JP2005110713A - 発熱処置装置及び発熱処置具用制御装置 - Google Patents

発熱処置装置及び発熱処置具用制御装置 Download PDF

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Makoto Inaba
誠 稲葉
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Abstract

【課題】切開処置が短時間で完了しかつ凝固処置が確実に行える発熱処置具用制御装置及び発熱処置装置を提供する。
【解決手段】 生体組織に凝固及び/又は切開処置を行う発熱処置具4を有する発熱処置装置。温度測定部86は、発熱処置具4の作動温度を測定する。設定温度値設定部102は、所定の基準温度値に、入力された補正温度値を加算することにより設定温度値を設定する。補正温度値入力部104は、設定温度値を発熱処置具4が生体組織に主に凝固作用を生じさせる第1の設定温度値とする第1の補正温度値と、主に切開作用を生じさせる第2の設定温度値とする第2の補正温度値との間を経時的に移行する変化パターンを有する補正温度値を設定温度値設定部102に入力する。出力部90が、発熱処置具4が設定された設定温度値で作動するように設定温度値と作動温度との差に応じて発熱処置具4に電力を供給する。
【選択図】 図5

Description

外科手術あるいは内科手術で生体組織に凝固、切開等の処置を行う発熱処置装置及び発熱処置具のための制御装置に関する。
従来、外科手術あるいは内科手術で、生体組織に凝固、切開等の処置を行う発熱処置装置が使用されている。このような発熱処置装置の一例として、特許文献1で示される装置がある。この装置は、発熱された切開用縁部(発熱手段)によって生体組織に処置を行う外科用メス(発熱処置具)を有する。この切開用縁部は、電気的に加熱されるエレメントからなる。この加熱用エレメントは、外科用メスの刃型手段の縁部に配設されている。外科用メスの後端部から接続ケーブルが延出されており、この接続ケーブルは、エレメントの温度を制御するための制御装置に接続されている。
エレメントの温度は、以下のように制御される。エレメントには、エレメントに電力を供給するためのリード線の先端部が接続されている。このリード線は、接続ケーブルを介して、制御装置内の回路に接続されている。エレメント、リード線、及び、制御回路内の回路によって、ブリッジ回路が形成されている。
エレメントの抵抗値は、温度に応じて変化するようになっている。このため、エレメントの抵抗値が一定に保たれるように、エレメントに供給される電力をブリッジ回路によって制御することにより、エレメントの温度を一定に保つことが可能である。ここで、エレメントの抵抗値の目標値は所定の範囲内で任意に設定可能であるため、エレメントを所定の範囲内の任意の温度に設定することが可能となっている。
エレメントによる生体組織の凝固、切開のメカニズムの詳細を以下で説明する。外科用メスのエレメントによって生体組織が加熱され、生体組織の温度が60℃以上に達すると、生体組織内のタンパク質が変化して粘着性を有するようになる。生体組織がさらに高い温度(100℃程度)に加熱されると、生体組織内の細胞は乾燥していく。このようにして、生体組織に凝固、乾燥作用が生じる。生体組織がさらに高い温度に加熱されると、生体組織は破壊され、この結果、生体組織が切れ別れる。このようにして、生体組織に切開作用が生じる。
即ち、例えばエレメントの温度を200℃以上に設定すれば、生体組織は組織破壊が起こる温度まで加熱されるので、エレメントによって生体組織に切開処置を行うことができる。一方、エレメントの温度を200℃以下で且つ生体組織の凝固作用が生じ始める温度よりも充分高い温度に設定すれば、短時間で確実に生体組織に凝固処置を行うことができる。このように、使用者は、エレメントの設定温度を設定することで、切開処置あるいは凝固処置を任意に行うことが可能である。
特公昭53−9031号公報
ここで、例えばエレメントの設定温度を230℃に設定して生体組織に処置を行った場合、エレメントと生体組織の接触領域の温度は瞬時に200℃以上に上昇し、生体組織を短時間で切開することができる。しかしながら、このような短時間の処置では切開部の周囲の生体組織に熱が充分に伝わらず、凝固範囲が小さくなってしまう可能性がある。
一方、例えば設定温度210℃にて切開を行った場合、切開部の周囲の生体組織に熱が充分に伝わるために、凝固範囲は充分に大きくなる。しかしながら、切開が起こる温度まで加熱される生体組織の領域が小さくなってしまう。この結果、切開処置を完了するまでの時間が長くなってしまう可能性がある。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、切開処置が短時間で完了しかつ凝固処置が確実に行える発熱処置具用制御装置及び発熱処置装置を提供することである。
請求項1の発明は、生体組織に凝固及び/又は切開処置を行う発熱処置具と、
前記発熱処置具の作動温度を測定する温度測定部と、
所定の基準温度値に、入力された補正温度値を加算することにより設定温度値を設定する設定温度値設定部と、
前記設定温度値を前記発熱処置具が生体組織に主に凝固作用を生じさせる第1の設定温度値とする第1の補正温度値と、主に切開作用を生じさせる第2の設定温度値とする第2の補正温度値との間を経時的に移行する変化パターンを有する補正温度値を前記設定温度値設定部に入力する補正温度値入力部と、
前記発熱処置具が設定された設定温度値で作動するように前記設定温度値と前記作動温度との差に応じて前記発熱処置具に電力を供給する出力部とを、
具備することを特徴とする発熱処置装置である。
そして、本請求項1の発明では、一定の基準温度値と、補正温度値入力部から出力され、設定温度値を発熱処置具が生体組織に主に凝固作用を生じさせる第1の設定温度値とする第1の補正温度値と主に切開作用を生じさせる第2の設定温度値とする第2の補正温度値との間を経時的に移行する変化パターンを有する補正温度値とを加算することにより、設定温度値設定部において設定温度値を設定し、発熱処置具が設定された設定温度値で作動するように、設定温度と、発熱処置具の作動温度を測定する温度測定部により測定された作動温度との差に応じて発熱処置具に出力部によって電力を供給し、発熱処置具により生体組織に凝固及び/又は切開処置を行うようにしたものである。
請求項2の発明は、前記変化パターンは、前記第1の補正温度値と前記第2の補正温度値との間を周期的に移行する周期パターンであることを特徴とする請求項1の発熱処置装置である。
そして、本請求項2の発明では、変化パターンを、第1の補正温度値と第2の補正温度値との間を周期的に移行する周期パターンとしたものである。
請求項3の発明は、前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする三角波パターンであることを特徴とする請求項2の発熱処置装置である。
そして、本請求項3の発明では、周期パターンを、第1の補正温度値を下限とし、第2の補正温度値を上限とする三角波パターンとしたものである
請求項4の発明は、前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする矩形波パターンであることを特徴とする請求項2の発熱処置装置である。
そして、本請求項4の発明では、周期パターンを、第1の補正温度値を下限とし、第2の補正温度値を上限とする矩形波パターンとしたものである。
請求項5の発明は、前記温度測定部は、前記発熱処置具に設けられている発熱する発熱手段の温度を測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の発熱処置装置である。
そして、本請求項5の発明では、温度測定部によって、発熱処置具に設けられている発熱する発熱手段の温度を測定するようにしたものである。
請求項6の発明は、前記温度測定部は、前記発熱処置具に設けられている把持部に把持された生体組織の温度を測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の発熱処置装置である。
そして、本請求項6の発明では、温度測定部によって、発熱処置具に設けられている把持部に把持された生体組織の温度を測定するようにしたものである。
請求項7の発明は、生体組織に凝固及び/又は切開処置を行う発熱処置具を制御する発熱処置具用制御装置において、
所定の基準温度値に、入力された補正温度値を加算することにより設定温度値を設定する設定温度値設定部と、
前記設定温度値を前記発熱処置具が生体組織に主に凝固作用を生じさせる第1の設定温度値とする第1の補正温度値と、主に切開作用を生じさせる第2の設定温度値とする第2の補正温度値との間を経時的に移行する変化パターンを有する補正温度値を前記設定温度値設定部に入力する補正温度値入力部と、
前記発熱処置具が設定された設定温度値で作動するように、前記発熱処理具の測定された作動温度と前記設定温度値との差に応じて前記発熱処置具に電力を供給する出力部とを設けたことを特徴とする発熱処置具用制御装置である。
そして、本請求項7の発明では、一定の基準温度値と、補正温度値入力部から出力され、設定温度値を発熱処置具が生体組織に主に凝固作用を生じさせる第1の設定温度値とする第1の補正温度値と主に切開作用を生じさせる第2の設定温度値とする第2の補正温度値との間を経時的に移行する変化パターンを有する補正温度値とを加算することにより、設定温度値設定部において設定温度値を設定し、発熱処置具が設定された設定温度値で作動するように、発熱処置具の測定された作動温度と設定温度との差に応じて、発熱処置具に出力部によって電力を供給するようにしたものである。
請求項8の発明は、前記変化パターンは、前記第1の補正温度値と前記第2の補正温度値との間を周期的に移行する周期パターンであることを特徴とする請求項7の発熱処置具用制御装置である。
そして、本請求項8の発明では、周期パターンを、第1の補正温度値と第2の補正温度値との間を周期的に移行する周期パターンとしたものである。
請求項9の発明は、前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする三角波パターンであることを特徴とする請求項8の発熱処置具用制御装置である。
そして、本請求項9の発明では、周期パターンを、第1の補正温度値を下限とし、第2の補正温度値を上限とする三角波パターンとしたものである。
請求項10の発明は、前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする矩形波パターンであることを特徴とする請求項8の発熱処置具用制御装置である。
そして、本請求項10の発明では、周期パターンを、第1の補正温度値を下限とし、第2の補正温度値を上限とする矩形波パターンとしたものである。
本発明によれば、切開処置が短時間で完了しかつ凝固処置が確実に行えるようになっている。
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至9を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態の発熱処置装置2の全体の概略構成を示す。この発熱処置装置2は、後述する発熱手段44を用いて生体組織に凝固切開処置を行う発熱処置具4を有する。本実施形態では、この発熱処置具4は凝固切開鉗子として形成されている。
発熱処置具4の後端部から、接続ケーブル6が延出されている。この接続ケーブル6の後端部には、コネクタ8が配設されている。このコネクタ8は、発熱処置具4を制御する発熱処置具用制御装置10(以下、制御装置と称する)に着脱自在に接続されている。
この制御装置10には、制御装置10を操作するためのフットスイッチ12が接続されている。このフットスイッチ12には,最高レベルスイッチ14と設定レベルスイッチ16とが並設されている。発熱処置具4は、最高レベルスイッチ14が押下されると最高の後述する温度レベルで作動され、設定レベルスイッチ16が押下されると設定された温度レベルで作動される構成となっている。
図2に発熱処置具4の具体的な構成を示す。この発熱処置具4は、第1の鋏部材18と第2の鋏部材20とを交差部で枢支軸22を介して枢支することにより形成されている。発熱処置具4の先端側には、生体組織を把持する把持部24が配設されている。この把持部24は、固定刃部26と、この固定刃部26に対して枢支軸22を中心として開閉可能な可動刃部28とを有する。
発熱処置具4の後端側には、把持部24を開閉操作するためのハンドル部30が配設されている。このハンドル部30は、固定ハンドル32と、この固定ハンドル32に対して枢支軸22を中心として開閉可能な可動ハンドル34とを有する。これら固定ハンドル32と可動ハンドル34との後端部には、夫々、使用者が指を入れて操作する指掛けリング36a,36bが配設されている。固定ハンドル32の指掛けリング36bの後端部から、上記接続ケーブル6が延出されている。
図3に把持部24の詳細な構成を示す。図3(A)に示されるように、固定刃部26の内面(生体組織と接触する側の面)には、板状の発熱板38が配設されている。この発熱板38は、固定刃部26の長手方向に沿って延設され、可動刃部28に向かって突出している。発熱板38は例えばセラミックで形成されている。
発熱板38の上部には、長手方向に沿って複数の凹部40a,40b,40cが延設されている。これら凹部40a,40b,40c内に発熱板38を加熱する発熱素子42a,42b,42cが配設されている。これら発熱素子42a,42b,42cと発熱板38とにより発熱手段44が形成されている。発熱素子42a,42b,42cは、例えば薄膜抵抗体である。また、発熱素子42a,42b,42cには、夫々、発熱素子42a,42b,42cに通電するための第1及び第2のリード線を有する素子ケーブル46a,46b,46cの先端部が接続されている。これら素子ケーブル46a,46b,46cは、第1の鋏部材18内を延設され、上記接続ケーブル6中へと挿通されている(図2参照)。
一方、可動刃部28には、固定刃部26の発熱板38に対向して弾性部材48が配設されている。この弾性部材48は、可動刃部28の長手方向に沿って延設されている。また、弾性部材48は、発熱板38と共同して生体組織を把持する鋸刃部50を有する。この鋸刃部50は、可動刃部28の両縁部において長手方向に沿って延設されている。
図4(A)に示されるように、制御装置10の前面パネル52には、発熱処置具4の接続ケーブル6のコネクタ8(図1参照)が着脱自在に接続されるコネクタ受け部54が配設されている。また、前面パネル52には、制御装置10の電源をON/OFF操作するための電源スイッチ56が配設されている。
そして、前面パネル52には、温度レベルを設定するための温度レベル設定スイッチ58が配設されている。この温度レベル設定スイッチは、温度レベルのUPスイッチ58aとDOWNスイッチ58bとから形成されている。温度レベルは、最低温度レベルから最高温度レベルまでの数段階のレベルから選択可能となっている。本実施形態では、温度レベルとして1レベルから5レベルまでの5段階のレベルが設定可能となっている。また、設定された温度レベルを表示する温度レベル表示LED60が温度レベル設定スイッチ58に並設されている。
さらに、前面パネル52には、制御装置10をスタンバイ状態と出力可能状態との間で切り替えるスタンバイスイッチ62が配設されている。制御装置10がスタンバイ状態にあるときに点灯するスタンバイ表示LED64がスタンバイスイッチ62に並設されている。
そしてまた、前面パネル52には、発熱処置具4の発熱素子42a,42b,42c(図3参照)に通電中であることを示す出力表示LED66が配設されている。さらにまた、前面パネル52には、発熱処置具4の発熱素子42a,42b,42c(図3参照)に異常がある場合に点灯する処置具異常表示LED68が配設され、また、制御装置10の内部に異常発熱がある場合に点灯する電源異常表示LED70が配設されている。その上、前面パネル52には、各種警告音を発生するためのブザー72が配設されている。
一方、図4(B)に示されるように、制御装置10の背面パネル74には、制御装置10に電力を供給するための電源ケーブルが接続される電源インレット76が配設されている。さらに、背面パネル74には、フットスイッチ12(図1参照)から延出されているフットスイッチケーブルの末端部に配設されているフットスイッチコネクタが接続されるフットスイッチコネクタ受け部78が配設されている。
図5に発熱処置装置2の回路ブロック図を示す。制御装置10のコネクタ受け部80には、接続ケーブル6のコネクタ8が接続される。このコネクタ8には、各素子ケーブル46a,46b,46cの第1のリード線の後端部が夫々接続されている第1のコネクタ端子82a,82b,82cと、第2のリード線の後端部が夫々接続されている第2のコネクタ端子84a,84b,84cとが配設されている。
第1のコネクタ端子82a,82b,82c及び第2のコネクタ端子84a,84b,84cは、夫々、各発熱素子42a,42b,42cの温度を測定する各素子温度測定部86a,86b,86cに接続されている。これら素子温度測定部86a,86b,86cは、発熱素子42a,42b,42cに流れる電流値及び電圧値を測定することにより発熱素子42a,42b,42cの抵抗値を検出する抵抗値検出機能を有する。そして、素子温度測定部86a,86b,86cは、発熱素子42a,42b,42cの抵抗値が温度に応じて変化することを利用して発熱素子42a,42b,42cの温度を算出するようになっている。
各素子温度測定部86a,86b,86cは、各発熱素子42a,42b,42cへの出力値を決定する各素子温度制御部88a,88b,88cに接続されている。素子温度制御部88a,88b,88cは、後述する設定温度値設定部102から入力される設定温度値と、素子温度測定部86a,86b,86cから入力される発熱素子42a,42b,42cの測定温度との差に基づいて各発熱素子42a,42b,42cへの出力値を決定するようになっている。
各素子温度制御部88a,88b,88cは、各素子温度制御部88a,88b,88cから入力される出力値に応じて電力を出力する各出力部90a,90b,90cに接続されている。各出力部90a,90b,90cは、コネクタ8の第1のコネクタ端子82a,82b,82c及び第2のコネクタ端子84a,84b,84cに夫々接続されており、接続ケーブル6を介して各発熱素子42a,42b,42cに電力を供給するようになっている。
発熱処置装置2の制御装置10は、制御装置10を制御するための制御部92を有する。この制御部92には、制御装置10の前面パネル52の各種スイッチ(図4(A)参照)により形成されている操作部94が接続されている。また、制御部92には、制御装置10の前面パネル52の各種表示LED(図4(A)参照)により形成されている表示部96及びブザー72が接続されている。
さらに、制御部92には、フットスイッチ12の操作結果を制御部92に入力するフットスイッチ入力部98が接続されている。フットスイッチ入力部98は、制御装置10のフットスイッチコネクタ受け部78を介してフットスイッチ12に接続される。
制御部92は、発熱処置具4への出力中に、フットスイッチ12の最高レベルスイッチ14と設定レベルスイッチ16のいずれが押下されているか操作者に告知するようになっている。即ち、最高レベルスイッチ14が押下されている場合には、表示部96の出力表示LED66(図4参照)を点灯させ、ブザー72を連続音で発音させるようになっている。また、設定レベルスイッチ16が押下されている場合には、出力表示LED66(図4参照)を点滅させ、ブザー72を間欠音で発音させるようになっている。なお、フットスイッチ12の最高レベルスイッチ14と設定レベルスイッチ16のいずれが押下されているかによって、発音の周波数を変調するようにしてもよい。
さらに、制御部92は、フットスイッチ12及び操作部94の温度レベル設定スイッチ58の操作に基づいて温度レベルを選択するようになっている。即ち、フットスイッチ12の最高レベルスイッチ14が押下された場合には、最高の温度レベルを選択し、設定レベルスイッチ16が押下された場合には、温度レベル設定スイッチ58によって設定された温度レベルを選択するようになっている。
制御部92は、選択した温度レベルに対応する基準温度値を基準温度値入力部に出力するようになっている。本実施形態では、温度レベルの1レベルから5レベルに、160℃から200℃までの10℃間隔の温度が対応付けられている。
基準温度値入力部100は、設定温度値設定部102に基準温度値を入力するようになっている。また、制御部92は、フットスイッチ12がONにされた場合には、補正温度値入力部104にON信号を入力するようになっている。補正温度値入力部104は、制御部92からON信号を入力されている場合には、補正温度値を設定温度値設定部102に入力するようになっている。設定温度値設定部102は、基準温度値と補正温度値とを加算することにより設定温度値を設定し、この設定された設定温度値を上記したように各素子温度制御部88a,88b,88cに入力するようになっている。なお、設定温度値は、各発熱素子42a,42b,42cについて等しくなっている。
補正温度値入力部104には、補正温度値の経時的な変化パターンを記録する補正温度値記録部106が接続されている。本実施形態の補正温度値の変化パターンを図6に示す。図6では、縦軸が補正温度値を示し、横軸がフットスイッチの押下により開始される発熱処置具への出力の継続時間(出力時間)を示す。
この変化パターンでは、出力時間0secで補正温度値は0℃である。出力時間2secでは補正温度値は40℃となる。出力時間0secから2secまでの間、補正温度値は直線的に増加している。この後、出力時間2secから4secまでの間、補正温度値は直線的に減少している。そして、出力時間4secには補正温度値は再び0℃となる。これ以後、変化パターンは、出力時間0secから4secまでの変化を繰り返す。即ち、本実施形態の変化パターンは、周期的な三角波パターンとなっている。
再び図5を参照すると、制御部92は、制御装置10をスタンバイ状態と出力可能状態と停止状態との間で切り替える機能を有する。このうち、スタンバイ状態と出力可能状態とは、操作部94のスタンバイスイッチ62(図4(A)参照)の操作により切り替えられるようになっている。制御装置10がスタンバイ状態にある場合には、フットスイッチ12を操作しても発熱処置具4に出力を行うことができないようになっている。スタンバイスイッチ62により制御装置10を出力可能状態に移行させると、フットスイッチ12を操作することにより発熱処置具4に出力を行うことが可能となる。
また、第1のコネクタ端子82a,82b,82cは、夫々、発熱素子42a,42b,42cの異常を判別する各素子状態判断部108a,108b,108cに接続されている。素子状態判断部108a,108b,108cは、素子温度測定部86a,86b,86cと同様な抵抗値検出機能により発熱素子42a,42b,42cの抵抗値を測定し、測定された抵抗値が所定の範囲内にあれば発熱素子42a,42b,42cが正常状態にあると判断し、測定された測定値が範囲外にあれば発熱素子42a,42b,42cが異常状態にあると判断するようになっている。例えば、測定された抵抗値が10Ω乃至100Ωの範囲内にある場合には発熱素子42a,42b,42cが正常状態にあると判断し、一方、測定された抵抗値が上記10Ω乃至100Ωの範囲外にある場合には発熱素子42a,42b,42cが異常状態にあると判断するようになっている。
各素子状態判断部108a,108b,108cは、発熱処置具4の状態を判断する処置具異常判別部110に接続されている。処置具異常判別部110には、各素子状態判断部108a,108b,108cの判断結果が入力され、処置具異常判別部110は、全ての発熱素子42a,42b,42cが正常状態にあれば発熱処置具4が正常状態にあると判別し、1つ以上の発熱素子42a,42b,42cが異常状態にあれば発熱処置具4が異常状態にあると判別するようになっている。
処置具異常判別部110は、制御部92に接続され、制御部92に判別結果を入力するようになっている。制御部92は、処置具異常判別部110が発熱処置具4が正常状態にあると判別している場合には、表示部96の処置具異常表示LED68(図4(A)参照)を消灯させ、ブザー72を停止させるようになっている。一方、制御部92は、処置具異常判別部110が発熱処置具4が異常状態にあると判別した場合には、制御装置10をスタンバイ状態あるいは出力可能状態から強制的に停止状態に移行させ、表示部96の処置具異常表示LED68(図4(A)参照)を点灯させ、ブザー72を発音させるようになっている。
また、制御部92には,制御装置10内の異常発熱を監視し、異常発熱を判別した場合には制御部92に異常信号を送信する電源異常判別部112が接続されている。制御部92は、電源異常判別部112が電源異常を判別していない場合には、表示部96の電源異常表示LED70(図4(A)参照)を消灯させ、ブザー72を停止させるようになっている。一方、制御部92は、電源異常判別部112が電源異常を判別した場合には、制御装置10をスタンバイ状態あるいは出力可能状態から強制的に停止状態に移行させ、表示部96の電源異常表示LED70(図4(A)参照)を点灯させ、ブザー72を発音させるようになっている。
ここで、制御装置10が停止状態にある場合には、フットスイッチ12を押下しても発熱処置具4に出力を行うことはできないようになっている。また、制御装置10が異常状態から正常状態に復帰するまでは、制御装置10は停止状態に保たれるようになっている。制御部92は、発熱処置具4への出力中に制御装置10を停止状態に移行された場合には、発熱処置具4への出力を停止するようになっている。制御部92は、制御装置10を出力可能状態から停止状態に移行させた場合であっても、発熱処置具4または制御装置10が異常状態から正常状態に復帰したときに制御装置10を停止状態から出力可能状態に切り替えず、スタンバイ状態に切り替えるようになっている。
次に、図7及び図8のフローチャートを参照して、上記構成の本実施形態の発熱処置装置2の作用について説明する。まず、ステップS1で、制御装置10の電源スイッチ56をONにして制御装置10を起動する。さらに、ステップS2で、発熱処置具4のコネクタ8を制御装置10のコネクタ受け部80に接続する。そして、ステップS3で、制御部92の処置具異常判別部110は発熱処置具4の状態が正常か否か判別する。
ステップS3で発熱処置具4に異常があると判断された場合には、ステップS4に進む。このステップS4では、制御装置10は停止状態に移行され、制御装置10の前面パネル52の処置具異常表示LED68が点灯し、ブザー72が連続音を発する。この場合、操作者は、異常な発熱処置具4を別の発熱処置具4と交換する。
ステップS3で発熱処置具4が正常であると判断された場合には、ステップS5に進む。このステップS5で、制御部92は制御装置10をスタンバイ状態に移行させる。このステップS5の後、発熱処置具4による手術操作を開始する。
なお、前記ステップS3の処理は、制御装置10に発熱処置具4が接続されている間は常時行われる。よって、後述する発熱処置具4の発熱中に、発熱処置具4に異常があると判断された場合には、前記ステップS4と同様、制御装置10は停止状態に移行され、処置具異常表示LED68が点灯し、ブザー72が連続音を発する。この場合、操作者は、異常な発熱処置具4を別の発熱処置具4と交換しなければ処置を続行できない。
まず、ステップS6で、前面パネル52の温度レベルのUPスイッチ58a又はDOWNスイッチ58bを操作して温度レベルを設定する。このステップS6で、温度レベルがレベル3に設定されたとして以下説明する。
発熱処置具4のハンドル部30を操作して、発熱処置具4を凝固切開処置の目標となる生体組織に接近させる。そして、ハンドル部30を開閉操作して、目標生体組織を固定刃部26と可動刃部28とによって把持する。この際、生体組織は、固定刃部26の発熱板38と可動刃部28の弾性部材48とによって確実に把持されている。
次に、ステップS7で、制御装置10が出力可能状態にあるか否か判断する。ステップS7で、制御装置10が出力可能状態にない(即ち、スタンバイ状態にある)と判断された場合には、ステップS8へ進む。このステップS8では、スタンバイスイッチ62を押下して、制御装置10をスタンバイ状態から出力可能状態へと移行する。このとき、スタンバイ表示LED64が消灯する。この後、再びステップS7に進む。
ステップS7で、制御装置10が出力可能状態にあると判断された場合には、ステップS9へ進む。ステップS9では、フットスイッチ12が押下されているか否か判断する。ステップS9で、フットスイッチ12が押下されていると判断された場合には、次のステップに進む。
図8に示されるように、ステップS10で、フットスイッチ12の最高レベルスイッチ14と設定レベルスイッチ16とのどちらが押下されたか判断する。ステップS10で、最高レベルスイッチ14が押下されたと判断した場合には、ステップS11に進む。このステップS11では、基準温度値は、最高の温度レベルである温度レベル5に対応した200℃に設定される。そして、ステップS13で、出力表示LED66が点灯して、ブザー72が連続音を発する。
一方、ステップS10で、設定レベルスイッチ16が押下されたと判断した場合には、ステップS12に進む。ステップS12では、基準温度値は、設定された温度レベルであるレベル3に対応した160℃に設定される。そして、ステップS14で、出力表示LED66が点滅して、ブザー72が間欠音を発する。
基準温度値入力部100は、基準温度値を設定温度値設定部102に入力する。また、補正温度値入力部104は、フットスイッチ12の押下開始からの経過時間に応じて、補正温度値記録部106に記録された変化パターンに従って補正温度値を設定温度値設定部102に入力する。ステップS15で、設定温度値設定部102は、基準温度値と補正温度値とを加算して設定温度値を決定する。そして、設定温度値設定部102は、各素子温度制御部88a,88b,88cに設定温度値を入力する。
一方、各素子温度測定部86a,86b,86cは、各発熱素子42a,42b,42cの作動温度を測定する(ステップS16)。そして、各素子温度測定部86a,86b,86cは、各素子温度制御部88a,88b,88cに測定温度を入力する。
ステップS17で、各素子温度制御部88a,88b,88cは、各発熱素子42a,42b,42cの作動温度と設定温度値との差に基づいて各出力値を決定する。そして、各素子温度制御部88a,88b,88cは、各出力部90a,90b,90cに出力値を入力する。さらに、ステップS18で、各出力部90a,90b,90cは、入力された各出力値に応じて各発熱素子に電力を出力して、発熱素子42a,42b,42cを設定温度値で発熱させる。
このように発熱された発熱素子42a,42b,42cにより発熱板38を加熱して、加熱された発熱板38を把持部24に把持された生体組織に押圧して生体組織に処置を行う。フットスイッチ12の設定レベルスイッチ16が押下されている場合には、押下開始時の設定温度値は180℃となる。
このとき、発熱板38の作動温度はほぼ180℃であり、生体組織は180℃以上に加熱されることはない。即ち、生体組織には凝固作用が生じる。特に、発熱板38と生体組織との接触領域で充分な凝固処置が施される。また、発熱板38周辺の生体組織は充分に暖められる。
ステップS19では、フットスイッチ12が離されたか否か判断する。ステップS19で、フットスイッチ12が離されてない(即ち、フットスイッチ12が連続して押下されている)と判断した場合には、ステップS20へ進む。ステップS20では、補正温度値が更新される。そして、ステップS15へと進む。
ステップS15乃至S20を繰り返すことにより、設定温度値は2秒間で220℃まで直線的に増加する。また、発熱板38の温度も設定温度値にほぼ追随して変化する。この結果、発熱板38と生体組織との接触領域では、生体組織の温度が220℃まで加熱され生体組織に組織破壊が生じ始める。発熱板38と生体組織との接触領域では、生体組織に充分な加熱が行われ、組織破壊が促進され、切開作用が生じる。同時に、生体組織の発熱板38から離れた領域においても、これまでの発熱板38の発熱により生体組織に充分に熱量が与えられており、広範囲において充分な凝固作用が生じる。
この後、さらにステップS15乃至S20を繰り返すことにより、設定温度値は2秒間で220℃から180℃まで直線的に減少し、この設定温度値にほぼ追随して発熱板38の温度も変化する。この結果、発熱板38と生体組織との接触領域では、温度が低下して切開作用が停止され、凝固作用が生じる。また、発熱板38周辺の生体組織は充分に暖められる。
上記した作用を繰り返すことにより、最終的に生体組織への切開処置が完了する。ステップS19で、フットスイッチが離されたと判断された場合には、ステップS21へ進む。ステップS21では、出力表示LED66が消灯し、ブザー72が停止する。そして、ステップS22へ進み、出力が終了する。
なお、再びフットスイッチ12を押下した場合には、補正温度値入力部104は、フットスイッチ12の再度の押下開始からの経過時間に応じて、補正温度値記録部106に記録された変化パターンに従って補正温度値を設定温度値設定部102に入力する。
図9に示されるように、制御装置10が電源スイッチ56によりONにされた後には、電源異常判別部112は常時電源異常を監視する(ステップS31)。ステップS31で電源異常が発生したと判断された場合には、ステップS32に進む。ステップS32で、制御部92は制御装置10を停止状態に強制的に移行させる。そして、ステップS33で、制御装置10から発熱処置具4への出力を停止する。さらに、ステップS34で、制御部92は電源異常表示LED70を点灯させ、ブザー72に連続音を発生させることにより電源異常を告知する。
一定の待ち時間(ステップS35)の後、ステップS36では、電源異常が解除されたか否かを判断する。電源異常が解除されていないと判断した場合には、ステップS35へ戻る。
ステップS36で、電源異常状態が解除されたと判断された場合には、ステップS37へ進む。ステップS37では、制御部92は電源異常表示LED70を消灯させ、ブザー72を停止する。この後、ステップS5(図7参照)に進み、制御部92は、制御装置10をスタンバイ状態へと移行させる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。操作部94によって設定されフットスイッチ12によって選択された温度レベルに応じた基準温度値に、補正温度値記録部106に記録された周期的な三角波パターンを有する補正温度値を加算することにより設定温度値を設定する。そして、発熱手段44が設定温度値で作動するように、制御装置10から発熱処置具4へと電力を供給する。
上記設定温度値にほぼ追随して発熱する発熱手段44によって、把持部24に把持された生体組織に処置を行うため、発熱手段44と生体組織との接触領域の周辺の生体組織の広い範囲に充分に熱が与えられると共に接触領域に熱が集中して伝えられる。従って、生体組織の切開領域の周辺の広い範囲で充分な凝固作用を生じさせると共に切開処置を素早く完了することが可能となっている。
より具体的に説明すれば、180℃の低温度で発熱する発熱手段44によって、生体組織と発熱手段との接触領域の周辺の充分に広い範囲で凝固作用を発生させた後、230℃の高温度で発熱する発熱手段44によって、接触領域において切開作用を促進させるようになっている。このため、単に設定温度値を180℃一定として処置を行った場合よりも短時間に切開処置を行うことが可能であり、かつ、設定温度値を230℃一定とした場合よりも広範囲な凝固範囲を得ることが可能となっている。
また、フットスイッチ12の最高レベルスイッチ14を押下すると最高の温度レベルに対応する基準温度値が選択され、設定レベルスイッチ16を押下すると操作部94によって設定された温度レベルに対応する基準温度値が選択される。このため、制御装置10の前面パネル52の温度レベル設定スイッチ58を操作することなく、即座にいずれかの基準温度値を選択することができる。従って、発熱処置具4の操作性が向上されている。
図10を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。本発明の第2実施形態の発熱処置装置は、第1実施形態の発熱処置装置2と、補正温度値記録部106に記録された補正温度値の変化パターンのみ異なる。
本実施形態の変化パターンを図10に示す。この変化パターンでは、出力時間0secで補正温度値が40℃となっている。そして、出力時間0secから2secまでの間、補正温度値は40℃で一定である。この後、出力時間2secで補正温度値は0℃となる。そして、出力時間2secから4secまでの間、補正温度値は0℃で一定である。これ以後、変化パターンは、出力時間0secから4secまでの変化を繰り返す。即ち、本実施形態の変化パターンは、周期的な矩形波パターンとなっている。
次に、上記構成の本実施形態の発熱処置装置の作用について説明する。本実施形態の発熱処置装置の作用は、第1実施形態の発熱処置装置2の作用と基本的に同様である。手術操作を行う際には、第1実施形態と同様に、制御装置10の操作部94によって温度レベルを設定する。ここで、第1実施形態と同様にレベル3に設定したとする。
把持部24によって生体組織を把持し、フットスイッチ12を押下して発熱手段44を発熱させる。設定レベルスイッチ16を押下した場合には、設定温度値は押下時には220℃に設定される。この結果、発熱手段44は220℃まで加熱される。ほぼ220℃の高温度で発熱する発熱手段44によって、生体組織と発熱手段44との接触領域に集中して熱が伝えられる。
比較的小さな生体組織に処置を行う場合には、接触領域の周辺の広い範囲で充分に凝固作用が生じると共に接触領域で切開作用が生じる。即ち、凝固作用と切開作用とが同時進行し、出力時間が2secに達する前に生体組織に対する処置が完了する。
比較的大きな生体組織に処置を行う場合には、接触領域で切開作用が生じるが、生体組織が大きいために熱が拡散してしまうため、出力時間が2secに達しても切開処置は完了しない。また、接触領域の周辺に与えられる熱量が充分でないため、接触領域の周辺の生体組織で凝固作用が充分に促進されていない可能性がある。
出力時間2secから4secの間は、設定温度値は180℃で一定である。この結果、ほぼ180℃の低温度で発熱する発熱手段によって、接触領域に熱が伝えられる。この際、接触領域では切開作用はほとんど生じない。一方で、接触領域の周辺の広い範囲の生体組織に充分に熱量が伝えられ、この範囲で充分に凝固作用が促進される。
出力時間4secで、設定温度は再び220℃となる。この場合、前述した0secから2secの間と異なり、接触領域の周辺の組織には充分に熱が伝わっており、充分に凝固作用が完了しており、容易に切開処置が行える状態となっている。この結果、接触領域で充分な切開作用が生じる。このように、接触領域における切開処置と、接触領域の周辺の広い範囲での凝固作用の促進とが2sec間隔で生体組織に行われる。最終的に、生体組織への切開処置と、切開領域の周辺の広い範囲への凝固処置とが完了する。
そこで、上記構成のものにあっては第1実施形態の効果に加えて次の効果を奏する。設定温度値の設定に用いられる補正温度値の変化パターンは、周期的な矩形波パターンとなっている。また、この変化パターンは、出力時間0secで補正温度値が高温度となるタイプの矩形波パターンとなっている。ここで、補正温度値が高温度である時間帯には、発熱手段44と生体組織との接触領域に短時間で多量の熱を与えることが可能である。このため、比較的小さな生体組織に処置を行う場合等、生体組織によっては第1実施形態よりも短時間で切開処置を完了することが可能である。
図11及び図12は、本発明の第3実施形態を示す。第1実施形態と同様な構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の発熱処置装置は、第1実施形態の発熱処置装置2と以下の構成のみ異なる。
図11(A)に模式的に示されるように、本実施形態の発熱処置具4の把持部24の可動刃部28の弾性部材48には、複数の温度センサー114a,114b,114cが配設されている。これら温度センサー114a,114b,114cは、自身の温度により抵抗値が変化する測温抵抗体である。また、温度センサー114a,114b,114cは、熱電対等であってもよい。
温度センサー114a,114b,114cは、弾性部材48の内面(生体組織と接触する側の面)に配設され、把持部24が閉じられた場合に発熱素子42a,42b,42cに対向する位置に配置されている。また、温度センサー114a,114b,114cは、把持部23により生体組織を把持した場合には、生体組織に接触して生体組織の温度を測定することが可能な構成となっている。
温度センサー114a,114b,114cには、夫々、第1及び第2のリード線からなるセンサーケーブル116a,116b,116cの先端部が接続されている。これらセンサーケーブル116a,116b,116cは、図示されないが、可動刃部28及び固定ハンドル32内を延設され、接続ケーブル6内に挿通されている。
図12に本実施形態の発熱処置装置の制御装置10の回路ブロック図を示す。温度センサー114a,114b,114cに接続されているセンサーケーブル116a,116b,116cの第1のリード線の後端部は、夫々、第3のコネクタ端子118a,118b,118cに接続されている。これら第3のコネクタ端子118a,118b,118cは、夫々、組織温度測定部120a,120b,120cに接続されている。一方、センサーケーブル116a,116b,116cの第2のリード線の後端部は、全て第4のコネクタ端子122に接続されている。この第4のコネクタ端子122は接地されている。
本実施形態の制御装置では、素子温度測定部86a,86b,86cは使用されておらず、代わって、温度センサー114a,114b,114cからの出力に基づいて生体組織の温度を測定する上記組織温度測定部120a,120b,120cが使用されている。各組織温度測定部120a,120b,120cは、生体組織の温度を測定し、測定した生体組織の温度を各素子温度制御部88a,88b,88cに入力するようになっている。
各素子温度制御部88a,88b,88cは、設定温度値設定部102から入力された設定温度値と、各組織温度測定部120a,120b,120cから入力された生体組織の測定温度との差に基づいて各発熱素子42a,42b,42cへの出力値を決定するようになっている。また、各素子温度制御部88a,88b,88cは、各出力部に接続されており、各出力部90a,90b,90cに出力値を入力するようになっている。
一方、発熱素子42a,42b,42cに接続されている素子ケーブル46a,46b,46cの第1のリード線の後端部が夫々接続されている第1のコネクタ端子82a,82b,82c、及び、素子ケーブル46a,46b,46cの第2のリード線の後端部が夫々接続されている第2のコネクタ端子84a,84b,84cは、夫々、出力部90a,90b,90cに接続されている。第1実施形態と同様に、各出力部90a,90b,90cは、接続ケーブル6を介して各発熱素子42a,42b,42cに電力を供給するようになっている。
次に、上記構成の本実施形態の発熱処置装置の作用について説明する。本実施形態の発熱処置装置の作用は、第1実施形の発熱処置装置の作用と基本的に同じである。手術操作を行う際に生体組織を把持部24で把持すると、温度センサー114a,114b,114cが生体組織に接触される。これら温度センサー114a,114b,114cを用いて、各組織温度測定部120a,120b,120cは、生体組織の温度を測定する。各素子温度制御部88a,88b,88cは、設定温度値設定部102から入力された設定温度値と、各組織温度測定部120a,120b,120cから入力された生体組織の測定温度との差に基づいて各発熱素子42a,42b,42cへの出力値を決定する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。把持部24により生体組織が把持されたときに、生体組織に直接接触する位置に温度センサー114a,114b,114cが配設されている。これら温度センサー114a,114b,114cを用いて各組織温度測定部120a,120b,120cにより生体組織の温度を測定し、設定温度値と生体組織の測定温度との差に基づいて各素子温度制御部88a,88b,88cにより各発熱素子42a,42b,42cへの出力値を決定する。このため、実際の生体組織の温度に基づいて発熱素子42a,42b,42cの出力が決定されるため、生体組織に凝固切開処置を的確に行うことが可能となっている。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 生体組織に対し凝固または切開を行う発熱処置具用電源において、
生体組織を処置するための熱を発生可能な発熱手段と、
前記発熱手段の温度を測定する温度測定手段と、
前記発熱手段の温度を設定する温度設定手段と、
生体組織の処置中、処置の進行に従って変化する補正値を用いて前記温度設定値を補正する補正手段と、
前記補正値の変化パターンを予め記憶する補正パターン記憶部と、
前記温度測定手段により測定される測定値と、前記補正手段により補正される補正値とから前記発熱手段に供給すべき電力を制御する制御手段と、
を有する発熱処置具用電源。
(付記項2) 生体組織に対し凝固または切開を行う発熱処置具用電源において、
生体組織を処置するための熱を発生可能な発熱手段と、
前記生体組織を把持する把持手段と、
前記把持手段近傍に配置され、前記把持手段が前記生体組織を把持する際の生体組織の温度を測定する生体組織温度測定手段と、
前記発熱手段の温度を設定する温度設定手段と、
生体組織の処置中、処置の進行に従って変化する補正値を用いて前記温度設定値を補正する補正手段と、
前記補正値の変化パターンを予め記憶する補正パターン記憶部と、
前記生体組織温度測定値と前記補正後設定温度の温度差に従って、発熱手段に供給すべき電力を制御する制御手段と、
を有する発熱処置具用電源。
(付記項3) 上記補正パターンは、主に凝固作用を引き起こすように補正を行う第1補正値と、主に切開作用を引き起こすように補正を行う第2補正値とを組み合わせて構成されている事を特徴とする第1項〜第2項記載の発熱処置具用電源。
(付記項4) 上記補正パターンは、上記第1補正値と上記第2補正値との範囲で周期的に変化する波形である事を特徴とする付記項第3項記載の発熱処置具用電源。
(付記項5) 上記補正パターンは、上記第1補正値を上限とし、上記第2補正値を下限とする三角波であることを特徴とする第4項記載の発熱処置具用電源。
(付記項6) 上記補正パターンは、上記第1補正値を上限とし、上記第2補正値を下限とする矩形波であることを特徴とする第4項記載の発熱処置具用電源。
切開処置が短時間で完了しかつ凝固処置が確実に行える、外科手術あるいは内科手術で生体組織に凝固、切開等の処置を行う発熱処置装置及び発熱処置具のための制御装置を提供する。
本発明の第1実施形態の発熱処置装置を示す説明図。 本発明の第1実施形態の発熱処置装置の発熱処置具を示す側面図。 (A)は、本発明の第1実施形態の発熱処置装置の発熱処置具の把持部を示す縦断面図、(B)は、本発明の第1実施形態の発熱処置装置の発熱処置具の把持部の固定刃部を示す横断面図。 (A)は、本発明の第1実施形態の発熱処置装置の制御装置を示す斜視図、(B)は、本発明の第1実施形態の発熱処置装置の制御装置の背面パネルを示す後面図。 本発明の第1実施形態の発熱処置装置の回路ブロック図。 本発明の第1実施形態の発熱処置装置の制御装置の補正温度値記憶部に記憶されている補正温度値の変化パターンを示す図。 本発明の第1実施形態の発熱処置装置の作用を示す第1のフローチャート。 本発明の第1実施形態の発熱処置装置の作用を示す第2のフローチャート。 本発明の第1実施形態の発熱処置装置の作用を示す第3のフローチャート。 本発明の第2実施形態の発熱処置装置の制御装置の補正温度値記憶部に記憶されている補正温度値の変化パターンを示す図。 (A)は、本発明の第3実施形態の発熱処置装置の発熱処置具の把持部を示す縦断面図、(B)は、本発明の第3実施形態の発熱処置装置の発熱処置具の把持部の固定刃部を示す横断面図。 本発明の第3実施形態の発熱処置装置の回路ブロック図。
符号の説明
4…発熱処置具、86…温度測定部、90…出力部、102…設定温度値設定部、104…補正温度値入力部。

Claims (10)

  1. 生体組織に凝固及び/又は切開処置を行う発熱処置具と、
    前記発熱処置具の作動温度を測定する温度測定部と、
    所定の基準温度値に、入力された補正温度値を加算することにより設定温度値を設定する設定温度値設定部と、
    前記設定温度値を前記発熱処置具が生体組織に主に凝固作用を生じさせる第1の設定温度値とする第1の補正温度値と、主に切開作用を生じさせる第2の設定温度値とする第2の補正温度値との間を経時的に移行する変化パターンを有する補正温度値を前記設定温度値設定部に入力する補正温度値入力部と、
    前記発熱処置具が設定された設定温度値で作動するように前記設定温度値と前記作動温度との差に応じて前記発熱処置具に電力を供給する出力部とを、
    具備することを特徴とする発熱処置装置。
  2. 前記変化パターンは、前記第1の補正温度値と前記第2の補正温度値との間を周期的に移行する周期パターンであることを特徴とする請求項1の発熱処置装置。
  3. 前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする三角波パターンであることを特徴とする請求項2の発熱処置装置。
  4. 前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする矩形波パターンであることを特徴とする請求項2の発熱処置装置。
  5. 前記温度測定部は、前記発熱処置具に設けられている発熱する発熱手段の温度を測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の発熱処置装置。
  6. 前記温度測定部は、前記発熱処置具に設けられている把持部に把持された生体組織の温度を測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の発熱処置装置。
  7. 生体組織に凝固及び/又は切開処置を行う発熱処置具を制御する発熱処置具用制御装置において、
    所定の基準温度値に、入力された補正温度値を加算することにより設定温度値を設定する設定温度値設定部と、
    前記設定温度値を前記発熱処置具が生体組織に主に凝固作用を生じさせる第1の設定温度値とする第1の補正温度値と、主に切開作用を生じさせる第2の設定温度値とする第2の補正温度値との間を経時的に移行する変化パターンを有する補正温度値を前記設定温度値設定部に入力する補正温度値入力部と、
    前記発熱処置具が設定された設定温度値で作動するように、前記発熱処理具の測定された作動温度と前記設定温度値との差に応じて前記発熱処置具に電力を供給する出力部とを設けたことを特徴とする発熱処置具用制御装置。
  8. 前記変化パターンは、前記第1の補正温度値と前記第2の補正温度値との間を周期的に移行する周期パターンであることを特徴とする請求項7の発熱処置具用制御装置。
  9. 前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする三角波パターンであることを特徴とする請求項8の発熱処置具用制御装置。
  10. 前記周期パターンは、前記第1の補正温度値を下限とし、前記第2の補正温度値を上限とする矩形波パターンであることを特徴とする請求項8の発熱処置具用制御装置。
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