JP2005113218A - 熱処理システム - Google Patents

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Kikuo Maeda
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Abstract

【課題】 一次熱処理で窒素富化層を形成し、二次熱処理で一次熱処理での加熱温度よりも低温で焼入れする熱処理システムにおいて、二次熱処理時の加熱温度を厳密に管理する。
【解決手段】 一次熱処理装置1は、加熱機11で軸受部品をA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却して軸受部品の表面に窒素富化層を形成する。この軸受部品は引き続いて二次熱処理装置2に移送され、A1変態点を越えかつ一次焼入れ温度未満に加熱した後、A1変態点未満に冷却される。二次熱処理装置2に設置した加熱機21内で、軸受部品の温度を非接触センサ5で検出することにより、二次加熱温度を管理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼製部品に二段の熱処理(一次熱処理および二次熱処理)を施す熱処理システムに関するものである。
高い転動疲労寿命が求められる鋼製の機械部品、例えば転がり軸受の軸受部品に適合する熱処理方法として、特開平15−226918号公報に記載されたものがある。これは、軸受部品用の鋼をA1変態点を超える浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上で浸炭窒化処理の温度未満の焼入れ温度域(790℃〜830℃)に再加熱して焼入れを行うものである。
この方法によれば、表層の浸炭窒化層の存在により軸受部品が高硬度化され、かつ再加熱時の焼入れ温度がオーステナイト結晶粒の成長が生じにくい温度に抑えられるので、オーステナイト粒径を平均粒径8μm以下まで微小化することができる。これにより粒界強度が増すため、転動疲労寿命の向上、さらには耐割れ性の向上等の効果が得られる。
特開平15−226918号公報
このように前記公報に開示された発明では、二次熱処理の加熱温度(二次加熱温度)が、A1変態点温度を越えかつ一次熱処理での加熱温度よりも低温の温度領域に制限される。このように温度領域の幅が一定範囲に制限され、かつその幅も狭い(60℃〜80℃程度)ことから、部品全体で均一に結晶粒を微細化するためには、二次加熱温度を厳密に管理する必要がある。この際、従来の一般的な焼入れ工程のように、炉内の雰囲気温度を測定していたのでは、炉内装入位置のずれ等により測定温度と実際の軸受部品の温度との間に大きなずれを生じる可能性があり、厳密な温度管理は難しい。
そこで、本発明は、一次熱処理で窒素富化層を形成し、二次熱処理で一次熱処理での加熱温度よりも低温で焼入れする熱処理システムにおいて、二次熱処理時の加熱温度を厳密に管理することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明にかかる熱処理システムは、鋼製部品をA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却することにより表面に窒素富化層を形成する一次熱処理装置と、一次熱処理後の鋼製部品を、A1変態点を越えかつ一次熱処理での加熱温度未満に加熱した後、A1変態点未満に冷却する二次熱処理装置とを備え、二次熱処理装置に設置した加熱機内で、鋼製部品の温度をセンサで検出するものである。
この熱処理システムによれば、一次熱処理装置での熱処理により、表面に窒素が拡散した窒素富化層が形成されるので、鋼製部品の表面硬さが増す。その一方、一次熱処理後は鋼組織中のオーステナイト粒が粗大化しているが、その後に一次熱処理での加熱温度(一次加熱温度)よりも低温で二次熱処理が行われるため、オーステナイト粒が通常品の半分程度に微細化され、オーステナイト結晶粒度番号でいえば10番を越える微細な結晶粒度が得られる。以上の特性から、耐摩耗性や耐割れ性を向上させ、さらに転動疲労寿命の大幅な向上を図ることができる。
本発明では、二次熱処理装置に設置した加熱機内で、鋼製部品の温度をセンサで直接検出しているので、厳密な温度管理が必要とされる二次加熱温度を精度よく把握することができる。従って、この検出値に応じて炉出力や炉内加熱時間を調整することができ、これにより加熱むらが少なく、部品全体で均一に結晶粒度を微細化した高品質の鋼製部品が得られる。温度誤差を少なくするため、センサとしては、非接触型の温度センサを使用するのが好ましい。
一次熱処理装置では、A1変態点以上に加熱することにより、鋼の表面に窒素を富化した窒素富化層が形成される。この加熱条件を満たす窒素富化層の形成手段としては、浸炭窒化処理が考えられ、コスト面や品質面を考慮すると特にガス浸炭窒化が好ましい。
一次熱処理装置および二次熱処理装置の何れも、A1変態点以上に加熱するための加熱機と、その後にA1変態点未満に冷却するための冷却機を基本構成として含む。但し加熱機と冷却機に限られるものではなく、例えば冷却機で使用する焼入れ液の種類に応じて(油やソルトを使用する場合等)、部品表面に付着した焼入れ液を除去するための洗浄機を含めることもできる。さらには、一次熱処理後や二次熱処理後に焼戻しを行う場合、該当する熱処理装置に焼戻し機を組み込んで一体化することもできる。なお、一次熱処理装置でガス浸炭窒化を行う場合、一次熱処理装置の加熱機としては、浸炭性ガスにアンモニアを添加した雰囲気ガスで加熱する雰囲気炉が使用される。
以上のように、本発明によれば、二次熱処理装置での加熱温度を精度よく管理することができる。従って、加熱むらを防止して部品全体で結晶粒度を均一に微細化することができ、これによって鋼製部品の品質安定化を図ることができる。
以下、鋼製部品の一例として軸受部品を使用し、これに適用した本発明の一実施形態を説明する。
図1に本発明にかかる熱処理システムの構成を概念的に示す。図示のように、この熱処理システムは、一次熱処理装置1と二次熱処理装置2とで構成される。鍛造→旋削等の成形工程(図示せず)で成形された軸受部品は、一次熱処理装置1および二次熱処理装置2に順次移送され、それぞれの装置で加熱・冷却されて二段の熱処理を施される。
ここでいう軸受部品は、玉軸受、円錐ころ軸受、ころ軸受、針状ころ軸受等の転がり軸受の軸受部品を意味する。図2は、一例として外輪41、内輪42、および転動体43を主要な構成要素とする深溝玉軸受4を示すものであり、これら外輪41、内輪42、および転動体43がここでいう軸受部品に該当する。これら軸受部品の素材としては、SUJ2等の軸受鋼の他、C:0.6〜1.3wt%、Si:0.3〜3.0wt%、Mn:0.2〜1.5wt%、Cr:0.3〜5.0wt%、Ni:0.1〜3wt%を含む(望ましくはMo:0.05〜0.25wt%未満、V:0.05〜1.0wt%をさらに含む)高温用の軸受鋼や、C:0.4〜0.8wt%、Si:0.2〜0.9wt%、Mn:0.7〜1.3wt%、Cr:0.7wt%以下を含む中炭素鋼等も使用することができる。
一次熱処理装置1は、加熱機11、冷却機12、および洗浄機13で構成される。図1では、一次熱処理装置1として連続式を例示しているが、バッチ式を使用することもできる。加熱機11は、例えば浸炭性ガスにアンモニアを添加した雰囲気炉で構成される。この加熱機11内では、軸受部品が図3に示すようにA1変態点を越える温度T1(800℃〜900℃、例えば850℃)で所定時間(例えば40分)加熱され、これにより活性状態の窒素が表層に拡散して軸受部品の表層が硬化される(ガス浸炭窒化)。加熱機11は、基本的には表面に窒素富化層を形成することを目的とするから、少なくとも窒化すればよく、必ずしも浸炭は必要でない。但し、条件によっては、例えば脱炭が懸念される場合や使用鋼材の炭素量が少なく、十分な硬度を確保できない場合等は、窒化の他に浸炭も不可欠となる。加熱後の軸受部品は、冷却機12にて図3に示すようにMs点以下に冷却(例えば油冷)され、さらに洗浄機13に移送されて冷却液の洗浄除去が行われる。
一次熱処理装置1で浸炭窒化された軸受部品は、コンベヤ等の搬送手段3を介して二次熱処理装置2に供給される。二次熱処理装置2は、普通焼入れを行うもので、加熱機21、冷却機22、洗浄機23、および焼戻し機24で構成される。図1では、二次熱処理装置2として連続式を例示しているが、バッチ式を使用することもできる。加熱機21では、図3に示すように、一次熱処理装置1から移送された軸受部品をA1変態点以上でかつ一次熱処理装置1での一次加熱温度T1未満の温度T2(790℃〜830℃、例えば800℃)で所定時間(30分)加熱する(二次加熱)。この二次加熱温度は、一次加熱温度よりも低温であるで、鋼中のオーステナイト粒は微細化される。二次加熱後の軸受部品は、冷却機22にてMs点以下に冷却(例えば油冷)されて焼入れされ、さらに洗浄機23に移送されて冷却液の洗浄除去が行われる。その後、この軸受部品は焼戻し機24に移送され、適当な温度T3(例えば180℃)で焼戻される。加熱機21としては、電気抵抗炉、燃焼炉等の一般的な加熱炉の他、真空炉、塩浴炉、あるいは高周波加熱をはじめとする誘導加熱炉等を使用することもできる。なお、焼戻し機24は、図示のように二次熱処理装置2と一体化する他、これと分離して設置することもできる。
二次熱処理装置2の加熱機21の炉内には、軸受部品の温度を非接触で検出するセンサ5が設けられる。このセンサ5としては、例えば赤外線温度センサ等が使用可能である。このセンサ5は、炉内に搬入された軸受部品の温度を測定することにより、加熱対象の軸受部品が規定の二次加熱温度T2になっているか否かをセンシングする。この検出値を制御装置にフィードバックすることにより、炉の出力調整や炉内加熱時間の調整が行われる。このように規定の二次加熱温度T2で精度よく安定して加熱できるので、軸受部品全体で均一に結晶粒度を微細化することができ、軸受部品の高品質化が図られる。
なお、以上の説明では、冷却機12、22での冷却方法として油冷を例示したが、塩浴や空冷等の他の冷却方法を採用することもでき、また、一次熱処理装置1と二次熱処理装置2で異なる冷却方法を採用することもできる。一次熱処理装置1の冷却機12では、軸受部品を500℃程度で恒温保持してもよい。本実施形態では、何れの冷却機12、22でも油冷する関係で、冷却機12、22の後段に洗浄機13、23を設置しているが、水冷や空冷等の場合にはこの種の洗浄機は不要となる。
以上に述べた一次加熱温度T1、二次加熱温度T2、および焼戻し温度T3は何れも鋼材として軸受鋼SUJ2を使用する場合を例示したものである。使用鋼材の種類によっては、これらの温度T1、T2、T3は上記例示と異なる温度をとる場合がある。
以上の過程で熱処理された軸受部品では、表層に窒素富化層(窒素含有量0.1〜0.7wt%)が形成されるため、Hv700を越える高硬度が得られ、かつミクロ組織中のオーステナイト粒が微細化されてそのオーステナイト結晶粒度は10番を越えるものとなる。また、軸受部品の破壊応力値2650MPa以上、鋼中の水素濃度0.5ppm以下、残留オーステナイト量13〜25%という通常品を遥かに凌ぐ良好な物性値が得られる。従って、耐割れ強度、耐摩耗性等を向上させることができ、さらには転動疲労寿命の向上に顕著な効果が得られる。
本発明では、上述のように二次熱処理装置2の加熱機21の炉内で、センサ5によって軸受部品の温度を測定しているので、二次加熱温度T2を厳密に管理することができる。従って、センサ5からのデータを図示しない制御装置に送信し、これ基づいて炉出力を調整し、あるいは加熱時間を調節することにより二次加熱時の加熱むらが防止され、部品全体で結晶粒を均一に微細化することができる。図示のような連続炉の場合、加熱時間の調整は、炉内に設置されたコンベヤ等の搬送装置の速度を調節することによって行うことができる。また、図1ではセンサ5を炉内の一箇所にのみ配置しているが、これを複数箇所(例えば炉の入口付近、中央部付近、出口付近の三箇所等)に配置することにより、さらに細かな温度管理を行うこともできる。
なお、以上の説明では熱処理の対象として軸受部品を例示したが、本発明はこれに限らず、高い転動疲労寿命が要求される機械部品(例えば等速自在継手の構成部品)、さらには鋼製部品一般に広く適用することができる。
本発明にかかる熱処理システムの概略構成を示す断面図である。 深溝玉軸受の断面図である。 上記熱処理システムにおける熱処理のサイクル図である。
符号の説明
1 一次熱処理装置
2 二次熱処理装置
3 搬送手段
4 転がり軸受
5 センサ
11 加熱機(一次加熱)
12 冷却機
13 洗浄機
21 加熱機(二次加熱)
22 冷却機
23 洗浄機
24 焼戻し機
41 外輪
42 内輪
42 転動体

Claims (3)

  1. 鋼製部品をA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却して表面に窒素富化層を形成する一次熱処理装置と、一次熱処理後の鋼製部品を、A1変態点を越えかつ一次熱処理での加熱温度未満に加熱した後、A1変態点未満に冷却する二次熱処理装置とを備え、二次熱処理装置に設置した加熱機内で、鋼製部品の温度をセンサで検出することを特徴とする熱処理システム。
  2. センサが非接触型の温度センサである請求項1記載の熱処理システム。
  3. 一次熱処理装置が、ガス浸炭窒化させる加熱機を含む請求項1または2記載の熱処理システム。
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