JP2005104233A - 駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動力配分機構による制御とアンチスキッドブレーキシステムによる制御との間に生じる制御干渉を抑制しながら、車両の挙動を安定させる。
【解決手段】エンジン2からの駆動力を車両1の走行状態に応じて各駆動輪8L,8R,14L,14Rに可変配分する駆動力配分機構15,19と、駆動力配分機構15,19の作動を制御する駆動力配分制御手段18と、制動時に車両1の各輪8L,8R,14L,14Rのスリップ状態が好ましい状態となるように各輪8L,8R,14L,14Rの制動状態を制御するアンチスキッドブレーキシステム(ABS)20と、車両1が走行している路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段24とをそなえ、駆動力配分制御手段18は、ABS20の作動時に、摩擦係数推定手段24で推定された摩擦係数に応じて、駆動力配分機構15,19の制御態様を変更する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の各駆動輪に対する駆動力を適宜配分する駆動力配分制御装置に関するものである。
従来、一般的な自動車の駆動輪には、左輪と右輪との間にディファレンシャルギア(差動装置)が設けられ、旋回時の左右輪の回転数差を許容することで滑らかに旋回走行できるようになっている。また、4輪駆動車の場合には、上記の左右輪のディファレンシャルギアに加え、前輪と後輪との間にもディファレンシャルギア(センターデフ)が設けられ、前後輪の回転数差を許容できるようになっている。
しかしながら、このような一般的なディファレンシャルギアは、いずれか一方の駆動輪がスリップしたような場合に、他方の駆動輪に対して駆動力が配分されなくなってしまうという特性がある。このため、近年では、悪路走行を想定した車種やスポーツ走行を想定した車種などを中心に、ディファレンシャルギアによる差動を制限する差動制限装置がそなえられている場合が多い。この差動制限装置の代表例としては、例えば、LSD(Limited Slip Differential;差動制限装置)があり、このLSDを電子的にあるいは機械的に制御することによって、いずれかの駆動輪がスリップしたような場合であっても、適切な駆動輪に対して好ましい駆動力を配分できるようになっている。
そして、近年は、単に駆動輪がスリップしたような場合のみならず、上述したLSDに代表される駆動系機器を車両の走行状況に合わせて積極的に作動させ、車両の旋回性能や加速性能および安定性能などを向上させる駆動力配分システム(もしくは、駆動力配分機構)が実現されている。なお、この駆動力配分システムの概念に含まれる具体例としては、電子制御LSD,前後輪の駆動力配分を変更可能な前後輪駆動力配分機構,左右輪の駆動力配分を変更可能な左右輪駆動力配分機構,電子制御カップリングなどがある。
他方、近年、車両にはABS(アンチスキッドブレーキシステムまたはアンチスキッドブレーキシステム)が装備され、制動時に、操舵性を確保しながら確実に減速することができるようになっている。
ところが、上述した駆動力配分システムとABSとの双方を装備した車両においては、駆動力配分機構による制御とABSによる制御とが干渉してしまう場合があった。
そこで、このような不具合を解消し、駆動力配分システムとABSとの制御親和性を向上する技術が、本出願人により提案されている(特許文献1)。この特許文献1の技術によれば、駆動力配分システムの制御態様を、ABSの作動・非作動に応じて、通常モードまたはABS制御による効果を妨げない制御モード(ABS対応モード)を、適宜切り換えられるようになっている。
特開2002―96651号公報参照
ところで、上述の技術では、ABS作動時の駆動力配分システムの制御態様は、ABS対応モードに切り換えられることになるが、このようなABS対応モード時には、ABS作動前までに得られていた駆動力配分システムによる効果が低下する場合がある。
また、路面の摩擦係数μが大きい場合においては、通常モードによる効果とABS対応モードによる効果との差が大きいため、例えば、乾いたアスファルト路面のような、いわゆる高μ路を走行中に、駆動力配分システムの制御態様が通常モードからABS対応モード(あるいは、ABS対応モードから通常モードへ)への切り換えられると、モード切り換えショックが生じてしまい、ドライバに対してドライブフィールの違和感を与えるおそれがある。
このため、駆動力配分機構とABS装置との双方をそなえる車両においては、旋回性能,加速性能,安定性能などを駆動力配分機構によって向上させながら、ABSが作動した場合であっても、車両の挙動を安定させることが望まれている。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、駆動力配分機構による制御とアンチスキッドブレーキシステムによる制御との間に生じる制御干渉を抑制しながら、車両の挙動を安定させる、駆動力配分制御装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の駆動力配分制御装置は、エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて各駆動輪に可変配分する駆動力配分機構と、該駆動力配分機構の作動を制御する駆動力配分制御手段と、制動時に該車両の各輪のスリップ状態が好ましい状態となるように該各輪の制動状態を制御するアンチスキッドブレーキシステムと、該車両が走行している路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段とをそなえ、該駆動力配分制御手段は、該アンチスキッドブレーキシステムの作動時に、該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数に応じて、該駆動力配分機構の制御態様を変更することを特徴としている。
これにより、摩擦係数推定手段によって推定された路面の摩擦係数に基づいて、きめ細やかに駆動力配分機構を制御し、アンチスキッドブレーキシステムとの制御干渉を取り除きながら、確実に車両の旋回性能や加速性能を高めつつ、走行安定性を向上させることができる。
また、請求項2記載の本発明の駆動力配分制御装置は、請求項1記載の内容において、該駆動力配分制御手段は、その制御態様として、該アンチスキッドブレーキシステムの非作動時に実行される通常モードと、該アンチスキッドブレーキシステムの作動時に実行されて該アンチスキッドブレーキシステムの作動に対応して設定されたABS対応モードとをそなえ、該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数に応じて該ABS対応モードの制御態様を変更することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の駆動力配分制御装置は、請求項2記載の内容において、該ABS対応モードは、該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数が大きいほど該アンチスキッドブレーキシステムの作動への対応度合が低下するように設定されていることを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の駆動力配分制御装置は、請求項2記載の内容において、該駆動力配分機構が、該車両の前後輪の駆動力配分を変更可能な前後輪駆動力配分機構と、該車両の左右輪の駆動力配分を変更可能な左右輪駆動力配分機構とを有し、該ABS対応モードは、該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数が所定値以上である場合には、該前後輪駆動力配分機構の駆動力配分制御におけるアンチスキッドブレーキシステムの作動への対応度合を、該左右輪駆動力配分機構の駆動力配分制御における同対応度合よりも大きく設定していることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の駆動力配分制御装置は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の内容において、該駆動力配分制御手段は、該車両の前後輪および左右輪のうちの少なくとも一方の車輪間の回転速度差に応じた制御量で該駆動力配分機構の作動を制御し、該ABS対応モードでの該回転速度差に応じた該制御量は、該通常モードでの該回転速度差に応じた該制御量よりも小さく設定されるとともに、該摩擦係数が大きいほど大きく設定されていることを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の駆動力配分制御装置は、請求項5記載の内容において、該駆動力配分制御手段は、該アンチスキッドブレーキシステムの作動により該ABS対応モードが実行され、且つ該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数が所定値未満である場合には、該回転速度差に応じた該制御量のみに応じて該駆動力配分機構の作動を制御することを特徴としている。
本発明の駆動力配分制御装置によれば、駆動力配分機構による駆動力の制御とアンチスキッドブレーキシステムによる制動力の制御との間に生じる制御干渉を抑制しながら、車両の挙動を安定させることができるという利点がある。すなわち、車両が走行している路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段によって推定された路面の摩擦係数に基づいて、駆動力配分機構とアンチスキッドブレーキシステムとの制御を親和させながら、車両の旋回性能、加速性能および制動性能を高めつつ、確実に走行安定性を向上させることができる(請求項1)。
また、アンチスキッドブレーキシステムの作動時には、アンチスキッドブレーキシステムの作動に対応した「ABS対応モード」での制御により、安定した制動効果を得ることができるとともに、アンチスキッドブレーキシステムの制御と駆動力配分機構の制御との間の制御干渉を効果的に抑制することができる(請求項2)。
また、アンチスキッドブレーキシステムによる安定した制動効果を得ながら、路面摩擦係数が大きい場合には、駆動力配分機構による効果も適切に得ることができる(請求項3)。
また、アンチスキッドブレーキシステムが作動中であり且つ路面の摩擦係数が高い場合には、左右輪駆動力配分機構による高い旋回性能を確保しつつ、アンチスキッドブレーキシステムによる安定した制動効果を得ることができる。(請求項4)。
また、車輪間の回転速度差に応じた制御量をアンチスキッドブレーキシステムの作動時に小さくすることにより、回転速度差に応じた制御がアンチスキッドブレーキシステムの制御に与える影響を低減でき、アンチスキッドブレーキシステムによる安定した制動効果を得ることができる(請求項5,6)。
以下、本発明の一実施形態にかかる駆動力配分制御装置について図1〜図4を用いて説明すると、図1はその構成を示す模式的なブロック図、図2はその要部構成を示す模式的なブロック図、図3および図4はその制御態様を説明するための図である。
まず、図1に示すように、本発明の駆動力配分制御装置が適用される四輪駆動の車両1には、エンジン2,トランスミッション3などがそなえられ、エンジン2の出力はトランスミッション3及び中間ギア機構4を介してセンタディファレンシャル(以下、センターデフ)5に伝達されるようになっている。
また、このセンターデフ5の出力は、一方が前輪8のフロントディファレンシャル(以下、フロントデフ)6を介して車軸7L,7Rから前輪8の左右輪8L,8Rに伝達され、他方がハイポイドギヤ機構9,プロペラシャフト10,後輪側のハイポイドギヤ機構11,リヤディファレンシャル(以下、リアデフ)12を介して車軸13L,13Rから後輪14の左右輪14R,14Lに伝達されるようになっている。そして、このリアデフ12には、詳しくは後述する、左右輪駆動力配分機構(駆動力配分機構)15が設けられている。
また、この車両1には、この左右輪駆動力配分機構15および後述する前後輪駆動力配分機構(駆動力配分機構)19に対して油圧を供給する駆動系油圧ユニット17と、この駆動系油圧ユニット17を制御することで、左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19の作動状態を制御する駆動力配分制御手段(ECU)18とがそなえられている。
また、センターデフ5は、デファレンシャルピニオン5A,5Bと、これらのデファレンシャルピニオン5A,5Bと噛合するサイドギヤ5C,5Dとから構成され、デファレンシャルピニオン5A,5Bから入力されたトルクは、一方のサイドギヤ5Cを介して前輪8へ伝達されるとともに、他方のサイドギヤ5Dを介しプロペラシャフト10などを経て後輪14へ伝達される。また、このとき、このセンターデフ5によって前輪8と後輪14との間の差動が許容されることによって、車両1の回頭性が妨げられないようになっている。
そして、このセンターデフ5には、前輪8と後輪14との間で許容された差動を可変に制限しながら、エンジン2から出力されたトルクを前後輪8,14に対して可変に配分できる前後輪駆動力配分機構19が接続されている。この前後輪駆動力配分機構19は、湿式油圧多板クラッチ機構によって構成され、駆動系油圧ユニット17から供給された油圧に応じて、前輪8および後輪14に対して伝達されるトルク(駆動力)の配分を適宜変更できるようになっている。
つまり、この前後輪駆動力配分機構19によれば、例えば、前輪8と後輪14との差動を制限することによって、車両1のトラクション性能を向上させたり、他方、前輪8と後輪14との差動を許容して、車両1の回頭性能を向上させたりできるようになっている。
また、フロントデフ6には、エンジン2から入力されたトルクの大きさに応じて、左右輪8R,8Lの差動を機械的に制限するトルク感応式のディファレンシャルギアが適用されている。
なお、上述した駆動系油圧ユニット17には、いずれも図示しない、アキュムレータ、アキュムレータ内の作動油を所定圧に加圧するモータポンプ、モータポンプで加圧された油圧を監視する圧力センサなどがそなえられ、また、モータポンプによって圧力調整されたアキュムレータ内の油圧をさらに圧力調整しながら出力する電磁制御弁と、この電磁制御弁で調整された油圧の供給先を、左右輪駆動力配分機構17の所定の油室(図示略)に切り換える方向切換弁などがそなえられて構成されている。
また、この駆動系油圧ユニット17を制御するECU18には、いずれも図示しない、CPU,ROM,RAM,インタフェイス等がそなえられ、また、図示しない、車輪速センサ,舵角センサ,前後Gセンサ,横Gセンサ,スロットルポジションセンサなどのセンサ類が接続されている。そして、ECU18では、これらの各種センサによって検出された情報に基づいて、車両の走行状態、即ち、車速,操舵状態,車体の走行状態等に応じて、駆動系油圧ユニット17を制御するようになっている。
次に、後輪14側の駆動系について説明すると、この後輪14には左右輪14L,14R間の差動を許容するリアデフ12が設けられるとともに、左右輪14L,14Rに伝達される駆動力の配分を適宜変更可能な左右輪駆動力配分機構15が設けられている。
また、このリアデフ12のケース12Aの外周にはプロペラシャフト10の後端のピニオンギア10Aと噛合するクラウンギア16が設けられ、また、このケース12Aの内側には遊星歯車機構12Bがそなえられている。そして、この遊星歯車機構12Bにより、左右の後輪14L,14Rの差動が許容されるようになっている。このような構成により、エンジン2からプロペラシャフト10,ピニオンギア10A等を通じてクラウンギア16へ入力されたトルクは、遊星歯車機構12Bによって左側の後輪14Lと右側の後輪14Rとの差動を許容しながら両輪14L,14Rに伝達されるようになっている。
また、左右輪駆動力配分機構15は、変速機構15Aと伝達容量可変制御式のトルク伝達機構15Bとから構成され、ECU18からの指令によって右輪14Rと左輪14Lとの駆動力(即ち、トルク)を、車両の走行状況等に応じて適宜変更できるようにようになっている。
このうち、変速機構15Aは、左右輪のうちの一方の車輪(ここでは左輪14L)の回転速度を増速させたり減速させたりしてトルク伝達機構15Bに出力するものである。
この伝達容量可変制御式のトルク伝達機構15Bは、ECU18によって制御された駆動系油圧ユニット17から供給される制御油圧に応じて、伝達トルク容量を調整できる湿式油圧多板クラッチ機構であって、上記変速機構15Aにより増速または減速された回転速度と、左右輪のうちの他方の車輪(ここでは右輪14R)の回転速度との回転速度差を利用して、左右輪14L,14Rの間でトルクの授受を行なうことにより、一方の車輪の駆動トルクを増大または減少させ、他方の車輪の駆動トルクを減少または増大させることができるようになっている。なお、上述の、遊星歯車機構12B,変速機構15A,トルク伝達機構15Bは公知の技術であるので、これらの各構造についての詳細な説明は省略する。
これにより、例えば、車両1が右旋回しながら前進している場合には、所定の油圧が駆動系油圧ユニット17から左右輪駆動力配分機構15に入力されて、右後輪14Rに伝達されるトルクの配分量が減少されるとともに右後輪14Rが減速する。また、このとき、左後輪14Lに伝達されるトルク配分量が増大されるとともに左後輪14Lが増速する。これにより、車両1に右回り(時計回り)のヨーモーメントを生じさせることができるようになっている。
同様に、車両1が左方向へ旋回しながら前進している場合には、駆動系油圧ユニット17から所定の油圧を受けた左右輪駆動力配分機構15が、左後輪14Lへ伝達されるトルクの配分量が減少するとともに左後輪14Lが減速する。また、このとき、右後輪14Rへ伝達されるトルク配分量が増加されるとともに右後輪14Rが増速する。これにより、車両1に対して左回り(反時計回り)のヨーモーメントを生じさせて、車両1の回頭性能を向上させることができるようになっている。
ところで、車両1には、アンチスキッドブレーキシステム(ABS)20が装備されており、このアンチスキッドブレーキシステム20により、車両1の各輪8L,8R,14L,14Rが路面に対して好ましいスリップ状態となるように、各輪8L,8R,14L,14Rの制動状態がそれぞれ独立して制動されるようになっている。このアンチスキッドブレーキシステム20は、車両1の各輪8L,8R,14L,14Rにそれぞれ設けられた4つのブレーキ装置21と、これらの各ブレーキ装置21を制御するABSコントローラ(アンチスキッドブレーキ制御手段)22と、ABSコントローラ22からの指令に応じた油圧を各ブレーキ装置21に対して供給する制動系油圧ユニット23とから構成されている。
また、上述した制動系油圧ユニット23には、それぞれ図示しない、ブレーキ液圧を調整するためのモータポンプと、電磁制御弁などをそなえて構成され、各輪8L,8R,14L,14Rのそれぞれに設けられた4つのブレーキ装置21のそれぞれに対して、ABSコントローラ22によって指示された所定の油圧が入力されるようになっている。
また、ABSコントローラ22には、図示しないCPU,ROM,RAM,インタフェイス等がそなえられるとともに、図示しない車輪速センサ,前後Gセンサ,横Gセンサ,ブレーキペダル踏み込みセンサなどの各種センサが接続されている。そして、ABSコントローラ22では、これらの各種センサによって検出された情報に基づいて、制動系油圧ユニット23を制御するようになっている。
ところで、図2は、本装置の制御系の構成を示す模式的なブロック図であって、この図2に示すように、ABSコントローラ22には摩擦係数推定手段24が内蔵され、この摩擦係数推定手段24によって車両1が走行中の路面の摩擦係数μが推定できるようになっている。なお、この摩擦係数推定手段24はABSコントローラ22に内蔵されたメモリ(図示略)に記憶されたソフトウェアとして実現されている。また、路面の摩擦係数μの推定手法は様々な公知の技術を適用可能であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
また、ECU18はABSコントローラ22と電気的に接続され、ABS20の作動状態および摩擦係数推定手段24によって推定された路面の摩擦係数μが入力されるようになっている。そして、このECU18は、ABS20が作動した場合には、駆動力配分機構(左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19)の制御態様(モード)をABS20の作動に対応した制御態様(ABS対応モード)に切り換えるようになっている。また、このABS対応モードは、ABS制御を優先して駆動力配分がABS制御に与える影響が少なくなるように設定されている。また、摩擦係数推定手段24によって推定された摩擦係数に応じて、ABS対応モードの制御内容が変更することができるようになっている。
また、駆動力配分機構15,19の制御モードとして、ABS20の非作動時に実行され駆動力配分機構15,19による駆動力配分を優先させる第1モード(通常モード)18Aと、ABS20の作動時であって且つ摩擦係数推定手段24で推定された摩擦係数μが所定値以上である場合に実行される第2モード(ABS対応モード)18Bと、ABS20の作動時であって且つ摩擦係数推定手段24で推定された摩擦係数μが所定値未満である場合に実行される第3モード(ABS対応モード)18Cとが、それぞれECU18のメモリ内に記憶され、ABS20の作動状態および路面摩擦係数μによって適宜選択されるようになっている。
そして、摩擦係数推定手段24によって推定された路面の摩擦係数μがECU18に入力されると、この路面摩擦係数μが所定の閾値未満であるか否かが判定されるようになっている。なお、この閾値の設定はタイヤ性能実験などによって設定される値である。
具体的には、図2および図3に示すように、ABS20が非作動である場合には通常の制御である第1モード18Aが第1セレクタ18Dによって選択され、ABS20が作動しており且つ路面の摩擦係数μが大きい場合(即ち、高μ路である場合)には第1セレクタ18Dおよび第2セレクタ18Eによって第2モード18Bが選択される。また、ABS20が作動しており且つ路面の摩擦係数μが小さい場合(即ち、低μ路である場合)には第1セレクタ18Dおよび第2セレクタ18Eによって第3モード18Cが選択されるようになっている。なお、高μ路とは、乾いたアスファルト路面に相当する摩擦係数以上の場合をいい、低μ路とは、濡れたアスファルト路面に相当する摩擦係数未満のような場合をいう。
ここで、図3を用いて、これらの第1〜3モード18A,18B,18Cの詳細について説明すると、第1モード18Aは、駆動力配分機構としての左右輪駆動力配分機構15と前後輪駆動力配分機構19との双方を駆動力配分優先制御に基づいて制御する態様であって、駆動力配分による効果を最大限に発揮させて、高い駆動性能および高い旋回性能が得られるようになっている。
また、第2モード18Bは、前後輪駆動力配分機構19については前後輪の駆動力配分よりもABS20の作動を優先させ且つ左右輪駆動力配分機構15については左右輪の駆動力配分をABS20の作動よりも優先させる制御として設定されている。つまり、この第2モード18Bは、左右輪駆動力配分機構15を上記の駆動力配分優先制御、即ち、第1モード18Aで実施される左右輪駆動力配分機構15の駆動力配分制御によって制御するとともに、前後輪駆動力配分機構19をABS優先制御によって制御する態様である。
このABS優先制御とは、駆動力配分機構による駆動力配分の効果よりも、ABS20の作動による効果が優先して得られるようにする制御態様である。なお、これらの駆動力配分優先制御やABS優先制御の詳細については、本出願人により特開2002−96651号公報として開示されているので、ここではその詳しい説明を省略するが、このうちABS優先制御について簡単に説明すると、車両の前後輪8,14および左右輪14L,14Rとの間のうち、少なくとも一方の車輪間の回転速度差のみに応じて、駆動力配分機構15,19が駆動力を配分する制御態様であって、この制御によってABS20による制御と駆動力配分機構15,19との間に生じる制御干渉を抑制することができるようになっている。
したがって、この第2モード18Bによれば、左右輪駆動力配分機構15によって車両1の旋回性能が高められるとともに、ABS20による安定した制動効果を確実に得られるようになっている。
なお、この第2モード18Bは、摩擦係数判定手段24で推定された摩擦係数μが大きいほどABS20の作動の優先度合(対応度合)が低下するように設定されており、これによって路面の摩擦係数μが大きくなるにつれて駆動力配分機構15,19による駆動力配分による効果、即ち、高い回頭性能や高い加速性能が得られるようになっている。
また、第3モード18Cも、前後輪駆動力配分機構19および左右輪駆動力配分機構15の双方の駆動力配分よりもABS20の作動を優先させる制御モードとして設定されている。つまり、この第3モード18Cは、左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19の双方を、上記のABS優先制御で制御する制御態様である。したがって、この第3モード18Cによれば、ABS20による制動効果が最大限に得られるようになっている。
なお、この第3モード18Cは、摩擦係数判定手段で24推定された摩擦係数μが大きいほど、ABS20の作動の優先度合(対応度合)が低下するように設定されており、これによって路面の摩擦係数μが大きくなるにつれて駆動力配分機構15,19による駆動力配分による効果、即ち、高い回頭性能や高い加速性能が得られるようになっている。
また、これらの第1〜3モード18A,18B,18CはそれぞれECU18に内蔵された図示しないメモリ内に記録され、また、第1および第2セレクタ18D,18Eはソフトウェアまたは電気回路によって実現されるようになっている。
なお、本発明においてこのような制御を行なえるのは、ABS20が作動し、且つ前後輪駆動力配分機構19や左右輪駆動力配分機構15が作動した場合であっても、路面μが大きい場合には、ABS20と前後輪駆動力配分機構19および左右輪駆動力配分機構15との間で生じる制御干渉が小さく、駆動力配分制御がABS20による制御の効果に与える影響が小さいことが本発明者らによって明らかとなったためである。
本発明の一実施形態に係る駆動力配分制御装置は上述のように構成されているので、その作用・効果について、説明すると以下のようになる。
まず、車両1が走行中、ABS20が作動していない場合には、摩擦係数推定手段24によって推定された走行中の路面摩擦係数μの大小に関わらず、ECU18の第1セレクタ18Dは、第1モード18Aを選択し、ここで選択された第1モード18Aにしたがって、左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19が制御され、車両1の加速性や回頭性が向上する。
一方、ABS20が作動している場合には、第1セレクタ18Dが第2セレクタ18Eを選択する。また、このとき、摩擦係数推定手段24によって推定された路面の摩擦係数μと所定の閾値とが比較され、推定された摩擦係数μが閾値以上である場合は、第2セレクタ18Eは第2モードを選択する。これにより、左右輪駆動力配分機構15が駆動力配分優先制御によって制御されるとともに、前後輪駆動力配分機構19がABS優先制御によって制御され、車両1の回頭性を高めながら、ABS20による確実な制動効果を得ることができる。
また、ABS20が作動中であり且つECU18が受信した摩擦係数μが、所定の閾値未満である場合には、第3モード18Cが選択され、これにより、駆動力配分機構、即ち、左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19による駆動力配分よりも、ABS20による制動制御が優先されて、高い制動性能を得ることができる。
なお、ABS20による制御を最も優先させた場合(即ち、第3モード実行中の場合)とは、換言すると、車両1が低μ路を走行している場合であるが、このような低μ路を走行している場合においては、ABS20による制動制御によって車両の安定性が向上することが本発明者らにより明らかとなっている。したがって車両1が低μ路を走行中に第3モードを実行した場合には、駆動力配分機構(左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19)による車両挙動制御よりもABS20による制動制御が優先されるものの、実際には、ABS20の作動により車両1の走行安定性を高めることができ、車両挙動が不安定になるおそれはない。
このように、上述した実施形態においては、駆動力配分機構は、ABS20が作動していないときには、通常モードの制御態様によって制御され、ABS20が作動しているときには、ABS20の作動に対応したABS対応モードの制御態様によって制御される。
そして、ABS対応モードでは、路面の摩擦係数μが所定の閾値以上(高μ路)である場合には、前後輪駆動力配分機構19をABS優先制御に基づき制御するとともに、左右輸駆動力配分機構15を駆動力配分優先制御に基づき制御して、一方、路面の摩擦係数μが所定の閾値よりも小さい(低μ路)場合には、前後輪駆動力配分機構19及び左右輸駆動力配分機構15をABS優先制御に基づき制御する。
よって、ABS20が作動しているときに実施されるABS対応モードでは、路面摩擦係数が所定値以上のときには、同摩擦係数が所定値よりも小さいときに比してABS20の作動に対する対応度合が小さくなるように制御態様が設定されることとなる。
また、ABS作動中で且つ高μ路を走行中である場合には、前後輪駆動力配分機構19の制御態様をABS優先制御とするとともに左右輪駆動力配分機構15を制御態様を駆動力配分優先制御とすることにより、前後輪駆動力配分機構19の駆動力配分制御におけるABS作動への対応度合が、左右輸駆動力配分機構15の駆動力配分制御におけるABS作動への対応度合よりも大きく設定されることとなる。
なお、上述した実施形態では、ABS20が作動しているときに実施されるABS対応モードにおいて、高μ路のときには前後輪駆動力配分機構19の駆動力配分制御のみをABS優先制御としていたが、この構成に限定することなく、ABS対応モードを路面の摩擦係数μに関係なく前後輪駆動力配分機構19及び左右輸駆動力配分機構15の両方の駆動力配分制御をABS優先制御とし、このABS優先制御を路面の摩擦係数が大きいほどABS20の作動への対応度合が小さくなるように設定してもよい。
また、上述した実施形態においては、ABS20が非作動である場合には第1セレクタ18Dにより第1モード18Aが選択され、ABS20が作動中である場合には第1セレクタ18Dにより第2セレクタ18Eが選択され、路面の摩擦係数μが小(低μ路)である場合には第2セレクタ18Eにより第2モード18Bが選択されるように構成されているが、このような構成に限定するものではなく、第1モード18Aと第2モード18Bとを1つのセレクタのみで選択可能に構成し、このセレクタが、ABSコントローラ22からABS20が作動中であり旦つ低μ路であることを示す信号を受信すると第2モード18Bを選択するように構成してもよい。
次に、本発明の変形例にかかる駆動力配分制御装置について、図4を参照しながら説明する。
この変形例においては、上述した実施形態に対して、駆動力配分機構15,19の制御態様のみが異なり、その他の構成等は同一であるため、この図4に示す制御態様についてのみ説明する。
ECU18には、ABS20の作動状態および摩擦係数推定手段24によって推定された路面の摩擦係数μが入力され、このABS作動状態および摩擦係数μに応じて、駆動力配分機構(左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19)の制御態様(モード)が切り換えられるようになっている。
そして、ECU18は、ABS20が作動していないときには、駆動力配分機構15,19の制御モードとして、駆動力配分機構15,19による駆動力配分を優先させる通常モードを選択するようになっている。
この通常モードは、前後輪8,14及び左右輪14L,14Rでの各車輪間の回転速度差に基づく「回転速度差制御(ΔN制御)」、急発進時などにおける車輪の初期スリップを防止したり旋回時の車両応答性を向上したりするためにスロットル開度や舵角に基づく「加速対応制御」、および急減速時に車両姿勢の安定性を確保するために前後加速度に基づく「減速対応制御」などの複数の制御内容を有している。そして、これら複数の制御内容によって得られる各制御量を合算して求められる最終制御量に基づき駆動力配分機構15,19を制御する。なお、これら通常モードでの制御内容については、特開2002−96651号などに開示されているような技術と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、ECU18は、ABS20が作動しているときには、駆動力配分機構15,19の制御モードをABS20の作動に対応した制御態様であるABS対応モードに切り換える。このABS対応モードは、ABS制御を優先させ、駆動力配分制御がABS制御に与える影響を少なくするように設定されている。そして、このABS対応モードでは、摩擦係数推定手段24によって推定された摩擦係数μが所定の閾値以上(高μ路)の場合には高μ路ABS対応制御が実施され、摩擦係数μが所定の閾値未満(低μ路)の場合には低μ路ABS対応制御が実施されるようになっている。
このうち、高μ路ABS対応制御は、通常モードでの通常制御と同様に、ΔN制御、加速対応制御および減速対応制御の各制御内容による制御量を合算して求められる最終制御量に基づき駆動力配分機構15,19を制御する。ただし、この高μ路ABS対応制御では、ΔN制御の制御量が、通常モードでのΔN制御の制御量に対してゲイン調整などにより低減されて設定される。
低μ路ABS対応制御は、通常モードでの通常制御におけるΔN制御のみの制御量に基づき駆動力配分機構15,19を制御する。ただし、この低μ路ABS対応制御でのΔN制御における制御量は、高μ路ABS対応制御でのΔN制御における制御量に対してゲイン調整などにより低減されて設定される。
このように、本変形例における駆動力配分制御装置によれば、車両1の前後輪8,14および左右輪14L,14Rの少なくとも一方の車輪間の回転速度差ΔNに応じて駆動力配分制御が実行されるとともに、ABS20の作動時のABS対応モードでは、その回転速度差ΔNに基づく制御量をABS非作動時の通常制御における回転速度差ΔNに基づく制御量に対して小さくなるように設定することにより、車両1の回頭性を高めながら、ABS20による確実な制動効果を得ることができる。
特に、ABS作動時のABS対応モードにおいて、路面の摩擦係数μが高い(高μ路である)場合には、通常制御に対してΔN制御の制御量のみを低減させた制御量に基づき駆動力配分機構15,19を制御することで、駆動力配分機構15,19による駆動力配分による効果、即ち高い回頭性能や高い加速性能が得られるようになっている。
また、摩擦係数μが低い(低μ路である)場合には、ΔN制御のみに基づき駆動力配分機構15,19を制御するとともに、このΔN制御の制御量を高μ路ABS対応制御におけるΔN制御の制御量よりも低減して設定することにより、駆動力配分機構15,19による騒動力配分よりもABS20による制動制御が優先されて、高い制動性能を得ることができる。
つまり、ABS作動時におけるABS対応モードでは、路面の摩擦係数に応じて駆動力配分機構15,19の制御内容を変更するとともに、ΔN制御における制御量を変更することにより、摩擦係数が大きいほどABS20の作動への対応度合が低下されるように制御されることとなる。
なお、ABS対応モードの高μ路ABS対応制御および低μ路ABS対応制御におけるΔN制御の制御量を路面の摩擦係数μが高い(高μ路である)ほど大きくなるように摩擦係数に応じて設定することも可能である。
また、左右輪駆動力配分機構15および前後輪駆動力配分機構19のいずれか一方のみの制御態様を、路面の摩擦係数に応じて高μ路ABS対応制御と低μ路ABS対応制御とに切り換えるようにしてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態においては、駆動力配分機構として前後輪駆動力配分機構や左右輪駆動力配分機構を適用した場合について説明したが、エンジンから各輪へ伝達される駆動力をそれぞれ変更可能であれば、他の機構(例えば、電子制御LSDや電子制御カップリングなど)を駆動力配分機構として適用してもよい。
また、上述した実施形態においては、路面摩擦係数推定手段をアンチスキッドブレーキ制御手段に内蔵したが、このような構成に限定するものではなく、路面摩擦係数推定手段をアンチスキッドブレーキ制御手段とは別個に設けるようにしてもよいし、駆動力配分制御手段の内部に設けてもよい。
4輪駆動の車両に限らず、エンジンから各輪へ伝達される駆動力をそれぞれ変更可能とする機構をそなえた車両に適用できる。
本発明の一実施形態に係る駆動力配分制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る駆動力配分制御装置の要部構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る駆動力配分制御装置の制御を説明するための図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る駆動力配分制御装置の制御を説明するための図である。
符号の説明
1 車両
2 エンジン
8L,8R,14L,14R 駆動輪,各輪
15 左右輪駆動力配分機構(駆動力配分機構)
18 駆動力配分制御手段(ECU)
18A 第1モード
18B 第2モード
18C 第3モード
19 前後輪駆動力配分機構(駆動力配分機構)
20 ABS(アンチスキッドブレーキシステム)
22 ABSコントローラ
24 摩擦係数推定手段


Claims (6)

  1. エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて各駆動輪に可変配分する駆動力配分機構と、
    該駆動力配分機構の作動を制御する駆動力配分制御手段と、
    制動時に該車両の各輪のスリップ状態が好ましい状態となるように該各輪の制動状態を制御するアンチスキッドブレーキシステムと、
    該車両が走行している路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段とをそなえ、
    該駆動力配分制御手段は、該アンチスキッドブレーキシステムの作動時に、該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数に応じて、該駆動力配分機構の制御態様を変更する
    ことを特徴とする、駆動力配分制御装置。
  2. 該駆動力配分制御手段は、
    その制御態様として、
    該アンチスキッドブレーキシステムの非作動時に実行される通常モードと、
    該アンチスキッドブレーキシステムの作動時に実行されて該アンチスキッドブレーキシステムの作動に対応して設定されたABS対応モードとをそなえ、
    該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数に応じて該ABS対応モードの制御態様を変更する
    ことを特徴とする、請求項1記載の駆動力配分制御装置。
  3. 該ABS対応モードは、
    該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数が大きいほど該アンチスキッドブレーキシステムの作動への対応度合が低下するように設定されている
    ことを特徴とする、請求項2記載の駆動力配分制御装置。
  4. 該駆動力配分機構が、
    該車両の前後輪の駆動力配分を変更可能な前後輪駆動力配分機構と、
    該車両の左右輪の駆動力配分を変更可能な左右輪駆動力配分機構とを有し、
    該ABS対応モードは、
    該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数が所定値以上である場合には、該前後輪駆動力配分機構の駆動力配分制御におけるアンチスキッドブレーキシステムの作動への対応度合を、該左右輪駆動力配分機構の駆動力配分制御における同対応度合よりも大きく設定している
    ことを特徴とする、請求項2記載の駆動力配分制御装置。
  5. 該駆動力配分制御手段は、
    該車両の前後輪および左右輪のうちの少なくとも一方の車輪間の回転速度差に応じた制御量で該駆動力配分機構の作動を制御し、
    該ABS対応モードでの該回転速度差に応じた該制御量は、
    該通常モードでの該回転速度差に応じた該制御量よりも小さく設定されるとともに、該摩擦係数が大きいほど大きく設定されている
    ことを特徴とする請求項2〜4いずれか1項に記載の駆動力配分制御装置。
  6. 該駆動力配分制御手段は、
    該アンチスキッドブレーキシステムの作動により該ABS対応モードが実行され、且つ該摩擦係数推定手段で推定された摩擦係数が所定値未満である場合には、該回転速度差に応じた該制御量のみに応じて該駆動力配分機構の作動を制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の駆動力配分制御装置。
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