JP2005106495A - センサ信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 360°の範囲で直線性の良い角度位置検出信号を生成する。
【解決手段】 角度検出センサから90°の位相差を持って出力される正弦波状または三角波状の2相信号を取り込む取込手順と、前記2相信号に対してそれぞれ180°位相の異なる2相信号を生成し、該取り込んだ2相信号と該生成した2相信号とを合わせて4相信号を形成する形成手順と、前記4相信号を処理して、回動する該測定物の角度を0°〜360°にわたる絶対角度で示す位置検出信号を出力する処理手順とを含むセンサ信号処理方法において、前記処理手順は、該4相信号に各々含まれるほぼ直線に近い近似直線部分を検出角度範囲に対応して選択し、該選択された近似直線部分を順につないで絶対角度を表す位置検出信号を合成するとともに、前記4相信号のうち90°の位相差を有する信号が相互につながる接続領域で、先後二つの近似直線部分の切り替えを徐々に行なう。
【選択図】図2

Description

本発明は、2相の正弦波状又は三角波状の信号を出力する角度検出センサから、リニアな角度信号を取り出す為のセンサ信号処理方法に関する。
角度検出センサの出力を処理してリニアな位置検出信号を生成するセンサ信号処理方法は例えば以下の特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特開2002−243407号公報 特開平7−294285号公報
特許文献1に開示された回転角度検出器は、被検出体と一体に回転し、静止時に回転軸の垂直且つ一方向に一様な磁界を生成する磁界発生手段と、各々が、前記磁界発生手段の一回転に対して一つの正弦波を発生する様に配設された少くとも2個の磁界検出手段とを備えている。前記磁界検出素子の駆動電流端子を直列に接続している。回転角度については、磁界検出素子からの信号を角度演算器などを用いて算出することで回転角度を検出することができる。演算方法については例えば、4個の磁界検出素子出力のうち、対角関係にある2個の出力の差動電圧出力をVaとし、他方の磁界検出素子の差動電圧出力をVbとすると、回転角度θは、θ=arctan(Va/Vb)で算出することができる。
特許文献2に開示されたセンサ信号処理方法は、検出位置の変動に対してほぼ90°の位相差を持つ正弦波又は三角波状の2相信号A,Bを出力する位置エンコーダから、2相信号A,Bと2相信号A,Bに対してそれぞれ180°位相の異なる2相信号A',B'からなる4相信号を出力し、4相信号の近似直線部を選択し、近似直線部から位置検出信号を出力する。4相信号の近似直線部を検出位置に対応して選択し、前記検出位置に対応して選択された相の近似直線部の信号に、前記選択された相の直前の相と前記選択された相との差動信号を相切替え直後に加える。
90°の位相差を持つ正弦波の2相信号から、前記2相信号と、前記2相信号に対してそれぞれ180°位相の異なる2相信号からなる4相信号を出力し、1サイクル180°の直線出力に波形処理する方法は、上述した様に特許文献1や特許文献2に開示されている。特に特許文献1の方法では、4相信号の対角関係にある2個の出力の差動出力をVaとし、他方の差動出力をVbとすると、波形処理後の出力=arctan(Va/Vb)を求めて回転角を認識している。角度検出の範囲を180°以内とする場合、特許文献1に記載された方法も有効である。しかしながら図13に示す様に、180°以上の範囲で角度検出を行いたい場合、1サイクル180°の直線出力では360°になると2サイクルとなってしまう。この為、360°の範囲で、リニアな角度検出を行うことは不可能である。
特許文献2に記載されたセンサ信号処理方法は、360°の範囲で検出可能であり、出力波形は途中に段のない連続性と直線性を備えたものにできる。しかしながら、特許文献2の方法は、元の信号出力の位相差や出力振幅の誤差によって段差が生じることによる連続性の悪化を避ける為、測定開始出力を基準として、常に近似直線部分の信号が段差分修正される。この方法では図14の(A)及び(B)に示す様に、測定開始位置(スタート地点)が異なると、測定開始点で選択された近似直線によって、同じ角度に来ても違う出力が出てしまい、繰返し精度が悪化してしまうという課題がある。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は角度検出センサから出力される2相の正弦波状又は三角波状の信号を処理して、段差がなく連続的で繰返し精度が悪化しない、1サイクル360°の範囲で直線性の良い角度位置検出信号を生成することを目的とする。係る目的を達成する為に以下の手段を講じた。即ち、回動する測定物の角度を検出する角度検出センサから検出角度の変動に対してほぼ90°の位相差を持って出力される正弦波状または三角波状の2相信号を取り込む取込手順と、前記2相信号に対してそれぞれ180°位相の異なる2相信号を生成し、該取り込んだ2相信号と該生成した2相信号とを合わせて4相信号を形成する形成手順と、前記4相信号を処理して、回動する該測定物の角度を0°〜360°にわたる絶対角度で示す位置検出信号を出力する処理手順とを含むセンサ信号処理方法において、前記処理手順は、該4相信号に各々含まれるほぼ直線に近い近似直線部分を検出角度範囲に対応して選択し、該選択された近似直線部分を順につないで絶対角度を表す位置検出信号を合成するとともに、前記4相信号のうち90°の位相差を有する信号が相互につながる接続領域で、先後二つの近似直線部分の切り替えを徐々に行ない、連続性、直線性及び繰り返し精度に優れた位置検出信号を出力する事を特徴とする。
具体的には、前記処理手順は、4つの近似直線部分の各々に1つの近似直線の90°分の変化量に相当するオフセットを順に加えた上で、つなぎ合わせて1本の直線的な位置検出信号とする。そして前記処理手順は、該接続領域で、先の近似直線部分と後の近似直線部分を混合し且つ両者の混合比率を変化させることで、先後二つの近似直線部分の切り替えをクロスフェード的に徐々に行なっていく。
より具体的には、前記処理手順は、前記4相信号のうち、任意の1つを信号αとし、信号αがある値mに達した時、その時選択されている近似直線部分にオフセットを加えた信号をAとし、この時点での信号Aの値をAmとし、次に切り替わった後に選択される近似直線部分にオフセットをかけた信号をBとし、この時点での信号Bの値をBmとすると、
1×Am+0×Bm=信号処理後の出力となり、
信号αがある値nに達した時の信号Aの値をAn、信号Bの値をBnとすると
0×An+1×Bn=信号処理後の出力となり、
ここで、信号Aの値の混合比率と信号Bの値の混合比率をそれぞれaとbとすると、
a×A+b×B=信号処理後の出力(a十b=1)となり、
信号αがmの時a=1、信号αがnの時a=0となるようなαとaの関数によってaが決定し、そしてbが決定する事で、信号αの値によって信号Aと信号Bのそれぞれの混合比率が変わり、該接続領域で先後二つの近似直線部分をクロスフェード的に徐々に切替える。例えば、前記αとaの関数は、信号αがmの時a=1、信号αがnの時a=0となるような1次関数である。或いは、前記αとaの関数は、信号αがmの時a=1、信号αがnの時a=0となり、信号の切り替えがスムーズになる様な、信号αがmとnの間を取る時のaの値をさらに1組以上規定し、それらの値をとる様な2次以上の関数である。
本発明によれば、互いに位相が90°異なる4相信号の近似直線部分を検出位置に対応して選択し、選択された近似直線部分に順次オフセット分を加えながらつなぎ、以って360°の範囲でリニアに変化する位置検出信号を得ている。その際、先後2本の近似直線部分の接続領域で切替えをクロスフェード的に徐々に行う様にしている。すなわち、接続領域で先の近似直線部分はフェードアウトし、後の近似直線部分はフェードインする様にしている。これにより、段差がなく連続的で繰返し精度が悪化しない1サイクル360°の直線性に優れた位置検出信号を生成することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、角度検出センサから出力される信号を示す波形図である。角度検出センサは回動する測定物の角度を検出し、その検出角度の変動に対してほぼ90°の位相差を持つ正弦波状の2相信号A,Bを出力する。図から明らかな様に、正弦波状の信号A,Bはいずれもほぼ直線に近い近似直線部分と、波形が大きく湾曲する山部及び谷部を含んでいる。場合によっては角度検出センサは正弦波状の信号の代わりに三角波状の信号を出力する場合もある。この時も出力波形は完全な直線部分からなる三角波ではなく、鈍りがある為近似直線部分と谷部及び山部を含んでいる。本発明に係るセンサ信号処理方法は、信号Aに対して180°位相の異なる信号A'も利用する。更に信号Bに対して位相が180°異なる信号B'も利用する。2相信号A,Bに対してそれぞれ180°位相の異なる2相信号A',B'を生成し、これらを合わせて位相が互いに90°異なる4相信号A,B,A',B'を処理し、回動する測定物の角度を0°〜360°に亘る絶対角度で示す位置検出信号を出力する。例えば信号Aを反転処理して信号A'を生成することができる。又信号Bを反転して信号B'を生成することができる。場合によっては、角度検出センサは直接4相信号A,B,A',B'を出力することもある。この時にはこの4相信号を処理して位置検出信号を求める。
0°から360°まで1サイクルの角度範囲は、90°ずつの検出角度範囲に分割されており、順にチャンネル1,チャンネル2,チャンネル3,チャンネル4と呼ぶ。チャンネル1では信号Aの近似直線部分が選択される。チャンネル2では信号Bの近似直線部分が選択される。チャンネル3では信号A'の近似直線部分が選択される。チャンネル4では信号B'の近似直線部分が選択される。これら選択された4個の近似直線部分を順次つなげて、0°から360°に亘る絶対角度範囲で直線性を有する信号を生成する。
チャンネル1からチャンネル2に移行する接続領域では、先に選択された信号Aが後に選択された信号Bに接続する。又チャンネル2からチャンネル3に移行する時には接続領域で信号Bが信号A'に接続する。同様にチャンネル3からチャンネル4に移行する時接続領域で信号A'が信号B'に接続することになる。但し、各接続領域では各信号が山部もしくは谷部に近い為曲線を描いている。従って接続領域では各信号は近似直線部分とは言えず、曲がっていることになる。
図2は、本発明に係るセンサ信号処理方法によって作成された直線信号を示すグラフである。横軸に角度を取り縦軸に出力を取ってある。図示する様に、直線出力は、4相信号A,B,A',B'からそれぞれ選択された近似直線部分V,W,X,Yを順につなげたものである。その際、各近似直線部分V,W,X,Yの各々に一つの近似直線の90°の変化量に相当するオフセットを順に加えた上で、つなぎ合わせることにより一本の直線的な位置検出信号を得ている。
図3は、接続領域における先後2本の近似直線部分の接続処理を模式的に表わす波形図である。図示の例では、チャンネル1とチャンネル2との間の接続領域を表わしており、ほぼ75°〜100°の範囲に亘っている。前述した様に、チャンネル1では近似直線部分Vが選択され、チャンネル2では近似直線部分Wが選択されている。接続領域ではこれらの近似直線部分は曲がっており目標となる直線出力Zから外れている。このままでは、接続領域において先行する近似直線部分Vを後続の近似直線部分Wに接続することができない。
そこで本発明では、先後2つの近似直線部分V,Wの切替を徐々に行う様処理して、連続性、直線性及び繰返し精度に優れた位置検出信号Zを出力する様にしている。具体的には、先の近似直線部分Vと後の近似直線部分Wを混合し且つ両者の混合比率を変化させることで、先後2つの近似直線部分V,Wの切替えをクロスフェード的に徐々に行っていく。約75°〜100°の範囲に亘る接続領域で、先行する近似直線部分Vはフェードアウトする一方、後続の近似直線部分Wはフェードインすることで、両者の切替えをスムースにしている。接続領域の初めの部分(75°〜80°の範囲)ではVの混合比率は大きくWの混合比率が小さい。接続領域のほぼ中央部ではVとWの混合比率は等しくなっている。接続領域の後の方(90°〜95°の範囲)では逆にWの混合比が大きくなりVの混合比率が小さくなる。
引き続き、具体的な数値を挙げて、センサ信号処理の演算アルゴリズムを詳細に説明する。今、検出角度の変動に対してほぼ90度の位相差を持つ正弦波または三角波状の2相信号をA、Bとし、これらの2相信号A、Bに対してそれぞれ180度位相の異なる2相信号をA’、B’とする。
又、V、W、X、Yを次の通り定義する。
V=A+(基準電圧)
W=B+2×(基準電圧)
X=A’+3×(基準電圧)
Y=B’+4×(基準電圧)
4つの理想的な正弦波と位相差の信号からなるV〜Yが、図2の様に接し、処理後の直線性が良くなる様に基準電圧を設定する。ここでは、(基準電圧)=1,415Vに設定してある。
チャンネル1、2、3、4を次の通り設定する。(図1参照)
A≧B、A<B’の時 チャンネル=1
A>B、A≧B’の時 チャンネル=2
A≦B、A>B’の時 チャンネル=3
A<B、A≦B’の時 チャンネル=4
以上を踏まえて下記の条件1〜7に沿って計算する(計算式の導き方は後に記載している)。
条件1
AND((OR(チャンネル=1,チャンネル=2)),(B<0),(0.574≦A≦0.819))の時、
直線後出力=(−4.0816327×A+3.3428572)×V+(1−(−4.0816327×A+3.3428572))×W
条件2
AND((OR(チャンネル=2,チャンネル=3)),(A’<0),(0.574≦B≦0.819))の時、
直線後出力=(−4.0816327×B+3.3428572)×W+(1−(−4.0816327×B+3.3428572)×X
条件3
AND((OR(チャンネル=3,チャンネル=4)),(B’<0),(0.574≦A’≦0.819))の時、
直線後出力=(−4.0816327×A’+3.3428572)×X+(1−(−4.0816327×A’+3.3428572))×Y
条件4
条件1〜3以外で
チャンネル=1の時
直線出力=V
条件5
条件1〜3以外で
チャンネル=2の時
直線出力=W
条件6
条件1〜3以外で
チャンネル=3の時
直線出力=X
条件7
条件1〜3以外で
チャンネル=4の時
直線出力=Y
続いて信号処理の出力例を説明する。ここでは、理想的な正弦波に対してB相の振幅が0.9倍、B相のオフセットが+0.01、A相とB相の位相差が91°の信号を処理する場合で、チャンネル=1(A≧B、A<B’)からチャンネル2(A>B、A≧B’)に変わる前後の出力を例として図4の表図に示す。また、先に説明した図3は、図4の表に示したV、W出力をグラフ化し、出力がVからWへ徐々に変わっていく様子を示したものである。図5には条件4〜7のみを使用した場合の出力波形を示し、図6には条件1〜7すべてを使用した場合の波形を示した。これらの図5,6から明らかなように、条件4〜7のみを使用した場合の出力波形は、接続領域に段差が生じているのに対し、条件1〜7すべてを使用した場合の波形は、接続領域に段差が生じておらず、先後二つの近似直線部分の切り替えを徐々に行なうことで、連続性、直線性及び繰り返し精度に優れた位置検出信号を得ている。
前記条件1を例として式の説明をする。前記条件1とはチャンネルが1から2に切り替わる約±10°の区間を言う。まず、出力を求める為に、α(前記Vの倍率)は前記条件1の時に出力をVからWへ徐々に変えていく為の倍数で、
A=0.574の時α=1
A=0,819の時α=0
となるような1次関数としている。よってαとAの関係は上記値から連立1次方程式を解いて、
α=−4.0816327A十3.3428572…(a)
となる。一方Wの倍率は
Wの倍率=(1−α)…(b)
とする。
条件1での出力は次の式で計算する。
出力=V×α+W×(1−α)…(c)
となるので、式aと式cより出力は次の計算式で求められる。
出力=(−4.0816327×A+3.3428572)×V+(1−(−4.0816327×A+3.3428572))×W…(d)
次に、チャンネルが1から2に切り替わる付近の条件式は次のようになる。
AND((OR(チャンネル=1,チャンネル=2)),(B<0))…(e)
さらに、チャンネルが1から2に切り替わる約士10°の間隔は、測定値からAが次の電圧の時と設定した。
0.574≦A≦0.819…(f)
式eと式fより、条件1の式は次のようになる。
条件1=AND((OR(チャンネル=1,チャンネル=2)),(B<0),(0,574≦A≦0.819))…(g)
以上、条件と出力をまとめると、条件1は
AND((OR(チャンネル=1,チャンネル=2)),(B<0),(0.574≦A≦0.819))の時
出力=(−4.0816327×A+3.3428572)×V+(1−(−4.0816327×A+3.3428572))×W
となる。同様にして、チャンネル2と3、チャンネル3と4の切り替えポイントも計算する。
以上の計算により、条件1〜3によって条件の切り替わりポイントを約±10°の間で補間によりなだらかに行なう事とした。これにより、条件4〜7では図5の様に段差のある波形となってしまうが、条件1〜7すべて使用する事で、図6の様な波形を出力する事が出来る。また、この計算方法によって繰り返し精度を悪化させる事は無い。なお、ここでは約±10°の間でなだらかに近似直線波形を切替えているが、波形が正弦波より三角波形状に近ければ近いほど、なだらかに切替えていく角度を増やす事が出来、元の2相信号の誤差が大きくても直線性の良い波形を出力する事が出来る。
最後に、本発明のセンサ信号処理方法が適用される角度検出装置の一例を説明する。図7(A)は、磁気式で且つ非接触式の角度検出装置を示す模式的な断面図である。図示する様に、本角度検出装置は、基本的にケース12とシャフト9と一対のマグネット3,7と基板6とで構成されている。ケース12はほぼ円筒形状を有し、上下両端面が開放されている。シャフト9は一対のメタル軸受11,13を介してケース12に対し回動自在に取り付けられている。本実施形態では、シャフト9が中間部分にフランジ9Sを有している。このフランジ9Sを境にしてシャフト下部9Rがメタル軸受11,13によりケース12に保持されている。フランジ9Sから上のシャフト上部9Tには、マグネット3,7や基板6その他の部品が取り付けられている。尚、シャフト下部9Rはワッシャ10,14及びCリング15でメタル軸受11,13に取り付けられている。一対のマグネット3,7は各々円盤形状を有し、回転軸方向に離間してシャフト上部9Tに固定されている。両マグネット3,7の間隔はカラー4により規制されている。基板6は一対のマグネット3,7の間に位置し、ケース12に保持されている。基板6はその上にホール素子5や付随する回路を搭載している。ホール素子5はホールICの形で基板6に実装してもよい。シャフト上部9Tに組み込まれたマグネット3,7は、ケース12内に収められ、蓋1でカバーされる。係る構成を有する磁気式非接触型の角度検出装置は、シャフト9が回動するとその角度に応じてホール素子5の出力電圧が変化する様になっている。
特徴事項として、各マグネット3,7は、円盤形状の厚み方向に着磁されており、且つ円盤形状の直径に沿った磁極境界線で区分された各半円部分が互いに反対方向に着磁されている。両マグネット3,7は互いに対面する対向面側の磁極が互いに逆になっており、両マグネットの互いに対面しない反対面側にはそれぞれヨーク板2,8が取り付けられている。
(B)は、各マグネット3,7の着磁方法を表わしている。本実施形態では、各マグネット3,7は、軸方向矩形波着磁用ヨーク16と円筒型バックヨーク17とを用いて着磁されている。軸方向矩形波着磁用ヨーク16にマグネット3,7をセットし、そのマグネット3,7の上に円筒型バックヨーク17の円筒軸を磁極境界線MDと直交する方向に配置して着磁することによって、マグネット3,7の磁極境界線MD付近の磁束密度変化をなだらかにし、マグネットを円周方向に回動させた時の角度に対してマグネット平面の磁束密度が正弦波あるいは三角波に近い形状に変化する様になっている。例えば、本実施形態では、外径がφ9.8mm、内径がφ3mmで厚みが0.8mmのマグネット3,7を(B)に示す方法で着磁している。すなわち、軸方向矩形波着磁用ヨーク16を使用し、マグネット3,7を1つセットし、φ12mmのバックヨーク17を配置して着磁する。この様な方法で着磁されたマグネット3,7を(A)に示した角度検出装置に組み込む場合、マグネット3,7を着磁した時のバックヨーク側に外径φ9.8mm、内径φ3mm、厚さ0.3mmのヨーク板2,8を密着させてシャフト9に固定している。
ここで、軸方向矩形波着磁用ヨークとは、例えば円盤状のマグネットを軸方向(厚み方向)に着磁するためのヨークである。このヨ−クによって着磁されたマグネットを、図11に示すように回転させながらプローブで表面磁束密度を測定してみる。その測定結果が図12の波形図に表されている。マグネットは周方向に沿って表面磁束密度が矩形波形状に分布する様、着磁される。マグネット3,7は、軸方向矩形波着磁用ヨーク16によって、図12に示すように軸方向矩形波着磁されたものである。
図7(A)に示す様に、一対のマグネット3,7のヨーク板2,8が付いていない面を互いに向き合わせて、カラー4を挟んでシャフト9に固定する。この時、マグネット3とマグネット7の磁極は互いに逆方向となる様にする。以上により、上下のマグネット3,7とヨーク板2,8とで磁気回路が形成され、マグネット3とマグネット7との間に磁界が発生する。マグネット3とマグネット7との間にホール素子5と基板6が配置している。マグネット3,7をシャフト9によって回動させれば、所望のホール出力電圧波形を得ることができる。
マグネット3とマグネット7間の磁力線の向きは、シャフト9の軸方向となる為、ホール素子5は小型で汎用のホールICなど実装部品を使用することができ、安価で小型化が可能になる。又、カラー4の外径からケース12の内径の間の空間を基板6の面積に割り当てられるので、ホール素子5の信号増幅回路や、定電流回路あるいは定電圧回路を全て2つのマグネット3,7の間の基板6に実装することができる為、小型化が可能になる。更に、マグネット3とマグネット7間の磁力線の向きは、シャフト9の軸方向とほぼ平行で均一に近い状態である為、シャフト9のガタによってマグネットに対しホール素子の相対位置が変動しても、ホール素子が受感する磁束密度の変化は少ない。
図8は、図7に示した角度検出装置から得られるホール出力電圧波形を示すグラフである。グラフから明らかな様に、着磁の条件やヨーク板の厚みによって、正弦波から三角波に近いホール素子出力電圧を形成することができる。ホール素子出力電圧が、シャフト回転角度に対して直線的に変化するのは、360度中立ち上がり約120度と立ち下がり約120度となっている。従って、本構造の磁気式角度検出器は測定可能な検出角度範囲が約120度である。本構造によれば、ホール素子1つで検出角が120度程度となる。120度を超える検出角が必要な場合、ホール素子を90度間隔で2つ配置し、90度の位相差を有する2つの正弦波から角度を検出する方法を採用することができる。着磁条件やヨーク板の形状の更なる最適化により、シャフト回転角に対するホール素子出力電圧の直線性と電気角の範囲を一層改善できる可能性がある。
図9は、図7に示した角度検出装置の分解斜視図である。図示する様に、シャフト9はフランジ9Sを境にしてシャフト上部9Tとシャフト下部9Rに分かれている。シャフト上部9Tには図示の各部品が組み込まれる一方、シャフト下部9Rは図7に示すケースに組み込まれる。マグネット7は軸方向着磁されており、着磁した時に着磁ヨーク側だった面にヨーク板8が接合している。マグネット3も同様に軸方向着磁されており、着磁した時に着磁ヨーク側だった面にヨーク板2が接合している。マグネット3とマグネット7はヨーク板2とヨーク板8が付いていない面を互いに向き合わせてシャフト上部9Tに取り付けられる。マグネット3とマグネット7の回転方向の相対位置関係は、マグネット3とマグネット7の磁極が上下で互いに異なる様に配置している。マグネット3とマグネット7の間にカラー4が装着されている。カラー4の周りにホール素子5が装着された基板6を、カラー4の外周に接しない様に配置してある。基板6はケース12に取り付けられており、シャフト9が回転してもカラー4やマグネット3,7に接触することがなく、いわゆる非接触構造となっている。ホール素子5の受感部の上下方向の位置は、マグネット3とマグネット7のちょうど真中に配置されている。ケース12の上端面をカバーする様に、蓋1が取り付けられている。ケースの外周よりも基板6の一部が外側に突出している。基板6の外に突出している部分には、ホール素子5の電気的な出力を行う端子が形成されている。図示の様にホール素子5は回路基板6に2個90度の間隔をおいて搭載してある。基板6の出力端子には、はマイクロコンピュータなどで構成される演算回路が接続されており、回動する測定物の角度を検出する角度検出センサから検出角度の変動に対してほぼ90°の位相差を持って出力される正弦波状または三角波状の2相信号を取り込む取込手順と、前記2相信号に対してそれぞれ180°位相の異なる2相信号を生成し、該取り込んだ2相信号と該生成した2相信号とを合わせて4相信号を形成する形成手順と、前記4相信号を処理して、回動する該測定物の角度を0°〜360°にわたる絶対角度で示す位置検出信号を出力する処理手順とを含むセンサ信号処理方法を実行する。
図10は、図9に示したシャフト下部9Rが挿入されるケース周りの分解斜視図である。ケース12に一対のメタル軸受11,12が装着されている為、シャフト9がケース12に対して回動可能な構造となっている。シャフト9はCリング15によってスラスト方向に脱落しない構造となっている。ワッシャ10とワッシャ14でスラストガタを調整している。尚、場合によってはメタル軸受は1つでもよい。又ワッシャ10とワッシャ14は省略してもよい。
角度検出センサから出力される4相信号を示す波形図である。 本発明に従って合成された位置検出信号を示す波形図である。 先後2つの波形の接続処理を示す模式図である。 接続処理における演算過程を説明する表図である。 位置検出信号の出力を示す参考図である。 本発明に従って合成された位置検出信号を示す波形図である。 角度検出装置の縦断面図及び角度検出装置に組み込まれるマグネットの着磁方法を示す模式図である。 角度検出装置の出力波形を示すグラフである。 角度検出装置の分解斜視図である。 角度検出装置の分解斜視図である。 軸方向矩形波着磁を示す模式的な斜視図である。 軸方向矩形波着磁を示す模式的な波形図である。 従来の角度検出装置の出力波形を示す波形図である。 従来の角度検出装置の出力波形を示す波形図である。
符号の説明
A,B,A',B'・・・4相信号、V,W,X,Y・・・近似直線部分、Z・・・直線出力

Claims (6)

  1. 回動する測定物の角度を検出する角度検出センサから検出角度の変動に対してほぼ90°の位相差を持って出力される正弦波状または三角波状の2相信号を取り込む取込手順と、
    前記2相信号に対してそれぞれ180°位相の異なる2相信号を生成し、該取り込んだ2相信号と該生成した2相信号とを合わせて4相信号を形成する形成手順と、
    前記4相信号を処理して、回動する該測定物の角度を0°〜360°にわたる絶対角度で示す位置検出信号を出力する処理手順とを含むセンサ信号処理方法において、
    前記処理手順は、該4相信号に各々含まれるほぼ直線に近い近似直線部分を検出角度範囲に対応して選択し、該選択された近似直線部分を順につないで絶対角度を表す位置検出信号を合成するとともに、前記4相信号のうち90°の位相差を有する信号が相互につながる接続領域で、先後二つの近似直線部分の切り替えを徐々に行ない、連続性、直線性及び繰り返し精度に優れた位置検出信号を出力する事を特徴とするセンサ信号処理方法。
  2. 前記処理手順は、4つの近似直線部分の各々に1つの近似直線の90°分の変化量に相当するオフセットを順に加えた上で、つなぎ合わせて1本の直線的な位置検出信号とする事を特徴とする請求項1記載のセンサ信号処理方法。
  3. 前記処理手順は、該接続領域で、先の近似直線部分と後の近似直線部分を混合し且つ両者の混合比率を変化させることで、先後二つの近似直線部分の切り替えをクロスフェード的に徐々に行なっていく事を特徴とする請求項2記載のセンサ信号処理方法。
  4. 前記処理手順は、
    前記4相信号のうち、任意の1つを信号αとし、
    信号αがある値mに達した時、その時選択されている近似直線部分にオフセットを加えた信号をAとし、
    この時点での信号Aの値をAmとし、
    次に切り替わった後に選択される近似直線部分にオフセットをかけた信号をBとし、
    この時点での信号Bの値をBmとすると、
    1×Am+0×Bm=信号処理後の出力となり、
    信号αがある値nに達した時の信号Aの値をAn、信号Bの値をBnとすると
    0×An+1×Bn=信号処理後の出力となり、
    ここで、信号Aの値の混合比率と信号Bの値の混合比率をそれぞれaとbとすると、
    a×A+b×B=信号処理後の出力(a十b=1)となり、
    信号αがmの時a=1、信号αがnの時a=0となるようなαとaの関数によってaが決定し、そしてbが決定する事で、信号αの値によって信号Aと信号Bのそれぞれの混合比率が変わり、該接続領域で先後二つの近似直線部分をクロスフェード的に徐々に切替える事を特徴とする請求項4記載のセンサ信号処理方法。
  5. 前記αとaの関数は、信号αがmの時a=1、信号αがnの時a=0となるような1次関数である事を特徴とする請求項4記載のセンサ信号処理方法。
  6. 前記αとaの関数は、信号αがmの時a=1、信号αがnの時a=0となり、信号の切り替えがスムーズになる様な、信号αがmとnの間を取る時のaの値をさらに1組以上規定し、それらの値をとる様な2次以上の関数である事を特徴とする請求項4記載のセンサ信号処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007132742A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Denso Corp 回転角度検出装置
JP2015017950A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 株式会社東芝 位置検出装置および駆動システム
JP2015049046A (ja) * 2013-08-29 2015-03-16 アルプス電気株式会社 角度検出装置

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