JP2005113204A - 耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造体 - Google Patents

耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】万一、溶接継手に脆性き裂が発生した場合に、補修溶接部にて脆性き裂の伝播を防止して溶接構造体の致命的な破断を防止できる耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造体を提供する。
【解決手段】突合せ溶接継手に発生した脆性き裂の伝播を妨げる耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属であって、前記溶接金属は、前記突合せ溶接継手の端部、あるいは中間部に、母材の板厚全域にわたり多層盛り溶接されており、
前記溶接金属の化学成分はNi量が母材より1.0質量%以上高いことであり、かつ、該溶接金属の組織は円相当径でパケット寸法PSが下記(式1)を満足することを特徴とする耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造物。
PS(μm)≦2*Ni(質量%)+5 ・・・(式1)
【選択図】 図6

Description

本発明は、突合せ溶接継手に発生した脆性き裂の伝播を妨げる耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造体に関する。
具体的には、厚板を用いて大入熱溶接を適用した溶接構造物の突合せ溶接継手に発生する可能性のある脆性き裂の伝播を妨げる耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造体に関するものであり、建築構造物や土木鋼構造物等の安全性を向上させうる技術に関する。
鋼構造物を建造するためには溶接を用いることが必須であるが、建造コストを低減させたり建造能率を向上させる目的で、大入熱溶接が広く適用されている。
特に、鋼板の板厚が増大すると、溶接工数が飛躍的に増加するため、極限まで大入熱で溶接しようとする要求が高い。
しかし、大入熱溶接を適用すると、溶接熱影響(HAZ)部の靭性値が低下し、HAZ部の幅も増大するため、脆性破壊に対する破壊靭性値が低下する傾向にある。
そのため、大入熱溶接を適用してもHAZ部の破壊靭性が低下しにくい鋼材として、たとえば特許文献1、2等の発明がなされている。これらの発明では脆性破壊の発生に対する抵抗値である破壊靭性値は向上されているため、通常の使用環境では脆性破壊する可能性は極めて低く抑えられているが、地震や構造物同士の衝突、といった事故、災害等の非常時に万一脆性破壊が発生してしまうと、脆性き裂はHAZ部を伝播し、大規模な破壊に至る危険性がある。
これまで、板厚25mm程度のTMCP鋼板等が使用されている溶接継手では、脆性き裂が発生しても、溶接部の残留応力により、脆性き裂が溶接継手部から母材側に逸れていくので、母材のアレスト性能を確保しさえすれば、万一、溶接継手部で脆性き裂が発生しても母材で脆性き裂を停止できると考えられてきた。
しかしながら、鋼構造物が大型化することで、より板厚の大きい鋼板が使用されるようになり、また構造を簡素化するためにも鋼板の厚肉化が有効であるため、設計応力が高い高張力鋼の厚鋼板が使用されるようになってきている。このような厚鋼板では、溶接継手部の破壊靭性の程度によっては、脆性き裂が母材に逸れることなく、溶接継手部の熱影響域に沿って伝播することが本発明者の8000トン大型試験機による大型破壊試験により明らかとなった。
本発明者等による鋼板の脆性破壊に係る試験によれば、板厚50mm以下の鋼板に、図1に示すように、鋼板の溶接継手部と交差するように隅肉溶接により骨材(補強板)を取り付けると、鋼板1に脆性亀裂が発生しても骨材3により脆性亀裂の伝播が止められて(アレスト)、鋼板1の破断に至らないことも多い。
しかし、板厚が厚くなると、骨材自体のアレスト性能の確保も充分でなくなり、特に板厚方向に大きな靭性分布が生じるため、脆性亀裂が矢印(⇒)に示すように船殻外板である鋼板と骨材を取り付けている隅肉溶接部を通って、骨材に突入すると、伝播してくる。そして、板厚内部の靭性の低い領域を脆性亀裂が先行して伝播し、その後、鋼板の表層部へも伝播して鋼板を破断させてしまう。即ち、例えば70mm以上の厚肉鋼板については、骨材を隅肉溶接で取り付けても、構造的なクラックアレスターとして機能し得ないことのあることを見出した。
すなわち、たとえ骨材3が溶接で接合されている構造体であっても、HAZ部あるいは溶接金属部に沿って、脆性亀裂が伝播し、大規模な破壊を招く恐れがあった。
特開平6−88161号公報 特開昭60−245768号公報
そこで、本発明は、万一、溶接継手に脆性き裂が発生した場合に、補修溶接部にて脆性き裂の伝播を防止して溶接構造体の致命的な破断を防止できる耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造体を提供することを課題とする。
本発明者は、溶接構造体において、突合せ溶接部の止端部、あるいは中間部に化学成分としてNi量が母材のNi量より1.0質量%以上高いことであり、かつ組織として円相当径でパケット寸法を所定寸法以下であることを特徴とする多層盛り溶接を板厚全域、またはその一部にわたり施工することにより、突合せ溶接部が万一脆性破壊を生じ、溶接部のフュージョンライン、あるいは溶接金属内部を脆性亀裂が伝播しても、多層盛り溶接部にて脆性亀裂の伝播、進行を阻止し、溶接構造体の致命的な破断を防止できることを見出して、本発明を完成したものであり、その要旨とするところは、特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)突合せ溶接継手に発生した脆性き裂の伝播を妨げる耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属であって、
前記溶接金属は、前記突合せ溶接継手の端部、あるいは中間部に、母材の板厚全域にわたり多層盛り溶接されており、
前記溶接金属の化学成分はNi量が母材のNi量より1.0質量%以上高く、かつ、該溶接金属の組織は円相当径でパケット寸法PSが下記(式1)を満足することを特徴とする耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属。
PS(μm)≦2*Ni(質量%)+5 ・・・(式1)
(2)(1)に記載の耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法であって、
前記突合せ溶接継手と多層盛り溶接部が交差する角度φを、3度以上、10度以下とすることを特徴とする耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法。
(3)(1)に記載の耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法であって、
前記多層盛り溶接の入熱量を2.0kJ/mm以上とし、パス間温度を150℃以上とし、
前記突合せ溶接継手と多層盛り溶接部が交差する角度φを、3度以上、10度以下とすることを特徴とする耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法。
(4)突合せ溶接継手に発生した脆性き裂の伝播を妨げる耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体であって、前記溶接構造物の垂直部材の溶接継手と水平部材の溶接継手が交差する領域の一部あるいは全部の領域に対し、当該領域の一部をガウジング、あるいは機械加工により除去した部分に、(1)に記載の溶接金属を補修溶接により埋め込んだことを特徴とする耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体。
本発明によれば、溶接構造体において、突合せ溶接部の止端部、あるいは中間部に化学成分としてNi量が母材のNi量より1.0質量%以上高いことであり、かつ組織として円相当径でパケット寸法を所定寸法以下であることを特徴とする多層盛り溶接を板厚全域にわたり施工することにより、突合せ溶接部が万一脆性破壊を生じ、溶接部のフュージョンライン、あるいは溶接金属内部を脆性亀裂が伝播しても、多層盛り溶接部にて脆性亀裂の伝播、進行を阻止し、溶接構造体の致命的な破断を防止できる耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属、その施工方法、および溶接構造体を提供することができ、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態について図2乃至図6を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の溶接金属を適用する鋼板の突合せ溶接継手を示す図である。
図2において、継手Aは垂直部材5(母材−1)同士の突合せ溶接継手、継手Bは多層盛り溶接継手、継手Cは垂直部材5(母材−1)と水平部材6(母材−2)との突合せ溶接継手、継手Dは水平部材6(母材−2)同士の突合せ溶接継手を示す。
本発明の溶接金属は、図2の継手A,C,Dのような、突合せ溶接部の端部、あるいは中間部の一部をガウジング、あるいは機械加工により除去した後、当該部分に破壊靭性の優れた溶接材料で多層盛り溶接を行うことを特徴とする。
突合せ溶接部にて発生した脆性き裂は、溶接線を伝播するが、この突合せ溶接部の端部、あるいは中間部に破壊靭性の優れた溶接材料で多層盛り溶接することによって、この部分の靭性を高くしてき裂の伝播を防止することができる。
本発明の溶接金属の化学成分はNi量が母材のNi量より1.0質量%以上高いことであり、該溶接金属の組織を円相当径でパケット寸法PSが下記(式1)を満足することを特徴とする。
PS(μm)≦2*Ni(質量%)+5 ・・・(式1)
Ni量を母材のNi量より1.0質量%以上高いこととし、該溶接金属の組織を円相当径でパケット寸法PSが上記(式1)を満足することによって、溶接金属の組織を微細化して破壊靭性を向上させることができる。
なお、(式1)の根拠は実施例を用いて後述する。
図3は、本発明の溶接金属を適用する鋼板の突合せ溶接継手を示す図である。
図3において、継手Aは突合せ溶接継手、継手Bは多層盛り溶接部を示す。
本発明に用いる多層盛り溶接は、図3に示すような、脆性き裂が伝播する可能性のある突合せ溶接継手Aにおいて、脆性き裂を停止させる領域に対し、当該領域の突合せ溶接継手の一部をガウジング、あるいは機械加工により除去した後、当該部分に破壊靭性の優れた溶接材料で補修溶接を実施することを特徴とする。
溶接継手にて発生した脆性き裂は、突合せ溶接継手Aを伝播するが、脆性き裂を停止させる領域に対し、当該領域の突合せ溶接継手の一部をガウジング、あるいは機械加工により除去した後、当該部分に破壊靭性の優れた溶接材料で補修溶接を実施することによって、この部分の靭性を高くしてき裂の伝播を防止することができる。
本発明においては、ガウジングあるいは機械加工の深さは特に規定しないが、垂直部材の板厚の1/2以上をガウジングあるいは機械加工により除去することにより、耐脆性き裂伝播性をさらに向上させることができる。
また、突合せ溶接継手を伝播してきた脆性き裂が、多層盛り溶接部に突入した際、多層盛り溶接部の靭性が低いと補修溶接部にき裂が侵入、伝播してしまうことがある。
そこで、本発明においてはNi量を母材のNi量よりも1.0質量%以上高く含有する溶接材料を使用して多層盛り溶接部を形成し、溶接溶融線近傍において、溶融しているもののNi含有量の高い溶融金属と混合していない領域、いわゆるUn-mixed-zone(以下UMZと称する)を形成し、母材側の溶接HAZ部から溶接金属に向かって拡散しにくいNi元素の濃度分布が形成されることにより、溶接金属や溶接HAZ部よりも著しくNi含有量が欠乏し、破壊靭性値の低い局所領域を形成させる。その結果、脆性き裂発生後、突合せ溶接継手に沿って伝播する脆性き裂が補修溶接部に突入することなく補修溶接部との境界線でUMZに沿って脆性き裂の伝播経路を変化させ、脆性き裂を当該突合せ溶接部から逸らせて母材部に導き出し、アレストさせることができる。
図4は、本発明の溶接方法に用いる多層盛り溶接部の詳細図である。
図4において、5は垂直部材、6水平部材、継手Aは突合せ溶接継手、継手Bは本発明に用いる多層盛り溶接による補修溶接継手を示す。
本発明者等は、脆性き裂が伝播する可能性のある突合せ溶接継手Aにおいて、脆性き裂を停止させる領域に対し、破壊靭性値の優れた溶接材料を用いて当該部分を補修溶接する方法について種々の実験を行った結果、当該突合せ溶接継手の長手方向に対し、多層盛り溶接の入熱量やパス間温度を制御することが好ましいことを見出した。
即ち、多層盛り溶接の入熱を2.0kJ/mm以上とし、パス間温度を150℃以上とすることによって、き裂伝播を停止させる機能を担保しつつ、溶接の施工性を向上させることができる。
また、突合せ溶接継手と補修溶接部が交差する角度φを、3度以上、10度以下を本発明の好ましい範囲とする。
多層盛り溶接部の溶融線近傍に形成する非混合領域(Un-Mixed Zone、以下UMZという)の影響により、突合せ溶接部に沿って伝播してくる脆性き裂を突合せ溶接部からUMZに逸らせることが本発明の主眼であり、突合せ溶接部と多層盛り溶接部との交差する角度φを変化させて、突合せ溶接部から脆性き裂を逸らせることが出来るかを実験した結果、角度φが10度以上だと、多層盛り溶接部に脆性き裂が突入してくることが多いため、補修溶接部の破壊靭性が十分高くないと脆性き裂を停止させることはできないが、10度以下であれば、脆性き裂が補修溶接部と母材との境界部に沿って伝播させることができることを知見した。
しかし、角度φが3度以下になると、脆性き裂は多層盛り溶接部と母材との境界部に沿って伝播するものの、補修溶接部の領域を抜けた位置の周辺で、突合せ溶接部との距離が近すぎるため、再び突合せ溶接部に沿って脆性き裂が再伝播してしまうことがあるので、下限を3度とした。
大入熱溶接で施工された突合せ溶接部等の、脆性亀裂が溶接継手部に沿って伝播する恐れのある溶接構造体において、当該突合せ溶接部の途中、あるいは止端部において、脆性亀裂の伝播を阻止しうる領域を確保するための方法について検討した。
その方法として、当該突合せ溶接部の一部に、ガウジング等により溶接部の一部を削除し、その部分に補修溶接を施し、その補修溶接部が脆性亀裂の伝播を阻止しうる性能を発揮できるか否かを種々検討した。
検討にあたっては、直進してくる脆性亀裂を阻止し得るか否かを評価するため、図5に示すように、500mmx500mmx板厚の鋼板を用い、その試験片中央部に深さを板厚の1/2程度、試験片表面での径が板厚程度の寸法となるようなクボミを機械加工し、その中を種々の化学成分、溶接条件を変化させて、溶接金属の化学成分と溶接金属の組織を変化させた試験片を作製した。そして、その試験片端部にV字の切り欠き加工を施し、さらに切り欠き先端部から補修溶接を実施した領域まで、深さ7mm、先端曲率0.25mmのV溝加工8を施した。試験片端部を−50℃程度以下の低温に冷却し、試験片中央部を−10℃にコントロールして、所定の応力を負荷した後、V切り欠き部に楔を打ち込み、脆性亀裂を発生させ、V溝加工部に沿って、脆性亀裂を伝播させた。V溝加工部に沿って伝播した脆性亀裂が、補修溶接部に到達した後、その脆性亀裂が伝播するか否かを評価した。
その結果を表1に示す。
表1に示すように溶接金属のNi量は1.0質量%以上が必要であり、また、母材のNi量に比べて1.0質量%以上多い方がUMZ領域でのNi希薄域を形成できるので好ましい。Niは溶接時に希釈されにくい成分であり、母材と溶接金属とのNi含有量に大きな差があると、UMZに沿ってき裂が伝播し易くならからである。
また、溶接入熱が大きい方が、UMZの幅を大きくすることができ、き裂を導入する幅が大きくなるので好ましく、パス間温度も高い方が溶接入熱を高くすることと同様の効果が得られるので好ましい。その効果は、溶接入熱が2.0kJ/mmを超えると顕著になり、またパス間温度は150℃を超えると効果が認められたので、この範囲を発明範囲とした。
母材の(100)面強度比は1.5以上であることが好ましい。母材の(100)面強度比を大きくすることによって、異方性も大きくなることからき裂が直進しにいため、き裂の伝播を抑制することができるからである。
図6は、溶接金属のNi量(質量%)と溶接金属組織のパケット径(μm)との関係を示す図である。
図6における●印はき裂が伝播したケース、○印はアレストできたケースを示しており、図6に直線で示すように、溶接金属の化学成分としてNi量が1.0質量%以上であり、PS(μm)≦2*Ni(質量%)+5 ・・・(式1)の範囲内であれば負荷した応力が200MPa以上でも脆性亀裂を停止できることを見出した。
Figure 2005113204
本発明は、船体構造のみならず、溶接継手において脆性亀裂の発生、伝播を防止するために溶接構造物に広く適用可能な溶接構造体や建築鉄骨の溶接継手構造、海洋構造物の溶接構造、橋梁の溶接構造、メガフロートと称される浮体構造等に適用できる。
骨材を配置した溶接構造体を示す図である。 本発明の溶接金属を適用する鋼板の突合せ溶接継手を示す図である。 本発明の溶接金属を適用する鋼板の突合せ溶接継手を示す図である。 本発明に用いる多層盛り溶接継手の詳細図である。 本発明の実施例に用いた試験片を示す図である。 溶接金属のNi量(質量%)と溶接金属組織のパケット径(μm)との関係を示す図である。
符号の説明
1 鋼板
2 溶接継手部
3 骨材(補強材)
4 隅肉溶接部
5 垂直部材(母材-1)
6 水平部材(母材-2)
7 溶接部
8 V溝加工
9 切欠き

Claims (4)

  1. 突合せ溶接継手に発生した脆性き裂の伝播を妨げる耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属であって、
    前記溶接金属は、前記突合せ溶接継手の端部、あるいは中間部に、母材の板厚全域にわたり多層盛り溶接されており、
    前記溶接金属の化学成分はNi量が母材のNi量より1.0質量%以上高く、かつ、該溶接金属の組織は円相当径でパケット寸法PSが下記(式1)を満足することを特徴とする耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属。
    PS(μm)≦2*Ni(質量%)+5 ・・・(式1)
  2. 請求項1に記載の耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法であって、
    前記突合せ溶接継手と多層盛り溶接部が交差する角度φを、3度以上、10度以下とすることを特徴とする耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法。
  3. 請求項1に記載の耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法であって、
    前記多層盛り溶接の入熱量を2.0kJ/mm以上とし、パス間温度を150℃以上とし、
    前記突合せ溶接継手と多層盛り溶接部が交差する角度φを、3度以上、10度以下とすることを特徴とする耐脆性破壊伝播性に優れた溶接構造体用溶接金属の施工方法。
  4. 突合せ溶接継手に発生した脆性き裂の伝播を妨げる耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体であって、前記溶接構造物の垂直部材の溶接継手と水平部材の溶接継手が交差する領域の一部あるいは全部の領域に対し、当該領域の一部をガウジング、あるいは機械加工により除去した部分に、請求項1に記載の溶接金属を補修溶接により埋め込んだことを特徴とする耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体。
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