しかし、高圧電源の接続端子と被給電ローラの接続端子とは、開口部から離れた位置である装置本体の奥側で接続されるため、その接続が良好に行われているか否かの確認が困難であり、特に、装置本体内の奥側に位置する接続端子が折れ曲がり等の不具合を発生している場合にその確認が難しい。
また、高圧電源の接続端子の折曲がり等の不具合を確認できても、その不具合の修理のためには装置本体の奥側のカバーを外したりする手間がかかり、簡単に修理することができない。
本発明の目的は、中間転写ユニットの被給電ローラへの給電を視認が容易な位置で行い、接続端子の折れ曲がり等の不具合の発生の確認やその不具合の修理を容易に行えるようにすることである。
本発明の別の目的は、高圧電源から中間転写ユニットの被給電ローラへの給電の安定化を図ることである。
請求項1記載の発明の給電用面板は、装置本体の一面に形成された開口部を閉止する閉止位置と前記開口部を開放する開放位置とに回動可能に前記装置本体に取り付けられる面板本体と、前記面板本体に形成され、この面板本体を開放位置と閉止位置との間で回動させるときに前記装置本体内に収納された中間転写ユニットの導電性を有する被給電ローラの端部に取り付けられている導電性を有する軸受が前記面板本体内に抜き差しされる軸受用抜き差し開口と、前記面板本体内に設けられ、前記面板本体内に差し込まれた前記軸受に当接してこの軸受を支持する軸受支持部と、前記面板本体内に収納され、この面板本体が閉止位置に位置するときに前記装置本体内に収納された高圧電源の接続端子から前記面板本体内に差し込まれた前記軸受に給電する給電部材と、を具備する。
したがって、装置本体に給電用面板を取り付け、この給電用面板を装置本体の開口部を閉止する閉止位置へ回動させることにより、装置本体内に収納された中間転写ユニットの被給電ローラの端部に取り付けられている軸受が軸受用抜き差し開口から面板本体内に差し込まれ、面板本体内に差し込まれた軸受は面板本体内に設けられた軸受支持部に当接してこの軸受支持部により支持される。給電用面板が閉止位置に位置して被給電ローラに取り付けられている軸受が軸受支持部に支持されることにより、装置本体内に収納された高圧電源の接続端子から軸受へ給電部材を介して給電することが可能になり、さらに、軸受から被給電ローラへ給電される。
高圧電源から軸受を介して被給電ローラへ給電する給電部材が面板本体内に収納されているので、高圧電源から被給電ローラへ給電するための配線を装置本体内に設ける必要がなくなり、この給電用面板を使用することによって装置本体内の配線構造が簡易化される。また、この給電用面板を使用することによって、高圧電源の接続端子と被給電ローラが給電を受ける部分である軸受とを装置本体の開口部側に配置することができるので、給電を行う部分である高圧電源の接続端子や被給電ローラの軸受が折れ曲がりやその他の不具合を発生した場合、発生した不具合の確認やその不具合の修理を速やかに行える。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の給電用面板において、前記給電部材は、軸心方向に摺動可能に設けられて先端部が前記高圧電源の接続端子に当接される導電性ピンと、前記導電性ピンに接続されてこの導電性ピンを前記接続端子との当接方向に向けて付勢する導電性スプリングと、導電性を有する前記軸受支持部と、一端が前記導電性スプリングに接続されて他端が前記軸受支持部に接続された絶縁被覆電線と、を備えている。
したがって、導電性スプリングに付勢された導電性ピンが高圧電源の接続端子に当接されるので、給電部材と高圧電源の接続端子との電気的接続が安定する。さらに、面板本体内に差し込まれた軸受に当接してこの軸受を支持する軸受支持部が導電性を有して給電部材の一部とされているため、給電部材と軸受との電気的接続が安定する。これにより、給電部材を使用して行われる高圧電源から被給電ローラへの給電が安定する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の給電用面板において、前記給電部材は、軸心方向に摺動可能に設けられて先端部が前記高圧電源の接続端子に当接される導電性ピンと、前記導電性ピンに接続されてこの導電性ピンを前記接続端子との当接方向に向けて付勢する導電性スプリングと、前記軸受に当接される第2導電性スプリングと、一端が前記導電性スプリングに接続されて他端が前記第2導電性スプリングに接続された絶縁被覆電線と、を備えている。
したがって、導電性スプリングに付勢された導電性ピンが高圧電源の接続端子に当接されるので、給電部材と高圧電源の接続端子との電気的接続が安定する。また、面板本体内に差し込まれて軸受支持部に支持されている軸受に対して、給電部材の一部である第2導電性スプリングが当接されているので、給電部材と軸受との電気的接続が安定する。これにより、給電部材を使用して行われる高圧電源から被給電ローラへの給電が安定する。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の給電用面板において、前記給電部材は、軸心方向に摺動可能に設けられて先端部が前記高圧電源の接続端子に当接される導電性ピンと、前記導電性ピンに接続されてこの導電性ピンを前記接続端子との当接方向に向けて付勢する導電性スプリングと、前記軸受に弾性的に当接される導電板と、一端が前記導電性スプリングに接続されて他端が前記導電板に接続された絶縁被覆電線と、を備えている。
したがって、導電性スプリングに付勢された導電性ピンが高圧電源の接続端子に当接されるので、給電部材と高圧電源の接続端子との電気的接続が安定する。また、面板本体内に差し込まれて軸受支持部に支持されている軸受に対して、給電部材の一部である導電板が弾性的に当接されているので、給電部材と軸受との電気的接続が安定する。これにより、給電部材を使用して行われる高圧電源から被給電ローラへの給電が安定する。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の給電用面板において、前記給電部材は、軸心方向に摺動可能に設けられて先端部が前記高圧電源の接続端子に当接される導電性ピンと、前記導電性ピンに接続されてこの導電性ピンを前記接続端子との当接方向に向けて付勢する導電性スプリングと、導電性を有する前記軸受支持部と、一端が前記導電性スプリングに接続されて他端が前記軸受支持部に接続された導電板と、を備えている。
したがって、導電性スプリングに付勢された導電性ピンが高圧電源の接続端子に当接されるので、給電部材と高圧電源の接続端子との電気的接続が安定する。さらに、面板本体内に差し込まれた軸受に当接してこの軸受を支持する軸受支持部が導電性を有して給電部材の一部とされているため、給電部材と軸受との電気的接続が安定する。これにより、給電部材を使用して行われる高圧電源から被給電ローラへの給電が安定する。また、軸受を支持する軸受支持部が、給電部材の一部として軸受に電気的に接続されるため、軸受と給電部材とを電気的に接続するための専用部品が不要となり、それに伴って電気的な接続箇所の数が減るために給電の際の給電ロスが低減される。さらに、給電部材において、一端が導電性スプリングに接続されて他端が軸受支持部に接続された部材として導電板を用いることにより、給電部材が安価な構造となる。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の給電用面板において、前記給電部材は、軸心方向に摺動可能に設けられて先端部が前記高圧電源の接続端子に当接される導電性ピンと、前記導電性ピンに接続されてこの導電性ピンを前記接続端子との当接方向に向けて付勢する導電性スプリングと、前記軸受に当接される第2導電性スプリングと、一端が前記導電性スプリングに接続されて他端が前記第2導電性スプリングに接続された導電板と、を備えている。
したがって、導電性スプリングに付勢された導電性ピンが高圧電源の接続端子に当接されるので、給電部材と高圧電源の接続端子との電気的接続が安定する。また、面板本体内に差し込まれて軸受支持部に支持されている軸受に対して、給電部材の一部である第2導電性スプリングが当接されているので、給電部材と軸受との電気的接続が安定する。これにより、給電部材を使用して行われる高圧電源から被給電ローラへの給電が安定する。さらに、給電部材において、一端が導電性スプリングに接続されて他端が第2導電性スプリングに接続された部材として導電板を用いることにより、給電部材が安価な構造となる。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の給電用面板において、前記給電部材は、軸心方向に摺動可能に設けられて先端部が前記高圧電源の接続端子に当接される導電性ピンと、前記導電性ピンに接続されてこの導電性ピンを前記接続端子との当接方向に向けて付勢する導電性スプリングと、一端が前記導電性スプリングに接続されて他端が前記軸受に弾性的に当接される導電板と、を備えている。
したがって、導電性スプリングに付勢された導電性ピンが高圧電源の接続端子に当接されるので、給電部材と高圧電源の接続端子との電気的接続が安定する。また、面板本体内に差し込まれて軸受支持部に支持されている軸受に対して、給電部材の一部である導電板が弾性的に当接されているので、給電部材と軸受との電気的接続が安定する。これにより、給電部材を使用して行われる高圧電源から被給電ローラへの給電が安定する。さらに、給電部材において、一端が導電性スプリングに接続されて他端が軸受に弾性的に当接される部材として導電板を用いることにより、給電部材が安価な構造となる。
請求項8記載の発明は、請求項2ないし7のいずれか一記載の給電用面板において、前記軸受への前記給電部材の当接位置が、前記軸受の内輪の端面である。
したがって、軸受への給電部材の当接位置を軸受の内輪の端面とすることにより、内輪は被給電ローラに対して最も近接しており、給電部材を軸受の他の部分に当接させる場合と比較して給電ロスが低減される。
請求項9記載の発明は、請求項2ないし7のいずれか一記載の給電用面板において、前記軸受への前記給電部材の当接位置が、前記軸受の外輪の端面である。
したがって、軸受の外輪は非回転状態に維持されるために外輪と給電部材との当接状態が一定に維持され、外輪と給電部材との当接箇所における接点ノイズの発生が低減され、また、当接による磨耗が生じないため軸受及び給電部材の寿命が長くなる。
請求項10記載の発明は、請求項2ないし7のいずれか一記載の給電用面板において、前記軸受への前記給電部材の当接位置が、前記軸受の外輪の外周面である。
したがって、給電部材は、回転する部材である軸受の内輪や被給電ローラの軸部との接触が確実に防止され、給電部材が軸受の内輪や被給電ローラの軸部に接触することに伴う接点ノイズの発生が低減され、また、当接による磨耗が生じないため軸受及び給電部材の寿命が長くなる。
請求項11記載の発明は、請求項2ないし7のいずれか一記載の給電用面板において、前記軸受への前記給電部材の当接位置が、前記中間転写ユニットの自重が前記軸受から前記給電部材に作用する位置である。
したがって、給電部材と軸受との当接状態が中間転写ユニットの自重を利用して安定して維持され、給電部材と軸受との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生が防止される。
請求項12記載の発明は、請求項2ないし7のいずれか一記載の給電用面板において、前記軸受への前記給電部材の当接位置が、前記被給電ローラを押圧する押圧部材の押圧方向と対向する位置である。
したがって、給電部材と軸受との当接状態が押圧部材の押圧力を利用して安定して維持され、給電部材と軸受との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生が防止される。
請求項13記載の発明は、請求項2ないし7のいずれか一記載の給電用面板において、前記軸受へ前記給電部材を押圧する押圧機構を有する。
したがって、装置本体に対して外部からの衝撃が加わったような場合でも給電部材と軸受との当接状態が押圧機構の押圧力によって安定して維持され、給電部材と軸受との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生が防止される。
請求項14記載の発明は、請求項2又は5記載の給電用面板において、導電性を有する前記軸受支持部が前記軸受の外輪の外周面に当接し、前記軸受支持部の該当接箇所の形状が平面形状である。
したがって、面板本体内に差し込まれた軸受の外輪の外周面が軸受支持部の平面形状部分に当接し、軸受支持部により、軸受への給電と軸受の支持とが行われる。
請求項15記載の発明は、請求項2又は5記載の給電用面板において、導電性を有する前記軸受支持部が前記軸受の外輪の外周面に当接し、前記軸受支持部の該当接箇所の形状がU字形状である。
したがって、面板本体内に差し込まれた軸受の外輪の外周面が軸受支持部のU字形状部分に当接し、軸受支持部により、軸受への給電と軸受の支持と軸受の横方向の位置決めとが行われる。
請求項16記載の発明は、請求項2又は5記載の給電用面板において、導電性を有する前記軸受支持部が前記軸受の外輪の外周面に当接し、前記軸受支持部の該当接箇所の形状がV字形状である。
したがって、面板本体内に差し込まれた軸受の外輪の外周面が軸受支持部のV字形状部分に当接し、軸受支持部により、軸受への給電と軸受の支持と軸受の横方向の位置決めとが行われる。
請求項17記載の発明は、請求項2、5、14、15又は16記載の給電用面板において、導電性を有する前記軸受支持部の表面にニッケル層が設けられている。
したがって、軸受支持部の表面にニッケル層が設けられていることにより、軸受支持部の電気抵抗が低減され、かつ、錆の発生が抑制され、軸受支持部を利用した良好な給電状態が長期間にわたって維持される。
請求項18記載の発明は、請求項3又は6記載の給電用面板において、前記第2導電性スプリングの先端部が内側に折り曲げられている。
したがって、第2導電性スプリングの切り先が軸受や被給電ローラの軸部などに接触することによる傷の発生、そのような傷の発生に伴う電気抵抗の増大が防止される。
請求項19記載の発明は、請求項3、6又は18記載の給電用面板において、前記第2導電性スプリングの表面にニッケル層が設けられている。
したがって、第2導電性スプリングの表面にニッケル層が設けられていることにより、第2導電性スプリングの電気抵抗が低減され、かつ、錆の発生が抑制され、第2導電性スプリングを利用した良好な給電状態が長期間にわたって維持される。
請求項20記載の発明は、請求項4又は7記載の給電用面板において、前記導電板が前記軸受の外輪の外周面に当接し、前記導電板の該当接箇所の形状が平面形状である。
したがって、面板本体内に差し込まれた軸受の外輪の外周面が導電板の平面形状部分に当接することにより、軸受への給電が行われる。
請求項21記載の発明は、請求項4又は7記載の給電用面板において、前記導電板が前記軸受の外輪の外周面に当接し、前記導電板の該当接箇所の形状がU字形状である。
したがって、面板本体内に差し込まれた軸受の外輪の外周面が導電板のU字形状部分に当接することにより、軸受への給電と軸受の横方向の位置決めとが行われる。
請求項22記載の発明は、請求項4又は7記載の給電用面板において、前記導電板が前記軸受の外輪の外周面に当接し、前記導電板の該当接箇所の形状がV字形状である。
したがって、面板本体内に差し込まれた軸受の外輪の外周面が導電板のV字形状部分に当接することより、軸受への給電と軸受の横方向の位置決めとが行われる。
請求項23記載の発明は、請求項4又は7記載の給電用面板において、前記導電板が前記軸受の外輪の外周面に当接し、前記導電板の該当接箇所の形状が山形形状である。
したがって、面板本体内に差し込まれた軸受の外輪の外周面に山形形状の導電板の頂点部が当接し、軸受の外輪と導電板との当接が確実に行われ、及び、その当接部を利用した給電が確実に行われる。
請求項24記載の発明は、請求項4、7、20,21,22又は23記載の給電用面板において、前記導電板の表面にニッケル層が設けられている。
したがって、導電板の表面にニッケル層が設けられていることにより、導電板の電気抵抗が低減され、かつ、錆の発生が抑制され、導電板を利用した良好な給電状態が長期間にわたって維持される。
請求項25記載の発明の画像形成装置は、一面に開口部が形成された装置本体と、前記装置本体内に収納された高圧電源と、前記装置本体内に収納されてトナー像が形成される画像形成部と、前記装置本体内に収納されて前記画像形成部で形成されたトナー像が転写される中間転写ユニットと、請求項1ないし24のいずれか一記載の給電用面板と、を具備する。
したがって、この画像形成装置によれば、請求項1ないし24のいずれか一記載の発明と同様の作用を奏する。
請求項1記載の発明によれば、高圧電源から被給電ローラへ被給電ローラに取り付けられている軸受を介して給電する給電部材が面板本体内に収納されているので、高圧電源から被給電ローラへ給電する配線を装置本体内に設ける必要がなくなり、この給電用面板を用いることによって装置本体内の配線構造を簡単化することができる。さらに、この給電用面板を使用することによって、高圧電源の接続端子と被給電ローラの軸受とを装置本体の開口部側に配置することができるので、給電を行う部分である高圧電源の接続端子や被給電ローラの軸受が折れ曲がりやその他の不具合を発生した場合、発生した不具合の確認やその不具合の修理を速やかに行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、給電部材を使用した高圧電源から被給電ローラへの給電を安定して行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、給電部材は軸受に当接される第2導電性スプリングを含んでおり、この給電部材を使用した高圧電源から被給電ローラへの給電を安定して行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、給電部材は軸受に弾性的に当接される導電板を含んでおり、この給電部材を使用した高圧電源から被給電ローラへの給電を安定して行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、給電部材を使用した高圧電源から被給電ローラへの給電を安定して行うことができる。また、軸受を支持する軸受支持部が、給電部材の一部として軸受に電気的に接続されるため、軸受と給電部材とを電気的に接続するための専用部品を不要とすることができるとともに給電の際の給電ロスを低減できる。さらに、給電部材において、一端が導電性スプリングに接続されて他端が軸受支持部に接続された部材として導電板を用いることにより、給電部材を安価な構造とすることができる。
請求項6記載の発明によれば、給電部材は軸受に当接される第2導電性スプリングを含んでおり、この給電部材を使用した高圧電源から被給電ローラへの給電を安定して行うことができる。さらに、給電部材において、一端が導電性スプリングに接続されて他端が軸受支持部に接続された部材として導電板を用いることにより、給電部材を安価な構造とすることができる。
請求項7記載の発明によれば、給電部材は軸受に弾性的に当接される導電板を含んでおり、この給電部材を使用した高圧電源から被給電ローラへの給電を安定して行うことができる。さらに、給電部材において、一端が導電性スプリングに接続されて他端が軸受支持部に接続された部材として導電板を用いることにより、給電部材を安価な構造とすることができる。
請求項8記載の発明によれば、軸受への給電部材の当接位置を軸受の内輪の端面とすることにより、内輪は被給電ローラに対して最も近接しており、給電部材を軸受の他の部分に当接させる場合と比較して最も給電ロスを低減させることができる。
請求項9記載の発明によれば、軸受への給電部材の当接位置を軸受の外輪の端面とすることにより、軸受の外輪は非回転状態に維持されるために外輪と給電部材との当接状態が一定に維持され、外輪と給電部材との当接箇所における接点ノイズの発生を低減させることができ、また、当接による磨耗が生じないため軸受及び給電部材の長寿命化を図ることができる。
請求項10記載の発明によれば、軸受への給電部材の当接位置を軸受の外輪の外周面とすることにより、給電部材が回転する部材である軸受の内輪や被給電ローラの軸部と接触することを確実に防止でき、給電部材が軸受の内輪や被給電ローラの軸部に接触することに伴う接点ノイズの発生を低減することができ、また、当接による磨耗が生じないため軸受及び給電部材の長寿命化を図ることができる。
請求項11記載の発明によれば、軸受への給電部材の当接位置を中間転写ユニットの自重が軸受から給電部材に作用する位置とすることにより、給電部材と軸受との当接状態を中間転写ユニットの自重を利用して安定して維持することができ、給電部材と軸受との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生を防止できる。
請求項12記載の発明によれば、軸受への給電部材の当接位置を被給電ローラを押圧する押圧部材の押圧方向と対向する位置とすることにより、給電部材と軸受との当接状態を押圧部材の押圧力を利用して安定して維持することができ、給電部材と軸受との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生を防止できる。
請求項13記載の発明によれば、軸受へ給電部材を押圧する押圧機構を有することにより、装置本体に対して外部からの衝撃が加わったような場合でも給電部材と軸受との当接状態を押圧機構の押圧力によって安定して維持することができ、給電部材と軸受との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生を防止できる。
請求項14記載の発明によれば、導電性を有する軸受支持部における軸受の外輪の外周面に当接する箇所が平面形状であるので、軸受支持部により軸受への給電と軸受の支持とを行うことができる。
請求項15記載の発明によれば、導電性を有する軸受支持部における軸受の外輪の外周面に当接する箇所がU字形状であるので、軸受支持部により軸受への給電と軸受の支持と軸受の横方向の位置決めとを行うことができる。
請求項16記載の発明によれば、導電性を有する軸受支持部における軸受の外輪の外周面に当接する箇所がV字形状であるので、軸受支持部により軸受への給電と軸受の支持と軸受の横方向の位置決めとを行うことができる。
請求項17記載の発明によれば、導電性を有する軸受支持部の表面にニッケル層が設けられていることにより、軸受支持部の電気抵抗を低減でき、かつ、錆の発生を抑制でき、良好な給電状態を長期間にわたって維持できる。
請求項18記載の発明によれば、第2導電性スプリングの先端部が内側に折り曲げられているので、第2導電性スプリングの切り先が軸受や被給電ローラの軸部などに接触することによる傷の発生、そのような傷の発生に伴う電気抵抗の増大を防止でき、良好な給電状態を維持できる。
請求項19記載の発明によれば、第2導電性スプリングの表面にニッケル層が設けられていることにより、第2導電性スプリングの電気抵抗を低減でき、かつ、錆の発生を抑制でき、良好な給電状態を長期間にわたって維持できる。
請求項20記載の発明によれば、導電板における軸受の外輪の外周面に当接する箇所が平面形状であるので、導電板により軸受への給電を行うことができる。
請求項21記載の発明によれば、導電板における軸受の外輪の外周面に当接する箇所がU字形状であるので、導電板により軸受への給電と軸受の横方向の位置決めとを行うことができる。
請求項22記載の発明によれば、導電板における軸受の外輪の外周面に当接する箇所がV字形状であるので、導電板により軸受への給電と軸受の横方向の位置決めとを行うことができる。
請求項23記載の発明によれば、導電板における軸受の外輪の外周面に当接する箇所が山形形状であるので、軸受の外輪の外周面と導電板との当接を確実に行わせ、その当接部を利用した給電を確実に行うことができる。
請求項24記載の発明によれば、導電板の表面にニッケル層が設けられていることにより、導電板の電気抵抗を低減でき、かつ、錆の発生を抑制でき、良好な給電状態を長期間にわたって維持できる。
請求項25記載の発明によれば、請求項1ないし24のいずれか一記載の発明と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態の画像形成装置は、いわゆるタンデム方式のカラープリンタであり、図1はこのカラープリンタ1の内部の概略構造を示す正面図、図2はその内部の概略構造を示す平面図である。
まず、このカラープリンタ1の内部構成について図1及び図2を参照して説明する。このカラープリンタ1の装置本体2内には、画像形成部3、光書込部4、給紙部5、定着部6等が収納されている。
画像形成部3は、それぞれ異なる色のトナー像を形成する4つの作像ユニット7Y,7C,7M,7K(Y、C、M、Kの添え字はそれぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色を意味し、これらの添え字は必要に応じて省略する。)、これらの作像ユニット7の上側に位置する中間転写ユニット8、押圧部材としても機能する二次転写ローラ8a等から構成されている。装置本体2の正面部分には開口部2a(図3参照)が形成され、各作像ユニット7や中間転写ユニット8が開口部2aから着脱可能に取り付けられている。
4つの作像ユニット7の構造は同じあり、矢印方向に回転駆動される感光体9、この感光体9の周囲に静電写真プロセスの順に配置された帯電ローラ10、現像ローラ11を有する現像装置12、クリーニングローラ13を有するクリーニング装置14等により構成されている。4つの感光体9は互いに平行であって等間隔に配置されている。各感光体9は、例えば、直径30〜100mm程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機半導体層を設けた構成とされている。なお、このドラム状の感光体9に代えてベルト状の感光体を用いることもできる。
中間転写ユニット8は、中間転写ベルト15、中間転写ベルト15を回転可能に支持する3つのローラ16,17,18、4つの一次転写ローラ19、クリーニングローラ20を有するクリーニング装置21等により構成されている。3つのローラ16,17,18のうちの一つのローラ18は、中間転写ベルト15上のトナー像を記録媒体Sに転写するための給電が行われる被給電ローラとされている。また、この被給電ローラ18は、中間転写ベルト15を回転駆動させる駆動力が伝達される駆動ローラとしても用いられている。中間転写ベルト15は、例えば、基体の厚さが50〜600μmの樹脂フィルム或いはゴムを基体とするベルトであって、感光体9からのトナー像を転写可能とする抵抗値を有している。
光書込部4は作像ユニット7の下側に配置され、各色ごとの画像データに対応するレーザー光を一様に帯電された感光体9の表面に照射し、感光体9の表面に静電潜像を形成する。各帯電ローラ10と各現像装置12との間には、この光書込部4から照射されるレーザー光が通過する細長いスリットが形成されている。この光書込部4としては、レーザー光源、ポリゴンミラー等を用いたレーザースキャン方式のものを示しているが、LEDアレイと結像手段とを組合せた光書込部を用いてもよい。
給紙部5は、装置本体2内に収納された給紙カセット22から記録媒体Sを給紙する給紙ローラ23、装置本体2の側面に取り付けられた手差しトレイ24から記録媒体Sを給紙する給紙ローラ25、レジストローラ26等を備えている。
定着部6は、定着ローラ6aと加圧ローラ6bとを備え、トナー像が転写された記録媒体Sに熱と圧力とを加えることによりそのトナー像を記録媒体Sに定着する。
装置本体2の手前側部分には、クリーニング装置14,21によってクリーニングされた残留トナーを貯留する廃トナー回収ボトル27が配置されている。この廃トナー回収ボトル27は、満杯になったときに交換できるように着脱可能に取り付けらけれている。この廃トナー回収ボトル27は、装置本体2の外周部分に取り付けられる外装板(図示せず)の内側に配置される。
装置本体2内における開口部2aから見て奥側となる位置には、モータやギヤ等から構成される駆動ユニット28が配置されている。中間転写ユニット8や作像ユニット7を開口部2aから装置本体2内へ装着することにより、被給電ローラ(駆動ローラ)18や感光体9の回転軸に設けられている連結カップリング29が、駆動ユニット28側の連結カップリング30と連結され、駆動ユニット28から感光体9や被給電ローラ18への駆動力伝達が可能になる。
このような構成において、このカラープリンタ1の基本的な動作について説明する。光書込部4の半導体レーザーから画像データに応じたレーザー光が出射され、このレーザー光が各感光体9の表面に照射されることにより各感光体9上に静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像装置12から供給されたトナーが付着し、静電潜像がトナー像として顕像化される。このトナー像は感光体9と同期して移動する中間転写ベルト15上に一次転写ローラ19の転写作用で転写される。そして、各感光体9上に形成された異なる色のトナー像が中間転写ベルト15上に順次転写されることにより、中間転写ベルト15上にはカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト15上のカラートナー像は、給紙カセット22又は手差しトレイ24から給紙され、レジストローラ26によりタイミングをとって転写位置に搬送された記録媒体S上に被給電ローラ18と二次転写ローラ8aとによる転写作用で転写される。カラートナー像が転写された記録媒体Sは定着部6で定着処理され、定着処理後に装置本体2の上面部に形成されている排紙トレイ31上に排紙される。
このような構成の下、本実施の形態の特徴的部分について以下に説明する。装置本体2の正面側には開口部2aが形成され、この開口部2aからは装置本体2内へ中間転写ユニット8と各作像ユニット7とが着脱可能に取り付けられている。作像ユニット7や中間転写ユニット8を開口部2aから装置本体2内へ取り付けることにより、連結カップリング29と駆動ユニット28の連結カップリング30とが連結され、駆動ユニット28から感光体9や被給電ローラ18への駆動力伝達が可能となる。さらに、装置本体2内には、開口部2aの近傍に位置してこの開口部2aに対向する高圧電源51が配置され、この高圧電源51には複数の接続端子52(図5参照)が設けられている。これらの接続端子52は全て開口部2aに対向する位置に配置されている。
装置本体2の正面側には、開口部2aを閉止する閉止位置と開口部2aを開放する開放位置とへ回動可能に給電用面板53が取り付けられている。給電用面板53は、支軸54により装置本体2に回動可能に取り付けられている。
給電用面板53は、図4に示すように、外周ケース55、3枚の絶縁プレート56,57,58、位置決め板59等により構成され、外周ケース55に対して位置決め板59を固定することにより面板本体55aが形成されている。この面板本体55a内に、絶縁プレート56,57,58と、高圧電源51から装置本体2内に設けられている被給電部材(例えば、現像ローラ11、帯電ローラ10、一次転写ローラ19等)に給電するための複数の給電部材とが収納されている。絶縁プレート56,57,58は積層構造に連結され、これらの絶縁プレート56,57,57によって複数の給電部材が支持されている。給電用面板53を閉止位置へ回動させたとき、高圧電源51と被給電部材とが給電部材を介して接続され、高圧電源51から被給電部材への給電が可能となる。
位置決め板59は、装置本体2内に収納されている被位置決め部材(例えば、感光体9、帯電ローラ10、被給電ローラ18等)を支持して位置決めする部材であり、金属で形成されている。この位置決め板59には、給電用面板53を閉止位置に回動させたとき、感光体9の端部に取り付けられている軸受9aが挿入保持される穴65や、帯電ローラ10の端部に取り付けられている軸受(図示せず)が挿入保持される穴66や、被給電ローラ18の端部に取り付けられている軸受71が抜き差しされる軸受用抜き差し開口72が形成され、さらに、給電部材を構成する導電性ピン61が挿通される複数の穴67が形成されている。
図5は、給電用面板53の内部構造の詳細を示している。なお、この図5では、図面を簡略化するために最も内側(位置決め板59側)に位置する1枚の絶縁プレート58を省略している。給電用面板53には、高圧電源51から被給電部材に給電するための複数の給電部材が収納されており、図5では、それらの給電部材の一つである高圧電源51の接続端子52から被給電ローラ18に取り付けられている軸受71に給電する給電部材73を示している。
この給電部材73は、軸心方向に摺動可能に設けられて給電用面板53を閉止位置に回動させたときに先端部が高圧電源51の接続端子52に当接される導電性ピン61と、導電性ピン61に接続されてこの導電性ピン61を接続端子52との当接方向に向けて付勢する導電性スプリング74と、位置決め板59の内側面であって軸受用抜き差し開口72の縁部に絶縁板75を介して固定された導電性を有する軸受支持部76と、一端が導電性スプリング74に接続されて他端が軸受支持部76に接続された絶縁被覆電線77とにより構成されている。
軸受支持部76は、図6(a)に示すように、軸受用抜き差し開口72から面板本体55a内に差し込まれた軸受71の外輪71aの外周面に当接してこの軸受71を支持する位置に位置付けられ、軸受支持部76における外輪71aの外周面との当接箇所の形状が平面形状に形成されている。
このような構成において、装置本体2に取り付けられている給電用面板53を開口部2aを閉止する閉止位置へ回動させると、図5に示すように、導電性ピン61の先端部が高圧電源51の接続端子52に当接され、及び、被給電ローラ18に取り付けられている軸受71が軸受用抜き差し開口72から面板本体55a内に差し込まれ、軸受71の外輪71aの外周面が軸受支持部76に当接して支持される。
これにより、高圧電源51の接続端子52から軸受71への給電が可能となり、さらに、軸受71への給電が行われた場合には、軸受71から被給電ローラ18へ被給電ローラ18の軸部を介して給電される。
ここで、高圧電源51から軸受71を介して被給電ローラ18へ給電する給電部材73が面板本体55a内に収納されているので、高圧電源51から被給電ローラ18へ給電するための配線を装置本体2内に設ける必要がなくなり、給電用面板53を使用することによって装置本体2内の配線構造を簡易化することができる。また、この給電用面板53を使用することによって、高圧電源51の接続端子52と被給電ローラ18の給電を受ける部分としての軸受71とを装置本体2の開口部2a側に配置することができるので、給電を行う部分である高圧電源51の接続端子52や被給電ローラ18の軸受71が折れ曲がりやその他の不具合を発生した場合、発生した不具合の確認やその不具合の修理を速やかに行える。
給電部材73を用いて高圧電源51から被給電ローラ18へ給電する場合、導電性スプリング74に付勢された導電性ピン61が高圧電源51の接続端子52に当接されるので、給電部材73と高圧電源51の接続端子52との電気的接続が安定する。さらに、面板本体55a内に差し込まれた軸受71に当接してこの軸受71を支持する軸受支持部76が導電性を有して給電部材73の一部とされているため、給電部材73と軸受71との電気的接続が安定する。これにより、給電部材73を使用して行われる高圧電源51から被給電ローラ18への給電が安定する。また、軸受71を支持する軸受支持部76が給電部材73の一部として軸受71に電気的に接続されるため、軸受71と給電部材73とを電気的に接続するための専用部品が不要となる。
図6(b)、図6(c)は、ともに変形例の軸受支持部76a,76bを示すものである。図6(b)に示した軸受支持部76aは、軸受支持部76aにおける外輪71aの外周面との当接箇所の形状がU字形状に形成されている。これにより、軸受支持部76aにより、軸受71への給電と、軸受71の支持と、軸受71の横方向(図面中の左右方向)の位置決めとを行える。図6(c)に示した軸受支持部76bは、軸受支持部76bにおける外輪71aの外周面との当接箇所の形状がV字形状に形成されている。これにより、軸受支持部76bにより、軸受71への給電と、軸受71の支持と、軸受71の横方向(図面中の左右方向)の位置決めとを行える。
また、図6(a)、(b)、(c)の各図に示した軸受支持部76,76a,76bにおいて、軸受支持部76,76a,76bの表面にニッケル層をメッキ処理や蒸着処理などで設けることが有効である。軸受支持部76,76a,76bの表面にニッケル層を設けることにより、軸受支持部76,76a,76bの電気抵抗が低減され、かつ、錆の発生が抑制され、軸受支持部76,76a,76bを利用した良好な給電状態を長期間にわたって維持することができる。
本発明の第2の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。なお、図1ないし図6において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の実施の形態でも同じ)。
本実施の形態では、位置決め板59の内側面であって軸受用抜き差し開口72の縁部に、樹脂により形成されて導電性を有しない軸受支持部81が固定されている。給電用面板53を閉止位置へ回動させることにより軸受用抜き差し開口72から面板本体55a内に差し込まれた軸受71は、外輪71aの外周面が軸受支持部81に当接して支持される。なお、この軸受支持部81における軸受71の外輪71aの外周面と当接する箇所の形状については、図6(a)に示したように平面形状としてもよく、又は、図6(b)に示したようにU字形状としてもよく、又は、図6(c)に示したようにV字形状としてもよい。
面板本体55a内には、給電部材の一つとして、高圧電源51の接続端子52から被給電ローラ18に取り付けられている軸受71に給電する給電部材82が収納されている。この給電部材82は、導電性ピン61と、導電性スプリング74と、軸受71の端面に当接される第2導電性スプリング83と、一端が導電性スプリング74に接続されて他端が第2導電性スプリング83に接続された絶縁被覆電線77とにより構成されている。
第2導電性スプリング83の軸受71に当接する側の先端部は、図8に示すように内側に折り曲げられている。
このような構成において、装置本体2に取り付けられている給電用面板53を開口部2aを閉止する閉止位置へ回動させると、図7に示すように、導電性ピン61の先端部が高圧電源51の接続端子52に当接され、及び、被給電ローラ18に取り付けられている軸受71が軸受用抜き差し開口72から面板本体55a内に差し込まれ、軸受71の外輪71aの外周面が軸受支持部81に当接して支持される。さらに、軸受71の端面に第2導電性スプリング83が当接される。
これにより、高圧電源51の接続端子52から軸受71への給電が可能となり、さらに、軸受71への給電が行われた場合には、軸受71から被給電ローラ18へ被給電ローラ18の軸部を介して給電される。
ここで、高圧電源51から軸受71を介して被給電ローラ18へ給電する給電部材82が面板本体55a内に収納されているので、高圧電源51から被給電ローラ18へ給電するための配線を装置本体2内に設ける必要がなくなり、給電用面板53を使用することによって装置本体2内の配線構造を簡易化することができる。また、この給電用面板53を使用することによって、高圧電源51の接続端子52と被給電ローラ18の給電を受ける部分としての軸受71とを装置本体2の開口部2a側に配置することができるので、給電を行う部分である高圧電源51の接続端子52や被給電ローラ18の軸受71が折れ曲がりやその他の不具合を発生した場合、発生した不具合の確認やその不具合の修理を速やかに行える。
給電部材82を用いて高圧電源51から被給電ローラ18へ給電する場合、導電性スプリング74に付勢された導電性ピン61が高圧電源51の接続端子52に当接されるので、給電部材73と高圧電源51の接続端子52との電気的接続が安定する。さらに、面板本体55a内に差し込まれた軸受71の端面に第2導電性スプリング83が当接されているので、給電部材82と軸受71との電気的接続が安定する。これにより、給電部材82を使用して行われる高圧電源51から被給電ローラ18への給電が安定する。
第2導電性スプリング83は、図8に示すように軸受71に当接する側の先端部が内側に折り曲げられているので、第2導電性スプリング83の切り先が軸受71や被給電ローラ18の軸部などに接触することが防止され、接触により傷の発生や、そのような傷の発生に伴う電気抵抗の増大が防止され、高圧電源51から被給電ローラ18への給電を安定して行える。
また、第2導電性スプリング83の表面にニッケル層をメッキ処理や蒸着処理などで設けることが有効である。第2導電性スプリング83の表面にニッケル層を設けることにより、第2導電性スプリング83の電気抵抗が低減され、かつ、錆の発生が抑制され、第2導電性スプリング83を利用した良好な給電状態を長期間にわたって維持することができる。
本発明の第3の実施の形態を図9ないし図11に基づいて説明する。本実施の形態では、面板本体55a内に、給電部材の一つとして、高圧電源51の接続端子52から被給電ローラ18に取り付けられている軸受71に給電する給電部材85が収納されている。この給電部材85は、導電性ピン61と、導電性スプリング74と、軸受71の外輪71aの外周面に弾性的に当接される導電板86と、一端が導電性スプリング74に接続されて他端が導電板86に接続された絶縁被覆電線77とにより構成されている。
このような構成において、装置本体2に取り付けられている給電用面板53を開口部2aを閉止する閉止位置へ回動させると、図9に示すように、導電性ピン61の先端部が高圧電源51の接続端子52に当接され、及び、被給電ローラ18に取り付けられている軸受71が軸受用抜き差し開口72から面板本体55a内に差し込まれ、軸受71の外輪71aの外周面が軸受支持部81に当接して支持される。さらに、軸受71の外輪71aの外周面に導電板86が弾性的に当接される。
これにより、高圧電源51の接続端子52から軸受71への給電が可能となり、さらに、軸受71への給電が行われた場合には、軸受71から被給電ローラ18へ被給電ローラ18の軸部を介して給電される。
ここで、高圧電源51から軸受71を介して被給電ローラ18へ給電する給電部材85が面板本体55a内に収納されているので、高圧電源51から被給電ローラ18へ給電するための配線を装置本体2内に設ける必要がなくなり、給電用面板53を使用することによって装置本体2内の配線構造を簡易化することができる。また、この給電用面板53を使用することによって、高圧電源51の接続端子52と被給電ローラ18の給電を受ける部分としての軸受71とを装置本体2の開口部2a側に配置することができるので、給電を行う部分である高圧電源51の接続端子52や被給電ローラ18の軸受71が折れ曲がりやその他の不具合を発生した場合、発生した不具合の確認やその不具合の修理を速やかに行える。
給電部材85を用いて高圧電源51から被給電ローラ18へ給電する場合、導電性スプリング74に付勢された導電性ピン61が高圧電源51の接続端子52に当接されるので、給電部材73と高圧電源51の接続端子52との電気的接続が安定する。さらに、面板本体55a内に差し込まれた軸受71の外輪71aの外周面に導電板86が弾性的に当接されているので、給電部材85と軸受71との電気的接続が安定する。これにより、給電部材85を使用して行われる高圧電源51から被給電ローラ18への給電が安定する。
導電板86と軸受71との当接に関しては、導電板86が軸受71の外輪71aの外周面に当接されており、外輪71aは非回転状態に維持される部材であるため、導電板86と外輪71aとの当接状態も略一定に維持され、導電板86と外輪71aとの当接状態が変動することによる接点ノイズの発生が低減される。また、当接による磨耗が生じないために軸受71及び給電部材85の寿命が長くなる。さらに、導電板86を軸受71の外輪71aの外周面に当接させたことにより、導電板86が回転する部材である軸受71の内輪71bや被給電ローラ18の軸部に接触することを確実に防止できる。
図11(a)、図11(b)、図11(c)は、ともに変形例の導電板86a,86b,86cを示すものである。導電板86の形状としては、軸受71の外輪71aの外周面との当接箇所の形状を図10に示すように平面形状に形成してもよく、又は、図11(a)に示すようなU字形状、図11(b)に示すようなV字形状、図11(c)に示すような山形形状に形成してもよい。図11(a)に示すようなU字形状、図11(b)に示すようなV字形状に形成した場合には、軸受71の横方向(図面中の左右方向)の位置決めを行える。また、図11(c)に示すように山形形状に形成した場合には、給電用面板53が閉止位置へ向けて回動することに伴って導電板86cと外輪71aの外周面との当接力が次第に上昇し、給電用面板73が閉止位置に回動したときには山形形状の頂点部が外輪71aの外周面に当接し、外輪71aの外周面と導電板86とが確実に当接し、その当接部分で確実な給電が行われる。
また、上述した各導電板86,86a,86b,86cにおいて、その表面にニッケル層をメッキ処理や蒸着処理などで設けることが有効である。導電板86,86a,86b,86cの表面にニッケル層を設けることにより、導電板86,86a,86b,86cの電気抵抗が低減され、かつ、錆の発生が抑制され、導電板86,86a,86b,86cを利用した良好な給電状態を長期間にわたって維持することができる。
本発明の第4の実施の形態を図12に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第1の実施の形態(図1ないし図6参照)と同じであり、本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、給電部材の構造である。本実施の形態の給電部材90では、第1の実施の形態で説明した給電部材73で使用した絶縁被覆電線77に代えて導電板91を用いている。つまり、本実施の形態の給電部材90は、導電性ピン61と、導電性スプリング74と、導電性を有する軸受支持部76と、一端が導電性スプリング74に接続されて他端が軸受支持部76に接続された導電板91とにより構成されている。
したがって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態で説明した作用、効果に加え、絶縁被覆電線77に代えて導電板91を用いることにより、給電部材90を安価な構造とすることができる。
本発明の第5の実施の形態を図13に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第2の実施の形態(図7及び図8参照)と同じであり、本実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、給電部材の構造である。本実施の形態の給電部材92では、第2の実施の形態で説明した給電部材82で使用した絶縁被覆電線77に代えて導電板91を用いている。つまり、本実施の形態の給電部材92は、導電性ピン61と、導電性スプリング74と、第2導電性スプリング83と、一端が導電性スプリング74に接続されて他端が第2導電性スプリング83に接続された導電板91とにより構成されている。
したがって、本実施の形態によれば、第2の実施の形態で説明した作用、効果に加え、絶縁被覆電線77に代えて導電板91を用いることにより、給電部材92を安価な構造とすることができる。
本発明の第6の実施の形態を図14に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第3の実施の形態(図9ないし図11参照)と同じであり、本実施の形態が第3の実施の形態と異なる点は、給電部材の構造である。本実施の形態の給電部材93では、第3の実施の形態で説明した給電部材85で使用した絶縁被覆電線77と導電板86とに代えて導電板91を用いている。つまり、本実施の形態の給電部材93は、導電性ピン61と、導電性スプリング74と、一端が導電性スプリング74に接続されて他端が軸受71の外輪71aの外周面に弾性的に当接される導電板91とにより構成されている。
したがって、本実施の形態によれば、第3の実施の形態で説明した作用、効果に加え、絶縁被覆電線77と導電板86とに代えて導電板91を用いることにより、給電部材93を安価な構造とすることができる。
本発明の第7の実施の形態を図15及び図16に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第3の実施の形態(図9ないし図11参照)と同じであり、本実施の形態が第3の実施の形態と異なる点は、給電部材の構造である。本実施の形態の給電部材94では、第3の実施の形態で説明した給電部材85で使用した導電板86に代えて導電板95を用いている。つまり、本実施の形態の給電部材94は、導電性ピン61と、導電性スプリング74と、絶縁被覆電線77と、導電板95とにより構成されている。導電板95は、軸受71の内輪71bの端面に当接されている。
したがって、軸受71への給電部材94の当接位置が軸受71の内輪71bの端面であり、内輪71bは軸受71において被給電ローラ18に対して最も近接しており、給電部材を軸受71の他の部分に当接させる場合と比較して最も給電ロスが低減され、効率のよい給電を行える。
本発明の第8の実施の形態を図17及び図18に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第7の実施の形態(図15及び図16参照)と同じであり、本実施の形態が第7の実施の形態と異なる点は、給電部材の構造である。本実施の形態の給電部材96では、第7の実施の形態で説明した導電板95に代えて導電板97を用いている。つまり、本実施の形態の給電部材96は、導電性ピン61と、導電性スプリング74と、絶縁被覆電線77と、導電板97とにより構成されている。導電板97は、軸受71の外輪71aの端面に当接されている。
したがって、軸受71への給電部材96の当接位置が軸受71の外輪71aの端面であり、軸受71の外輪71aは非回転状態に維持される部材であるため、外輪71aの端面に給電部材96を当接させて給電を行っても接点ノイズの発生が低減される。また、当接による磨耗も生じないため、軸受71及び給電部材96の寿命が長くなる。
本発明の第9の実施の形態を図19に基づいて説明する。本実施の形態の中間転写ユニット8は、ローラ16側が上方となり、ローラ17及び被給電ローラ18が下方となるように傾けて装置本体2内に収納されている。このため、中間転写ユニット8の自重はローラ17及び被給電ローラ18側に作用し、導電板86を軸受71の外輪71aの外周面に当接させることにより中間転写ユニット8の自重が導電板86に作用している。
したがって、給電部材の導電板8と軸受71との当接状態が中間転写ユニット8の自重を利用して安定して維持され、給電部材の導電板8と軸受71との当接状態が安定し、この当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生が防止される。
本発明の第10の実施の形態を図20に基づいて説明する。本実施の形態では、給電用面板53を閉止位置へ回動させたときにおいて、被給電ローラ18に当接されてこの被給電ローラ18を押圧する押圧部材である二次転写ローラ8aからの押圧力が作用する押圧方向(矢印F方向)と対向する位置で給電部材の導電板86が軸受71の外輪71aの外周面に当接されている。
したがって、給電部材の導電板86と軸受71との当接状態が二次転写ローラ8aの押圧力を利用して安定して維持され、導電板8と軸受71との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生が防止される。
本発明の第11の実施の形態を図21に基づいて説明する。本実施の形態では、給電部材の導電板86を保持し、この導電板86を軸受71の外輪71aの外周面に押圧する押圧機構100が面板本体55a内に設けられている。押圧機構100は、スライド操作が可能な操作レバー101と、操作レバー101の端部に回動可能に連結された可動式アーム102と、可動式アーム102を付勢するトーションスプリング103とにより構成されている。可動式アーム102に導電板86が保持され、導電板86はトーションスプリング103の付勢力によって軸受71の外輪71aの外周面に押圧されている。操作レバー101を矢印a方向へスライドさせることにより、可動式アーム102に作用するトーションスプリング103の付勢力が低減され、導電板86の外輪71aの外周面に対する押圧が解除される。
したがって、装置本体2に対して外部からの衝撃が加わったような場合でも導電板86と軸受71との当接状態が押圧機構100の押圧力によって安定して維持され、導電板86と軸受71との当接状態が安定して維持され、導電板86と軸受71との当接状態が変動することに伴う接点ノイズの発生が防止される。