JP2005105058A - 流動性改質剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塩水溶液、酸性水溶機或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に対しても優れたチキソトロピー性と高粘性とを示す流動性改質剤を提供する。
【解決手段】 バーミキュライトの酸処理物からなり、全F含量が1000ppm未満であると共に、10重量%食塩水中に分散させたとき、せん断速度が0〜760/sでのヒステリシス曲線(25℃)から算出されるゲル化仕事率が5mW/g以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、バーミキュライトの酸処理物からなる流動性改質剤に関するものであり、より詳細には、塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒中でもチキソトロピー性と高粘性とを示し、特に化粧品用填剤として有用な流動性改質剤に関するものである。
一般に、肌に付けて手で引き伸ばすファンデーションなどのメイクアップ化粧品は、肌に付けたときに垂れ落ちないように高粘性であることが要求され、且つ手で容易に薄く引き伸ばすことができるように高いチキソトロピー性を有していることが望まれる。このような流動性を付与するための流動性改質剤としては、スメクタイト族粘土鉱物などが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許第2780778号
スメクタイト群粘土鉱物は、一般に、SiO四面体シート−(MgまたはAl)O八面体シート−SiO四面体シートからなる単位層を基本構造とし、その積層層間にNaやKイオンが存在している。このようなスメクタイト粘土鉱物を水と混合すると、基本層同士の間に水が入って膨潤するが、攪拌するとやがて基本層がバラバラに分散し、流動状態となる。これを静置すると、基本層同士のクーロン力による吸引反発により、いわゆるカードハウス構造が形成され、ゲル化して高度に増粘した状態となる。即ち、一定のせん断速度を加えると増粘した状態から流動状態に、せん断速度を取り去ると流動状態から増粘した状態に復帰させることができる。従って、スメクタイト粘土鉱物の水分散液は、非ニュートン流体の挙動を示し、せん断速度に対してせん断応力をプロットすると、ヒステリシス曲線が得られ、この曲線の面積が単位体積あたりの構造破壊に要した仕事率となる。この仕事率を添加剤の単位質量あたりに換算した値を、ここでは便宜上ゲル化仕事率とする。ニュートン流体では、このような曲線は得られず、単なる直線となる。スメクタイト粘土鉱物の水分散液は、上記のゲル化仕事率が大きく、従って水に対しては、大きな増粘作用とチキソトロピー付与作用を示すのである。
しかしながら、スメクタイト粘土鉱物は、水に対しては、上記のような流動性改質作用を示すとしても、塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に対しては、このような流動性改質効果は著しく小さいという欠点がある。即ち、スメクタイト粘土鉱物の流動性改質作用は、基本層同士のクーロン力によって形成されたカードハウス構造が増粘性を発現することによるものであり、電解質液中では、イオンの存在により、カードハウス構造が形成されず、この結果、流動性改質作用がほとんど示されないのである。しかも、化粧品などは、一般に、pH調整などのために各種の塩を含有しているため、スメクタイト粘土鉱物は、化粧品などに流動性改質剤として使用するのは適当でない。またプロトン性有機溶媒中でも、同様にカードハウス構造が形成されず、この結果、流動性改質作用がほとんど示されないのである。
従って本発明の目的は、塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に対しても優れたチキソトロピー性と高粘性とを示す流動性改質剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、化粧品用填剤として特に有用な流動性改質剤を提供することにある。
本発明によれば、バーミキュライトの酸処理物からなり、全F含量が1000ppm未満であると共に、10重量%食塩水中に分散させたとき、せん断速度が0〜760/sでのヒステリシス曲線(25℃)から算出されるゲル化仕事率が5mW/g以上であることを特徴とする流動性改質剤が提供される。
本発明の流動性改質剤においては、
1.イオン交換水中に分散させたとき、せん断速度が0〜760/sでのヒステリシス曲線(25℃)から算出されるゲル化仕事率が15mW/g以上であること、
2.白色度が85%以上、BET比表面積が100乃至600m/g、シリカ(SiO換算)含量が82重量%以上、OH基量が5mmol/g以上であり、且つ110℃乾燥物における灼熱減量(1050℃)が4.0乃至8.0重量%の範囲にあること、
3.化粧品原料基準のフッ素試験法により測定したF含量が30ppm未満で且つ化粧品原料基準の重金属試験法により測定したPb換算での重金属含量が30ppm未満であること、
が好適である。
即ち、本発明の流動性改質剤は、全F含量が1000ppm未満となるように強度の酸処理が行われた酸処理物であるため、水に対しては勿論のこと、食塩水の如き塩水溶液、フタル酸塩標準液の如き酸性水溶液或いはエタノールの如き会合し得るプロトン性有機溶媒に対しても大きなゲル化仕事率を示し、高粘性で且つ優れたチキソトロピー性を付与することができる。しかも、酸処理によって着色成分が除去され、高い白色度を示す、特に化粧品原料基準の試験法により測定したF含量や重金属含量が30ppm未満まで低減されたものは、化粧品用の填剤として極めて有用である。
本発明の流動性改質剤は、バーミキュライトの酸処理物からなるものであり、基本的には、非晶質シリカの薄層が積層された劈開性粒子構造を有しており、このような粒子構造に起因して、水に対してはスメクタイト粘土鉱物と同等の流動性改質作用を示すばかりか、塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に対しても優れた流動性改質作用を示す。
例えば、図3は、本発明の流動性改質剤(実施例1)及びスメクタイト粘土鉱物(比較例1)を、それぞれ、イオン交換水に分散させた液について、せん断速度を0〜760/sで変化させて測定した粘度ヒステリシス曲線を示すものである。何れもその面積は大きく、従って、両者は共に高いゲル化仕事率を示す。即ち、本発明の流動性改質剤は、水に対しては、上記の曲線の面積から算出されるゲル化仕事率は27mW/gである。
また、図4は、本発明の流動性改質剤(実施例1)及びスメクタイト粘土鉱物(比較例1)を、それぞれ、10重量%食塩水に分散させた液について測定した粘度ヒステリシス曲線を示すものである。この図4から明らかなように、スメクタイト粘土鉱物では、その面積は著しく小さく、その面積から算出されるゲル化仕事率が−2mW/g程度であるのに対し、本発明の流動性改質剤、即ちバーミキュライトの酸処理物は、その面積はスメクタイト粘土鉱物に比して大きく、その面積から算出されるゲル化仕事率は、30mW/gであり、食塩水のような塩水溶液、酸性水溶液或いはエタノールのような会合し得るプロトン性有機溶媒に対しても優れた流動性改質作用、即ち高粘性で且つ高いチキソトロピー性を付与する。
このように、スメクタイト粘土鉱物が塩水溶液に対しては、先にも述べたように、クーロン力によるカードハウス構造が形成されないため、ゲル化仕事率が著しく小さく、流動性改質作用をほとんど示さないが、本発明の流動性改質剤は、塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に対してもゲル化仕事率が高く、極めて高い流動性改質作用を示す。その理由は、明確に解明されたわけではないが、本発明者等は次のように推定している。
即ち、本発明の流動性改質剤を構成するバーミキュライトの酸処理物粒子の一面を垂直方向から撮影した電子顕微鏡写真を示す図1、及びこの粒子の断面の電子顕微鏡写真を示す図2を参照されたい。これら図1及び図2から明らかな通り、この粒子は、非晶質シリカからなる薄層同士が小さい間隙を置いた状態で積層され、且つ面方向に延びており、この結果として劈開性を示す。このような粒子を水や塩水溶液など三次元的に強い水素結合を形成できる溶媒に混合した場合、非晶質シリカの薄層間に溶媒が浸入した状態で分散し、流動状態となる。しかるに、かかる非晶質シリカの薄層表面には、強度の酸処理によって多数のOH基が存在しているため、これを静置すると、非晶質シリカ薄層同士が溶媒を介して水素結合することによって、カードハウスに類似の構造が形成され、この結果、ゲル化して高度に増粘した状態となる。即ち、クーロン力によらず、水素結合によりカードハウスに類似の結合が形成されるため、水は勿論のこと、塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に対しても、極めて高いゲル化仕事率を示し、優れた流動性改質作用を示すものと信じられる。
ここで、会合し得るプロトン性有機溶媒としては、グリコール、グリセリン、アミノアルコール、ヒドロキシアミン、カルボン酸、多価アルコール、アミド、アルコール、フェノール類、一級および二級アミン、オキシム、α位に水素原子をもつニトロ化合物とニトリルなどが挙げられる。
[バーミキュライト]
本発明の流動性改質剤の原料として使用されるバーミキュライト(vermiculite)は、バーミキュライト群粘土鉱物あるいは雲母群粘土鉱物に分類される加水雲母を主成分とする鉱物であり、ひる石とも呼ばれている。この鉱物を一定温度以上に急熱すると、面指数(001)の面に垂直な方向(C軸方向)に著しく延び、蛭に似た形態になるのが名前の由来となっている。このバーミキュライトには、基本的に下記式(1)で表わされる化学構造を有する3八面体型のものと、下記式(2)で表わされる化学構造を有する2八面体型のものとがあり、何れも使用することができるが、劈開性が大きく、より大きな流動性改質作用が得られるという点で3八面体型のものが好適である。
{E0.6〜0.8・4〜5HO}(Mg,Fe3+,Fe2+,Al)
・[Si,Al]10(OH) …(1)
{E0.6〜0.8・nHO}(Al,Fe,Mg)・[Si,Al]
・O10(OH) …(2)
尚、上記式中、Eは層間イオンであり、主としてKやMgからなる。
また、バーミキュライトの化学的組成は、産地等によっても相違するが、代表的な組成は以下の通りである。
SiO 35〜45重量%
Al 10〜20重量%
MgO 7〜30重量%
Fe 5〜22重量%
CaO 0〜3重量%
NaO 0〜1重量%
O 0〜10重量%
Fe以外の重金属含量(Pb,Cr,Cd等) 0.2重量%以下
F 0.5〜1.5重量%
灼熱減量(1050℃)3〜25重量%
この中で、フッ素はOH基の一部が置換されて構造に組み込まれているものである。
(製造方法)
本発明の流動性改質剤は、上記のようなバーミキュライトを直接酸処理することにより得られる。この酸処理は、全F含量が1000ppm未満、好ましくは700ppm未満となるような強度に行われることが重要である。なお、全F含量の測定方法は、試料の前処理をJIS M 8855に従って行い、得られた検液について、JIS K 0102 34.1に従って定量した値である。
このような強度な酸処理を行うことにより、シリカ薄層表面のOH基濃度が著しく高められ、水素結合による擬似カードハウス構造の形成能力が高められ、食塩等の塩水溶液やエタノールのような会合し得るプロトン性有機溶媒に対しても優れた流動性改質作用を発揮することが可能となる。
酸処理に使用される酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸の水溶液が使用され、その使用量は、バーミキュライト中のFeを含む塩基性成分に対して過剰量である。また、酸水溶液の酸濃度は、一般に、15乃至40重量%、特に
20乃至35重量%とするのがよく、酸処理温度は、10乃至110℃の範囲とするのがよい。特に処理温度の高いほうが酸水溶液の酸濃度を低くしても処理が短時間で行える。酸処理は、全F含量が上記範囲内に低減されるまで行われ、酸処理時間は、酸濃度や酸の使用量、温度等によっても異なり、一概に規定することはできないが、一般には、6乃至48時間程度である。
このようにバーミキュライトを強度に酸処理し、水洗、乾燥し、粉砕、分級することにより、図1及び図2に示すような非晶質シリカ薄層の積層体粒子からなる本発明の流動性改質剤が得られる。尚、乾燥後の焼成は避けるべきである。焼成を行うと、酸処理によって増大したOH基濃度が低下してしまい、流動性改質作用が損なわれてしまうからである。
本発明の流動性改質剤は、必要により上記のような酸処理に先立って、夾雑する脈石の分離を行うのが好ましい。この分離は、水簸、液体サイクロンなどの湿式およびサイクロン、ミクロンセパレータなどの乾式が一般に適用できる。
また、必要によりこの酸処理に先立って、膨積処理を行っても良い。バーミキュライトの膨積処理は、化学的膨積或いは熱的膨積等それ自体公知の手段で行うことができる。しかし、取扱に格段の注意を要する薬品の使用あるいは装置の付加的な設置をしてまで得られるバーミキュライト酸処理物が特段の性能向上を示すわけではない。むしろ、本発明の直接酸処理物は、簡潔な方法でコストも低減でき十分な物性の物を得ることができる。
(特徴)
本発明の流動性改質剤を構成するバーミキュライト酸処理物、即ち非晶質シリカの積層体粒子は、既に述べた通り、図1及び図2に示す粒子構造を有していることに関連して劈開性を有するが、このような劈開性(C)は、下記式(3):
C=d/d …(3)
式中、dは、積層体粒子の厚みであり、
は、積層体粒子を構成するシリカ薄層の厚みである、
により評価することができる。即ち、劈開性(C)は、非晶質シリカ粒子の断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、その写真からd及びdを測定して算出することができる。この劈開性(C)の測定は、バラツキを避けるため、無作為に抽出した10個のサンプルについて行い、その平均値を求めるのが良い。
本発明の流動性改質剤は、一般に、このような劈開性(C)が2以上と大きく、流動性改質作用が高められている。また、このように大きな劈開性を有しているため、樹脂等の媒質中に、大面積で且つ層状に分散させることができるという利点もある。
また、上記の積層体粒子における非晶質シリカ薄層(一次粒子)の厚みは薄く、一般に、0.001乃至2μm、特に0.01乃至1μmの範囲にある。さらに、非晶質シリカ薄層における面方向寸法/厚さ方向寸法で定義されるアスペクト比が25以上、特に50乃至500と極めて大きい。また、その一次粒子としての非晶質シリカ薄層は扁平な層状である。
この層状形態を保持するため、機械的粉砕は避けた方が好ましいと考えてきたが、実際に行ってみるとこの積層体からなる二次粒子の状態でも層状形態を保持することがわかった。その粒子サイズは、粉砕の程度によって大きく変動し、一概に規定することはできないが、一般に面方向の寸法が0.1μm乃至10mm、特に0.001乃至1mm程度の範囲にあることが流動特性発現および取り扱いの点で有利である。また、二次粒子の厚み方向の寸法も粉砕の程度や膨積処理の有無によって異なるが、一般に、0.001乃至2μm、特に0.01乃至1μm程度である。
また、上記のようにして得られる本発明の流動性改質剤は、酸処理によってOH基量が5mmol/g以上、特に5.5mmol/g以上に高められ、特に強度の酸処理を行ったものでは、OH基量は、6mmol/g以上にさらに高められる。このように、通常のシリカが3mmol/g程度であるのに比べてOH基量が高められている結果として、水のみならず、塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に分散させたときの水素結合による擬似カードハウス構造の形成が促進され、10重量%食塩水中に分散させたとき、せん断速度が0〜760/sでのヒステリシス曲線(25℃)から算出されるゲル化仕事率は、5mW/g以上、好ましくは10mW/g以上、更に好ましくは20mW/g以上となり、同条件でイオン交換水中に分散させたときのゲル化仕事率は、15mW/g以上、好ましくは20mW/g以上となる。
尚、上記のゲル化仕事率は、酸処理の程度を強くするほど高められる傾向がある(後述の実施例1と比較例2を参照)。
また、本発明の流動性改質剤は、強度の酸処理によって、Al、重金属やアルカリ分も著しく低減されており、シリカ(SiO換算)含量は、82重量%以上、特に85重量%以上と極めて高い。また、重金属含量が低減されている結果、白色度が高められ、白色度は85%以上、特に88%以上である。更に、バーミキュライト骨格に組み込まれていたF分も大幅に取り除かれた結果、シリカと結合し残存していると思われるF分が評価される全F含量が、著しく低減されている。
さらに、前述した積層体粒子構造を有していることに関連して、BET比表面積が100乃至600m/g、特に150乃至500m/gの範囲にあり、110℃乾燥物における灼熱減量(1050℃)は4.0乃至8.0重量%、特に5.0乃至7.0重量%の範囲にある。さらに、本発明の流動性改質剤を水に分散させたとき、非晶質シリカの薄層が積層された構造により多重反射を生じ、真珠状の光沢が観察される。
[用途]
本発明の流動性改質剤は、塗料、インキ、化粧料等に配合し、その流動性を改質し、水や塩水溶液、酸性水溶液或いは会合し得るプロトン性有機溶媒に分散させたときに粘性を高め且つチキソトロピー性を付与して作業性等を改善する用途に適用される。特に水性の塗料、インキに配合して効果的である。また、化粧品原料基準のフッ素試験法により測定したF含量(粧原基F含量)が30ppm未満で且つ化粧品原料基準の重金属試験法により測定したPb換算での重金属含量(粧原基重金属含量)が30ppm未満に低減されたものは、化粧料用の填剤として極めて有用である。
また、本発明の流動性改質剤は、そのまま、塗料、インキ、化粧料等に配合することができるが、他の無機或いは有機の表面改質剤で処理して使用に供することもできる。このような表面改質剤は、この流動性改質剤当り0.5乃至10重量%、特に1乃至5重量%の量で用いるのが良い。
無機の表面改質剤としては、エアロジル、疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグネシア、亜鉛華、酸化鉄、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、A型、P型等の合成ゼオライト及びその酸処理物もしくはその金属イオン交換物などからなる定形粒子があり、これらは、その用途に応じて、適宜ブレンドして或いはまぶして使用することができる。
また、有機の表面改質剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸、脂肪酸のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等の金属石鹸、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、シリコーンオイル、各種ワックス類、未変性乃至変性の各種樹脂(例えばロジン、石油樹脂等)等があり、その用途に応じて、このような表面改質剤を表面コートして使用に供することができる。
また、本発明の流動性改質剤が配合される塗料やインキとしては、熱硬化性樹脂塗料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコン樹脂、油性樹脂などの熱硬化性樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂からなるものが好適に使用される。
また、用いる塗料は、その用い方によって、溶剤型塗料、水性塗料、紫外線硬化型塗料、粉体塗料等の任意のものであってよい。この溶剤型塗料の有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ溶媒等の1種または2種以上を用いることができる。また、水性塗料としては、水溶液型の塗料の他、自己乳化型或いは界面活性剤乳化型の塗料が使用される。水性塗料の樹脂としては、水性媒体に水溶化された或いは自己乳化されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂或いはこれらの2種以上を組合わせて用いることができる。
本発明の流動性改質剤は、用途によっても異なるが、優れた流動性改質効果を発現させるためには、一般に1乃至50重量%程度の量で各種の塗料、インキ、化粧料等に配合すればよい。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。尚、実施例における測定方法は以下の通りである。
(1)全F含量
試料の前処理をJIS M 8855に従って行い、得られた検液について、JIS K 0102 34.1に従って定量した。
(2)粧原基F含量測定
化粧品原料基準のフッ素試験法に基づき試料中のF含量を測定した。
(3)粧原基重金属含量測定
化粧品原料基準の重金属試験法に基づき試料中の重金属含量を測定した。なお、値はPb換算での値である。
(4)粘度測定
粘度計は、Brookfield社製Cone/Plate型HBDV-II+
を用いた。プレートに所定濃度に調整した懸濁液1.0 cm3を注ぎ、図5の実線で示したシーケンスを走らせ、せん断速度とせん断応力を記録し、実線と点線の交点を読み取った。温度は、恒温槽を用い25℃一定とした。試料の添加量は、0.05g刻みで増量しつつ、計測可能上限まで測定をくりかえした。
せん断速度−せん断応力図において、せん断速度増加過程の曲線からせん断速度減少過程の曲線を差し引いて得たヒステリシス曲線面積[W/m3]を、試料濃度[g/cm3]で割り、ゲル化仕事率[mW/g]を求めた。
(5)白色度測定
JIS L−1015 7.17C法に準じて、日本電色(株)製測色色差計ZE−2000型を用いて測定した。
(6)BET比表面積
カルロエルバ社製Sorptomatic Series 1900を用いて測定を行った。比圧が0.05から0.35以下の吸着枝側窒素吸着等温線からBET法で解析した。
(7)灼熱減量とシリカ含量
JIS M 8855に準拠して測定した。なお、測定試料は110℃乾燥物を基準とする。
(8)OH基量
灼熱減量が脱水によってのみ生じたと仮定し、算出した。
(実施例1)
南ア産バーミキュライト原石1.0kgに水5.2kgと98%硫酸2.3kgを加え、95℃で20時間加熱した。次いで、ろ過、水洗、乾燥し、粉砕後分級して本発明による非晶質シリカ粒子を得た。得られたシリカの物性および流動特性を表1と2に示す。
(比較例1)
スメクタイトを主成分とする市販のベントナイトであるクニピアFをそのまま用いた。物性および流動特性を表1と2に示す。
(比較例2)
硫酸(1:1)5リットルに、南ア産バーミキュライト原石から風簸分級によって脈石を除いた原料100gを投入し、5rpmでおだやかに攪拌しながら室温で48時間処理した。処理後傾瀉水洗し、1400rpmで1分間激しく攪拌した後、ろ過、水洗、乾燥し、粉砕後74μm以下の粒分を得た。得られたシリカの物性および流動特性を表1と2に示す。
Figure 2005105058
Figure 2005105058
本発明の流動性改質剤を構成するバーミキュライト酸処理物粒子の一面を垂直方向から見た粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。 図1の粒子の断面構造を示す電子顕微鏡写真である。 実施例1及び比較例1の流動性改質剤のイオン交換水に対する粘度ヒステリシス曲線である。 実施例1及び比較例1の流動性改質剤の10重量%食塩水に対する粘度ヒステリシス曲線である。 粘度測定における経過時間と回転数の関係を示す図である。

Claims (5)

  1. バーミキュライトの酸処理物からなり、全F含量が1000ppm未満であると共に、10重量%食塩水中に分散させたとき、せん断速度が0〜760/sでのヒステリシス曲線(25℃)から算出されるゲル化仕事率が5mW/g以上であることを特徴とする流動性改質剤。
  2. イオン交換水中に分散させたとき、せん断速度が0〜760/sでのヒステリシス曲線(25℃)から算出されるゲル化仕事率が15mW/g以上である請求項1に記載の流動性改質剤。
  3. 白色度が85%以上、BET比表面積が100乃至600m/g、シリカ
    (SiO換算)含量が82重量%以上、OH基量が5mmol/g以上であり、且つ110℃乾燥物における灼熱減量(1050℃)が4.0乃至8.0重量%の範囲にある請求項1または2に記載の流動性改質剤。
  4. 化粧品原料基準のフッ素試験法により測定したF含量が30ppm未満で且つ化粧品原料基準の重金属試験法により測定したPb換算での重金属含量が30ppm未満である請求項1乃至3の何れかに記載の流動性改質剤。
  5. 請求項4に記載の流動性改質剤からなる化粧品用填剤。
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