるが、報知手段により、例えば、安定位置の目安を知らせることでユーザに安心感と確実な操作案内を提供できる。
本発明の第15の要旨は、前記スタンド兼連結部は、該スタンド兼連結部の他端が前記表示部の最も下辺側にあるときに該表示部の下辺よりも突出していることを特徴とする。
本発明の第15の要旨によれば、スタンド兼連結部が薄型表示装置下辺より突出する長さを有することで、スタンド兼連結部で表示部を支持するときの角度を広く確保でき、確実に安定させて支持することができる。
本発明の第16の要旨は、前記スタンド兼連結部の他端の横断面は、回動軸に垂直な方向よりも回動軸方向に長い形状であることを特徴とする。
本発明の第16の要旨によれば、第2の使用形態でスタンド兼連結部をスタンドとして表示部を支持するとき、接地面積が大きくなり安定性が高まる。
本発明の第17の要旨は、前記スタンド兼連結部の横断面及び前記スタンド支柱部の挿入穴が円形であることを特徴とする。
本発明の第17の要旨によれば、第1の使用形態時において表示部を水平方向に回転させることにより表示部の水平方向の角度を調節することが可能となる。
本発明の第18の要旨は、前記スタンド支柱部は前記挿脱部の離脱を防止する離脱防止機構と、該離脱防止機構を解除する離脱防止解除機構を有することを特徴とする。
本発明の第18の要旨によれば、第1の使用形態のままで表示部とスタンド支柱部を合わせて移動させたい場合と、表示部をスタンド支柱部から分離して移動させたい場合とを任意に制御可能とでき、持ち運び性を高めることができる。また、第1の使用形態において表示部のスタンド支柱部からの離脱を防止でき、表示部の破損を防止することができる。また、安全性を高めることができる。
本発明の第19の要旨は、前記スタンド支柱部は、前記挿入穴に前記スタンド兼連結部を挿入するときにその挿入を案内する挿入案内手段を備えていることを特徴とする。
本発明の第19の要旨によれば、スタンド支柱部に対するスタンド兼連結部の挿抜をスムーズに行うことを可能とするとともに、誤った方向にスタンド兼連結部をスタンド支柱部に挿入して装置の重心バランスを崩して転倒する等の事故を未然に防ぐことができる。
本発明の第20の要旨は、前記スタンド支柱部の挿入穴内には、前記第1の使用形態において前記スタンド兼連結部に対して当接することによりスタンド兼連結部の揺動を防止する緩衝材を備えることを特徴とする。
本発明の第20の要旨によれば、スタンド支柱部内でのスタンド兼連結部のガタツキを防止するとともに、スタンド兼連結部をスタンド支柱部に挿入した際のスタンド兼連結部の損傷を防ぎスタンド支柱部に対するスタンド兼連結部の挿抜を繰り返し行うことを可能とする。
本発明の第21の要旨は、前記スタンド兼連結部の他端を弾性部材で形成し、前記スタンド支柱部の挿入穴内には、前記第1の使用形態において前記スタンド兼連結部の他端の対向部位近傍に弾性部材を備えることを特徴とする。
本発明の第21の要旨によれば、第1の使用形態でスタンド支柱部内でのスタンド兼連結部のガタツキを防止してスタンド支柱部に対する表示部の安定性を高めるとともに、スタンド兼連結部をスタンド支柱部に挿入した際のスタンド兼連結部の損傷を防ぎスタンド支柱部に対するスタンド兼連結部の挿抜を繰り返し行うことを可能とする。
本発明の第22の要旨は、前記把持部は表示部と固定する固定部を有し、該固定部には前記表示部を遠隔操作するリモートコントロール装置と嵌合する形状に形成されたリモコンホルダーを備えることを特徴とする。
本発明の第22の要旨によれば、リモートコントロール装置を表示部とは別に製造する把持部に備えることにより、製造し易くするとともに、製造コストを抑えることができる。
本発明の第23の要旨は、前記把持部と前記スタンド兼連結部とを、前記表示部に接続可能な連結体として一体形成することを特徴とする。
本発明の第23の要旨によれば、表示部に必要な把持部とスタンド兼連結部とを一体形成するので、製造が容易となるとともに、製造コストを抑えることができる。
本発明の第24の要旨は、前記スタンド支柱部は、平面と接地するように形成されたスタンドベース部と、該スタンドベース部に立設し、前記挿入穴を有する支柱部とを有し、前記支柱部は前記スタンドベース部に対して前記平面の法線方向を軸として回動可能であることを特徴とする。
本発明の第24の要旨によれば、スタンド兼連結部の横断面が円形でなくとも、表示部の水平方向の回動を可能とできる。
本発明の第25の要旨は、壁面から突出した突出部に係合させることが可能な係合部を備える薄型の表示部と、前記表示部の背面に、回動可能な回動部によってその一端が接続された角度調節部とを備える薄型の表示部であって、前記係合部は、前記表示部の上辺より突出していることを特徴とする。
本発明の第25の要旨によれば、薄型化が可能となり、かつ電源部を備えることによりモバイル性が生まれた表示部に、壁面から突出した突出部に係合させることが可能な係合部を施すことにより壁掛けしてテレビを視聴することを可能とし、この係合部を表示部上辺より突出させることでその壁掛けがされに容易とすることができる。さらに、本発明では角度調節部を備えているため表示部を壁掛けして利用する際に表示部の角度を調節することができるので、より壁掛けテレビとしての表示部の利便性が高まる。
本発明の第26の要旨は、壁面から突出した突出部に係合させることが可能な係合部を備える薄型の表示部と、前記表示部の背面に、回動可能な回動部によってその一端が接続された角度調節部とを備える薄型表示装置であって、前記係合部は、表示部に固定された固定端から先端にかけて前記表示部の奥行き方向に傾きを有しており、前記傾きの前記奥行き方向の寸法は、前記回動部の奥行き方向の寸法と同じかもしくは大きいことを特徴とする。
本発明の第26の要旨によれば、表示部に備わった把持部を壁面の係合部などに係合させて表示部を壁掛けして使用した場合に、壁面からのフック等が短い場合であっても表示部が壁面と平行になるかもしくは俯角を有する構成であるので、正面または斜め下方向から画面が見やすく、壁掛けして表示部を利用するのに好適である。また、表示部背面に備わった角度調節部により俯角及び仰角を調節できるので斜め下からだけでなく、斜め上方からでも見やすくすることができ、壁掛けして表示部を利用したときあらゆる角度を確保することができる。
本発明の第27の要旨によれば、前記把持部は円環形状であることを特徴とする。
本発明の第27の要旨によれば、前記把持部の形状を円環形とすることにより第2の使用形態として壁掛けした際、安定して利用することができる。
本発明の第28の要旨は、把持部を備える薄型の表示部と、前記表示部の背面に、回動可能な回動部によってその一端が接続されたスタンド兼角度調節部とを備える薄型表示装置であって、前記把持部はその先端が前記表示部の上辺より突出し、表示部に固定された固定端から前記先端にかけて前記表示部の奥行き方向に傾きを有しており、前記傾きの前記奥行き方向の寸法は、前記回動部の奥行き方向の寸法と同じかもしくは大きく、前記スタンド兼角度調整部がスタンドとして前記表示部を支持するように用いる第1の使用形態と、前記把持部を壁面から突出した突出部に係合させるように用いる第2の使用形態と、を有することする。
本発明の第28の要旨によれば、スタンド兼角度調節部で表示部を支えることによりテーブル等に置いて表示装置を利用できるとともに、表示部に備えた持ち運びのための把持部を壁掛けの際に壁面から突出した突出部に係合させる係合部としても利用することにより壁掛けしも表示装置を利用することができ、薄型化が可能となり、かつ電源部を備えることによりモバイル性が生まれた表示部をより活かすことができる。
本発明の第29の要旨によれば、前記スタンド兼角度調節部の他端が前記表示部の最も下辺側にあるときに該表示部の下辺よりも突出していることを特徴とする。
本発明の第29の要旨によれば、第1の使用形態においてスタンド兼角度調節部を表示部を支持するスタンドとして用いた場合、表示部を安定させて支持することができ、表示部の支持角度も確保することができる。
本発明の第30の要旨は、前記スタンド兼角度調節部の他端の形状は、回動軸に垂直な方向よりも回動軸方向に長い形状であることを特徴とする。
本発明の第30の要旨によれば、スタンド兼角度調節部の接地面積が大きくなり、スタンド兼角度調節部で表示部を支持する場合の特に表示装置の左右の傾きに対する安定性が高まる。
本発明の第31の要旨は、把持部を備える薄型の表示部と、前記表示部の背面に、回動可能な回動部によってその一端が接続されたスタンド兼連結部とを備え、前記スタンド兼連結部をスタンド支柱部の挿入穴に挿嵌することで前記表示部の支持状態とされる薄型表示装置であって、前記表示部の支持状態として使用する第1の使用形態と、前記表示部のスタンド兼連結部を、前記スタンド支柱部から抜脱し前記表示部を支持するスタンドとして用いる第2の使用形態と、前記表示部のスタンド兼連結部を、前記スタンド支柱部から抜脱し前記把持部を壁面から突出した突出部に係合させるように用いる第3の使用形態とを有することを特徴とする。
本発明の第31の要旨によれば、第1の使用形態では表示部をスタンド支柱部にて支持することにより安定的に使用することができ、第2の使用形態では表示部の移動先もスタンド支柱部の占有スペースにとらわれることなく、また、仰角方向の角度調整により快適な視聴が可能となり、さらに第3の使用形態では壁掛け表示装置としても使用することができ、表示部を種々のシーンに合わせた利用ができる。
本発明の第32の要旨は、薄型の表示部と、前記表示部の背面に、回動可能な回動部を介してその一端が接続されたスタンド部とを有する薄型表示装置であって、前記スタンド部を回動させて該スタンド部と前記表示部との角度が推奨仰角となったことをユーザに知らせる報知手段を有することを特徴とする。
本発明の第32の要旨によれば、スタンド部の回動操作時にはユーザに転倒しないなどの安定、適切な位置を報知手段により知らせるユーザフレンドリーな装置とでき、装置の転倒や無理な操作を未然に防ぐことができる。
本発明の第33の要旨は、前記表示部は、該表示部の表示をリモートコントロールするリモコンと嵌合する形状に形成されたリモコンホルダーを備えることを特徴とする。
本発明の第33の要旨によれば、表示部を自由に移動させても、表示部にホルダーを設けているのでリモコンの移動を忘れたり、紛失することを防ぐことができ、薄型化が可能となり、かつ電源部を備えることによりモバイル性が生まれた表示部をより活かすことができる。
本発明の第34の要旨は、前記表示部の左右に半円形状のスピーカー部を有することを特徴とする。
本発明の第34の要旨によれば、把持部の円環形状は前記表示部前方から見て該スピーカー部と相似して前記表示部上方から突出していることで、バランスを良くすると共に、円形とすることで強度を高めることができる。
本発明の第35の要旨は、把持部を有する薄型の表示部と、該表示部に電源を供給することが可能な電源部とを有する薄型の表示装置であって、該表示装置を遠隔操作するリモートコントロール装置と嵌合する形状に形成されたリモコンホルダーを備えることを特徴とする。
本発明の第35の要旨によれば、薄型化が可能となり、かつ電源部を備えることによりモバイル性が生まれた表示部に対して、付随して用いられるリモートコントロール装置の一体的な持ち運びを可能とし、紛失を防止できる等多くのメリットを得られる。
本発明の第36の要旨は、前記リモートコントロール装置は先端から他端にかけて窄まる形状である一方、前記リモコンホルダーは前記表示装置の上方から下方にかけて窄まる方向に傾斜を有している形状であることを特徴とする。
本発明の第36の要旨によれば、リモートコントロール装置及びリモコンホルダーを上述のような形状とすることにより、表示装置に対するリモートコントロール装置の着脱を容易にすることができ、表示部のモバイル性をより活かすことが可能となる。
本発明の第37の要旨は、薄型の表示部が備える挿脱部をスタンド支柱部の挿入穴に挿嵌することでスタンド支柱部による表示部の支持状態とされる薄型表示装置であって、前記表示部の挿脱部が前記スタンド支柱部から抜脱可能であり、前記表示部には充電池が内蔵され、前記スタンド支柱部は電源部を有し、前記スタンド支柱部による表示部の支持状態において前記電源部を通じて前記表示部に内蔵された充電池に充電されることを特徴とする。
本発明の第37の要旨によれば、スタンド支柱部による表示部の支持状態においては表示部の表示及び充電の両方を可能とするとともに、表示部が備える挿脱部を抜脱して表示部を持ち運んだときは、その持ち運び先において充電池を用いて表示部の表示を可能とするので、表示部の持ち運びが容易であるとともにスタンド支柱部を用いたときに表示部の表示を行いながら手軽に充電池の充電を行うことができる。
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るスタンド式薄型テレビの正面図である。尚、実施形態では、映像、画像等の情報を表示する表示装置1として液晶ディスプレイを例に示すが、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等種々の薄型の表示装置を用いることができる。
スタンド式薄型テレビは、表示装置1、連結体15、支柱25及びスタンドベース29から構成されるスタンド支柱部30を有している。表示装置1に連結体15を取り付け、スタンドベース29に固定された支柱25に連結体15を着脱自在に形成することで、スタンド支柱部30を用いる第1の使用形態では連結体15を支柱25に挿入してスタンド支柱部30によって表示装置1を支持する状態として用い、スタンド支柱部30を用いない第2の使用形態では、連結体15自体を表示装置1を支持する支持スタンドとして用いるものである。
上記したように、連結体15と支柱25を挿脱可能に形成しているので第1、第2の使用形態の移行を簡単化でき、また、連結体15をスタンドとしても共用できる形状としたことで、簡単な構造で第1、第2の使用形態の移行を実現できた。以下、各構成を詳細に説明する。
[表示装置]
始めに、表示装置1を図1〜図3を参照しつつ説明する。
表示装置1は、略矩形の正面側フレーム1aと、該正面側フレーム1a内に映像や画像等を表示する液晶ディスプレイ3と、音声出力用のスピーカ5と、背面側カバー7(図2)と、内部に設けたTVチューナ部9(図2)と、着脱充電可能な電源用のバッテリー11(図2)と、底部に設けた設置用レール13(図2)と、を有している。表示装置1は、バッテリー11と図示しないAC電源のいずれの電源からでも駆動できるものである。
液晶ディスプレイ3は、TVチューナ部9で受信した映像(テレビ電話の映像、画像を含む)や、記録媒体、例えば円盤状のDVD、MD,CD,FD等や半導体メモリーに記録、読出した映像、画像(動画、静止画を含む)や、インターネットからの映像、画像、文字、記号等の情報を表示できる。
スピーカー5は、正面側フレーム1aの左右両サイドの上方側にそれぞれ半円形に設けてあり、後述する連結体15の取っ手17が正面側フレーム1aの上方から円弧(円環)状に見えるのと併せて、相似形に形成することで、デザイン的にバランス、見栄えを良くすると共に、円形とすることで強度を高めている。表示装置1を持ち運び先で利用する場合、アンテナ部はなるべく受信し易いように外側に取り付けられることが望ましく、本実施形態の場合、表示装置1より外部に飛び出た部分のスピーカー5内に内蔵することが考えられる。そして、表示装置1は持ち運びに適したものであるため、持ち運びの際壁面等にぶつけてしまうことも多いが、その場合、矩形であるよりも円形である方がその衝撃は和らげられる。
バッテリー(充電可能な電池)11(図2)は、表示装置1の下方側(スタンドベース29に近い側)に設けられ、図3に示すように背面側カバー7の下方に設けた開閉蓋11aを開けて着脱が行われる。重量の重いバッテリー11の取り付け位置を表示装置1の下方側とすることで、表示装置1の向き、載置の安定性を高めている。なお、表示装置1にバッテリー等の電源部を備えることで表示装置1のモバイル性に寄与しているが、その他の電源部として電源プラグ等を表示部に備えていても持ち運び先で電源プラグを電気配線からの電気を得るためにプラグ差込口に差し込むことにより電源供給が可能となり、モバイル性に寄与する。バッテリーと電源プラグを備えるなど複数の電源部を備えている場合は、持ち運び先でバッテリーにより表示装置1を利用する一方、プラグ差込口があるところでは電源プラグを利用して安定的に電源を供給できるとともにバッテリーに充電することも可能となるなど利用の用途が広がる。
設置用レール13は、表示装置1をスタンド支柱部30から分離した場合の表示装置1の設置用のレールとなるものであり、表示装置1の下面(スタンドベース29に近い側)に設けてあり、その材質としては滑り止め効果のある材質、例えばゴムやシリコンなどを用いることができ、その形状は、表示装置1の仰角を変更した場合にも追従して設置可能な長さで湾曲(略円弧状(表示装置1側に中心を有する円弧状)を含む)したレール形状(凸状)としている。設置用レール13は、上記作用効果を発揮するように表示装置1の下に所定長さに亘って1箇所以上に設けることができるが、幅を狭くし、複数本並行等に設けることで、上記作用効果を少ない材料で実現できる。
[連結体15]
次に、連結体15を図1〜図3を参照しつつ説明する。
連結体15は、環状に形成されており、把持部17と、前記表示装置1の背面側カバー7に固定する固定部19と、略棒状のスタンド兼連結部23と、該スタンド兼連結部23を表示装置1と回動可能に接続する第1の回動軸部21と、を有している。
スタンド兼連結部23は第1の使用形態でスタンド支柱部30の挿入穴27に挿嵌されて表示装置1とスタンド支柱部30とを連結する連結部として機能する。また、第2の使用形態では、スタンド兼連結部23は表示装置1を支持するスタンド部として機能する。また、スタンド兼連結部23は第1の使用形態と第2の使用形態をスタンド支柱部30から挿脱することにより移行させる挿脱部としても機能する。
把持部17は、円弧(円環)形状をしており、その円弧状の内側には把持した時の滑り止め防止用のゴム、シリコン等の滑止部材17aが円弧状に形成されている(図1)。
また、把持部17は、図6に示すように壁31などに設けた突起、例えばフック33に係合可能とする部位でもある。そこで、第1の回動部21又はスタンド兼連結部23の厚み(正面側フレーム1a−背面側カバー7方向D)が固定部19の厚みよりも大きいので、図2に示すように把持部17は、表示装置1の厚み方向Dのうち固定部19から遠ざかる方向すなわち表示装置1の奥行き方向D1に固定部19に対して斜めに形成している。より具体的には、把持部17の該フック33との係合部分(円弧の先端部分)の前記厚み方向Dの位置すなわち表示装置1の奥行き方向D1の寸法が第1の回動軸部21又はスタンド兼連結部23の表示装置1の奥行き方向D1の寸法と略同様に形成することで、把持部17を壁31により近づけることができ、壁31からの突出長さが短いフック33にも取り付け可能となるとともに、壁掛け状態で液晶ディスプレイ3の表示面は壁31面とほぼ平行にすることができる。
固定部19は、前記表示装置1の背面側カバー7を挟み、内部シャーシにビス留めにより固定されている。
第1の回動軸部21は、表示装置1のスタンド支柱部30に対する挿脱方向Hの長さに関して中心位置よりも下方に位置させることで使用性に合わせて上向き方向への角度調整範囲を広くしており、表示装置1の仰角方向Xの回動後の姿勢を維持する強度でスタンド兼連結部23を挟持している。また、回動軸は表示装置1の幅方向に平行である。
スタンド兼連結部23は、基端部に第1の回動軸部21に回動可能に挟持される回動部23aと、該回動部23aの他端側である先端側にゴム、シリコンなどで形成された滑り止め及び緩衝材として機能する滑止・緩衝材23bとを有する横断面円形(円柱、円筒を問わない)で形成されている。
スタンド兼連結部23の長手方向(基端部から先端側の方向)の長さは、図2に示すように、そのスタンド兼連結部23の長手方向の長さを液晶ディスプレイ3と並行するようにした状態で、表示装置1の正面側フレーム1aの底辺部1bまでの長さ以上(同一長さを含む)の長さに形成されている。本実施形態としては表示装置1の正面側フレーム1aの底辺部1bまでの長さが113mmで、底辺部1bから19mm程度の突出量としており、従って、図2(b)の状態を正面から見た図1に示すように、正面側フレーム1aの底辺部1bよりも下方までスタンド兼連結部23が延びる長さを有している。
このように構成する理由は、以下の通りである。
(1)例えば、薄型表示装置の代表例である液晶ディスプレイの場合、傾斜角度との観点からすると、特に液晶ディスプレイは視野角の課題があることおよび寝そべって液晶ディスプレイを観るなどあらゆる使用シーンに対応した傾斜角度が必要である。それに対応するためには、第2の使用形態としてスタンド兼連結部23を表示装置1の支持する支持スタンドとして用いる場合、該支持スタンドの長さは前記支持スタンドがほぼ平行になった状態で前記表示部の下端辺から突出する長さであることが大きなポイントになる。この突出する長さによって可変角度に大きな自由度が得られる。
また、設置スペースとの関係からすると、狭いスペースにおいても大きな傾斜角度を確保する必要がある。そのためには、スタンド兼連結部23の表示装置1との連結部分の位置は可能な限り下方に取り付けられるのが望ましい。表示装置1の接地部分(下辺)とスタンド兼連結部23の接地部分(先端)との距離が小さくでき、スタンド兼連結部23がスタンドとして単独で表示装置1を支える場合に省スペースで利用できるからである。
第1の回動軸部21の位置が前記表示装置の下方にあり、かつ、前記支持スタンドがほぼ平行になった状態で前記表示部の下端辺からやや突出する長さであると、狭いスペースで大きな傾斜角度が得られる。
(2)薄型表示装置の場合は、壁掛けになることも特徴の一つであるが、その際に前記支持スタンドの長さが長いほど、安定的に取り付けられるという利点がある。
なお、上記した把持部17とスタンド兼連結部23及び第1の回動部21は連結体15として一体形成して表示装置1に取り付けられているが、別々に取り付けられていても良いことはもちろんである。ただし、一体形成とした方が組み立て容易となり、製造コストが削減できるという利点がある。
[スタンド支柱部30]
次に、スタンド支柱部30は支柱25及びスタンドベース29から構成され、これらを図1〜図5を参照しつつ説明する。
支柱25は、スタンド兼連結部23の回動部23aを除いた横断面円形の棒状部分を挿脱自在とする挿入穴27を形成できる長さの柱状部材であり、スタンドベース29上に起立状態に固定して形成されている。
挿入穴27は、横断面円形の穴であり、スタンド兼連結部23を挿入した状態でスタンド兼連結部23の滑止・緩衝材23bが挿入穴27の底部に当接してスタンド兼連結部23を支持している。また、挿入穴27の径は、スタンド兼連結部23の挿脱自在で、且つ、そのスタンド兼連結部23の長手方向軸を中心にスタンド兼連結部23が回転可能な隙間を有する大きさに形成されている。
スタンドベース29は、支柱25及び連結体15を介して表示装置1を所定高さに支持できる大きさを有する。
次に、上記説明したスタンド式薄型テレビの作用効果を説明する。
先ず、スタンド支柱部30を使用する第1の使用形態は、図2(a)から(b)に示すように表示装置1の背面側に固定した連結体15のスタンド兼連結部23を支柱25の挿入穴27に挿入することで表示装置1の支持状態とされる。この第1の使用形態での表示装置1の仰角方向Xの調整は、図3に示すように、第1の回動軸部21をスタンド兼連結部23の回動部23aに対して回動することで行われる。また、この第1の使用形態での表示装置1の水平方向Yの向きの調整は、図4に示すように、支柱25に対してスタンド兼連結部23を中心軸として表示装置1を水平方向Yに回動させること、すなわち、挿入穴27内でスタンド兼連結部23をその長手方向を軸として回転させることで行われる。スタンド兼連結部23をスタンド支柱部30に挿入穴27に挿入して使用する場合、スタンド兼連結部23の長さが長いほど安定して表示装置1が支持されるが、スタンド兼連結部23をスタンド支柱部30の挿入穴27に挿入することによりスタンド支柱部30によって表示装置1を支持できる程度の長さであればよい。逆に、スタンド兼連結部23をスタンド支柱部30の挿入穴27に挿入して表示装置1が支持できず、従来例(図26)のようにビス等なしでは転倒してしまうような長さであってはいけない。具体的な長さは、表示装置1の大きさ・重量、スタンドベース29の大きさ、スタンド支柱部30の高さ等によって設計することとなる。
次に、スタンド支柱部30を使用せず、表示装置1を支持するスタンドとしてスタンド兼連結部23を用いる第2の使用形態は、図2(b)から(a)に示すように,例えば把持部17を持ってスタンド兼連結部23を支柱25の挿入穴27から抜き取り、図5に示すように表示装置1の下面に設けた設置用レール13とスタンド兼連結部23の先端に設けた滑止・緩衝材23bにより表示装置1を支持することで形成される。
スタンド兼連結部23の長さを、表示装置1の底辺部1bよりも長く設けているので、液晶ディスプレイ3に対するスタンド兼連結部23の角度を調整することで、設置用レール13と滑止・緩衝材23bとの間隔を広めに取りながら安定して液晶ディスプレイ3の仰角X(液晶ディスプレイ3の上下方向の向き)を調整することができる。
以上のように表示装置1の下面に設けた設置用レール13とスタンド兼連結部23が表示装置1を支えているので、表示装置1とスタンド兼連結部23の少ないスペースがあれば表示装置1を載置できる。
また、スタンド兼連結部23により仰角Xを調整するので、簡単な構造で、かつ、少ないスペースで表示装置1の仰角X方向も調節できる。
さらに、支柱25を必要としないので、テーブル上などの高い位置にも簡単に移動でき、且つ、仰角Xを調整することもできる。
また、図6に示すようにスタンド兼連結部23をスタンドとして使用せず、把持部17を壁31に掛ける取り付け部として使用することで、表示装置1を壁掛けTVとして利用できる。この場合、把持部17を円弧状に形成することでフック33が円弧の頂点部分と係合するので、表示装置1が傾いたりすることがなく、安定した姿勢を保つことできる。
図2(a)の状態からそのままフック33に掛けて図7に示すように壁掛けTVとして利用する場合に、表示装置1の底辺部1bよりもスタンド兼連結部23が突出して見える場合には、図8に示すようにスタンド兼連結部23を、回動軸部21を中心に略180度表示装置1の上辺側に回動させることで底辺部1bからのスタンド兼連結部23の突出(露出)を抑えることができ、美観を損なうことを防ぐことができる。また、表示装置1を壁掛け使用の状態で、回動軸部21を中心にスタンド兼連結部23の回動量を制御することで、壁掛け状態での表示装置1の仰角も調整できる。
ここで、第1の回動軸部21の表示装置1の奥行き方向の寸法を、把持部17の先端部分の表示装置1の奥行き方向の寸法よりも大きく設計していると、壁掛けTVとして利用したとき表示装置1は俯角を有することになり、壁の上位に掛けたときに下方から見易く、壁掛けTVとして好適である。このとき、スタンド兼連結部23は表示装置1の仰角又は俯角を調整する角度調整部として機能している。
また、把持部17の先端部分は図7のように正面側フレーム1aの上端部より突出していれば、壁掛けTVとして好適である。
さらに、壁掛けTVと第2の使用形態との関係では、スタンド兼連結部23はスタンド兼角度調節部として機能している。
尚、第1の回動軸部21は、表示装置1のスタンド支柱部30に対する挿脱方向Hの長さに関して中心位置よりも下方に位置しているので、回動軸部21を中心にスタンド兼連結部23を略180度回動させてもスタンド兼連結部23が表示装置1の上方に突出することはない。
以上説明した第1の実施形態に係るスタンド式薄型テレビでは、表示装置1の水平方向Yの回動を支柱25に対して連結体15を回動可能とする手段で説明したが、それに限定するものではなく、スタンドベース29に対して表示装置1、連結体15、及び支柱25が水平方向Yに関して回動する第2の実施の形態を以下に説明する。
[第2の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を詳細に説明する。尚、上記した構成と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略し、上記実施の形態との相違部分を中心に説明する。上記実施の形態との相違部分は、概略するとスタンド兼連結部の横断面形状を円形から略矩形等に変更し(図9、図14)、該スタンド兼連結部の形状変化にあわせて支柱の形状を変更し(図9、図14)、また、スタンドベースに対して支柱を水平方向Yに回動可能とし(図9)、さらに把持部17に表示装置1のリモートコントロール装置53を保持するリモコンホルダー51を設けた(図15から17)点にある。以下、詳細に説明する。
本実施形態に係るスタンド兼連結部35は、基端部に第1の回動軸部21に回動可能に挟持される回動部35aと、該回動部35aの他端側である先端側にゴム、シリコンなどで形成された滑り止め及び緩衝材として機能する滑止・緩衝材35bとを有し、第1の回動軸部21の回動軸方向(支持軸方向)に長い横断面形状、例えば略矩形状に形成されている。
スタンド兼連結部35を第1の回動軸部21の回動軸方向に長い断面矩形形状にすることで、連結体15の表示装置1の奥行き方向D1(図10)の寸法を小さくしつつ、第2の使用形態(スタンド支柱部30から分離した場合)での表示装置1を支える安定性を増すことができる。すなわち、第2の使用形態での設置場所との接触部位は、第1の実施の形態のスタンド兼連結部23の場合には、設置用レール13と滑止・緩衝材23bで囲まれる形状は略三角形となるが、第2の実施の形態のスタンド兼連結部35の場合には、滑止・緩衝材35bが滑止・緩衝材23bに較べて第1の回動軸部21の回動軸方向(表示装置1の下部の長手方向)に長いので、設置用レール13と滑止・緩衝材35bで囲まれる形状は、長辺側が設置用レール13間となり、短辺側が滑止・緩衝材35bの長さとなる4角形や台形形状となり、表示装置1に対して同じ傾きの場合にはスタンド兼連結部35の方が表示装置1を支える面積が大きくなり、より安定性が高くなる。
スタンド兼連結部35の長手方向(基端部から先端側の方向)の長さは、図9、図10に示すように、そのスタンド兼連結部35の長手方向の長さを液晶ディスプレイ3と並行するようにした状態で、表示装置1の正面側フレーム1aの底辺部1bまでの長さ以上(同一長さを含む)の長さに形成されている。本実施形態としては表示装置1の正面側フレーム1aの底辺部1bまでの長さが113mmで、底辺部1bから19mm程度の突出量としており、従って、図10(b)状態を正面から見た図9に示すように、正面側フレーム1aの底辺部1bよりも下方までスタンド兼連結部35が延びる長さを有している。
本実施形態に係る支柱37は、図14に示すように横断面外形が楕円形状に形成され、スタンド兼連結部35の横断面の略矩形形状と相似形の挿入穴39を設けている。
挿入穴39は、横断面略矩形の穴であり、スタンド兼連結部35を挿入した状態ではスタンド兼連結部35の滑止・緩衝材35bが挿入穴39の底部に当接してスタンド兼連結部35を支持している。また、挿入穴39の横断面の大きさは、挿入したスタンド兼連結部35が不快なガタツキを生じず、スタンド兼連結部35が挿脱自在となる大きさに形成されている。従って、表示装置1の水平方向への回動力は、連結体15とスタンド兼連結部35を介して支柱37に伝達される。
支柱37とスタンドベース45には、互いに水平方向Yに回動可能とするため、従来技術で示した嵌合金具105、嵌合受け金具106と同様に、嵌合金具41と嵌合受け金具43が設けられ、嵌合金具41及び嵌合受け金具43は互いに回動可能に係合するような形状に作られている。
また、支柱37のスタンドベース45側底辺には、スタンドベース45との回動時に不快な摩擦音などの発生を抑えたり、接触傷を抑えるために、円滑部材47を設けている。円滑部材47は、スタンドベース45の材質との関係で適宜選択できるが例えば、プラスチック、硬質のゴムやシリコンなどを使用できる。
支柱37とスタンドベース45の連結部分では、支柱37の円滑な回動の実現と前記スタンドベース45回動時の摩擦音や接触傷を抑えるためにするために、図9に示すように、回動中心となる嵌合金具41と嵌合受け金具43から離れるほど隙間49を大きく形成するように設けている。尚、スタンドベース45は、支柱37及び連結体15を介して表示装置1を所定高さに支持できる大きさを有する。
また、本実施の形態では、図15〜19に示すように把持部17に表示装置1のリモートコントロール装置53を保持するリモコンホルダー51を設けている。本実施の形態の表示装置1は、支柱37から分離して使用できるため、表示装置1とリモートコントロール装置53も分離されてしまう不具合を生じる可能性があるが、表示装置1と共に支柱37より分離する把持部17にリモコンホルダー51を設けることで、移動先にリモートコントロール装置53を付帯させることができるため、うっかりリモートコントロール装置53の置き忘れや紛失などの事態を事前に回避できる。
本実施形態でのリモコンホルダー51は、図18のように、表示装置1側に取り付ける取り付け部51aと、リモートコントロール装置53と係合して保持できる形状をした2つの爪片51bを有している。
具体的には、図19のようにリモートコントロール装置53が、その先端53aが他端53bにかけて大きく窄まる形状をしている場合、図19のようにリモートコントロール装置53の窄まり形状をしている端部53b側から2つの爪片51bに対して挿入する形で係合させると、大きめに形成された先端53a側で引っ掛かり、図15のように係合状態となる。この場合、リモコンホルダー51の爪片51b−51b間隔は、表示装置1の上辺側から下辺側に対して窄まるように適度な傾斜を有する形状とすることで窄まり形状のリモートコントロール装置53との嵌合が良くなり、望ましい。
また、リモコンホルダー51をプラスチックなどの適度な柔軟性を持った材料を用いて形成し、且つ、2つの爪片51b−51b間でリモートコントロール装置53を挟圧可能な形状に形成した場合、リモートコントロール装置53をリモコンホルダー51への挿入方向に多少の力を加えると爪片51bがしなってリモートコントロール装置53をリモコンホルダー51内に狭圧係合状態とすることができる。
リモコンホルダー51の爪片51bを、リモートコントロール装置53を保持した時にやや締め付けるくらいに設計しておくと、リモートコントロール装置53の形状は先端(53a側)大きくしたり、他端(53B側)が窄まり形状にしたりする必要はなく、いろんな形状のリモートコントロール装置53を保持できる。
尚、リモコンホルダー51の形状や取り付け位置などは限定するものではなく、表示装置1の裏面に直接取り付けるなどでもよい。表示装置1と共にリモートコントロール装置53を移動できる形状、形態、場所であればよい。また、リモコンと嵌合する形状であればどのような形状であってもよい。表示装置1自体にリモートコントロール装置53を嵌合して同時に持ち運べるようにしてもよい。
以上、第2実施形態での相違点を中心に構成、作用効果を説明したが、第1の実施形態に記載した作用効果も奏することは言うまでもない。
尚、前記スタンド兼連結部35は、第1の回動軸部21の回動軸方向に長い横断面略矩形状で説明したが、横断面略矩形状に限定するものではなく、スタンド兼連結部35の回動が支柱37へ伝達可能な形状であればよい。
また、リモコンホルダー51については第2の実施形態で説明したが、第1の実施の形態にも適用できることはいうまでもない。
また、前記第1、第2の実施形態では、挿入穴27、39からスタンド兼連結部23、35を引き抜く構成であるが、挿入穴27、39からスタンド兼連結部23、35の抜けを防止する図示しない棒状の連結ピンを支柱25、37を貫通し、スタンド兼連結部23、35に挿入するように形成できる。係る構成とすることで、把持部17を持ち上げることで表示装置1からスタンドベース29、49までを一体として移動することができる。抜け防止手段としては連結ピンを挿入する方法に限らないことはもちろんである。より詳細に、第3の実施の形態として以下説明する。
[第3の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第3の実施形態を詳細に説明する。尚、上記した構成と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略し、上記第2の実施の形態との相違部分を中心に説明する。上記第2の実施の形態との相違部分は、概略するとスタンド兼連結部に抜け防止用の窪み59と、挿入方向規制用の突起61とを設け、長さを液晶ディスプレイ3と並行するようにした状態で、表示装置1の正面側フレーム1aの底辺部1bまでの長さ以下(同一長さを含む)の長さに変更し(図20、図21)、該スタンド兼連結部の抜け防止機構を支柱に設け(図20〜図24)、また、支柱とスタンド兼連結部の連結時及び連結後の表示装置1の仰角を規制するために第1の回動軸部21に突起55と支柱の上端形状を変更し(図20、図21)、第1の回動軸部21とスタンド兼連結部間に表示装置1の仰角として推奨する角度の報知機構を設けた(図25)点にある。以下、詳細に説明する。
[スタンド兼連結部57]
本実施形態に係るスタンド兼連結部57は、スタンド兼連結部35と同様に略矩の断面形状だが、その長さを表示装置1の正面側フレーム1aの底辺部1b(設置用レール13)を越えない長さ(同一長を含む)であって少なくとも第2の使用形態でスタンドとして表示装置1を支えることのできる長さに形成されている。スタンド兼連結部57をこのような長さにすることで、第2の使用形態での表示装置1の重心をスタンド兼連結部57側(背面側カバー側)に掛けることとなり、転倒するような外力が加わっても表示装置1は背面側カバー7側に転倒するのみで、デリケートな表示画面の破損を確実に防ぐことができる。
スタンド兼連結部57には、支柱65と連結した状態での抜け防止用の窪み59(図20)と、支柱65への挿入方向を1方向に規制するため規制突起61(図21)を設けている。
[スタンド兼連結部側抜け防止機構]
抜け防止用窪み59(図20)は、スタンド兼連結部57の滑止・緩衝材35bを表示装置1の底辺部1b側に向けた状態で表示装置1と対向する面の裏面側であって、その長手方向(回動部35a−滑止・緩衝材35b方向)の自由端側(滑止・緩衝材35b側)よりに形成されている。抜け防止用窪み59の形状は、スタンド兼連結部57の幅方向に長い略三角柱状であって、自由端側(滑止・緩衝材35b側)に向かって徐々に窪みの深さを深く形成している。
[挿入規制機構]
規制突起61(図21)は、スタンド兼連結部57の抜け防止用窪み59の裏面側に、スタンド兼連結部57の支柱65への挿入方向に垂直方向(「挿入垂直方向」と略記する場合がある)に延びる山形、凸形部である。規制突起61はスタンド兼連結部57の支柱65への挿入方向を1方向に規制する挿入規制機構の一例であり、規制突起61の位置、形状に限定するものではない。挿入規制機構を、例えば、突起や溝(凹み、窪み、切欠き)にて形成する場合にはスタンド兼連結部57の支柱65に挿入される部分に挿入垂直方向に山形、凸形等の突起や溝を形成すればよく、また、突起や溝を設けずにスタンド兼連結部57の断面形状、すなわち支柱65に挿入される形状を1方向に規制する断面形状、例えば断面台形等に形成してもよい。
上記のように挿入規制機構を設けることで、予期せぬ方向に表示装置1が位置することによりアンバランスな第1の使用形態としたり、転倒を防ぐことができる。すなわち、表示装置1側に重心が掛かる支柱65の転倒を防止するためにスタンドベース45(図21)は支柱65より後方側に較べて表示面側に大きく迫出す形状としているが、誤って支柱65にスタンド兼連結部57を逆向きに挿入すると転倒の可能性があるので、挿入規制機構を設けることで係る転倒の可能性を確実に無くすことができる。
[回動規制部材]
支柱65とスタンド兼連結部57の連結時と連結後の表示装置1の仰角を規制するために第1の回動軸部21に突起55を設けている(図20、図21)。
突起55は、第1の回動軸部21にスタンド兼連結部57の回動方向に所定長さに形成されている。本実施形態では第1の回動軸部21の突起55の形成していない表面をスタンド兼連結部57の回動軸心から等距離の略半円形状に形成しており、突起55を形成した部分ではスタンド兼連結部57の回動軸心からの距離が突起55を設けない部分よりも長くすることで、突起55が支柱65と干渉する状態では抜け防止機構が正常に機能せずに不安定な姿勢となり、許容範囲越えた姿勢での取り付けであることをユーザに知らせることができる。
また、抜け防止機構が正常に機能する第1の使用形態であっても不安定なバランス状態となるような仰角方向の傾斜を行う場合には突起55の下方側面55aが支柱65の上部面69の後方エッジ69a(図21)に干渉、衝突し、それ以上の仰角方向への回動を規制し、第1の使用形態でのアンバランスな使用を未然に防ぐことができる。
また、突起55を支柱65の上部面69と係合又は近接し、表示装置1と同期して回動する部分、例えば、第1の回動軸部21に設けることで、第2の使用形態での表示装置1の仰角規制をすることなく、第1の使用形態へ移行する時の姿勢規制と、第1の使用形態での表示装置1の無理な仰角方向の回動規制とを実現でき、結果として、第1の使用形態での表示装置1の仰角変更許容範囲と第2の使用形態でのその許容範囲とを異なる範囲とでき、使用形態に合せた安全な使用を確保できる。
尚、前記規制を実現する手段としては、スタンド兼連結部57の回動軸から第1の回動軸部21表面までの距離が異なる形状(規制範囲の距離を長く)であればよく、例えば、突起55に替えて第1の回動軸部21の表面を楕円等に形成することでも同様の作用効果を得ることが出来る。尚、本実施の形態では、表示装置1の設置面の垂直方向からの傾斜角度を約10度傾けられるように突起55、又は突起55及び支柱65の後方エッジ69aを形成している。
[把持部17b]
表示装置1は持ち運びを容易とするため、把持部17bを備えている。この把持部17bは掴むことが可能なものであればよい。本実施形態では、支柱65とスタンド兼連結部57の挿脱を容易とするために把持部17bは把持部17よりも固定部19に対する傾斜角度を少なくしている。これにより、把持部17bを持った時に表示装置1が振らつくことがないので簡単、スムーズに第1、第2の使用形態の移行を可能とできる。
また、把持部17bは円還形であれば持ち運び及び壁掛けに便利であるが、持ち運びには矩形、壁掛けには三角形の形状も適している。
[支柱65]
支柱65は、前記第2の実施形態の支柱37と較べて概略すると上部面69形状、挿入穴71形状、開閉蓋73、スタンド兼連結部57の抜け防止機構77等が異なる。(図20〜図24)。
支柱65の上部面69は、第1の回動軸部21の下面と凹凸係合するように表示装置1の表示面側から裏面側方向に向かって徐々に高さを高くするように形成している。係る形状により、第1の使用形態で支柱65と第1の回動軸部21間の隙間を減らし、分離可能な表示装置1側と支柱65側の見た目の一体感を出すことができ、デザイン的に優れたものとできる。さらに、支柱65へのスタンド兼連結部57の挿入時に、突起55が上部面69と接触するような挿入である場合には、上部面69と第1の回動軸部21の下面が凹凸係合せずに隙間が生じるため、不適切な挿入であることをユーザに認識させることが可能となる。
挿入穴71は、スタンド兼連結部57の挿入する穴であり、規制突起61を設けたスタンド兼連結部57の挿入垂直方向の断面形状と略相似形に形成している(図22)。
[干渉防止用部材]
挿入穴71内には、スタンド兼連結部57と所定隙間を維持する干渉防止用部材としてブロック状、棒状、及び/又は板状等のゴム、プラスチック、シリコン等の緩衝材72a,72bを挿入穴71内の長手方向中心より開口側に設けている。緩衝材72a,72bは、挿入垂直方向に関して環状又は部分的に設けてもより。挿入穴71内に挿入されたスタンド兼連結部57は、軸側側面を緩衝材72a,72bを介して、先端部を滑止・緩衝材35bとを介してそれぞれ挿入穴71内に支持されるため、支柱67に対する表示装置1の不快なぐらつきや干渉音を減らすことができる。
また、挿入穴71内のスタンド兼連結部57の滑止・緩衝材35bとの対向部分89或いはその近傍を磁石にて形成し、該滑止・緩衝材35bを金属にて形成することで、第1の使用形態では挿入穴71底部の磁石にスタンド兼連結部57の先端が吸引されることで支柱67内のスタンド兼連結部57の不快なぐらつきや干渉音を減らすことができる。
[蓋部材73]
開閉蓋73は、挿入穴71内上部に、一端側を軸支され、常に挿入穴71の開口を閉じる方向に付勢された蓋部材である(図22,23)。第2の使用状態では開閉蓋73が挿入穴71開口を閉じるため、挿入穴71内の汚れを防げる。
[支柱側抜け防止機構]
図23は図22のB−B断面斜視図であり、図24は図23の抜け防止機構77部分の裏面側からの透視図であり、図25は図24の状態から操作部79を押圧した時の抜け防止機構77の作用を説明する透視図である。
図23に示すように抜け防止機構77は、ユーザの操作部79と、第1の使用状態で抜け防止用窪み59(図20)に挿入、凹凸係合し、操作部79の操作(例えば、押圧)により該抜け防止用窪み59から抜け、凹凸係合を解除する挿抜部85と、操作部79と挿抜部85とを往復直線摺動可能に収納するフレーム81と、操作部79と挿抜部85をそれぞれフレーム81内から外方向に付勢するバネ83、87で形成されている。
操作部79は、指との接触面を多くし、押圧力を分散させるために中央を窪ませた面取りした操作ボタンを有し、挿抜部85の抜け防止用窪み59に挿入する部位は抜け防止用窪み59の形状に相似形の略三角柱状としている。操作部79と挿抜部85のフレーム81内での摺動方向は、互いに略垂直方向であり、バネ83、87の付勢方向も略垂直方向としている。
フレーム81の側壁には、図24に示すように操作部79の移動方向にその移動をガイドする第1ガイド孔81aと、挿抜部85の移動方向にその移動をガイドする第2ガイド孔81bとを設けており、該第1ガイド孔81aには操作部79のガイド突起79aが、該第2ガイド孔81bには挿抜部85のリンクロッド85aがそれぞれ往復摺動可能に係合している。
操作部79には、操作部79の移動に伴ってリンクロッド85aを第2ガイド孔81bに沿って押圧変位させる傾斜辺であるリンク辺79bを設けている。
上記構成により、支柱65にスタンド兼連結部57を連結した状態(図23)で把持部17bを引き上げた場合には、挿抜部85の第1干渉面85cと対向するスタンド兼連結部57の抜け防止用窪み59の第2干渉面59aとが干渉し、支柱67とスタンドベース45を一体として引き上げ可能となり、第1の使用状態での移動を可能としている。
第2の使用状態に移行する場合には、操作部79をバネ83の付勢力に抗して押圧することで、図24(a)(b)に示すようにガイド突起79aが第1ガイド孔81a内を移動しつつリンク辺79bがリンクロッド85aを押圧することでリンクロッド85aが第2ガイド孔81d内で後方(挿抜部85を抜け防止用窪み59内から引き抜く方向)に移動し、それと同期して該リンクロッド85aを形成する挿抜部85がバネ87に抗して後方に移動し、挿抜部85が抜け防止用窪み59内から引き抜かれる。係る操作部79のスタンド兼連結部57の挿入方向H1への押圧状態で把持部17bを引き上げることで、挿抜部85の第1干渉面85cが第2干渉面59aと干渉することなく、支柱67からスタンド兼連結部57が引き抜かれる。このとき、操作部79に対してスタンド兼連結部57の挿入方向H1へ力を作用させて支柱部の持ち上がりを抑えつつ、把持部17bを持ち上げることによりスタンド兼連結部57のスタンド支柱部からの離脱方向H2に力が作用するので、反作用の力が加わって抜脱がし易く、かつ安定した抜脱ができる。
[報知機構]
図25は、表示装置1の推奨仰角度の報知機構の一例として、第1の回動軸部21(図20)とスタンド兼連結部57の回動部35aに設けた発音部91を示している。
発音部91は、第1の回動軸部21に締結される軸受け部22に設けた長孔22c(図25(b))に回転可能に設けたローラー93と、該ローラー93と係合する切欠き94a,94bを設けた板状のローラー受け部95と、該ローラー93を該ローラー受け部95側に常に付勢する付勢手段97とで構成されている。
軸受け部22は、ネジ止め等により第1の回動軸部21に締結される締結面22aと、回動部35aの回動軸36を軸支する軸支面22bと、該軸支面22bのローラー93を回転自在に許容する長孔22cを有している。
長孔22cは、回動軸36の軸受け22dに近接し、且つ、切欠き94a,94bに対向する位置にあり、短径がローラー93を所定隙間を持って遊嵌する。長孔22cの長手方向のローラー93の移動を、一端側を軸受け22dが規制し、他端側を付勢手段97の基端部97aが規制している。尚、長孔22cは少なくともローラー93が付勢手段97の付勢力を受けて該付勢方向に関して揺動自在となる大きさ、形状であればよい。
ローラー93は球を用いているが、回動自在な形状、例えば、円筒型、円錐型であってもよい。またローラー95の材質は金属を用いているが、ローラー受け部95との回転接触音、切欠き94a,94bとの係合時の報知音等を考慮し、金属、樹脂等の任意の素材を選択できる。
ローラー受け部95は、軸支面22bに軸支される回動軸36から鍔状に突出した板状部材であり、該回動軸36から略等距離にリング状に切り欠いた切欠き94a,94bを設けている。ローラー受け部95は平板状に形成しているがローラー93との当接部位にローラー93の誘導レールを設けることでローラー受け部95に対するローラー93の移動方向の案内となり、スムーズな回転ができる。誘導レールとしては、例えば、ローラー93を誘導可能な幅の溝で形成できる。
切欠き94a,94bは、前記ローラー93が通過しない開口を有し、係合したローラー93の安定性を高めるためにローラー93の直径未満の径を有するリング状に形成することでローラー93のセンタリング効果を得ている。さらに、切欠き94a,94bの開口縁には、該ローラー93と凹凸係合する湾曲面(接触面)94cを形成することで、切欠き94a,94bに係合するローラー93の安定性、センタリング効果を高めている。
切欠き94aは、第2の使用形態から第1の使用形態に移行する時に支柱65にスタンド兼連結部57を連結する時の推奨角度、すなわち、表示装置1に対してスタンド兼連結部57が略並行(略0度)となる時にローラー93が対向する位置に設けられ、切欠き94bは、第2の使用形態で表示装置1の推奨傾き角度、例えば、設置面の垂直方向に対して表示装置1の表示画面が約15度の傾きとなる時にローラー93が対向する位置に設けられている。尚、切欠きの形成個数、位置は、これに限定するものではなく、ユーザに推奨角度として知らせたい事象により任意に変更できる。
付勢手段97は、ローラー93をローラー受け部95側に常に付勢しており、軸支面22bのローラー受け部95側で基端部97aをネジ99にて締結され、軸支面22bの縁部で折り返すU字状に形成され、自由端近傍の腹部面97bがローラー93をローラー受け部95に所定の付勢力で押圧している。
以上の構成により、ローラー93が切欠き94aに係合した状態からスタンド兼連結部57を軸回転させると回動軸36及びローラー受け部95も、ローラー93が付勢手段97から受ける付勢力とローラー93と切欠き94a間のセンタリング力に抗して回転し、ローラー93がローラー受け部95の平坦面を転がり、切欠き94bの湾曲面94cと凹凸係合した時に付勢手段97から受ける付勢力とローラー93と切欠き94b間のセンタリング力により「カチ」との推奨角度を告げる報知音が鳴る。よって、使用者は推奨角度を報知されるので、安全な使用であることを知ることが出来き、ユーザフレンドリーな装置とできる。尚、切欠き94bから切欠き94aへの回動も同様であり、支柱65に挿入するスタンド兼連結部57の角度をユーザが「カチ」との推奨角度を告げる報知音で知ることができ、安全な角度であることを認識できる。
尚、付勢手段97は板バネに限定するものではなく、常にローラー93をローラー受け部95に押圧する弾性部材、例えばゴムでもよい。
また、報知機構として推奨角度をユーザに聴覚的に知らせる構成、例えば発音部93を説明したが、その構成は限定するものではなく角度変化に伴って音声を出力できる構成であればよい。また、報知音を例えば、発光素子、発光部材により視覚的にユーザに推奨角度を知らせることにより同様の効果を得ることも出来る。
また、第3実施の形態の構成を第1の実施の形態の構成に適用することで同様の作用効果を得ることが出来ることは言うまでもない。
次に、第1の使用形態時に表示装置に内蔵されたバッテリーを充電する場合について第4の実施の形態として以下に説明する。尚、第4の実施の形態では、前記第3の実施の形態との相違を中心に説明する。
[第4の実施形態]
本実施の形態のスタンド兼連結部57bは、図26に示すように前記第3の実施の形態のスタンド兼連結部57の滑止・緩衝材35bの一部に、表示装置1に内蔵されたバッテリー11と電気的に接続されたコネクタ部C1を設けている。
本実施形態のコネクタ部C1は、滑止・緩衝材35bから露出する、後述するコネクタ部C2との接点を有する。前記接点形状は、限定するものではなく、例えば平面形状、メス型ピン形状等で形成できる。
導線Lは、コネクタ部C1からスタンド兼連結部57内を通ってバッテリー11に接続されている。
一方、コネクタ部C1への電源供給側となるスタンド支柱65bは、前記第3の実施の形態の対向部分89のうち、前記コネクタ部C1との対向部分にコネクタ部C2を有しており、第1の使用形態において前記コネクタ部C1との間で電気的接続を確保している。
前記コネクタ部C2は、交流電源用プラグP1からの交流電流を直流電流に変換する直流電源供給部(AC−DC変換器を含む)P2に接続されている。
従って、第1の使用形態では、電源プラグP1を図示しないプラグ差込口に差し込むことによって電源供給部P2からの直流電流がコネクタ部C2、コネクタ部C1、及び導線Lを介してバッテリー11に供給される。
上記構成により、第2の使用形態では表示装置1のみを持ち運んで、バッテリー11からの電源供給によりその持ち運び先で表示装置1の駆動が可能となり、第1の使用形態においては、表示装置1に備わったバッテリー11を充電するとともに、表示装置1の表示が可能となって使い勝手が良くなる。尚、直流電源供給部P2からの電流はバッテリー11の充電のみならず、表示装置1自体の電源とすることもできることは言うまでもない。
尚、コネクタ部C1、C2の取り付け位置や形状等は限定するものではなく、第1の使用形態において電気的接続関係を確保できる位置、形状等であればよい。
以上説明した通り、本発明の要旨によれば、表示部を狭い場所やテーブル上への移動や、壁掛けでの利用など、設置場所に限定されることなく種々の使用形態で表示装置を有効に利用可能となり、汎用性の高い表示装置を提供できた。