JP2005104164A - バンパ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行者の安全性の確保と、バンパの設計自由度やデザイン自由度の向上とが、共に有利に且つ容易に実現せしめ得るバンパ構造を提供する。
【解決手段】衝撃の入力方向に延びる筒壁24を備えた筒状部20を有する樹脂成形体16の複数が、合成樹脂材料からなる連結体18,19により連結されて、一体化された衝撃吸収手段14を、バンパ補強部材10とバンパカバー12との間に配置すると共に、かかる衝撃吸収構造体14の各樹脂成形体16における筒状部20の筒壁24のうち、車体の上下方向における上側に位置せしめられる上側筒壁部分と下側に位置せしめられる下側筒壁部分のうちの何れか一方に、それらの筒壁部分の変形を容易ならしめる易変形部24cを設けることにより、上側筒壁部分と下側筒壁部分とが、互い異なる変形強度を有するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両用のバンパ構造に係り、特に、バンパ補強部材とバンパカバーとの間に配置された衝撃吸収手段の変形により、バンパカバーに入力される衝撃を吸収せしめるようにしたバンパ構造の改良された技術に関するものである。
従来から、自動車等の車両においては、衝突時の衝撃(衝撃エネルギー)を吸収し、車体や乗員、或いは歩行者等を保護することを主な目的として、車体の前面部と後面部とに、バンパが設置されている。そして、このバンパには、各種の構造のものがあり、その中の一種として、車体の前面側や後面側に対して、車幅方向に延びるように取り付けられる、剛性を有するバンパ補強部材と、バンパ補強部材の車体側とは反対側の面を覆って設置されるバンパカバーとの間に、変形により衝撃を吸収する衝撃吸収手段が配置されてなるものが、知られている。このようなバンパの構造によれば、バンパカバーに対して衝撃が入力せしめられた際に、バンパ補強部材にて、バンパ全体の剛性が適度に確保される一方で、衝撃吸収手段が、バンパ補強部材とバンパカバーとの間に挟まれて変形せしめられることにより、かかる衝撃が効果的に吸収せしめられ得るようになっているのである。
ところで、近年では、そのような構造を有するバンパにおいて、歩行者との接触時に、歩行者の安全を、より高いレベルで確保するための工夫が施されたものが提案されている。例えば、自動車の低速走行時において、バンパに歩行者が接触した際に、歩行者の脚部、特にダメージを受けやすい膝の保護を図るために、バンパカバーとバンパ補強部材との間に配置される衝撃吸収手段を、車体の上下方向の上側に位置せしめられる上側衝撃吸収部材と、その下側に位置せしめられる下側衝撃吸収部材の、互いに独立した二種類の衝撃吸収部材にて構成すると共に、下側衝撃吸収部材が、上側衝撃吸部材よりも、前後方向の荷重に対する変形の強度において大きくなるように構成したバンパ構造がある(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、このようなバンパ構造にあっては、歩行者の脚部が、低速走行中の自動車のバンパカバーに接触せしめられると、かかるバンパカバーとバンパ補強部材との間に配置された上側及び下側衝撃吸収部材のうち、変形強度の小さな上側衝撃吸収部材が、変形強度の大きな下側衝撃吸収部材よりも大きな変形量において変形せしめられる。このとき、歩行者の脚部の下側部分が、下側衝撃吸収部材にてすくい上げられ、それによって、脚部全体に対して、歩行者を車体側に転倒させる方向への回転力が付与される。そして、その結果、接触によって生ずる膝の無理な方向への曲げ角度が有利に小さくされて、膝に対する骨折等の傷害の発生が、可及的に防止され得るようになっているのである。
ところが、かくの如き従来のバンパ構造にあっては、互いに変形強度の異なる上側衝撃吸収部材と下側衝撃吸収部材として、例えば、発泡径や発泡量等が異なる二種類の発泡性樹脂材料や、硬度が互いに異なる二種類のゴム等の弾性材料が用いられて、それぞれ別個に成形された成形品が採用されているため、バンパカバーとバンパ補強部材との間に配置される衝撃吸収手段の製造に際して、互いに異なる材料からなる二種類の成形品を別個の工程で成形しなければならず、それ故、当然のことながら、一種類の成形品を成形する場合に比して、二倍の手間と時間が要されていたのである。
しかも、良く知られているように、発泡性樹脂材料やゴム等の弾性材料からなる衝撃吸収手段にあっては、荷重値と変位量(変形量)の関係、即ち、荷重変位特性が、変位量の増加に伴って荷重値が増加するといった右肩上がりの波形を示すような特性となるため、十分な衝撃吸収量を得るには、衝撃ストロークが長くなってしまうことが避けられなかった。それ故、発泡性樹脂材料やゴム等の弾性材料からなる衝撃吸収手段を有する従来のバンパ構造では、バンパカバーとバンパ補強部材との間に、衝撃吸収手段の配置スペースを大きく取らざるを得ず、それによって、バンパの設計自由度やデザイン自由度が低下するといった問題が惹起されていたのである。
一方、上述の如き構造とは別の種類のバンパ構造として、バンパカバーを合成樹脂材料にて構成すると共に、かかるバンパカバーのバンパ補強部材との対向面に対して、互いに独立して、車体の前後方向に延びる筒状の樹脂成形体の複数を一体的に突設せしめることにより、それら複数の筒状樹脂成形体からなる衝撃吸収手段を、バンパカバーとバンパ補強部材との間に位置せしめてなるバンパ構造も、知られている(例えば、特許文献2参照)。
このようなバンパ構造に採用される衝撃吸収手段にあっては、公知の如く、筒状の樹脂成形体の筒壁部が、車体の前後方向において入力される衝撃により座屈変形せしめられることによって、衝撃吸収が図られるようになっているため、衝撃入力の初期段階において、小さな変位量で荷重値が急激に上昇し、その後、変位量の増加に拘わらず荷重値が略一定に推移するような理想的な波形を示す荷重変位特性が発揮され、以て、小さな衝撃ストロークで十分に大きな衝撃吸収量を得ることが可能となる。
従って、かくの如き衝撃吸収手段を有するバンパ構造では、小さなスペース内に衝撃吸収手段を配置した状態下においても、優れた衝撃吸収性能が発揮され得ることとなるのであるが、前記せるような二種類の衝撃吸収部材にて構成された衝撃吸収手段を有する従来のバンパ構造とは異なって、歩行者がバンパカバーに接触せしめられた際に、かかる歩行者の膝等に与えられるダメージを軽減するための配慮が何等為されておらず、そのために、バンパカバーへの接触時における歩行者の安全性を確保することが出来なかったのである。
特開2001−277963号公報 特開平9−240393号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、バンパ補強部材とバンパカバーとの間に配置された衝撃吸収手段の変形により、バンパカバーに入力される衝撃を吸収せしめるようにしたバンパ構造において、面倒な手間を要することなく、簡単に成形が可能で、しかも、バンパカバーに接触せしめられる歩行者の脚部、特に膝に与えるダメージを軽減し得る優れた衝撃吸収性能が、比較的に小さな配置スペース内で確実に発揮され得る衝撃吸収手段の採用により、バンパカバーへの接触時における歩行者の安全性の確保と、バンパの設計自由度やデザイン自由度の向上とが、有利に且つ容易に実現せしめ得るように改良された構造を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題を解決するために、その第一の態様とするところは、車体の前面側や後面側に対して、車幅方向に延びるように取り付けられる、剛性を有するバンパ補強部材と、該バンパ補強部材の車体側とは反対側の面を覆って設置されるバンパカバーとの間に、衝撃吸収手段を配置して、該バンパカバーに対して入力される衝撃を、該衝撃吸収手段の変形により吸収せしめるようにしたバンパ構造において、前記衝撃吸収手段が、衝撃の入力方向に延びるように立設され、該衝撃の入力により変形せしめられることによって該衝撃を吸収する筒壁を備えた筒状部を有する樹脂成形体の複数を含んでなり、且つそれら複数の樹脂成形体が、前記車幅方向において、互いに所定の間隔を隔てて、それぞれの筒壁を対向させた状態で隣り合って配置せしめられると共に、互いに隣り合うもの同士が、合成樹脂材料からなる連結体にて相互に連結せしめられることにより、一体化されて構成されると共に、かかる衝撃吸収手段の前記複数の樹脂成形体のそれぞれにおける前記筒状部の筒壁のうち、前記バンパ補強部材と前記バンパカバーとの間に配置された状態下において、車体の上下方向における上側に位置せしめられる上側筒壁部分と下側に位置せしめられる下側筒壁部分のうちの何れか一方に、それらの筒壁部分の変形を容易ならしめる易変形部を設けることにより、該上側筒壁部分と該下側筒壁部分とが、互い異なる変形強度を有するように構成されていることを特徴とするバンパ構造にある。
また、本発明に従うバンパ構造の有利な第二の態様においては、前記筒状部の筒壁における前記上側筒壁部分と前記下側筒壁部分のうちの何れか一方に、それらのうちの何れか他方よりも薄肉化されることによって、かかる他方の筒壁部分よりも変形が容易とされた薄肉部が設けられて、前記易変形部が、該薄肉部にて構成される。
また、本発明に従うバンパ構造の望ましい第三の態様においては、前記衝撃吸収手段と前記バンパ補強部材との間と、該衝撃吸収手段と前記バンパカバーとの間のうちの少なくとも何れか一方に、該衝撃吸収手段を該バンパ補強部材と該バンパカバーの少なくとも何れか一方に対して取外し可能に取り付ける取付手段が設けられることとなる。
そして、かかる本発明に従うバンパ構造の第一の態様によれば、衝撃の入力方向に延びる筒壁を備えた筒状部を有する樹脂成形体の複数を含んで衝撃吸収手段が構成されて、かかる衝撃吸収手段の複数の樹脂成形体が、バンパカバーとバンパ補強部材との間において、車幅方向に所定の間隔を隔てて、それぞれの筒壁を対向させた状態で隣り合って配置せしめられるようになっているところから、バンパカバーに衝撃が入力せしめられた際に、その衝撃入力部分に対応位置せしめられた樹脂成形体の筒壁が座屈変形せしめられて、衝撃吸収が図られるようになっている。
それ故、そのようなバンパ構造では、衝撃吸収手段の荷重変位特性が、小さな衝撃ストロークで、十分に大きな衝撃吸収量を得ることが出来る、理想的な矩形波を示す特性と為され得、それによって、バンパカバーとバンパ補強部材との間の配置スペースの大きさが、例え小さくされている場合にあっても、そのような小さなスペース内に配置された衝撃吸収手段が、優れた衝撃吸収性能を確実に発揮し得ることとなる。なお、ここで言う衝撃の入力方向とは、衝撃が入力せしめられる方向に一致する方向と、それに近い方向とを含む方向を意味するものである。以下、同一の意味において使用する。
そして、かかる本発明に従うバンパ構造にあっては、特に、衝撃吸収手段の複数の樹脂成形体のそれぞれにおける筒状部の筒壁のうち、バンパ補強部材とバンパカバーとの間に配置された状態下において、車体の上下方向における上側に位置せしめられる上側筒壁部分と下側に位置せしめられる下側筒壁部分のうちの何れか一方に易変形部が設けられて、それら上側筒壁部分と下側筒壁部分とが、互い異なる変形強度を有するように構成されている。
そのため、例えば、筒状部の筒壁における下側筒壁部分が、上側筒壁部分よりも大きな変形強度を有して構成される場合には、車両の低速走行中において、歩行者の脚部の膝よりも下側部分の前面がバンパカバーに接触せしめられた際に、衝撃吸収手段の複数の樹脂成形体のそれぞれにおける筒状部の筒壁のうち、変形強度の小さな上側筒壁部分が、変形強度の大きな下側筒壁部分よりも大なる変形量をもって変形せしめられて、バンパカバーの前面が、その下側部分を上側部分よりも歩行者側に向かって突出させた傾斜面とされ、それによって、歩行者の脚部の下側部分が、バンパカバーの下側部分にてすくい上げられて、脚部全体に対して、歩行者を車体側に転倒させるような方向への回転力が付与される。そして、その結果、接触によって生ずる無理な方向への膝の曲げ角度が有利に小さくされて、膝に対する骨折等の傷害の発生が、可及的に防止され得ることとなる。
しかも、本発明に従うバンパ構造においては、上述せる如く、バンパカバーとバンパ補強部材との間の小さな配置スペースに衝撃吸収手段が配置されていても、優れた衝撃吸収性能が発揮されるため、バンパカバーとバンパ補強部材との間の配置スペースの大きさに拘わらず、バンパカバーとの接触時において、歩行者の脚部、特に膝に与えられるダメージを確実に軽減せしめることが可能となる。
そしてまた、かかるバンパ構造では、変形強度が互いに異なる上側側壁部分と下側側壁部分とを有する樹脂成形体の複数を含む衝撃吸収手段が、バンパカバーとバンパ補強部材との間の配置スペース内において、車幅方向に隣り合う樹脂成形体同士を、合成樹脂材料からなる連結体にて相互に連結せしめてなる一体成形品にて構成されているところから、例えば、衝撃吸収手段として、二種類の発泡性樹脂材料や二種類の弾性材料を用いて、別個に設けられた、変形強度が互いに異なる二種類の衝撃吸収部材を備えた衝撃吸収手段を採用する従来のバンパ構造とは異なって、唯一種類の合成樹脂材料を用いた公知の金型成形操作等を実施することによって極めて容易に且つ一挙に製造可能な樹脂製品が、衝撃吸収手段として、有利に採用され得ることとなる。
これによって、本発明に従うバンパ構造にあっては、面倒な手間を要することなく、簡単に成形が可能で、しかも、バンパカバーに接触せしめられる歩行者の脚部、特に膝に与えるダメージを軽減し得る優れた衝撃吸収性能が、配置スペースの大きさに拘わらず、確実に発揮され得る衝撃吸収手段が、バンパカバーとバンパ補強部材との間に配置されて、構成され得る。
従って、かくの如き本発明に従うバンパ構造によれば、バンパカバーへの接触時における歩行者の安全性の確保と、バンパの設計自由度やデザイン自由度の向上とが、有利に且つ極めて容易に実現せしめられ得ることとなるのである。
また、本発明に従うバンパ構造の第二の態様によれば、易変形部が、筒状部に対して確実に且つ容易に形成され、それによって、衝撃吸収手段の複数の樹脂成形体のそれぞれにおける筒状部の筒壁のうち、バンパ補強部材とバンパカバーとの間に配置された状態下において、車体の上下方向における上側に位置せしめられる上側筒壁部分と下側に位置せしめられる下側筒壁部分との変形強度が、容易に且つ確実に異なる大きさと為され得る。そして、その結果として、バンパカバーとの接触時における歩行者の脚部、特に膝に与えられるダメージを、より確実に軽減せしめることが可能となり、以て、歩行者の安全性が、更に一層有効に確保され得ることとなるのである。
さらに、本発明に従うバンパ構造の第三の態様によれば、衝撃吸収手段が、バンパカバーとバンパ補強部材のうちの少なくとも何れか一方に対して、取外し可能に取り付けられるようになっているところから、例えば、衝突により、衝撃吸収手段が変形乃至は損傷せしめられて、使用不能な状態となったものの、バンパカバーやバンパ補強部材は、未だ使用に耐え得る状態である場合に、衝撃吸収手段のみを容易に交換することが出来、それによって、衝突時におけるバンパの修理コストを有利に削減することが、可能となる。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係るバンパ構造の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有するバンパの一実施形態としての自動車の前面部に取り付けられるバンパが、その縦断面形態において、概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態のバンパは、バンパ補強部材としてのバンパリーンホースメント10と、このバンパリーンホースメント10に対して所定距離を隔てて対向配置されたバンパカバー12と、それらバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に配置された衝撃吸収手段としての衝撃吸収構造体14とを有して、構成されている。
より具体的には、バンパリーンホースメント10は、剛性を有する、バンパ全体の長さと略同一長さの金属製板材からなり、バンパ全体に対して適度な剛性を付与し得る公知の構造を有している。そして、自動車の前面側に、車幅方向に延びるように位置せしめられて、自動車の前面部を構成するボデーパネル13(図1において、二点鎖線で示す)の前面に対して、ボルト固定等にて取り付けられるようになっている。
また、バンパカバー12も、従来品と同様に、変形が容易で、且つある程度の弾性(復元性)を有する軟質の合成樹脂材料からなり、バンパ全体に対して、所望の意匠と、変形による衝撃吸収性能を付与し得るように構成されている。そして、自動車の前面側に位置せしめられるバンパリーンホースメント10の前方において、バンパリーンホースメント10との間に所定のスペース15を形成しつつ、その前面を覆って対向配置された状態で、バンパリーンホースメント10に対して、直接に若しくは適当な取付部材等を介して、ねじ止め等により、固定されるようになっている。
そして、このような構造を有するバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に、そこに形成されるスペース15内に収容されるようにして、衝撃吸収構造体14が配置されているのであるが、本実施形態では、この衝撃吸収構造体14が、従来には見られない特別な構造を有して、構成されているのである。
すなわち、衝撃吸収構造体14は、図2及び図3から明らかなように、複数(ここでは、8個)の樹脂成形体16と、それら複数の樹脂成形体16を連結する複数の第一連結体18と複数の第二連結体19とから成っている。そして、この衝撃吸収構造体14を構成する樹脂成形体16は、略角筒形状を呈する筒状部20と長手矩形状の天板部22とを有しており、かかる筒状部20は、上底が下底よりも所定寸法だけ短い略台形状を呈する薄肉平板からなる四つの筒壁24を、更に有している。また、これら四つの筒壁24は、互いに同じ大きさの台形状を有する二つの筒壁24a,24bと、それらよりも面積は小さいものの、互いに同じ台形状とされた二つの筒壁24c,24dとから構成されている。そして、そのような四つの筒壁24が、互いに同じ大きさの面積を有するもの同士において対向位置せしめられた状態で、筒状部20の軸心に向かって漸次接近するように傾斜しつつ、上方に向かって延びるように立設されている。一方、天板部22も、薄肉平板からなり、四つの辺部において、各筒壁24の上底側の辺縁部に対して、それぞれ一体化されて、構成されている。
つまり、換言すれば、ここでは、樹脂成形体16が、四つの筒壁24を有する筒状部20と、該筒状部20の上部開口部を閉塞する天板部22とからなる一体品として構成されており、全体として、軸直方向に広がる断面が矩形状とされ、且つ先端に向かうに従って、該断面の面積が次第に小さくなる、片側有底の角筒形状をもって形成されている。そして、このような樹脂成形体16の複数が、互いに一定の間隔をおいて、面積が大なる筒壁24a,24b同士を対向させつつ隣り合って、一列(一直線)に並べられるように独立して配置されているのである。
また、かくの如き構造とされた樹脂成形体16にあっては、図1に示されるように、衝撃吸収構造体14が、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に配置された状態下において、筒状部20の四つの筒壁24が、車体の前後方向となるバンパリーンホースメント10とバンパカバー12の対向方向、つまり、バンパカバー12への衝撃の入力方向(図1において、矢印アにて示される方向)に延び出して立設された状態で位置せしめられるようになっており、そして、その形成材料として、座屈変形し易いオレフィン系樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の合成樹脂材料が用いられている。
これによって、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間への衝撃吸収構造体14の配置状態下で、衝撃が、衝撃吸収構造体14に対して、バンパカバー12を介して入力された際に、その衝撃力が、各筒壁24に対して、その高さ方向の圧縮荷重として作用されて、それら各筒壁24が座屈変形せしめられるようになっており、以て、小さな衝撃ストロークにおいて、十分に大きな衝撃吸収量が得られるように構成されている。しかも、ここでは、前述せる如く、樹脂成形体16が、先端に向かうに従って、軸直方向に広がる断面の面積が小さくなる角筒形状をもって形成されているため、各筒壁24が、その座屈変形時において高さ方向に重なり合うことが可及的に解消され得て、可及的に大きな有効ストロークが確保され得るようになっている。
そして、本実施形態においては、特に、かくの如き構造とされた樹脂成形体16の四つの筒壁24のうち、面積が大なる二つの筒壁24a,24bと、それらに隣り合う面積が小なる筒壁24cが、同一の肉厚とされている一方、残りの一つの筒壁24dの肉厚が、それら三つの側壁24a〜cよりも所定寸法厚くされている。これによって、そのような厚肉筒壁24dが、三つの薄肉筒壁24a〜cよりも、座屈変形に対する大きな強度を有するように構成されている。換言すれば、ここでは、三つの薄肉壁部24a〜cが、厚肉筒壁24dよりも変形が容易な薄肉部とされているのである。
一方、図1乃至図3から明らかなように、二種類の連結体18,19のうち、第一連結体18は、狭い幅と前記薄肉の筒壁24a〜cと略同程度の肉厚とを有する平板形状を呈しており、互いに隣り合う樹脂成形体16の間において、一方の樹脂成形体16における薄肉筒壁24a(24b)の基部の幅方向中央部から、それぞれ一つずつ、該薄肉筒壁24a(24b)に対向する、他方の樹脂成形体16の薄肉筒壁24b(24a)に向かって真っ直ぐに延び出して位置せしめられている。
また、第二連結体19は、第一連結体18よりも更に薄い肉厚と狭い幅とを有する、縦断面L字状の板材からなり、互いに隣り合う樹脂成形体16の間において、一方の樹脂成形体16における薄肉筒壁24a(24b)の基部の幅方向両端から、それぞれ一つずつ、該薄肉筒壁24a(24b)に対向する、他方の樹脂成形体16の薄肉筒壁24b(24a)に向かって真っ直ぐに、且つ互いに平行に延び出して位置せしめられている。
そして、そのような第一連結体18と第二連結体19とが、それぞれの両端において、それら隣り合う樹脂成形体16の対向する薄肉筒壁24a,24bに対して、それぞれ一体化せしめられていることにより、上述の如く一列に並べられて配置された複数の樹脂成形体16の互いに隣り合うもの同士が一体的に連結せしめられており、以て、衝撃吸収構造体14が、それら複数の樹脂成形体16と、それらを連結する第一及び第二連結体18,19とからなる一体成形品として、構成されているのである。
また、ここでは、第一連結体18の裏面に、特開平8−145021号公報に開示される部品取付用係止脚と略同様な構造を有する、係合クリップ26が一体的に設けられている。即ち、この係合クリップ26は、第一連結体18の裏面に所定高さをもって突設された支柱部28と、この支柱部28の先端から第一連結体18の裏面に向かって、支柱部28から漸次離隔しつつ傾斜して延びる一対のアーム状の係止片30とを有しており、それら各係止片30が、支柱部28側への押圧力に対して、弾性による復元力を発揮し得るように構成されている。また、かかる係合クリップ26の各係止片30においては、自由端とされた先端部の支柱部28側とは反対側の面に係合突起32が、それぞれ一体的に突設されている。
なお、このような係合クリップ26を有する第一連結体18も、かかる第一連結体18と共に樹脂成形体16を連結する第二連結体19も、前記樹脂成形体16を与えるオレフィン系樹脂と同一の樹脂材料にて形成されている。これによって、衝撃吸収構造体14の全体が、一種類の合成樹脂材料を用いた、例えば、射出成形等により一挙に成形され得るようになっていると共に、第一連結体18に対して良好な可撓性が付与されて、衝撃吸収構造体14の全体において、かかる第一連結体18の可撓性に基づく、それの板厚方向への撓み変形が許容されるようになっている。
また、ここでは、隣り合う樹脂成形体16同士が、第一連結体18と共に、第二連結体19にて連結されていることによって、それら樹脂成形体16同士を離隔させる方向への衝撃吸収構造体14の引張強度が補強されていると共に、かかる第二連結体19が縦断面L字形状とされていることにより、第一連結体18の板厚方向やそれに直角な方向への衝撃吸収構造体14の曲げ強度も補強されており、以て、衝撃吸収構造体14全体の剛性のチューニングが図られている。
そして、このような衝撃吸収構造体14においては、樹脂成形体16の高さ:h1 が30〜80mm程度で、その幅:wが15〜40mm程度とされると共に、隣り合う樹脂成形体16同士の間の距離:mが15〜40mm程度とされて、全体形状のコンパクト化が図られると共に、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間の限られたスペース15内に、十分な数の樹脂成形体16が位置せしめられるように構成されている。これによって、様々な車種のバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース15、つまり、バンパの内側の様々な大きさのスペース15に対して有利に対応せしめられ得るようになっていると共に、バンパの長さ方向において、衝撃吸収性能に部分的なバラツキが生ずるようなことが防止され得るようになっている。
また、前述せる如く、樹脂成形体16が、座屈変形によって衝撃吸収が図られることにより、理想的な荷重変位特性を発揮する筒壁24を備えた筒状部20を有して構成されているため、樹脂成形体16の高さ:h1 が低く設計されていても、衝撃吸収構造体14において、優れた衝撃吸収性能が有効に確保され得るようになっている。なお、これら樹脂成形体16の高さ:hや幅:w、或いは樹脂成形体同士の間の距離:mは、上記例示のものに何等限定されるものではなく、バンパの内側スペース15の大きさや、要求される衝撃吸収性能等に応じて、適宜に決定されることは、言うまでもないところである。
また、樹脂成形体16の筒状部20における薄肉筒壁24a〜cの板厚:t1 と厚肉筒壁24dの板厚:t2 は、共に1.0〜3.0mm程度とされて、そのような範囲内において、薄肉筒壁24a〜cの板厚:t1 と厚肉筒壁24dの板厚:t2 との間で適当な差が設けられることにより、薄肉筒壁24a〜cの変形強度と厚肉筒壁24dの変形強度との間に所望の差が得られるようになっている。更に、樹脂成形体16の天板部22の板厚:t3 も、1.0〜3.0mm程度とされ、また、第一連結体18の板厚:t4 は1.0〜2.0mm程度で、第二連結体19の板厚:t5 は0.8〜1.5mm程度とされる。このように、樹脂成形体16の各筒壁24と第一及び第二連結体18,19の各板厚が、適度に薄い肉厚とされていることによって、樹脂成形体16の高さ方向の変形(各筒壁24の座屈変形)による十分な衝撃吸収性能と衝撃吸収構造体14全体における所望の剛性とを確保しつつ、衝撃吸収構造体14全体の軽量化が有利に図られ得るようになっている。勿論、これら各筒壁24や第一及び第二連結体18,19の板厚も、上記例示のものに、何等限定されるものではない。
さらに、縦断面L字形状とされた第二連結体19の高さ:h2 は、樹脂成形体16の高さ方向の変形による衝撃吸収性能を阻害しない程度において、適宜に決定され、一般的には、3.0〜20mm程度とされる。また、第一連結体18の裏面に形成される係合クリップ26の配設間隔:nも、衝撃吸収構造体14の長さに応じて種々変更され得るものではあるものの、通常は、100〜500mm程度とされる。
而して、本実施形態にあっては、図1に示されるように、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース15内において、複数の樹脂成形体16が車幅方向(図1において、紙面に垂直な方向)に一列に並べられると共に、それら各樹脂成形体16における筒状部20の各筒壁24が、衝撃の入力方向に延びるように立設せしめられた状態で、衝撃吸収構造体14全体が配置されている。また、このような衝撃吸収構造体14の配置状態下において、各樹脂成形体16の筒状部20における厚肉筒壁24dが、車体の上下方向(図1中、上下方向)における下側に位置せしめられる一方、かかる厚肉筒壁24dに対向配置された薄肉筒壁24cが、厚肉筒壁24dの上側に位置せしめられている。
そして、それら各樹脂成形体16を連結する第一連結体18の裏面に一体形成された各係合クリップ26の係止片30が、バンパリーンホースメント10に、その長さ方向に所定間隔をおいて形成された係合孔34内に、それぞれ突入せしめられ、更に、かかる係止片30の係合突起32が、バンパリーンホースメント10の裏面における各係合孔34の開口周縁部に係合させられており、以て、衝撃吸収構造体14が、バンパリーンホースメント10に対して、位置固定に取り付けられている。なお、このような係合突起32の係合孔34との係合状態の解消によって、衝撃吸収構造体14が、バンパリーンホースメント10から容易に取り外されることとなる。
そして、かくの如く、衝撃吸収構造体14が、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース15内に収容された状態で、バンパリーンホースメント10に対して着脱可能に取り付けられてなるバンパにあっては、例えば、図4において模式的に示されるように、自動車の低速走行時に、歩行者の脚部36の膝38よりも下側部分の前面がバンパカバー12に接触せしめられた際に、かかるバンパカバー12の脚部36との接触部位に対応位置する、衝撃吸収構造体14の樹脂成形体16における筒状部20の筒壁24のうち、車体の上下方向の上側に位置する、変形強度の小さな薄肉筒壁24cが、それの下側に位置する、変形強度の大きな厚肉筒壁24dよりも大なる変形量をもって変形せしめられるようになっている。このことから明らかなように、ここでは、係合クリップ26と係合孔34とにて、取付手段が構成されており、また、薄肉部たる薄肉筒壁24cにて、易変形部が構成されている。
そして、そのような歩行者の脚部36のバンパカバー12との接触時における樹脂成形体16の厚肉筒壁24dと薄肉筒壁24cの変形に伴って、バンパカバー12が、その下側部分を上側部分よりも歩行者側に向かって突出させた傾斜面形態を呈する如き形状に変形せしめられ、それによって、歩行者の脚部36の下側部分が、歩行者側に突出せしめられたバンパカバー12の下側部分にてすくい上げられて、脚部36全体に対して、歩行者を車体側に転倒させるような方向(図4中、矢印で示される方向)への回転力が付与されるようになっている。そして、その結果として、バンパカバー12との接触によって生ずる膝38の無理な方向への曲げ角度:θが、0°乃至は0°に近い極小さな角度とされて、膝38に対する骨折等の傷害の発生が、可及的に防止され得るようになっているのである。
しかも、本実施形態においては、前述せるように、衝撃吸収構造体14が、コンパクトな構造とされて、衝撃ストロークが比較的に小さくされているにも拘わらず、十分な衝撃吸収量が得られるようになっており、それによって、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間における衝撃吸収構造体14の配置スペース15の大きさを自由に変更することが可能となっている。
従って、このような本実施形態のバンパにあっては、設計自由度やデザイン自由度が、何等損なわれることなく、バンパカバー12への接触時における歩行者の膝へのダメージの軽減が有利に図られ得て、歩行者の安全性が、極めて効果的に確保され得ることとなるのである。
また、本実施形態においては、厚肉筒壁24dと薄肉筒壁24cとを備えた樹脂成形体14を有する衝撃吸収構造体14が、一種類の合成樹脂材料を用いた射出成形等によって一挙に成形可能な一体成形品にて構成されているため、衝撃吸収構造体14の成形に関わる面倒な手間が可及的に省かれ得、以て、かかる衝撃吸収構造体14の厚肉筒壁24dと薄肉筒壁24cの座屈変形によって得られる上述の如き優れた衝撃吸収性能に基づくところの歩行者の安全確保が、極めて容易に実現され得るのである。
さらに、このような本実施形態のバンパでは、衝撃吸収構造体14の樹脂成形体16同士を連結する第一連結体18の裏面に一体形成された複数の係合クリップ26の係合突起32が、バンパリーンホースメント10に設けられた複数の係合孔34に係合せしめられることにより、衝撃吸収構造体14が、バンパリーンホースメント10に対して取外し可能に取り付けられているため、例えば、バンパカバー12に入力される衝撃により、樹脂成形体16が変形乃至は損傷せしめられて、衝撃吸収構造体14の使用が不能となったものの、バンパリーンホースメント10やバンパカバー12の有する剛性や復元力によって、それらバンパリーンホースメント10とバンパカバー12とが、未だ使用に耐え得る状態である場合に、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12を何等交換することなく、衝撃吸収構造体14のみを容易に交換することが出来、それによって、衝突発生時におけるバンパの修理コストを有利に削減することが可能となっている。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、樹脂成形体16が、四つの筒壁24を備えた四角筒形状を呈する筒状部20と、かかる筒状部20の上部開口部を閉塞する天板部22とからなる一体品として構成されていたが、筒状部20は、衝撃入力方向に延びるように立設された筒壁24を有するものであれば、その全体形状が、特に限定されるものではない。
従って、筒状部20を、例えば、四角筒形状以外の角筒形状や、横断面円形若しくは楕円形の円筒形状、更には横断面不定形状を呈する筒形状において構成することも可能である。また、それらの筒状部20を有する樹脂成形体16において、天板部22を省略しても、何等差し支えないのである。
さらに、衝撃吸収手段としての衝撃吸収構造体14が有する樹脂成形体16の個数も、例示のものに、特に限定されるものではなく、衝撃吸収手段14が配置されるべきバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース15の大きさや、樹脂成形体16自体の大きさ等によって、適宜に変更され得るものであることは、言うまでもないところである。
また、前記実施形態では、衝撃吸収構造体14が、バンパリーンホースメント10の長さに対応した長さとされて、そのような衝撃吸収構造体14の一つだけが、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に配置されていたが、例えば、かかる衝撃吸収構造体14を複数に分割し、それら複数の衝撃吸収構造体14を、バンパの長さ方向に一列に並べた状態で、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に配置するようにしても良い。
更にまた、かかる衝撃吸収構造体14をバンパリーンホースメント10に対して取外し可能に取り付ける係合クリップ26を樹脂成形体16の天板部22に設ける一方、バンパカバー12に対して係合孔34を設けて、衝撃吸収構造体14をバンパカバー12に対して着脱可能に取り付けるようにしても良い。また、係合クリップ26を、第一連結体18や第二連結体19の裏面と天板部22等に設ける一方、係合孔34をバンパリーンホースメント10とバンパカバー12の両方に設けて、衝撃吸収構造体14を、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12の両方に対して着脱可能に取り付けるようにしたり、或いは、樹脂成形体16に係合孔34を設ける一方、バンパリーンホースメント10やバンパカバー12に対して係合クリップ26を設けたりすることも可能である。
なお、衝撃吸収構造体14をバンパリーンホースメント10やバンパカバー12に対して取外し可能に取り付けるための構造、つまり取付手段の構造は、例示された係合クリップ26と係合孔34とが組み合わされた構造に、何等限定されるものではなく、例えば、衝撃吸収構造体14とバンパリーンホースメント10とバンパカバー12とは別体のクランプ部材等を用い、このクランプ部材にて、衝撃吸収構造体14とバンパリーンホースメント10とを取外し可能にクランプしたり、衝撃吸収構造体14とバンパカバー12とを取外し可能にクランプしたりして、衝撃吸収構造体14をバンパリーンホースメント10やバンパカバー12に対して取外し可能に取り付けるようにすることも可能であり、また、単なるねじ止め等により取り付けるようにしても良い。
また、前記実施形態では、易変形部が、厚肉筒壁24dに対向位置する、薄肉部としての薄肉筒壁24cにて構成されて、この薄肉筒壁24cが車体の上下方向における上側に位置せしめられる一方、厚肉筒壁24dが、その下側に位置せしめられた状態で、衝撃吸収構造体14が配置されていたが、例えば、車高が高いために、バンパカバー12に対して、歩行者の脚部36の膝38よりも上側部分が接触する恐れがある場合等では、歩行者の膝38へのダメージを軽減させる上で、易変形部を構成する薄肉筒壁24cが、車体の上下方向における下側に位置せしめられる一方、厚肉筒壁24dが、その上側に位置せしめられるように、衝撃吸収構造体14が配置されることが、望ましい。これによって、歩行者がバンパカバー12と接触せしめられた際に、歩行者の脚部36の全体に対して、歩行者を車体側とは反対側に転倒させるような方向(図4の矢印方向とは反対の方向)への回転力が付与され、以て、膝38の無理な方向への曲げ角度が可及的に小さくされて、膝へのダメージの軽減が効果的に図られ得るのである。
さらに、そのような易変形部は、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に配置された状態下において、車体の上下方向における上側と下側の何れか一方に位置せしめられる筒壁部分であって、且つ衝撃による変形が、他方に位置せしめられる筒壁部分よりも容易とされたものであれば、その具体的な構造は、特に限定されるものではない。
従って、車体の上下方向における上側と下側の何れか一方に位置せしめられる筒壁部分を薄肉化することにより、易変形部を構成する場合にあっても、例示の如く、車体の上下方向の上側に位置する筒壁24cの全体を薄肉化することに代えて、例えば、図5に示されるように、上側に位置する筒壁24cに対して、その延出方向(高さ方向)に交差する方向に延びる溝部40を設けたり、或いは、図には明示されてはいないものの、そのような溝部40や貫通孔孔等を、筒壁24cに、その延出方向に延びるように形成したりして、筒壁24cを部分的に薄肉化することにより、易変形部を構成しても良い。なお、かかる図5及び後述する図6乃至図9においては、前記実施形態と同様な構造とされた部材や部位について、図1乃至図4と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明が省略されていることが理解されるべきである。
また、その他、筒壁24cを易変形部とするには、例えば、図6に示されるように、筒壁24cに対して、それを厚さ方向に貫通する貫通孔42等の肉抜け部を設けたり、図7に示される如く、筒状部20の軸方向に対して直角な面と筒壁24cの内面とのなす角:αの大きさを、筒状部20の軸方向に対して直角な面と、車体の下側に位置する筒壁24dの内面とのなす角:βの大きさよりも小さくしたりする構成も、採用され得る。
さらに、図8や図9に示されるように、車体の下側に位置する筒壁24dに対して、適当な板材44等を貼り合わせる等して、かかる筒壁24dを厚肉化したり、或いは適当な補強リブ46等を設けたりすることで、筒壁24dの変形強度を高めて、筒壁24cの変形強度を筒壁24dに対して相対的に小さく為すことにより、筒壁24cを易変形部として構成することも出来る。
また、樹脂成形体16を連結する連結体の配設構造や配設個数、形状、或いはバンパ補強部材としてのバンパリーンホースメント10とバンパカバー12の配設構造や材質、形状等も、前記実施形態に示されるものに、決して限定されるものではない。
さらに、バンパカバー12が、一般的なバンパ部分とスポイラ等のエアロパーツ部分とを一体的に含んで構成されるものであっても良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車の前面部に取り付けられるバンパ構造に対して適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車の後面部に取り付けられるバンパ構造や、自動車以外の車両の前面部や後面部に取り付けられるバンパ構造の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う構造を有するバンパの一例を示す縦断面説明図である。 図1に示されるバンパの内側に配置される衝撃吸収構造体を示す正面説明図である。 図2に示された衝撃吸収構造体の平面説明図である。 図1に示されたバンパに対して衝撃が入力せしめられたときのバンパ内部の状態を示す説明図である。 本発明に従う構造を有するバンパの別の例を示す図1に対応する図である。 本発明に従う構造を有するバンパの更に別の例を示す図1に対応する図である。 本発明に従う構造を有するバンパの他の例を示す図1に対応する図である。 本発明に従う構造を有するバンパの更に他の例を示す図1に対応する図である。 本発明に従う構造を有するバンパの別の例を示す図1に対応する図である。
符号の説明
10 バンパリーンホースメント 12 バンパカバー
14 衝撃吸収構造体 16 樹脂成形体
18 第一連結体 19 第二連結体
20 筒状部 24 筒壁
26 係合クリップ 34 係合孔
36 脚部 38 膝

Claims (3)

  1. 車体の前面側や後面側に対して、車幅方向に延びるように取り付けられる、剛性を有するバンパ補強部材と、該バンパ補強部材の車体側とは反対側の面を覆って設置されるバンパカバーとの間に、衝撃吸収手段を配置して、該バンパカバーに対して入力される衝撃を、該衝撃吸収手段の変形により吸収せしめるようにしたバンパ構造において、
    前記衝撃吸収手段が、衝撃の入力方向に延びるように立設され、該衝撃の入力により変形せしめられることによって該衝撃を吸収する筒壁を備えた筒状部を有する樹脂成形体の複数を含んでなり、且つそれら複数の樹脂成形体が、前記車幅方向において、互いに所定の間隔を隔てて、それぞれの筒壁を対向させた状態で隣り合って配置せしめられると共に、互いに隣り合うもの同士が、合成樹脂材料からなる連結体にて相互に連結せしめられることにより、一体化されて構成されると共に、かかる衝撃吸収手段の前記複数の樹脂成形体のそれぞれにおける前記筒状部の筒壁のうち、前記バンパ補強部材と前記バンパカバーとの間に配置された状態下において、車体の上下方向における上側に位置せしめられる上側筒壁部分と下側に位置せしめられる下側筒壁部分のうちの何れか一方に、それらの筒壁部分の変形を容易ならしめる易変形部を設けることにより、該上側筒壁部分と該下側筒壁部分とが、互い異なる変形強度を有するように構成されていることを特徴とするバンパ構造。
  2. 前記筒状部の筒壁における前記上側筒壁部分と前記下側筒壁部分のうちの何れか一方に、それらのうちの何れか他方よりも薄肉化されることによって、かかる他方の筒壁部分よりも変形が容易とされた薄肉部が設けられて、前記易変形部が、該薄肉部にて構成されている請求項1に記載のバンパ構造。
  3. 前記衝撃吸収手段と前記バンパ補強部材との間と、該衝撃吸収手段と前記バンパカバーとの間のうちの少なくとも何れか一方に、該衝撃吸収手段を該バンパ補強部材と該バンパカバーの少なくとも何れか一方に対して取外し可能に取り付ける取付手段が設けられている請求項1又は請求項2に記載のバンパ構造。
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