JP2005108905A - 磁性基材およびその製造方法 - Google Patents
磁性基材およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005108905A JP2005108905A JP2003336588A JP2003336588A JP2005108905A JP 2005108905 A JP2005108905 A JP 2005108905A JP 2003336588 A JP2003336588 A JP 2003336588A JP 2003336588 A JP2003336588 A JP 2003336588A JP 2005108905 A JP2005108905 A JP 2005108905A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- resin
- metal
- magnetic substrate
- laminate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】磁性金属薄板の表面に高分子化合物が付与されている磁性基材において、JIS B 0651に基づいて測定される10点平均粗さRtmについて、磁性基材表面のRtmの高分子化合物層表面に対するRtmの比が1.0未満であることを特徴とする磁性基材を用いる。本発明の方法により、積層ずれや巻取りずれを防止できる磁性基材および、この磁性基材からなる積層ずれの極めて少ない積層体を実現することが可能となった。
Description
磁性金属薄帯は一般にアモルファス金属を指すものと当業者には理解されているが、本発明においては磁性金属薄板の意味に用いることがある。
本発明に用いられる高分子化合物は、公知のいわゆる樹脂を呼ばれるものが用いられる。本明細書においては、「高分子化合物」の代わりに「樹脂」の語を用いることがある。本発明においては、特に金属磁性材料の磁気特性向上に200℃以上の熱処理が必要な場合は、弾性率の低い耐熱樹脂を複合することが、優れた性能を発揮する上で効果的である。 また非晶質金属磁性材料やナノ結晶金属磁性材料に比べて損失が大きく、発熱温度が高くなるケイ素鋼板などの材料では、モータやトランス等のパワーエレクトロニクス用途において、耐熱樹脂を適用することで、定格温度を向上でき、定格出力の向上、機器の小型化につながる。 本発明に用いられる耐熱性樹脂は、非晶質金属薄帯やナノ結晶金属磁性薄帯の磁気特性を向上させる最適熱処理温度で熱処理される場合があるので、当該熱処理温度で熱分解の少ない材料を選定することが必要になる。例えば非晶質金属薄帯の熱処理温度は、非晶質金属薄帯を構成する組成および目的とする磁気特性により異なるが、良好な磁気特性を向上させる温度は概ね200〜700℃の範囲にあり、さらに好ましくは300℃〜600℃の範囲である。
本発明では鋭意研究の結果、巻き取りずれし易いかが左右する因子として、金属薄板の表面の凹凸を表す10点平均粗さRtmが重要な因子であることが明らかなった
ここで10点平均粗さRtmとは、JIS B 0651で規定される触針式表面粗測定機により測定できる粗さ曲線から、その中心線方向に測定長さLの部分を抜き取り、その測定長さLを5等分し、5等分された各々の区間の最大高さZを平均した値で定義される。本発明での評価には、東京精密株式会社製の3次元表面粗さ形状測定機サーフコム570Aにより計測した。計測機の設定を、カットオフ設定値を0.80mm、測定長さを2.50mm、計測スピードを0.3mm/秒として測定した。
本発明では磁性金属薄板に樹脂層を付与する場合、まず磁性金属薄板の原反にロールコータなどのコーティング装置で、薄板上に有機溶剤に樹脂を溶解させた樹脂ワニスにより塗膜を作り,これを乾燥させる方法で作製することができる。ここでいう樹脂ワニスとは樹脂もしくは樹脂の前駆体が有機溶剤に分散または溶解した状態の液体を指す。
非晶質金属薄帯に耐熱性樹脂を付与した多層構造の磁性基材を作製する場合,例えば熱プレスや熱ロールなどにより積層一体化することができる。加圧時の温度は耐熱樹脂の種類により異なるが,概ね,耐熱樹脂硬化物のガラス転移温度以上で軟化もしくは溶融する温度近傍で積層接着することが好ましい。高分子化合物は、金属薄板上塗布後、乾燥させた後金属薄板を複数枚積層する。
本発明の磁性基材は、磁性基材が熱処理することにより鉄損や透磁率などの磁気的特性が改善できる場合、熱処理することが好ましい。このとき、塗布した樹脂が、熱処理により金属間の接着力を失わない範囲で熱処理することが重要である。このような熱処理することで著しく磁気特性向上する磁性基材としては、非晶質磁性金属薄帯や、ナノ結晶金属磁性薄帯材料などがある。磁気特性向上のための熱処理温度としては通常、不活性ガス雰囲気下もしくは真空中で行われ、良好な磁気特性を向上させる温度は概ね300〜700℃であり、好ましくは350℃から600 ℃で行わる。また、目的に応じて磁場中で行っても良い。
金属薄帯として、ハネウェル社製、Metglas:2714A(商品名)、幅約50mm,厚み約15μmであるCo66Fe4Ni1(BSi)29(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。10点平均表面粗さRtmは4.04μmであった。 この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約6ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。但しグラビア版径30mmとし、平均塗布厚5μmで1500m塗工した。また、ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。
金属薄帯として、日立金属(株)製、ファインメット(商品名)、FT−1幅約35mm,厚み約18μmであるFe、Cu、Nb、Si、Bの元素組成を持つナノ結晶磁性金属薄帯を使用した。金属単体の10点平均表面粗さRtmは2.84であった。 実施例1と同様の樹脂をコートした。
金属薄帯として、新日本製鉄、薄手ハイライトコア(商品名)、20HTH1500幅約150mm,厚み約200μmである珪素鋼板を使用した。金属単体の10点平均表面粗さRtmは2.2μmであった。 実施例1と同様の樹脂をコートした。
金属薄帯として、ハネウェル社製、Metglas:2714A(商品名)、 幅約50mm,厚み約15μmであるCo66Fe4Ni1(BSi)29(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。10点平均表面粗さRtmは4.00μmであった。 この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約20Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約6ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。
Claims (2)
- 磁性金属薄板の表面に高分子化合物が付与されている磁性基材において、JIS B 0651に基づいて測定される10点平均粗さRtmについて、磁性基材表面のRtmの高分子化合物層表面に対するRtmの比が1.0未満であることを特徴とする磁性基材。
- 上記請求項1記載の磁性基材の積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003336588A JP2005108905A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 磁性基材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003336588A JP2005108905A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 磁性基材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005108905A true JP2005108905A (ja) | 2005-04-21 |
Family
ID=34532644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003336588A Pending JP2005108905A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 磁性基材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005108905A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108538558A (zh) * | 2018-01-19 | 2018-09-14 | 东莞市联洲知识产权运营管理有限公司 | 一种变压器铁芯片振动式整理装置 |
-
2003
- 2003-09-26 JP JP2003336588A patent/JP2005108905A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108538558A (zh) * | 2018-01-19 | 2018-09-14 | 东莞市联洲知识产权运营管理有限公司 | 一种变压器铁芯片振动式整理装置 |
CN108538558B (zh) * | 2018-01-19 | 2020-06-16 | 国网新疆电力有限公司乌鲁木齐供电公司 | 一种变压器铁芯片振动式整理装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100689085B1 (ko) | 자성기재, 자성기재의 적층체 및 그 제조방법 | |
JP5751284B2 (ja) | 接着シート | |
JP3994696B2 (ja) | 線膨張係数を制御したポリイミドフィルム及び積層体 | |
JP2013212642A (ja) | 軟磁性材製造用部材、軟磁性材、銅張積層板、プリント配線板、及びインダクタ | |
JP2015230901A (ja) | 樹脂積層体及びプリント配線板 | |
JPWO2005031767A1 (ja) | 磁性基材の積層体およびその製造方法 | |
WO2009084533A1 (ja) | 樹脂付銅箔および樹脂付銅箔の製造方法 | |
JP2005108905A (ja) | 磁性基材およびその製造方法 | |
WO2012124307A1 (ja) | ビルドアップ用プリプレグ | |
JP2006335875A (ja) | ポリイミドフィルムおよびその製造法 | |
JP2009200428A (ja) | 積層体およびその製造方法 | |
JP4145223B2 (ja) | 金属薄板およびその製造方法 | |
JP4574153B2 (ja) | 磁性基材の製造方法 | |
JP2005059391A (ja) | 磁性金属薄板積層体 | |
JP3938338B2 (ja) | 薄型、高効率、電動機または発電機用積層板及び、電動機または発電機 | |
JP2005109209A (ja) | 磁性基材、磁性積層体およびその製造方法 | |
JP2004119403A (ja) | 磁性積層体 | |
JP2002151316A (ja) | 磁性基材 | |
JP2009051035A (ja) | レーザ光溶着積層体とその製法 | |
JP2005108906A (ja) | 磁性基材およびその積層体 | |
WO2023120730A1 (ja) | 積層磁性材、トランス用コア、および積層磁性材の製造方法 | |
JP4313141B2 (ja) | 磁性基材の積層体の製造方法、およびこれにより得られる磁性基材の積層体 | |
JP4357822B2 (ja) | 非晶質金属薄帯積層体の製造方法 | |
JP2005109268A (ja) | 磁性金属薄板 | |
JP2005104008A (ja) | 磁性基材およびその積層体ならびに用途 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050715 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20080104 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080129 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080328 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20080328 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080930 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20081201 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20090212 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090915 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |