JP2005104039A - 液吐出ヘッド及び液吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細な孔加工や溝加工に代えて流路の形状を工夫することにより部品点数を削減して製造工程を簡略化するとともに、液吐出布精度を向上できる液吐出ヘッド及び液吐出装置を提供する。
【解決手段】供給側流路54Aの流路抵抗が吐出側流路51Bの流路抵抗と略同一になるように、供給側流路54Aを迷路構造にする。供給孔54の開口径を大きくすることができるので高精度加工が不要になると共に、吐出性能及びリフィル性能を確保することができる。更に、供給側流路54Aを迷路構造とすることで、供給側流路54Aをコンパクトに形成することができる。具体的には、インク室ユニット53を薄板状部材を積層する積層構造にすると、積層を形成する供給側流路プレート108上に供給側流路54Aとなる溝を形成すればよい。
【選択図】 図6
【解決手段】供給側流路54Aの流路抵抗が吐出側流路51Bの流路抵抗と略同一になるように、供給側流路54Aを迷路構造にする。供給孔54の開口径を大きくすることができるので高精度加工が不要になると共に、吐出性能及びリフィル性能を確保することができる。更に、供給側流路54Aを迷路構造とすることで、供給側流路54Aをコンパクトに形成することができる。具体的には、インク室ユニット53を薄板状部材を積層する積層構造にすると、積層を形成する供給側流路プレート108上に供給側流路54Aとなる溝を形成すればよい。
【選択図】 図6
Description
本発明は液吐出ヘッド及び液吐出装置に係り、特にインクジェットプリンタなどに用いられて被吐出媒体上に液滴を吐出する液吐出装置に関する。
インクジェットプリンタは、記録ヘッド(液吐出ヘッド)を画像形成データに応じて駆動し、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させて記録紙に画像を形成する。記録ヘッドのインク吐出手段としては、たとえば圧力室のアクチュエータによって圧力室に圧力波を与え、圧力室のノズルからインクを吐出させるものがある。ノズルから吐出された分のインクは圧力室壁の供給孔に連結され、インクタンク(共通液室)と連通されたインク供給路から供給される。
昨今では高画質化などの一還として、ドット径の小径化によるノズル径の小径化が進んでいるが、インク吐出の安定化を図るため、ノズル径の小径化に伴い供給孔(インク供給路でもよい)の孔径も同様に小径化(30μm程度)を図る必要がある。
しかし、孔の加工精度および加工コストの見地から、小さな孔を安価に精度良く形成することは困難であった。
これを解決するために、小さな孔を形成することと同様の効果を別手段で達成し、加工の難易度を低くした技術が知られている(特許文献1参照)。すなわち、孔に代えて細長溝を形成した2枚の板を、その孔位置をずらして重ね合わせて張り合わせ、小さい孔と同様の開口面積を形成している。
ここで、図12及び図13を用いて他の従来技術を説明する。図12(a) 及び図13(a) は圧力室52の加圧板56側から見た平面形状を示す平面図であり、図12(b) 及び図13(b)は、図12(a) 及び図13(a) 中12b−12b線及び13b−13b線に沿った断面を示す断面図である。
図12に示す圧力室52において、ノズル51の開口径と供給孔54の開口径とを略同一にする必要がある。しかしながら、供給孔54を精度よく小さくすることは、上述した理由により困難である。
そこで、図13に示すように穴ではなく細い溝(供給孔側流路)54Aを用いて圧力室52の下横からインクを供給する方法もある。
特開2000−141655号公報
しかしながら、図13に示した従来技術では、細い溝(供給孔側流路)54Aの加工難易度は穴ほど高くはなく、実現可能な加工ではあるが、これもウエットエッチング等の加工技術では加工限界に近く根本的な解決にはなっていない。
一方、特許文献1に開示されたインクジェットヘッドでは、小さい孔と同様の開口面積を実現するために、2枚の板が必要になり、これら2枚の板を貼り合わせる際の貼り合わせ位置精度が要求される。そのために、隣り合った穴の開口面積にばらつきが生じ得る。言い換えると、一方の開口が大きくなると、他方の開口は小さくなる関係にある。
また、穴(開口)に代わりメッシュ部材や多孔質部材を用いると、流路板の部材として異質の物質を挟むことになり、製造上容易ではない。また、ゴミなどに異物が流路内に混入した場合には、異物はそのまま溜まるので、流路抵抗が初期状態と変化してしまい、安定した吐出が期待できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、微細な孔加工や溝加工に代えて流路の形状を工夫することにより部品点数を削減して製造工程を簡略化するとともに、液吐出精度を向上できる液吐出ヘッド及び液吐出装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、液滴を吐出させる吐出孔と、吐出させる液を加圧する圧力室と、前記吐出孔と前記圧力室とを連通させる吐出側流路と、前記圧力室に設けられた供給孔と、前記供給孔を介して前記圧力室と連通され、供給系から前記圧力室へ液を供給する供給側流路と、を備え、前記供給側流路は前記吐出側流路の流路抵抗と略同一の流路抵抗となるように90°以上方向転換する方向転換部分を少なくとも2以上含む形状を有することを特徴としている。
即ち、吐出側流路と供給側流路との流路抵抗が略同一になるように供給側流路が形成されるので、圧力室内に設けられる供給孔を大きくすることができ、供給孔の穴加工には高精度加工が不要である。また、吐出性能とリフィル性能とを両立することができる。
更に、90°以上方向転換される方向転換部分を2以上含む形状であるので、供給側流路を設けるスペースを節約できると共に、様々な流路長を実現できる。
供給側流路の形状は供給側流路が形成される面における平面形状を示し、略直線形状でもよいし、曲線形状でもよい。更に、略直線形状と曲線形状とを組み合わせてもよい。また、供給側流路の液が流れる方向と略直交する断面の形状は略円形状でもよいし、略半だ円形状、略四角形形状等の他の形状でもよい。
供給系は、液を貯蔵しているタンクから各吐出ヘッド(吐出ヘッドブロック)の圧力室へ液を供給する共通液室までを示し、該タンクから各吐出ヘッドの共通液室までの本流及び支流などを含んでいてもよい。
吐出側流路には吐出孔が含まれており、また、供給側流路には供給孔が含まれている。
流路抵抗は、流路の断面積、流路の長さ及び流路の曲りをパラメータとして決めることができる。
吐出ヘッドは、被吐出媒体の幅方向の印字可能領域の全域にわたってノズル開口が配置されているフルライン型の吐出ヘッドでもよいし、短尺の吐出ヘッドを被吐出媒体の幅方向に移動しながら吐出を行うシリアル型(シャトルスキャン型)吐出ヘッドでもよい。また、被吐出媒体の幅方向に複数の吐出ヘッドを備えた分割型ヘッドでもよい。
被吐出媒体は、吐出ヘッドによって液を吐出される媒体であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
請求項2に示すように請求項1記載の発明において、前記供給側流路は、前記吐出側流路の方向と略直交する平面に形成されることを特徴としている。
前記供給側流路は前記吐出側流路の方向と略直交する複数の平面にわたって形成されてもよい。
請求項3に示すように請求項1又は2記載の発明において、前記吐出ヘッドは複数の板状部材を積層させて構成する積層構造を有し、前記供給側流路は、前記積層構造の層を形成する板状部材に設けられた溝を含むことを特徴としている。
即ち、板状部材を積層して形成される積層構造を有する吐出ヘッドでは、該供給側流路を、該積層構造を形成する板状部材上に溝加工することにより形成することができるので、加工が容易であり、形状に対する自由度が増える。
供給側流路となる溝は1層に設けられてもよいし、複数の層にわたって設けられてもよい。複数の層にわたって共通液室が形成される場合には、溝の他に穴(貫通孔)が含まれる。
特に、請求項2に係る発明と請求項3に係る発明とを組み合わせることにより、供給側流路の90°以上方向転換する面を板状部材の面方向と揃えることができるので、該板状部材の加工が極めて容易になる。
また、前記目的を達成するために請求項4に係る発明は、液滴を吐出させる吐出孔と、吐出させる液を加圧する圧力室と、前記吐出孔と前記圧力室とを連通させる吐出側流路と、前記圧力室に設けられた供給孔と、前記供給孔を介して前記圧力室と連通され、供給系から前記圧力室へ液を供給する供給側流路と、を備え、前記圧力室内には、前記吐出側の流路抵抗と供給側の流路抵抗とを略同一にするように規制板が設けられていることを特徴としている。
即ち、圧力室内に規制板を設けることで、吐出側の流路抵抗と供給側の流路抵抗を略同一にすることができるので、供給孔の高精度加工が不要になり、吐出性能とリフィル性能とを両立させることが可能になる。
規制板は圧力室形成部材と同一の材質でもよいし、異なる材質でもよい。親液性材質であることが好ましい。
請求項5に示すように請求項4記載の発明において、前記規制板は、前記供給孔形成面に設けられていることを特徴としている。
規制板は平板でもよいし、L字型やU字型形状でもよい。
また、請求項6に示すように請求項4又は5記載の発明において、前記規制板は、前記供給孔と対向する面を含むことを特徴としている。
供給孔形成面をL字形状やU字形状の規制板を設けてもよいし、供給孔形成面と異なる面に平板形状の規制板を設けてもよい。
また、請求項7に示すように請求項4、5又は6記載の発明において、前記規制板と、前記圧力室の少なくとも一部を形成し、前記圧力室内の液に与えられる圧力を受けて変形する加圧板と、の間に隙間が設けられていることを特徴としている。
即ち、規制板と加圧板との間に隙間を設けることで、規制板が加圧板の変形を妨げることを防止できる。
該隙間は、加圧板の最大変位量及び供給側の流路抵抗を考慮して設けられることが好ましい。
また、請求項8に示すように請求項4乃至7のうち何れか1項に記載の発明において、吐出孔から吐出される液の吐出力を与えるアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記圧力室の少なくとも一部を形成する加圧板に接合され、前記供給孔及び前記規制板が設けられている領域を回避するように備えられることを特徴としている。
即ち、供給孔及び規制板が設けられている領域を回避するように吐出力を発生させるアクチュエータを備えたので、該アクチュエータから発生される吐出力を吐出側流路へ集中させることができる。また、規制板が加圧板の変位を妨げることや、供給孔側への液の逆流を防ぐことができる。
アクチュエータには、ピエゾ圧電素子(PZT)などに代表される圧電素子を用いてもよいし、もちろん他の部材を用いてもよい。
また、前記目的を達成するために請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載された液吐出ヘッドを備えたことを特徴としている。
吐出ヘッド内に気泡を混入させないように、脱気装置を備える態様が好ましい。
本発明によれば、吐出孔より大きな断面積を有する供給孔が設けられた圧力室は該供給孔を介して供給側流路と連通されている。圧力室から吐出孔に至る吐出側流路の流路抵抗に合わせるような形状を有する供給側流路が設けられているので、供給孔の高精度加工が不要になり、吐出性能及びリフィル性能が確保される。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔画像形成装置(インクジェット記録装置)の全体構成〕
図1は画像形成装置(インクジェット記録装置)10の構成を模式的に示す側面図である。
図1は画像形成装置(インクジェット記録装置)10の構成を模式的に示す側面図である。
画像形成装置10は、インクの色ごとの記録ヘッドを有する印字部12と、この印字部12内の記録ヘッドに対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送するベルト搬送部18と、記録紙16を供給する給紙部20と、画像形成済みの記録紙を外部に排出する排紙部22と、を備えている。
印字部(記録ヘッド)12は、記録紙16の紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向に固定配置した、いわゆるフルライン型ヘッドで構成されている。記録紙16の搬送方向(矢印A)に沿って上流側からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した記録ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。これら各記録ヘッドの下面には、搬送方向と直交方向に千鳥でマトリクス状に複数配置されたノズル(図1において不図示、図3に符号51として図示)が備えられ、記録紙16を搬送しつつ該ノズルからそれぞれの色インクを記録紙16に吐出することにより記録紙16上にカラー画像などを形成する。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、記録紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の記録紙搬送方向への走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが記録紙搬送方向と略直交する方向に往復動作するシリアル(シャトルスキャン)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する記録ヘッドを追加する構成も可能である。なお、印字部12の詳細については後述する。
給紙部20にはロール紙(連続用紙)26が着脱自在にセットされている。給紙部20近傍には、ロール紙26から記録紙16を引き出す引き出しローラ対21、21が設けられている。引き出しローラ対21、21のローラの少なくとも一つにはモータ(不図示)の動力が伝達され、引き出された記録紙16は図1上の右から左へと搬送される。なお、符号24は引き出しローラ対21、21間に設置された裁断用のカッターであり、このカッター24によってロール紙26から引き出された記録紙16は所望のサイズにカットされる。
ベルト搬送部18は、ローラ30、32、34、36間に無端状のベルト38が巻き掛けられた構造をなし、少なくとも印字部12内の記録ヘッドに対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。このベルト38は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有し、ベルト面にて記録紙16を吸着できる。ベルト38が巻かれているローラ30、32、34、36の少なくとも一つにはモータ(不図示)の動力が伝達され、ベルト38は図1上の反時計回り方向に駆動されて、ベルト38上に吸着された記録紙16は図1の右から左へと搬送される。
符号40は記録紙16の位置および大きさなどを読み取る記録紙検出部、符号42は記録紙16へのインク吐出タイミング決定用の記録位置検出部、符号44は記録紙16の紙詰まりや次紙の供給タイミング決定用の記録紙終端検出部である。
更に、画像形成装置10にはこれら各検出部の検出結果をもとに画像形成装置10を統括して制御する不図示のシステムコントローラが設けられている。このシステムコントローラは中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路などから構成され、たとえば記録紙16搬送のための各モータの駆動信号や制御信号、印字部12内の記録ヘッドの画像形成信号などを生成する。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向 (記録紙搬送方向)と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。詳細な構造例は後述するが、各記録ヘッド12K,12C,12M,12Yは、本画像形成装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、記録紙紙搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した記録ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各記録ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
次に、記録ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各記録ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって記録ヘッドを示すものとする。
図2(a) は記録ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図2(b) はその一部の拡大図である。また、図2(c) は記録ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図3はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図2(a) 中の3−3線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、記録ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の記録ヘッド50は、図2(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
すなわち、本実施形態における記録ヘッド50は、図2(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が印字媒体送り方向と略直交する方向に印字媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図2(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の一方の隅部にノズル51と連通される吐出側孔51Aが設けられ、ノズル51と圧力室52(吐出側孔51A)は吐出側流路51Bを介して連通されている。
また、もう一方の隅部の側面(吐出側孔51A形成面と略直交する壁面))52Aには供給孔54が設けられている。各圧力室52は供給孔54及び供給側流路54Aを介して共通液室55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形し、吐出側流路51Bを通ってノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通液室55から供給孔54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53を図4に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶようにされたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
すなわち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙(記録紙16)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図4に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン又は1個の帯状の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
また、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されている。本発明の実施に際して、アクチュエータ58にはピエゾ素子以外の他のアクチュエータを適用できる。
図5は、画像形成装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクである。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図5に示したように、インク供給タンク60とサブタンク62の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ61が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
サブタンク62は、ヘッドの内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。
サブタンク62により内圧を制御する態様には、図5に示すように、大気開放されたサブタンク62と記録ヘッド50内のインク室ユニット53とのインク水位の差によりインク室ユニット53内の内圧を制御する態様や、密閉されたサブタンク62に接続されたポンプによりサブタンク62及びインク室ユニット53内の内圧を制御する態様などがあり、何れの態様を適用してもよい。
また、サブタンク62と記録ヘッド50との間には、脱気装置63が設けられている。脱気装置63内部には、インクの通過するテフロンチューブやシリコンチューブからなる中空繊維束(不図示)が設けられ、周りをポンプ64により低圧にすることでインク中の気体を除去できる。なお、ポンプ64には、真空メーター64Aが備えられている。
また、脱気装置63の下流には溶存酸素計65が設けられており、気体除去の状態(脱気度)を確認することができる。
不図示の制御系を用いて、予め設定された脱気度になるようにポンプ64を制御する態様が好ましい。例えば、溶存酸素計65の計測値を制御系にフィードバックするように構成し、この計測値が脱気度の設定値と同じになるようにポンプ64を制御するとよい。制御系には、溶存酸素計65から送出される計測値を読み取る読取部、所望の脱気度を設定する設定部、読取部により得た値と設定値を比較して、ポンプの制御量を求める演算部などが含まれる。
また、画像形成装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル51近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ66と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード67とが設けられている。
これらキャップ66及びクリーニングブレード67を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって記録ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から記録ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ66は、図示せぬ昇降機構によって記録ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ66を所定の上昇位置まで上昇させ、記録ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ66で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ66(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、記録ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には記録ヘッド50にキャップ66を当て、吸引ポンプ68で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク69へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード67は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により記録ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード67をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
〔第1実施形態〕
図6及び図7は、本発明の第1実施形態に係る記録ヘッド50に設けられたインク室ユニット53の詳細を説明する図である。なお、図6及び図7中、図2及び図3と同一又は類似する部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6及び図7は、本発明の第1実施形態に係る記録ヘッド50に設けられたインク室ユニット53の詳細を説明する図である。なお、図6及び図7中、図2及び図3と同一又は類似する部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6(a) は、インク室ユニット53(圧力室52)の平面構造を示す平面図であり、図6(b)は図6(a) 中6b−6b線に沿った断面図である。図6以降の図では(a) を平面図、(b) を(a)の断面図とする。
なお、図6(a) に示した平面図は、説明の便宜上図4に示したインク室ユニット53を反時計周りに90°回転されている。
図6(a) に示すように、平面形状が略正方形形状である圧力室52の底面には、対向する頂角の一方の隅部に吐出側孔51Aが設けられ、もう一方の隅部には側面52Aに供給孔54が設けられている。吐出側孔51Aはノズル51と連通され、供給孔54は圧力室52の外側に設けられた供給側流路54Aにつながれている。
また、図6(b) に示すように、インク室ユニット53は薄板状部材を積層して形成される積層構造を有している。
最下面にはノズル51の開口が形成され、共通液室55の底面となるノズルプレート100、共通液室55となる開口及び吐出側流路51Bの一部 (細幹部)となる開口(穴)が形成されている共通液室プレート102、共通液室の天面となり、供給側流路54Aの一部となる開口(穴)又は溝、吐出側流路51Bの一部 (細幹部)となる開口(穴)が形成され、圧力室52の底面となる流路プレート106、圧力室の側面の一部、供給孔54及び供給側流路54Aとなる溝が形成されている供給側流路プレート108、圧力室52に相当する開口を有する圧力室プレート110が順に積層されている。
なお、図6(b) には図示しないが、圧力室プレート110の上には、圧力室52の天面を形成する加圧板56が積層され、更に、加圧板56の圧力室と反対面にはアクチュエータ58が接合されている。
上述した積層構造は、あくまでも一例であり、これ以外のプレートが該積層構造内にあってもよい。また、上述した2枚以上のプレートを共通化し、1枚のプレートとして形成してもよい。
上述した各プレートの材質はSUS等の金属薄板やポリイミドといった樹脂等の材質から成る薄板が適用される。また、各プレートの厚さは各プレートに形成される開口、溝等の寸法や加工精度、加工方法によって適宜決められる。例えば、ウエットエッチングを用いて溝を形成する場合には溝の深さに対して2倍程度の厚さが必要になる。
なお、ノズル51の開口のように30μm程度の微細穴加工を行う場合には、レーザー加工などの加工方法を用いるために、その材質及び厚さ等には制限がある。
記録画像の画質向上を図るために(即ち、高解像度画像を実現するために)、ノズル51を高密度に配置する必要がある。更に、微小サイズのドットを形成するためにノズル51の開口径が小径化する傾向にある。例えば1440dpi の画像を実現するためにはノズル51の開口径は30μm 程度になり、2400dpi の画像を実現するためにはノズル51の開口径は15μm 程度になる。
一方、インクの吐出性能や吐出後に圧力室52にインクを補充するリフィル性能を確保するためには、吐出側流路51Bや圧力室52内に形成される供給孔54はノズル51の開口径と同一径であることが好ましい。更に好ましくは、圧力室の形状及び大きさを最適化することが好ましい。
即ち、アクチュエータ58が吐出のために動作したときには、圧力室52内のインクはすべて吐出側流路に流れ、供給孔54から共通液室55側へインクが流れないことが好ましく、また、吐出が終わり圧力室52へインクを充填させる際には、供給孔54から圧力室52へ淀みなくインクが流れることが好ましい。
このように吐出性能及びリフィル性能を確保することによって、安定した吐出を確保できると共に吐出速度を高速化でき得る。
しかしながら、吐出側流路の太管部を形成する流路プレート106及び供給孔54が形成される供給側流路プレート108にノズル51開口径と略同一径の加工を施すことは、精度面及び特にコスト面等の理由により難易である。
本例では、供給孔54の開口径を大きくする代わりに供給側流路54Aの流路長を長くすることで吐出側と供給側の流路抵抗を略同一にして、上述した問題点を解決している。また、供給側流路54Aをコンパクトに形成するために、図6(a) に示すような方向転換部を含んだ迷路構造を採用している。
即ち、供給側流路54Aは供給側流路プレート108上に溝として形成され、その平面形状は略直角に方向転換する方向転換部を4ヵ所有している。このような形状にすると供給側流路54Aとなる溝の形成される領域をコンパクトにすることができる。なお、供給側流路54Aをコンパクトに形成するためには略90°以上方向転換する方向転換部を2以上含む態様が好ましい。
なお、供給側流路54Aとなる溝の断面形状は略半円形状でもよいし、略四角形(略正方形)でもよい。供給側流路54Aの断面形状を略円形状とする場合には、略半円形状の溝が形成されたプレートを、それぞれの溝形成面を対向させて接合すればよい。
本例では、供給側流路54Aの流路の方向と略直交する断面の形状を略円形状とし、流路径とはその円の直径を示す。
流路抵抗は流路の断面積に反比例し流路の長さに比例し、更に、流路の方向転換の圧力損失に依存するので、吐出側流路と供給側流路の流路抵抗を合わせるには、供給孔54の開口径が大きくなった場合、流路の長さを長くすればよい。なお、供給孔54の開口径と供給側流路54Aの流路径とは略同一とする。また、流路の方向転換部の個数を最適に設定することで、流路抵抗を設定できる。
図6(a)に示した供給側流路54Aの平面形状は一例であり、方向転換部の角度は略90°以外の角度でもよいし、方向転換部は該溝の形成スペースや溝の全長及び他のプレートとの接合関係に応じて任意に設定できる。加工の容易性を確保しながら流路長を稼ぐには、略90°に2回以上屈曲させる、即ち、2回以上、90°以上の方向転換を行う態様が好ましい。
また、供給側流路54Aとなる溝は直線を組み合わせてもよいし、曲線の集まりであってもよい。更に、直線と曲線とを組み合わせてもよい。
なお、吐出側流路51Bにはノズル51を含み、供給側流路54Aには供給孔54が含まれている。
図6のように、供給側流路54Aを供給側流路プレート108の平面内(吐出側流路51Bの方向と略直交する平面内)に形成することで、供給側流路プレート108(板状部材)の加工性がよくなる。
図7には、供給側流路54Aを吐出方向に略平行な方向(各プレートの積層方向)に沿って方向転換させた態様を示す。
図7(図7(b))に示す態様では、図6(b)に示した圧力室プレート110が積層方向に沿って分割され、圧力室52の側面の一部及び、供給側流路の一部(吐出方向平行な方向に沿って形成される部分)となる開口(貫通穴)が形成される圧力室プレート110A、圧力室52の側面の一部及び、供給側流路の一部(各プレートの平面方向に沿って形成される部分)となる溝が形成される圧力室プレート110B、圧力室52の側面の一部及び、供給側流路54Aの天面となる圧力室プレート110Cを順に積層させた構造を有している。
吐出方向に平行な方向に供給側流路54Aを形成することで、供給側流路54Aを設けるスペースをコンパクトにすることができるが、各プレートを積層させ接合する際の位置合わせの精度が要求される。したがって、薄板状部材を積層させてインク室ユニット53を製作する場合には、図7に示す態様に比べて図6に示す態様(供給側流路54Aが吐出方向と略垂直な平面上での方向転換を行う態様)の方が製造しやすい。
上記の如く形成された記録ヘッド50では、供給孔54の径(断面積)をノズル51の開口径(断面積)より大きくし、供給側流路54Aの流路長を長くすることで、供給側流路54Aの流路抵抗を吐出側流路の流路抵抗と略同一とするように構成される。供給側流路54Aの流路長を長くし、供給側流路54Aを形成するスペースをコンパクトにするために供給側流路54Aを迷路構造とする。
したがって、吐出性能とリフィル性能とを確保できると共に、供給側流路54Aの加工 (溝加工)や積層構造を形成するプレートの位置合わせが容易である。
なお、供給側流路の構造を複雑にすると気泡が混入した際に、気泡の除去が困難になることが考えられる。したがって、本実施形態に示した記録ヘッド50への供給系(図5に図示)には脱気装置63が備えられており、記録ヘッド50内には気泡が混入しない構成となっており、気泡排出性等に関しては致命的な問題にはならない。
〔第2実施形態〕
図8乃至図11を用いて、本発明の第2実施形態に係る記録ヘッド50が有するインク室ユニット53について説明する。本実施形態では、圧力室52内の供給孔54近傍に障壁部材(規制板)200を設け、この障壁部材によって供給側の流路抵抗を吐出側の流路抵抗と略同一にする。
図8乃至図11を用いて、本発明の第2実施形態に係る記録ヘッド50が有するインク室ユニット53について説明する。本実施形態では、圧力室52内の供給孔54近傍に障壁部材(規制板)200を設け、この障壁部材によって供給側の流路抵抗を吐出側の流路抵抗と略同一にする。
図8に圧力室52内に障壁部材200を設けた態様を示す。図8(a)は、インク室ユニット53の平面図であり、図8(b) は図8(a)中8b−8b線に沿った断面図である。
図8(a)に示すように、圧力室52の底面(吐出側孔51Aが設けられている面と同一面)には供給孔54が設けられており、障壁部材200は圧力室52の天面から見て供給孔54の周囲を囲むような略L字型形状であり、障壁部材の一方の端は圧力室52の側面(壁面)52Aと繋がっており、もう一方の端は圧力室52の側面52Bと繋がっていない。なお、障壁部材200の形状はL字形に限らず、平板やU字形など他の形状でもよい。
即ち、障壁部材200と側面52Bとの間には隙間202が設けられ、この隙間202をインクの供給側(供給孔)の一部とみなすことができる。したがって、隙間202の幅が流路径に相当し、この幅によって実質的に供給側の流路抵抗を調整することができる。なお、流路抵抗の調整を高精度に実現するためには障壁部材200の位置精度(隙間202の寸法精度)が必要になる。
また、図8(b)に示すように、障壁部材200は圧力室プレート110に形成され、圧力室52の天面(即ち、加圧板56)及び底面(即ち、供給孔54形成面)に繋げられている。
障壁部材200の材質を圧力室プレート110と同一にすると、エッチングによって圧力室プレート110の開口(即ち圧力室52になる部分)を形成する工程において障壁部材200を形成させることが可能である。
一方、圧力室52に底面となる供給側流路プレート108に障壁部材200となる板状部材を接合させて障壁部材200を形成させることも可能である。
ここで、図8(b) に示すように、圧力室52に天面となる加圧板56に接合されるアクチュエータ58の駆動部分は供給孔54及び障壁部材200の形成部分には配置しない態様が好ましい。障壁部材200により加圧板56の変位が拘束されることが起こり得ると共に、供給孔54から共通液室55へインクの逆流が起こり得るので、これらを防止する目的である。
図9に、隙間202を障壁部材200と加圧板56との間に設けた態様を示す。図9(a)に示すように、障壁部材200は圧力室52の側面52A及び圧力室52の側面52Bに繋がるように形成されている。
また、図9(b)に示すように、圧力室プレート110が積層方向に分割され、障壁部材200が形成されている障壁部材プレート210と、該障壁部材プレート210に積層される隙間202となる開口が形成された隙間プレート212と、から圧力室プレート110が形成される。もちろん、障壁部材プレート210と隙間プレートとを同一プレートとすることも可能である。
図10及び図11は障壁部材200が供給孔54に対向して設けられている態様を示している。
まず、図10は、供給孔54が側面52Aに設けられている場合の態様を示す。障壁部材200は供給孔54に対向するよう、即ち、圧力室52の側面52Aと対向するように設けられている。更に、圧力室52に側面52A(即ち、供給孔54形成面)と略平行になるように障壁部材200を設けるとよい。
図10では、障壁部材200と圧力室52の側面52Bとの間に隙間を設けているが、圧力室52の側面52Bと障壁部材200とを繋げてもよい。もちろん、側面52Bと対向する側面52Cと障壁部材200とをつなげるように構成してもよい。
また、図10(b)に示すように、加圧板56の変位を規制しないように、加圧板56と障壁部材200との間に隙間が設けられている態様が好ましい。
また、図11は供給孔54が圧力室52の底面に設けられている態様を示す。図11では、障壁部材200が圧力室52の側面52A,52Bとつなげられているが、障壁部材200は何れか一方の側面につなげられていればよい。
図11(b)に示すように、障壁部材200の積層を形成するプレート内に形成させることができる。即ち、圧力室プレート110を積層方向に分割して、圧力室プレート220、障壁部材プレート222、圧力室プレート224の順に各プレートを積層させて圧力室プレート110を形成してもよい。
上記の如く構成された記録ヘッド50に設けられたインク室ユニットでは、圧力室52内の供給孔54Aの近傍に障壁部材200を設けたので、該障壁部材200の大きさ及び供給孔54との距離を変えることにより等価的に供給側の流路抵抗を変えることができる。したがって、吐出側流路の流路抵抗と供給側流路の流路抵抗を略同一にすることができる。
上述した本発明の実施形態では、吐出可能幅に対応した領域にノズルが形成されているフルライン型のラインヘッドを例示したが、本発明はシリアル型ヘッド(シャトルスキャンヘッド)にも適用可能である。また、インクを吐出させる吐出力源に圧電素子を適用した態様を例示したが、圧力室内に備えられた熱源を動作して圧力室内に気泡を発生させ、そのエネルギーを用いてインクを吐出させるサーマルタイプの記録ヘッドにも適用可能である。
なお、本発明の適用範囲はインクジェット記録装置に限定されず、ヘッドに設けられた吐出孔(ノズル)から水、薬液、処理液等の液類を吐出させる液吐出装置に適用可能である。
10…画像形成装置、50…記録ヘッド、51…ノズル、51A…吐出側孔、51B…吐出側流路、53…インク室ユニット、54…供給孔、54A…供給側流路、106,108…流路プレート、200…障壁部材
Claims (9)
- 液滴を吐出させる吐出孔と、吐出させる液を加圧する圧力室と、前記吐出孔と前記圧力室とを連通させる吐出側流路と、前記圧力室に設けられた供給孔と、前記供給孔を介して前記圧力室と連通され、供給系から前記圧力室へ液を供給する供給側流路と、を備え、
前記供給側流路は前記吐出側流路の流路抵抗と略同一の流路抵抗となるように90°以上方向転換する方向転換部分を少なくとも2以上含む形状を有することを特徴する液吐出ヘッド。 - 前記供給側流路は、前記吐出側流路の方向と略直交する平面に形成されることを特徴とする請求項1記載の液吐出ヘッド。
- 前記吐出ヘッドは複数の板状部材を積層させて構成する積層構造を有し、前記供給側流路は、前記積層構造の層を形成する板状部材に設けられた溝を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の液吐出ヘッド。
- 液滴を吐出させる吐出孔と、吐出させる液を加圧する圧力室と、前記吐出孔と前記圧力室とを連通させる吐出側流路と、前記圧力室に設けられた供給孔と、前記供給孔を介して前記圧力室と連通され、供給系から前記圧力室へ液を供給する供給側流路と、を備え、
前記圧力室内には、前記吐出側の流路抵抗と供給側の流路抵抗とを略同一にするように規制板が設けられていることを特徴とする液吐出ヘッド。 - 前記規制板は、前記供給孔形成面に設けられていることを特徴とする請求項4記載の液吐出ヘッド。
- 前記規制板は、前記供給孔と対向する面を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の液吐出ヘッド。
- 前記規制板と、前記圧力室の少なくとも一部を形成し、前記圧力室内の液に与えられる圧力を受けて変形する加圧板と、の間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項4、5又は6記載の液吐出ヘッド。
- 吐出孔から吐出される液の吐出力を与えるアクチュエータを備え、
前記アクチュエータは、前記圧力室の少なくとも一部を形成する加圧板に接合され、前記供給孔及び前記規制板が設けられている領域を回避するように備えられることを特徴とする請求項4乃至7のうち何れか1項に記載の液吐出ヘッド。 - 請求項1乃至8のうち何れか1項に記載された液吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液吐出装置。
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JP2006205621A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Brother Ind Ltd | 液体移送装置 |
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- 2003-09-30 JP JP2003342294A patent/JP2005104039A/ja active Pending
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JP4701729B2 (ja) * | 2005-01-31 | 2011-06-15 | ブラザー工業株式会社 | 液体移送装置 |
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