JP2005114398A - 欠陥観察方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 傾斜観察方向を自動的に決定し、傾斜レビュー画像を自動的に撮像することができる欠陥観察技術を提供する。
【解決手段】 欠陥検出後にその欠陥画像を多方向から詳細に観察する欠陥観察システムにおいて、SEMの平面画像(トップダウン像)から、傾斜画像を撮るべき位置をADCのデータを用いて自動で画面上に表示し、この画面上に表示した画像の中からユーザが指定することにより欠陥を選択し、この選択した欠陥ごとに傾斜角度と方向を決めて傾斜画像(ビームチルト像)を撮像し、欠陥の傾斜画像を取得する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、工業製品の欠陥の自動観察技術に関し、特に、欠陥検出後にその欠陥を詳細観察することが重要である半導体製品の前工程検査後の欠陥画像を多方向から容易に観察する方法に適用して有効な技術に関するものである。
本発明者が検討したところによれば、欠陥の観察技術に関しては、以下のような技術が考えられる。
たとえば、半導体の微細化に伴い、半導体の前工程製造プロセスの制御はますます困難になってきており、従来、半導体ウェーハの外観検査により検出された半導体欠陥の数の変動をもとにしたプロセス管理では、高い歩留まりで半導体を製造することができなくなってきている。そこで、外観検査装置による検査後に、検査時に得られた欠陥の画像をより詳細なレビュー装置で観察することが一般的に行われている。
半導体は年々微細化されており、これに伴い新たなプロセスが導入されている。一般に、新たなプロセスの導入時には、そのプロセスに対するノウハウが蓄積されていないため、多くの欠陥が発生する。この欠陥の発生原因を解明するうえで、SEMによる斜方からの観察が重要である。たとえば、配線の側壁の観察をすることで、パターン系の欠陥の発生要因を推定することが可能な場合がある。また、異物のパターン、あるいは下地との接触部を観察することにより、その異物が前の工程で発生したものかを判断することが可能な場合がある。
新規のプロセスの導入時などに、未知の欠陥が発生した場合には、一般的に斜方向からのSEM観察をすることが一般的になってきている。SEMにおいて傾斜した画像を撮像する方法として、たとえばSEMにおいて対象を傾斜して観察する方法としては、特許文献1にあるように、電子光学系より照射する電子線を偏向し,観察対象に電子線を照射する方向を傾斜させて傾斜画像を撮像する方法が提案されている。また、半導体欠陥を観察するSEMであるレビューSEMにおいては、傾斜観察を実現する方法として、SEMによりウェーハの任意の場所を観察できるようにウェーハを移動させるステージ自体を傾斜させる方法や、SEMの電子光学系自体を機械的に傾斜させる方法が適用されている。
特開2000−348658号公報
ところで、前記のような欠陥の観察技術に関して、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
たとえば、前記のような従来技術では、傾斜観察の使い勝手は悪く、特に量産ラインにおいて傾斜観察を利用することは困難であった。量産ラインでの傾斜観察においては、高いスループットを実現するために撮像時間をできるだけ短くすることと、検査装置が検出した欠陥の検出位置座標をもとに自動的に傾斜画像を撮像していくことが望まれている。
前述した、電子光学系より照射する電子線を偏向し、電子線の照射角度を変化させる方法における傾斜画像観察の課題は、対象に明確なエッジ構造がなく、撮像対象物の立体的な形状変化が緩やかに変化する場合には、対象物の立体形状を推定することが難しいことにある。
また、電子線の入射角度を偏向させる方法においては、その入射角度はウェーハの法線方向から±15度程度までしか傾斜させることはできず、高解像度の画像を撮像する必要がある場合には、この傾斜角度は±10度程度まで狭められてしまう。このように小さい傾斜においては、立体的な形状変化が緩やかに変化する対象での見え方はほとんど変化せず、その形状情報を得ることが困難である。
さらに、従来のレビューSEMにおいて、電子光学系を機械的に傾斜させるものでは、傾斜角度の制約は少なく、たとえば0〜+60度程度までの傾斜観察を行うことが可能であり、この大きな傾斜角による撮像により、緩やかな立体形状の変化も顕在化させることが可能である。しかし、電子光学系を傾斜させるのに、例えば5分程度の時間がかかってしまい、高速に傾斜角度を切り替えることができない。さらに、SEMはウェーハおよび電子線の経路をすべて真空に保つ必要があり、気密性を保持したまま電子光学系を傾斜させる機構は複雑であり、高速に傾斜させることができないためである。
一方、ステージを傾斜させる方法では、SEMの電子光学系を傾斜させるよりは高速に傾斜させることができ、また傾斜角度の制約も少なく、電子光学系を機械的に傾斜させる方法と同程度の傾斜角度を実現することができるが、それでも傾斜に数十秒程度を必要とする。また、傾斜をさせることにより撮像する画像の位置が変化し、傾斜角度の異なる同一箇所の観察を行うことが困難である。さらに、ステージの傾斜機構は複雑であり、結果としてステージ重量を増加させることになり、ステージを移動させる際のレスポンスを低下させる。
また、レビューSEMにおいては、検査装置が検出した欠陥のSEM像を連続的かつ自動的に撮像するADR機能が一般的であるが、ステージのレスポンスの低下は、このADRの基本性能であるADRスループットを低下させてしまう。
さらに、従来技術のいずれの方法においても、更なる課題として自動的に傾斜画像を撮像するにあたり、どの方向から傾斜観察をするのかを自動的に決定することができないことが挙げられる。自動的な傾斜画像の撮像においては、立体的な構造を持つ半導体パターンのパターン部に付着する欠陥を撮像するために、欠陥が立体的な構造を持つパターンの死角に入らないように傾斜観察する方向を決定することが必要であるが、この決定方法についての検討は未だ知られておらず、傾斜観察方向を自動的に決定し、傾斜レビュー画像を自動的に撮像するレビュー方法は未だ実現されていない。
そこで、本発明は、傾斜観察方向を自動的に決定し、傾斜レビュー画像を自動的に撮像することができる欠陥観察技術を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、収束電子線を観察欠陥に照射し、観察欠陥の表面から放出される電子を検出して平面画像を取得し、この取得した平面画像から、傾斜画像を撮像するべき位置をADCのデータを用いて自動で画面上に表示し、この画面上に表示した画像の中からオペレータが指示することにより観察欠陥を選択し、この選択した観察欠陥ごとに傾斜角度と方向を決めて収束電子線を観察欠陥に照射し、観察欠陥の表面から放出される電子を検出して傾斜画像を取得する、各ステップを有するものである。
具体的には、収束電子線を観察欠陥に照射し、この観察欠陥の表面から放出される電子を検出し、この検出した電子の強度を画像化するステップにおいて、検出された画像より、斜画像撮像方向を自動的に決定することで傾斜レビュー画像を自動的に撮像し、これで決定された方向に対して収束電子線を電子線偏向器により光軸からずらすように偏向することで、観察欠陥に対して収束電子線を照射する方向を制御して照射し、さらに観察欠陥の表面から放出される電子を2次電子検出器と反射電子検出器とで同時に検出することにより、高速な傾斜撮像方向の切り替えと観察欠陥の立体形状の顕在化を図ることができるようにしたものである。
本発明によれば、傾斜観察方向を自動的に決定し、傾斜レビュー画像を自動的に撮像することができるので、最小限の労力により、傾斜画像の撮像をバッチ処理で自動的に行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1により、本発明による欠陥観察方法を実現するための欠陥観察システムの構成の一例を説明する。図1は本実施の形態の欠陥観察システムの構成図を示す。
本実施の形態による欠陥観察システムは、電子線源101から電子線を照射し、この照射された電子線はコンデンサーレンズ102を通過した後、走査ユニット103,104により電子線を偏向し、この電子線を照射する位置を制御する。偏向ユニット105,120は、電子線の対象物への照射角度を制御し、対物レンズ106により収束されて、ウェーハ118で発生した欠陥107に対して角度ζをもって照射される。
そして、欠陥107からは、この結果、2次電子と反射電子が放出され、2次電子はウィーンフィルタ108により偏向され、2次電子検出器109により検出する。一方、反射電子は、反射電子検出器110,111により検出する。反射電子検出器110,111は異なる方向に設置されており、好ましくはビームの照射位置に対して点対称の関係で設置する。
さらに、2次電子検出器109、反射電子検出器110,111で検出された2次電子および反射電子は、A/Dコンバータ112,113,114でデジタル信号に変換され、メモリ115に格納される。このA/Dコンバータ112,113,114、メモリ115は、コンピュータシステム116に備えられている。
また、コンピュータシステム116には、ユーザに対して画像を表示するGUI117を備え、このGUI117では、メモリ115に格納された2次電子像とそれぞれ異なる方向から撮像された反射電子像を同時、あるいはユーザが選択した画像を表示する。この構成により、ユーザは対象物の欠陥107に対して鉛直方向から傾斜させた電子線の照射により、傾斜して撮像される2次電子像、および2枚の反射電子像を観察することができ、2枚の異なった方向から撮像した傾斜した反射電子像は従来の鉛直方向から電子線を照射した画像に比較して傾斜部の観察を容易にする。
また、ウェーハ118はXYステージ119に搭載され、これによってウェーハ118を移動させ、ウェーハ118の任意の位置の画像撮像を可能にしている。このシステムには、光学式による高さ変位計121が備えられ、この高さ変位計121で得られた高さをもとに対物レンズ106の設定を変化させ、欠陥107でビーム径が最小になるようにする。
図1では、反射電子像の検出器を2つ備えた例を示したが、これは数を減らすことも、あるいは増やすことも可能である。反射電子像の検出器を3つ以上にすることにより、より詳細に対象物の勾配方向を求めることが可能になる。反射電子像の検出器が1つの場合では、定性的には電子線の照射位置における対象表面の勾配方向を求めることができないが、画像における2次元的な反射電子像の明度分布を解析することにより対象物の表面勾配を推定することは可能である。
反射電子像においては、検出強度の強弱は、対象の物性と、検出器の反射電子を検出する方向と、電子が照射された対象表面の法線方向との関係により反射電子の検出される強度が決定されるため、同一の素材で構成されている領域が推定できれば、その領域内の反射電子強度の分布をもとに対象物表面の勾配の推定が可能であるため、2次電子像に比較すると極めて容易に形状を推定できる。一方、2次電子検出器は、コンタクトホール内の欠陥がどの程度ホールを埋めているか、あるいはホール壁の出来ばえを観察するのに有効に機能させることができる。
本発明が適用される半導体製品の製造においては、半導体ウェーハが多数の工程により多層構造的にパターンが形成されていく。この多層構造を製造していく過程において、その製造プロセスをモニタリングするためにレイヤー毎に外観検査や、その外観検査で検出された欠陥のレビュー、欠陥種類ごとの分類が行われる。欠陥のレビュー方法としては、一般に、(1)検査装置が検査中に撮像した画像をレビューするもの、(2)検査装置の外観画像撮像器を用いて再度欠陥の画像を撮像するrevisit形のもの、(3)検査装置とは異なる、レビューSEM等のレビュー装置を用いてレビューするもの、などいくつかの方法が提案され、利用されている。
ここで、(3)のタイプのシーケンスをより詳細に説明すると、外観検査を行った後、検査対象において検出された欠陥のウェーハ上の座標における外観を再度レビュー装置で画像撮像を行って欠陥画像を取得し、次いでその画像をユーザがマニュアルによって異物、パターン欠陥、スクラッチ等の欠陥クラス毎に分類し、各欠陥種における欠陥数、欠陥サイズの分布、ウェーハ上の欠陥発生位置の分布を解析し、製造プロセスの問題点を見つけている。
最近の半導体プロセスはますます微細化してきているため、その製造プロセスは最適な状態から多少ずれただけで不良が多発するようになってきており、新たなより微細なプロセスの適用においては、欠陥部の発生原因を推定することを目的に欠陥部の傾斜画像を撮像することが求められるようになってきている。
現在までに知られているSEMにおいて、傾斜した画像を撮像する方法として、たとえばSEMにおいて対象を傾斜して観察する方法としては、(A)電子光学系より照射する電子線を偏向し,電子線の照射角度を傾斜させて傾斜画像を撮像する方法(例えば特開2000−348658号公報)、(B)SEMによりウェーハの任意の場所を観察できるようにウェーハを移動させるように備えられているステージ自体を傾斜させる方法、(C)電子光学系自体を機械的に傾斜させる方法が適用されている。
しかし、既に述べてきているように、(A)においては、傾斜角度を±10度程度までしか変化させることができないという制約があり、欠陥部の傾斜観察には向かない。(B)と(C)においては、傾斜角を切り替える時間が長くかかり、短時間で多数の欠陥を観察することが要求される量産ラインでの適用に向かない。また、量産ラインでの欠陥観察には検査装置が検出した欠陥座標情報より、欠陥画像を自動的に撮像するADRが広く使われるようになってきているが、(A)、(B)、(C)の全ての方法において、傾斜観察とADRを両立させることは困難であった。
半導体ウェーハに形成されたパターンは立体形状を持っているため、斜め方向からの観察においては欠陥がパターンの影になってしまい、着目する欠陥の傾斜画像が検出できない場合がある。一般に、良好な欠陥の傾斜画像を取得するには、パターンの立体状態と欠陥の位置を把握した後、欠陥が見えやすい方向から傾斜画像を撮像することが望ましいが、従来の技術でこれを実現するものはなく、この結果、傾斜観察はすべてマニュアルで行われている。
そこで、本発明では、この課題を解決するために、まず(A)のビーム偏向を行う技術と反射電子像の検出技術を組み合わせ、±10度程度と小さいビーム偏向角度においても対象の立体的な特徴を顕在化させる傾斜観察方式を見出した。
反射電子を用いることにより、観察対象の立体的な特徴を顕在化させる技術には、例えば特開2003−28811号公報のように、電子線を観察対象の真上、いわゆるトップダウンから照射し、その反射電子を互いに異なる方向から検出し、その差異をもとに立体情報を顕在化させる方式が発明されている。しかし,この方式では、電子線はトップダウンから照射されているため、配線パターンの断面形状が図2(a)の配線201のように逆テーパーの形状をしている場合には、逆テーパーの配線のエッジ部についた欠陥をレビューすることはできない。
また、逆テーパーにはなっていなかった場合においても、図2(b)の配線202に示すように観察対象の表面傾斜とウェーハ面とのなす角θが大きければ、観察対象表面の傾斜の撮像画像において撮像される領域はcos θに比例するために小さくなり、観察対象である欠陥の表面傾斜面を顕在化させにくくなる。一方、ここで図3に示すように、電子線301を角度ζだけ偏向して入射させた場合、撮像される領域はcos(θ・ζ)と増加し、実質的に斜面部の水平解像度を向上させたのと同等の効果を持ち、斜面を顕在化しやすくなる。
さらに、本発明においては、2次電子検出器により、コンタクトホール内の欠陥がどの程度ホールを埋めているか、あるいはホール壁の出来ばえを観察するのに有効に機能する。図4にコンタクトホールを示す。
図4に示すように、コンタクトホールは、一般にホールの形成が行われた後、導電性の材料で埋められ、下層と上層との電気的接続を行うために形成される。ホール底にパターンや異物欠陥が存在すると導電性の材料が下層に達することができなくなるため、致命的な欠陥になってしまう。この欠陥の発生原因を解析するには、欠陥が存在するホール壁を観察し、穴がどの程度欠陥によって埋まっているかを観察することが有効である。穴が完全に埋まっている場合には下層に大きなパターン破壊があることが推定され、一方、穴がほとんど下層まで達している場合では、より小さな小異物などに起因する欠陥であることが推定できる。これらは観察されるホール壁の長さ401を比較することにより判定できる。
このような欠陥に対しては、反射電子像で観察することは困難である。反射電子像の検出は、反射電子の観察対象からの放出方向により感度が大きく影響を受け、反射電子検出器の方向に反射される電子でなければ検出されにくい。ホールの中では、反射電子検出方向はホール壁で遮られているため、ホールの中の反射電子像は異なる方向を持って設置された、いずれの反射電子検出器においても検出されない。
一方、2次電子においては、反射電子に見られるような方向性を持たないため、ホール内の欠陥でも検出しやすい。このような特性を持つため、ホール壁の観察は2次電子像で行うことになる。2次電子の発生効率は、一般に1/cos(θ・ζ)(ζ:電子線入射角度、θ:対象の表面傾斜角度)、ホール壁ではζの入射角度を変えなければ、θ・ζは0度に近くなり、ホール壁は極めて明るく撮像され、画像上では明度が飽和してしまい、何も情報が得られなくなってしまうが、ζを10度程度まで変化させることにより、明度の飽和が収まり、ホール壁の状態が観察できるようになる。
以上をまとめると、以下のようになる。
(1)電子線を傾斜させて傾斜画像を観察するには、一般には反射電子像による観察が望ましいため、電子検出系として反射電子検出器を備える必要がある。
(2)1つの反射電子検出器からでは、電子線を傾斜させて照射した場合においても電子線の照射位置における観察対象の傾斜を定性的には求めることができないため、2つ以上の反射電子検出器を備え、同時に異なる角度から反射電子を検出することが望ましい。
(3)ホール内の欠陥のような対象では、2次電子像により壁面を検出する必要があるため、反射電子の検出と同時に2次電子を検出する2次電子検出器を備える必要がある。
前記図1に示した欠陥観察システムによる反射電子は、欠陥部の観察を少ない電子線の傾斜角でも検出可能にすることが目的の1つであることは既に述べたが、それ以外に、傾斜観察像の自動撮像においても有効に機能する。前述した図3において、欠陥302は電子線301のように傾斜させた場合には欠陥斜面をより高い解像度で観察することが可能になるが、一方、電子線303の方向から入射させた場合には配線304の影に欠陥が入ってしまい、観察することができなくなってしまう。
この場合、従来の傾斜観察においては、マニュアルで欠陥の発生位置を観察し、それに隣接するパターンの状態を確認した後、最も欠陥を見やすくなる傾斜観察方向を決定していた。なお、前述したように傾斜画像の撮像方式としては、前述した(A)の電子線の入射方向を傾斜させる方法以外の(B)、(C)の方式においても自動的に傾斜観察方向を決定することはできていなかった。
しかし、近年の半導体工場では、欠陥の観察効率向上が強く求められており、既に電子線をウェーハ法線方向から入射させる場合の観察においては欠陥自動レビュー、あるいはADRとして、検査装置が出力した多数の欠陥に対して、検査装置の出力する欠陥座標をもとに欠陥画像を自動的に撮像する機能が広く利用されている。傾斜した方向から電子線を入射させる場合においても、多数の欠陥の傾斜観察用画像を自動的に撮像することが欠陥観察の効率向上のために求められている。
そこで、本発明では、検出された画像を利用することにより、自動的に欠陥が良好に撮像される傾斜方向を決定する方法を見出した。まず、欠陥の領域を自動的に検出し、次いでその欠陥領域の注目する領域、すなわち、パターンと欠陥位置の対応関係が顕在化できる方向を算出する。始めに、電子線を傾斜させずに画像を撮像し、欠陥領域を抽出する。欠陥領域の抽出には、例えば特開2003−28811号公報に記述されている方法を適用するのが良い。
次に、検出された欠陥およびその近傍の配線との位置関係を2次電子あるいは反射電子画像より算出する。この方法の1つの方式としては、検出画像に微分処理を行い、配線の方向を求めるという手法がある。一般に、配線パターンと欠陥との位置関係を顕在化させるためには、配線の側壁に対して直交する方向に傾斜させることが望ましい。このように画像を撮像すると、配線側壁における画像上での解像度が最大になるというメリットとともに、配線が視野を遮ることによる死角が大きくなるという課題が発生するが、特に電子線の入射角を傾斜させることで傾斜画像を得る方式においては、入射可能な角度が小さいため、死角が発生しにくく、この方式が特に好ましい。
検出画像に微分処理をかけたのち、欠陥近傍の微分値より、その近傍における配線のエッジ方向を求め、これに直交する方向に傾斜させればよい。配線に直交する方向は2方向あるが、このうち、より欠陥が配線の死角に入らない方向を選択する。巨大な欠陥では、2方向のいずれを用いても死角に入る領域は同程度になり、傾斜方向の違いによる大きな影響は発生しないが、小さい欠陥では欠陥が死角に入り、欠陥が撮像できなくなる場合がある。
欠陥が、配線パターンの死角に入らないようにする1つの方法に、反射電子像の性質を用いるものがある。反射電子像では、配線が反射電子を遮ってしまう領域は暗く撮像される。両方の反射電子像ともに明るく検出されている部分は配線パターンの上の部分か、あるいは配線から離れた下地の部分になる。配線から離れた下地部分の近傍には欠陥以外の画像エッジは検出されないため、画像エッジの近傍で、かつ両方の反射電子像で明るく検出された領域を配線として認識する。欠陥領域より最も近い配線領域が、その欠陥の撮像において死角を発生させる恐れがある配線であるので、この最も近い配線と反対方向に傾斜させて欠陥を撮像すればよいことになる。
以上の画像認識処理をコンピュータシステム116に実施させることにより、傾斜観察方向を自動的に求めることができる。また、画像処理を行う代わりに、CAD情報を用いて傾斜観察方向を決定する方法を用いることができる。この場合には、傾斜観察方向を決定するための画像を撮像する必要がないため、スループットの向上を図ることが可能である。
本発明による欠陥の傾斜観察画像の撮像においては、自動的に欠陥を傾斜観察する方向を決定することができるが、必ずしも全ての欠陥を傾斜観察する必要があるわけではない。前記図1に示した欠陥観察システムで欠陥を観察すれば反射電子像を撮像することができるため、傾斜観察が必要な欠陥はその一部であることも多く、また、傾斜観察を実施するにあたり、傾斜方向の算出、あるいはハード的に傾斜角を切り替えるのに時間を要すため、スループットは基本的には低下する。
そこで、傾斜観察が必要な欠陥を予め絞り込んでおく方法が望ましい場合がある。1つの方法は、ユーザが欠陥を指定する方法である。この方法では、予めADRにより、画像を傾斜させずに、あるいは一定方向から傾斜した画像を自動的に撮像し、次いで図1のGUI117に撮像された欠陥画像の一覧を表示する。ユーザがこの表示された欠陥画像をもとに傾斜観察を行うべき欠陥を選択し、傾斜観察用のADRを実行させると、前述した方法によりそれぞれの欠陥ごとに自動的に求めた方向から欠陥を傾斜撮像する。
なお、傾斜観察用のADRにおいては、検査装置から出力される欠陥座標ではなく、傾斜観察用のADRの前に実施するADRにおいて検出した欠陥の座標を利用することで、確実に欠陥を視野に入れることが可能になる。このときに、同時にウェーハにおける欠陥分布と、各欠陥のウェーハにおける座標をGUI117で表示しておくことがよい。
半導体ウェーハにおける欠陥の分布において、欠陥間の距離や密度をもとに欠陥群をグルーピングし、グルーピングされた欠陥群はクラスタあるいはリージョンと呼ばれ、製造プロセスの調整が適正でなかったことを示唆している。また、欠陥が傷などにより発生する場合はその発生分布はライン上になり、CMP工程で発生しやすいスクラッチなどでは円弧状に発生することが知られている。その他のランダムに発生した欠陥は、特に製造プロセスとの相関が低い異物であることが多い。
一般に、ランダムに発生した異物に対して傾斜観察を行っても得られる情報は少なく、製造プロセスの調整状態との相関がある欠陥について傾斜観察することが求められるためである。さらに、このウェーハマップに表示される欠陥において、欠陥の座標を基にして前工程で検査した結果、同じ位置に既に欠陥が存在していたものが顕在化されるように強調して表示させることがよい。
この場合には、前工程の欠陥が当該工程に欠陥を引き起こした場合が考えられ、傾斜画像を観察することにより、どのようなメカニズムでこの現象を発生させるかを解析しやすくなるためである。この方法としては、例えば特開2002−57195号公報の手法を適用することが可能である。さらに、ADRを実施する際、同時に自動的に欠陥を分類するADCを実行しておき、この結果をもとにウェーハマップに表示される欠陥に対して色付けするなどしておくことが望ましい。
傾斜観察を行うメリットのある欠陥は、工程ごとに概略既にわかっている。たとえを挙げると、その1つは銅配線における配線部の埋め込み不良や、ゲート工程やメタル工程における配線側壁に付いた残渣、コンタクトホールで発生した穴底欠陥(特に複数の穴にまたがったもの)である。このような欠陥はADCで分類することが可能であり、傾斜観察をする欠陥の絞込みを行うに効果的である。ADCの分類手法としては、例えば特開2001−135692号公報の方法を適用できる。
ユーザに対して表示するGUIの一例を図6に示す。図6においては、図6(a)に示す表の中に欠陥の2次電子像と2枚の反射電子像(左と右)が表示されている。ウェーハ上の各欠陥が検出された位置に点がプロットされており、そのうち、レビューSEMでADRを実施し、表に画像が表示されているものが多少大きい点で表現されている。ユーザはポインターを使って、表をクリックすることにより、対応するウェーハマップの点が図6(b)に示すように強調されて表示される。表の中には、ユーザがその欠陥に対して傾斜像を撮るかどうかを指示するためのチェックボックスがある。
もう1つの方法は、自動で傾斜観察用の画像を決定する方法である。上記に述べたように傾斜観察をすべき欠陥を選択する基準はほぼわかっており、この基準をルール化して装置に設定しておくことにより、ユーザが欠陥を指定することなく傾斜観察を自動的に行うことが可能である。ウェーハマップの欠陥分布状態から自動的に優位なパターンを見つける方法としては、例えば特開2003−59984号公報の方法が知られており、適用することが可能である。
この傾斜観察する欠陥の設定方法、および傾斜方向の決定方法は、前述した(A)として説明した電子線の照射角度を偏向させる方法以外の、(B)のステージを傾斜させる方法や、(C)の電子光学系を機械的に傾斜させる方法においても実施することが可能であるが、いずれの方法を適用した場合においても、欠陥を観察する傾斜方向を変更するには切り替え時間がかかり、特に(B)や(C)の方式においては方向の切り替え時間に多くの時間を要することが知られている。高スループットを達成するには傾斜方向をできる限り切り替えないことが望ましい。
そこで、傾斜観察のADRの実行前に実施するADRにおいて傾斜観察する方向を求めた際に、同一の方向からの傾斜をまとめて撮像順序を自動的に最適化する。一般に、半導体パターンは水平、あるいは垂直方向に並んでいる場合が多いため、最小で2方向、より好ましくは4方向からの傾斜観察方向のうち、いずれかを選択するようにすることが好ましい。撮像順序を最適化することにより、自動的に求めた傾斜観察する方向の数と同数だけ傾斜方向を切り替えればよいことになり、切り替え時間の短縮を図ることが可能になる。
ここまでのシーケンスを、欠陥観察方法としてフローチャートに示したのが図5である。図5は、上述した方法のうち、多数の欠陥をADRした後、ユーザが傾斜観察を行う欠陥を指定する方法である。すなわち、SEMの平面画像(トップダウン像)から、傾斜画像を撮るべき位置をADCのデータを用いて自動で画面上に表示し、この画面上に表示した画像の中からオペレータ(ここではユーザ)が指定することにより欠陥を選択し、この選択した欠陥ごとに傾斜角度と方向を決めて傾斜画像(ビームチルト像)を撮像し、欠陥の傾斜画像を取得するものである。
ステップS501では、傾斜方向を切り替えない像(一般には傾斜角がない、いわゆるトップダウン像)を用いた欠陥画像より欠陥の再検出を行う。一般には、検査装置が出力した欠陥座標をSEMの視野に入るようにして撮像した欠陥部の画像と、その欠陥部の画像と同じパターンを持ち、かつ欠陥がない部分の画像である参照画像とを比較することにより欠陥部を再検出する。欠陥を再検出する方法に関しては様々な方法が提案されており、例えば特開2000−30652号公報の方法を適用することができる。
ステップS502では、検出した画像に対して画像処理を行い、欠陥を自動的に分類する。ステップS503では、再検出欠陥の位置と、撮像した欠陥画像、または参照画像、またはCADデータを用いて傾斜画像を撮像すべき方向を自動で求める。ステップS501からS503までの処理を定められた欠陥数分行い、ステップS504にてユーザに対して画像を自動的に表示し、ステップS505にてユーザに傾斜観察を行う欠陥を指定させた後、ステップS506にて指定された欠陥それぞれについて傾斜画像の撮像方向別にグループ分けを行い、欠陥撮像シーケンスを自動で変更する。このシーケンスに基づいて、ステップS507にて傾斜画像を自動で撮像する。
ここで、ステージの精度が十分でない場合には、傾斜画像に対して再度欠陥検出をする必要がある。この1つの方法としては、比較的低い倍率により、傾斜した参照画像と欠陥画像を撮像し、この画像の比較より欠陥位置を検出し、検出した欠陥位置が中央になるように倍率を上げて撮像する方法がある。もう1つの方法としては、再びステップS501と同じ倍率の画像を撮像し、ステップS501で撮像した画像とのパターンマッチングを行い、ステップS501で検出した欠陥領域の位置を傾斜撮像する方法が挙げられる。この場合の利点は、ユーザが傾斜観察の必要があると選択した画像の傾斜画像が確実に撮像されることである。
欠陥が大きい場合や、1つの視野に複数の欠陥がある場合では、傾斜画像で独立に欠陥を検出した場合には同一箇所の画像が再度検出されるかは不明である。ただし、前述したもう1つの方法では、ステップS501で検出した画像とのパターンマッチングを行うため、再度トップダウン画像を撮像する必要があり、欠陥数の2倍だけ傾斜方向の切り替えを行う必要が発生し、スループットが低下してしまう。また、ステージや電子光学系を機械的に動作させる(B)や(C)の方式では、機械精度やそのレスポンスが十分ではないため、後者の方式を適用することは困難である。
なお、前述した(A)の方式を適用する場合には、電子線の照射偏向角が小さいこともあり、異なる傾斜角同士の画像をパターンマッチングさせることも可能であり、この場合には、ステップS501で検出した画像と、自動的に算出した傾斜方向に基づいて撮像した傾斜画像とのマッチングを行い、欠陥位置を求めることができる。この場合には、傾斜方向の切り替えを行う必要がないため、スループットを低下させることがない。
また、図5に示したフローでは、ユーザが傾斜観察の必要な欠陥を指定する方法について示したが、前述した通りに、これを装置が自動的に決定することも可能である。この場合には、図5に破線で示すように、ステップS505’で自動で傾斜観察欠陥設定を行い、自動で欠陥撮像シーケンスを変更することで、傾斜画像を自動で撮像することができる。
このようにして撮像された傾斜画像の一覧は、例えば前述した図6に示すような例において、ユーザがID=1とID=3の傾斜画像撮像のチェックボックスにチェックを入れることで、図7(a),(b)に示すように、ユーザに対して欠陥の傾斜画像を2次電子像と左と右の反射電子像で表示できる。さらに、ユーザは、必要な画像をプリンタに印刷することや、あるいはネットワークに接続されている欠陥画像格納用のコンピュータに転送することも可能である。
ここまでは、傾斜画像を撮像する画像群を自動的に撮像する方法について述べたが、本発明の構成を用いて1欠陥ずつ傾斜観察画像を半自動で撮影することも可能である(図5に破線で図示、ステップS507’)。前記図1に示したように電子線の照射角度を偏向して傾斜画像を撮像する場合では、その他の方式に比較して傾斜方向の切り替え時間が短く、また、ステージや電子光学系を機械的に移動させることがないため、精度良く同一箇所の異なる方向からの傾斜画像を撮像することができる。
そこで、複数の方向からの傾斜画像を順次撮像し、これを同時に表示させるようにする。表示する画像のイメージを図8に示す。図8において、図8(a)に示すレビュー欠陥リストは、検査装置から入力した欠陥のリストであり、IDとともに検査装置あるいはレビュー装置において評価した各欠陥のサイズと欠陥クラスが表示されている。また、図8(b)のように欠陥のウェーハ上の分布を示すウェーハマップには、ウェーハ全体で検出した欠陥が点により示されている。このうち、大きい点で示されたものは、前工程でも同じ位置に欠陥が存在していたものである。ユーザは、レビュー装置に設置されているマウスなどのポインティングデバイスで、レビュー欠陥リストやウェーハマップをクリックすることにより、どの欠陥の傾斜画像を撮像するかを指示することが可能である。
傾斜画像は、45度ずつ異なった8方向から順次撮像されていき、この画像とともに傾斜させないトップダウン画像の9つの画像が同時に表示される。これが欠陥に対する傾斜画像として、図8(c)に示すようにユーザに表示される(Hump(配線パターンから不要なパターンがはみ出している欠陥)の例)。この傾斜画像には、中心にトップダウン画像が表示され、その周辺にそれぞれ45度ずつ傾斜方向を変化させた画像が表示されている。
傾斜画像の観察において、特に電子線の照射方向を傾斜させる方法では、傾斜角度が限定されてしまうため、ユーザが画面において欠陥部を判断しにくいという課題がある。そこで、複数の画像を合成して、より傾斜角のある画像を算出してユーザに表示することが求められる。これには撮像される箇所の立体形状を算出される画像より求め、これにテキスチャをマッピングすることにより達成される。ここで、立体形状の算出には、数井誠人,“逆ステレオマッチングによるLSI配線の断面形状推定”,第8回画像センシングシンポジウム講演論文集、pp291−294にある逆ステレオマッチング技術を用いることもできるが、この技術の適用のみでは正常な立体像再構成は困難である。
SEM像においては、形状の変化が緩やかな、エッジ効果の発生しない領域ではステレオの対応点となるような明度の変化が現れないため、ステレオによる高さ算出が困難であるためである。これを解決するには、反射電子像によるphotometric stereoを併用することが効果的である。この方式は、例えばS.Serulnik,“Defect Topographic Maps Using a Non−Lambertian Photometric Stereo Method”,Proceedings of SPIE Vol.#4692 Design,Process,Integration,and Characterization(2002)などで述べられている。
photometric stereoでは、反射電子像を用いることにより各画素における対象物の勾配を求めることができるが、一方、ステップ状の段差を求めることはできない。一方のステレオにおいては、ステップ状の段差ではエッジが顕在化できるため、高さを算出することができるが、緩やかな勾配での性能は期待できない。そこで、ステップ状の部分をステレオで高さ算出しておき、次いで傾斜の緩やかな部分をphotometric stereoで得られた勾配を用いて高さを補間していくことにより、良好な立体形状算出を行うことが可能である。
この方式で得られた立体形状にテキスチャマッピングを行うことで、検出系より得られた画像そのままを観察するよりも容易に欠陥部の形状を推定できるようになる。本技術を適用することにより、例えば電子線の傾斜角の最大値を従来15度程度としていたのを30度程度までの画像に変換したとしても、画像の解像度に大きな乱れは発生しない。
次に、本実施の形態の欠陥観察システムにおいて、検出系の工夫により、より良好な傾斜画像を得る方法について述べる。前記図1に示した電子光学系の構成では、装置に搭載した2つの反射電子検出器が感度を持つ方向と直交する方向には感度を持つことができない。また、アスペクト比の高い配線間に存在する場合には反射電子を配線が遮ってしまい、良好な画像を検出することが難しい。この課題は、反射電子検出器の数を増やすことによっても解決することが可能であるが、もう1つの解決方法は観察対象を回転ステージに固定し、反射電子による観察が行いやすいようにウェーハを回転可能にすることである。このときの実施の形態を図9に示す。
図9において、ウェーハ118は回転ステージ901に搭載され、この回転ステージ901はXYステージ119の上に固定されている。他の構成要素(101〜120)は、前記図1における各構成要素と同じ機構である。
図9に示す欠陥観察システムにおいて、対象欠陥の立体的な形状を顕在化させるには、図10(a)に示すスクラッチ1001の例のように、欠陥の持つ勾配が2つの反射電子の感度を持つ方向に対して直交するように設定することが望ましい。また、高アスペクト配線間に発生した欠陥の形状を顕在化させるには、図10(b)に示すように、反射電子の感度を持つ方向が配線1002,1003の方向と一致するようにすれば、配線間にある対象1004に対しても反射電子による観察が可能になる。本構成を採ることにより、更に良好な傾斜観察を行うことが可能となる。
従って、本実施の形態によれば、電子線を偏向してウェーハに電子線を照射する角度を制御することにより、機械的な動作なしで傾斜観察を行えるようにすることで、レスポンスを向上させることができる。また、偏向角度が小さい場合にも立体形状が顕在化できるように反射電子検出器を備えることと、予め取得しておく欠陥画像かまたはCADデータを用いて自動で傾斜観察方向を決定することと、ADCあるいはウェーハマップにおける欠陥分布を用いることで、傾斜画像を撮像する欠陥を自動選択することができる。この結果、最小限の労力により、傾斜画像の撮像をバッチ処理で自動的に行うことができる。
本発明による欠陥観察方法を実現するための一実施の形態の欠陥観察システムを示す構成図である。 (a),(b)は本発明の一実施の形態の欠陥観察システムにおいて、観察欠陥の配線パターンの例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の欠陥観察システムにおいて、観察欠陥の配線パターンに対する電子線の入射角度の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の欠陥観察システムにおいて、観察欠陥のコンタクトホールの例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の欠陥観察システムにおいて、欠陥観察方法のシーケンスを示すフロー図である。 (a),(b)は本発明の一実施の形態の欠陥観察システムにおいて、観察欠陥の平面画像を表示するGUIの例を示す説明図である。 (a),(b)は本発明の一実施の形態の欠陥観察システムにおいて、観察欠陥の傾斜画像を表示するGUIの例を示す説明図である。 (a)〜(c)は本発明の一実施の形態の欠陥観察システムにおいて、観察欠陥の平面画像と複数の傾斜画像を同時に表示するGUIの例を示す説明図である。 本発明による欠陥観察方法を実現するための他の実施の形態の欠陥観察システムを示す構成図である。 (a),(b)は本発明の他の実施の形態の欠陥観察システムにおいて、観察欠陥のスクラッチの例を示す説明図である。
符号の説明
101…電子線源、102…コンデンサーレンズ、103,104…走査ユニット、105…偏向ユニット、106…対物レンズ、107…欠陥、108…ウィーンフィルタ、109…2次電子検出器、110,111…反射電子検出器、112,113,114…A/Dコンバータ、115…メモリ、116…コンピュータシステム、117…GUI、118…ウェーハ、119…XYステージ、120…偏向ユニット、121…高さ変位計、201,202…配線、301,303…電子線、302…欠陥、304…配線、401…ホール壁の長さ、901…回転ステージ、1001…スクラッチ、1002,1003…配線、1004…対象。

Claims (10)

  1. 収束電子線を観察欠陥に照射し、前記観察欠陥の表面から放出される電子を検出して平面画像を取得する平面画像取得ステップと、
    前記平面画像取得ステップにより取得した平面画像から、傾斜画像を撮像するべき位置をADCのデータを用いて自動で画面上に表示し、この画面上に表示した画像の中からオペレータが指示することにより観察欠陥を選択する選択ステップと、
    前記選択ステップにより選択した観察欠陥ごとに傾斜角度と方向を決めて収束電子線を観察欠陥に照射し、前記観察欠陥の表面から放出される電子を検出して傾斜画像を取得する傾斜画像取得ステップとを有することを特徴とする欠陥観察方法。
  2. 請求項1記載の欠陥観察方法において、
    前記平面画像取得ステップまたは前記傾斜画像取得ステップは、前記観察欠陥の表面から放出される電子を2次電子検出器と反射電子検出器とを用いて検出し、前記2次電子検出器が検出した2次電子の強度を2次電子像として画像化し、前記反射電子検出器が検出した反射電子の強度を反射電子像として画像化することを特徴とする欠陥観察方法。
  3. 請求項1または2記載の欠陥観察方法において、
    前記平面画像取得ステップは、前記観察欠陥が発生した試料の検査において検出された欠陥の座標データをもとに、予め指定された複数の欠陥を前記観察欠陥として前記複数の欠陥の画像を撮像し、
    前記選択ステップは、前記平面画像取得ステップで撮像された欠陥の画像群の一覧か、または前記観察欠陥が発生した試料における欠陥の発生分布マップを表示し、前記欠陥のうち撮像する欠陥の指定を入力し、
    前記傾斜画像取得ステップは、前記選択ステップで指定された欠陥群の画像を撮像することを特徴とする欠陥観察方法。
  4. 請求項3記載の欠陥観察方法において、
    前記平面画像取得ステップは、前記複数の欠陥の画像を撮像の後、この撮像された画像を画像処理することにより前記複数の欠陥の属性をもとに欠陥を分類し、
    前記選択ステップは、前記観察欠陥が発生した試料における欠陥の発生分布マップに対して前記欠陥の分類結果を表示することを特徴とする欠陥観察方法。
  5. 請求項3記載の欠陥観察方法において、
    前記選択ステップは、前記複数の欠陥に対応する欠陥の分類結果か、あるいは前記観察欠陥が発生した試料における欠陥の分布を用いて自動的に前記観察欠陥の傾斜画像を撮像するか否かを決定することを特徴とする欠陥観察方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の欠陥観察方法において、
    前記選択ステップは、前記平面画像取得ステップにおいて撮像した画像を処理して欠陥領域を抽出し、さらに前記平面画像取得ステップにおいて撮像した画像を処理するか、あるいはCADデータをもとに自動的に傾斜画像の撮像方向を決定することを特徴とする欠陥観察方法。
  7. 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の欠陥観察方法において、
    前記傾斜画像取得ステップは、前記収束電子線を電子線偏向器により光軸からずらすように偏向することで前記観察欠陥に対して前記収束電子線を照射する方向を制御することを特徴とする欠陥観察方法。
  8. 請求項7記載の欠陥観察方法において、
    前記傾斜画像取得ステップは、前記観察欠陥が発生した試料を機械的に回転させることにより前記観察欠陥と反射電子の検出感度方向との関係を調整して画像を検出することを特徴とする欠陥観察方法。
  9. 請求項1または2記載の欠陥観察方法において、
    前記選択ステップは、前記観察欠陥に対して前記収束電子線を照射する方向を複数設定し、
    前記傾斜画像取得ステップは、前記選択ステップが設定した複数の方向からの前記観察欠陥の画像を撮像し、前記複数の方向から撮像した画像を同時に表示することを特徴とする欠陥観察方法。
  10. 請求項2記載の欠陥観察方法において、
    前記選択ステップは、前記観察欠陥に対して前記収束電子線を照射する方向を複数設定し、
    前記傾斜画像取得ステップは、前記選択ステップが設定した複数の方向からの前記観察欠陥の画像を撮像し、前記複数の方向から撮像した画像のうち前記反射電子像を利用して前記観察欠陥の表面立体形状を算出し、前記算出した表面立体形状を表示することを特徴とする欠陥観察方法。
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