JPH10185847A - パターン検査装置並びに電子線によるパターン検査装置及びその方法 - Google Patents

パターン検査装置並びに電子線によるパターン検査装置及びその方法

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JPH10185847A
JPH10185847A JP8345340A JP34534096A JPH10185847A JP H10185847 A JPH10185847 A JP H10185847A JP 8345340 A JP8345340 A JP 8345340A JP 34534096 A JP34534096 A JP 34534096A JP H10185847 A JPH10185847 A JP H10185847A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】同一のパターン群が多数、規則的に配列された
ウエハ等の被検査対象物上において、規則性なく不均一
に発生する欠陥および被検査対象物全面で均一に発生す
るような不良について、高速で信頼度よく検査できるよ
うにする。 【解決手段】電子銃21と、電子線を複数個の同一パタ
ーン群が規則的に配列された被検査対象1に対して集束
させるレンズ系22、23と、電子線を走査する偏向器
24と、被検査対象1から発生する電子を検出する検出
器25と、電子による画像信号をディジタル画像信号に
変換するA/D変換器8と、ディジタル画像信号から前
記被検査対象上の特定個所におけるパターンの特徴量を
算出し、良品の規格に対して適合・不適合を判断する計
算手段15と、画像信号同士を比較して不一致部を抽出
して欠陥を検出する欠陥判定手段10とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一のパターン群
が多数、規則的に配列されたウエハ等の被検査対象物の
パターンの欠陥を検出するパターン検査装置に係り、特
に半導体メモリ素子の外観検査に好適な電子線によるパ
ターン検査装置及びその方法並びにプロセスの異常診断
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】第1の従来技術としては、特開昭59−
192943号に記載のように、半導体メモリなどの繰
り返しパターンを有する被検査対象物を等速度で移動さ
せつつ、ラインセンサ等の撮像素子により被検査対象物
の画像を光学的に検出し、検出した光学画像信号と、繰
り返しパターンのピッチ分、時間を遅らせた光学画像信
号とを比較し、不一致を欠陥として認識するものであっ
た。すなわち、同一ウエハ上の、隣接するセル同士、あ
るいは、隣接するチップ同士の検出画像を比較して、異
なる部分を欠陥として認識するものであった(以下、こ
れらを順に、隣接セル比較、隣接チップ比較と呼ぶ)。
また、第2の従来技術としては、隣接パターンとではな
く、あらかじめ無欠陥と分かっている試料の光学検出画
像を標準画像として記憶させておき、これと被検査対象
物の光学検出画像を比較する方法も知られている。特開
平1−287449号においては、標準画像を記憶させ
た後、必要に応じて、CRTの画面上で標準画像に対し
て修正(追加、削除など)を行う機能を有した検査装置
が示されている。なお、これらはいずれも光学式に基づ
く検査技術に関するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最初に示した第1の従
来技術では、同一ウエハ上の隣接するセル、あるいはチ
ップ同士の比較検査を行うため、ウエハ上で規則性なく
不均一に発生する欠陥は検出できるが、ウエハの全面で
均一に発生するような欠陥を検出できないという課題が
あった。ウエハ全面で均一に発生するような不良には、
例えば露光条件の設定が不適当であることによるパター
ンの解像不良、層間の位置ずれによって生じた層間ショ
ートやオープン、露光時のデフォーカスによるパターン
の解像不良などがある。これらの欠陥は、同一ウエハ上
の距離的に近い部位では、状況が似通っているため、隣
接セル比較方式ではもちろん、隣接チップ比較方式でも
検出するのは難しかった。そして、従来の隣接セル比較
方式や隣接チップ比較方式のウエハパターン検査装置を
用いた半導体プロセスでは、ウエハ全面で発生する欠陥
が見逃されるために、歩留まりが低下するという課題が
あった。また、第2の従来技術では、光学検出画像と無
欠陥の試料から得られた標準画像との比較であるため、
ウエハ上で規則性なく不均一に発生する欠陥でも、ウエ
ハの全面で均一に発生する欠陥でも検出できるはずだ
が、実際はそうではない。無欠陥の試料から得られた標
準画像との比較ということは、別のウエハの検出画像と
の比較を意味している。ウエハが異なれば、膜厚や下層
パターンとの位置関係が微妙に異なるため、標準画像と
被検査ウエハから得られた光学検出画像とでは、明るさ
や、下層パターンが透けて見える場合は(実際、光学的
に検出した画像では、多くの場合、下層パターンや、下
層パターンのエッジが検出画像に現れる)下層パターン
と上層パターンの位置関係が異なる。よって、両画像を
比較すると、ウエハが異なることによる不一致が多発
し、欠陥による不一致と区別できなくなるという課題が
あった。別な言い方をすれば、ウエハが異なることによ
る不一致を欠陥と誤認識しないとうに、一定の不一致量
以下は欠陥と判定しないようにすると、一部の欠陥しか
検出できなくなるという課題があった。
【0004】本発明の目的は、上記課題を解決すべく、
同一のパターン群が多数、規則的に配列されたウエハ等
の被検査対象物上において、規則性なく不均一に発生す
る欠陥および被検査対象物全面で均一に発生するような
不良について、高速で信頼度よく検査できるようにした
パターン検査装置並びに電子線によるパターン検査装置
及びその方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、同一のパターン群が多数、規則的に配列されたウエ
ハ等の被検査対象物を製造するプロセスの異常診断を行
なうことができるようにしたプロセスの異常診断システ
ムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電子線を出射する電子銃と、該電子銃か
ら出射された電子線を複数個の同一パターン群が規則的
に配列された被検査対象に対して集束させるレンズ系
と、集束された電子線を走査する偏向器と、前記被検査
対象から発生する電子を検出する検出器と、該検出器か
ら得られる電子による画像信号をディジタル画像信号に
変換するA/D変換器と、該A/D変換器から得られる
ディジタル画像信号から前記被検査対象上の特定個所に
おけるパターンの特徴量を算出し、該算出されたパター
ンの特徴量に基いて良品の規格に対して適合・不適合を
判断し、更に前記検出器から得られるパターン群に応じ
た画像信号同士を比較して不一致部を抽出して欠陥を検
出する計算手段とを備えたことを特徴とする電子線によ
るパターン検査装置である。また本発明は、電子線を出
射する電子銃と、該電子銃から出射された電子線を複数
個の同一パターン群が規則的に配列された被検査対象に
対して集束させるレンズ系と、集束された電子線を走査
する偏向器と、前記被検査対象から発生する電子を検出
する検出器と、該検出器から得られる電子による画像信
号をディジタル画像信号に変換するA/D変換器と、該
A/D変換器から得られるディジタル画像信号から前記
被検査対象上の特定個所におけるパターンの特徴量を算
出し、該算出されたパターンの特徴量に基いて良品の規
格に対して適合・不適合を判断する計算手段と、前記検
出器から得られるパターン群に応じた画像信号同士を比
較して不一致部を抽出して欠陥を検出する欠陥判定手段
とを備えたことを特徴とする電子線によるパターン検査
装置である。
【0006】また本発明は、前記電子線によるパターン
検査装置において、更に前記被検査対象に入射させる電
子線の加速を制御する加速電圧制御手段を有することを
特徴とする。また本発明は、前記電子線によるパターン
検査装置における計算手段において前記被検査対象上の
特定個所の指定を、前記A/D変換器から得られるディ
ジタル画像信号と所望の標準パターンとの相関関係に基
いて行なうことを特徴とする。また本発明は、前記電子
線によるパターン検査装置における計算手段において前
記所定箇所の検出画像に基づくパターンの特徴量の算出
は、前記比較検査時よりも高倍率の検出画像を用いるこ
とを特徴とする。また本発明は、電子銃から出射された
電子線をレンズ系により複数個の同一パターン群が規則
的に配列された被検査対象に対して集束させて照射して
前記被検査対象から発生する電子を検出器により検出す
る電子による画像信号検出工程と、この検出された電子
による画像信号をA/D変換器によりディジタル画像信
号に変換し、この変換されたディジタル画像信号から前
記被検査対象上の特定個所におけるパターンの特徴量を
算出してこの算出されたパターンの特徴量に基いて良品
の規格に対して適合・不適合を判断し、前記変換された
パターン群に応じた画像信号同士を比較して不一致部を
抽出して欠陥を検出する検査工程とを有することを特徴
とする電子線によるパターン検査方法である。
【0007】また本発明は、複数個の同一パターン群が
規則的に配列された被検査対象から画像信号を検出する
検出器と、該検出器から得られる画像信号をディジタル
画像信号に変換するA/D変換器と、該A/D変換器か
ら得られるディジタル画像信号から前記被検査対象上の
特定個所におけるパターンの特徴量を算出し、該算出さ
れたパターンの特徴量に基いて良品の規格に対して適合
・不適合を判断する計算手段と、前記検出器から得られ
るパターン群に応じた画像信号同士を比較して不一致部
を抽出して欠陥を検出する欠陥判定手段とを備えたこと
を特徴とするパターン検査装置である。また本発明は、
電子線を出射する電子銃と、該電子銃から出射された電
子線を複数個の同一パターン群が規則的に配列された被
検査対象に対して集束させるレンズ系と、集束された電
子線を走査する偏向器と、前記被検査対象から発生する
電子を検出する検出器と、該検出器から得られる電子に
よる画像信号をディジタル画像信号に変換するA/D変
換器と、該A/D変換器から得られるディジタル画像信
号から前記被検査対象上の特定個所におけるパターンの
特徴量を算出し、該算出されたパターンの特徴量に基い
て良品の規格に対して適合・不適合を判断する計算手段
とを備えた電子線によるパターン検査装置を設け、更に
該パターン検査装置の計算手段で算出されるパターンの
特徴量を系統的に蓄積し、特徴量の変動をモニターする
プロセスの異常診断装置を備えたことを特徴とするプロ
セスの異常診断システムである。
【0008】また本発明は、複数個の同一パターン群が
規則的に配列されたウエハを対象とし、ウエハを走査し
て、撮像手段によって得た検出画像を用いてパターン欠
陥を検出するパターン検査方法であって、ウエハ上で規
則性なく不均一に発生する欠陥は、同じウエハ上の複数
のパターン群の検出画像を比較し、不一致部を探すこと
によって摘出し、ウエハ上全域で同様に発生する欠陥
は、所定箇所の検出画像のパターンの特徴量を算出する
ことにより摘出することを特徴とするパターン検査方法
である。また本発明は、前記パターン検査方法におい
て、前記ウエハ上の複数のパターン群の検出画像を比較
し、不一致部を欠陥として指摘する比較検査は、ウエハ
上の広範囲で実施し、前記所定個所の検出画像に基づく
パターンの特徴量算出は、ウェハ上の数カ所について、
特徴量の算出を行うパターン近傍の狭範囲で実施するこ
とを特徴とする。また本発明は、前記撮像手段からの出
力信号を分岐して、同じウエハ上の複数のパターン群の
検出画像の比較と、所定箇所の検出画像を用いたパター
ンの特徴量の算出を並行して行なうことを特徴とする。
また本発明は、前記ウエハ上の複数のパターン群の検出
画像同士の比較による検査は専用ハードウエアで行い、
前記所定箇所の検出画像に基づくパターンの特徴量の算
出は、計算機によるソフトウエア処理で行うことを特徴
とする。
【0009】以上説明したように前記構成により、同一
のパターン群が多数、規則的に配列されたウエハ等の被
検査対象物上において、規則性なく不均一に発生する欠
陥および被検査対象物全面で均一に発生するような不良
について、高速で信頼度よく検査することができる。即
ち、物質コントラストの良い、すなわちルールを設定し
やすい電子線による検出画像に基いて、隣接セル比較方
式、あるいは隣接チップ比較方式で、ウエハ内で規則性
なく不均一に発生する欠陥を精度よく検出することが可
能となり、しかもウエハ上の所定箇所の検出画像を用い
てパターンの寸法、位置関係等の特徴量を算出すること
により、パターンの解像不良や、上層パターンと下層パ
ターンの位置ずれといったウエハ全面で同様に発生する
欠陥を高信頼度で検出することが可能となる。さらに、
加速電圧を適切に選べば、照射電子線の進入深さを浅く
して下層パターンに達しないようにもできるので、検出
画像を最上層のパターンしか含まないより単純なパター
ンにすることが可能となる。また、最上層の一層下の層
まで照射電子線が進入するような加速電圧を選ぶことに
よって、最上層とその下の層の位置関係に関する特徴量
を求めやすくするようなことも可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る半導体メモリ素子等
を形成する同一のパターン群が多数、規則的に配列され
たウエハ等の半導体基板に対するパターン検査について
の実施の形態を図を用いて説明する。半導体メモリ素子
等を形成する同一のパターン群が多数、規則的に配列さ
れたウエハ等の半導体基板においては、規則性なく不均
一に発生する欠陥と全面で均一に発生するような欠陥と
が生じる。全面で均一に発生するような欠陥が生じる要
因としては、例えば露光条件の設定が不適当であること
によるパターンの解像不良、層間の位置ずれによって生
じた層間ショートやオープン、露光時のデフォーカスに
よるパターンの解像不良などがある。またウエハ等の半
導体基板の場合、薄膜多層パターンで形成されているた
め、光学的な検出画像では何層も下にある下層まで透け
て見えたり、段差が暗く見えたりして複雑なパターンに
なりがちである。それに対して電子線による検出画像の
場合には、発生する電子線の量が基本的に組成(原子番
号)に依存するため、物質が違えば明るさが異なるとい
う物質コントラストの良い、即ちルールを設定しやすい
画像が得ることが可能となる。
【0011】まず、本発明に係る電子線によるウエハ等
の半導体基板上のパターン検査について説明する。図1
は、本発明に係る電子線によるウエハ等の半導体基板上
のパターン検査の原理について説明する。1は繰り返
し、被検査パターンが形成されたウエハ等の半導体基板
を示す。25は電子線の照射により半導体基板1から発
生する電子を検知し、その強度変化に基づいて走査部位
の電子線像を得る撮像装置(検出器)を示す。8は撮像
装置(検出器)25で検出された電子線画像をディジタ
ル画像信号に変換するA/D変換器を示す。9は、A/
D変換器8から得られる電子線によるディジタル検出画
像の内の隣接セルまたは隣接チップのディジタル検出画
像を記憶してセルまたはチップの間隔遅延させる遅延回
路である。比較・欠陥判定回路10は、遅延回路9から
得られる隣接セルまたは隣接チップのディジタル検出画
像とA/D変換器8から得られるディジタル検出画像と
を比較する隣接セル比較方式、あるいは隣接チップ比較
方式の検査を行ってウエハ内で規則性なく不均一に発生
する欠陥を検出する。この隣接セル比較方式、あるいは
隣接チップ比較方式では、同一ウエハ上の距離的に近い
もの同士の比較であるため、膜厚の違いや下層パターン
との位置関係の違いによる検出画像間の違いが殆どな
い。従って、比較する検出画像間の違いは基本的に欠陥
部のみであるために、欠陥を精度よく検出することが可
能となる。
【0012】さらに、画像処理用計算機15は、所定個
所選択手段13で選択されたウエハ上の所定個所の検出
画像を用いてパターンの特徴量を算出することにより、
ウエハ全面で一様に発生する欠陥を検出する。即ち、画
像処理用計算機15は、ウエハ上の所定個所の検出画像
を用いて、パターンの寸法、位置関係等の特徴量を算出
することにより、パターンの解像不良や、上層パターン
と下層パターンの位置ずれといったウエハ全面で同様に
発生する欠陥を検出することが可能となる。
【0013】このパターンの特徴量の算出は、パターン
が複雑だと特徴量を算出するためのルールを設定するの
が困難であるため、撮像装置(検出器)25を最適化し
て、検出画像が単純なパターンになるようにする。具体
的には、電子線によりウエハを走査して、電子線の照射
によりウエハから発生する電子を検知し、その強度変化
に基づいて走査部位の像(以下、電子線像と呼ぶ)を得
るようにする。ウエハのような薄膜多層パターンの光学
的な検出画像は、何層も下にある下層まで透けて見えた
り、段差が暗く見えたりするため、複雑なパターンにな
りがちである。それに対して、電子線像の場合は、発生
する電子の量は、基本的に組成(原子番号)に依存する
ため、物質が違えば明るさが異なるという、物質コント
ラストの良い、すなわち、ルールを設定しやすい画像が
得ることが可能となる。さらに、加速電圧を適切に選べ
ば、照射電子線の進入深さを浅くして下層パターンに達
しないようにもできるので、検出画像を最上層のパター
ンしか含まないより単純なパターンにすることが可能と
なる。あるいは、最上層の一層下の層まで照射電子線が
進入するような加速電圧を選ぶことによって、最上層と
その下の層の位置関係に関する特徴量を求めやすくする
ようなことも可能となる。
【0014】次に図2〜図7を用いて具体的に説明す
る。
【0015】図2(a)は、電子線によりウエハ等の半
導体基板を走査して、電子線の照射により半導体基板か
ら発生する電子を検知し、その強度変化に基づいて走査
部位の電子線像を得、電子線像を用いてパターン検査を
行う装置の一実施の形態を示す構成図である。図2
(b)は、電子線像を用いてパターン検査を行うウエハ
等の半導体基板の表面を示す斜視図である。図2(a)
において、電子銃21を出た電子線は、磁界レンズ2
2、23を経て、試料面では画素サイズ程度のビーム径
に絞られる。電子線が照射されると、試料(ウエハ1)
からは電子が発生する。偏向器24による電子線のX方
向の繰り返し走査、及び、ステージ7による試料のY方
向の連続的な移動に同期して試料から発生する電子を検
出することで、試料の2次元の電子線像が得られる。試
料から発生した電子は検出器25で捕らえられ、アンプ
26で増幅された後、A/D変換器8によってディジタ
ル信号S11に変換される。ディジタル信号S11は、
遅延回路9によってウエハ等の半導体基板が1チップ分
あるいは1セル分移動する時間だけ電気的に遅らされ、
比較・欠陥判定回路10において、A/D変換器8から
得られるもとの信号S11と比較される。2a、2b
は、図2(b)に示すようにウエハ等の半導体基板1上
の隣接するチップであるが、遅延回路で遅らせる時間
を、ウエハ等の半導体基板が1チップ分移動する時間に
すれば、もとの信号S11と遅延回路9の出力信号S1
2は、それぞれ隣接するチップ、例えば2a、2bの画
像信号に相当することになり、2a、2bの検出画像を
比較しているのと等価になる。
【0016】比較・欠陥判定回路10は論理を電気回路
で実現したもので、パイプライン処理で不一致部を検出
する。例えば、画像信号S11、S12のエッジを抽出
して位置合わせした後、差画像を求れば、不一致部を検
出することができる。その他、不一致部を検出するのに
は、さまざまなアルゴリズムが提案されているので、適
したアルゴリズムをハードウエア化すればよい。計算機
上でのソフトウエア処理ではなくハードウエアで処理を
行うのは、検査速度を上げるためである。というのも、
この比較検査は、規則性なく不均一に発生する欠陥の検
出が目的であり、規則性なく不均一に発生する欠陥の検
出には、より広範囲を検査した方が有利なので、検査速
度が速くなければならないからである。従って、比較・
欠陥判定回路10で欠陥情報を得なくても、一旦不一致
部(欠陥候補)をメモリに記憶して計算機においてメモ
リに記憶された欠陥候補について詳細解析をして真の欠
陥(欠陥と判定する必要のあるもののみ)として判定す
れば、高速に検査ができるので、計算機でのソフトウエ
ア処理でも実現してもよい。そして、ここで得られた欠
陥情報は装置全体を制御するシステム制御用計算機11
に送られる。
【0017】一方、あらかじめ指定しておいた座標にウ
エハが到達すると(座標データの管理はシステム制御用
計算機11が行う)、検出画像(画像信号S12)は記
憶装置14aあるいは14bに取り込まれる(記憶装置
14a、14bへの切替えは、入力切替え回路13をシ
ステム制御用計算機11が制御することにより行われ
る。)。画像処理用計算機15は、記憶装置14aある
いは14bに記憶された検出画像を読み出し、パターン
特徴量(寸法、位置関係等)の算出を行い、特徴量の良
品規格に対する適合・不適合を判断する。なお、記憶装
置を14a、14bの2台設けたのは、画像処理用計算
機が14aから画像を読み出して処理している間は、1
4bを画像取り込み用として使用し、画像の読み出し及
び処理が終了すると、今度は14aを画像取り込み用
に、14bを画像読み出し用に切り替え、画像処理用計
算機15は、既に14bに蓄えられている画像の読み出
しと処理を開始するという用い方をすることによって、
画像処理計算機15の処理が終わらないと、ウエハ等の
半導体基板が次の検出箇所に移動できないという不都合
をなくすためである。画像処理用計算機15での処理分
量が大きい時や、特徴量を算出すべき箇所が多く、この
構成でも間に合わない場合には、画像処理用計算機と記
憶装置の台数を増やすことも可能である。特徴量の算出
は、(特徴量の内容によっては)ハードウエアで実現す
ることも可能であるが、本実施例では、前述のように画
像処理用計算機15上でのソフトウエア処理で行ってい
る。その理由は、特徴量算出の目的がウエハ全面で一様
に発生するような不良の検知であるため、ウエハ等の半
導体基板全面を対象としなくとも、例えば、1チップに
つき一箇所程度の頻度でも十分効果が見込めるので、高
速な処理よりも画像処理内容をフレキシブルに変更でき
るソフトウエア処理の方が適しているからである。ここ
で「一箇所」とは、例えて言うなら、50μm*50μ
mの範囲を、画素サイズ0.1μmで検出した画像1枚
である。なお、特徴量の算出方法については、図3〜図
7を用いて後述する。
【0018】また、ステージ7の上面と被検査対象物
(ウエハ等の半導体基板)1の表面または被検査対象物
(ウエハ等の半導体基板)1の表面に近接した位置に設
置されたグリッド電極との間に高圧電源27により電圧
を印加することによって、実効的な加速電圧を最適化す
る。電子銃21に印加する電圧を変化させても加速電圧
は変えられるが、電子光学系の再調整が必要となるため
自動制御は難しい。ここでは、被検査対象物の材料、構
造によって加速電圧を変化させたいため、自動制御が可
能な上記の構成とした。加速電圧の最適化による効果を
模式的にかくと図3に示すようになる。被検査対象物
は、a層、b層、c層の順に積層された、3層からなる
多層パターンである。加速電圧を低くすることにより、
照射電子線の進入深さを浅くして下層パターンに達しな
いようにすれば、図3右側のc層を顕在化したパターン
を得られる。c層のパターンが顕在化できると、c層の
高精度な検査が可能になるばかりでなく、後で述べるパ
ターンの特徴量算出を容易にする効果もある。
【0019】さて、電子線式ウエハ等の半導体基板のパ
ターン検査装置においても、比較検査の目的は、被検査
対象物(ウエハ等の半導体基板)上に規則性なく不均一
に発生する欠陥を検出することであるから、欠陥の捕捉
率を上げるには、より広範囲の検査が必要である。広範
囲の検査を現実的な検査時間で実施するには、電子線像
の高速検出がポイントとなる。以下、電子線像の高速検
出に好適な構成要素を(a)〜(d)で説明する。 (a)2次元的な電子線像を得る方法としては、走査電
子顕微鏡のように、ステージは固定し、電子線を2次元
的に走査する方法もある。しかし、画像検出箇所の移動
のためにステージのステップ&リピートが必要なため、
ステージの加速・減速による時間のロスが大きい。従っ
て、電子線の1次元走査+ステージの連続移動方式の方
が有利である。 (b)電子線をX方向に繰り返し走査させる偏向器24
には静電偏向器を用いる。走査電子顕微鏡で普通使用さ
れている磁界偏向器は偏向速度が遅いため不適である。 (c)電子銃21としては、熱電界放射型(TFE:Th
ermal Field Emission)電子銃を用いる。TFE電子銃
は走査電子顕微鏡で普通使用されている電界放射型(F
E:Field Emission)電子銃に比べて電子線電流を大き
くできるため、電子線照射時間を短くできる=電子線走
査速度を速くすることが可能となる(像のS/Nは、単
位面積当たりの電子線照射量の1/2乗に比例する。よ
って、必要なS/N値を得るには、電子線電流が小さけ
れば照射時間を長くせざるを得ないという関係があ
る)。また、TFE電子銃は、FE電子銃に比べて電子
線電流の時間変動が少ないため、検出時刻が異なる検出
画像同士を比較(前述のように、比較検査は、ウエハ等
の半導体基板が1チップ分あるいは1セル分移動する時
間分だけ過去に検出した画像との比較である。)するに
は都合よい。 (d)検出器25には高速駆動が可能な半導体検出器を
用いる。
【0020】次に画像処理用計算機15において行なう
パターン特徴量の算出について説明する。パターンの特
徴量の算出は、ウエハ全面で同様に発生する欠陥を検知
するのが目的であるため、パターン形状や、検知すべき
不良の種類に応じて、適切な特徴量を選択する必要があ
る。以下、いくつかの例を示す。例えば、露光機の露光
条件が不適当なために発生した解像不良を検知するのが
目的であれば、解像不良はパターン寸法の変化を引き起
こすことが多いため、図3に示したパターン幅d1、パ
ターン間隔d2が一つの指針となる。画像処理により、
検出画像から寸法を算出する方法は様々考えられるが、
例えば明るさの違いによってパターン領域と背景領域を
分離し、最小幅部をサーチした後、その幅の画素数をカ
ウントすれば、d1,d2の絶対値を知ることができ
る。あるいは、領域分離後、パターン領域と背景領域の
面積比(画素数比)を調べるだけでも、おおよその状況
は把握できる。d1、d2の値が規格から外れていたと
しても、隣接するセル、チップでも同じように規格から
外れていれば、比較検査では検知できないが、このよう
に、検出画像を用いて、d1、d2の絶対値を調べれ
ば、解像不良の発生が検知できる。
【0021】あるいは、コンタクトホールを形成する工
程において解像不良が発生すると、コンタクトホールの
径が変化する。図4(a)(b)は上層(実線)31と
下層(点線)32の接続を取るためのコンタクトホール
様子を示している。図4(a)に示すコンタクトホール
33の径(径d1)は、図4(b)に示す正常なコンタ
クトホール(径d0)33に比べると、小さく異常とし
て判定する必要がある。画像処理用計算機15における
コンタクトホールの径の算出は、記憶装置14a、14
bの何れかから読み出された検出画像に対して、例え
ば、微分処理を行うなどしてエッジを抽出した後、閉じ
た円形部を探し出す処理によってコンタクトホール部3
3を選び出す。その後、X軸、Y軸への投影された画素
数の頻度34、35を取り、これらY軸方向の頻度34
とX軸方向の頻度35との平均をとって直径としてもよ
いし、円環内部の画素数(面積)Sをカウントして求
め、直径dを√(4S/π)に基づいて逆算しても良
い。このようなコンタクトホール径の異常は、ウエハ上
の広い領域で同じように発生することが多いため、隣接
セル比較方式、隣接チップ比較方式では検知できない
が、このように、検出画像を用いて、画像処理用計算機
15において径の絶対値を調べれば、解像不良の発生を
検知することができる。
【0022】また、図5(a)(b)は位置合わせ不良
の様子を示したものである。図5(b)が正常な状態で
あるが、図5(a)ではa層、b層に対してc層、d層
が相対的に位置ずれしたために、結果としてa層とd層
の層間ショートが生じている。これを検知するには、上
記の実施の形態と同様にして、画像処理用計算機15
が、記憶装置14a、14bの何れかから読み出された
検出画像に対して、大円、小円を探し出し、それぞれの
円の中心座標を算出し、大円と小円の中心座標間の距離
を求めればよい。そして画像処理用計算機15は、この
値が規定値以内なら正常、それを越えれば異常であると
判定する。また、画像処理用計算機15が解像不良をも
っと直接的に検知するには、記憶装置14a、14bの
何れかに記憶されたレジストパターンの高倍率の検出画
像を用いて、エッジのだれの度合いを調べることもでき
る。図6(a)(b)はレジスト51のエッジのだれが
小さい場合を示し、図6(a)はその場合の検出画像を
示し、図6(b)は図6(a)に示すA−A’矢視レジ
スト断面を示す。図6(c)(d)はレジスト51のエ
ッジのだれが大きい場合を示し、図6(c)はその場合
の検出画像を示し、図6(d)は図6(c)に示すB−
B’矢視レジスト断面を示す。図6(c)(d)に示す
ように、エッジが大きくだれると、検出画像において網
点52で示したエッジ部の幅が広がるため、画像処理用
計算機15が検出画像に基いて網点部52の幅寸法gを
求めれば解像状態の良否が判断できる。ただし、レジス
トパターンは透明なことが多いため、光学式の検査装置
では検査自体が難しく、電子線の検査装置においてのみ
可能である。
【0023】次にシステム制御用計算機11が画像処理
用計算機15に対して行なう特徴量算出パターンの探索
について説明する。特徴量算出のための画像取得位置
は、システム制御用計算機11が管理し、ウエハ等の半
導体基板が指定の座標に来ると検出器25によって画像
が検出されるが、ステージ7の位置精度の関係で、特徴
量を算出するパターンの画像上での位置には誤差があ
る。例えば、検出画像の画素サイズが0.1mmで、ス
テージの位置精度が±1mmならば、特徴量を算出すべ
きパターンの位置は画像上で±10画素の誤差を持つこ
とになる。画像上のどのパターンの特徴量を算出しても
差し支えない場合(同一パターンが繰り返されている場
合など)には関係ないが、特定のパターンの特徴量を算
出する必要がある場合は、上記の位置誤差は問題であ
る。このニーズに対しては、画像処理用計算機15に、
あらかじめ、算出箇所を指定してある標準パターンを記
憶させておき、これと検出画像との相関により算出ポイ
ントを求めるようにする。このようにして、画像処理用
計算機15がメモリに記憶された算出箇所の標準パター
ンとA/D変換器8から検出される検出画像とを比較し
て相関をとって相関がとれた点を算出ポイントとし、該
算出ポイントにおける検出画像を記憶装置14a、14
bに何れかから読み出し、画像処理用計算機15が特徴
量を算出すれば良い。 次に図7を用いて画像処理用計
算機15において行なうパターンの幅の特徴量の算出に
ついて説明する。図7(a)には、ウエハ等の半導体基
板72上にレジスト71が形成された断面形状を示す。
図7(b)には、図7(a)に示すレジストパターンか
ら検出される電子線によるディジタル検出画像を示す。
即ち、記憶装置14a、14bの何れかに図7(b)に
示す如く所定個所のディジタル検出画像が記憶されるこ
とになる。画像処理用計算機15は、レジストパターン
の幅方向の複数の走査線(図7(b)に示すJ−J’、
K−K’)のディジタル検出画像を加算し、図7(c)
に示すディジタル画像信号を得る。このように電子線の
画像では、一般的にエッジ効果と呼ばれているようにエ
ッジ部が明るく検出される。次に画像処理用計算機15
は、図7(c)に示すディジタル画像信号に対して順次
例えば3×3の画素群に切りだしてこの切り出された3
×3の画素群におけるディジタル画像に対して平均化し
てそのディジタル画像信号を3×3の画素群の中央画素
として出力することによって平滑化処理を行なって図7
(d)に示すノイズ成分を除去したディジタル画像信号
を得る。そして、画像処理用計算機15は、図7(d)
に示すディジタル画像信号のMAX値(最大値)とMI
N値(最小値)とを求め、この求められたMAX値(最
大値)とMIN値(最小値)とに基いて、例えば、(M
AX値+MIN値)/2の演算をして閾値Thを求め、
図7(e)に示すようにこの閾値Thを横切る4点の座
標P1,P2,P3,P4を算出する。更に画像処理用
計算機15は、レジストパターンの特徴量である線幅W
を次に示す(数1)式に基いて算出することができる。
【0024】 W=((P3+P4)−(P1+P2))/2 (数1) 画像処理用計算機15は、この算出された線幅Wが正常
なものに対して許容値以上の場合には、異常として判定
することができる。以上説明したように、画像処理用計
算機15において算出されたパターンの特徴量を、例え
ばウエハ単位若しくはロット単位に、プロセスの異常診
断装置(計算機等で構成される。)16に接続された外
部記憶装置17に蓄積することによって、プロセスの異
常診断装置16はウエハ単位若しくはロット単位にプロ
セスの異常診断を行なうことができる。またプロセスの
異常診断装置16は、例えばウエハ単位若しくはロット
単位に、比較・欠陥判定回路10から得られるウエハ内
で規則性なく不均一に発生する欠陥の情報を入力すれ
ば、この欠陥の情報を加味してウエハ単位若しくはロッ
ト単位にプロセスの異常診断を行なうことができる。ま
たプロセスの異常診断装置16において、入力手段18
により、ウエハ単位若しくはロット単位を入力すること
によって、表示手段19にパターンの特徴量の変化情報
やこの特徴量に基づく異常(欠陥)の変化情報等を出力
して表示することができると共に規則性なく不均一に発
生する欠陥の発生頻度を示すウエハ上のマップ情報や該
欠陥の発生の変化の情報等を出力して表示することがで
きる。このようにプロセスの異常診断装置16は、ウエ
ハ単位若しくはロット単位に検査結果の情報を表示手段
19等に表示して出力することによって、特定プロセス
の異常診断を行なうことができる。特にパターンの特徴
量によって、露光・現像工程の異常診断を行なうことが
できる。
【0025】なお、ウエハ等の半導体基板の場合、薄膜
多層パターンで形成されているため、光学的な検出画像
では何層も下にある下層まで透けて見えたり、段差が暗
く見えたりして複雑なパターンになりがちであるが、こ
のような複雑なパターンからなる光学的な検出画像に対
しても適用することができる。特に表面に存在する光に
対して不透明な配線パターンについては、光学的な検出
画像でも、電子線による検出画像と同様に検査すること
が可能となる。図8には、本発明に係る光学式のウエハ
パターン検査装置の構成を示す。図8において、被検査
物であるウエハ1は、照明用ランプ84により、ハーフ
ミラー85を介して照明され、ウエハ1からの反射光
は、対物レンズ83により、イメージセンサ86上に結
像される。イメージセンサとしては、例えばTDI(Ti
meDelay & Integration)ラインセンサが好適である。
そして、ステージ7により、ウエハ1をイメージセンサ
の走査と直交する方向、即ちX方向に移動させることに
よって被検査パターンの2次元の画像を検出することが
できる。イメージセンサ86の出力信号S10はA/D
変換器8によってディジタル信号S11に変換される。
ディジタル信号S11は、遅延回路9によってウエハが
1チップ分あるいは1セル分移動する時間だけ電気的に
遅らされ、比較・欠陥判定回路10において、もとの信
号S11と比較される。2a、2bはウエハ1上の隣接
するチップであるが、遅延回路で遅らせる時間を、ウエ
ハが1チップ分移動する時間にすれば、もとの信号S1
1と遅延回路9の出力信号S12はそれぞれ、隣接する
チップ、例えば2a、2bの画像信号に相当することに
なり、2a、2bの検出画像を比較しているのと等価に
なる。
【0026】比較・欠陥判定回路10は、論理を電気回
路で実現したもので、パイプライン処理で不一致部を検
出する。例えば、画像信号S11、S12のエッジを抽
出して位置合わせした後、差画像を求れば、不一致部を
検出することができる。その他、不一致部を検出にはさ
まざまなアルゴリズムが提案されているので、適したア
ルゴリズムをハードウエア化すればよい。計算機上での
ソフトウエア処理ではなくハードウエアで処理を行うの
は、検査速度を上げるためである。というのも、この比
較検査は、規則性なく不均一に発生する欠陥の検出が目
的であり、規則性なく不均一に発生する欠陥の検出に
は、より広範囲を検査した方が有利なので、検査速度が
速くなければならないからである。ここで得られた欠陥
情報は装置全体を制御するシステム制御用計算機11に
送られる。一方、あらかじめ指定しておいた座標にウエ
ハが到達すると(座標データの管理はシステム制御用計
算機11が行う)、検出画像(画像信号S12)は記憶
装置14aあるいは14bに取り込まれる(14a,b
の切替えは、入力切替え回路13をシステム制御用計算
機11が制御することにより行われる)。画像処理用計
算機15は、記憶装置14aあるいは14bに記憶され
た検出画像を読み出し、パターン特徴量(寸法、位置関
係等)の算出を行い、特徴量の良品規格に対する適合・
不適合を判断する。なお、記憶装置を14a、14bの
2台設けたのは、画像処理用計算機が14aから画像を
読み出して処理している間は、14bを画像取り込み用
として使用し、画像の読み出し及び処理が終了すると、
今度は14aを画像取り込み用に、14bを画像読み出
し用に切り替え、画像処理用計算機15は、既に14b
に蓄えられている画像の読み出しと処理を開始する、と
いう用い方をすることによって、画像処理計算機の処理
が終わらないと、ウエハが次の検出箇所に移動できない
という不都合をなくすためである。画像処理用計算機1
5での処理分量が大きい時や、特徴量を算出すべき箇所
が多く、この構成でも間に合わない場合には、画像処理
用計算機と記憶装置の台数を増やすことも可能である。
【0027】画像処理用計算機15での特徴量の算出
は、(特徴量の内容によっては)ハードウエアで実現す
ることも可能であるが、本実施の形態では、前述のよう
に画像処理用計算機上でのソフトウエア処理で行ってい
る。その理由は、特徴量算出の目的がウエハ全面で一様
に発生するような不良の検知であるため、ウエハ全面を
対象としなくとも、例えば、1チップにつき一箇所程度
の頻度でも十分効果が見込めるので、高速な処理よりも
画像処理内容をフレキシブルに変更できるソフトウエア
処理の方が適しているからである。ここで「一箇所」と
は、例えて言うなら、50μm*50μmの範囲を、画
素サイズ0.1μmで検出した画像1枚である。なお、
特徴量の算出方法については、前述したように行なわれ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ウエハ等の半導体基板
内で規則性なく不均一に発生する欠陥と、ウエハ全域で
同様に発生する欠陥との両方についての検査をすること
により、ウエハ等の半導体基板上に発生する欠陥を全て
検査することが可能となり、その結果ウエハ等の半導体
基板の歩留まりをより一層向上すると共に高信頼性を有
するウエハ等の半導体基板を製造することができる効果
を奏する。また本発明によれば、パターンの特徴量を系
統的に蓄積することによって、プロセスの異常診断を行
なうことができる効果を奏する。また本発明によれば、
電子線の画像を用いることによって、光学的に透過する
パターンを有する薄膜多層パターンに対して単純なパタ
ーンの画像信号にして、規則性なく不均一に発生する欠
陥と同様に発生する欠陥との両方についての検査をする
ことにより、ウエハ等の半導体基板上に発生する欠陥を
全て検査することが可能となり、その結果ウエハ等の半
導体基板の歩留まりをより一層向上すると共に高信頼性
を有するウエハ等の半導体基板を製造することができる
効果を奏する。
【0029】特に電子線画像の場合は、発生する電子の
量が基本的に組成(原子番号)に依存するため、物質が
違えば明るさが異なるという物質コントラストの良い、
すなわちルールを設定しやすい画像が得ることが可能と
なる。更に、加速電圧を適切に選べば、照射電子線の進
入深さを浅くして下層パターンに達しないようにもでき
るので、検出画像を最上層のパターンしか含まないより
単純なパターンにすることが可能となると共に、最上層
の一層下の層まで照射電子線が進入するような加速電圧
を選ぶことによって、最上層とその下の層の位置関係に
関する特徴量を求めやすくするようなことも可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基本原理を示す図である。
【図2】本発明に係る電子線式ウエハパターン検査装置
の一実施の形態を示す構成図である。
【図3】図2に示す検査装置において加速電圧の最適化
による効果を示す模式図である。
【図4】図2に示す検査装置においてパターンの特徴量
を算出する第1の実施の形態を示した図である。
【図5】図2に示す検査装置においてパターンの特徴量
を算出する第2の実施の形態を示した図である。
【図6】図2に示す検査装置においてパターンの特徴量
を算出する第3の実施の形態を示した図である。
【図7】図2に示す検査装置においてパターンの特徴量
を算出する第4の実施の形態を示した図である。
【図8】本発明に係る光学式ウエハパターン検査装置の
一実施の形態を示すの構成を示した図である。
【符号の説明】
1…ウエハ(被検査対象物)、 7…ステージ、 8…
A/D変換器、 9…遅延回路、 10…比較・欠陥判
定回路、 11…システム制御用計算機、 12…ステ
ージ制御回路、 13…入力切替え回路(所定個所選択
手段)、 14、14a、14b…記憶装置、 15…
画像処理用計算機、 16…プロセスの異常診断装置
(計算機)、 17…外部記憶装置、 18…入力手
段、 19…表示手段(出力手段)、 21…電子銃、
22…磁界レンズ、 23…磁界レンズ、 24…偏
向器、 25…検出器(撮像装置)、 26…アンプ、
27…高圧電源(加速電圧付与手段)、 2…チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 有俊 東京都青梅市今井2326番地株式会社日立製 作所デバイス開発センタ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線を出射する電子銃と、該電子銃から
    出射された電子線を複数個の同一パターン群が規則的に
    配列された被検査対象に対して集束させるレンズ系と、
    集束された電子線を走査する偏向器と、前記被検査対象
    から発生する電子を検出する検出器と、該検出器から得
    られる電子による画像信号をディジタル画像信号に変換
    するA/D変換器と、該A/D変換器から得られるディ
    ジタル画像信号から前記被検査対象上の特定個所におけ
    るパターンの特徴量を算出し、該算出されたパターンの
    特徴量に基いて良品の規格に対して適合・不適合を判断
    し、更に前記検出器から得られるパターン群に応じた画
    像信号同士を比較して不一致部を抽出して欠陥を検出す
    る計算手段とを備えたことを特徴とする電子線によるパ
    ターン検査装置。
  2. 【請求項2】電子線を出射する電子銃と、該電子銃から
    出射された電子線を複数個の同一パターン群が規則的に
    配列された被検査対象に対して集束させるレンズ系と、
    集束された電子線を走査する偏向器と、前記被検査対象
    から発生する電子を検出する検出器と、該検出器から得
    られる電子による画像信号をディジタル画像信号に変換
    するA/D変換器と、該A/D変換器から得られるディ
    ジタル画像信号から前記被検査対象上の特定個所におけ
    るパターンの特徴量を算出し、該算出されたパターンの
    特徴量に基いて良品の規格に対して適合・不適合を判断
    する計算手段と、前記検出器から得られるパターン群に
    応じた画像信号同士を比較して不一致部を抽出して欠陥
    を検出する欠陥判定手段とを備えたことを特徴とする電
    子線によるパターン検査装置。
  3. 【請求項3】更に前記被検査対象に入射させる電子線の
    加速を制御する加速電圧制御手段を有することを特徴と
    する請求項1または2記載の電子線によるパターン検査
    装置。
  4. 【請求項4】前記計算手段において前記被検査対象上の
    特定個所の指定を、前記A/D変換器から得られるディ
    ジタル画像信号と所望の標準パターンとの相関関係に基
    いて行なうことを特徴とする請求項2記載の電子線によ
    るパターン検査装置。
  5. 【請求項5】電子銃から出射された電子線をレンズ系に
    より複数個の同一パターン群が規則的に配列された被検
    査対象に対して集束させて照射して前記被検査対象から
    発生する電子を検出器により検出する電子による画像信
    号検出工程と、この検出された電子による画像信号をA
    /D変換器によりディジタル画像信号に変換し、この変
    換されたディジタル画像信号から前記被検査対象上の特
    定個所におけるパターンの特徴量を算出してこの算出さ
    れたパターンの特徴量に基いて良品の規格に対して適合
    ・不適合を判断し、前記変換されたパターン群に応じた
    画像信号同士を比較して不一致部を抽出して欠陥を検出
    する検査工程とを有することを特徴とする電子線による
    パターン検査方法。
  6. 【請求項6】複数個の同一パターン群が規則的に配列さ
    れた被検査対象から画像信号を検出する検出器と、該検
    出器から得られる画像信号をディジタル画像信号に変換
    するA/D変換器と、該A/D変換器から得られるディ
    ジタル画像信号から前記被検査対象上の特定個所におけ
    るパターンの特徴量を算出し、該算出されたパターンの
    特徴量に基いて良品の規格に対して適合・不適合を判断
    する計算手段と、前記検出器から得られるパターン群に
    応じた画像信号同士を比較して不一致部を抽出して欠陥
    を検出する欠陥判定手段とを備えたことを特徴とするパ
    ターン検査装置。
  7. 【請求項7】電子線を出射する電子銃と、該電子銃から
    出射された電子線を複数個の同一パターン群が規則的に
    配列された被検査対象に対して集束させるレンズ系と、
    集束された電子線を走査する偏向器と、前記被検査対象
    から発生する電子を検出する検出器と、該検出器から得
    られる電子による画像信号をディジタル画像信号に変換
    するA/D変換器と、該A/D変換器から得られるディ
    ジタル画像信号から前記被検査対象上の特定個所におけ
    るパターンの特徴量を算出し、該算出されたパターンの
    特徴量に基いて良品の規格に対して適合・不適合を判断
    する計算手段とを備えた電子線によるパターン検査装置
    を設け、 更に該パターン検査装置の計算手段で算出されるパター
    ンの特徴量を系統的に蓄積し、特徴量の変動をモニター
    するプロセスの異常診断装置を備えたことを特徴とする
    プロセスの異常診断システム。
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