JP2005105223A - 廃プラスチックの処理装置 - Google Patents

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】 過剰分解によるテレフタル酸や安息香酸等の結晶性有機物の生成を阻止し、この結果、装置の閉塞と腐食を防止し、温度管理が容易で処理コストを低減する。
【解決手段】 塩素系ポリマー、エステル系ポリマー及び炭化水素系ポリマーを含む廃プラスチック11と280〜320℃に維持された油を油浴槽13に貯留し、油浴槽の油を上下対流を生じないように撹拌する撹拌羽根14を油浴槽中に設ける。油に浮上する脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18を取出す取出し口13aを油浴槽上部に設け、油に沈降するエステル系ポリマーの液化油17を排出する油排出口13bを油浴槽下部に設ける。脱塩残渣等を加熱炉の炉本体33にて400〜550℃で熱分解し油蒸気を生成する。油浴槽を包囲し油38を貯留する凝縮槽16が油蒸気を300〜400℃に降温させ、油浴槽内の油を280〜320℃に維持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物中の廃プラスチックを燃料等として再利用できるように処理する装置に関するものである。
廃プラスチックを油化或いは燃料化して再利用するリサイクル方法が多く検討されている。廃プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の炭化水素系ポリマーからなる廃プラスチックと、塩素系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の非炭化水素系ポリマーからなる廃プラスチックが存在し、これらの油化・燃料化は主に熱分解により行われている。
しかしながら、塩素系ポリマーの可塑剤、PET、PBT等のエステル系ポリマーを含む廃プラスチックを熱分解処理した場合、揮発分中に含まれるテレフタル酸、安息香酸及びこれらの同族体等の昇華物や結晶性有機物が処理装置の冷却系統部位や凝縮系統部位等に析出し、処理装置の閉塞及び腐食を生じ、安定した連続運転処理を阻害するという問題点があり、その解決が望まれていた。
この点を解消するために種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、エステル系ポリマーを含む廃プラスチックを熱分解槽で熱分解して熱分解ガスを生成し、熱分解槽の出口に接続された撹拌冷却槽で熱分解ガスを凝縮して生成油を生成する廃プラスチックの油化処理方法が開示されている。この廃プラスチックの油化処理方法では、撹拌冷却槽が、槽の周囲に設けられ冷却水が流通する水冷ジャケットと、槽内の生成油を撹拌する撹拌機とを有する。
このように構成された廃プラスチックの油化処理方法では、熱分解槽における廃プラスチックの熱分解により生成された熱分解ガスを、撹拌冷却槽に供給すると、熱分解ガスの大部分が凝縮して生成油が生成される。また熱分解ガス中のテレフタル酸や安息香酸等が撹拌冷却槽内の生成油と直接接触して冷却され、上記テレフタル酸や安息香酸等が晶出して生成油中にスラリー状で懸濁する。この結果、晶出したテレフタル酸や安息香酸等が系内で安定的に連続して除去できるので、熱分解槽等の熱分解ラインや撹拌冷却槽等の冷却ラインの閉塞を防止できるようになっている。
特開平8−120113号公報(特許請求の範囲、明細書[0012]、明細書[0022]、明細書[0026])
しかし、上記従来の特許文献1に示された廃プラスチックの油化処理方法では、この処理方法に用いられる装置が複雑になり、有機酸により装置が腐食し、温度管理が煩わしく、処理コストが増大する等の問題点があり、また処理負荷が重く、更に回収された低純度の結晶性有機物を処理する方法が難しい問題点もあった。
本発明の第1の目的は、比較的低温かつ低粘度の油浴でエステル系ポリマーを液化させて液化状態で抜出すことで、過剰分解によるテレフタル酸や安息香酸等の結晶性有機物の生成を阻止でき、この結果、装置の閉塞と腐食を防止できるとともに、温度管理が容易で処理コストを低減できる等の課題を根本的に解決できる、廃プラスチックの処理装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、油浴槽と凝縮槽の一体化により、熱媒体を介する間接的な加熱を省略でき、油蒸気の潜熱及び顕熱の回収効率を向上できるとともに、装置をコンパクト化できる、廃プラスチックの処理装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、比較的低温かつ低粘度の油浴でエステル系ポリマーを液化させて液化状態で抜出すことで、過剰分解によるテレフタル酸や安息香酸等の結晶性有機物の生成を阻止できるとともに、廃プラスチックから良質な重質油と軽質油を得ることができる、廃プラスチックから重質油及び軽質油を製造する方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、塩素系ポリマーとエステル系ポリマーと炭化水素系ポリマーを含む廃プラスチック11と油とを貯留する油浴槽13と、油浴槽13中に設けられ油浴槽13内の油を上下対流を生じないように撹拌する撹拌羽根14と、油浴槽13の上部に設けられ油に浮上する脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18を取出す取出し口13aと、油浴槽13の下部に設けられ油に沈降するエステル系ポリマーの液化油17を排出する油排出口13bと、油浴槽13の取出し口13aより取出された脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18を400〜550℃の温度に加熱し熱分解して油蒸気を生成する加熱炉の炉本体33と、油浴槽13を包囲して設けられかつ油38が貯留され油蒸気を300〜400℃まで降温させるとともに油浴槽13内の油を280〜320℃の温度に維持する凝縮槽16とを備えた廃プラスチックの処理装置である。
この請求項1に記載された廃プラスチックの処理装置では、300〜400℃の比較的高温の凝縮槽16内の油38により油浴槽13内の油を280〜320℃に加熱し維持すると、油浴槽13内の廃プラスチック11のうちエステル系ポリマー及び炭化水素系ポリマーが液化し、炭化水素系ポリマーの液化油18とエステル系ポリマーの液化油17が比重差により分相する。また同時に油浴槽13内の廃プラスチック11のうち塩素系ポリマーが脱塩されて脱塩残渣26が油に浮上し、液化しない廃プラスチックも油に浮上する。油浴槽13下部に分相されたエステル系ポリマーの液化油17は取出し口13bから取出される。また油に浮上した脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18は加熱炉32の炉本体33内で400〜550℃に加熱されて熱分解し油蒸気が生成され、この油蒸気は凝縮槽16で300〜400℃まで降温されて、液状の重質油とガス状の軽質油とに分離される。
なお、本明細書において、「エステル系ポリマーの液化油17と炭化水素系ポリマーの液化油18を比重差により分相する」とは、エステル系ポリマーの液化油17と炭化水素系ポリマーの液化油18をそれぞれ液相として、同一油浴槽13で上下に分けることをいう。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1及び図2に示すように、凝縮槽16内の油38がオーバフローして油浴槽13に供給されるように構成されたことを特徴とする。
この請求項2に記載された廃プラスチックの処理装置では、凝縮槽16に貯留された油38がオーバフローして油浴槽13に供給されるので、油浴槽13内の油の外部からの補給を不要にできるか、或いは補給量を減らすことができる。
請求項3に係る発明は、図1及び図2に示すように、請求項1又は2記載の油浴槽13を包囲して設けられた凝縮槽16で油蒸気を300〜400℃まで降温させて液状の重質油とガス状の軽質油とを製造する方法である。
この請求項3に記載された廃プラスチックから重質油及び軽質油を製造する方法では、油浴槽13内の比較的低温かつ低粘度の油でエステル系ポリマーを液化させて液化状態で油浴槽13から抜出すことにより、過剰分解によるテレフタル酸や安息香酸等の結晶性有機物の生成を阻止できるとともに、加熱炉32で熱分解して生成された油蒸気を凝縮槽16で液状の重質油とガス状の軽質油に分離できるので、良質の重質油と軽質油を得ることができる。
以上述べたように、本発明によれば、廃プラスチックと所定の温度の油を貯留する油浴槽中に撹拌羽根を設け、油浴槽の上部に取出し口を設け、油浴槽の下部に油排出口を設け、油浴槽の取出し口より取出された脱塩残渣、液化しない廃プラスチック及び炭化水素系ポリマーの液化油を加熱炉の炉本体で熱分解して油蒸気を生成し、更に油浴槽を包囲しかつ油が貯留された凝縮槽で油蒸気を降温させるように構成したので、油浴槽内の油を凝縮槽内の油により所定の温度に加熱し維持すると、油浴槽内の廃プラスチックのうちエステル系ポリマー及び炭化水素系ポリマーが液化し、炭化水素系ポリマーの液化油とエステル系ポリマーの液化油が比重差により分相され、エステル系ポリマーは液化状態で高温分解前に抜出す。同時に塩素系ポリマーが脱塩されて、脱塩残渣、液化しない廃プラスチック及び炭化水素系ポリマーの液化油が油に浮上して油浴槽から取出され、加熱炉で分解する。この結果、エステル系ポリマーがガスまでの過剰分解を避けるので、エステル系ポリマーを脱塩残渣及び炭化水素系ポリマーとともにガス化させる場合と比較して、過剰分解によるテレフタル酸や安息香酸等の結晶性有機酸の生成を阻止できるので、装置の閉塞と腐食を防止できるとともに、温度管理が容易で処理コストを低減できる等の課題を根本的に解決できる。
また油浴槽と凝縮槽とを一体化することにより、熱媒体を介することなく油浴槽内の油を凝縮槽内の油で直接加熱できるので、油蒸気の潜熱及び顕熱の回収効率を向上できるとともに、装置をコンパクト化できる。
また凝縮槽内の油をオーバフローして油浴槽に供給するように構成すれば、油浴槽内の油の外部からの補給を不要にできるか、或いは補給量を減らすことができる。
更に油浴槽を包囲する凝縮槽で油蒸気を降温させて液状の重質油とガス状の軽質油とを製造すれば、過剰分解によるテレフタル酸や安息香酸等の結晶性有機物の生成を阻止できるとともに、重質油と軽質油を効率良く製造できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、廃プラスチック11の処理装置は、廃プラスチック11と油を貯留する油浴槽13と、油浴槽13中に設けられた撹拌羽根14と、油浴槽13の上部に設けられた取出し口13aと、油浴槽13の下部に設けられた油排出口13bとを備える。油浴槽13は略漏斗状に形成される。廃プラスチック11は、ポリスチレン(PS)やポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の炭化水素系ポリマーからなる廃プラスチックと、塩素系ポリマーやエステル系ポリマー(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT))等の非炭化水素系ポリマーからなる廃プラスチックとに分けられる。なお、図2には脱塩残渣、液化しない廃プラスチック及び炭化水素系ポリマーの液化油の取出し口は省略している。
油浴槽13内の油は後述する凝縮槽16内の油38により280〜320℃、好ましくは300〜320℃の温度に加熱・維持される。油浴槽13内の油としては、沸点が320℃以上の重質油を用いることが好ましい。なお、油浴槽13内の油の温度を280〜320℃の範囲に限定したのは、280℃未満ではエステル系ポリマーが液状ではなくガム状になる不具合があり、320℃を越えると油の揮発分が増えるからである。また油浴槽13内の油への廃プラスチック11の浸漬時間は10〜120分間、好ましくは30〜60分間であり、油浴槽13内の油の粘度は0.01〜1.0Pa・秒、好ましくは0.1〜0.5Pa・秒に調整される。油浴槽13内の油への廃プラスチック11の浸漬時間を10〜120分間に限定したのは、10分間未満では廃プラスチック11が十分に分解できず、120分間を越えると揮発量が増えるからである。油浴槽13内の油の粘度を0.01〜1.0Pa・秒の範囲に限定したのは、0.01Pa・秒未満では油の分子量が小さくて油が蒸発し易く、またこの下限値未満にするのに多大のエネルギーを要するからである。また1.0Pa・秒を越えると後述するエステル系ポリマーの液化油17と炭化水素系ポリマーの液化油18の分相性が悪くなり、また伝熱効率が低下するからである。
油浴槽13の上方、即ち凝縮槽16の上面には架台(図示せず)を介して撹拌モータ19が取付けられ、このモータ19の出力軸にシャフト21を介して上記撹拌羽根14が連結される。撹拌羽根14の回転速度は、固形の廃プラスチック11と液状の油との接触を促進させる範囲であって、しかも油浴槽13内の油に大きな上下対流を生じさせない範囲に設定される。また油浴槽13の一方の急斜面には、この急斜面に沿って廃プラスチック11を油中に押込む押込みスクリュー22が設けられる。この押込みスクリュー22は押込みモータ23により回転駆動され、押込みスクリュー23の上部には押込みカバー24により覆われる。押込みカバー24の上部側面には廃プラスチック11をカバー24内に取込むための取込み孔(図示せず)が形成され、押込みカバー24の下端は開口しかつ油中に所定の深さまで潜るように構成される。更に油浴槽13の他方の緩斜面には、この緩斜面に沿って脱塩残渣26と液化しない廃プラスチック27と炭化水素系ポリマーの液化油18とを取出し口13aまで搬送する搬送スクリュー28が設けられる。この搬送スクリュー28は搬送モータ29により回転駆動される。なお、上記搬送スクリュー28の回転速度を調整することにより、塩素系ポリマーの脱塩と炭化水素系ポリマーの液化のための時間を確保できるようになっている。また油浴槽13の上面には油浴槽13で発生したHClを主成分とするガスを排出するためのガス排出口13cが形成される。
油浴槽13の取出し口13a(オーバフロー構造)は取出し管31により加熱炉32の入口33aに接続される。加熱炉32は、脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18が供給される筒状の炉本体33と、この炉本体33を400〜550℃、好ましくは450〜500℃の温度に加熱する加熱装置34とを有する。上記加熱炉32の入口33aは炉本体33の一端上面に形成され、炉本体33の一端近傍の上面には油蒸気を排出するためのガス出口33bが形成され、炉本体33の他端下面には固体残渣を排出するための固体出口33cが形成される。ここで、加熱炉の炉本体33内の温度を400〜550℃の範囲に限定したのは、400℃未満では熱分解速度が遅くなり、550℃を越えると凝縮しないガス成分が増えるからである。また炉本体33内部にはこの炉本体33に投入された脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18を一端から他端に向って搬送する搬送手段36が設けられる。搬送手段36は、炉本体33の一端から他端に向って脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18を搬送するスクリューコンベア36aと、このスクリューコンベア36aを回転駆動するスクリュー用モータ36bとを有する。なお、搬送手段はスクリューコンベアではなく、炉本体を一端から他端に向って下方に傾斜させるとともに炉本体をその軸を中心に回転させる構造でもよい。また加熱装置34は、加熱ガスを発生するバーナ34aと、炉本体33を包囲して設けられ加熱ガスが流通する加熱ガス流通部34bとを有する。
炉本体33のガス出口33bはロアガス管37により凝縮槽16のガス入口16aに接続される。凝縮槽16は油浴槽13を包囲して設けられ、内部に油38が貯留される。この油38は油浴槽13内の油と同一の油であることが好ましい。また凝縮槽16内の油38により、加熱炉の炉本体33から排出された油蒸気が300〜400℃、好ましくは340〜360℃まで降温されるとともに、油浴槽13内の油が280〜320℃の温度に維持されるように構成される。ここで、凝縮槽16で油蒸気を降温させる温度を300〜400℃の範囲に限定したのは、油蒸気に含まれる重質油のみを液化させ、油蒸気に含まれる軽質油をガス状に保つためである。上記ガス入口16aは凝縮槽16の中央部側面に形成され、凝縮槽16の上面にはガス出口16bが形成される。また凝縮槽16の上部側面にはオーバフロー構造の液体出口16cが形成される(図2)。この液体出口16cは油浴槽13上部から突設された堰39であり、この液体出口16cからオーバフローした油38は油流入口13dから油浴槽13に流入するように構成される。ここで、凝縮槽16内で発生したガスと油浴槽13内で発生したHClを主成分とするガスとが混合しないように、凝縮槽16及び油浴槽13のガス圧や凝縮槽16及び油浴槽13の油の液面レベルが調整される。更にロアガス管37には凝縮槽16内の油38が逆流するのを阻止する逆止弁41が設けられ、ガス出口16bはアッパガス管42により冷却手段43に接続される。なお、ガス入口は、凝縮槽の中央部側面ではなく、凝縮槽の下部に形成してもよい。
一方、凝縮槽16と加熱ガス流通部34bとの間には熱交換装置44が設けられる。この熱交換装置44は、一端が加熱炉32の加熱ガス流通部34bに接続された排ガス用パイプ46と、両端が凝縮槽16の下部に連通接続された油用パイプ47と、排ガス用パイプ46に設けられた排ガス用ブロア48と、油用パイプ47に設けられた油用ポンプ49とを備える。排ガス用パイプ46の途中には、このパイプ46を拡げた熱交換部51が設けられる。油用パイプ47の途中は蛇行して形成され、この蛇行部は熱交換部51内に挿入される。排ガス用ブロア48は加熱炉32から排出された排ガスを熱交換部51に導き、油用ポンプ49は凝縮槽16内の油38を油用パイプ47内に循環させるように構成される。
油浴槽13の油排出口13bには油排出管52が接続され、油排出管52にはこの油排出管52を開閉する電磁弁53が設けられる。凝縮槽16には、装置の始動時に油浴槽13内の油を280〜320℃に加熱し、凝縮槽16内の油38を300〜400℃に加熱する加熱手段(図示せず)が設けられる。この加熱手段は凝縮槽16の外周面に設けられた凝縮槽用ヒータ(図示せず)である。また油浴槽13の下部、即ち油浴槽13の内底面より所定の距離だけ上方の部位には検出管54の一端が接続され、この検出管54はほぼ水平方向に延びその他端には比重センサ56が接続される。比重センサ56は油浴槽13内の油の比重を検出するように構成される。また油浴槽13にはこの槽13内の油の温度を検出する第1油温センサ61が挿入され、凝縮槽16にはこの槽16内の油の温度を検出する第2油温センサ62が挿入される。更に炉本体33には油蒸気の温度を検出するガス温センサ63が挿入される。
比重センサ56、第1油温センサ61、第2油温センサ62及びガス温センサ63の各検出出力はコントローラ64の制御入力に接続され、コントローラ64の制御出力は電磁弁53、凝縮槽用ヒータ及びバーナ34aにそれぞれ接続される。更に油浴槽13の上面には、廃プラスチック11を油浴槽13に供給するためのホッパ66が設けられ、油浴槽13の下部には、沈降したエステル系ポリマーの液化油17の上昇を抑制する手段67が設けられる。この上昇抑制手段67は、油浴槽13の他方の緩斜面に続く若干急な斜面に平行であってこの斜面から所定の間隔をあけて設けられた板である。上述した比重センサ56はこの板67により上昇が抑制される油の比重を検出するように設定することが好ましい。
このように構成された廃プラスチックの処理装置の動作を説明する。
先ず破砕した廃プラスチック11をホッパ66に投入して油浴槽13に供給する。油浴槽13内の廃プラスチック11は押込みスクリュー22により油の中に押込まれて、油と十分に接触する。廃プラスチック11のうちエステル系ポリマー及び炭化水素系ポリマーは液化し、炭化水素系ポリマーの液化油18(比重0.6〜0.85)とエステル系ポリマーの液化油17(比重1.0〜1.2)を比重差により分相する。また塩素系ポリマーは脱塩されて脱塩残渣26が油に浮上し、液化しない廃プラスチック27は膨張して油に浮上する。なお、塩素系ポリマーから離脱した塩素は水素と結合して塩化水素ガスとなり、油浴槽13上面のガス排出口13cから排出されて後処理手段(図示せず)で無害化される。また、油浴槽13下部に沈降したエステル系ポリマーの液化油17の浮上は上昇抑制手段67により抑制されるので、エステル系ポリマーの液化油17は脱塩残渣26、液化しない廃プラスチック27及び炭化水素系ポリマーの液化油18と分離した状態に保たれる。
エステル系ポリマーの液化油17が炭化水素系ポリマーの液化油18と分相して次第にその分相した量が増えると、比重センサ56が1以上の比重を検出する。このときコントローラ64は比重センサ56の検出出力に基づいて電磁弁53をオンして油排出管52を開く。これにより分相したエステル系ポリマーの液化油17が油排出口13bを通って油排出管52から排出され、燃料として再利用できる。またエステル系ポリマーの液化油17が油排出口13bから所定量以上排出されると、比重センサ56が1.0未満の比重を検出する。このときコントローラ64は比重センサ56の検出出力に基づいて電磁弁53をオフして油排出管52を閉じる。この結果、エステル系ポリマーの液化油17以外の油が油排出管52から排出されないので、エステル系ポリマーの液化油17のみを確実にかつ効率良く排出することができるとともに、エステル系ポリマーがガスまでの過剰分解を避けたので、テレフタル酸や安息香酸等の結晶性有機酸が生成されず、装置の閉塞及び装置の腐食が生じない。
一方、油浴槽13の油に浮上した脱塩残渣26と液化しない廃プラスチック27と炭化水素系ポリマーの液化油18は、搬送スクリュー28により取出し口13aに搬送され、この取出し口13aからオーバフローし取出し管31を通り、搬送手段36により加熱炉32の炉本体33内に供給され、更に炉本体33内で加熱されて熱分解し油蒸気が生成される。この油蒸気はロアガス管37を通って凝縮槽16内に導かれ、凝縮槽16内で300〜400℃まで冷却されるので、油蒸気のうち沸点の高い重質油のみが液化し、沸点の低い軽質油はガス状のままガス出口16bからアッパガス管42を通って冷却手段43に導入され、この冷却手段43により液化され、燃料として再利用できる。また凝縮槽16内の液状の油は液体出口16cである堰39(図2)からオーバフローし油流入口13dを通って油浴槽13に供給されるので、油浴槽13内の油を外部から補給せずに済む。なお、加熱炉32の炉本体33内に残った固体残渣は搬送手段36若しくは炉本体の傾斜と回転により固体出口33cまで搬送され、固体出口33cから排出されて燃料として再利用される。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1及び図2に示すように、先ず破砕した廃プラスチック11を油浴槽13に入れ、廃プラスチック11を油に40分間滞留させて、脱塩及び液化した。これらの廃プラスチック11の原料組成の割合は、PETが10.0重量%、塩素が3.00重量%、その他が87.0重量%であった。また上記その他は、PS、PP、PE及びABSと、PVC中の塩素以外の成分の組成であり、ABS:PS:PP:PEの重量比は1:2:2:4であった。上記脱塩・液化工程で、PETの液化油17及び第1揮発分をそれぞれ回収し、これらに含まれるPET、塩素及びその他の成分の重量を測定するとともに、それらの転換率を算出し、表1に示した。
一方、上記脱塩・液化工程により生成された脱塩残渣26と、膨張したABS27と、炭化水素系ポリマー(PS、PP及びPE)の液化油18とを520℃に加熱した加熱炉32に約10分間の滞留時間で熱分解した。上記熱分解工程で得られた油蒸気を350℃の凝縮槽16に供給して、重質油を凝縮して液化し、第2揮発分と分離した。残渣(加熱炉の炉本体33に残った固体残渣)と第2揮発分をそれぞれ回収し、これらに含まれるPET、塩素及びその他の成分の重量を測定するとともに、それらの転換率を算出し、表1に示した。
Figure 2005105223
<評価>
表1から明らかなように、脱塩・液化工程では、PVCが300℃と低温であっても98.33%と略全量分解でき、この分解した塩素を塩化水素として除去できた。また脱塩・液化工程では、88%と多くのPETを液化油として分離・回収できた。
一方、熱分解・凝縮工程では、塩素とPETを除いたその他の成分(炭化水素系ポリマー)は大部分(95.52%)が第2揮発分に転換され、この第2揮発分は軽質油であることを確認できた。また第2揮発分に含まれるPETの分解物は0.10%と非常に少なかった。この結果、高温熱分解揮発分系の閉塞や腐食を抑制できるとともに、PETの熱分解により生成される結晶性有機酸の固形分をガス状の軽質油から分離する工程を省略できる。
なお、本発明の装置、即ち油浴槽を凝縮槽により包囲した装置では、凝縮槽を油浴槽とは別に設けかつ油浴槽をジャケット槽(熱媒体として重質油を貯留)により包囲し更にジャケット槽内の重質油を凝縮槽の重質油及び加熱炉の排ガスより加熱した装置と比較して、熱効率が約10%向上した。
本発明実施形態の廃プラスチックの処理装置を示す断面構成図である。 図1のA−A線断面図である。
符号の説明
11 廃プラスチック
13 油浴槽
13a 取出し口
13b 油排出口
14 撹拌羽根
16 凝縮槽
17 エステル系ポリマーの液化油
18 炭化水素系ポリマーの液化油
26 脱塩残渣
27 液化しない廃プラスチック
32 加熱炉
33 炉本体
38 凝縮槽内の油

Claims (3)

  1. 塩素系ポリマーとエステル系ポリマーと炭化水素系ポリマーを含む廃プラスチック(11)と油とを貯留する油浴槽(13)と、
    前記油浴槽(13)中に設けられ前記油浴槽(13)内の油を上下対流を生じないように撹拌する撹拌羽根(14)と、
    前記油浴槽(13)の上部に設けられ前記油に浮上する脱塩残渣(26)、液化しない廃プラスチック(27)及び炭化水素系ポリマーの液化油(18)を取出す取出し口(13a)と、
    前記油浴槽(13)の下部に設けられ前記油に沈降するエステル系ポリマーの液化油(17)を排出する油排出口(13b)と、
    前記油浴槽(13)の取出し口(13a)より取出された前記脱塩残渣(26)、前記液化しない廃プラスチック(27)及び前記炭化水素系ポリマーの液化油(18)を400〜550℃の温度に加熱し熱分解して油蒸気を生成する加熱炉の炉本体(33)と、
    前記油浴槽(13)を包囲して設けられかつ油(38)が貯留され前記油蒸気を300〜400℃まで降温させるとともに前記油浴槽(13)内の油を280〜320℃の温度に維持する凝縮槽(16)と
    を備えた廃プラスチックの処理装置。
  2. 凝縮槽(16)内の油(38)がオーバフローして油浴槽(13)に供給されるように構成された請求項1記載の廃プラスチックの処理装置。
  3. 請求項1又は2記載の油浴槽(13)を包囲して設けられた凝縮槽(16)で油蒸気を300〜400℃まで降温させて液状の重質油とガス状の軽質油とを製造する方法。
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