JP2005105222A - 再帰反射用微小球、再帰反射性塗料及び再帰反射性印刷物 - Google Patents

再帰反射用微小球、再帰反射性塗料及び再帰反射性印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】 拡散光(日光等)の条件下では通常の印刷と同様に任意の色彩を表現することができ、夜間など再帰反射の条件下においては高い再帰反射性能を発揮することのできる再帰反射性塗料、その材料となる再帰反射用微小球、及びそれによる再帰反射性印刷物を提供する。
【解決手段】 球径が35μm〜300μmであって屈折率が1.3以上の透明微小球と、前記透明微小球の表面の30〜70%を被覆し、透光性を有する金属化合物製の反射層とから再帰反射用微小球を構成する。これを着色印刷樹脂に加えることにより再帰反射性塗料を得ることができる。また再帰反射性塗料を媒体に印刷して再帰反射性印刷物を得ることができ、さらに媒体に印刷された塗料の表面上に再帰反射用微小球層を設けることによっても再帰反射性印刷物を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上方からの入射光を入射方向に反射する再帰反射材のために使用される再帰反射用微小球、これを含む再帰反射性塗料及び再帰反射性印刷物に関し、さらに詳しくは再帰反射の条件下においては再帰反射性能を発揮し、かつ日光等の拡散光が当たった条件下では任意の色彩を呈することのできる再帰反射用微小球、再帰反射性塗料及び再帰反射性印刷物に関する。本発明に係る再帰反射性インキ及び再帰反射性印刷物はシルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等を利用した衣料用プリント、パッケージ印刷、セキュリティ印刷、シール印刷等に応用される。
夜間など暗所において人の注意を引き、安全性や広告効果を高めたりするために再帰反射材が利用されている。再帰反射材は通常、シート状であって物体の表面に貼付されて使用されるが、切り張りする等の手間を要する。そこで物体の表面に塗布するだけで再帰反射性能を発揮する再帰反射性塗料が提案されている。従来、さまざまな再帰反射性塗料が提案されてきたが、これらのものは特に再帰反射性能とファッション性との均衡が課題となっていた。
特開2000−303011に記載の再帰反射性塗料は、例えば屈折率1.93の透明ガラス微小球とマイカと着色印刷樹脂とを含んで構成されている。このような再帰反射性インキは、拡散光の条件下では通常の印刷と同様の色彩を得ることができるが、再帰反射性能は極めて低いものであった。例えばガラス微小球単体の反射輝度(JIS Z9117-1984)10cd/lxm2のものを使用しても、印刷後の反射輝度は5cd/lxm2以下の数値に留まっていた。透明ガラス微小球の配合比率を増やすことにより反射性能を上げようとしても、最終製品としての堅牢度が低下していた。特開昭53−17643には、再帰反射性能の高い塗料として、通常のガラス微小球の表面に30〜80%のアルミ蒸着を被覆した半球アルミ蒸着微小球を配したものが開示されている。しかし半球アルミ蒸着微小球が褐色のため任意の色彩を表すことができず、意匠性やファッション性に欠けていた。半球アルミ蒸着微小球の配合比率を下げれば任意の色彩を表現できるが、再帰反射性能は低下した。
特開2000−303011 特開昭53−17643
よって本発明の目的は、拡散光(日光等)の条件下では通常の印刷と同様に任意の色彩を表現することができ、夜間など再帰反射の条件下においては高い再帰反射性能を発揮することのできる再帰反射性塗料、その材料となる再帰反射用微小球、及びこれを含む再帰反射性印刷物を提供することにある。
上記の課題を解決するために本発明は、球径が35μm〜300μmであって屈折率が1.3以上の透明微小球と、前記透明微小球の表面の30〜70%を被覆し、透光性を有する金属化合物製の反射層とからなるように再帰反射用微小球を構成した。このような再帰反射用微小球においては、光は反射層の設けられていない微小球表面から侵入し、微小球の内部を透過して反射層に達する。一部の光は反射層を通り抜けて微小球の外部へと透過するが、一部の光は反射され、再度微小球の内部を透過して反射層の設けられていない微小球表面から外部へと達するので、再帰反射することになる。これにより、例えば50cd/lxm2のような従来のものよりそのもの自体の再帰反射性能が高く、かつ色彩を呈しない微小球を得ることができる。従ってこの再帰反射用微小球を着色印刷樹脂に含有させれば、鮮やかな色彩と高い再帰反射性能とを併せ持つ再帰反射性塗料を製造でき、これを媒体の表面の少なくとも一部に塗布することにより再帰反射性印刷物を得ることができる。また、媒体に印刷された塗料の表面上に再帰反射用微小球層を設けることによっても再帰反射性印刷物を得ることができる。透光性を有する金属化合物は、通常無色透明であるが、有色の場合もある。
再帰反射用微小球の反射層は、好ましくは35nm〜50nmの最大厚さの単層からなる。反射層を形成するための金属化合物は、好ましくは酸化チタン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫化亜鉛、フッ化マグネシウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれた一つである。透明微小球はガラス製でも樹脂製でもよいが、球径が35μm〜300μmであって屈折率が1.3以上であることを要する。
反射層は、合わせて200nm〜600nmの最大厚さの多層であってもよい。透明な金属化合物の層を積層すると、層間において屈折による干渉色が生じ、反射光が虹色(多変色)を呈する新しい視覚的効果を有する再帰反射性塗料を得ることができる。積層する金属化合物は、好ましくは酸化チタン、硫化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、ジルコニア、アルミナ、酸化マグネシウム、及びこれらの混合物からなる群から選ばれた2つ以上である。
再帰反射性塗料には、さらに反射顔料を含ませることができる。これにより、反射層を透過した光が反射して再帰反射用微小球に戻るので、さらに再帰反射性能を向上させることができる。反射顔料は、好ましくはパール紛体、有色パール紛体、アルミニウム紛体、マイカからなる群から選ばれた1つ以上である。
媒体に印刷された通常の塗料の表面上に再帰反射用微小球からなる再帰反射用微小球層を設けることによっても再帰反射性印刷物を得ることができる。この再帰反射用微小球層は、例えば塗料を印刷後、表面が固化しきらないうちに、あるいは表面を軟化させて、再帰反射用微小球を平滑に散布することにより形成することができる。さらに上層には透明なコーティング層などを設けてもよい。このような構成によると、再帰反射用微小球を着色印刷樹脂等が覆わないので、光の屈折軌道が影響されることがなく、高い再帰反射性能を得ることができる。塗料にはパール紛体、有色パール紛体、アルミニウム紛体、マイカからなる群から選ばれた1つ以上の反射顔料を含有させることができ、これにより再帰反射性能を向上させることができる。
以上のように本発明に係る再帰反射用微小球、再帰反射性塗料及び再帰反射性印刷物によると、通常光の条件下において鮮やかかつ任意の色彩を表現することができ、かつ再帰反射の条件下では十分な反射輝度を実現することができる。
以下、本発明に係る再帰反射用微小球、再帰反射性塗料及び再帰反射性印刷物を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下の説明は発明をより深く理解するためのものであって、特許請求の範囲を限定するためのものではない。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る再帰反射用微小球の第1の実施の形態の構造を示す拡大断面図である。図1及び以下の図においては、説明の便宜のために、再帰反射用微小球の大きさや各層の厚さは、他の層の厚さ等に対して必ずしも正確な比率で図示されてはおらず、説明のために厚くしたり薄くしたりしている場合がある。
図1において、第1の実施の形態に係る再帰反射用微小球101は上方から順にガラスビーズ球11と反射層12とから構成されている。反射層12は酸化チタン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫化亜鉛、フッ化マグネシウム等の透光性を有する金属化合物製である。反射層12の最大厚みは35nm〜50nmの範囲がもっとも好ましい。
このような構成を有する再帰反射用微小球101はさまざまな方法で製造可能である。図3に再帰反射用微小球101の製造方法を示す。この方法は、本願発明の出願人の出願に係る特許第3432507号の実施方法を応用したものである。図3に示すように、基礎となる樹脂フイルム製または紙製の基材シート14の表面にガラスビーズ固定樹脂13を塗工する。ガラスビーズ固定樹脂13が固化する前に、ガラスビーズ球11を散布し、所望の深さに一部を埋没させる。ガラスビーズ球11の露出している部分に酸化チタン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫化亜鉛、フッ化マグネシウム等の透光性を有する金属化合物を、最も厚みのある部分の厚さが35nm〜50nmになるように蒸着被覆する。
ガラスビーズ球11がガラスビーズ固定樹脂13から露出している割合、すなわちガラスビーズ球11の全表面のうち反射層12が被覆されている割合は、多くの入射光を捕らえるためにガラスビーズ球11の半球(表面の50%)が望ましい。反射層12がガラスビーズ球11の表面の70%以上を覆うと光の入射角が狭まりすぎて再帰反射性能が著しく低下し、また30%以下とすると反射角が狭まりすぎて再帰反射性能が低下する。
金属化合物を蒸着被覆した後、ブラッシング洗浄して基材シート14及びガラスビーズ固定樹脂13から反射層12が蒸着被覆されたガラスビーズ球11を分離する。同時に各ガラスビーズ球11は相互に分離するので、図1に示すような再帰反射用微小球101を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図2において、第2の実施の形態に係る再帰反射用微小球102は上方から順にガラスビーズ11と反射層12とから構成されている。反射層12は酸化チタン、硫化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、ジルコニア、アルミナ、酸化マグネシウム等の透光性を有する金属化合物を積層して構成されている。反射層12の最大厚みは200nm〜600nmの被覆膜厚がもっとも好ましい。
図4に再帰反射用微小球102の製造方法を示す。基礎となる樹脂フイルム製または紙製の基材シート14の表面にガラスビーズ固定樹脂13を塗工し、ガラスビーズ球11を散布して一部を埋没させ、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、ジルコニア、アルミナ、酸化マグネシウム等の透光性を有する金属化合物を一種ずつ複数回に分けて、合わせて200nm〜600nmの厚さになるまで蒸着積層被覆する。ガラスビーズ球11の表面のうち被覆されている割合はほぼ50%が望ましく、30〜70%の範囲が好ましい。
金属化合物を蒸着被覆した後、ブラッシング洗浄して基材シート14及びガラスビーズ固定樹脂13から反射層12が蒸着被覆されたガラスビーズ球11を分離する。同時に各ガラスビーズ球11は相互に分離するので、図2に示すような再帰反射用微小球102を得ることができる。
再帰反射用微小球101及び/または102は、反射層12の設けられていない部分から入射した光を屈折させ、反射層12により反射し、入射してきた方向に屈折させることにより再帰反射する。また再帰反射用微小球102の反射層12は多層であるため、層間において屈折による干渉色が生じ、反射光が虹色(多変色)を呈するという視覚的効果を奏する。かつ反射層12は透光性を有するので、拡散光の条件下において再帰反射用微小球101及び/または102の下方の物の色彩に影響を与えることがない。
(第3の実施の形態)
図5は、再帰反射用微小球101及び/または102を、着色印刷樹脂16に混合して構成された塗料を媒体15の表面上に印刷した印刷物を示す。再帰反射用微小球101及び/または102が印刷面の上に露出していると、外部から侵入してきた光を再帰反射することができる。再帰反射用微小球102を使用した場合にはさらに干渉色を兼ね備えた印刷物を製作することができる。
(第4の実施の形態)
図6は、再帰反射用微小球101及び/または102と着色印刷樹脂16に加えて、反射顔料17を混合して構成された塗料を媒体15の表面上に印刷した印刷物を示す。反射顔料17はパール紛体、有色パール紛体、アルミニウム紛体、マイカ等である。これにより、ガラスビーズ球11に侵入して反射層12を通り抜けた光を反射顔料17により反射することができ、より高い再帰反射性能を得ることができる。
(第5の実施の形態)
図7は、媒体15に印刷された着色印刷樹脂16の表面に、再帰反射用微小球101及び/または102の層を構成した印刷物を示す。このような印刷物は、着色印刷樹脂16を塗布し、表面が固化しないうちに再帰反射用微小球101及び/または102を撒布し、一部を埋没させて構成される。このような印刷物においては、再帰反射用微小球101及び/または102が印刷物の表面に露出しており、埋没しているものがないので、高い再帰反射性能を奏することができる。
(第6の実施の形態)
図8は、パール紛体、有色パール紛体、アルミニウム紛体、マイカ等の反射顔料17を含んだ着色印刷樹脂16を媒体15に印刷し、その表面に、再帰反射用微小球101及び/または102の層を構成した印刷物を示す。これにより、ガラスビーズ球11に侵入して反射層12を通り抜けた光を反射顔料17により反射することができ、より高い再帰反射性能を得ることができる。
以下、本発明に係る再帰反射用微小球、再帰反射性塗料及び再帰反射性印刷物の実施例について説明する。
(実施例1)
基礎となる厚さ100μmのPETフイルム(ユニチカ株式会社製、EMBLET)の上面にコンマコーターによりポリビニルアルコール(PVA)樹脂(信越化学工業株式会社製、PA-05)を塗工して厚さ約18μmの被覆層を形成し、その上にガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M、屈折率1.92、粒径38〜53μm)を散布し、ガラスビーズ球の下半球をポリビニルアルコール(PVA)樹脂中に埋没させ、100℃で約6分間乾燥させた。
ガラスビーズ球が埋没された表面に、蒸着機にて最大約360Åの厚さになるように硫化亜鉛(ZnO2)を蒸着して反射層を形成した後、蒸留水及び水道水を溜めた水槽の中に通してポリビニルアルコール樹脂を水で溶解してPETフイルムとガラスビーズ球とを分離させ、ガラスビーズ球を取り出して乾燥させることにより実施例1の再帰反射用微小球を得た。
(実施例1を使用した塗料及び印刷物実施例1)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)50部;実施例1の再帰反射用微小球40部;白色の着色顔料(山陽色素株式会社製、K-color)5部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合して塗料を作成し、これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)して印刷物実施例1を得た。
(印刷物比較例1及び2)
実施例1の再帰反射用微小球の代わりに、半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)40部及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)40部を配合し、それ以外は印刷物実施例1と同じ手順で塗料及びこれをシルクスクリーンプリントして、それぞれ印刷物比較例1及び2を得た。
実施例1の再帰反射用微小球;アルミ半球蒸着ガラスビーズ;透明ガラスビーズそれぞれを混合した印刷物について、反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は、実施例1の再帰反射用微小球を使用した印刷物実施例1が約30cd/lxm2であったのに対し、アルミ半球蒸着ガラスビーズを使用した印刷物比較例2が約40cd/lxm2、透明ガラスビーズを使用した印刷物比較例1が約5cd/lxm2であった。つぎに通常光での外観色を確認した。その結果、実施例1の再帰反射用微小球を使用した印刷物実施例1及び透明ガラスビーズを使用した印刷物比較例2では配合した色彩と同様の白色を呈したが、アルミ半球蒸着ガラスビーズを使用した印刷物比較例1はアルミ色と混色してグレー色となり任意の色彩を得られないことが分かった(表1)。
(実施例1を使用した塗料及び印刷物実施例2)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)45部;実施例1の再帰反射用微小球35部;着色顔料(山陽色素株式会社製、K-color)5部;パール紛体(日本光研株式会社製、MF-100R)10部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合し塗料を作成した。これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)して印刷物実施例2を得た。
(印刷物比較例3及び4)
半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)35部及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)35部を実施例1と入れ替えた他は印刷物実施例2と同手順により、それぞれ印刷物比較例3及び4を得た。
印刷物実施例2と、印刷物比較例3及び4との反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は印刷物実施例2が約50cd/lxm2、印刷物比較例3が約40cd/lxm2、印刷物比較例4が約10cd/lxm2であった。通常光での外観色の比較は、印刷物実施例1と同じ結果となった(表1)
(印刷物実施例3)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)80部;着色顔料(山陽色素株式会社製、K-color)15部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合し塗料を作成した。これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)し、印刷表面がウエットの間に、印刷表面上に実施例1の再帰反射用微小球を散布し、埋没させ、乾燥して印刷物実施例3を得た。
(印刷物比較例5及び6)
半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)を実施例1と入れ替えた他は同じ手順によりそれぞれ印刷物比較例5及び6を得た。
印刷物実施例3と、印刷物比較例5及び6とについて、再帰反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は印刷物実施例3が約50cd/lxm2、印刷物比較例5が約70cd/lxm2、印刷物比較例6が約10cd/lxm2となった。通常光での外観色を比較すると、印刷物実施例3と印刷物比較例6では配合した色彩と同様の白色を呈したが、印刷物比較例5ではアルミ色がそのまま現れて濃いグレー色を呈し、任意の色彩が得られないことが判明した(表1)。
(印刷物実施例4)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)70部;着色顔料(山陽色素株式会社製、K-color)10部;パール紛体(日本光研株式会社製、MF-100R)15部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合し塗料を作成した。これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)し印刷表面がウエットの間に実施例1の再帰反射用微小球を散布し、埋没させ、乾燥して印刷物実施例4を得た。
(印刷物比較例7及び8)
半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)を実施例1の再帰反射用微小球と入れ替えた以外は同じ手順により、それぞれ印刷物比較例7及び8を得た。
印刷物実施例4と、印刷物比較例7及び8との反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は印刷物実施例4は約70cd/lxm2、印刷物比較例7は約70cd/lxm2、印刷物比較例8は約25cd/lxm2となった。通常光での外観色は、上述の各比較と同様の結果であった(表1)。
Figure 2005105222
(実施例2)
基礎となる厚さ100μmのPETフイルム(ユニチカ株式会社製、EMBLET)の上面にコンマコーターによりポリビニルアルコール(PVA)樹脂(信越化学工業株式会社製、PA-05)を塗工して厚さ約18μmの被覆層を形成し、その上にガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M、屈折率1.92、粒径38〜53μm)を散布し、ガラスビーズ球の下半球をポリビニルアルコール(PVA)樹脂中に埋没させ100℃で約6分間乾燥させた。
ガラスビーズ表面に蒸着機にて最大約58nmの厚さになるように硫化亜鉛(ZnO2)を蒸着し、さらにその上にフッ化マグネシウム(MgF2)を約 100nmの厚さに蒸着し、さらにその上に硫化亜鉛(ZnO2)を約 58nmの厚さに蒸着して多層の反射層を形成した。これを蒸留水及び水道水の溜まった水槽の中に通し、ポリビニルアルコール樹脂を水で溶解してPETフイルムと蒸着ガラスビーズ球を分離させ、蒸着ガラスビーズ球を取り出して乾燥させることにより実施例2の再帰反射用微小球を生成した。
(実施例2を使用した塗料及び印刷物実施例5)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)50部;実施例2の再帰反射用微小球40部;着色顔料(白色、山陽色素株式会社製、K-color)5部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合し塗料を作成した。これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)して印刷物実施例5を得た。
(印刷物比較例9及び10)
半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)40部及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)40部を、実施例2の再帰反射用微小球と入れ替えて、同様の手順にて印刷物比較例9及び10を得た。
印刷物実施例5と、印刷物比較例9及び10との反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は、印刷物実施例5は約30cd/lxm2、印刷物比較例9は約40cd/lxm2、印刷物比較例10は約5cd/lxm2となった。反射光の光については、印刷物実施例5は角度を変える度に干渉色が確認できたが、印刷物比較例9及び10ではどの角度からも通常の光であった。通常光での外観色は、印刷物実施例5及び印刷物比較例10は配合した色彩と同様の白色を呈したが、印刷物比較例9はアルミ色と混色してグレー色となり、任意の色彩がだせないことがわかった(表2)。
(印刷物実施例6)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)45部;実施例2の再帰反射用微小球35部;着色顔料(山陽色素株式会社製、K-color)5部;パール紛体(日本光研株式会社製、MF-100R)10部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合し塗料を作成した。これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)して、印刷物実施例6を得た。
半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)35部及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)35部を実施例2の再帰反射用微小球と入れ替えた以外は同じ手順にて、それぞれ印刷物比較例11及び12を得た。
印刷物実施例6と印刷物比較例11及び12との反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は印刷物実施例6が約50cd/lxm2;印刷物比較例11が約40cd/lxm2;印刷物比較例12が約10cd/lxm2となった。また印刷物実施例6では干渉色が見られた。通常光での外観光は、印刷物実施例5、印刷物比較例9及び10についての結果と同様だった(表2)。
(印刷物実施例7)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)80部;着色顔料(山陽色素株式会社製、K-color)15部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合し塗料を作成した。これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)し、印刷表面がウエットの間に実施例2の再帰反射用微小球を散布し、埋没させ、乾燥させることにより印刷物実施例7を得た。
(印刷物比較例13及び14)
半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)と実施例2の再帰反射用微小球とを入れ替えた他は同じ手順にて、それぞれ印刷物比較例13及び14を得た。
印刷物実施例7と印刷物比較例13及び14との反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は印刷物実施例7が約50cd/lxm2;印刷物比較例13が約70cd/lxm2;印刷物比較例14が約10cd/lxm2となった。また印刷物実施例7は干渉色が見られた。通常光での外観光は、印刷物実施例5、印刷物比較例9及び10についての結果と同様だった(表2)。
(印刷物実施例8)
ポリウレタン樹脂(ハニー化成株式会社製、P-977)70部;着色顔料(山陽色素株式会社製、K-color)10部;パール紛体(日本光研株式会社製、MF-100R)15部;硬化剤(ハニー化成株式会社製、U-237)5部を混合し塗料を作成する。これをシルクスクリーンプリント(800メッシュのスクリーン紗)し印刷表面がウエットの間に実施例2の再帰反射用微小球を散布し、埋没させ、乾燥することにより印刷物実施例8を得た。
(印刷物比較例15及び16)
半球アルミ蒸着被覆ガラスビーズ球(住友スリーエム株式会社製、8010)及びガラスビーズ球(株式会社ユニオン製、UB-13M)と実施例2の再帰反射用微小球とを入れ替えた他は同じ手順にて、それぞれ印刷物比較例15及び16を得た。
印刷物実施例8と印刷物比較例15及び16との反射性能及び通常光での外観色を比較した。反射性能は印刷物実施例8が約70cd/lxm2;印刷物比較例15が約70cd/lxm2;印刷物比較例16が約25cd/lxm2となった。また印刷物実施例8では干渉色が見られた。通常光での外観光は、印刷物実施例5、印刷物比較例9及び10についての結果と同様だった(表2)。
Figure 2005105222
図1は、本発明に係る再帰反射用微小球の第1の実施の形態を、反射層の一部を切り欠いて示す正面図である。 図2は、本発明に係る再帰反射用微小球の第2の実施の形態を、反射層の一部を切り欠いて示す正面図である。 図3は、図1に示した実施の形態の製造過程を説明する図である。 図4は、図2に示した実施の形態の製造過程を説明する図である。 図5は、本発明に係る再帰反射性印刷物の第3の実施の形態を、各層の一部を切り欠いて示す正面図である。 図6は、本発明に係る再帰反射性印刷物の第4の実施の形態を、各層の一部を切り欠いて示す正面図である。 図7は、本発明に係る再帰反射性印刷物の第5の実施の形態を、各層の一部を切り欠いて示す正面図である。 図8は、本発明に係る再帰反射性印刷物の第6の実施の形態を、各層の一部を切り欠いて示す正面図である。
符号の説明
11 ガラスビーズ球
12 反射層
13 ガラスビーズ固定樹脂
14 基材シート
15 媒体
16 着色印刷樹脂
17 反射顔料

Claims (12)

  1. 球径が35μm〜300μmであって屈折率が1.3以上の透明微小球と、前記透明微小球の表面の30〜70%を被覆し、透光性を有する金属化合物製の反射層とからなることを特徴とする再帰反射用微小球。
  2. 前記反射層は、35nm〜50nmの最大厚さの単層からなる請求項1に記載の再帰反射用微小球。
  3. 前記金属化合物は、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫化亜鉛、フッ化マグネシウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれた一つである請求項1または2に記載の再帰反射用微小球。
  4. 前記反射層は、合わせて200nm〜600nmの最大厚さの多層である請求項1に記載の再帰反射用微小球。
  5. 前記金属化合物は、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、ジルコニア、アルミナ、酸化マグネシウム、及びこれらの混合物からなる群から選ばれた2つ以上である請求項1または4に記載の再帰反射用微小球。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の再帰反射用微小球と着色印刷樹脂とを含むことを特徴とする再帰反射性塗料。
  7. さらに反射顔料を含む請求項6に記載の再帰反射性塗料。
  8. 前記反射顔料は、パール紛体、有色パール紛体、アルミニウム紛体、マイカからなる群から選ばれた1つ以上である請求項7に記載の再帰反射性塗料。
  9. 請求項6ないし8のいずれかに記載の再帰反射性塗料により媒体の表面の少なくとも一部を印刷したことを特徴とする再帰反射性印刷物。
  10. 媒体に印刷された塗料の表面上に、請求項1ないし5のいずれかに記載の再帰反射用微小球からなる再帰反射用微小球層を設けたことを特徴とする再帰反射性印刷物。
  11. 前記塗料には、反射顔料を含む請求項10に記載の再帰反射性印刷物。
  12. 前記反射顔料は、パール紛体、有色パール紛体、アルミニウム紛体、マイカからなる群から選ばれた1つ以上である請求項11に記載の再帰反射性印刷物。
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