JP2005103819A - 車載用プリンタの制御方法、および車載用プリンタ - Google Patents

車載用プリンタの制御方法、および車載用プリンタ Download PDF

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Abstract

【課題】 特別な機械要素を追加することなく、キャリッジに印加される衝撃や振動を吸収し、キャリッジのシャーシなどへの衝突による破損や、記録ヘッドからのインクの飛び出しや、ノズル開口からの気泡の混入を防止する、車載用プリンタの制御方法、および車載用プリンタを提供する。
【解決手段】 キャリッジモータによりキャリッジを主走査方向に移動させ、該キャリッジの印刷ヘッドからインクを吐出させて記録を行う車載用プリンタであって、通常状態では、キャリッジモータによりキャリッジの位置および速度を制御して印字を行う位置速度制御手段と、衝撃または振動が印加された場合には、前記キャリッジが、衝撃または振動によりキャリッジに印加される力を外力とする減衰振動系を構成するように前記キャリッジモータを制御する力制御手段とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特別な機械要素を追加することなく、キャリッジに印加される衝撃や振動を吸収し、キャリッジのシャーシなどへの衝突による破損や、印刷ヘッドからのインクの飛び出しや、ノズル開口からの気泡の混入を防止する、車載用プリンタの制御方法、および車載用プリンタに関する。
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式の記録装置では、印刷ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に、記録紙を副走査方向にそれぞれ移動させ、これらの移動に連動して印刷ヘッドのノズル開口からインクを吐出させることにより、記録紙上に画像や文字を記録する。
ところで、このような、従来のインクジェットプリンタを車載用プリンタとして、自動車等の移動体で使用した場合には、道路の凹凸による衝撃、振動がプリンタのキャリッジおよび印刷ヘッドに加わり、印字結果に悪影響を及ぼすことがある。
このような問題に対処するために、液体吐出ヘッドを構成する素子基板に、ヘッドの外部からの振動を圧力振動として検出する圧力センサを設け、記録装置の外部からの衝撃や振動による揺れなどを圧力センサにより検知した場合は、即座に記録動作を停止し、その後、ヘッド内に派生させたトリガー信号により、記録を停止させた次の画像位置から記録を再度開始させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなインクジェットプリンタにおいても、衝撃によりノズル開口からインクが飛び出して印刷用紙を汚したり、ノズル開口部のメニスカス(ノズル開口にて露出したインクの自由表面:図4参照)が破壊されインク内に気泡が混入しインクの吐出不良が発生することがある。
また、その対策として、衝撃を吸収する衝撃吸収機構を介して印刷ヘッドを筐体に取り付け、ヘッドにかかる衝撃を吸収する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では、印刷ヘッドに特別な機械要素を追加することが必要になる。
特開2002−166552号公報 特開平9−248939号公報
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、印刷ヘッドなどに特別な機械要素を追加することなく、キャリッジに印加される衝撃や振動を吸収し、キャリッジのシャーシなどへの衝突による破損や、印刷ヘッドからのインクの飛び出しや、ノズル開口からの気泡の混入を防止する、車載用プリンタの制御方法、および車載用プリンタを提供することにある。
本発明の車載用プリンタの制御方法は、キャリッジモータによりキャリッジを主走査方向に移動させ、該キャリッジの印刷ヘッドからインクを吐出させて記録を行う車載用プリンタの制御方法であって、通常状態では、キャリッジモータによりキャリッジの位置および速度を制御して印字を行う位置速度制御手順と、衝撃または振動が印加された場合には、前記キャリッジが、衝撃または振動によりキャリッジに印加される力を外力とする減衰振動系を構成するように前記キャリッジモータを制御する力制御に移行する手順を含むことを特徴とする。
このような手順であれば、プリンタに衝撃や振動が加わった場合に、衝撃センサなどでこれを検知し、異常な衝撃や振動を検知した場合には、キャリッジモータの制御を「位置速度制御」から「力制御」に切り替え、衝撃や振動によりキャリッジに印加される力を外力とし、キャリッジにバネおよび減衰器を接続した等価的な減衰振動系を構成して、キャリッジを制御する。
これにより、衝撃や振動によりキャリッジにかかる衝撃力を弱めることができ、キャリッジがシャーシに衝突して物理的に破壊することを防止でき、また、印刷ヘッドからインクが飛び出したり、印刷ヘッドのノズル開口から気泡が混入することを防止できる。このため、印刷不良の発生を防止することができる。
また、本発明の車載用プリンタの制御方法は、前記位置速度制御から力制御に切り替えた際に、キャリッジを可動範囲の略中央に移動させる手順を含むことを特徴とする。
このような手順であれば、衝撃センサなどをプリンタ本体に取り付け、プリンタに加わる衝撃や振動を検知し、異常な衝撃や振動が加わった場合には、キャリッジの制御を「位置速度制御」から「力制御」に切り替え、キャリッジを可動範囲の略中央の位置まで移動させる。
これにより、キャリッジにかかる衝撃力を弱めることができるとともに、キャリッジをプリンタの中央位置に移動させることにより、キャリッジがシャーシなどに衝突して物理的に破壊することを防止できる。
また、本発明の車載用プリンタの制御方法は、前記キャリッジの力制御時に、キャリッジモータによりキャリッジに印加する力fを、f=(M−Mn)×(キャリッジに加わる加速度)+(D−Dn)×(キャリッジの速度)+Kn(キャリッジの目標位置−キャリッジの位置)、とし、ここで、Mはキャリッジの質量、Dはキャリッジの走行に伴う粘性摩擦(走行抵抗)係数であり、制御定数Mn、Dn、Knを、衝撃または振動が発生した際に、キャリッジの印刷ヘッドのノズル開口部のメニスカスを保持し得る程度までに、印刷ヘッド内のインクにかかる力を減殺する値に設定する手順を含むことを特徴とする。
このような手順あれば、力制御を行う際の制御定数Mn、Dn、Knを適切な値に設定することにより、キャリッジに強い衝撃力が印加されることを防止する。また、キャリッジの印刷ヘッドのノズル開口部のメニスカスを保持し得る程度までに、印刷ヘッド内のインクにかかる力を減殺する
これにより、キャリッジにかかる衝撃力を弱めることができるとともに、ヘッドのノズルからの気泡の混入を防止することができる。このため、印刷不良の発生を防止することができる。
また、本発明の車載用プリンタは、キャリッジモータによりキャリッジを主走査方向に移動させ、該キャリッジの印刷ヘッドからインクを吐出させて記録を行う車載用プリンタであって、通常状態では、キャリッジモータによりキャリッジの位置および速度を制御して印字を行う位置速度制御手段と、衝撃または振動が印加された場合には、前記キャリッジが、衝撃または振動によりキャリッジに印加される力を外力とする減衰振動系を構成するように前記キャリッジモータを制御する力制御手段とを備えることを特徴とする。
このような構成であれば、プリンタに衝撃や振動が加わった場合に、衝撃センサなどでこれを検知し、異常な衝撃や振動を検知した場合には、キャリッジモータの制御を「位置速度制御」から「力制御」に切り替え、衝撃や振動によりキャリッジに印加される力を外力とし、キャリッジにバネ、減衰器を接続した等価的な減衰振動系を構成して、キャリッジを制御する。
これにより、衝撃や振動によりキャリッジにかかる衝撃力を弱めることができ、キャリッジがシャーシに衝突して物理的に破壊することを防止でき、また、印刷ヘッドからインクが飛び出したり、印刷ヘッドのノズル開口から気泡が混入することを防止できる。このため、印刷不良の発生を防止することができる。
また、本発明の車載用プリンタは、前記位置速度制御から力制御に切り替えた際に、キャリッジを可動範囲の略中央に移動させる手段を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、衝撃センサなどをプリンタ本体に取り付け、プリンタに加わる衝撃や振動を検知し、異常な衝撃や振動が加わった場合には、キャリッジの制御を「位置速度制御」から「力制御」に切り替え、キャリッジを可動範囲の略中央の位置まで移動させる。
これにより、キャリッジにかかる衝撃力を弱めることができるとともに、キャリッジをプリンタの中央位置に移動させることにより、キャリッジがシャーシなどに衝突して物理的に破壊することを防止できる。
また、本発明の車載用プリンタは、前記キャリッジの力制御時に、キャリッジモータによりキャリッジに印加する力fを、f=(M−Mn)×(キャリッジに加わる加速度)+(D−Dn)×(キャリッジの速度)+Kn(キャリッジの目標位置−キャリッジの位置)、とし、ここで、Mはキャリッジの質量、Dはキャリッジの走行に伴う粘性摩擦(走行抵抗)係数であり、制御定数Mn、Dn、Knを、衝撃または振動が発生した際に、キャリッジの印刷ヘッドのノズル開口部のメニスカスを保持し得る程度までに、印刷ヘッド内のインクにかかる力を減殺する値に設定する手段を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、力制御を行う際の制御定数Mn、Dn、Knを適当な値に設定することにより、キャリッジに強い衝撃力が印加されることを防止する。また、キャリッジの印刷ヘッドのノズル開口部のメニスカスを保持し得る程度までに、印刷ヘッド内のインクにかかる力を減殺する
これにより、キャリッジにかかる衝撃力を弱めることができるとともに、印刷ヘッドのノズル開口からの気泡の混入を防止することができる。このため、印刷不良の発生を防止することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
本発明の車載用プリンタでは、通常のインクジェット式のプリンタを、特別な機械要素を追加することなく、車載用プリンタとして使用できるようにするものであり、最初に、本発明が適用されるインクジェット式のプリンタの概略構成例について説明しておく(なお、詳細については、「特開2003−159857号公報」を参照)。
図1は、インクジェット式プリンタのケース内部の概略構成例を示す図であり、図1に示すように、記録装置(印刷装置)としてのインクジェット式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」と称す)1は、ケース(図示省略)内にプリンタ本体2を備えている。プリンタ本体2には、レール(ガイドロッド)3に案内されてプラテン4の軸方向と平行な主走査方向に往復移動可能なキャリッジ5設けられている。キャリッジ5は電動モータとしてのキャリッジモータ(以下、「CRモータ」と称す)6によってタイミングベルト7を介して駆動される。図1に示す例では、CRモータ6としてDC(直流)モータが使用されている。
キャリッジ5の下部には、記録媒体である用紙8と対向する下面側に記録ヘッドとしての印刷ヘッド9が配設されている。印刷ヘッド9には各インク色毎のノズル列(図示せず)が複数列形成されている。キャリッジ5の上部には印刷ヘッド9にインクを供給するインクカートリッジ10、11(ブラック用とカラー用の2種類)が着脱可能に装着されている。印刷ヘッド9に内蔵された圧電振動子の振動作用に基づき各ノズルからインク滴が吐出されて印刷が行われる。
またプリンタ1には、キャリッジ5の走行速度を検出するためのリニアエンコーダ13が設けられている。リニアエンコーダ13は、樹脂製の被検出用テープ(符号テープ)14と、エンコーダ(図示せず)とからなる。符号テープ14は、キャリッジ5の背面側に主走査方向(キャリッジ走行方向)と平行に張られており、符号テープ14の主走査方向に一定ピッチで多数本形成されたスリット14aからの投光を、キャリッジ5と一体に移動するエンコーダが検出する。このエンコーダは、投光器と一対の受光式センサを内蔵し、符号テープ14のスリット14aを通る投光を検出することにより、90度位相差のずれたA相、B相の2相パルスを出力する。
またプリンタ1には紙送りモータ15が設けられている。紙送りモータ15が駆動されると、プラテン4の紙送り方向前後(同図における矢印方向)に一対配列された2組の紙送りローラ(図示せず)が駆動されて用紙8が送られる。図1に示す例では、紙送りモータ15としてステッピングモータが使用されている。
通常の場合、エンコーダからのパルス(A相、B相の2相パルス)により、キャリッジ5の位置及び速度を演算し、キャリッジ5が目標位置、目標速度となるように制御を行う。
本発明の場合は、衝撃センサにより検出された衝撃がある一定のレベルを超えた場合には制御則を「位置速度制御」から「力制御」に切り替えて、キャリッジに加わる衝撃力を弱める。
図2は、本発明の車載用プリンタの回路構成例を示すブロック図であり、位置速度制御部40は、位置演算部41と、減算器42と、目標速度演算部43と、速度演算部44と、減算器45と、比例要素46と、積分要素47と、微分要素48と、加算器49と、PWM回路50と、加減速制御部52とから構成されている。
位置演算部41は、エンコーダ33の出力パルスのエッジを検出してその個数を計数し、この計数値に基づきキャリッジ5の位置を演算する。エンコーダ33からは位相が90度ずれたパルス信号(A相、B相)が出力されており、2つのパルス信号の位相関係からCRモータ6の正転か逆転かを判断し、1個のエッジが検出されたときには正転時であれはインクリメントし、逆転時であればデクリメントするように計数処理する。例えば、A相のパルスを正逆転の判定用に使用し、B相のパルスの立ち上がりエッジの時点で、A相のパルスのレベルが“H”でれば正転と判断し、位置演算部41における計数値をインクリメントする。また、B相のパルスの立ち上がりエッジの時点で、A相のパルスのレベルが“L”でれば逆転と判断し、位置演算部41における計数値をデクリメントする。
減算器42は、CPU(図示せず)から送られてくる目標位置(位置指令)xrと、位置演算部41により求められたキャリッジ5の実際の位置xとの位置偏差を演算する。目標速度演算部43は、減算器42の出力である位置偏差に基づいてキャリッジ5の目標速度を演算する。この演算は位置偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。
速度演算部44は、エンコーダ33の出力パルスに基づいてキャリッジ5の速度を演算する。例えば、エンコーダ33の出力パルスのパルス周期をタイマカウンタなどにより計時し、このパルス周期に基づいてキャリッジ速度を演算する。
減算器45は、目標速度と、速度演算部44によって演算されたキャリッジ5の実際の速度との速度偏差を演算する。比例要素46は、速度偏差に定数Gpを乗算し、乗算結果を出力する。積分要素47は、速度偏差に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素48は、現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し、乗算結果を出力する。なお、この例では、比例要素46、積分要素47および微分要素48の演算は、エンコーダ33の出力パルスの1周期毎に行うようにしている。
比例要素46、積分要素47および微分要素48の出力は、加算器49において加算され、PID出力となる。この加算結果がデューティ信号としてPWM(Pulse Width Modulation)回路50に送られて、PWM回路50にて、加算器49の加算結果に応じた指令信号が生成される。この生成された指令信号に基づいてドライバ30によりCRモータ6が駆動される。
また、加減速制御部52は、CPU(図示せず)から送られる加減速指令Acc/Decを基に、CRモータ6の加減速制御を行う。加減速制御部52は、比例要素46、積分要素47および微分要素48を加算したPID出力により制御されるPWM回路50の出力信号を制御し、ドライバ回路30を通してCRモータ6に印加される電圧を制御することにより、CRモータ6の回転速度に所定の加速および減速の速度勾配を与える。また、CRモータ6の走行速度を一定速度に制限する機能も有する。
また、ドライバ30は例えば複数個のトランジスタを備えており、PWM回路50の出力に基づいてトランジスタをオン・オフする時間幅を制御することで、CRモータ6に印加される電圧を制御し、CRモータ6の回転速度を制御する。
以上説明した、目標位置xrと、位置演算部41からの位置フィードバック信号xにより、キャリッジ5の位置及び速度制御を行う制御則が、「位置速度制御則」である。
次に、本発明による車載用プリンタに衝撃または振動が加わった場合の動作について説明する。衝撃センサ70は、プリンタに印加される衝撃や振動を検出するセンサであり、例えば、加速度センサなどである。衝撃センサ70はレベル検知回路69に接続されており、レベル検知回路69は衝撃センサ70からの出力が定められたレベル(閾値)を超えた場合に信号を出力するように設定されている。レベル検知回路69の出力は通常の制御則と衝撃が加わった場合の制御則を切り替えるスイッチ68に接続されており、所定のレベルを超えた衝撃や振動が加わった場合には「位置速度制御則」から「力制御則」に切り替える。
ここで、「力制御則」について説明する。キャリッジの運動方程式は下記の(1)式の通りである。
Figure 2005103819
このシステムで目標位置をXnとし、CRモータ6を制御して、キャリッジ5に加わる力“f”を、以下の式(2)に従うように制御する。
Figure 2005103819
このように、(2)式に従うようにCRモータ6を制御すれば、式(1)および式(2)から、キャリッジ5は次の式(3)で示す運動方程式で記述される。
Figure 2005103819
これは質量Mn、粘性摩擦(走行抵抗)係数Dn、ばね定数Knを制御定数とする減衰振動系の式となる。これを図に表すと図3に示す減衰振動系のモデルとなる。すなわち、CRモータ6により式(2)に示す力“f”がキャリッジ5に印加されるように制御すれば、キャリッジ5は、キャリッジ5に機械的にバネ101とダンパー(減衰器)102が接続された減衰振動系と等価となる。
なお、定数Mn、Dn、Knは想定される衝撃等にあわせて設定すればよい。上記制御系をブロック図で表すと、図2の下側の力制御部60で示すブロックになる。ここではキャリッジ5が衝撃力でシャーシ等の衝突することを防ぐため、目標位置xnをキャリッジ可動範囲の中央部分としている。
図2に示すように、エンコーダ33の信号から速度演算部44によりCRモータ6の速度を演算し、加速度演算部61によりCRモータ6の加速度を演算し、位置演算部41によりキャリッジ5の位置の演算を行う。加速度は乗算界62で(M−Mn)倍され、速度は乗算器63で(D−Dn)倍され、位置は減算器71に入力され中央位置との差分が乗算器64でKn倍される。上記3つの演算値を加算器66に入力し、加算された値からPWM回路67でデューティが決定されドライバ30に送られ、CRモータ6を駆動する。
このように、衝撃や振動がキャリッジ5に印加され場合に、衝撃や振動を衝撃センサ70により検出してCRモータ6を「力制御」することにより、キャリッジにかかる衝撃力を弱めることができ、キャリッジがシャーシに衝突して物理的に破壊することを防止でき、また、印刷ヘッドからインクが飛び出したり、印刷ヘッドのノズル開口から気泡が混入することを防止できる。このため、印刷不良の発生を防止することができる。
なお、制御定数Mn、Dn、Knを設定する際には、キャリッジの印刷ヘッドのノズル開口部のメニスカスを保持し得る程度まで、衝撃や振動によりインクにかかる力を減殺するように設定することにより、印刷ヘッドのノズル開口からの気泡の混入を防止することができる。なお、図4はメニスカスの例を示す図であり、印刷ヘッド9のノズル開口9aに、メニスカスQが形成されている状態を示している。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の車載用プリンタは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明では、衝撃や振動によりキャリッジにかかる衝撃力を弱めることができ、キャリッジがシャーシなどに衝突して物理的に破壊することが防止でき、また、印刷ヘッドからインクが飛び出したり、また印刷ヘッドのノズル開口から気泡が混入することを防止できる。このため、印刷不良の発生を防止することができる。
従って、本発明は、車載用プリンタの制御方法、および車載用プリンタなどに適用できる。
インクジェット式プリンタのケース内部の概略構成例を示す図。 本発明の車載用プリンタの回路構成例を示すブロック図。 振動系のモデルを示す図。 メニスカスの例を示す図。
符号の説明
1 プリンタ、2 プリンタ本体、5 キャリッジ、6 CRモータ
9 印刷ヘッド、 9a ノズル開口、10、11 インクカートリッジ
13 リニアエンコーダ、14 符号テープ、14a スリット、33 エンコーダ
40 位置速度制御部、60 力制御部、69 レベル検知回路、70 衝撃センサ
D、Dn 粘性摩擦係数、 Kn ばね定数、Q メニスカス
M、Mn キャリッジの質量、x キャリッジの位置、 xr、xn 目標位置
f CRモータによりキャリッジに印加される力

Claims (6)

  1. キャリッジモータによりキャリッジを主走査方向に移動させ、該キャリッジの印刷ヘッドからインクを吐出させて記録を行う車載用プリンタの制御方法であって、
    通常状態では、キャリッジモータによりキャリッジの位置および速度を制御して印字を行う位置速度制御手順と、
    衝撃または振動が印加された場合には、前記キャリッジが、衝撃または振動によりキャリッジに印加される力を外力とする減衰振動系を構成するように前記キャリッジモータを制御する力制御に移行する手順を
    含むことを特徴とする車載用プリンタの制御方法。
  2. 前記位置速度制御から力制御に切り替えた際に、キャリッジを可動範囲の略中央に移動させる手順を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の車載用プリンタの制御方法。
  3. 前記キャリッジの力制御時に、キャリッジモータによりキャリッジに印加する力fを、 f=(M−Mn)×(キャリッジに加わる加速度)+(D−Dn)×(キャリッジの速度)+Kn(キャリッジの目標位置−キャリッジの位置)、とし、
    ここで、Mはキャリッジの質量、Dはキャリッジの走行に伴う粘性摩擦(走行抵抗)係数であり、
    制御定数Mn、Dn、Knを、衝撃または振動が発生した際に、キャリッジの印刷ヘッドのノズル開口部のメニスカスを保持し得る程度までに、印刷ヘッド内のインクにかかる力を減殺する値に設定する手順を
    含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用プリンタの制御方法。
  4. キャリッジモータによりキャリッジを主走査方向に移動させ、該キャリッジの印刷ヘッドからインクを吐出させて記録を行う車載用プリンタであって、
    通常状態では、キャリッジモータによりキャリッジの位置および速度を制御して印字を行う位置速度制御手段と、
    衝撃または振動が印加された場合には、前記キャリッジが、衝撃または振動によりキャリッジに印加される力を外力とする減衰振動系を構成するように前記キャリッジモータを制御する力制御手段と
    を備えることを特徴とする車載用プリンタ。
  5. 前記位置速度制御から力制御に切り替えた際に、キャリッジを可動範囲の略中央に移動させる手段を
    備えることを特徴とする請求項4に記載の車載用プリンタ。
  6. 前記キャリッジの力制御時に、キャリッジモータによりキャリッジに印加する力fを、 f=(M−Mn)×(キャリッジに加わる加速度)+(D−Dn)×(キャリッジの速度)+Kn(キャリッジの目標位置−キャリッジの位置)、とし、
    ここで、Mはキャリッジの質量、Dはキャリッジの走行に伴う粘性摩擦(走行抵抗)係数であり、
    制御定数Mn、Dn、Knを、衝撃または振動が発生した際に、キャリッジの印刷ヘッドのノズル開口部のメニスカスを保持し得る程度までに、印刷ヘッド内のインクにかかる力を減殺する値に設定する手段を
    備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車載用プリンタ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2319701A4 (en) * 2009-01-23 2017-01-11 Mimaki Engineering Co., Ltd. Printer apparatus

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