JP2005105048A - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性、高収縮性、特に低温での高収縮性、耐自然収縮性、耐薬品性、耐傷付き性のバランスに優れた熱収縮性フィルムおよび熱収縮性多層フィルムを提供する。
【解決手段】 軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の構造や動的粘弾性スペクトル、及びシンジオタクチック構造のスチレン重合体の組み合わせ、及びこれらの構成成分を特定の比率で含む樹脂組成物から得られる熱収縮性フィルムおよび熱収縮性多層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性、高収縮性、特に低温での高収縮性、耐自然収縮性のバランスおよび外観特性、成形加工時の安定性に優れた熱収縮性フィルム、包装用ラベル、及びこれらで包装された容器に関する。
従来、容器の収縮包装や収縮ラベルとして用いられる熱収縮性フィルムには、熱収縮性や収縮後の仕上がりがよく、廃棄の際にもポリ塩化ビニルのような環境汚染問題がない点から、透明性に優れたスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体フィルムが用いられている。しかし、このフィルムは用途によっては耐熱性、耐薬品性が低く、柔らかく腰(剛性)がない、加熱収縮率が小さい、自然収縮が大きいといった問題点がある。
特に、近年ペットボトル入り飲料(お茶、コーヒーなど)を熱い状態で消費者に提供するため、自動販売機、ショーケースなどの中で長期間加熱状態で保存される機会が増えている。この様な用途においては、60〜80℃、必要に応じては120℃付近での耐熱性が、ボトルと共に包装用ラベル、つまり熱収縮性フィルムにも要求される場合がある。
耐熱性、耐薬品性、耐傷付き性等の向上を目的として、シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体(以下、シンジオタクチック構造のスチレン重合体またはSPSと記す場合がある)に着目した従来の技術としては、以下が知られている。
シンジオタクチック構造からなるポリスチレン系重合体の延伸フィルム(例えば、特許文献1参照)、シンジオタクチックポリスチレンを含むポリスチレンを延伸して得られる熱収縮ラベル(例えば、特許文献2参照)、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体を含有する樹脂組成物を延伸して得られる熱収縮性フィルム(例えば、特許文献3参照)に関する記載が各々あるが、これらは、耐熱性は比較的良好であるものの、特に、シンジオタクチック構造のスチレン重合体とアタクチックポリスチレンを主体とする熱収縮性フィルムであり、熱収縮性フィルムとしては、加熱収縮時の高収縮性、耐自然収縮性、透明性、柔軟性等のバランスが不十分であった。
シンジオタクチック構造のスチレン重合体とスチレン−ジエン系ブロック共重合体等との樹脂組成物およびフィルム等(例えば、特許文献4参照)や、シンジオタクチック構造のスチレン系重合体組成物等からなる多層の延伸積層フィルム(例えば、特許文献5参照)に関する記載がある。例えば、前者は融点、結晶化温度の特定の範囲が好ましいことが記載されてはいるが、これらは熱収縮性フィルムとしては、耐熱性と、加熱収縮時の高収縮性、耐自然収縮性、透明性、剛性等のバランスが不十分であった。
後者の公報に記載された多層の延伸積層フィルムに関しても同様である。
シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルムの製造方法に関する記載があるが(例えば、特許文献6参照)、シンジオタクチック構造のスチレン重合体を含む特定の樹脂組成物を熱収縮性フィルムに成形する条件としては、耐熱性、高収縮性、耐自然収縮性、透明性、剛性等を優れたバランスで付与するには不十分であった。
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とアタクチック構造を有するスチレン系重合体との組成を有する樹脂組成物から得られる延伸シートおよびその製造法に関する記載があるが(例えば、特許文献7参照)、当該発明の目的は熱収縮率が少ない延伸シートを得ることであって、熱収縮性フィルムとは目的、手段共に異なるものである。
SPSの熱成形加工温度はシンジオタクティック構造のスチレン重合体特有の性質から従来の熱可塑性樹脂、とりわけ共役ジエンを含むような熱可塑性樹脂に比べて高温である。一方生産性向上を目的とするため近年ますます加工温度が高くなっており、またリサイクル率が高くなるにつれて熱履歴が増加しているため成形加工時に熱による劣化を受けやすく、架橋やゲル化反応を起こして成形加工時の流動性が低下したり、フィッシュアイゲル等により外観特性の悪化を抑制するために、熱安定性を改良する必要がある。成形加工時の安定性を改良する目的にシンジオタクティックポリスチレンと熱可塑性樹脂との組成物にフェノール系安定剤、リン系安定剤の添加に関する記載や(例えば特許文献8)、芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなる共重合体のアクリレート系化合物の組成物の添加において熱安定化効果が発現するとの記載がある(例えば特許文献9)。しかしながら前者ではシンジオタクティック構造のスチレン重合体の安定化を目的としたものであり、一方後者ではシンジオタクティック構造のスチレン重合体の加工温度までの高温での使用は想定されておらず、本発明に用いられる樹脂組成物の様な用途は想定されていない。
特開平5−200858号公報 特開平7−020785号公報 特開平7−032468号公報 特開2002−121355号公報 特開2002−086640号公報 特開平6−087158号公報 特開平10−067868号公報 特開平8−302117号公報 特開平7−026107号公報
本発明は、上記のような状況を踏まえ、耐熱性、高収縮性、特に低温での高収縮性、耐自然収縮性のバランスおよび外観特性、成形加工時の安定性に優れ、特に耐熱性、高収縮性のバランスに優れた外観特性、成形加工時の安定性に優れた熱収縮性フィルムに関する。
本発明者らは、かかる目的を果たすべく鋭意研究を重ねた結果、熱収縮性フィルムの原材料の用に供する芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の構造や動的粘弾性スペクトル、及びシンジオタクチック構造のスチレン重合体の組み合わせ、及びこれらの構成成分を特定の比率で含む樹脂組成物に特定のアクリレート系化合物を添加した樹脂組成物から得られる延伸フィルムが、耐熱性、高収縮性、特に低温での高収縮性、耐自然収縮性、耐薬品性、耐傷付き性のバランスおよび外観特性、成形加工時の安定性に優れた熱収縮性フィルムを与えることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、下記の成分(A)、(B)、(C)及び(D)からなる樹脂組成物から構成され、少なくとも1軸方向に延伸して得られ、80℃、10秒間の加熱収縮率が20%以上であることを特徴とする熱収縮性フィルムに関するものである。
(A)芳香族ビニル化合物の比率が50〜90質量%である、芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなり、かつ軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体50〜95質量%。
(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体5〜50質量%。
(C)成分(A)、(B)とは異なるスチレン系重合体0〜45質量%。
(D)下記一般式で示されるアクリレート系化合物を成分(A)、(B)、(C)の総和100質量部に対し0.1〜3質量部。
Figure 2005105048
(式中、R1 は水素または炭素数1〜3のアルキルを、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜9のアルキルを、R4 は水素またはメチルを表す)
本発明の熱収縮性フィルムは、特定の芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなるブロック共重合体とシンジオタクチック構造のスチレン重合体および特定のアクリレート系化合物を含む熱収縮性フィルムであり、従来の熱収縮性、自然収縮性、透明性を損なうことなく耐熱性、外観特性、成形加工時の安定性が著しく改善された熱収縮性フィルムである。したがって、本発明は、加温される熱収縮性ラベル、熱収縮性キャップシール、瓶の保護フィルムなどに好適である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず本発明の成分(A)について説明する。
本発明の成分(A)として用いられる芳香族ビニル化合物−共役ジエンよりなり、かつ軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物の比率が50〜90質量%であり、軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有していれば特に制約はないが、動的粘弾性測定により得られる測定値がある特定の諸条件を満足することが好ましい。
本発明で用いられるブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとがランダムに結合した構造、或いは両者がなだらかな濃度勾配変化率をもつ結合(いわゆるテーパー構造など)、またはそれらが混在している構造を有していることが好ましい。
また硬質部の一部として芳香族ビニル化合物と共役ジエンとがランダムに結合した構造を有することが好ましい。ランダム構造の導入により動的粘弾性特性、特に損失正接の極大値温度が低温化でき、熱収縮性フィルムとして低温での収縮性に優れたものとなる。ランダムに結合した構造のブロックの芳香族ビニル化合物と共役ジエンの共重合比率としては、芳香族ビニル化合物の質量割合として60〜95質量%であることが好ましい。芳香族ビニル化合物の質量割合が60%未満では自然収縮率が大きくなり好ましくなく、95質量%を越えると80℃での加熱収縮率に劣る。
ここでいう軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体は、スチレン質量割合の高い硬質相と低い軟質相からなりこれらのミクロ相分離構造は、例えば透過型電子顕微鏡により画像解析の手法を用いたり、またはDSCや動的粘弾性スペクトル測定により得られるガラス転移温度が2種以上観察されることにより判別できる。
本発明の成分(A)において使用される芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどがあるが、特に好ましくはスチレンが挙げられる。
また、本発明の成分(A)において使用される共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。
本発明の成分(A)として用いられる芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなり、かつ軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体の芳香族ビニル化合物の共重合比率は、50〜90質量%、好ましくは60〜85質量%である。
芳香族ビニル化合物の比率が、50質量%未満の場合、耐熱性、剛性、強度が不足し、90質量%を越えると、フィルムの伸び、柔軟性等が不足となる。
本発明の成分(A)の芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなり、かつ軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体の分子量にも特に制限はないが、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる数平均分子量(ポリスチレン換算法)で、好ましくは1万以上50万未満であり、さらに好ましくは3万以上30万未満である。
本発明の成分(A)の芳香族ビニル化合物と共役ジエンとからなるブロック共重合体としては、分子量、組成や分子構造等の異なる2種以上のブロック共重合体を混合した共重合体組成物でも上記の規定を満たしていれば好適に使用することが出来る。
次に、本発明の成分(A)の芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなり、かつ軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体の製造方法について説明する。
この共重合体は、有機溶媒中で有機リチウム化合物を重合開始剤とし、前記に説明した芳香族ビニル化合物および共役ジエンの中から、それぞれ1種または2種以上を選びリビングアニオン重合させることにより製造できる。
このリビングアニオン重合では、重合活性末端が存在する限り原料モノマーとした芳香族ビニル化合物、および共役ジエンが通常全量が重合し、該モノマーが残留することはほとんどない。
また連鎖移動反応による重合途中での反応活性末端の失活や新規生成を伴わないという重合反応上の特徴を持つ。そのため本発明における共重合体の分子量や分子構造は、モノマー、重合開始剤、ランダム化剤、活性末端の失活のために用いるプロトン供与性の物質(以下、重合停止剤という)の仕込量、およびその添加時期、添加回数を適宜変えることにより目的に応じて制御することが可能である。
例えば、芳香族ビニル化合物連鎖と共役ジエン連鎖が分かれたブロック型の分子構造、いわゆるクリアカット構造を導入する場合は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンの原料仕込みをそれぞれ別に分け、片方の反応が終了してから次の仕込みを実施するようにする。
また、ランダム構造の連鎖を作るには、芳香族ビニル化合物と共役ジエンの反応性比の差を小さくするかまたは同じとなるようなランダム化剤を選択して添加するか、反応系へのモノマー供給速度が、反応速度より常に遅くなるよう、即ち重合の反応末端が常に飢餓状態にあるように少量ずつ添加する方法がある。
さらに、適当なランダム化剤の存在下で芳香族ビニル化合物と共役ジエンとを同時に反応系中に添加すれば、テーパー型連鎖構造を持つ共重合体が生成する。
ポリマー構造としても特に制限はなく直鎖状のものや直鎖状の片末端を公知のカップリング剤を用いて結合させた星形の共重合体を用いてもよい。公知のカップリング剤としては、四塩化ケイ素や1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン等のクロロシラン系化合物、テトラメトキシシランやテトラフェノキシシラン等のアルコキシシラン系化合物、四塩化スズ、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ポリビニル化合物、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化油脂などが挙げられるが、好ましくはエポキシ化油脂、さらに好ましくはエポキシ化大豆油が挙げられる。
有機溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、或いはエチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが使用できる。
重合開始剤である有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、本発明では例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどの単官能性重合開始剤、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムなどの多官能性重合開始剤が使用できる。
そして、共重合体中の芳香族ビニル化合物のブロック率は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンの共重合時の反応性比を変化させるランダム化剤の添加濃度を変えることにより制御することができる。そのランダム化剤は極性を持つ分子であり、アミン類やエーテル類、チオエーテル類、およびホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸塩、その他にカリウムまたはナトリウムのアルコキシドなどが使用可能である。
適当なアミン類としては第三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンの他、環状第三級アミンなども使用できる。エーテル類としてはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。その他にトリフェニルフォスフィン、ヘキサメチルホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸カリウムまたはナトリウム、カリウム、ナトリウムブトキシドなどを挙げることができる。
ランダム化剤を使用する場合は、1種、または複数の種類を使用することができ、その添加濃度としては、原料とするモノマー100質量部あたり合計0.001〜10質量部とすることが適当である。
リビングアニオン重合における重合停止剤として、本発明では水、アルコール、無機酸、有機酸から選ばれる少なくとも1種以上が反応系中に添加されて重合が停止する。
重合停止剤としてのアルコールとしてはメタノール、エタノール、ブタノールなどが、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、炭酸などが、有機酸としてオクチル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレフィン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ベヘン酸などのカルボン酸、その他スルホン酸、スルフィン酸などが挙げられる。
また、重合停止剤として水はとくに賞用できる。
なお、重合活性末端の失活数は加えた重合停止剤の化学量論数に比例するので、重合停止剤は活性末端数より少ない化学量論数の量を数回に分けて添加することとして、重合中の活性末端の一部のみを失活させ、残った活性末端による重合をさらに継続させながら所定の重合率に達したところで残りの活性末端を失活させても良いし、また一度に全ての活性末端を失活させても良い。但し、重合の完了時にはその時点における活性末端数に対して充分な量の重合停止剤を添加して活性末端を全て失活させることが必要である。
なお、星形の共重合体の合成では失活剤を加える前に前記カップリング剤を加えカップリング反応を行うことにより合成できる。
失活処理の終わった共重合体溶液は溶剤から分離するための方法としては、(1)メタノールなどの貧溶媒中に析出させる方法、(2)加熱ロールなどに共重合体溶液を供給し、溶剤のみを蒸発させて共重合体を分離する方法(ドラムドライヤー法)、(3)加熱したブロック共重合体(組成物)溶液を、そこに含まれる有機溶剤の該温度における平衡蒸気圧よりも低い圧力に保った缶中に連続的、あるいは間欠的に供給して脱揮する方法(フラッシュ蒸発法)、(4)ベント式押出機に通して脱揮させる方法、(5)温水中に撹拌しながら、共重合体溶液を吹き込んで溶剤を蒸発させる方法(スチームストリッピング法)などや、これらを組み合わせた方法が挙げられる。
本発明で用いる成分(A)の動的粘弾性は、被検ペレットを加熱プレスにより0.3mm厚にシート化した後、さらに該シート温度23℃、相対湿度50%RHに調整された室内にて24時間以上保管することにより養生処理を施した後、その被検サンプルに周波数1Hzの引っ張り方向の応力、及び歪みを加え、4℃/分の割合で温度を上げながら測定した。本発明に好ましく用いられる共重合体の損失正接値は65℃以上100℃未満の温度範囲内で、少なくとも一つ以上の極大値を持ち、その最大値は1.5から4.0未満の範囲内にあることが好ましい。さらに最大となる極大値をとる温度から10℃低い温度における損失正接の値は最大の極大値の40%以下であり、また最大となる極大値をとる温度から30℃低い温度における損失正接の値が最大の極大値の10%以下であることが好ましい。また30℃における損失正接値は0.01以上、0.4未満の範囲にあることが好ましい。
成分(A)の動的粘弾性に関しては、その粘弾性スペクトルが、本発明の範囲を外れると、熱収縮性フィルムとしての高収縮性、低温収縮性、耐自然収縮性(40℃などでの自然収縮率が低いこと)、が低下する場合がある。
損失正接値の極大値をとる温度が65℃未満では自然収縮率が高くなり、100℃以上では80℃での加熱収縮率が低くなる。この極大値が1.5から4.0未満の範囲をはずれると延伸条件幅が狭くなる。
さらに最大の極大値をとる温度から10℃低い温度における損失正接の値は最大の極大値の40%以上では80℃における加熱収縮率が低くなり、また最大となる極大値をとる温度から30℃低い温度における損失正接の値が最大の極大値の10%を超えると自然収縮率が高くなる。
また30℃における損失正接値が0.4以上であると自然収縮率が高くなる。
次に、本発明の成分(B)であるシンジオタクチック構造を有するスチレン重合体について述べる。
シンジオタクチック構造は、その立体化学構造が、炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR)により定量される。13C−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができるが、本発明に言うシンジオタクチック構造のスチレン重合体とは、ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、またはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーである。この値の範囲外であると、スチレン重合体は十分な立体規則性をもたず、結晶化が不十分となって、熱収縮性フィルムの耐熱性、剛性等が不十分となる。
モノマーとしては、スチレン、アルキルスチレン、ハロゲン化スチレン、ハロゲン化アルキルスチレン、アルコキシスチレン、これらの水素化物をあげることができ、これらモノマーの重合体およびその混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体が含まれる。
なお、ここでアルキルスチレンとしては、メチル、エチル、イソプロピル、ターシャリーブチル、フェニルなどのスチレン置換体,ビニルナフタレン、ビニルスチレンなどをあげることができ、ハロゲン化スチレンとしては、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレンなどを例示することができる。また、ハロゲン化アルキルスチレンとしては、クロロメチルスチレンなど、またアルコキシスチレンとしては、メトキシスチレン、エトキシスチレンなどを例示できる。
なお、これらのうち特に好ましいシンジオタクチック構造のスチレン重合体としては、モノマーとしてスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン、p−ターシャリーブチルスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−フルオロスチレン、水素化スチレンの構造単位を含み、上記条件を満足するホモポリマーもしくは共重合体が挙げられる。
本発明の成分(B)のシンジオタクチック構造を有するスチレン重合体は、更に好ましくはスチレンとp−メチルスチレンの共重合体である。p−メチルスチレンの共重合比率は、1〜70モル%、好ましくは3〜50モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。共重合比率が1モル%未満であると結晶融点が高く、成形加工温度を高く設定する必要があり、樹脂組成物中に存在する他の成分の熱分解、ゲル化等を引き起こしやすくなる。共重合比率が30モル%を超えると、結晶特性が本来のシンジオタクチック構造のスチレン重合体から乖離し、熱収縮性フィルムの耐熱性が低下したり、樹脂組成物中の他の成分との相溶性が低下する場合がある。
このようなシンジオタクチック構造を有するスチレン重合体としては、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物および水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる(例えば、特開昭62―187708号公報参照)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、およびこれらの水素化重合体は公知の方法などにより得ることができる(例えば、特開平1−46912号公報、特開平1−178505号公報参照)。
更に、シンジオタクチック構造のスチレン重合体に対して、共重合モノマーとして、上述の各種重合体の他、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなどのオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレンなどのジエンモノマー、環状ジエンモノマーやメタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリルなどの極性ビニルモノマーなどを挙げることができる。特に、スチレン繰り返し単位が30〜100モル%、p−メチルスチレン繰り返し単位が0〜70モル%であることが好ましく用いられ、スチレン繰返し単位が70〜98モル%、p−メチルスチレン繰返し単位が2〜30モル%からなるシンジオタクチック構造のスチレン重合体がさらに好ましく用いられる。
本発明のシンジオタクチック構造のスチレン重合体の分子量は、とくに制限はないが、好ましくは重量平均分子量で、5〜100万、更に好ましくは7〜50万、特に好ましくは10〜30万である。
重量平均分子量が5万未満であると、熱収縮性フィルムの耐熱性、剛性、強度等が不足し、50万を超えると、溶融粘度が高くなり、成形加工性が低下する。分子量分布については、特に制限はないが、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5以上8以下であるのが好ましい。これらの値の範囲外であると成形加工性や延伸特性が低下する場合がある。
本発明の成分(B)のシンジオタクチック構造のスチレン重合体の結晶融点は、好ましくは160℃〜260℃、より好ましくは200℃〜250℃である。結晶融点が160℃未満であると、熱収縮性フィルムの耐熱性が不足となり、また260℃を超えると成形加工温度を高くする必要があり、二重結合に起因するゲル化、熱劣化等を発生し易くなる。
樹脂組成物に用いるシンジオタクチック構造を有するスチレン重合体の結晶融解エネルギーは1J/g以上、好ましくは5J/g以上、更に好ましくは20J/g以上である。結晶融解エネルギーの上限値は、例えば、53J/gなどの値が公知である。これらは、組成、タクティシティー等に依存する。スチレン系重合体の結晶融解エネルギーが1J/g未満であると、熱収縮性フィルムの耐熱性が不足することになる。
本発明の成分(B)は組成物、熱収縮性フィルムにおいて均一に分散してドメインとして存在することが好ましい。
さらにシンジオタクティック構造のポリスチレンの結晶化度を上げる、あるいは結晶径をコントロールするなどの目的に各種核剤を用いることも可能である。これら核剤としては、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に選択して用いることができる。なお、これらの核剤は一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる
次に本発明に用いる成分(C)について説明する。成分(C)は成分(A)、(B)とは異なるスチレン系重合体であり、成分(A)以外の芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなるブロック共重合体や、一種類以上の芳香族ビニル化合物からなる重合体、あるいは一種類以上の芳香族ビニル化合物と共重合可能な一種類以上の他のビニル単量体の共重合体、これらの重合体の水素化重合体及びこれらの混合物等があげられる。
ここでスチレン系化合物としては、スチレン、α―メチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ターシャリーブチルスチレン、フェニルスチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン等があり、これらは一種または2種以上で使用される。これらのうち、好ましい芳香族ビニル化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレンが挙げられる。
共重合可能な他のビニル単量体としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミド等のマレイミド化合物などがある。
本発明の成分(C)の具体例としては、汎用ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体、ノルマルブチルアクリレート−スチレン共重合体、成分(A)以外のスチレン−ブタジエンブロック共重合体などのスチレン系樹脂が挙げられ、特に成分(A)および成分(B)との相溶性の面で汎用ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリレートのランダム共重合、ノルマルブチルアクリレート−スチレン共重合体、スチレン−スチレンブタジエンランダム共重合体−スチレンブロック共重合体などが好ましい。
成分(C)は上記のスチレン系樹脂より選ばれる1種を用いても良いし2種以上のスチレン系樹脂を複数種用いても良い。
特に好ましい成分(C)について説明を加える。
汎用ポリスチレンは、成分(B)であるシンジオタクティックポリスチレンと相溶性が非常に良く、成分(A)である芳香族ビニル化合物と共役ジエン共重合体とのブロック共重合体との相溶性も比較的良い。このためこれを用いることによりシンジオタクティックポリスチレンの結晶化度をコントロールすることにより透明性を良くすることが可能である。
ハイインパクトポリスチレンは特に最外層を形成する層に加えることにより、フィルムを補強さらにはフィルム同士のブロッキングを防止する。ハイインパクトポリスチレンでもゴム粒子が単胞状となって分散しており、体積平均粒子径が0.1〜2μmの範囲にあるものが好ましい。さらに0.2〜1.0μmの範囲にあるものがより好ましい。0.1μm未満では補強効果に乏しく、2μmを超えると透明性が悪化する傾向にある。配合量としては0.1〜10質量%が好ましい。0.1%未満であるとブロッキングを防止する効果が十分ではなく、10質量%を超えると透明性が著しく低下する。
ノルマルブチルアクリレート−スチレン共重合体を成分(C)として用いた場合は、成分(A)の硬質相と相溶し硬質相のガラス転移温度を低下させ低温での熱収縮性を向上させる。
軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を形成しないスチレンブロック−スチレンブタジエンランダムブロック−スチレンブロック共重合体を成分(C)として用いた場合は、成分(A)の硬質相と相溶し、硬質相のガラス転移温度を低下させ低温での熱収縮性を向上させる。
この芳香族ビニル含量としては60〜95質量%が好ましく、両末端のスチレン連鎖長は全体の0.5質量%以上を有するものが好ましい。
このとき動的粘弾性で得られる損失正接値が65℃以上100℃未満の範囲内で極大値をもつことが好ましい。
本発明を構成する各成分(A)、(B)及び(C)の質量比率は(合計を100とする)、50〜90/5〜50/0〜45、好ましくは、50〜80/10〜45/1〜40、更に好ましくは、50〜70/10〜40/1〜40である。
成分(A)の割合が本発明の値未満ではフィルムの耐衝撃性や伸びが低下する。
成分(B)が本発明の50質量%を超えると、熱収縮性フィルムの加熱収縮率低下、自然収縮率過大、透明性低下、柔軟性低下を引き起こし、また、経済性の点でも好ましくない。また、成分(B)が本発明の5質量%未満では、熱収縮性フィルムの耐熱性低下、耐薬品性低下、剛性低下等を引き起こす。
本発明の熱収縮性フィルムにおいては下記一般式で示される成分(D)であるアクリレート系化合物を添加することによって成分(A)、(B)、(C)よりなる組成物が本来有する特性を保持したまま熱成型時における組成物の機械的特性や外観・色調における熱安定性を改善することができる。さらに、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤(ただし成分(D)を除く)との併用により、より優れた熱安定化効果が得られる。
Figure 2005105048
(式中、R1 は水素または炭素数1〜3のアルキルを、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜9のアルキルを、R4 は水素またはメチルを表す)
アクリレート系化合物を表す前記一般式において、R1は水素または炭素数1〜3のアルキルであるが、なかでも水素およびメチルが好ましく、特にメチルが好ましい。R2は炭素数1〜9のアルキルであるが、なかでも炭素数4〜8のものが好ましく、特に4級炭素でベンゼン環に結合するアルキル、例えばt−ブチル、t−ペンチルおよびt−オクチルがより好ましい。R3は炭素数1〜9のアルキルであるが、なかでも炭素数1〜6のものが好ましく、とりわけ好ましいものは、メチル、エチル、t−ブチルおよびt−ペンチルである。R4は水素またはメチルであるが、特に水素が好ましい。
好適なアクリレート系化合物の具体例を挙げると、次のようなものがある。2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−〔1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルメタクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルメタクリレート。
本発明において、前述のアクリレート系化合物は、成分(A)、(B)、(C)の総和100質量部に対し0.1〜3質量部の範囲で用いるのが好ましい。その配合量が0.1質量部未満では熱安定性改良の効果が充分でなく、フィルムとしたときにフィッシュアイが多く発生し印刷時に印刷とびなどの原因となるし、また3質量部を越えて配合するとブリードが起り表面特性を著しく低下させたり、それに見合うだけの効果の向上が得られず経済的に不利となる。
また、本発明において上記アクリレート系化合物以外の安定剤を併用することも可能であり、特にリン系酸化防止剤や、フェノール系酸化防止剤(ただし成分(D)を除く)の併用は熱安定性改良の相乗効果がある。これら安定剤を以下に列挙する。
リン系酸化防止剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。
ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジフォスフォナイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、テトラトリデシル4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジフォスファイト、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロフォスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト。
リン系酸化防止剤の配合量は成分(A)、(B)、(C)の総和に100質量部対し0〜1質量部が好ましい。1質量%を越えるとブリードしたり、表面特性の低下を起こす。
フェノール系酸化防止剤(ただし成分(D)を除く)の種類は特に制限されないが、具体例として次のようなものが挙げられる。
n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,2′−エチリデンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)。
フェノール系酸化防止剤(ただし成分(D)を除く)の配合量は成分(A)、(B)、(C)の総和100質量部に対し0〜1質量部が好ましい。1質量部を越えるとブリードしたり、表面特性の低下を起こす。
本発明では、必要に応じて成分(A)、(B)、(C)以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、相溶化剤などを本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて配合することができる。
それら熱可塑性樹脂としては、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6をはじめとするポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル、PPS等公知のものから任意に選択して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種のみを単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いてもよい重合体の熱可塑性エラストマーの具体例としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などのスチレン系ゴム、さらにはエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオレフィン系ゴム、あるいはブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−シロキサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを変性したゴム等が挙げられる。これらは一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物及び本発明に用いる各(共)重合体には、各種添加剤として滑剤、加工助剤、結晶核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、耐候剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油、難燃化剤、フィラーなどの添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸などの飽和脂肪酸、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチルなどの脂肪酸エステルやペンタエリスリトール脂肪酸エステル、さらにエルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイドなどの脂肪酸アマイドや、エチレンビスステアリン酸アマイド、またグリセリン−モノ−脂肪酸エステル、グリセリン−ジ−脂肪酸エステル、その他にソルビタン−モノ−パルミチン酸エステル、ソルビタン−モノ−ステアリン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどに代表される高級アルコールなどが挙げられる。
さらに耐候性向上剤としては2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系や2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどのサリシレート系、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、また、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダードアミン型耐候性向上剤が例として挙げられる。さらにホワイトオイルや、シリコーンオイルなども加えることができる。
これらの添加剤は樹脂組成物100質量部に対し5質量部以下の範囲で使用することが望ましい。
成分(A)〜(D)の各成分、添加剤の混合方法は特に制限されないが、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダーなどでドライブレンドしてもよく、さらに押出機で溶融化してペレット化しても良い。あるいは、各重合体の製造時、重合開始前、重合反応途中、重合体の後処理などの段階で、添加しても良い。
本発明の熱収縮性フィルムを製造する際、予め溶融混練後に冷却して得られた樹脂組成物固体を、改めて押出延伸工程に供することが好ましい。
この様に、原材料の予備混練を行うことによって、各成分の分散性が良好となり、耐熱性、加熱収縮率、耐自然収縮性等のバランスが良好となる。
本発明の耐熱性熱収縮性フィルムは、成分(A)芳香族ビニル化合物の比率が50〜90質量%である、芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなり、かつ軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体50〜95質量%と、成分(B)シンジオタクチック構造のスチレン重合体5〜50質量%と成分(C)、成分(A)、(B)とは異なるスチレン系重合体0〜45質量%と、成分(D)下記一般式で示されるアクリレート系化合物、必要に応じ添加される添加剤とからなる層を表層や中心層などの少なくとも一層含む多層フィルムである。
Figure 2005105048
(式中、R1 は水素または炭素数1〜3のアルキルを、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜9のアルキルを、R4 は水素またはメチルを表す)
多層フィルムの場合、成分(A),(B)、(C)及び(D)などからなる層以外の層に用いられる樹脂成分には特に制限は無いが、例えば芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体、芳香族ビニル化合物重合体、芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸からなる共重合体、芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体、ゴム変性スチレン系重合体が挙げられ、特に芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体やそれを主体とした組成物等との組み合わせが好適である。もちろん組成の違う1種あるいは2種以上の成分(A),(B)、(C)及び(D)などからなる層を複数積層したフィルムでも良い。
層構造に特に制限はないが、好ましくは2層から7層構造、とくに好ましくは2層または3層構造とすることができる。またその層厚み比率にもとくに制限はないが、例えば3層構造の場合、1〜30:98〜40:1〜30(合計を100とする)、好ましくは3〜30:94〜40:3〜30(合計を100とする)である。中間層の厚み比率が98を超えると表層の特性が現れにくくなり、また中間層の特性が十分に発揮されない。
2層構造の場合、層厚み比率は、5〜95:95〜5(合計を100とする)、好ましくは10〜90:90〜10(合計を100とする)である。厚み比率がこの値の範囲外であると、厚み比率が小さい方の層の特性が現れにくくなり、相乗効果が期待しにくい。
本発明の熱収縮性フィルムのフィルムの厚さは特に制限はないが、10〜300μmが好適である。
本発明のフィルムは、従来用いられている種々の方法により製造することができる。従来用いられている方法としては、押出法、カレンダー法などの方法がある。多層フィルムを製造する場合、共押出を行う方法が好ましい。
共押出方式も、特に制限はないが、フィードブロック方式,マルチマニホールド方式のいずれでもよい。共押出方法を用いることにより接着剤を用いることなく、層間密着性に優れ、透明性がより高い積層フィルムを製造することができる。
なお、上記方法以外の方法として、それぞれ単体フィルムを作成し、それを接着剤を用いて積層してもよい。ダイスはコートハンガーダイ、T−ダイ、円環ダイなどを用いることができる。
溶融(共)押出後このようにして得られるシートを次いで(共)延伸することにより効率よく製造することが出来る。延伸方法としては、従来一般に使用されるロール延伸法、長間隙延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法などの方法を使用できる。例えば一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸およびこれらを組み合わせた多段延伸法を用いることができる。なかでも本発明においては同時又は逐次二軸延伸法を用いることが好ましい。
延伸フィルムを製造する方法として特に好ましくはTダイを用いた(共)押出しで押出方向にロール延伸を行い、その後にテンター延伸を行う、逐次二軸延伸法を用いることが好ましい。
延伸倍率としては縦延伸倍率は1.0倍〜2.0倍、横延伸倍率は2.0倍〜10倍が好ましい。延伸倍率がこれらの値の範囲外であると、加熱収縮率の値が不足あるいは過大となったり、加熱収縮の異方性が高くなりすぎる場合がある。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法における好ましい方法であるTダイを用いた(共)押出しで押出方向にロール延伸を行い、その後にテンター延伸を行う際の条件を述べる。
押出温度は成分(B)であるシンジオタクチック構造のスチレン重合体の融点以上の温度で行うことが好ましい。融点以下であると結晶部が溶融せず混練が十分にはならない。キャストロール温度は30℃〜100℃、好ましくは40℃〜90℃である。キャストロール温度が30℃未満であると溶融体が急冷されるためにフィルム厚みむらが発生し易くなり、また100℃を超えると十分な急冷が行われずに、延伸工程以前で結晶化度が高くなり透明性が低下する。
ロール延伸、テンター延伸での延伸温度は50〜100℃、好ましくは60〜90℃である。延伸温度が50℃未満であると延伸中のフィルム破断等が起きやすく十分な延伸倍率をかけることが困難になり、また100℃を超えると加熱収縮時の収縮率が低下する場合がある。
延伸完了後の熱固定温度は50〜100℃、好ましくは60〜90℃である。熱固定温度が50℃未満であると、熱固定の効果が十分得られず、また100℃を超えると熱収縮性フィルムの収縮率が低下する場合がある。
また、本発明は、本発明の熱収縮性フィルムのリターン材を、バージン材に混入して得た熱収縮性フィルムも、熱収縮性、耐自然収縮性、剛性にも優れた熱収縮性フィルムを形成するものである。
リターン材の混合割合は、特に限定されるものではないが、好ましくはバージン材に50質量%以下の範囲で混合することが熱収縮性、剛性から望まれる。
また、本発明では、得られたフィルムの表面特性を良好にするために帯電防止剤や滑剤などを表面に塗布してもよい。
本発明の熱収縮性フィルムは発泡させることも可能である。発泡フィルムの製造方法としては上記(A)、(B)、(C)及び(D)などからなる組成物を用いて、発泡剤とともに押出機内に供給し溶融押出する方法が生産性が良好で好ましい。
上記発泡剤には、通常樹脂加工で用いられる熱分解型発泡剤や揮発性発泡剤を用いることができる。熱分解型発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどを、揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、n−ペンタン、イソペンタン等の低級アルカンやジクロロジフロロメタン、テトラフロロエタン、トリクロロフロロメタン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素、および二酸化炭素や窒素を用いることができる。また、金属酸化物等の発泡助剤や、珪酸カルシウム等の気泡調整剤を用いることも可能である。
以下、本発明の熱収縮性フィルム(多層熱収縮性フィルムを含む)の特性について述べる。
本発明の熱収縮性フィルムを形成している成分(B)であるシンジオタクチック構造のスチレン重合体の結晶化度は、3〜80%、好ましくは5〜60%、更に好ましくは10〜50%である。結晶化度が3%未満であると、熱収縮性フィルムの耐熱性、強度、耐薬品性等が不十分となる。
熱収縮性フィルムを形成しているシンジオタクチック構造のスチレン重合体の結晶化は、主として延伸工程における配向結晶化による微小結晶の生成に起因する。
本発明の熱収縮性フィルムのシンジオタクチック構造のスチレン重合体由来の冷結晶化温度は好ましくは120〜170℃、更に好ましくは130〜160℃である。冷結晶化温度が120℃未満であると、結晶が大きくなり透明性に悪影響を与える傾向にあり、170℃を超えると、結晶化が進まず耐熱性などに不足する可能性がある。
ここでいう冷結晶化温度とは熱収縮性フィルムのDSC測定において10℃/minの昇温過程でのDSCの発熱ピークのピークトップ温度をいう。
また、熱収縮性フィルムのシンジオタクチック構造のスチレン重合体由来の結晶融解エネルギーは0.01〜20J/gが好ましく、さらに好ましくは0.05〜15J/gである。0.01J/g未満では耐熱性が十分ではなく、20J/gを超えると透明性が低くなる。
ここで言う結晶融解エネルギーとは熱収縮性フィルムのDSC測定において10℃/minの昇温過程でのDSCの吸熱ピークのピークの面積(A1)と、それに続けて測定される10℃/minの降温過程でのDSC吸熱ピークのピーク面積(A2)の値から下記の式により導かれる値のことを指す。
結晶融解エネルギー=A2−A1
つまりA2は熱収縮性フィルムを形成する樹脂組成物の実験的結晶融解エネルギーと見なされ、A1は熱収縮性フィルムの理論的結晶融解エネルギーまで結晶しなかった分の結晶融解エネルギーと見なされる。すなわちA2−A1は熱収縮性フィルムがもつ結晶融解エネルギーを示す。
本発明の熱収縮性フィルムの90℃、10秒間における加熱収縮率は30%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上であり、また80%以下であることが好ましい。当該条件における加熱収縮率が30%未満であると、例えばラベルとしてPETボトルに装着する際に、ボトル形状に追随しきれずにたるみを生じたり、皺を発生したりする可能性がある。
80℃、10秒間における加熱収縮率は20%以上、好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上であり、また60%以下であることが好ましい。当該条件における加熱収縮率が20%未満であると、例えばラベルとしてPETボトルに装着する際に、ボトル形状に追随しきれずにたるみを生じたり、皺を発生したりする可能性がある。
70℃、10秒間における加熱収縮率は10%以上、好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上であり、また40%以下であることが好ましい。当該条件における加熱収縮率が10%未満であると、例えば、アセプティック充填などのPETボトル入り飲料生産ラインにおいて、ラベルとしてPETボトルに装着する際に、低温収縮性が不足し、ボトル形状に追随しきれずにたるみを生じたり、皺を発生したりする可能性がある。
本発明の熱収縮性フィルムの40℃、7日間における収縮率(自然収縮率の指標)は、5%以下、好ましくは4%以下、更に好ましくは3%以下である。当該収縮率が5%を超えると、熱収縮性フィルムを保管中に収縮が過度に発生してしまい、印刷のゆがみ、加熱収縮時の収縮率不足を発生する場合がある。
本発明の熱収縮性フィルムの全ヘイズ値は、好ましくは60%以下、特に好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下である。全ヘイズ値が60%を超えると、フィルムの透明性が不足となり、内容物が見えにくくなったり、ラベルとして用いる際に裏面印刷を行うことが困難になる。なお、フィルムの外部ヘイズ値が大きいため全体としての全ヘイズ値が大きくなる場合、本発明に含まれる多層熱収縮性フィルムとすることで表面の外部ヘイズ値を下げ、全ヘイズ値を低下させることも可能である。
また、好ましくは内部ヘイズ値は30%以下、特に好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。当該ヘイズ値が30%を超えると、フィルムの透明性が不足となり、内容物が見えにくくなったり、ラベルとして用いる際に、裏面印刷を行うことが困難になる。
本発明の熱収縮性フィルムは120℃の熱板上で120秒間、接触静置して1mm以上の穴あきが認められないことが好ましい。120℃の熱板上で穴が認められるようであると、PETボトルのラベルとして用いられる際などで、ホットウォーマー等の保温ケース中に置かれる場合、装着された容器の加熱保存中に容器の置かれるホットプレート部は一時的に120℃を超える場合もあり、ホットウォーマー内で容器が転倒した場合、ホットプレートの表面に熱収縮性フィルムが圧接され、過酷な温度、圧力条件により、フィルムの欠陥が拡大することもあり表示、保護などといったラベルの機能を著しく損なう場合がある。
本発明の熱収縮性フィルムはフィルムの横延伸方向とそれに直角な方向の緩和応力の比率が1.2〜10、であることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜8であることがこのましい。この比が1.2未満であるとフィルムの異方性が小さく、ボトルなどへの装着時に皺が入ったりする原因となり、10より大きいとボトルへの装着時に一方のみの収縮が大きくなりやはりボトルなどへの装着時に皺が入るようになる。
本発明の熱収縮性フィルムの用途としては、熱収縮性ラベルなどの包装用ラベル、熱収縮性キャップシールなどが特に好適であるが、その他、包装フィルムなどにも適宜利用することができる。
次に実施例をもって本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[原料]
実施例に用いたブロック共重合体(組成物)などの製造方法を参考例として以下に述べる。
成分(C)であり、軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有していないスチレン−スチレンブタジエンランダム共重合体−スチレンブロック共重合体は参考例1により合成を行い、成分(A)であり、芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなる軟質相と硬質相とからなり、かつミクロ相分離構造を有するブロック共重合体は参考例2〜4により合成を行った。
参考例1
(1)反応器中に重合溶媒としてシクロヘキサン511kgとスチレンモノマー1.9kgを仕込み、30℃に保った。なお、以降の実施例、比較例の重合溶媒には全てシクロヘキサンを用いた。
(2)この中に重合触媒溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液960mLを加え、アニオン重合させた。なお、以降の実施例、比較例の重合触媒溶液には全てn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液を用いた。
(3)スチレンモノマーの重合率が99%を超えた後、反応系の内温を80℃に保ちながら総量162.2kgのスチレンモノマー、及び総量23.1kgのブタジエンをそれぞれ81.5kg/h、11.6kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加させ、添加終了後も5分間そのままの状態を保った。
(4)さらに1.9kgのスチレンモノマーを一括添加し重合を完結させた。
(5)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、重量平均分子量(GPCポリスチレン換算、以下同じ)が230000でポリスチレンブロック部とスチレンとブタジエンのランダム構造を持つ重合体を含む重合液を得た。
参考例2
(1)反応器中に重合溶媒490kgとスチレンモノマー8.4kgとを仕込み、30℃に保った。
(2)この中に重合触媒溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液2940mLを加え、スチレンモノマーをアニオン重合させた。
(3)スチレンモノマーの重合率が99%を超えた後、反応系の内温を80℃に保ちながら総量122.0kgのスチレンモノマー、及び総量7.6kgのブタジエンをそれぞれ122.0kg/h、7.6kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加させ、添加終了後も5分間そのままの状態を保った。
(4)反応系の温度を80℃に保ちながら、63.6kgのブタジエンを一括添加して引き続きこれを反応させた。
(5)さらに8.4kgのスチレンモノマーを一括添加し重合を完結させた。
(6)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、重量平均分子量が110000でポリスチレンブロック部とポリブタジエンのブロック部およびスチレンとブタジエンのランダム構造を持つ重合体を含む重合液を得た。
参考例3
(1)反応器中に重合溶媒490kgとスチレンモノマー8.4kgとを仕込み、30℃に保った。
(2)この中に重合触媒溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1430mLを加え、スチレンモノマーをアニオン重合させた。
(3)スチレンモノマーの重合率が99%を超えた後、反応系の内温を80℃に保ちながら総量120.3kgのスチレンモノマー、及び総量9.2kgのブタジエンをそれぞれ96.7kg/h、7.4kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加させ、添加終了後も5分間そのままの状態を保った。
(4)反応系の温度を80℃に保ちながら、19.5kgのブタジエンを一括添加して引き続きこれを反応させた。
(5)さらに52.5kgのスチレンモノマーを一括添加し重合を完結させた。
(6)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、重量平均分子量が170000でポリスチレンブロック部とポリブタジエンのブロック部およびスチレンとブタジエンのランダム構造を持つ重合体を含む重合液を得た。
参考例4
(1)反応器中に重合溶媒500kgとスチレンモノマー8.0kgとを仕込み、30℃に保った。
(2)この中に重合触媒溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1720mLを加え、スチレンモノマーをアニオン重合させた。
(3)スチレンモノマーの重合率が99%を超えた後、反応系の内温を80℃に保ちながら総量114.4kgのスチレンモノマー、及び総量14.8kgのブタジエンをそれぞれ76.5kg/h、9.9kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加させ、添加終了後も5分間そのままの状態を保った。
(4)反応系の温度を80℃に保ちながら、54.8kgのブタジエンを一括添加して引き続きこれを反応させた。
(5)さらに8.0kgのスチレンモノマーを一括添加し重合を完結させた。
(6)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、重量平均分子量が160000でポリスチレンブロック部とポリブタジエンのブロック部およびスチレンとブタジエンのランダム構造を持つ重合体を含む重合液を得た。
溶液状態にある参考例1および2の各重合体は、単独で、重合溶媒を予備濃縮させた後、ベント式押出機にて脱気処理してペレット状とし、後述する試験に供した。
参考例のブロック共重合体の重量平均分子量は下記のGPC測定装置、および条件で測定を行った。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
検出:示差屈折率系
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PL社製)を用いて作成し、重量平均分子量はポリスチレン換算値で表した。
[動的粘弾性の測定]
参考例の損失正接値は、以下の手順に従い動的粘弾性法により測定した。
(1)各重合体ペレットを260℃の条件で加熱プレスし、厚さ0.3mmのシートを作製した。
(2)このシートから適当な大きさの試験片を切り出し、23℃、50%RH室内に24時間以上保管して養生処理を施した後、下記の装置を用いて該試験片である重合体に固有な貯蔵弾性率、及び損失弾性率を温度を変化させながら測定し、その損失正接値を計算させた。結果を表1に示した。
装置:レオメトリクス社製 固体粘弾性測定装置 RSA3
設定温度範囲:0〜130℃
設定昇温速度:4℃/分
測定周波数:1Hz
測定結果を表1に示す。
参考例以外の成分(A)として電気化学工業(株)社製クリアレン730L(SBS樹脂)そのまま後述の試験に供した。
成分(B)であるシンジオタクチック構造のスチレン重合体としてスチレンとパラメチルスチレンとのコポリマーである下記のものをそのまま後述の試験に供した。
出光石油化学社製XAREC201AE(コポリマー)
成分(C)である(A)、(B)とは異なるスチレン系重合体として下記の樹脂を後述の試験に供した。
東洋スチレン(株)社製:E640N ゴム変性ポリスチレン
東洋スチレン(株)社製:HRM10 汎用ポリスチレン
成分(D)であるアクリレート系化合物として下記を後述の試験に供した。
住友化学社製:SumilizerGS 2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル−]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート
その他の添加剤として下記を後述の試験に供した。
チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製:Irganox1076 オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
旭電化社製:アデカスタブ2112RG トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
本発明の熱収縮性フィルムの熱収縮性、自然収縮性、結晶化度、結晶化温度、透明性などを測定するための延伸フィルムは以下に示した手順に従い作成した。実施例、比較例に供した組成物1〜10は表1に示す配合で30mmφ二軸押出機によりダイス温度250℃で溶融混練しペレットとした。これら組成物の動的粘弾性測定は参考例で行った方法と同じ方法により測定した。結果を表4に示す。
単層熱収縮性フィルムについては、組成物1〜6のペレットをナカタニ機械製60m/mφ単軸押出機を用いダイス温度250℃でTダイより押出し40℃のキャストロールで冷却した後、連続的に80℃のロールで縦延伸を1.1倍行い、さらに小林機械(株)製テンター延伸機で5倍の横延伸を行い50μmの熱収縮多層フィルムを得た。このときテンター延伸機でのラインスピードは5m/minであり、テンター延伸機の予熱炉、延伸炉、熱固定炉の温度はそれぞれ110℃、90℃、70℃とした。
多層熱収縮性フィルムについては、組成物4および組成物7〜10のペレットをフィードブロックを付した多層シート押出機を用いダイス温度250℃で、表6の層構成になるよう融着積層してTダイより押出し、40℃のキャストロールで冷却した後、連続的に80℃のロールで縦延伸を1.1倍行い、さらに小林機械(株)製テンター延伸機で5倍の横延伸を行い50μmの熱収縮多層フィルムを得た。このときテンター延伸機でのラインスピードは5m/minであり、テンター延伸機の予熱炉、延伸炉、熱固定炉の温度はそれぞれ110℃、90℃、70℃とした。用いた押出機は内層用にナカタニ機械製60m/mφ単軸押出機を、外層用にナカタニ機械製40m/mφの単軸押出機を用いた。
延伸フィルムの各物性は下記の方法により測定を行った。
[DSC測定]
(1)アルミニウム製パンにサンプル10mgおよび、リファレンスとしてα−アルミナ10mgをそれぞれ精秤し、セイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計DSC6200Rを用い、初期温度30℃、昇温速度、10℃/分で300℃まで昇温し、5分間300℃を保持し、その後10℃/分で30℃まで降温させ測定を行った。
[冷結晶化温度]
DSC昇温測定の発熱ピークのピークトップ温度を冷結晶化温度とした。
[結晶化温度]
DSC降温測定の吸熱ピークのピークトップ温度を結晶化温度とした。
[結晶化度]
DSC昇温測定の吸熱ピークの面積(A1)とDSC降温測定の吸熱ピークの面積(A2)を求め下記の式に従い結晶化度とした。
結晶化度(%)=(A2−A1)/A2×100
[結晶融解エネルギー]
熱収縮性フィルムの結晶融解エネルギーは下記の式に従い結晶融解エネルギーとした。
結晶融解エネルギー(J/g)=A2−A1
つまりA2は熱収縮性フィルムを形成する樹脂組成物の理論的結晶融解エネルギーと見なされ、A1は熱収縮性フィルムの実験的結晶融解エネルギーまで結晶しなかった分の結晶融解エネルギーと見なされる。すなわちA2−A1は熱収縮性フィルムがもつ結晶融解エネルギーを示す。
[熱収縮率の測定]
(1)厚さ60μmの延伸フィルムからMD方向が20mm、TD方向が120mmの試験片を切り出した。
(2)この試験片のTD方向に100.0mm間隔の標線を付けた。
(3)この試験片を所定温度(70℃、80℃、90℃)の温水中に10秒間漬けて取り出し、付着した水分を拭った後、標線間の距離をノギスを用いて0.1mmの単位まで測定し、その測定結果をL1とした。
(4)次式により熱収縮率(%)を算出した。なお、熱収縮率は70℃で10%以上、80℃で20%以上、90℃で30%以上となることを実用のための目安とした。
Figure 2005105048
[自然収縮率の測定]
(1)厚さ60μmの延伸フィルムからMD方向が20mm、TD方向が120mmの試験片を切り出した。
(2)この試験片のTD方向に100.0mm間隔の標線を付けた。
(3)この試験片を40℃の恒温層中に7日間静置し、標線間の距離をノギスを用いて0.1mmの単位まで測定し、その測定結果をL2とした。
(4)次式により自然収縮率(%)を算出した。なお、自然収縮率は5%以下となることを実用のための目安とした。
Figure 2005105048
[耐熱性の評価]
(1)厚さ60μmの延伸フィルムからMD方向が20mm、TD方向が120mmの試験片を切り出した。
(2)この試験片をφ50mm、重量300gの円筒の表面にフィルムと円筒に隙間の開かないように粘着テープを用い両端を固定し装着した。円筒は紙管の表面に100μmのPETを巻き付けたものを使用した。
(3)図1に示すように、予め120℃で温調しているステンレス製熱板の上にフィルムを装着した円筒をフィルムが熱板に触れるように静置した。
(4)フィルムが熱板に触れてから120秒後、熱板上から筒ごとフィルムを取り上げフィルムの変化を目視により評価した。
○:φ1mm以上の穴なし
×:φ1mm以上の穴有りもしくは破断
[透明性の測定]
延伸フィルムの曇度は下記の装置を用い、ASTM D1003に準拠して測定した。
フィルムの全HAZEを日本電色工業社製NDH2000により測定した(H1)。
内部HAZEは予め光路長1cmのセル中にホワイトオイル(エクソンモービル社製クリストールJ−352)を満たし、HAZEを測定しておき(H2)、このセル中にフィルムを浸漬しHAZEを測定し(H3)、次式により内部HAZEとした。
内部HAZE=H3−H2
[フィッシュアイの測定]
フィッシュアイの測定は延伸フィルムから幅10cm×長さ50cmに切り出しこの切り出したフィルム中の0.5mm以上のフィッシュアイの数を目視により計測した。計測結果が30個未満を合格とした。
単層フィルムでの実施例1〜4および比較例1〜2として、前記のように試験を行った評価結果を表4および表5に示す。
多層フィルムでの実施例5〜7および比較例3として、前記のように試験を行った評価結果を表7に示す。
Figure 2005105048
Figure 2005105048
Figure 2005105048
Figure 2005105048
Figure 2005105048
Figure 2005105048
Figure 2005105048
本発明の熱収縮性フィルムは、特定の芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなるブロック共重合体とシンジオタクチック構造のスチレン重合体および特定のアクリレート系化合物を添加した樹脂組成物から得られる熱収縮性フィルムであり、従来の熱収縮性、自然収縮性、透明性を損なうことなく耐熱性が著しく改善された、成形加工時の安定性に優れた熱収縮性フィルムである。したがって、本発明は、加温される熱収縮性ラベル、熱収縮性キャップシール、瓶の保護フィルムなどに好適である。
耐熱性の測定における試験片と円筒の概念図。
符号の説明
1 熱板
2 円筒
3 熱収縮フィルム
4 粘着テープ

Claims (9)

  1. 下記の成分(A)、(B)、(C)及び(D)からなる樹脂組成物から構成され、少なくとも1軸方向に延伸して得られ、80℃、10秒間の加熱収縮率が20%以上であることを特徴とする熱収縮性フィルム。
    (A)芳香族ビニル化合物の比率が50〜90質量%である、芳香族ビニル化合物と共役ジエンよりなり、かつ軟質相と硬質相とからなるミクロ相分離構造を有するブロック共重合体50〜95質量%。
    (B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体5〜50質量%。
    (C)成分(A)、(B)とは異なるスチレン系重合体0〜45質量%。
    (D)下記一般式で示されるアクリレート系化合物を成分(A)、(B)、(C)の総和100質量部に対し0.1〜3質量部。
    Figure 2005105048
    (式中、R1 は水素または炭素数1〜3のアルキルを、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭素数1〜9のアルキルを、R4 は水素またはメチルを表す)
  2. リン系安定剤を成分(A)、(B)、(C)の総和100質量部に対し0.1〜1質量部含むことを特徴とする請求項1記載の熱収縮性フィルム。
  3. フェノール系安定剤(ただし成分(D)を除く)を成分(A)、(B)、(C)の総和100質量部に対し0.1〜1質量%含むことを特徴とする請求項1または2記載の熱収縮性フィルム。
  4. 成分(A)のブロック共重合体の構造中に芳香族ビニル化合物及び共役ジエンのランダム共重合体ブロック部分を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の熱収縮性フィルム。
  5. 成分(A)が下記特性を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の熱収縮性フィルム。
    1)動的粘弾性スペクトルにおける損失正接値(tanδ)が、65℃以上100℃未満の温度範囲内で、少なくとも一つ以上の極大値を持つ。
    2)1)に該当する極大値の最大値は1.5以上4.0未満の範囲にある。
    3)1)に該当する極大値のうち、最大の極大値をとる温度から10℃低い温度における損失正接の値は最大の極大値の40%以下である。
    4)1)に該当する最大値のうち、最大の極大値をとる温度から30℃低い温度における損失正接の値は最大の極大値の10%以下である。
    5)30℃における損失正接値が0.01以上0.4未満の範囲にある。
  6. 熱収縮性フィルムを構成する樹脂組成物が下記特性を有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の熱収縮性フィルム。
    1)動的粘弾性スペクトルにおける損失正接値(tanδ)が、65℃以上100℃未満の温度範囲内で、少なくとも一つ以上の極大値を持つ。
    2)1)に該当する極大値の最大値は1.5以上4.0未満の範囲にある。
    3)1)に該当する極大値のうち、最大の極大値をとる温度から10℃低い温度における損失正接の値は最大の極大値の40%以下である。
    4)1)に該当する最大値のうち、最大の極大値をとる温度から30℃低い温度における損失正接の値は最大の極大値の10%以下である。
    5)30℃における損失正接値が0.01以上0.4未満の範囲にある。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の熱収縮性フィルムを少なくとも1層有することを特徴とする多層構造の熱収縮性シュリンクフィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の熱収縮性フィルムよりなる包装用ラベル。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の熱収縮性フィルムまたは包装用ラベルで包装された容器。
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