JP2005109220A - 発光素子 - Google Patents

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雅人 山田
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雅宣 高橋
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Abstract


【課題】 金属層を介して素子基板を発光層部に結合した発光素子において、金属層と素子基板との密着力を良好に確保でき、また、金属層と発光層部との接触抵抗も低減できる発光素子を提供する。
【解決手段】 発光素子100は、発光層部24を有した化合物半導体層50の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層50の第二主表面側に金属層10を介して素子基板7が結合される。金属層10は、化合物半導体層50との接合界面RPを含む表層部10sにおいて、該化合物半導体層50とのコンタクト抵抗を低減するためのコンタクト用合金成分の濃度が、発光層部からの光に対する前記接合界面の反射率が10%以上50%以下となるように調整されてなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は発光素子及びその製造方法に関する。
特開2002−217450号公報 日経エレクトロニクス2002年10月21日号124頁〜132頁
発光ダイオードや半導体レーザー等の発光素子に使用される材料及び素子構造は、長年にわたる進歩の結果、素子内部における光電変換効率が理論上の限界に次第に近づきつつある。従って、一層高輝度の素子を得ようとした場合、素子からの光取出し効率が極めて重要となる。例えば、AlGaInP混晶により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP(あるいはGaInP)活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、高輝度の素子を実現できる。このようなAlGaInPダブルへテロ構造は、AlGaInP混晶がGaAsと格子整合することを利用して、GaAs単結晶基板上にAlGaInP混晶からなる各層をエピタキシャル成長させることにより形成できる。そして、これを発光素子として利用する際には、通常、GaAs単結晶基板をそのまま素子基板として利用することも多い。しかしながら、発光層部を構成するAlGaInP混晶はGaAsよりもバンドギャップが大きいため、発光した光がGaAs基板に吸収されて十分な光取出し効率が得られにくい難点がある。
そこで、特許文献1及び非特許文献1には、成長用のGaAs基板を剥離する一方、補強用の素子基板(導電性を有するもの)を、反射金属層を介して剥離面に貼り合わせる技術が開示されている。特許文献1及び非特許文献1の素子構造においては、発光層部とSi基板からなる素子基板との間に、Al系金属からなる反射金属層が配置され、さらに、反射金属層とSi基板との間には、Si基板と発光層部との貼り合わせ接合を容易にするために、Au層を介在させている。具体的には、発光層部側に形成した反射金属層を覆うようにAu層を形成し、他方シリコン基板側にもAu層を形成して、それらAu層同士を密着させて貼り合わせを行なうようにしている。
ところで、反射金属層を発光層部に導通確保した状態で接合するためには、反射金属層と発光層部との間に接触抵抗低減のために、コンタクト金属部を介挿する必要がある。具体的には、発光層部上にコンタクト金属部を蒸着等により形成した後、合金化熱処理(シンター処理とも称される)を行なう。上記非特許文献1では、コンタクト金属部を発光層部上に分散形成した後、コンタクト金属部を覆うように反射金属層を蒸着し、さらに反射金属層とSi基板の貼り合わせ面の双方にAu層を蒸着した後、Au層同士を重ね合わせて熱処理することにより貼り合わせを行っている。また、特許文献1においては、コンタクト金属部を形成後、さらに反射金属層を形成し、その後、貼り合わせを兼ねて合金化熱処理を行なう方法も開示されているが、その処理時間は15秒〜30秒と短く留められている。
非特許文献1の方法では、コンタクト金属部の合金化熱処理と、コンタクト金属部を覆う反射金属層形成との順序については、特に開示されていないが、コンタクト金属部を分散形成して先に合金化処理を行い、その後反射金属層及び貼り合わせ用のAu層を形成して貼り合わせ熱処理を行なうと、Au層同士は強固に結合されるものの、貼り合わせ熱処理温度自体が300℃以下と低いので、発光層部(ひいてはコンタクト金属部)と反射金属層との密着力が不足しやすい問題が生ずる。
コンタクト金属部と反射金属層とは金属同士の接触となるので、反射金属層と発光層部との接合面よりは結合の親和性は高いと考えられるが、コンタクト金属部の形成状態が疎であり、かつ貼り合わせ熱処理温度でのコンタクト金属の面内拡散もあまり進まないので、密着力不足の解決にはつながらない。他方、特許文献1のように、コンタクト金属を反射金属層で覆ってから、その後合金化熱処理を行なう方法を採用しても、その処理時間が15秒〜30秒程度では、コンタクト金属の面内拡散があまり進まない状況に変わりはなく、密着力の劇的な向上を期待することができない。また、コンタクト金属の成分が面内拡散せず、蒸着当初の領域近くに偏在した状況では、反射金属層と発光層部との接触抵抗を十分低減できない可能性もある。
本発明の課題は、金属層を介して素子基板を発光層部に結合した発光素子において、金属層と素子基板との密着力を良好に確保でき、また、金属層と発光層部との接触抵抗も低減できる発光素子を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の発光素子は、
発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に金属層を介して素子基板が結合された発光素子であって、
金属層の、化合物半導体層との接合界面を含む表層部において、該化合物半導体層とのコンタクト抵抗を低減するためのコンタクト用合金成分の濃度が、発光層部からの光に対する前記接合界面の反射率が10%以上50%以下となるように調整されてなることを特徴とする。
特許文献1あるいは非特許文献1において、反射用の金属層と発光層部との密着力が不足したり、あるいは接触抵抗が十分にできなくなったりする不具合が生じやすい原因は、コンタクト用合金成分が低濃度となる領域が金属層の面内に過剰に形成されているためであると考えられる。この場合、金属層表層部のコンタクト用合金成分の濃度が一様に低い場合は、密着力及び接触抵抗の改善は当然望めない。しかし、金属層表層部のコンタクト用合金成分の平均的な濃度が高い場合においても、上記両特性は常に改善されるとは限らない。すなわち、単位面積当たりの密着力ないし接触抵抗の改善効果は、コンタクト用合金成分の濃度が一定以上に増加すれば飽和するので、例えば、一部の小さな領域においてのみコンタクト用合金成分の濃度が極端に高く、残余の広い領域でコンタクト用合金成分が極端に不足していれば、金属層全体でみたとき、密着力ないし接触抵抗を改善できることにはならないのである。
この場合、コンタクト用合金成分の濃度分布を一定以上に高めた領域の面積を、金属層表層部の面内になるべく広く確保することが重要である。しかし、電子線プローブ微小分析(Electron Probe Micro Analysis:EPMA)等の微小分析法を用いて濃度分布の測定を行なうには、分析面である金属層表層を露出させなければならず、発光素子の製造工程において濃度分布発光層部をなす化合物半導体層を剥離するなど、破壊検査が必要となり、測定も面倒である。
そこで、本発明者らは、金属層表層部のコンタクト用合金成分の濃度が高くなった領域では、金属層と化合物半導体層との接合界面(つまり、反射面)の反射率が下がることに着目した。この反射率の低下は、コンタクト用合金成分の濃度が一定以上に増加すれば飽和する傾向にあり、当該領域の密着力ないし接触抵抗の改善効果を良好に反映したパラメータとなる。従って、接合界面全体の反射率を測定すれば、その測定値は、化合物半導体層に対する金属層全体の総合的な密着力ないし接触抵抗を的確に反映したパラメータとして利用できる。
本発明においては、金属層の表層部において、化合物半導体層とのコンタクト抵抗を低減するためのコンタクト用合金成分の濃度を、発光層部からの光に対する接合界面の反射率が10%以上50%以下となるように調整する。これにより、金属層と化合物半導体層との密着力を良好に確保でき、また、接触抵抗も十分に低減できる。接合界面の反射率が50%を超えると、コンタクト用合金成分の濃度が過度に不足した領域が増加し、金属層と化合物半導体層との密着力を十分に確保できなくなることにつながる。他方、接合界面の反射率が10%未満になると、接合界面での光反射による光取出効率改善効果を十分に期待できなくなる。接合界面の反射率は、より望ましくは20%以上45%以下とすることが望ましい。また、上記の反射率範囲を実現するには、金属層の最表面(接合界面)において、コンタクト用合金成分の濃度が5質量%以上となる領域の面積率が90%以上確保されていることが望ましい。
例えば、化合物半導体層の第二主表面側にコンタクト用合金成分を含有したコンタクト金属部を分散形成する場合、該コンタクト金属部を金属層で覆った後、コンタクト金属部と化合物半導体層との合金化熱処理を十分長時間(例えば1分以上30分以下)行なうことが、接合界面の反射率を上記範囲に調整し、ひいては金属層全体の化合物半導体層に対する総合的な密着力ないし接触抵抗を高める上で望ましい。なお、コンタクト金属部の合金化熱処理を先に行ってから金属層で被覆し、その後、合金化熱処理と同程度の温度にて、コンタクト用合金成分の面内拡散処理を追加実施することもできるが、金属層で覆った後で合金化熱処理を行なうほうが、金属層と化合物半導体層との界面では、最初に形成したコンタクト金属部の周囲においてコンタクト用合金成分の拡散が進みやすくなり、密着力向上及び接触抵抗低減の効果をより高めることができる。この場合、金属層の表層部は、コンタクト用合金成分の濃化した濃化領域が面内に分散形成されてなり、該濃化領域の周囲部分が、濃化領域からのコンタクト用合金成分の拡散領域とされた構造を有するものとなる。また、コンタクト用合金成分の拡散は金属層の厚さ方向にも進むが、密着力向上及び接触抵抗低減の効果を高めるためには、コンタクト用合金成分の接合界面における最大濃度値を基準濃度として、該基準濃度の10%以上となる拡散深さが、金属層全厚の20%以上に達していることが望ましい。
上記接合界面での反射率を10%以上に確保するには、金属層の表層部を、Au、Ag及びAlのいずれかを主成分(50質量%以上のことである)とするものとして構成することが望ましい。また、金属層の、上記表層部と素子基板との間に位置する部分は、Auを主成分とする金属により形成しておくことが、貼り合わせ工程の利便性を向上させる上で望ましい。例えば、素子基板側と化合物半導体側の双方にAuを主成分とする層(以下、Au系層という)を形成し、これらを重ね合わせて熱処理すれば貼り合わせを確実に行なうことができる。この場合、化合物半導体側のAu系層を形成した後、前述のコンタクト金属部の合金化熱処理を行ってもよいし、該貼り合わせ熱処理をコンタクト金属部の合金化熱処理に兼用させてもよい。
素子基板としてはSi基板が比較的安価であり、導電性も良好なので本発明に好適に使用できる。Si基板を用い、金属層の表層部以外の残余の部分をAu系層として構成する場合、貼り合わせ熱処理が高温(例えば、前述の合金化熱処理(例えば350℃以上550℃以下)に貼り合わせ熱処理が兼用される場合)であると、基板からのSiがAu系層側に多量に拡散する可能性がある。この拡散を積極的に防ぎたい場合は、基板金属層と該Si基板との間に、素子基板からのSiがAu系層側に拡散することを防止する拡散ブロック層が介挿しておくと、Si基板とAu系層との拡散反応を効果的に抑制することができる。拡散ブロック層は、Ti、Ni又はCrを主成分(50質量%以上)とする金属層、あるいは導電性酸化物層として構成できる。
一方、Si基板からのSi拡散を貼り合わせ結合力の向上に積極利用し、また、Si拡散を基板表層部にまで及ばせて、化合物半導体層と金属層との密着力向上に寄与させること(つまり、接合界面の反射率調整に寄与させること)も可能である。この場合の発光素子は、素子基板がSi基板であり、金属層に該Si基板からのSi成分が拡散したものとなる。
なお、化合物半導体層がIII−V族化合物半導体である場合、コンタクト用合金成分は、Ge、Ni、Sn、Be及びSbの1種又は2種以上を使用することができる。特に、Ge、Ni及びSnはn型半導体層との接触抵抗低減効果に優れ、Be及びSbはn型半導体層との接触抵抗低減効果に優れる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。なお、以下の説明において基板あるいは層の主表面については、光取出面側を第一主表面、反対側を第二主表面として定める。図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、素子基板をなす導電性基板であるn型Si(シリコン)単結晶よりなるSi基板7の第一主表面上に、金属層10を介して発光層部24を有する化合物半導体層50が貼り合わされた構造を有してなる。
発光層部24は、ノンドープ(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、第一導電型クラッド層、本実施形態ではp型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるp型クラッド層6と、前記第一導電型クラッド層とは異なる第二導電型クラッド層、本実施形態ではn型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造を有し、活性層5の組成に応じて、発光波長を、緑色から赤色領域(発光波長(ピーク発光波長)が550nm以上670nm以下)にて調整できる。発光素子100においては、金属電極9側にp型AlGaInPクラッド層6が配置されており、主金属層10側にn型AlGaInPクラッド層4が配置されている。従って、通電極性は金属電極9側が正である。なお、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm程度を上限とする)をも排除するものではない。
また、化合物半導体層50においては、発光層部24の第一主表面上に、AlGaAsよりなる電流拡散層20が形成され、該電流拡散層20の第一主表面の略中央に、発光層部24に発光駆動電圧を印加するための金属電極(例えばAu電極)9が形成されている。電流拡散層20の第一主表面における、金属電極9の周囲の領域は、発光層部24からの光取出領域をなす。また、Si基板7の第二主表面にはその全体を覆うように金属電極(裏面電極:例えばAu電極である)15が形成されている。金属電極15がAu電極である場合、金属電極15とSi基板7との間には、AuSb合金(AuSn合金でもよい)からなるコンタクト用金属部16が介挿される。
Si基板7は、Si単結晶インゴットをスライス・研磨して製造されたものであり、その厚みは例えば100μm以上500μm以下である。そして、発光層部24に対し、金属層10を挟んで貼り合わされている。金属層10は全体がAuを主成分とするAu系層として構成されている。
金属層10は、化合物半導体層50との接合界面RP(第一主表面:反射面をなす)を含む表層部10sに、該化合物半導体層50とのコンタクト抵抗を低減するためのコンタクト用合金成分が含有されている。表層部10sのコンタクト用合金成分の濃度(あるいは濃度分布)は、発光層部24からの光に対する接合界面RP全体の反射率が、10%以上50%以下となるように調整されてなる。この反射率は、測定用レーザービームIBを光取出面側から金属層10に向けて入射し、その反射光RBの強度により測定することができる。必要に応じて測定位置を金属層10の面内に走査し、平均値にて反射率を求めるとよい。
金属層10の表層部10sには、コンタクト用合金成分の濃化した濃化領域32(後述のコンタクト金属部32’に由来するものである)が面内に分散形成されている。また、濃化領域32の周囲部分は、該濃化領域32からのコンタクト用合金成分の拡散領域10eとなっている。また、濃化領域32には、金属層10の厚さ方向にもコンタクト用合金成分の拡散領域10dが形成されている。
本実施形態においては、コンタクト用合金成分はn型クラッド層4との接触抵抗を下げるために、GeとNiとが使用されている。金属層10の第一主表面、つまり接合界面RPは、その全面積に対する90%以上が、コンタクト用合金成分の濃度が5質量%以上の領域となっている。また、コンタクト用合金成分の接合界面RPにおける最大濃度値(濃化領域32内に存在する)を基準濃度としたとき、該基準濃度の10%以上となる拡散深さt1は、金属層10の全厚の20%以上(望ましくは30%以上:金属層10の全体が該基準濃度の10%以上となっていてもよい)に及ぶものとなっている。
他方、Si基板7と金属層10との間には、Si基板7の第一主表面と接する形で、AuSb合金(AuSn合金であってもよい)からなるコンタクト金属部31(例えばSb:5質量%)が形成されている。また、該コンタクト金属部31の全面が、拡散ブロック層10c(例えば酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性酸化物からなる)により覆われている。そして、該拡散ブロック層10cの全面を覆う形で、これと接するように金属層10が配置されている。拡散ブロック層10cにて拡散ブロックされることにより、金属層10側へのSi成分の拡散は小さく留められている。なお、本実施形態において金属層10をなすAu系層は、純AuもしくはAu含有率が95質量%以上のAu合金よりなる。
発光層部24からの光は、光取出面側に直接放射される光に、主金属層10による反射光が重畳される形で取り出される。金属層10の厚さは、反射効果を十分に確保するため、80nm以上とすることが望ましい。また、厚さの上限には制限は特にないが、反射効果が飽和するため、コストとの兼ね合いにより適当に定める(例えば1μm以下)。該金属層10は、表層部10sにおいてコンタクト用合金成分の濃度が、発光層部24からの光に対する接合界面の反射率が10%以上50%以下となるように調整されており、金属層10と化合物半導体層50との密着力を良好に確保でき、接触抵抗もより低減できる。
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。まず、図2の工程1に示すように、発光層成長用基板をなす半導体単結晶基板であるGaAs単結晶基板1の第二主表面に、p型GaAsバッファ層2を例えば0.5μm、AlAsからなる剥離層3を例えば0.5μm、さらにp型AlGaAsよりなる電流拡散層20を例えば5μm、この順序にてエピタキシャル成長させる。また、その後、発光層部24として、1μmのp型AlGaInPクラッド層6、0.6μmのAlGaInP活性層(ノンドープ)5、及び1μmのn型AlGaInPクラッド層4を、この順序にエピタキシャル成長させる。
次に、工程2に示すように、化合物半導体層50の第二主表面(図1の接合界面RPとなる)に、AuGeNi合金(例えばGe:15質量%、Ni:10質量%、残部Au)からなるコンタクト金属部32’を分散形成する。コンタクト金属部32’の、第二主表面の全面積に対する形成面積率は25%以上100%以下であり、その厚さは0.1μm以上2μm以下である。その後、コンタクト金属部32’を覆うように第一Au系層10aを形成する。他方、工程3に示すように、別途用意したSi基板7(n型)の両方の主表面に、AuSb合金からなるコンタクト金属部31,16(前述の通りAuSn接合金属層でもよい)を形成し、100℃以上500℃以下の温度域で合金化熱処理を行なう。そして、コンタクト金属部31上には、拡散ブロック層10c(厚さ:例えば600nm)及び第二Au系層10bをこの順序にて形成する。また、コンタクト金属部16上には裏面電極層15(例えばAu系金属よりなるもの)を形成する。以上の工程で各金属層は、スパッタリングあるいは真空蒸着等を用いて行なうことができる。
そして、工程4に示すように、Si基板7側の第二Au系層10bを、発光層部24上に形成された第一Au系層10aに重ね合わせて圧迫して、350℃以上500℃以下の温度(例えば400℃)にて1分以上30分以下保持することにより熱処理を行なう。この熱処理により、第一Au系層10aと第二Au系層10bとは一体化して金属層10となり、Si基板7は該金属層10を介して発光層部24に貼り合わされる。また、コンタクト金属部32’中のGe及びNiからなるコンタクト用合金成分は、金属層10の表層部にて面内方向に拡散することにより拡散領域10eを形成する。さらに、金属層10の厚さ方向にも拡散して拡散領域10dを形成する。コンタクト金属部32’は、この拡散によりコンタクト用合金成分の濃度が処理前よりも減じられるが、周囲の拡散領域10eよりはコンタクト用合金成分を高濃度に含有した、濃化領域32として残留する。そして、金属層10の最表面をなす接合界面RPは、このコンタクト用合金成分の拡散により反射率が10%以上50%以下の範囲に調整され、化合物半導体層50と強固に結合される。なお、第二Au系層10bとSi基板7(コンタクト用金属部31)との間には、拡散ブロック層10cが介挿されているので、Si基板7から第二Au系層10bに向けたSi成分の拡散が上記拡散ブロック層10cによりブロックされ、第二Au系層10bひいては貼り合わせにより一体化した金属層10側へのSi成分の拡散による沸き上がりが抑制される。
次に、工程5に進み、上記基板貼り合わせ体50を、例えば10%フッ酸水溶液からなるエッチング液に浸漬し、バッファ層2と発光層部24との間に形成したAlAs剥離層3を選択エッチングすることにより、GaAs単結晶基板1(発光層部24からの光に対して不透明である)を、発光層部24とこれに接合されたSi基板7との積層体から剥離する。なお、AlAs剥離層3に代えてAlInPよりなるエッチストップ層を形成しておき、GaAsに対して選択エッチング性を有する第一エッチング液(例えばアンモニア/過酸化水素混合液)を用いてGaAs単結晶基板1をGaAsバッファ層2とともにエッチング除去し、次いでAlInPに対して選択エッチング性を有する第二エッチング液(例えば塩酸:Al酸化層除去用にフッ酸を添加してもよい)を用いてエッチストップ層をエッチング除去する工程を採用することもできる。
そして、工程6に示すように、GaAs単結晶基板1の剥離により露出した電流拡散層20の主表面の一部を覆うように、ワイヤボンディング用の電極9(ボンディングパッド:図1)を形成する。以下、通常の方法によりダイシングして半導体チップとし、これを支持体に固着してリード線のワイヤボンディング等を行なった後、樹脂封止をすることにより最終的な発光素子が得られる。
以上の実施形態では、第一Au系層10aの表面が接合界面RP(反射面)を形成していたが、図3の発光素子200のごとく、第一Au系層10aと化合物半導体層50との間に、Ag系層あるいはAl系層からなる反射用金属層10rを介挿することもできる。製造工程は図2と略同じであるが、工程2では、コンタクト金属部32を反射用金属層10rで覆った後、さらに第一Au系層10aで覆う点が相違する。また、コンタクト金属部32の合金化熱処理は、反射用金属層10rの形成後において、第一Au系層10aの形成前に行なってもよいし、第一Au系層10aの形成後に、貼り合わせ熱処理を兼ねて行なっても、いずれでもよい。
また、図4の発光素子300のように、拡散ブロック層10cを省略してもよい。この場合、Si基板7からのSi成分が金属層10側へ沸き上がるが、これを、Si基板7と金属層10との貼り合わせ結合力の向上に積極利用することも可能である。さらに、Si成分の拡散を接合界面RPに到達させれば、金属層10と化合物半導体層50との結合力向上にも寄与する。Si成分の拡散量は、接合界面RPの反射率が10%以上50%以下の範囲を逸脱しない範囲にて調整する。
なお、発光層部24の各層は、上記実施形態では、基板側からn型クラッド層4、活性層5及びp型クラッド層6の順になっていたが、これを反転させ、基板側からp型クラッド、活性層及びn型クラッド層の順に形成してもよい。この場合、金属層10の表層部に含有させるコンタクト用合金成分としてはBeを使用することができる。
本発明の発光素子の第一実施形態を積層構造にて示す模式図。 図1の発光素子の、製造工程の一例を示す説明図。 本発明の発光素子の第二実施形態を積層構造にて示す模式図。 本発明の発光素子の第三実施形態を積層構造にて示す模式図。
符号の説明
4 n型クラッド層(第二導電型クラッド層)
5 活性層
6 p型クラッド層(第一導電型クラッド層)
7 Si基板(素子基板)
9 金属電極
10a 第一Au系層
10b 第二Au系層
10c 拡散ブロック層
10d,10e 拡散領域
24 発光層部
32 濃化領域
50 化合物半導体層
100,200,300 発光素子

Claims (7)

  1. 発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に金属層を介して素子基板が結合された発光素子であって、
    前記金属層の、前記化合物半導体層との接合界面を含む表層部において、該化合物半導体層とのコンタクト抵抗を低減するためのコンタクト用合金成分の濃度が、前記発光層部からの光に対する前記接合界面の反射率が10%以上50%以下となるように調整されてなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  2. 前記金属層の前記表層部において、前記コンタクト用合金成分の濃化した濃化領域が面内に分散形成されてなり、該濃化領域の周囲部分が、前記濃化領域からの前記コンタクト用合金成分の拡散領域とされてなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記金属層の前記表層部が、Au、Ag及びAlのいずれかを主成分とする金属により構成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記金属層の前記表層部と前記素子基板との間に位置する部分が、Auを主成分とする金属により形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 前記素子基板がSi基板であり、前記金属層と該Si基板との間に、前記素子基板からのSiがAu系層側に拡散することを防止する拡散ブロック層が介挿されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記素子基板がSi基板であり、前記金属層に該Si基板からのSi成分が拡散してなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
  7. 前記コンタクト用合金成分は、Ge、Ni、Be、Sn及びSbの1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子。
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