JP2005113212A - 熱処理システム - Google Patents

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Hirokazu Nakajima
碩一 中島
Kikuo Maeda
貴久男 前田
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Abstract

【課題】 一次熱処理で窒素富化層を形成し、二次熱処理で一次熱処理での加熱温度よりも低温で焼入れする熱処理システムにおいて、システム全体の熱処理効率を向上させる。
【解決手段】 一次熱処理装置1は、加熱機11で軸受部品をA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却して軸受部品の表面に窒素富化層を形成する。この軸受部品は引き続いて二次熱処理装置2に移送され、A1変態点を越えかつ一次焼入れ温度未満に加熱した後、A1変態点未満に冷却される。一次熱処理装置1は並列状態で複数箇所に配置し、各一次熱処理装置1から搬出された軸受部品は、一つの二次熱処理装置2に供給される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼製部品に二段の熱処理(一次熱処理および二次熱処理)を施す熱処理システムに関するものである。
高い転動疲労寿命が求められる鋼製の機械部品、例えば転がり軸受の軸受部品に適合する熱処理方法として、特開平15−226918号公報に記載されたものがある。これは、軸受部品用の鋼をA1変態点を超える浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上で浸炭窒化処理の温度未満の焼入れ温度域(790℃〜830℃)に再加熱して焼入れを行うものである。
この方法によれば、表層の浸炭窒化層の存在により軸受部品が高硬度化され、かつ再加熱時の焼入れ温度がオーステナイト結晶粒の成長が生じにくい温度に抑えられるので、オーステナイト粒径を平均粒径8μm以下まで微小化することができる。これにより粒界強度が増すため、転動疲労寿命の向上、さらには耐割れ性の向上等の効果が得られる。
特開平15−226918号公報
このように前記公報に開示された発明では、一次熱処理と二次熱処理の二段の熱処理が必要となるが、通常、一次熱処理での加熱時間は、二次熱処理における加熱時間よりも長くなる。従って、上記発明では、一次熱処理の処理時間が二次熱処理よりも長く、一次熱処理装置と二次熱処理装置の間の熱処理効率の差から、二次熱処理装置で遊びが生じ、システム全体での熱処理効率の低下を招く。
そこで、本発明は、一次熱処理で窒素富化層を形成し、二次熱処理で一次熱処理での加熱温度よりも低温で焼入れする熱処理システムにおいて、システム全体の稼動効率を向上させることを目的とする。
この目的を達成するため、本発明にかかる熱処理システムは、鋼製部品をA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却して表面に窒素富化層を形成する一次熱処理装置と、一次熱処理後の鋼製部品を、A1変態点を越えかつ一次熱処理での加熱温度未満に加熱した後、A1変態点未満に冷却する二次熱処理装置とを備え、複数の一次熱処理装置を並列に設置したものである。
この熱処理システムによれば、一次熱処理装置での熱処理により、表面に窒素が拡散した窒素富化層が形成されるので、鋼製部品の表面硬さが増す。その一方、一次熱処理後は鋼組織中のオーステナイト粒が粗大化しているが、その後に一次熱処理での加熱温度(一次加熱温度)よりも低温で二次熱処理が行われるため、オーステナイト粒が通常品の半分程度に微細化され、オーステナイト結晶粒度番号でいえば10番を越える微細な結晶粒度が得られる。以上の特性から、耐摩耗性や耐割れ性を向上させ、さらに転動疲労寿命の大幅な向上を図ることができる。
本発明では、複数の一次熱処理装置を並列に設置しているので、一次熱処理側での熱処理効率を向上させ、二次熱処理側の熱処理効率とバランスさせることができる。従って、二次熱処理側での各機器の遊びを減じ、システム全体の熱処理効率を向上させることが可能となる。
一次熱処理装置では、A1変態点以上に加熱することにより、鋼の表面に窒素を富化した窒素富化層が形成される。この加熱条件を満たす窒素富化層の形成手段としては、浸炭窒化処理が考えられ、コスト面や品質面を考慮すると特にガス浸炭窒化が好ましい。この場合、一次熱処理装置の加熱機としては、浸炭性ガスにアンモニアを添加した雰囲気ガスで加熱する雰囲気炉を使用することができる。
一次熱処理装置および二次熱処理装置の何れも、A1変態点以上に加熱するための加熱機と、その後にA1変態点未満に冷却するための冷却機を基本構成として含む。但し加熱機と冷却機に限られるものではなく、両装置には、例えば冷却機で使用する焼入れ液の種類に応じて(油やソルトを使用する場合等)、部品表面に付着した冷却液を除去するための洗浄機を含めることもできる。さらには、一次熱処理後や二次熱処理後に焼戻しを行う場合、該当する熱処理装置にそれぞれ焼戻し機を組み込んで一体化することもできる。
以上のように、本発明によれば、一次熱処理側と二次熱処理側で熱処理効率をバランスさせることができる。従って、システム全体の生産効率を向上させることができ、熱処理コストの削減を通じて低コスト化を図ることができる。
以下、鋼製部品の一例として軸受部品を使用し、これに適用した本発明の一実施形態を説明する。
図1に本発明にかかる熱処理システムの構成を概念的に示す。図示のように、この熱処理システムは、複数の一次熱処理装置1と一つの二次熱処理装置2とで構成される。鍛造→旋削等の成形工程(図示せず)で成形された軸受部品は、各一次熱処理装置1および二次熱処理装置2に順次移送され、それぞれの装置で加熱・冷却されて二段の熱処理を施される。
ここでいう軸受部品は、玉軸受、円錐ころ軸受、ころ軸受、針状ころ軸受等の転がり軸受の軸受部品を意味する。図2は、一例として外輪41、内輪42、および転動体43を主要な構成要素とする深溝玉軸受4を示すものであり、これら外輪41、内輪42、および転動体43がここでいう軸受部品に該当する。これら軸受部品の素材としては、SUJ2等の軸受鋼の他、C:0.6〜1.3wt%、Si:0.3〜3.0wt%、Mn:0.2〜1.5wt%、Cr:0.3〜5.0wt%、Ni:0.1〜3wt%を含む(望ましくはMo:0.05〜0.25wt%未満、V:0.05〜1.0wt%をさらに含む)高温用の軸受鋼や、C:0.4〜0.8wt%、Si:0.2〜0.9wt%、Mn:0.7〜1.3wt%、Cr:0.7wt%以下を含む中炭素鋼等も使用することができる。
図1に示すように複数の一次熱処理装置1は並列に設置される。各一次熱処理装置1は、加熱機11、冷却機12、および洗浄機13で構成される。図1では、一次熱処理装置1として連続式を例示しているが、バッチ式を使用することもできる。加熱機11は、例えば浸炭性ガスにアンモニアを添加した雰囲気炉で構成される。この加熱機11内では、軸受部品が図3に示すようにA1変態点を越える温度T1(800℃〜900℃、例えば850℃)で所定時間(例えば40分)加熱され、これにより活性状態の窒素が表層に拡散して軸受部品の表層が硬化される(ガス浸炭窒化)。加熱機11は、基本的には表面に窒素富化層を形成することを目的とするから、少なくとも窒化すればよく、必ずしも浸炭は必要でない。但し、条件によっては、例えば脱炭が懸念される場合や使用鋼材の炭素量が少なく、十分な硬度を確保できない場合等は、窒化の他に浸炭も不可欠となる。加熱後の軸受部品は、図3に示すように冷却機12にてMs点以下に冷却(例えば油冷)され、さらに洗浄機13に移送されて冷却液の洗浄除去が行われる。
各一次熱処理装置1で浸炭窒化された軸受部品は、図示しないコンベヤ等の搬送手段を介して共通の二次熱処理装置2に供給される。この二次熱処理装置2は、普通焼入れを行うもので、加熱機21、冷却機22、洗浄機23、および焼戻し機24で構成される。図1では、二次熱処理装置2として連続式を例示しているが、バッチ式を使用することもできる。加熱機21では、図3に示すように、一次熱処理装置1から移送された軸受部品をA1変態点以上でかつ一次熱処理装置1での一次加熱温度T1未満の温度T2(790℃〜830℃、例えば800℃)で所定時間(例えば30分)加熱する(二次加熱)。この二次加熱温度は、一次加熱温度よりも低温であるで、鋼中のオーステナイト粒は微細化される。二次加熱後の軸受部品は、冷却機22にてMs点以下に冷却(例えば油冷)されて焼入れされ、さらに洗浄機23に移送されて冷却液の洗浄除去が行われる。その後、この軸受部品は焼戻し機24に移送され、図3に示すように適当な温度T3(例えば180℃)で焼戻される。加熱機21としては、電気抵抗炉、燃焼炉等の一般的な加熱炉の他、真空炉、塩浴炉、あるいは高周波加熱をはじめとする誘導加熱炉等を使用することもできる。なお、焼戻し機24は、図示のように二次熱処理装置2と一体化する他、これと分離して設置することもできる。
なお、以上の説明では、冷却機12、22での冷却方法として油冷を例示したが、塩浴や空冷等の他の冷却方法を採用することもでき、また、一次熱処理装置1と二次熱処理装置2で異なる冷却方法を採用することもできる。本実施形態では、何れの冷却機12、22でも油冷する関係で、冷却機12、22の後段に洗浄機13、23を設置しているが、水冷や空冷等の場合にはこの種の洗浄機は不要となる。
以上に述べた一次加熱温度T1、二次加熱温度T2、および焼戻し温度T3は何れも鋼材として軸受鋼SUJ2を使用する場合を例示したものである。使用鋼材の種類によっては、これらの温度T1、T2、T3は上記例示と異なる温度をとる場合がある。
以上の過程で熱処理された軸受部品では、表層に窒素富化層(窒素含有量0.1〜0.7wt%)が形成されるため、Hv700を越える高硬度が得られ、かつミクロ組織中のオーステナイト粒が微細化されてそのオーステナイト結晶粒度は10番を越えるものとなる。また、軸受部品の破壊応力値2650MPa以上、鋼中の水素濃度0.5ppm以下、残留オーステナイト量13〜25%という通常品を遥かに凌ぐ良好な物性値が得られる。従って、耐割れ強度、耐摩耗性等を向上させることができ、さらには転動疲労寿命の向上に顕著な効果が得られる。
本発明では、上述のように複数の一次熱処理装置1を並列状態で配置し、各一次熱処理装置1で熱処理した軸受部品を共通の二次熱処理装置2に供給している。従って、一次熱処理側全体での熱処理効率を向上させ、二次熱処理装置2の各機器での遊びを減じてシステム全体の生産効率を向上させることが可能となる。一次熱処理装置1の数は、一次熱処理側と二次熱処理側の熱処理効率の差を考慮し、両者をバランスさせ得る範囲で任意に選択することができる。上記実施形態では、二次熱処理装置2の数を一つとしているが、これを複数箇所に配置することで、複数の一次熱処理装置1との間の熱処理効率をバランスさせることもできる(この場合、一次熱処理装置1の数は二次熱処理装置2よりも多くなる)。
なお、以上の説明では熱処理の対象として軸受部品を例示したが、本発明はこれに限らず、高い転動疲労寿命が要求される機械部品(例えば等速自在継手の構成部品)、さらには鋼製部品一般に広く適用することができる。
本発明にかかる熱処理システムの概略構成を示す断面図である。 深溝玉軸受の断面図である。 上記熱処理システムにおける熱処理のサイクル図である。
符号の説明
1 一次熱処理装置
2 二次熱処理装置
4 転がり軸受
11 加熱機(一次加熱)
12 冷却機
13 洗浄機
21 加熱機(二次加熱)
22 冷却機
23 洗浄機
24 焼戻し機
41 外輪
42 内輪
42 転動体

Claims (2)

  1. 鋼製部品をA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却して表面に窒素富化層を形成する一次熱処理装置と、一次熱処理後の鋼製部品を、A1変態点を越えかつ一次熱処理での加熱温度未満に加熱した後、A1変態点未満に冷却する二次熱処理装置とを備え、複数の一次熱処理装置を並列に設置したことを特徴とする熱処理システム。
  2. 一次熱処理装置が、ガス浸炭窒化させる加熱機を含む請求項1記載の熱処理システム。


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