JP2005107232A - 投射型映像表示装置、これに用いる光学素子及び光学ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 投射型映像表示装置において、コントラストを向上させる技術の提供。
【解決手段】 補助偏光子の作用面から補助検光子の作用面の間に配置される各光透過型基板として、その光軸方向の板厚と光弾性定数の積の合計が、透過型映像表示装置では12×10−15m/Pa以下、反射型映像表示装置では16×10−15m/Pa以下となるものを用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光源側からの光を光学的に処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置に係り、特に映像のコントラストを向上させるための技術に関する。
本発明に関連した従来技術としては、例えば、特開2001−142028号公報(特許文献1)、特開平9−54213号公報(特許文献2)、特開2001−296514号公報(特許文献3)及び米国Moxtek社カタログ、No.PBF02A(非特許文献1)に記載されたものがある。これら公報にはいずれも、反射型液晶パネルを用いた投射型映像表示装置が記載されている。
反射型液晶パネルを用いた投射型映像表示装置用の光学ユニットでは、従来から一般的に偏光子兼検光子として、偏光選択機能を持つ誘電体多層膜を有する偏光ビームスプリッタプリズム(以下、PBSプリズムという)が用いられている。
PBSプリズムでは、基材を構成するガラスの光学的異方性による複屈折で偏光の乱れを生じる。複屈折で偏光の乱れが生じると、黒映像投射時の漏れ光が多くなり、コントラストが低下する。特開平9−54213号公報には、PBSプリズムの光弾性定数の絶対値を1.5×10−15m/Paとする構成が記載され、特開2001−296514号公報には、PBSプリズムの光弾性定数をC(/Pa)、PBSプリズムを透過する光の中心波長をλ(m)、PBSプリズムに加わる応力をF(N/m)、PBSプリズムの光透過長をLとするとき、C、λ、F、Lが数1を満足するようにして複屈折によるコントラスト低下を抑える技術が記載されている。
(2π/λ)×F×L×C≦0.1 …(数1)
また、PBSプリズムでは、光軸とPBS膜面の法線とで形成する面(主入射面)に平行でない斜め光に対して、黒映像投射時の漏れ光が多くなり、コントラストが低下する。特開2001−142028号公報には、生じる黒映像投射時の漏れ光を少なくするために1/4波長板を用いる構成が記載されている。
また、米国Moxtek社カタログ、No.PBF02Aには、光学的な格子による回折で格子方向に平行な偏光を反射し、格子方向に直交する偏光を透過する回折格子を用いた反射型偏光板を、偏光子兼検光子として用いる技術が記載されている。該回折格子を用いた反射型偏光板は、基材である光透過型基板の上に回折格子が形成されている。
特開2001−142028号公報
特開平9−54213号公報 特開2001−296514号公報 米国Moxtek社カタログ、「Optically Flat Polarizing Beamsplitters」No.PBF02A(2002年5月)
上記従来技術においてはいずれも、より一層のコントラストの向上を目指す場合に限界があると考えられる。例えば、上記特開平9−54213号公報においては、複屈折によるコントラスト低下を抑えるため、PBSプリズムの光弾性定数をC≦1.5×10−12/Pa(=1.5×10−8cm/N)としているが、他の要因については十分考慮されていない。すなわち、光弾性定数Cの上限値を1.5×10−12/Paとしても、PBSに加わる応力が大きく、また該部品が大きく光透過長Lが大きい場合は複屈折を小さくすることが困難であると考えられる。また、上記特開2001−296514号公報においては、PBSプリズムの位相差ΔSをΔS≦0.1とし、光学系の組み込み時の応力や温度上昇による熱応力などの値が不確定な応力を含めた位相差ΔSの上限値を規定しているため、実用化設計上での困難が予想される。また、上記両公報記載の技術はともに、主としてPBSプリズムによる複屈折の影響を考慮しており、複数の光学部品で生じる複屈折の総量の影響については十分考慮されていない。さらに、上記米国Moxtek社カタログ、No.PBF02Aに記載された技術では、反射型偏光板の基板の複屈折によるコントラスト低下自体が考慮されていない。また、補助検光子として反射型偏光板が用いられているため、ゴースト像が発生する可能性もある。
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、投射型映像表示装置において、少なくとも明るさを確保し、設計し易い構成下で、コントラストを一層向上させることができるようにすることである。
本発明の目的は、かかる課題点を解決できる技術の提供にある。
上記課題点を解決するために、本発明では、基本的に、投射型映像表示装置の光路上に配する光学素子が、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が所定値範囲となる光透過性基板を備えた構成となるようにする。
例えば、
所定方向の偏光成分を透過することにより偏光子あるいは検光子あるいは補助偏光子あるいは補助検光子として作用する偏光板であって、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有したもの、
偏光光を映像信号により変調して透過する表示素子であって、その基板厚と光弾性定数の積が8.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有したものか、あるいは偏光光を映像信号により変調して反射する表示素子であって、その基板厚と光弾性定数の積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有したもの、
回折格子により所定方向の第1の偏光成分を透過し該第1の偏光成分に直交する第2の偏光成分を反射する反射型偏光板としてその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有したもの、
表示素子の直前に配され、該表示素子に斜めに入射する偏光光の該表示素子による位相ずれを補償する広視野角素子であってその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有したもの、
色分離面の波長選択性により、特定波長領域の光を反射し、それ以外の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーであってその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有したもの、
の少なくともいずれかを備える構成とする。
上記光学素子、または、該光学素子のいずれかもしくはそれらの組合わせを備えた投射型映像表示装置及び該装置用の光学ユニットを、本発明として提案する。
本発明によれば、投射型映像表示装置において、光学部品の複屈折を抑え、明るさを確保した状態でコントラストをより一層向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態としての投射型映像表示装置の光学ユニットの構成例図である。本第1の実施形態では、反射型偏光板の偏光分離特性を補うために、その前後に補助偏光子と補助検光子を配している。
図1において、1は光源、2は光軸、3はインテグレータ機能を有しかつ偏光変換作用を備えたロッドレンズ、111、112、113は表示素子としての反射型液晶パネル(111はR(赤色光)用反射型液晶パネル、112はG(緑色光)用反射型液晶パネル、113はB(青色光)用反射型液晶パネル)、41、42、43は、ロッドレンズ3の出射口の像を反射型液晶パネル111、112、113上に照射する結像レンズ、5は白色反射ミラー、61はB透過RG反射ダイクロイックミラー、71はR透過G反射ダイクロイックミラー、8はB反射ミラー、91、92、93'はそれぞれ、吸収型または反射型のR用補助偏光子、G用補助偏光子、B用補助偏光子、101’、102’、103’はそれぞれ、回折格子を用いたR用反射型偏光板、G用反射型偏光板、B用反射型偏光板であり、ハッチング部が基材である光透過型基板、透明部が作用面を示している。121、122、123はそれぞれ、吸収型のR用補助検光子、G用補助検光子、B用補助検光子、132はG用1/2波長板、14はクロスダイクロイックプリズム、15は投射レンズである。上記補助偏光子91、92、93'は平行平板状の光透過型基板上に設けられており、上記補助検光子121、122、123はクロスダイクロイックプリズム14上に設けられている。
本第1の実施形態では、上記反射型偏光板101’、102’、103’は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、表示素子としての上記反射型液晶パネル111、112、113は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有している。これによって、これら各光透過型基板に起因する複屈折の発生を抑え、映像のコントラストを一層向上できるようにしてある。
上記各光透過型基板は、材質的には、例えば、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの少なくとも1つを含有するガラスで構成するものとする。また、上記各光透過型基板は、寸法的には、それ自体のサイズに応じ必要な強度が得られる板厚のものを用いることになる場合が多い。例えば、光束が小さく集光される液晶パネル等表示素子の近くに配される偏光板や反射型偏光板に用いる光透過型基板では、板厚は約0.5〜0.7×10−3mであり、光束が比較的大きい位置に光軸に対し傾けて(例えば45°)配されるダイクロイックミラーではサイズが大きくなるため、これに用いる光透過型基板も厚さの厚いものとなり、例えば1.1×10−3m程度となる。光透過型基板の板厚が、それ自体のサイズ以外の要因によって決まる場合もある。例えば反射型偏光板が表示素子からの映像光を投射レンズに向けて反射するように配された場合には、投射映像の解像度が低下しないように反射型偏光板の反射面の平面度を高くするが、該高い平面度を確保するためには板厚を厚くすることが有効な手段となる。かかる場合の反射型偏光板の光透過型基板としては、例えば厚さ1.6×10−3m程度となる。また、表示素子に用いる光透過型基板としては、表示面にほこりやごみを近づけないようにするために、片側での厚さを例えば約2.0〜2.5×10−3mとしたものを用いる。
上記光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積の各数値範囲は、上記基板厚の範囲を含め実用に適する範囲である。
一般に、上記複屈折は、光学部品の内部で生じる光路差δ(位相差ΔS)に比例する。光路差δ及び位相差ΔSは、次の数2、数3により求めることができる。
δ=F×C×L …(数2)
ここで、δ:光路差(×10−3m)、C:光学部品材料の光弾性定数(×10−12/Pa)、F:光学部品に加わる応力(Pa(N/m))、L:光学部品の光透過長(光軸方向の板厚)(×10−3m)である。
ΔS=(2π/λ)×F×C×L …(数3)
ここで、ΔS:位相差、λ:光の中心波長である。
上記数2、数3より、光路差δと位相差ΔSとの関係は次の数4となる。
ΔS=(2π/λ)×δ …(数4)
本第1の実施形態を含め、本発明では基本的に、上記Cと上記Lとの積を適切な範囲の値とすることで、δの値を適正化し、これによって、各光透過型基板に起因した複屈折を抑える。
一般に、光透過型基板自体には、材料の加工工程(切断、他の材料との接合、表面への成膜)による残留応力がある。この残留応力に加えて、この光透過型基板を光学シャーシ(図示せず)に保持部材あるいは接着等で保持する場合に、外部より受ける応力(外部応力という)がある。さらに、内部を透過する際に光エネルギーの吸収による熱応力や、周辺の部材の発熱により生じる熱応力が加わる。また、光透過型基板に例えば偏光フィルムなど熱膨張率の異なる材料を接着接合した場合は、発熱の際に熱膨張率の差により生じる応力も加わる。これらの応力が上記光透過型基板に加わる場合には、各光透過型基板に複屈折が生じ、光が各光透過型基板を透過する際に位相差を生じるため、偏光が乱れ、その結果、黒映像時の漏れ光が多くなりコントラストが低下する。
数2、数3で示したように、光透過型基板中で発生する位相差量ΔS(光路差δ)は光透過型基板中の応力及び光透過型基板の光弾性定数C及び光透過型基板の光軸方向の光透過長L(光透過型基板が光軸に傾斜してない通常の場合には光透過長Lは板厚tに等しい)に比例する。従って、応力、光弾性定数、光透過長(板厚)のいずれかを低減化すれば、光透過型基板中で発生する位相差量も低減化される。しかしながら、光透過型基板中の応力は、加工工程による残留応力や、使用時に発生する熱応力などであり、低減化が困難である。従って、光弾性定数と板厚のいずれか、あるいは両方を低減するのが現実的手段である。
しかしながら、板厚を極端に薄くすると投射型映像表示装置の落下、転倒等により光透過型基板に衝撃が加わった場合に割れ易くなるため、光透過型基板のサイズやその保持機構等の光学ユニットの設計に応じ、光透過型基板を、必要な強度が得られる範囲で板厚をできるだけ薄くし、それでも光透過型基板により生じる位相差が無視できない場合には、光弾性定数の小さい硝材を用いる。以上の内容を纏めると以下のようになる。すなわち、本発明では複屈折の影響を規定するために、光透過型基板の光弾性定数Cと光軸光線に対する光透過長Lの積(以下、C×Lとする)で規定する。なお、光透過型基板が光軸に傾斜してない場合には光軸方向の光透過長Lは板厚tに等しく、C×LはC×tとなる。C×Lを無理なく小さくする(望ましくは0とする)ことにより光が内部を透過する際に生じる位相差量を低減でき、偏光度の低下を抑制できるため、結果として投射型映像表示装置のコントラストを向上できる。
図1の構成において、光源1から出射された光は集光され、ロッドレンズ3内に入射する。該ロッドレンズ3内で、光は、該ロッドレンズ3のインテグレータ機能により面内で均一とされ、さらに、該ロッドレンズ3の偏光変換作用により、偏光方向が一方向の偏光光、例えばP偏光光に整えられる。該ロッドレンズ3から出射された光(P偏光光)は結像レンズ41を通り、白色反射ミラー5にて光線の方向を約90°曲げられ、結像レンズ42を通って、ダイクロイックミラー61に入射する。ダイクロイックミラー61では、青色光(以下、B光という)を透過し、赤色光(以下、R光という)及び緑色光(以下、G光という)は反射される。反射されたR光及びG光は結像レンズ43を通ってダイクロイックミラー71に入射する。該反射ダイクロイックミラー71では、R光は透過され、G光は反射される。
ダイクロイックミラー71を通過したR光はR用補助偏光子91に入射する。R用補助偏光子91の吸収軸あるいは反射軸に直交する偏光方向の光(ここではP偏光光)がR用補助偏光子91を透過し、R用反射型偏光板101’に入射する。回折格子を用いた該R用反射型偏光板101’は、格子方向に平行な反射軸がR用補助偏光子91の吸収軸あるいは反射軸と略平行となるように配置されている。このため、該R用反射型偏光板101’に入射した光は透過し、R用反射型液晶パネル111に入射する。一方、反射ダイクロイックミラー71で反射されたG光はG用補助偏光子92に入射する。上記R光の場合と同様に、G用補助偏光子92の吸収軸あるいは反射軸に直交する偏光方向の光(ここではP偏光)がG用補助偏光子92を透過し、G用反射型偏光板102’に入射する。回折格子を用いたG用反射型偏光板102’は格子方向に平行な反射軸がG用補助偏光子92の吸収軸あるいは反射軸と略平行となるように配置されている。このため、G用反射型偏光板102’に入射した光は透過し、G用反射型液晶パネル112に入射する。
また、上記反射ダイクロイックミラー61を透過したB光は、リレーレンズ45を透過し、B反射ミラー8で方向を90°曲げられ、B用補助偏光子93'に入射する。ここで、B光の光路の長さは、R光、G光の場合よりも長いため、B光の光路にリレーレンズ46、47を配置することで、B用反射型液晶パネル113に結像する。B用補助偏光子93'に入射した光はB用補助偏光子93'の吸収軸あるいは反射軸に直交する偏光方向の光(ここではP偏光光)がB用補助偏光子93'を透過し、B用反射型偏光板103’に入射する。回折格子を用いたB用反射型偏光板103’は、格子方向に平行な反射軸がB用補助偏光子93'の吸収軸あるいは反射軸と略平行となるように配置されている。このため、B用反射型偏光板103’に入射した光は透過し、B用反射型液晶パネル113に入射する。
上記のようにして、白色光が、R光、G光、B光に色分離される。
R用反射型液晶パネル111、G用反射型液晶パネル112、B用反射型液晶パネル113に入射したP偏光光のうち、それぞれ、R用反射型液晶パネル111、G用反射型液晶パネル112、B用反射型液晶パネル113の白映像を表示する画素によって反射される光は、該反射される際に偏光が90°回転され、S偏光光となり、R用反射型偏光板101’、G用反射型偏光板102’、B用反射型偏光板103’に入射する。このとき、各反射型偏光板に入射する光はS偏光光であって反射軸と平行であるため、該各反射型偏光板で反射されて光線方向を90°曲げられ、それぞれ、R用補助検光子121、G用補助検光子122、B用補助検光子123に入射する。各補助検光子121、122、123は、その吸収軸が反射型偏光板101’、102’、103’の反射軸と略直交するように配置されているため、該各反射型偏光板101’、102’、103’を反射した光は、各補助検光子121、122、123を透過し、R光及びB光はS偏光光のまま、G光はG用1/2波長板132を通過してP偏光光となり、R光、G光、B光ともクロスダイクロイックプリズム14に入射する。クロスダイクロイックプリズム14に入射したR光、G光、B光は、クロスダイクロイックプリズム14により色合成されて白色光となり、投射レンズ15によってスクリーン(図示せず)に拡大投射される。
上記反射型偏光板101’、102’、103’は、特定方向にのみ格子作用を有して偏光板として機能し、格子方向に平行な偏光を反射して、格子方向に直交する偏光を透過する。一般に、該反射型偏光板101’、102’、103’は、その反射軸を光軸と反射型偏光板の法線を含む面の法線と平行に配置した場合に最も偏光分離性が高くなる。すなわち、反射軸を光軸光線に対するS偏光光方向と平行に配置し、光軸光線のS偏光光を反射し、P偏光光を透過するように使用した場合に、最も透過光及び反射光の偏光度が高くなる。本実施形態では上記配置にしてあるとする。一般に、反射型偏光板は格子方向に平行な偏光光を反射して、格子方向に直交する偏光を透過するが、格子方向に平行な偏光光もわずかな量は透過してしまい、格子方向に直交する偏光もわずかな量は反射してしまって、映像のコントラストが低下する原因となる。これを改善するために、本第1の実施形態では、入射側に補助偏光子91、92、93'を設けることで補助偏光子および偏光子のトータルとして偏光度を向上し、出射側に補助検光子121、122、123を設けることで補助検光子および検光子のトータルとして偏光度を向上し、黒表示時の漏れ光を少なくして、コントラストの改善を図るようにしている上、さらに、上記のように、反射型偏光板101’、102’、103’は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有した構成とし、上記反射型液晶パネル111、112、113も、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有した構成としているため、該光透過型基板に残留応力がある場合や、熱応力や外部応力が加わった場合にも、複屈折の発生を抑え、偏光の乱れを抑えて、黒映像時の漏れ光の増加を防ぎ、より一層のコントラストの向上を可能とする。また、補助検光子121、122、123には吸収型のものを用い、ゴースト像の発生を抑制するようにしている。本実施形態ではまた、補助検光子121、122、123はクロスダイクロイックプリズム14上に設けられているが、補助検光子121、122、123を効率良く冷却する必要がある場合などには、別途、光透過型基板上に設けてクロスダイクロイックプリズム14から離して設置してもよい。
また、本実施形態は表示素子を3個使用する場合の構成であるが、表示素子を1個のみ使用する構成においても本内容がコントラスト向上に有効であることは明らかである。その場合には例えばカラーホイールなどを用いることによりカラー表示を可能とし、クロスダイクロイックプリズムを用いずに投射レンズを補助検光子の直後に配置する構成とする。
以上、本発明の第1の実施形態によれば、投射型映像表示装置の明るさを確保した状態で、光路上の光学部品における複屈折を抑え、コントラストの一層の向上を図ることができる。光学系の設計もし易い。
上記第1の実施形態では、(a)上記反射型偏光板101’、102’、103’は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、(b)表示素子としての上記反射型液晶パネル111、112、113は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図1の構成において、上記(a)、(b)のうちの1つまたは組合わせものを要件として備えるものであってもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態としての投射型映像表示装置の光学ユニットの構成例図である。(a)は光学ユニットの平面図、(b)はR用反射型液晶パネル付近の構成拡大図、(c)はB用補助偏光子の拡大図である。(b)では、B用補助偏光子を除く光学部品の構成として、R用反射型液晶パネル付近の拡大図を用いる。G光、B光の場合も同様に構成される。なお、図2において、図1と同じ作用をするものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
図2において、90は、R用反射型偏光板101及びG用反射型偏光板102の偏光分離特性を補うためのRG用補助偏光子、101、102、103はそれぞれ、回折格子を用いたR用反射型偏光板、G用反射型偏光板、B用反射型偏光板、131、133はそれぞれ、R用1/2波長板、B用1/2波長板である。181、182、183はそれぞれ、黒時の反射型液晶パネル111、112、113が斜め光に対して位相差を有することで偏光を乱すことを補正するR用広視野角素子、G用広視野角素子、B用広視野角素子である。各広視野角素子は、斜め光に対して反射型液晶パネルの位相差とは逆の位相差を有するように構成される。
RG用補助偏光子90から補助検光子121、122に至るR光路、G光路上、及びB用補助偏光子93から補助検光子123に至るB光路上に配されている各光学部品は、(b)図から明らかなように、基材の光透過型基板(符号に添字1を付して示す)上に作用面(符号に添字2を付して示す)が形成されている。また、反射型偏光板101、102、103には作用面及びエッジ部上に、作用面及びエッジ部を保護するために光透過性の無機コーティング101、102、103が施され、反射型液晶パネル111、112、113は保持部材1110、1120、1130で保持されている。
本第2の実施形態では、反射型偏光板の偏光分離特性を補うために、補助偏光子を2段構成とし、R光路ではRG用補助偏光子90と補助偏光子91、G光路ではRG用補助偏光子90と補助偏光子92、B光路では(c)図のようにB用入射側補助偏光子93aとB用出射側補助偏光子93bで構成している。本第2の実施形態は、上記図1の第1の実施形態におけるR用反射型液晶パネル111、G用反射型液晶パネル112、B用反射型液晶パネル113の配置を各反射型液晶パネルで反射された反射光が入射するクロスダイクロイックプリズム14の入射面に平行となるようにしている。従って、光源1からの照明光が反射型液晶パネル111、112、113に向かうためには、照明光が反射型偏光板101、102、103で反射される必要があり、そのため、反射型偏光板101、102、103の反射軸を図1と同じにした場合には、照明光にはS偏光光を用いる必要がある。このために、ロッドレンズ3からの出射光はS偏光光となるようにし、RG用補助偏光子90、補助偏光子91、92、93の吸収軸はP偏光光を反射あるいは吸収する方向となるようにする。
本第2の実施形態においても、補助偏光子91、92、93はその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有する構成とし、反射型偏光板101、102、103はその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有する構成とし、反射型液晶パネル111、112、113はその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有する構成とし、広視野角素子181、182、183はその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有する構成とし、ダイクロイックミラー71はその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有する構成としているため、該各光透過型基板に残留応力がある場合や、熱応力や外部応力が加わった場合にも、装置の光路上における複屈折の発生を抑え、偏光の乱れを抑えて、黒映像時の漏れ光の増加を防ぎ、より一層のコントラストの向上を可能とする。また、補助検光子121、122、123には吸収型のものを用い、ゴースト像の発生を抑制するようにしている。
上記各光透過型基板は、本第2の実施形態においても、材質としては、例えば、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの少なくとも1つを含有するガラスで構成するものとする。
上記光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積の各数値範囲は、基板材質や基板厚の範囲を含め実用に適する範囲である。
上記第2の実施形態構成によれば、R用反射型液晶パネル111とB用反射型液晶パネル113とを、投射レンズ15から離れた位置に配置することが可能となるため、保持部材111、113(図示なし)の構造や、R光、G光、B光の各映像光のコンバーゼンスを合わせるための調整機構(図示なし)の構成の自由度が増す。さらに、映像光が反射型偏光板101、102、103を通って補助検光子121、122、123に入射するため、映像光が反射型偏光板101、102、103を反射して補助検光子121、122、123に入射する場合と比べ、熱による反射型偏光板101、102、103の配置角度変化や変形に起因して発生するコンバーずれを少なくすることができる。
本第2の実施形態における白映像表示時(以下、白時とする)の動作につき述べる。図2において、ロッドレンズ3から出射する光がS偏光光である以外は、R光路及びG光路は結像レンズ43まで、B光路はリレーレンズ47までは、上記図1の場合と同じ構成を有し同じ動作をするようになっている。
RG用補助偏光子90に入射したR光及びG光は、RG用補助偏光子90の反射軸あるいは吸収軸に直交する偏光方向の光(ここではS偏光光)であるため、RG用補助偏光子90を透過し、R透過G反射ダイクロイックミラー71に入射する。R光はR透過G反射ダイクロイックミラー71を透過し、R用補助偏光子91に入射する。R用補助偏光子91の反射軸あるいは吸収軸の方向は、RG用補助偏光子90と同じであるため、S偏光光であるR光は、R用補助偏光子91を透過し、R用反射型偏光板101に入射する。回折格子を用いたR用反射型偏光板101は格子方向に平行な反射軸がR用補助偏光子91の反射軸あるいは吸収軸と略直交となるように配してあるため、R用反射型偏光板101に入射したR光は反射し方向を90°曲げられ、R用広視野角素子181に入射する。
RG用補助偏光子90を透過したG光は、R透過G反射ダイクロイックミラー71で反射され、G用補助偏光子92に入射する。G用補助偏光子92の反射軸あるいは吸収軸の方向はRG用補助偏光子90と同じであるため、S偏光光であるG光は、G用補助偏光子92を透過しG用反射型偏光板102に入射する。G用反射型偏光板102は反射軸がG用補助偏光子92の反射軸あるいは吸収軸と略直交となるようにしてあるため、G用反射型偏光板102に入射したG光は反射し光線の方向を90°曲げられ、G用広視野角素子182に入射する。
B用補助偏光子93に入射したB光は、B用補助偏光子93の反射軸あるいは吸収軸に直交する偏光方向の光(ここではS偏光光)がB用補助偏光子93を透過し、B用反射型偏光板103に入射する。B用反射型偏光板103は反射軸がB用補助偏光子93の反射軸あるいは吸収軸と略直交となるようにしてあるため、B用反射型偏光板103に入射した光は反射し方向を90°曲げられ、B用広視野角素子183に入射する。
R、G、Bの各色光はそれぞれ広視野角素子181、182、183に入射後、これらを透過した後に、反射型液晶パネル111、112、113に入射し、それぞれ、反射型液晶パネル111、112、113の白映像を表示する画素により反射され、反射される際に偏光が90°回転されP偏光光となり、広視野角素子181、182、183に再度入射する。各色光は、広視野角素子181、182、183を透過し、反射型偏光板101、102、103に再度入射する。このとき、入射する光はP偏光光で反射軸と直交するため、反射型偏光板101、102、103を透過し、それぞれ補助検光子121、122、123に入射する。補助検光子121、122、123の吸収軸は反射型偏光板101、102、103の反射軸に略平行となるように配するため、反射型偏光板101、102、103を透過した各色光は補助検光子121、122、123を透過し、R光、B光はそれぞれ、R用1/2波長板131、B用1/2波長板133を透過してS偏光光となり、G光はP偏光光のまま、R光、G光、B光ともクロスダイクロイックプリズム14に入射する。R、G、B光はクロスダイクロイックプリズム14によって色合成されて白色光となり、投射レンズ15によってスクリーン(図示なし)に拡大投射される。図2においては光路上で光源側のダイクロイックミラーをB光が透過する構成としたが、R光が透過する構成、すなわちR光路とB光路が入れ替わる構成としてもよい。
次に、図2の構成における黒時の動作につき述べる。R、G、Bの各色光が反射型液晶パネル111、112、113に入射するまでは上記白時の動作と同じである。反射型液晶パネル111、112、113に入射したR光、G光、B光が、それぞれ、表示素子としての反射型液晶パネル111、112、113の黒映像を表示する画素により反射される場合には、液晶層は作用せず、各色光はミラーで反射されたような偏光となる。すなわち本第2の実施形態のようにS偏光光入射の場合にはS偏光光のまま反射される。従って、各色光は広視野角素子181、182、183を透過した後に反射型偏光板101、102、103で再び反射され、補助偏光子91、92、93などを透過し、光源方向へと光路を逆行し、スクリーン(図示なし)には投射されない。
図2に示す本第2の実施形態構成においては、反射型偏光板101、102、103の偏光度不足を補うために補助偏光子90、91、92、93及び補助検光子121、122、123を用いている。本実施形態では、R光に対する補助偏光子とG光に対する補助偏光子を1枚で兼ねているRG用補助偏光子90をR透過G反射ダイクロイックミラーの光路上直前に配置し、R光、G光の偏光度を向上させている。
本第2の実施形態では、ロッドレンズ3内の偏光変換手段(図示なし)により光は概略S偏光光に揃えられるが、その偏光度は低いため、RG用補助偏光子90に吸収型偏光板を用いた場合、P偏光光が吸収されることによる発熱量は無視できない。従って、RG用補助偏光子90及びB用入射側補助偏光子93aには反射型偏光板を用いた方が発熱量が低減され、RG用補助偏光子90及びB用入射側補助偏光子93a自体の長寿命化に有利である。反射型液晶パネル111、112、113への入射光の偏光度が不足する場合は、その後に吸収型偏光板91、92、93bを必要に応じ配すればよい。かかる構成とした場合、R用補助偏光子91、G用補助偏光子92、B用出射側補助偏光子93bにはRG用補助偏光子90及びB用入射側補助偏光子93aがない場合に比べて偏光度が低いもの、つまり透過率の高いものを用いることができ、このために発熱量が低減されるため、R用補助偏光子91、G用補助偏光子92、B用出射側補助偏光子93bの長寿命化にも有利である。
上記広視野角素子181、182、183は、黒時の反射型液晶パネル111、112、113が斜め光に対して位相差を持ってしまい偏光を乱すことを補正する作用を持つものであり、斜め光に対して反射型液晶パネルの位相差とは逆の位相差を有するように構成される。広視野角素子としては、光透過型基板上に液晶を塗り固めたものやネガティブリターダーなどが考えられる。適切な広視野角素子を用いることにより、黒時の漏れ光を低減することができる。広視野角素子は斜め光に対して位相差を有し、広視野角素子を透過した斜め光は偏光が乱されるため、広視野角素子を透過し反射型液晶パネルの前で反射された斜め光は反射型偏光板を透過する成分(P偏光光成分)を有し、該成分は黒時の漏れ光となりコントラスト低下の要因となる。これを防止するためには広視野角素子から反射型液晶パネルの液晶層までの界面数をなるべく少なくし、さらに界面での反射率を低減する必要がある。従って、広視野角素子181、182、183を反射型液晶パネルの液晶層111、112、113の直前、すなわち液晶層111、112、113と反射型液晶パネルの光透過型基板111、112、113の間に配置し、さらにこの界面に誘電体多層膜などによる反射防止コーティングを施しコントラストの向上を図ることも可能である。上記構成では、反射型液晶パネルの内部に広視野角素子を配置する。現在流通している反射型液晶パネルに広視野角素子を適用する場合には、広視野角素子181、182、183を、反射型液晶パネルの光透過型基板111、112、113上の照明光入射側に貼り付けて配し、この界面に反射防止コーティングを施すとよい。しかしながら、光透過型基板に液晶を塗り固めた広視野角素子や、フィルム製の広視野角素子を用いた場合は、反射型液晶パネルは入射光の30%位を吸収し、これにより熱を生じるため、広視野角素子を離して配し、熱による劣化を防止する必要がある。さらには広視野角素子と反射型液晶パネルの間に冷却風を通すことにより、広視野角素子及び反射型液晶パネルの温度上昇を抑えることができ、広視野角素子、反射型液晶パネルの長寿命化を図ることができる。
本第2の実施形態においては、広視野角素子181、182、183の作用面181、182、183を、反射型液晶パネル111、112、113側に向けて各光学ブロックに組み込み、広視野角素子の作用面1812、1822、1832側及び光透過型基板181、182、183側の両面に冷却ファン(図示せず)により冷却風を当てる構成とし、視野角素子の作用面1812、1822、1832は直接冷却されるとともに光透過型基板181、182、183を介しても冷却される構成としてある。広視野角素子の光透過型基板181、182、183には熱伝導率の高い材質のものを用いることが望ましい。
また、反射型液晶パネルにおいては、反射型液晶パネルの背面に冷却ファン(図示なし)等により冷却風が当たるようにし、反射型液晶パネルで生じる熱を放熱する構成としている。従って、反射型液晶パネルの保持部材111、112、113には熱伝導率の高い材質のものを用いた方が有利である。さらには放熱フィン(図示せず)を取り付けると冷却効率が向上する。
本第2の実施形態においては、R透過G反射ダイクロイックミラー71、補助偏光子91、92、93、反射型偏光板101、102、103、反射型液晶パネル111、112、113、広視野角素子181、182、183の各光学素子の作用部を保持あるいは保護するための各光透過型基板71、91、92、93、101、102、103、111、112、113、181、182、183において、その光透過型基板を透過する光の中心波長あるいは重心波長に対するC×Lが、それぞれ、R透過G反射ダイクロイックミラー71及び反射型偏光板101、102、103では1.7×10−15m/Pa以下、補助偏光子91、92、93及び広視野角素子181、182、183では1.0×10−15m/Pa以下、反射型液晶パネル111、112、113では4.0×10−15m/Pa以下である光透過型基板を用いている。
比較のために、従来の一般的な光透過型基板のC×Lの値を示すと、ダイクロイックミラーでは1.1×10−3m厚の白板(SCHOTT社製硝材B270、屈折率1.52、光弾性定数2.75×10−12/Pa)が多く用いられており、光軸光線が45°入射となるように配置した場合の、光軸光線の光透過型基板中の光路長はt/cos(asin(1/1.52×sin45°))=t/0.89×10−3mとなり、従って、C×Lは3.4×10−15m/Pa、(補助)偏光子として用いられる偏光板や広視野角素子等では0.7×10−3m厚の白板が多く用いられており、この場合のC×L(=C×t)は1.9×10−15m/Pa、ある反射型偏光板では0.7×10−3m厚の1737F(Corning社製、屈折率1.52、光弾性定数3.4×10−12/Pa)あるいは1.6×10−3m厚のBorofloat(SCHOTT社製、屈折率1.52、光弾性定数4.0×10−12/Pa)が用いられており、光軸光線が45°入射となるように配置した場合の光軸光線の光透過型基板中の光路長はダイクロイックミラーと同様にt/0.89×10−3mとなり、従って、C×Lは2.7あるいは7.2、ある反射型液晶パネルでは合計2.5×10−3mの1737Fが用いられており、この場合のC×L(=C×t)は8.5×10−15m/Paである。
図2の第2の実施形態構成における補助偏光子90、93の作用面(90、93a)から補助検光子121、122、123の作用面の間に配置される各光透過型基板の光弾性定数と光軸方向の光透過長の積C×Lの合計を、コントラストへの影響が大きいG光路について比較すると、従来形態が(3.4+1.9+1.9+8.5×2+1.9+2.7)×10−15m/Pa=28.8×10−15m/Paであるのに対して、本実施形態では(1.7+1.0+1.0+4.0×2+1.0+1.7)×10−15m/Pa=14.4×10−15m/Paで、1/2となり、各光透過型基板に加わる応力が従来形態と本実施形態で同じ場合には発生する位相差量も1/2に低減することができる。
図2の実施形態について、コントラストへの影響が大きいG光路について具体的に示すと、ダイクロイックミラー71及び補助偏光子92及び反射型偏光板102及び広視野角素子182の光透過型基板には板厚0.4×10−3mのS−FPL52硝材(OHARA社製、屈折率1.46、光弾性定数0.73×10−12/Pa)を用いてC×Lをダイクロイックミラー71及び補助偏光子92では0.33×10−15m/Pa、補助偏光子92及び広視野角素子182では0.29×10−15m/Paとしており、反射型液晶パネルでは2.0×10−3mのS−FPL52硝材を用いて1.46×10−15m/Paとしている。本実施形態の補助偏光子の作用面から補助検光子の作用面の間に配置される各光透過型基板の光弾性定数と光軸方向の、光透過長の積C×Lの合計は、(0.33+0.29+0.29+1.46×2+0.29+0.33)×10−15m/Pa=4.5×10−15m/Paであり、従来に対して約1/6となり、各光透過型基板に加わる応力が従来形態と本実施形態で同じ場合には発生する位相差量も約1/6に低減できる。従って、投射型映像表示装置のコントラストを向上できる。あるいは本実施形態のコントラストが従来形態と同等でもよい場合には、従来形態において各光透過型基板で生じていた位相差による偏光の乱れが低減できる分、補助偏光子、反射型偏光板、補助検光子の偏光度を下げることができるため、補助偏光子、反射型偏光板、補助検光子に高透過率のものを用いることができ、結果として投射型映像表示装置の明るさを向上できる。また、各光透過型基板を薄くすることにより光透過型基板の放熱性が向上し、効率良い冷却ができるため、サファイアや水晶のように偏光を乱すことなく光透過型基板上の各光学素子の長寿命化、各光学素子を冷却するためのファンの回転速度を下げて風切音の低減を実現できる。
なお、板厚が薄い分、光学シャーシの上記の各光学部品を保持する機構の接触部に用いるスポンジ等の衝撃吸収体に高性能なものを用いることで投射型映像表示装置の落下、転倒等による光透過型基板の破損を防止している。
さらには、補助偏光子の作用面から補助検光子の作用面の間に配置される各光学素子の光透過型基板を、Sc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの群から選ばれた少なくとも1種の希土類元素を含有するガラスから成るものとする。上記希土類元素を含有することの効果については、観察結果を含めて詳細は、特開平9−59035号公報や特開平10−83531号公報に記載されている。
希土類元素の含有の形態としては、前記ガラスに微細粒子が分散しており、かつ該微細粒子中に前記希土類元素が含まれていることが好ましい。網目構造を有するガラス組織中に溶け込むことのできる希土類元素の量には上限(固溶限)があり、上限を超える量の希土類元素が添加されると結晶相、または非晶質相としてガラス母相中に析出する。このような結晶相、または非晶質相からなる粒子を微細粒子と称している。希土類元素の分布が不均一の場合は、部分的に固溶限を超えて微細粒子が析出する場合もあるため、必ずしも希土類元素の含有量が、母相ガラスの固溶限を超えている必要はない。希土類元素は、ガラス母相中と、微細粒子のどちらにも存在することが好ましい。微細粒子がガラス母相中に分散していることにより、応力を受けた際にも粒子がガラス母相の変形、破壊を抑制する作用をするため、ガラスの強度がより一層向上する。
希土類元素を含有させたガラスの特徴は上記の微細粒子分散が挙げられるが、これに限られるものではない。上記微細粒子分散の有無は添加する希土類元素の種類や添加量、ガラス製造プロセスでの製造条件などに由来するものであって、微細粒子の分散が観察されない場合もあり得る。このような場合であっても、希土類元素を添加することにより、添加希土類元素を中心として、ガラス母相の基本骨格が引きつけられた一種の圧縮応力場を形成し、このような応力場が均一に分散することによりガラス材の強度の向上が図られる。以上が、希土類をガラスに含有させることによる強度向上の理由である。
また、前記希土類元素はLn(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対して、0.5 〜30重量%含有することが望ましい。さらに、希土類元素を0.5 〜20重量%とすることが望ましい。希土類元素の含有量が0.5 重量%未満では機械的強度の向上効果が小さい。逆に、30重量%を超えるとガラス溶解時に希土類元素酸化物の原料粉末が残存し、均一なガラスを得ることが難しい。また、希土類元素の含有量が上限値を超えると微細粒子の粒径が大きくなり、基板の表面粗さが大きくなる。さらには、希土類元素としては、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちのの1種以上であることが望ましい。希土類元素はイオン半径が大きいため、微細粒子としてガラス母相中に析出し易い。希土類元素中でも上記のものは、ガラス母相中で微細粒子を均一に析出させ易く、強度向上効果が高いという特徴がある。
上記希土類元素は、Ln(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対して0.5〜20重量%含有し、他の成分として少なくともSiO:40〜90重量%、B:0〜20重量%、RO(Rはアルカリ金属):0〜20重量%、RO(Rはアルカリ土類金属):0〜20重量%、Al:0〜10重量%を含み、かつRO とROの合計量が10〜30重量%であることが望ましい。上記ガラスでは、ソーダライムガラスと呼ばれるガラスが母相成分であるとき、最もガラス強度を高くすることができる。また、アルカリ元素とアルカリ土類元素が含有されているケイ酸塩ガラスにおいて、特に希土類元素の添加効果が高い。
上記のように、これらのガラスは通常のガラスより機械的強度が高いため、板厚をより薄くすることができる。このため、位相差量を低減でき、より一層のコントラスト向上を図ることができる。また、板厚を薄くしたことで、非点収差の低減が可能となる。また、これらのガラスは添加する希土類元素の種類及び量等により特性を変化させることができるため、機械的強度が高いだけでなくPBH55(OHARA社製、屈折率1.85、光弾性定数0.03×10−12/Pa)のように光弾性定数の低いガラスの開発が可能と考えられるため、より複屈折を低減化することができる。また、サファイアのように熱伝導率の高いガラスの開発も可能と考えられるため、それらを用いることにより、冷却効率の向上が図れ、光学素子の長寿命化、ファン騒音の低減化も可能となる。
R用反射型偏光板101は、図2(b)に示すように、光透過型基板101の上に作用面である回折格子101を形成し、該作用面上に該作用面及びエッジ部を保護するための光透過性の無機コーティング101を施した構成とし、該作用面及びエッジ部が劣化するのを防いでいる。回折格子101が金属ワイヤグリッドにより形成されている場合は特に有効である。あるいは2枚の光透過型基板で作用面をはさみ、内部に光学用接着剤を充填して空気が介在しないような構成としてもよい。G用反射型偏光板102、B用反射型偏光板103についても同様である。
上記第2の実施形態構成では、反射型液晶パネルの偏光子兼検光子として、回折格子を有する反射型偏光板を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、偏光子兼検光子としては、PBSプリズムを用いてもよい。
本実施形態ではまた、補助検光子121、122、123はクロスダイクロイックプリズム14上に設けられているが、補助検光子121、122、123を効率良く冷却する必要がある場合などには、別途、光透過型基板上に設けてクロスダイクロイックプリズム14から離して設置してもよい。
また、本実施形態は表示素子を3個使用する場合の構成であるが、表示素子を1個のみ使用する構成においても本内容がコントラスト向上に有効であることは明らかである。その場合には例えばカラーホイールなどを用いることによりカラー表示とし、クロスダイクロイックプリズムを用いずに投射レンズを補助検光子の直後に設ける構成とする。
以上、本発明の第2の実施形態によっても、投射型映像表示装置の明るさを確保した状態で、光路上の光学部品における複屈折を抑え、コントラストの一層の向上を図ることができる。光学系の設計もし易い。
上記第2の実施形態においては、(a)ダイクロイックミラー71は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、(b)補助偏光子91、92、93は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、(c)反射型偏光板101、102、103は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、(d)広視野角素子181、182、183はその光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、(e)反射型液晶パネル111、112、113も、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図2の構成において、上記(a)〜(d)のうちの1つまたは組合わせたものを要件として備えるものであってもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態としての、投射型映像表示装置の光学ユニットの構成例図である。本第3の実施形態は、透過型液晶パネルを用いた場合の例である。(a)は光学ユニットの平面図、(b)は1つの透過型液晶パネル(G用透過型液晶パネル)付近の拡大構成図である。図3において、上記図2の第2の実施形態と同じ作用を有する光学部品には上記図2の場合と同じ符号を付し、その説明を省略する。また、光学部品の光学性能についても、図2の場合と同じ場合には説明を略し、効果については新たなものについてのみ述べる。
図3において、44は結像レンズ、62はGB透過R反射ダイクロイックミラー、72はB透過G反射ダイクロイックミラー、81、83はそれぞれ、R反射ミラー、B反射ミラー、94、95、96はそれぞれ、R用偏光子、G用偏光子、B用偏光子、114、115、116はそれぞれ、R用透過型液晶パネル、G用透過型液晶パネル、B用透過型液晶パネル、124、125、126はそれぞれ、R用検光子、G用検光子、B用検光子、131、133はそれぞれR用1/2波長板、B用1/2波長板である。また、(b)のように、偏光子から補助検光子に至る各色光の光路上に配設されている光学部品は、基材の光透過型基板(符号に添字1を付す)上に作用面(符号に添字2を付す)が形成されている。また、偏光子94、95、96の補助偏光子面の面上及びエッジ部に光透過性(透明)の無機コーティング94、95、96が施され、透過型液晶パネル114、115、116は保持部材1140、1150、1160で保持される。本第3の実施形態では、偏光子と検光子の作用を高めるために、偏光子、検光子の構成をそれぞれ2段構成としており、偏光子では、補助偏光子面94a、95a、96aと偏光子面94b、95b、96b、検光子では、検光子124、125、126と補助検光子121、122、123で構成している。
本第3の実施形態では、上記ダイクロイックミラー62、72はいずれも、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、表示素子としての上記透過型液晶パネル114、115、116は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が8.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、広視野角素子は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有している。
以下、本第3の実施形態構成における白表示時の動作につき述べる。
図3において、結像レンズ42までは図2の構成と同じ形態及び動作である。結像レンズ42を透過した光はGB透過R反射ダイクロイックミラー62に入射し、該GB透過R反射ダイクロイックミラー62において、G、B光は透過し、R光は反射して光線方向を90°曲げられる。R光はさらにR反射ミラー81によって反射し光線方向を90°曲げられ、結像レンズ43を透過し、R用1/2波長板131に入射する。R光は、該R用1/2波長板131を透過することによりS偏光光からP偏光光に変換され、R用偏光子94に入射する。R用偏光子94は光透過型基板94の入射側に補助偏光子面94a、出射側に偏光子面94bが形成されており、両偏光子の反射軸あるいは吸収軸は互いに平行とされている。R用偏光子94の補助偏光子面94a及び偏光子面94bの反射軸あるいは吸収軸に直交する偏光方向の光(ここではP偏光光)がR用偏光子94を透過し、R用透過型液晶パネル114の入射面に配置されるR用広視野角素子181'を透過し、R用透過型液晶パネル114に入射する。G光、B光はB透過G反射ダイクロイックミラー72に入射し、該B透過G反射ダイクロイックミラー72において、B光は透過し、G光は反射して光線方向を90°曲げられる。G光は結像レンズ44を透過し、G用偏光子95に入射する。G用偏光子95は、R用偏光子94と同様に、光透過型基板95の入射側に補助偏光子面95a、出射側に偏光子面95bが形成されており、両偏光子の反射軸あるいは吸収軸は互いに略平行とされている。G用偏光子95の補助偏光子面95a及び偏光子面95bの反射軸あるいは吸収軸に直交する偏光方向の光(ここではS偏光光)がG用偏光子95を透過し、G用透過型液晶パネル115の入射面に配置されるG用広視野角素子182'を透過し、G用透過型液晶パネル115に入射する。B光は、リレーレンズ45を透過し、B反射ミラー82によって反射し光線方向を90°曲げられ、リレーレンズ46を透過し、B反射ミラー83によって反射し光線方向を90°曲げられ、リレーレンズ47を透過し、B用1/2波長板133に入射する。該B光は、B用1/2波長板131を透過することにより、S偏光光からP偏光光に変換され、B用偏光子96に入射する。B用偏光子96も、R用偏光子94と同様に、光透過型基板96の入射側に補助偏光子面96a、出射側に偏光子面96bが形成されており、両偏光子の反射軸あるいは吸収軸は互いに平行にされている。B用偏光子96の補助偏光子面96a及び偏光子面96bの反射軸あるいは吸収軸に直交する偏光方向の光(ここではP偏光光)がB用偏光子96を透過し、B用透過型液晶パネル116の入射面に配置されるB用広視野角素子183'を透過し、B用透過型液晶パネル116に入射する。
上記のようにして、R光、G光、B光のそれぞれに色分離される。
R用透過型液晶パネル114、G用透過型液晶パネル115、B用透過型液晶パネル116に入射した光は、それぞれR用透過型液晶パネル114、G用透過型液晶パネル115、B用透過型液晶パネル116の白映像を表示する画素により、透過の際に偏光が90°回転され、R光はS偏光光、G光はP偏光光、B光はS偏光光となり、R用検光子124、G用検光子125、B用検光子126に入射する。検光子124、125、126の吸収軸は、それぞれがS偏光光、P偏光光、S偏光光と直交するため、R光、G光、B光はそれぞれ、検光子124、125、126を透過し、それぞれR用補助検光子121、G用補助検光子122、B用補助検光子123に入射する。補助検光子121、122、123の吸収軸は、検光子124、125、126の吸収軸に略平行となるように配置されるため、検光子124、125、126を透過した光は補助検光子121、122、123を透過し、R、G、B光ともクロスダイクロイックプリズム14に入射する。R光、G光、B光はクロスダイクロイックプリズム14によって白色光に合成され、投射レンズ15によってスクリーン(図示なし)に拡大投射される。
上記図3の構成では、光路上で光源側のダイクロイックミラーをR光が反射する構成としたが、B光が透過する構成、すなわちR光路とB光路が入れ替わった構成としてもよい。
次に、図3の実施形態における黒時の動作につき述べる。R、G、Bの各色光が透過型液晶パネル114、115、116に入射するまでは、黒時の動作は、上記白時の動作と同じである。透過型液晶パネル114、115、116に入射したR、G、B光が、それぞれ透過型液晶パネル114、115、116の黒映像を表示する画素を透過する場合には液晶層は作用せず、各色光の偏光状態は維持される。すなわち、本実施形態構成においては、R光、G光、B光はそれぞれ、P偏光光、S偏光光、P偏光光のまま透過する。従って、各色光の偏光方向は検光子124、125、126及び補助検光子121、122、123の吸収軸に平行なため、各色光は検光子124、125、126及び補助検光子121、122、123によって吸収され、スクリーンには投射されない。
図3の構成において、1/2波長板131、133はそれぞれ、結像レンズ43及びリレーレンズ47の出射面に配置される。該配置構成とすることで、1/2波長板131、133を、熱源となる偏光子94、96及び検光子124、126から離して配置することができ、さらに、偏光子94、96との間に空気流路が確保されるため、冷却ファン(図示なし)からの冷却風により効率良く冷却され、1/2波長板131、133の長寿命化、ファンの風切音の低減を図ることができる。また、熱源となる偏光子94、96及び検光子124、126からは離して配置するため、1/2波長板131、133の熱による収縮変形量が少なく、1/2波長板131、133の熱収縮に起因するコーナー部の色むらを抑えることができる。本実施形態の場合も、上記第2の実施形態の場合と同様な理由から、偏光子94、95、96の補助偏光子面94a、95a、96aには反射型偏光板を、偏光子面94b、95b、96bに吸収型偏光板を用い、かつ、補助偏光子面94a、95a、96aの面上及びエッジ部に光透過性(透明)の無機コーティング94、95、96を施してある。
広視野角素子181'、182'、183'は、黒時の透過型液晶パネル111、112、113が斜め光に対し位相差を持ってしまい、偏光を乱すことを補正するためのもので、斜め光に対し、透過型液晶パネルの位相差とは逆の位相差を有するように構成されている。本実施形態の該広視野角素子181'、182'、183'は透過型液晶パネル用であるため、上記第2の実施形態における反射型液晶パネル用の広視野角素子181、182、183とは、例えばリタデーション値等の点で異なる。該広視野角素子181'、182'、183'は、現流の透過型液晶パネルへの広視野角素子の適用を可能にし、かつ該広視野角素子から透過型液晶パネルの液晶層までの界面数を少なくすることを可能にするために、透過型液晶パネル111、112、113の入射面に配置する。
クロスダイクロイックプリズム14の上面及び下面(光が透過しない紙面に平行な面)には放熱フィンが取り付けられており、補助検光子121、122、123で発生した熱は、クロスダイクロイックプリズム14を介し、放熱フィンにより効率良く放熱される。このため、補助検光子121、122、123の長寿命化、ファンの風切音の低減化に有効である。
補助偏光子面94a、95a、96aから補助検光子121、122、123の間に配置される各光透過型基板すなわち偏光子の光透過型基板94、95、96、透過型液晶パネルの入射側及び出射側の光透過型基板114a、114b、115a、115b、116a、116b、検光子の光透過型基板124、125、125において、その光透過型基板を透過する光の中心波長あるいは重心波長に対するC×Lが、それぞれ、偏光子94、95、96及び検光子124、125、125として用いられる偏光板の光透過型基板では1.0 ×10−15m/Pa以下、透過型液晶パネルの入射側及び出射側の光透過型基板114a、114b、115a、115b、116a、116bでは4.0×10−15m/Pa以下である光透過型基板を用いている。
図3の構成における補助偏光子の作用面(94a、95a、96a)から補助検光子の作用面の間に配置される各光透過型基板の、光軸方向のC×Lの合計を、コントラストへの影響が大きいG光路について比較すると、従来形態が(1.9+7.5+7.5+1.9)×10−15m/Pa=18.8×10−15m/Pa(透過型液晶パネルの光透過型基板を2.2mmの1737Fとする)であるのに対し、本実施形態では(1.0+4.0+4.0+1.0)×10−15m/Pa=10.0×10−15m/Paであり、約1/2となり、各光透過型基板に加わる応力が従来形態と本実施形態で同じ場合には発生する位相差量も約1/2に低減できる。
上記光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積の各数値範囲は、基板材質や基板厚の範囲を含め実用に適する範囲である。
図3の実施形態について、補助偏光子の作用面から補助検光子の作用面の間に配置される各光透過型基板のC×Lをコントラストへの影響が大きいG光路について具体的に示すと、偏光子の光透過型基板95及び検光子の光透過型基板125には板厚0.4×10−3mのS−FPL52硝材を用いることにより光透過型基板のC×Lを0.29×10−15m/Pa、透過型液晶パネルの入射側及び出射側の光透過型基板にはそれぞれ板厚1.7×10−3mのS−FPL52硝材を用いてC×Lを1.24×10−15m/Paとしているため、光軸方向のC×Lの合計は(0.29+1.24+1.24+0.29)×10−15m/Pa=3.1×10−15m/Paとなり、従来に対して約1/6となり、各光透過型基板に加わる応力が従来形態と本実施形態で同じ場合には、発生する位相差量も約1/6に低減できる。従って、投射型映像表示装置のコントラストあるいは明るさをより一層向上させることができる。また、板厚が薄い分、光学シャーシの上記の各光学部品を保持する機構の接触部に用いるスポンジ等の衝撃吸収体に高性能なものを用いている点も上記第2の実施形態の場合と同様である。
また、上記第2の実施形態の場合と同様、各光透過型基板を薄くすることにより、各光学素子を効率良く冷却することができるため、各光学素子の長寿命化、ファンの風切音の低減化も可能となる。
なお、本第3の実施形態において、上記補助偏光子面94a、95a、96aから上記補助検光子121、122、123の間に配置される各光透過型基板は、上記第2の実施形態の場合と同様に、Sc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの少なくとも1種の希土類元素を含有するガラスから構成される。希土類元素を含有するガラスは通常のガラスより機械的強度が高いため、板厚をより薄くすることができる。このため、位相差量を低減でき、さらなるコントラストの向上化を図ることができる。
本実施形態ではまた、補助検光子121、122、123はクロスダイクロイックプリズム14上に設けられているが、補助検光子121、122、123を効率良く冷却する必要がある場合などには、別途、光透過型基板上に設けてクロスダイクロイックプリズム14から離して設置してもよい。
また、本実施形態は表示素子を3個使用する場合の構成であるが、表示素子を1個のみ使用する構成においても本内容がコントラスト向上に有効であることは明らかである。その場合には例えばカラーホイールなどを用いることによりカラー表示とし、クロスダイクロイックプリズムを用いずに投射レンズを補助検光子の直後に設ける構成とする。
以上、本発明の第3の実施形態によっても、投射型映像表示装置の明るさを確保した状態で、光路上の光学部品における複屈折を抑え、コントラストの一層の向上を図ることができる。光学系の設計もし易い。
なお、上記第3の実施形態では、(a)偏光子94、95、96は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、(b)表示素子としての上記透過型液晶パネル114、115、116は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、(c)検光子124、125、126は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図3の構成において、上記(a)〜(c)のうちの1つまたは組合わせたものを要件として備えるものであってもよい。
図4は、上記光学ユニットを搭載した投射型映像表示装置の概略図である。図4において、図1、図2、図3の構成と同じ機能を有する要素部分には同じ符号を付す。
図4において、310は投射型映像表示装置、300は、上記図1〜図3で説明した光学ユニット、301は、液晶パネルに光学像を形成させるように表示駆動を行う表示駆動回路である。
図4において、光源1からの光は、例えば図1のロッドレンズ3の偏光変換作用により、所定方向の偏光光に揃えられ、色分離手段(例えば図1のダイクロイックミラー61、71)でR光、G光、B光に分離され、反射型液晶パネル111(112、113)あるいは透過型液晶パネル114(115、116)に照射される。反射型液晶パネル111(112、113)あるいは透過型液晶パネル114(115、116)では表示駆動回路301からの映像信号に応じて色光毎に前記所定偏光の偏光状態が変えられ、各色光の濃淡に変えられる光強度変調が行われて、光学像が形成される。各色光の該光学像は色合成手段(例えば図1のクロスダイクロイックプリズム14)で合成され、投射レンズ15でスクリーンに拡大投射される。
図5は、上記投射型映像表示装置のうちの一形態である背面投射型映像表示装置に適用した一例であり、その側面側断面図である。
図5において、310は投射装置、311は背面ミラー、312はスクリーン、313は背面投射型映像表示装置の筐体である。投射装置310からの投射映像光は、背面ミラー311でスクリーン312方向に光路を折り返えされて、スクリーン312の背面側から投射される。
本発明の第1の実施形態を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示す図である。 本発明の投射型映像表示装置の概略図である。 背面投射型映像表示装置の概略図である。
符号の説明
1…光源、
2…光軸、
3…ロッドレンズ、
5…白色反射ミラー、
61、62、71、72…ダイクロイックミラー、
81、82、83…反射ミラー、
14…クロスダイクロイックプリズム、
15…投射レンズ、
41、42、43、44…結像レンズ、
45、46、47…リレーレンズ、
90、91、92、93…補助偏光子、
94、95、95…偏光子、
101、102、103…反射型偏光板、
111、112、113…反射型液晶パネル、
114、115、116…透過型液晶パネル、
121、122、123…補助検光子、
124、125、126…検光子、
131、132、133…1/2波長板、
181、182、183…広視野角素子、
300…光学ユニット、
301…表示駆動回路、
310…投射装置、
311…背面ミラー、
312…スクリーン、
313…筐体。

Claims (26)

  1. 光源側からの光を光学的に処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置であって、
    所定方向の偏光成分を透過する偏光子と、
    上記偏光子からの偏光光が照射され、該偏光光を映像信号により変調して出射する表示素子と、
    上記表示素子からの出射光のうち所定方向の偏光成分を透過する検光子と、
    上記表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
    上記表示素子上の映像をレンズにより拡大し投射する投射レンズユニットと、
    を備えて成り、上記偏光子及び上記検光子は、上記表示素子、該検光子の少なくともいずれかの光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下である光透過型基板を有し、上記表示素子は、該積が8.0×10−15m/Pa以下である光透過型基板を有した構成であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  2. 請求項1に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子、上記表示素子、上記検光子のうちのいずれかの上記光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されたことを特徴とする投射型映像表示装置。
  3. 請求項1に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子の偏光度不足を補う補助偏光子または上記検光子の偏光度不足を補う補助検光子の少なくともいずれかを備えて成り、該補助偏光子、該補助検光子の少なくともいずれかは、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−12mm/Pa以下である光透過型基板を有した構成であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  4. 請求項3に記載の投射型映像表示装置であって、上記補助偏光子、上記補助検光子のうちのいずれかの上記光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されたことを特徴とする投射型映像表示装置。
  5. 請求項1に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子または上記補助偏光子のうち光路上で最も光源に近い位置に配されたものの作用面と上記検光子または上記補助検光子のうち光路上で最も投射レンズユニットに近い位置に配されたものの作用面との間の補助偏光子、ダイクロイックミラー、偏光子、広視野角素子、表示素子、検光子、補助検光子が有する光透過性基板は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積の合計が12×10−15m/Pa以下であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  6. 請求項5に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子または上記補助偏光子のうち光路上で最も光源に近い位置に配されたものの作用面と上記検光子または上記補助検光子のうち光路上で最も投射レンズユニットに近い位置に配されたものの作用面との間の補助偏光子、ダイクロイックミラー、偏光子、広視野角素子、表示素子、検光子、補助検光子のうちのいずれかは、その光透過型基板が、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されることを特徴とする投射型映像表示装置。
  7. 光源側からの光を光学的に処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置であって、
    回折格子により所定方向の第1の偏光成分を透過する偏光子として作用し、該第1の偏光成分に直交する第2の偏光成分を反射する検光子として作用する反射型偏光板と、
    上記偏光子からの偏光光が照射され、該偏光光を映像信号により変調して出射する表示素子と、
    上記表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
    上記表示素子上の映像をレンズにより拡大し投射する投射レンズユニットと、
    を備えて成り、上記反射型偏光板は、該反射型偏光板、上記表示素子の少なくともいずれかの光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下である光透過型基板を有し、上記表示素子は、該積が4.0×10−15m/Pa以下である光透過型基板を有した構成であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  8. 請求項7に記載の投射型映像表示装置であって、反射型偏光板、表示素子のうちのいずれかの光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されることを特徴とする投射型映像表示装置。
  9. 請求項7に記載の投射型映像表示装置であって、上記反射型偏光板の偏光子としての偏光度不足を補う補助偏光子、または上記反射型偏光板の検光子としての偏光度不足を補う補助検光子の少なくともいずれかを備えて成り、上記補助偏光子、上記補助検光子の少なくともいずれかは、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が、1.0×10−12mm/Pa以下である光透過型基板を有した構成であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  10. 請求項9に記載の投射型映像表示装置であって、上記補助偏光子、上記補助検光子のうちのいずれかの光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されることを特徴とする投射型映像表示装置。
  11. 請求項7に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子としての反射型偏光板または上記補助偏光子のうち光路上で最も光源に近い位置に配されたものの作用面と上記検光子としての反射型偏光板または上記補助検光子のうち光路上で最も投射レンズユニットに近い位置に配されたものの作用面との間の補助偏光子、ダイクロイックミラー、偏光子、広視野角素子、表示素子、検光子、補助検光子が有する光透過性基板は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積の合計が16×10−15m/Pa以下であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  12. 請求項11に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子としての反射型偏光板または上記補助偏光子のうち光路上で最も光源に近い位置に配されたものの作用面と上記検光子としての反射型偏光板または上記補助検光子のうち光路上で最も投射レンズユニットに近い位置に配されたものの作用面との間の補助偏光子、ダイクロイックミラー、偏光子、広視野角素子、表示素子、検光子、補助検光子のうちのいずれかの光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されることを特徴とする投射型映像表示装置。
  13. 光源側からの光を光学的に処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置であって、
    回折格子により所定方向の第1の偏光成分を反射する偏光子として作用し、該第1の偏光成分に直交する第2の偏光成分を透過する検光子として作用する反射型偏光板と、
    上記偏光子からの偏光光が照射され、該偏光光を映像信号により変調して出射する表示素子と、
    上記表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
    上記表示素子上の映像をレンズにより拡大し投射する投射レンズユニットと、
    を備えて成り、上記反射型偏光板は、該反射型偏光板、上記表示素子の少なくともいずれかの光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下である光透過型基板を有し、上記表示素子は、該積が4.0×10−15m/Pa以下である光透過型基板を有した構成であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  14. 請求項13に記載の投射型映像表示装置であって、上記反射型偏光板、上記表示素子のうちのいずれかの光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されることを特徴とする投射型映像表示装置。
  15. 請求項13に記載の投射型映像表示装置であって、上記反射型偏光板の偏光子としての偏光度不足を補う補助偏光子、または上記反射型偏光板の検光子としての偏光度不足を補う補助検光子の少なくともいずれかを備えて成り、該補助偏光子、該補助検光子の少なくともいずれかは、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−12mm/Pa以下である光透過型基板を有した構成であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  16. 請求項15に記載の投射型映像表示装置であって、上記補助偏光子、上記補助検光子のうちのいずれかの光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されることを特徴とする投射型映像表示装置。
  17. 請求項13に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子としての反射型偏光板または上記補助偏光子のうち光路上で最も光源に近い位置に配されたものの作用面と上記検光子としての反射型偏光板または上記補助検光子のうち光路上で最も投射レンズユニットに近い位置に配されたものの作用面との間の補助偏光子、ダイクロイックミラー、偏光子、広視野角素子、表示素子、検光子、補助検光子が有する光透過性基板は、その光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積の合計が16×10−15m/Pa以下であることを特徴とする投射型映像表示装置。
  18. 請求項17に記載の投射型映像表示装置であって、上記偏光子としての反射型偏光板または上記補助偏光子のうち光路上で最も光源に近い位置に配されたものの作用面と上記検光子としての反射型偏光板または上記補助検光子のうち光路上で最も投射レンズユニットに近い位置に配されたものの作用面との間の補助偏光子、ダイクロイックミラー、偏光子、広視野角素子、表示素子、検光子、補助検光子のうちのいずれかの光透過型基板は、希土類元素のSc、Y、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち少なくとも1つを含有したガラスで構成されることを特徴とする投射型映像表示装置。
  19. 光源側からの光を処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成して拡大投射する投射型映像表示装置用の光学素子であって、
    所定方向の偏光成分を透過することにより、偏光子、検光子、補助偏光子または補助検光子として作用する偏光板であって、その板厚と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有していることを特徴とする光学素子。
  20. 光源側からの光を処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成して拡大投射する投射型映像表示装置用の光学素子であって、
    偏光光を映像信号により変調して出射する表示素子であって、光が透過するものは、その板厚と光弾性定数の積が8.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、光が反射するものは、該積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有していることを特徴とする光学素子。
  21. 光源側からの光を処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成して拡大投射する投射型映像表示装置用の光学素子であって、
    回折格子により所定方向の偏光成分を透過または反射する偏光子として作用し、該偏光成分に直交する偏光成分を反射または透過することで検光子として作用する反射型偏光板であって、板厚と光弾性定数の積が1.5×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有していることを特徴とする光学素子。
  22. 光源側からの光を処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成して拡大投射する投射型映像表示装置用の光学素子であって、
    上記表示素子の直前に配され、該表示素子に斜めに入射する偏光光の該表示素子による位相ずれを補償する広視野角素子であって、板厚と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有したものであることを特徴とする光学素子。
  23. 光源側からの光を処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成して拡大投射する投射型映像表示装置用の光学素子であって、
    色分離面の波長選択性により、特定波長領域の光を反射し、他の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーであって、板厚と光弾性定数の積が1.5×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有していることを特徴とする光学素子。
  24. 光源側からの光を光学的に処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置用の光学ユニットであって、
    所定方向の偏光成分を透過する偏光子と、
    上記偏光子からの偏光光が照射され、該偏光光を映像信号により変調して出射する表示素子と、
    上記表示素子からの出射光のうち所定方向の偏光成分を透過する検光子と、
    上記表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
    上記表示素子上の映像をレンズにより拡大し投射する投射レンズユニットと、
    を備えて成り、上記偏光子及び上記検光子は、上記表示素子、上記検光子の少なくともいずれかの光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、上記表示素子は、該積が8.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有した構成であることを特徴とする光学ユニット。
  25. 光源側からの光を光学的に処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置用の光学ユニットであって、
    回折格子により所定方向の第1の偏光成分を透過する偏光子として作用し、該第1の偏光成分に直交する第2の偏光成分を反射する検光子として作用する反射型偏光板と、
    上記偏光子からの偏光光が照射され、該偏光光を映像信号により変調して出射する表示素子と、
    上記表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
    上記表示素子上の映像をレンズにより拡大し投射する投射レンズユニットと、
    を備えて成り、上記反射型偏光板は、該反射型偏光板、上記表示素子の少なくともいずれかの光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、上記表示素子は、該積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有した構成であることを特徴とする光学ユニット。
  26. 光源側からの光を光学的に処理して表示素子に照射し映像信号に応じた光学像を形成する投射型映像表示装置用の光学ユニットであって、
    回折格子により所定方向の第1の偏光成分を反射する偏光子として作用し、該第1の偏光成分に直交する第2の偏光成分を透過する検光子として作用する反射型偏光板と、
    上記偏光子からの偏光光が照射され、該偏光光を映像信号により変調して出射する表示素子と、
    上記表示素子を映像信号に基づき駆動する駆動回路と、
    上記表示素子上の映像をレンズにより拡大し投射する投射レンズユニットと、
    を備えて成り、上記反射型偏光板は、該反射型偏光板、上記表示素子の少なくともいずれかの光軸光線に対する光透過長と光弾性定数の積が1.7×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有し、上記表示素子は、該積が4.0×10−15m/Pa以下の光透過型基板を有した構成であることを特徴とする光学ユニット。
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