JP2005103649A - 搬送用ハンド、およびその制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを載せる搬送用ハンド自体に圧電素子を取り付けることによって、搬送用ハンドの振動を速やかに確実に減衰すること。また、その搬送用ハンドの制御装置であるフィードバックコントローラを提供すること。
【解決手段】ワークを搬送するための搬送用ロボット1のアーム4先端に配置される搬送用ハンド10を、振動抑制用のアクチュエータとしての圧電素子11と、振動検出用の加速度センサ12とを取り付けることによって、構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、振動抑制機能を有する搬送用ハンド、およびその制御装置に関し、特に、ワークを搬送するための搬送用ハンド、およびその制御装置に関する。
従来、半導体や液晶の製造工程において、材料となる板状のワーク(以下、「基板」とも言う)の搬送には、搬送用ロボットが使用されている。そして、ロボットの手先(例えばアームの先端)には、基板と直接接触するハンド(ピックアップ)と呼ばれる部分が備えられている。この搬送用ハンドは、フォーク状の形状をしており、片持ち梁のように柄の部分(基部)がロボット本体(例えばアームの先端)に固定され、この搬送用ハンド上面に基板を載せるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ロボットを作動させると、ハンド先端部に振動が発生し、基板の搬送の障害となっていた。この振動を抑制するため、従来では、高硬度の材料を用いたり、ハンドの板材を厚くしたりすることで高剛性化を図ることが行われてきた。
ところが、このような材料力学的、かつパッシブな方法を用いた場合には、振動抑制性能向上に限界があり、また、高価格化・高重量化を加速させるという問題点があった。また、このような高剛性化により振動の振幅は小さくなるが、同時に系の減衰も小さくなるため、振動が減衰するのに長い時間が必要となるという問題点があった。
また、近年では、基板サイズの大型化に対応するため、ハンドも大型化し、これに付随してハンド先端部の振動が大きくなるという問題点が出てきている。さらに、この振動が減衰するまで、次の動作に移ることができず、製造タクトタイムが長くなる原因となっていた。
特開2002−289664号公報
そこで、本発明では、基板を載せる搬送用ハンド自体に圧電素子と加速度センサとを取り付けることによって、具体的に言えば、搬送用ハンドの振動をセンサで検出し、その情報から適切なコントローラを用い、搬送用ハンドに取り付けた圧電素子を駆動することによる能動的(アクティブ)な方法、または、搬送用ハンドに取り付けた圧電素子と電気回路とを用いて、振動系の減衰を大きくする受動的(パッシブ)な方法によって、搬送用ハンドの振動を速やかに確実に減衰することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、ワークを搬送するための搬送用ロボットのアーム先端に配置される搬送用ハンドであって、振動抑制用のアクチュエータとしての圧電素子と、振動検出用のセンサとを取り付けたものである。
請求項2においては、ワークを搬送するための搬送用ロボットのアーム先端に配置される搬送用ハンドであって、ワーク非接触面に圧電素子を取り付けたものである。
請求項3においては、請求項1または請求項2に記載の搬送用ハンドの制御装置であって、搬送用ハンドの振動情報をリアルタイムで取得し、該振動情報に基づいて前記圧電素子の操作信号を生成し、該操作信号を圧電素子へ出力するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項1に示すような搬送用ハンドによれば、ワークのサイズが大型化した場合であっても、搬送用ハンドの振動を減衰させる力をアクチュエータとしての圧電素子でアクティブに発生させているので、パッシブな振動抑制のみによる場合よりも短い時間で減衰させることができる。また、ワーク搬送中の減衰も可能なので、搬送用ハンドの動作終了後における振動収束時間短縮だけでなく、搬送用ハンドの動作中における過渡振動特性の向上(例えば、最大振幅の低下)をも図ることができる。さらに、圧電素子およびセンサは軽量なので、同等の振動特性を有する従来の搬送用ハンドと比べて軽量化を図ることができる。しかも、ハンドアセンブリとして完結していること、および搬送用ハンドの形状変化が少ないことにより、従来の搬送用ハンドを使用しているロボットに対しても、わずかな変更を加えるだけで適用することができる。さらに、ワークやシステム全体を変更する必要性は殆どなくなる。
請求項2に示すような搬送用ハンドによれば、圧電素子をアクチュエータとしても、加速度センサとしても用いることによりアクティブな振動抑制機能を実現することができる。具体的には、ワークのサイズが大型化した場合であっても、搬送用ハンドの振動を減衰させる力をアクチュエータとしての圧電素子でアクティブに発生させているので、パッシブな振動抑制のみによる場合よりも短い時間で減衰させることができる。また、ワーク搬送中の減衰も可能なので、ワーク搬送用ハンドの動作終了後における振動収束時間短縮だけでなく、搬送用ハンドの動作中における過渡振動特性の向上(例えば、最大振幅の低下)をも図ることができる。さらに、圧電素子は軽量なので、同等の振動特性を有する従来の搬送用ハンドと比べて軽量化を図ることができる。しかも、ハンドアセンブリとして完結していること、および搬送用ハンドの形状変化が少ないことにより、従来の搬送用ハンドを使用しているロボットに対しても、わずかな変更を加えるだけで適用することができる。さらに、ワークやシステム全体を変更する必要性は殆どなくなる。
また、圧電素子の両電極に電気抵抗を接続することで振動系の減衰を大きくするパッシブな振動抑制機能を実現できる。このパッシブ振動抑制機能は、搬送用ハンドに取り付けた圧電素子と電気回路とを用いて、振動系の減衰を大きくする機能であり、コントローラ、電源、振動検出用のセンサ等は不要となる。これにより、搬送用ハンドにおいて、部品点数を削減することができ、軽量化とともにコンパクト化を図ることができる。
そして、ワークのサイズが大型化した場合であっても、振動が搬送用ハンドの基部から先端部へ伝わりにくくなるため、搬送用ハンドの動作中における過渡振動特性(例えば、最大振幅の低下)が向上する。また、搬送用ハンドの動作終了後における搬送用ハンドの先端部の残留振動をより速く減衰させることができる。さらに、圧電素子は軽量なので、同等の振動特性を有する従来の搬送用ハンドと比べて軽量化を図ることができる。しかも、ハンドアセンブリとして完結していること、および搬送用ハンドの形状変化が少ないことにより、従来の搬送用ハンドを使用しているロボットに対しても、わずかな変更を加えるだけで適用することができる。さらに、ワークやシステム全体を変更する必要性は殆どなくなる。
請求項3に示すような搬送用ハンドの制御装置は、フィードバックコントローラとして構成される。この制御装置、搬送用ハンドからなるシステム(制振システム)に通電すれば、ロボットの作動状態に関係なく搬送用ハンドの振動抑制効果を得ることができる。また、この制振システムは、それのみで完結しているため、様々なロボットに対して適用することができる。
次に、発明を実施するための最良の形態を添付の図面を用いて説明する。
図1は本発明を適用する搬送用ハンドをロボットに取り付けた一実施例を示す図、図2は圧電素子と加速度センサを取り付けた搬送用ハンドを示す底面図、図3は搬送用ハンドとコントローラの信号の入出力関係を示す図、図4はコントローラの内部構成を示す図、図5はフィードバックコントローラによる搬送用ハンドの振動抑制の手順を示す図、図6はアクチュエータとして積層型圧電素子を取り付けた搬送用ハンドを示す底面図、図7は同じく側面図、図8はパッシブ振動抑制機能を有する搬送用ハンドを示す底面図、図9は同じく側面図である。
図1に示すように、搬送用ハンド(以下では、単に「ハンド」とも言う)10は、ハンド10上に載置される基板を搬送するために、搬送用のロボット1のアーム4先端に備えられている。図1を用いて、ロボット1の概略構成について説明する。
ロボット1は、ハンド10、第1アーム2と第2アーム3とからなるアーム4、支持台5、基台6、および、ハンド10と第1アーム2と第2アーム3とをそれぞれ回動するアクチュエータとなるモータと、支持台5を昇降駆動するアクチュエータとなるシリンダ等により構成される。
ロボット1において、ハンド10を適切な位置に移動させることによってハンド10上に載置される基板を搬送するために、ハンド10は、水平方向に進退可能、水平面内で旋回可能、かつ、鉛直方向に昇降可能となっている。つまり、ロボット1は、ハンド10の進退機能、旋回機能、昇降機能を備えている。
ハンド10は、フォーク状に形成され、その上面に基板が載置される。ハンド10の基部10aがアーム4の先端側である第1アーム2の一端側に支持されており、ハンド10は回動支軸51を中心に回動可能となっており、図示しないモータにより回動される。第1アーム2の他端側は第2アーム3の一端側に連結されており、第1アーム2と第2アーム3とによって関節52が形成されている。つまり、アーム4は、関節52の部分で第1アーム2と第2アーム3とが連結されることにより形成されている。第1アーム2は、関節52の部分に設けた図示しないモータにより第2アーム3に対して回動可能となっている。アーム4の基部側である第2アーム3の他端側は支持台5の上面に支持されており、第2アーム3は支持台5に対して回動支軸53を中心に回動可能となっており、図示しないモータにより回動される。
第1アーム2と第2アーム3とは同じ長さに形成されており、関節52の角度(第1アーム2と第2アーム3とのなす角度)が変更されることでアーム4が伸縮する。アーム4が伸縮することで、ハンド10が進退する。
ハンド10の進退機能は、このようにアーム4が伸縮することにより、ハンド10を基台6に対してその向き(姿勢)を保持したまま、図1の矢印Xに示す方向へハンド10を水平移動させる機能である。このとき、第1アーム2と第2アーム3とが回動することでアーム4が伸縮するとともに、ハンド10が回動することでハンド10の基台6に対する向きを保持する。
また、ハンド10の旋回機能は、支持台5が回動支軸53を中心に回動することによって、ハンド10とともにアーム4(第1アーム2および第2アーム3)を回動支軸53のまわりに旋回させる機能である。
支持台5は、基台6に上下に昇降可能に支持されている。基台6内には昇降用電動シリンダが内装されて、支持台5を昇降駆動する。
ハンド10の昇降機能は、支持台5が基台6に対して昇降することにより、ハンド10とともに、アーム4および支持台5を、基台6に対して鉛直方向に昇降させる機能である。
以上のハンド10の進退機能および旋回機能により、ハンド10上に載置された基板の水平面内での位置が調節される。また、昇降機能により、ハンド10上に載置された基板の高さ位置が調節される。こうして、ハンド10上の基板を適切な位置に搬送するようにしている。なお、回動支軸51の部分、および関節52の部分にそれぞれモータを設置する構成に替えて、回動支軸53の部分に別のモータを設置し、タイミングベルトおよびプーリを用いてアーム4およびハンド10に動力を伝達することにより、ハンド10を進退させる構成としてもよい。
次に、図2を用いて、ハンド10について説明する。
ハンド10は、第1アーム2の先端部2aに取り付けられ(図1)、片持ち梁状に支持されている。基板を搬送するためにロボット1を作動させると、ハンド10に振動が発生する。本実施例のハンド10は、ハンド10に発生する振動を能動的に抑制するためのアクティブ振動抑制機能を有する。ここで言う、ハンド10のアクティブ振動抑制機能は、ハンド10の振動をセンサ12で検出し、その情報から適切なコントローラを用いてアクチュエータを駆動することにより、ハンド10の振動抑制を図ろうとする機能である。
ハンド10は、フォーク状に形成されており、第1アーム2の先端部2aに取り付けられる基部10aから2本の延出部10b・10bが分岐して形成されている。ハンド10の上面は、水平に形成されて、基板の載置面、つまり、基板接触面となっている。一方、ハンド10の下面は基板非接触面となっている。
ハンド10の2本の延出部10b・10bのそれぞれの下面に、振動抑制用のアクチュエータとしての圧電素子(例えば、ピエゾセラミック)11・11が導電性接着剤等を用いて取り付けられて、基板の載置や搬送の邪魔にならないようにしている。圧電素子11は板状に形成されており、この圧電素子11の分極方向がハンド10への取付面に対して垂直な方向、この場合には上下方向となっている。
また、延出部10b・10bの先端部(つまりハンド10の先端部)10c・10cのそれぞれの下面に、振動検出用のセンサとしての加速度センサ12・12が取り付けられ、基板の載置や搬送の邪魔にならず振動が大きい部分に取り付けられている。
そして、ハンド10の制御装置としてのコントローラ20に、ハンド10下面に取り付けられた圧電素子(アクチュエータ)11と加速度センサ12と接続されている。
図3を用いて、ハンド10とコントローラ20の信号の入出力関係について説明する。コントローラ20からハンド10のアクチュエータ(圧電素子)11に操作入力(操作信号)uが入力されるとともに、ハンド10(加速度センサ12)からコントローラ20に観測出力(観測信号)yが入力される。また、ハンド10に対して、外乱入力wが入力され、制御出力zが出力される。
ここで、操作入力(操作信号)uは、コントローラ20の出力信号であり、同時にハンド10下面に取り付けられたアクチュエータ11の入力信号である。そして、アクチュエータ11を駆動させるだけの電力を有し、制御目的を達成できるようにコントローラ20で整形された波形の電気信号である。
観測出力(観測信号)yは、ハンド10の先端部10cに設けた加速度センサ12で検出される加速度の情報であり、電気信号である。そして、コントローラ20の入力信号である。
外乱入力wは、ロボット1からハンド10に伝わる外力であり、ハンド10の振動の原因となる外部からの物理的な力である。
制御出力(制御信号)zは、制御したい目的の値である。この制御目的の例として、制御出力zを「ハンド10の先端部10cの変位」に選び、「この制御出力zをできるだけ短い時間で0にする」等が挙げられる。なお、この制御信号zは、センサで検出できる値である必要はない。
次に、コントローラ20の設計について説明する。
コントローラ20の設計は、予め振動特性試験を行って、ハンド10の振動特性を同定することにより行う。本実施例のコントローラ20は、「ハンド10の振動」を抑えることを目的とするレギュレータ(調整器)であり、一般にレギュレーション(外乱等で乱されることなく、制御出力をある一定の値に保つ制御)を行うのに適切とされるフィードバックコントローラとして構成される(図4参照)。フィードバックコントローラとしてのコントローラ20は、ハンド10に設置された加速度センサ12からリアルタイムで振動情報(観測信号y)を取得し、アクチュエータ11への指令(操作信号u)を生成する。コントローラ20をフィードバックコントローラとして構成することにより、外乱入力wやハンド10の振動特性の同定に誤差が存在する場合であっても、一定の性能を保証するようなコントローラの設計が可能となる。
ハンド10の振動特性の同定は、次のようにして行われる。
ハンド10の振動特性試験を行う。これは、ロボット1に取り付けていない状態のハンド10に対して行う。ハンド10の基部10aを固定し、ハンド10を、例えばインパクトハンマーで叩くことにより先端部10cを振動させる。このとき、ハンド10に発生する振動を加速度センサ12で検出してハンド10の振動特性を調べる。
また、振動の原因となるロボット1の振動特性試験を行う。ロボット1のハンド10が取り付けられる第1アーム2の先端部2aに加速度センサを設置し、ロボット1を作動させる。このとき、第1アーム2の先端部2aに発生する振動を加速度センサで検出してロボット1の振動特性を調べる。
以上より、ハンド10の振動特性の同定を行って振動モデルを構築する。具体的には、このハンド10の振動特性とロボット1の振動特性とに基づいて、ハンド10の外乱入力wと制御出力zとの入出力モデル(振動モデル)を計算機上に構築する。このような振動特性の同定によるハンド10の振動モデルに基づいてコントローラ20を設計する。
図4を用いて、フィードバックコントローラとしてのコントローラ20の内部構成について説明する。
コントローラ20は、AD変換器(アナログ−デジタル変換器)21、デジタル演算器22、DA変換器(デジタル−アナログ変換器)23、ドライバ24等から構成される。また、コントローラ20には、コントローラ20に電力を供給する電源25が接続される。
加速度センサ12からの観測信号yは、AD変換器21に入力され、AD変換器21によりアナログ信号からデジタル信号に変換される。次に、変換されたデジタル信号がデジタル演算器22に入力すると、デジタル演算器22は、この信号に基づいてハンド10の振動を減衰するためのアクチュエータ11の駆動信号を生成する。デジタル演算器22で生成されたデジタルのアクチュエータ11の駆動信号は、DA変換器23に入力され、DA変換器23によりアナログ信号に変換される。そして、変換されたアナログ信号はドライバ24で電源25からの電力により増幅され、操作入力(操作信号)uとしてアクチュエータ11へ入力される。
なお、デジタル演算器22は、電気回路で構成され、一般的には、PID制御、最適レギュレータ、H∞制御等の制御理論に基づいて構成される。
図5のフローチャートを用いて、フィードバックコントローラ20によるハンド10の振動抑制の手順について説明する。
ハンド10を取り付けたロボット1が作動すると(ステップS1)、第1アーム2の先端部2aが振動し、ハンド基部10aからハンド10全体に振動が伝達する(ステップS2)。この振動がハンド10の外乱入力wとなる。
ハンド10の先端部10cの振動が加速度センサ12により加速度として検出され(ステップS3)、検出された加速度(振動)の情報が観測信号yとしてコントローラ20にリアルタイムで入力される。コントローラ20は、入力された観測信号yに基づいてアクチュエータ11の操作信号uを生成し(ステップS4)、アクチュエータ11へ出力する。そして、この操作信号uに応じてアクチュエータ11が駆動される(ステップS5)。アクチュエータ11は、ハンド10の振動を打ち消すような方向に駆動する。言い換えれば、アクチュエータである板状の圧電素子11が、凸状あるいは凹状に撓むように変形する。これにより、ハンド10の制御出力z(例えば、ハンド10の先端部10cの変位)が制御される。
次に、ハンド10の振動が治まったか否かの判定がなされ(ステップS6)、振動が治まった場合には、アクチュエータ11への操作信号uは0となり、この制御を終了する。一方、治まっていない場合には、ステップS3へ移行する。そして、ステップS6においてハンド10の振動が治まったと判定されるまで、ステップS3からステップS6の手順を繰り返す。この結果、ハンド10の振動が減衰される。
図5のフローチャートの中で、ループになっている「振動か治まったか否かの判定(ステップS6)」と「操作信号uの生成(ステップS4)」とは、コントローラ20が自動的に行うこととなるため、特に人間が指令を出す必要はない。つまり、コントローラ20、ハンド10からなるシステム(制振システム)に通電してロボット1を作動させれば、ロボット1の作動状態に関係なくハンド10の振動抑制効果を得ることができる。また、この制振システムは、それのみで完結しているため、図1に示すようなロボット1だけに限らず、様々なロボットに対して適用することができる。
以上のようなアクティブ振動抑制機能を有するハンド10によれば、基板サイズが大型化した場合であっても、ハンド10の振動を減衰させる力をアクチュエータ11でアクティブに発生させているので、パッシブな振動抑制のみによる場合よりも短い時間で減衰させることができる。また、基板搬送中の減衰も可能なので、ロボット1(ハンド10)動作終了後における振動収束時間短縮だけでなく、ロボット1(ハンド10)動作中における過渡振動特性の向上(例えば、最大振幅の低下)をも図ることができる。さらに、圧電素子11および加速度センサ12は軽量なので、同等の振動特性を有する従来のハンドと比べて軽量化を図ることができる。
しかも、ハンドアセンブリとして完結、つまり、他の部分と独立していること、およびハンド10の形状変化が少ないことにより、従来のハンドを使用しているロボットに対しても、わずかな変更を加えるだけで適用することができる。さらに、基板やシステム全体を変更する必要性は殆どなくなる。
以上に述べたアクティブ振動抑制機能を有するハンド10の2つの変形例を説明する。
第1の変形例では、前述した板状の圧電素子11をハンド10下面に取り付ける構成(図2)に替えて、図6、図7に示すように、積層型の圧電素子(例えば、ピエゾセラミック)31をハンド10の基部10aに取り付ける構成としている。
具体的には、ハンド10は、第1アーム2の先端部2aにフランジ33を用いて取り付けられ、片持ち梁状に支持されている。フランジ33は、上下に分割されて上フランジ33aと下フランジ33bとにより形成されており、上フランジ33aがハンド10の基部10aの下面に取り付けられている。アクチュエータとしての積層型圧電素子31・31は、上フランジ33aと下フランジ33bとの間に取り付けられ、左右(水平面内でハンド10の進退方向と直交する方向)に1つずつ配置されている。この積層型圧電素子31の分極方向は上下方向となっている。また、ハンド10の先端部10c・10cのそれぞれの下面に、振動検出センサとしての加速度センサ32・32が取り付けられている。そして、コントローラ20が、ハンド10下面に取り付けられた積層型圧電素子31と加速度センサ32と接続されている。
このような積層型の圧電素子31を取り付けた構成のハンド10によっても、前述した板状の圧電素子11を取り付けた構成のハンド10の場合と同様のアクティブ振動抑制機能を実現することができる。
第2の変形例では、前述した振動抑制用のアクチュエータとしての板状の圧電素子11と、振動検出用のセンサとしての加速度センサ12とをハンド10の下面に取り付ける構成(図2)に替えて、加速度センサ12を取り付けず、板状の圧電素子11のみをハンド10の下面に取り付ける構成としている。そして、この圧電素子11をアクチュエータとしてだけでなく、センサとしても利用する構成としている。
このようなアクチュエータとセンサとを兼ねる板状の圧電素子11を取り付けた構成のハンド10によっても、前述した板状の圧電素子11と加速度センサ12とを取り付けた構成のハンド10の場合と同様のアクティブ振動抑制機能を実現することができる。また、この場合には、加速度センサを別途設けていないため、部品点数を削減することができ、軽量化とともにコンパクト化を図ることができる。
次に、以上のような振動抑制機能を有するハンド10の別実施例について、図8、図9を用いて説明する。
この別実施例のハンド10´は、前述のハンド10と同様に、第1アーム2の先端部2aに取り付けられ、片持ち梁状に支持されている(図1参照)。ハンド10´は、ハンド10´に発生する振動を受動的に抑制するためのパッシブ振動抑制機能を有する。ここで言う、ハンド10´のパッシブ振動抑制機能は、圧電素子と電気回路とを用いてハンド10´の振動抑制を図ろうとする機能である。
ハンド10´は、ハンド10と同様の形状であり、フォーク状に形成されており、第1アーム2の先端部2aに取り付けられる基部10a´から2本の延出部10b´・10b´が分岐して形成されている。ハンド10´の上面は、水平に形成されて、基板の載置面、つまり、基板接触面となっている。一方、ハンド10´の下面は基板非接触面となっている。
ハンド10´の2本の延出部10b´・10b´のそれぞれの下面に、アクチュエータとしての圧電素子(例えば、ピエゾセラミック)41・41が導電性接着剤等を用いて取り付けられている。圧電素子41は板状に形成されており、この圧電素子41の分極方向がハンド10´への取付面に対して垂直な方向、この場合には上下方向となっている。つまり、圧電素子41の上面と下面とに、正負の両電極が形成されている。そして、この圧電素子41の両電極に電気抵抗42が接続されている。なお、ハンド10´の場合には、前述したハンド10についての場合とは異なり、加速度センサ12、コントローラ20、電源25等は不要となり、部品点数を削減することができ、軽量化とともにコンパクト化を図ることができる。
ハンド10´を取り付けたロボット1が作動すると、ハンド10´に振動が発生する。ハンド10´に発生した振動の振動エネルギーを、圧電素子41により電気エネルギーに変換して、さらに、この電気エネルギーを圧電素子41の両電極に接続される電気抵抗42により熱エネルギーに変換し、この熱エネルギーが散逸することによって、ハンド10´の減衰が大きくなり、ハンド10´の振動が抑制される。
以上のようなパッシブ振動抑制機能を有するハンド10´によれば、基板サイズが大型化した場合であっても、ロボット1の振動がハンド10´の基部10a´から先端部10c´へ伝わりにくくなるため、ロボット1(ハンド10´)動作中における過渡振動特性(例えば、最大振幅の低下)が向上する。また、ロボット1(ハンド10´)動作終了後におけるハンド10´の先端部10c´の残留振動をより速く減衰させることができる。さらに、圧電素子41は軽量なので、同等の振動特性を有する従来のハンドと比べて軽量化を図ることができる。
しかも、ハンドアセンブリとして完結、つまり、他の部分と独立していること、およびハンド10´の形状変化が少ないことにより、従来のハンドを使用しているロボットに対しても、わずかな変更を加えるだけで適用することができる。さらに、基板やシステム全体を変更する必要性は殆どなくなる。なお、電気抵抗42の抵抗値は、電気抵抗値と系の減衰との関係について定量的に解析できることが知られており、この解析結果を利用して決定する。
本発明を適用する搬送用ハンドをロボットに取り付けた一実施例を示す図。 圧電素子と加速度センサを取り付けた搬送用ハンドを示す底面図。 搬送用ハンドとコントローラの信号の入出力関係を示す図。 コントローラの内部構成を示す図。 フィードバックコントローラによる搬送用ハンドの振動抑制の手順を示す図。 アクチュエータとして積層型圧電素子を取り付けた搬送用ハンドを示す底面図。 同じく側面図。 パッシブ振動抑制機能を有する搬送用ハンドを示す底面図。 同じく側面図。
符号の説明
1 ロボット
4 アーム
10 搬送用ハンド
11 圧電素子
12 加速度センサ
20 コントローラ

Claims (3)

  1. ワークを搬送するための搬送用ロボットのアーム先端に配置される搬送用ハンドであって、
    振動抑制用のアクチュエータとしての圧電素子と、振動検出用のセンサとを取り付けたことを特徴とする搬送用ハンド。
  2. ワークを搬送するための搬送用ロボットのアーム先端に配置される搬送用ハンドであって、
    ワーク非接触面に圧電素子を取り付けたことを特徴とする搬送用ハンド。
  3. 請求項1または請求項2に記載の搬送用ハンドの制御装置であって、
    搬送用ハンドの振動情報をリアルタイムで取得し、該振動情報に基づいて前記圧電素子の操作信号を生成し、該操作信号を圧電素子へ出力することを特徴とする搬送用ハンドの制御装置。
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