JP2005106471A - 傾斜角度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 超音波の送受信時間を車両10の前側及び後側で計測する車高測定手段2a,2bと、路面Rにて反射した複数の超音波を受信して、その位相差から傾斜角度データθ1を計測する位相差測定手段1と、車高測定手段2a,2bの測定結果から車両前側10と路面Rとの距離を求めて傾斜角度データθ2を算出し、傾斜角度データθ1と傾斜角度データθ2とから車両10の傾斜角度を判断する制御手段3とを備えた。
【選択図】 図1
Description
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による傾斜角度測定装置の構成を示す説明図である。図において、車両前側10aに設置される位相差測定手段1は、超音波を送信する送信手段と超音波を受信する受信手段とを並設させて配置した超音波センサを複数備えたものである。位相差測定手段1には、車両前後方向に並設した二つの超音波センサを一組として、このような超音波センサの組が少なくとも一組以上備えられる。なお、位相差測定手段1は車両後側10bに設置してもよいが、車両10の下方を流れる走行風の影響を考慮すると、この走行風の流れが安定している車両前側10aに、図示したように設置することが好ましい。
初めに位相差測定手段1による測定動作を説明する。
図5は、実施の形態1による傾斜角度測定装置の位相差測定手段が送受信する超音波を示す説明図である。この図は、前側11aの超音波センサ1a及び後側11bの超音波センサ1bから送信される超音波の波形と、各超音波センサ1a,1bが受信した超音波の波形とを示すタイミングチャートである。図5に例示した超音波波形は、図1の路面Rに対して車両10が傾斜しているとき、例えば、車両10が前下がりとなる前傾状態で超音波センサ1a,1bが送受信する超音波の波形を示したものである。車両10が前傾状態の場合には、位相差測定手段1の前側11aに配置された超音波センサ1aが、後側11bに配置された超音波センサ1bに比べて早く反射波を受信することになり、受信する反射波の位相は、超音波センサ1aの方が図示したようにΔTだけ早くなる。図2に示した位相同期検波回路1fは、受信回路1dと受信回路1eから入力した信号から位相差ΔTを求め、各超音波センサ1a,1bから送信している超音波の伝送速度と位相差ΔTの関係から、超音波センサ1a下方の車高と超音波センサ1b下方の車高との車高差ΔSを求める。さらに、この車高差ΔSと、図2に示した超音波センサ1a及び超音波センサ1bの設置距離を示すセンサピッチ値L1とを用いて次式により傾斜角度データθ1を求める。
θ1=tan−1(ΔS/L1)
位相差測定手段1は、このようにして求めた傾斜角度データθ1を制御手段3へ出力する。前述のように位相差測定手段1内に超音波センサ1a,1bが配置されていることから、センサピッチ値L1は極めて近い距離となる。このことからわかるように、位相差測定手段1は、車両前後方向について極めて近い距離の2点から路面Rに向けて超音波を送信し、路面Rに反射して戻ってきた受信波の位相差から傾斜角度データθ1を求めるものである。
図6は、実施の形態1による傾斜角度測定装置の傾斜角度の計測を示す説明図である。この図は、車両前側10aの車高測定手段2aが測定する車高H1と車両後側10bの車高測定手段2bが測定する車高H2の車高差ΔHから傾斜角度データθ2を求める概念を示すものである。
θ2=tan−1(ΔH/L2)
車高測定手段2aと車高測定手段2bは、図1に示したように車両10のホイールベースよりも大きな距離を隔てて設置されている。このことからセンサピッチ値L2は、図2に示したセンサピッチ値L1に比べて相当大きな値と成ることがわかる。
図7は、実施の形態1による傾斜角度測定装置の動作を示すフローチャートである。傾斜角度測定装置を起動させると(ステップST100)、制御手段3は、位相差測定手段1を制御して傾斜角度データθ1の測定を実行させ(ステップST101)、傾斜角度データθ1を取得する。次に車高測定手段2aと車高測定手段2bとを制御して車両前側10aと車両後側10bの車高測定を実行させ、得られた車高H1と車高H2とを用いて前述のように演算を行って傾斜角度データθ2を求める(ステップST102)。取得した傾斜角度データθ1と傾斜角度データθ2とを比較し(ステップST103)、傾斜角度データθ1と傾斜角度データθ2の値が等しい、もしくはほぼ同値であると判定した場合は、車両10と路面R間の傾斜角度を正常に測定できたと判断して、そのときの傾斜角度データθ1と傾斜角度データθ2の値を車両10の傾斜角度として確定する(ステップST104)。制御手段3は、この傾斜角度の確定値に基づいて光軸角度制御信号を生成し、ヘッドランプの光軸を調整する光軸駆動手段4へ出力する。
図8は、この発明の実施の形態2による傾斜角度測定装置の構成を示す説明図である。図1に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。図8に示した傾斜角度測定装置は、車両10の速度を検出して制御手段3へ車速を表すパルス信号を出力する車速センサ5を備えた他は、図1に示したものと同様に構成されたものである。なお、図8に示した位相差測定手段1は図2に示したものと同様に構成され、また図8の車高測定手段2a,2bは、図3に示したものと同様に構成される。図8に示した位相差測定手段1、及び車高測定手段2a,2bを構成する各部分は、図2、図3に使用した符号を用いて以下の説明を行う。また、実施の形態2による傾斜角度測定装置の制御手段3も、実施の形態1で説明したものと同様に構成されたものである。
前述のように、実施の形態2による傾斜角度測定装置は、実施の形態1による傾斜角度測定装置とほとんど同様に構成されたもので、概ね同様に動作する。ここでは、実施の形態2による傾斜角度測定装置の特徴となる動作について説明し、実施の形態1にて説明した傾斜角度測定装置と同様な動作について、その説明を省略する。
図9は、位相差測定手段の測定時における障害物の影響を示す説明図である。例えば、車両10が路面Rに対して水平な場合でも、図示したように位相差測定手段1が測定を行う位置に石などの障害物12が存在すると、位相差測定手段1の前側に備えられる超音波センサ1aと後側に備えられる超音波センサ1bでは、超音波を同時に送信してから路面Rで反視した超音波を受信するまでの時間が異なってしまう。図9に例示した状況では、路面Rで反射した超音波を受信する超音波センサ1aに比べて、超音波センサ1bは障害物12で反射した超音波を早く受信する。このように超音波センサ1aと超音波センサ1bに位相が異なる受信波を受信すると、位相差測定手段1の超音波センサ1aと超音波センサ1bは極めて近い距離のセンサピッチ値L1で設置されていることから、このように小さい値のセンサピッチ値L1を用いて演算を行うと、水平とは判断し難い傾斜角度データθ1が求められ、図示したように角度θ1が計測されたことになる。このような傾斜角度データθ1を入力した制御手段3は、実際には水平な車両10が角度θ1で前斜しているように誤認識してしまう。
図13は、実施の形態2による傾斜角度測定装置の動作を示すフローチャートである。傾斜角度測定装置を起動させると(ステップST200)、制御手段3は図8に示す車速センサ5から車両10の車速を示すパルス信号を入力し、このパルス信号が例えば0km/hを表すものか否か、即ち停車中か否かを判定する(ステップST201)。停車中であると判定したときは、さらに停車時間が規定値以上、例えば5秒以上経過しているか否かを判定する(ステップST202)。規定値未満であれば、走行状態から停止したときに生じる車両の振動が残っていると考えられるので、傾斜角度の測定を行わずにステップST201の判定過程に戻る。車両停止時間が規定値以上経過していると判定したときは、走行状態から停止したときに生じる車両10の振動が収束したと考えられるので、車高測定手段2a,2bを制御して測定を行わせ、これらの測定結果を用いて傾斜角度データθ2を演算によって求める。このとき、ステップST201において車両10は停止状態と判定しているので、この測定によって得られた傾斜角度データθ2を車両10の傾斜角度の確定値とし(ステップST203)、ヘッドランプの光軸調整に用いられる光軸角度制御信号を当該傾斜角度の確定値に基づいて生成し、光軸駆動手段4へ出力する。この後、ステップST201の判定過程へ戻り、傾斜角度を測定する一連の処理動作を繰り返す。
図14は、この発明の実施の形態3による傾斜角度測定装置の構成を示す説明図である。図1、図2、及び図8に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。この図14は、車両10の底端部を路面側から正視したもので、車両10の底端部に設置された位相差測定手段1と車高測定手段2a,2bの位置を示したものである。図14に示した位相差測定手段1及び車高測定手段2a,2bは、車両10の車幅方向において中央となる部位に設置されたもので、図中一点破線で示した車両中心線CC´上、もしくはその近傍に設置されたものである。
図15は、この発明の実施の形態4による傾斜角度測定装置の構成を示す説明図である。図1、図2、及び図8に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。この図15は、車両10の底端部を路面側から正視したもので、車両10の底端部に設置された位相差測定手段1と車高測定手段2a,2bの位置を示したものである。車両前側10aの車軸10dは、車両10の左右の前車輪10cに接続され、車両後側10bの車軸10fは、左右の後車輪10eに接続される。図15に示した位相差測定手段1及び車高測定手段2a,2bは、車軸10dと車軸10fとの間、もしくは、図示したように前車輪10cが車輪止めS1に接した状態で、車高測定手段2a及び位相差測定手段1が車輪止めS1に重ならないように車軸10dの近傍に設置され、また、後車輪10eが車輪止めS2に接した状態で、車高測定手段2bが車輪止めS2に重ならないように車軸10fの近傍に設置されたものである。
図16は、この発明の実施の形態5による傾斜角度測定装置の構成を示す説明図である。図1または図8に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。図16に示した傾斜角度測定装置は、図1または図8に示した位相差測定手段1及び車高測定手段2aに替えて位相差・車高測定手段(位相差車高測定手段)40を車両10に備えたものである。なお、その他の制御手段3、光軸駆動手段4、車速センサ5は、図1または図8に示したものと同様に備えられる。位相差・車高測定手段40は、当該位相差・車高測定手段40の前側41aが車両前側10aとなるように、また位相差・車高測定手段40の後側41bが車両後側10bとなるように向きを揃え、例えば車両10底端部の車両前側10aに在るフレーム・クロスメンバ等に取り付けられ、超音波送受信時間データTまたは傾斜角度データθ1を制御手段3へ出力する。なお、位相差・車高測定手段40は車両後側10bに設置してもよいが、車両10の下方を流れる走行風の影響を考慮すると、この走行風の流れが安定している車両前側10aに、図示したように設置することが好ましい。また、位相差・車高測定手段40が設置された車両前側10aと車両10の前後方向で逆側になる車両後側10bには、実施の形態1などで説明したものと同様な車高測定手段2bが設置される。
位相差・車高測定手段40は、制御手段3の制御に基づいて超音波送受信測定時間データTの測定あるいは傾斜角度データθ1の測定・演算処理を行う。制御手段3の制御により傾斜角度データθ1を求める場合は、超音波センサ40a,40bを用いて超音波の送受信を行い、各超音波センサ40a,40bから出力される超音波の受信信号を受信回路40c,40dを介して測定制御回路40fへ入力する。測定制御回路40fは、受信回路40d,40eから出力された信号の波形を比較し、超音波センサ40aの受信信号の波形と超音波センサ40bの受信信号の波形との位相差を求め、この位相差データが示す車高差と、超音波センサ40aと超音波センサ40bとの配置間隔、即ち図17に示すセンサピッチ値L1とを用いて車両10の傾斜角度データθ1を求める。
Claims (6)
- 超音波を用いて路面に対する車両の傾斜角度を求める傾斜角度測定装置において、
前記路面に超音波を送信してから前記路面にて反射した前記超音波を受信するまでの送受信時間を前記車両の前側及び後側で計測する車高測定手段と、
複数の超音波を前記路面に送信し、前記路面にて反射した前記複数の超音波を受信して当該複数の受信波の位相差から第一の傾斜角度を計測する位相差測定手段と、
前記車高測定手段の測定結果から前記車両前側と前記路面との距離及び前記車両後側と前記路面との距離を求めて第二の傾斜角度を算出し、前記第一の傾斜角度と前記第二の傾斜角度とから前記車両の傾斜角度を判断する制御手段とを備えたことを特徴とする傾斜角度測定装置。 - 制御手段は、車両が停車中の時は第二の傾斜角度を車両の傾斜角度として採用し、前記車両の走行時は第一の傾斜角度を前記車両の傾斜角度として採用することを特徴とする請求項1記載の傾斜角度測定装置。
- 制御手段は、車速センサの検出結果に基づいて、車両の停車時か走行時かを判定することを特徴とする請求項2記載の傾斜角度測定装置。
- 位相差測定手段及び車高測定手段は、車両の車幅方向の中央部位に設置されることを特徴とする請求項1記載の傾斜角度測定装置。
- 位相差測定手段及び車高測定手段は、車両の前側車軸と後側車軸との間に設置されることを特徴とする請求項1記載の傾斜角度測定装置。
- 超音波を用いて路面に対する車両の傾斜角度を求める傾斜角度測定装置において、
前記路面に超音波を送信してから前記路面にて反射した前記超音波を受信するまでの送受信時間を計測し、また前記路面に複数の超音波を送信して前記路面にて反射した前記複数の超音波を受信して当該複数の受信波の位相差から第一の傾斜角度を計測する位相差車高測定手段と、
前記位相差車高測定手段が設置された前記車両の前後方向で逆側となる側方に前記路面に超音波を送信してから前記路面にて反射した前記超音波を受信するまでの送受信時間を計測する車高測定手段と、
前記位相差車高測定手段を制御して、前記送受信時間及び前記第一の傾斜角度を計測させ、前記送受信時間と前記車高測定手段が計測した送受信時間とから前記車両前側と前記路面との距離及び前記車両後側と前記路面との距離を求めて第二の傾斜角度を算出し、前記第一の傾斜角度と前記第二の傾斜角度とから前記車両の傾斜角度を判断する制御手段とを備えたことを特徴とする傾斜角度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003336041A JP2005106471A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 傾斜角度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003336041A JP2005106471A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 傾斜角度測定装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005106471A true JP2005106471A (ja) | 2005-04-21 |
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ID=34532307
Family Applications (1)
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JP2003336041A Pending JP2005106471A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 傾斜角度測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005106471A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009282022A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-12-03 | Mitsubishi Electric Corp | 車両傾斜検知装置 |
JP2013140072A (ja) * | 2012-01-04 | 2013-07-18 | Mitsubishi Electric Corp | 車両傾斜検知装置 |
-
2003
- 2003-09-26 JP JP2003336041A patent/JP2005106471A/ja active Pending
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JP2009282022A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-12-03 | Mitsubishi Electric Corp | 車両傾斜検知装置 |
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