JP2005103562A - 非鉛系接合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子部品の基板への実装及び接合に適した環境調和型材料として、鉛を含有せず、亜鉛の酸化を防止し、接合信頼性が高いハンダ接合材料を実現し、さらに、濡れ性の良好なハンダ材料を実現することを目的とする。
【解決手段】 本発明による非鉛系接合用粒子は、錫−亜鉛2元系もしくは錫−亜鉛−ビスマス3元系合金の添加成分としてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して得られるもので、酸化し易い亜鉛含有ハンダの特性を改善し良好な接合信頼性を確保できる特徴を有する。
本発明による非鉛系接合用粒子は、金属部材の接合粒子として表面実装に用いられるBGA、CSPなどのICパッケージのミクロな電気的な接続領域に応用可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属、合金、及び、導電性物質一般の接合に用いる鉛を含まない接合材料に関する
ある物体とその物体よりも融点が低い物質を用いた接合技術としてのハンダ付は古くから用いられており、その起源は古代メソポタミア文明に遡ることができるとも言われている。
電子機器の接合に使用されるハンダは、実装基板における半導体、マイクロプロセッサー、メモリー、抵抗などの電子部品と基板との接合をはじめとして幅広く用いられている。その長所としては部品を基板に固定するだけでなく、導電性を有する金属をハンダに含有させることにより有機系の接着剤と異なる電気的接合も兼ね備えている点にある。今日パーソナルコンピューター、携帯電話やポケットベルなどに代表されるパーソナル機器の急激な普及が進むにつれ、電子部品の実装技術におけるハンダ接合はますますその重要性が増している。
ところが、このような電子機器の普及は人々の生活を豊かにしている反面、技術革新によって古くなっていく機器が多量に廃棄されおり、そのリサイクル技術が強く求められている。また、環境汚染を未然に防ぐという観点から、事前に有害性の高い物質を用いない製造方法も提唱されており、ハンダ技術も例外ではない。現在最も多く使われているのは、錫と鉛を用いた共晶ハンダであり、銅板に対するぬれ性が他の金属混合物よりも優れているという特質を持つ。しかし、この共晶ハンダに含まれる鉛が、有害性を有していることから、廃棄された電子機器を埋め立て処分した場合、長年に渡り酸性雨などに晒されて鉛イオンの土壌中への溶出が懸念されている。溶出した金属イオンは食物連鎖によって生態系の中で濃縮されていくと、家畜や人間などに大きな被害をもたらすこともあるため、固定化する技術も提案されているが、土中への長期にわたる拡散については十分なデータが得られていない。また、近年水質汚濁の防止という視点から、法的な規制も強化される状況に至っている。
このような状況の中、鉛を含まない非鉛ハンダの開発は急務とされており、中でも錫−亜鉛系ハンダは、現行の錫−鉛ハンダの融点に近く電子部品の熱損傷を防げることから有望視されている。しかし、錫−亜鉛系ハンダは大気中でのぬれ広がりが十分に確保できないという指摘もあり、作業性を確保するために錫−亜鉛二元合金にビスマスを3%添加したハンダが開発されている(非特許文献1参照)。しかし、ビスマスの添加は電子機器のリサイクル性を低下させるだけでなく、その有害性についても不明な点があり、添加量については極力少なくすることが好ましい。
網田他、「高信頼性Sn−Zn系鉛フリーソルダーペースト」、Mate99、pp319、(1999)
本発明者らは、上記従来の非鉛系ハンダにおける課題を解決するために種々検討した結果、本発明を完成するに至ったもので、電子部品の基板への実装及び接合に適した環境調和型材料として、鉛を含有せず、亜鉛の酸化を防止し、接合信頼性が高いハンダ接合材料を実現することを目的としている。さらに、これに加えて、濡れ性の良好なハンダ材料を実現することを目的としている。
第1の発明は、錫、亜鉛及び第3成分としてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して得られる不可避な不純物以外の元素を含まない実質的に3元系の接合材料であって、錫と亜鉛の重量比が97:3〜88:12であり、錫及び亜鉛の合計とジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との重量比が99.6:0.4〜99.995:0.005であることを特徴とする非鉛系接合材料である。
第2の発明は、錫、亜鉛、ビスマス及び第4成分としてとしてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して得られる不可避な不純物以外の元素を含まない実質的に4元系の接合材料であって、錫と亜鉛の重量比が94:6〜88:12であり、錫及び亜鉛の合計と、ビスマスとジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との合計の重量比が96:4〜99:1であることを特徴とする非鉛系接合材料である。
本発明による錫−亜鉛、及び第3成分としてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して用いる実質的に3元系の非鉛系接合材料は、酸化し易い亜鉛含有ハンダの特性を改善し、良好な接合信頼性を確保できる接合材料を実現することができた。
また、錫−亜鉛−ビスマス及び第4成分としてとしてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して用いる実質的に4元系の非鉛系接合材料は、酸化し易い亜鉛含有ハンダの特性を改善し良好な接合信頼性を確保すると共に、融点の低下によるぬれ性の向上をもたらす接合材料を実現することができた。
[第1の実施の形態]
以下本発明の第1の実施の形態について説明する。
本実施の形態の接合材料は、錫−亜鉛、及び第3成分としてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して用いる実質的に3元系の接合材料である。この3元系の接合材料においては、不可避な不純物を除いては上記元素以外の元素を含まない。
本実施の形態の接合材料は、錫と亜鉛の重量比が97:3〜88:12であり、錫及び亜鉛の合計量と、ジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との重量比は、99.6:0.4〜99.995:0.005であることが必要である。
上記本実施の形態の接合材料において、錫と亜鉛の重量比が97:3〜88:12の範囲から外れると、この接合材料の溶融温度が上昇してしまうという問題がある。
本実施の形態において、添加元素としてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択するのは、これらの元素のわずかな添加量で、溶融温度をほとんど変化させず錫相への固溶があり、この固溶によってハンダ内に含まれている酸素の亜鉛への吸収を低下させるため、ハンダ付プロセスにおいて溶融ハンダのぬれ広がりが確保できることによる。また、接合部表層における大気中の酸素の亜鉛への吸着が添加元素の働きによって抑制できるため、酸素を含む雰囲気での酸化が懸念されていた錫−亜鉛系ハンダの耐湿性も改善される。
本実施の形態においては、錫及び亜鉛の合計量と、ジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との重量比は、99.6:0.4〜99.995:0.005であることが必要である。これは以下の理由による。
すなわち、近年、ICパッケージの多ピン化が進み、ICパッケージと外部との信号のやり取りもリードからハンダのボールを用いるものへと変化しており、代表的なパッケージとしては表面実装に用いられるBGAやCSPが挙げられる。また、環境調和型材料への転換、及び、高密度実装化が進むと接点としてのハンダでのボールの径も小さくすることと、鉛を含まない材料の使用か必須の課題となっているが、錫・銀・銅系のボールはその融点が現行の錫−鉛共晶ハンダよりも30℃以上上昇するため、接合時のリフロー温度の上昇は避けられない状況にある。
本発明に関わる錫と亜鉛からなる2元系合金の共晶点は199℃であり、現行の錫−鉛共晶ハンダに近く錫・銀・銅系のボールよりも実装工程にて有利に働く。このとき錫−亜鉛2元系合金に添加する第3成分としてジルコニウムもしくはモリブデンを用いることにより、亜鉛含有ハンダの特徴である酸化容易性を改善可能にする。微量のジルコニウムもしくはモリブデンは、錫の中に固溶することにより亜鉛に吸収されやすい酸素の移動を低下させ亜鉛の酸化が抑制される。このため、ぬれ性が不十分といわれた錫−亜鉛系ハンダにおいて接合面での適正なぬれ広がりが確保でき、接合信頼性が高まる。この場合、図1及び図3の網掛け部分に示す錫及び亜鉛の合計とジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との重量比が99.6:0.4〜99.995:0.005の範囲内にあると効果が期待でき、さらに99.7:0.3〜99.995:0.005の範囲内にあることが好ましい。
本実施の形態の非鉛系接合用粒子を製造するには、ハンダ溶融槽に、素材となる原料のインゴットを切断投入し、これを加熱し、溶解が始まると共に不活性ガスとしての窒素を、毎分20l以上の割合で溶融槽の上部に流し続け、その雰囲気酸素濃度を100ppm以下、好ましくは50ppm以下とする。そして、原料の溶解後、溶湯の温度をフィードバック制御により220〜260℃、好ましくは230〜250℃の範囲に維持する。次に、溶湯の一部を遠心噴霧法、アトマイズ法などにより液滴化し、常温以下の純度99.998%以上の不活性ガスで満たされた容器の中に噴出させ、凝結固化させることによって液滴を粒子として固形化することができる。この時、水分の混入は亜鉛を含む粒子表面の酸化を著しく増大させるため、ガスの温度を5℃以下とし、予め容器の表面に氷結あるいは凝結させておくことが好ましい。
以上の方法によって、本実施の形態による錫−亜鉛及び第3成分としてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して用いた実質的に3元系の非鉛系接合材料を製造することができる。
本実施の形態の接合材料は、非鉛系接合材料で有りながら、酸化し易い亜鉛含有ハンダの特性を改善し良好な接合信頼性を確保できるものである。
本実施形態の接合材料の応用分野としては、半導体分野で用いられるICパッケージやCPUの導電部の接合、パーソナルコンピューターに内蔵されるハードディスク、液晶パネルの電気回路の接合、ICカード、パーソナルコンピューターやプリンタの接続などに多用されているケープルコネクタ、通信用ケーブルに多用されている光コネクタなどの高密度化する部品の接点が挙げられる。
一方、基板への実装形態としては、片面表面実装、両面表面実装、両面表面実装リード付き部品搭載、片面表面実装リード付き部品搭載実装などが有る。また、実装部品としては、能動部品としてのICが代表例となり、そのパッケージ外形・形状としては、BGA、FC−BGA、CSP、PLC、MCM、OE−MCM、チップを重ねた高密度実装が挙げられる。
[第2の実施の形態]
以下、第2の本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の非鉛系接合材料は、錫−亜鉛−ビスマス及び第4成分としてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を選択して用いる実質的に4元系の接合材料である。この非鉛系接合材料においては、不可避不純物を除いて他の成分を含まない。
本実施の形態の非鉛系接合材料において、錫と亜鉛の重量比が94:6〜88:12であり、錫及び亜鉛の合計と、ビスマスとジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との合計の重量比が96:4〜99:1であることを特徴とする。
上記本実施の形態の接合材料において、錫と亜鉛の重量比が94:6〜88:12の範囲外であると、接合材料の溶融温度が上昇してしまうという問題が生じる。
本実施の形態においては、錫及び亜鉛の合計と、ビスマスとジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との合計の重量比が96:4〜99:1であることが必要である。その理由は以下の通りである。
すなわち、近年高密度実装における部品耐熱性の視点からさらなる溶融温度の低化が求められており、ビスマスを添加した錫−亜鉛−ビスマス3元系合金が知られている。ハンダ合金重量に対するビスマスの1重量比の添加は、溶融温度3℃の低下をもたらす(固相線)と言われ期待されているものの、ビスマスの過度な添加は脆さを顕在させる。そこで、錫−亜鉛−ビスマス及び第4成分としてとしてジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方を4元系の場合には、ビスマスによる溶融温度低下の効果をできり限り残しながら、亜鉛の酸化を抑制し接合信頼性を確保することが望まれる。この場合、図2及び図4の網掛け部分に示すように、錫と亜鉛の重量比が94:6〜88:12であり、錫及び亜鉛の合計と、ビスマスとジルコニウムもしくはモリブデンのいずれか一方との合計の重量比が96:4〜99:1範囲内にあると効果が期待でき、さらに97:3〜99:1の範囲内にあることが好ましい。また、接合材料の総量と、ジルコニウム若しくはモリブデンの含有量との比率は、第1の実施形態で述べたように、99.6:0.4〜99.995:0.005であることが望ましい。
さらに、低融点化を加味したビスマスを含有する系においては、ビスマスそのものが錫に固溶し、その添加量の増大はジルコニウムもしくはモリブデンの錫への固溶を阻む要因となりうることから、ビスマスを含まない系よりもジルコニウムもしくはモリブデンの添加量は少なめとし調整する。ここで得られる合金は、3元系と同様にハンダ付プロセスにおいて溶融ハンダのぬれ広がりが確保できること、また、接合部表層における大気中の酸素の亜鉛への吸着が添加元素の働きによって抑制できる利点がある。
この非鉛系接合材料は、酸化し易い亜鉛含有ハンダの特性を改善し良好な接合信頼性を確保すると共に融点の低下によるぬれ性の向上をもたらす材料を提供するものである。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
角型のハンダ溶融槽(内寸:350mm×350mm×1200mm)内に純度99.99%以上の錫のインゴットを切った物(サイズ:100mm×50mm×10mm以下)を91.0kg入れ、槽の外部を取り巻くヒーターによって加熱し、その全てを溶解させた。溶解が始まると共に窒素を溶融槽の上部に流し続け、その雰囲気酸素濃度を50ppm以下となるようにした。溶解後、溶湯の温度をフィードバック制御により250℃に保った。次に、純度99.99%以上のジルコニウムをペレット状に加工したもの(サイズ:直径10mm×長さ15mm以下)を0.3kg溶湯中に加え溶解させた。さらに、雰囲気酸素濃度を40ppmに保ったまま、純度99.99%以上の亜鉛のインゴットを切ったもの(サイズ:20mm×20mm×10mm以下)3.0kgを溶湯中に加えセラミック製の棒で撹拌しながら溶解させ、再び溶湯の温度をフィードバック制御により240℃に保った。
溶湯の一部をハンダ溶融槽の底面から高さ70mmの側面に取り付けられたバルブから槽の外部に導き、遠心噴霧法により液滴化し、5℃以下の純度99.998%以上の窒素ガスで満たされた箱の中に噴出させ凝結固化させた。固化した多数の粒子をロール選別機にかけ分級したところ、粒径760±20μmの粒子を10kg回収した。
次に、前記の回収した粒子の中から、10ヶの粒子を取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均4Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
さらに、前記の回収した粒子の中から、10ヶの別の粒子を取り出し清浄な角灰皿にのせ、温度30℃・相対湿度85%の恒温恒湿槽内に連続8時間入れた。その後恒温恒湿槽から取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均4Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
(実施例2〜8)(比較例1〜4)
粒子を作成するときの金属の重量比以外は、同一の条件として錫−亜鉛2元系にジルコニウムを添加して得られた粒子の特性を実施例1の結果を含めて表1に、比較例を表2に、添加量の範囲を図1にそれぞれ示す。図1中のP1〜P8が実施例1〜8の添加量に相当し、C1〜C4が比較例1〜4に相当する。なお、表中の強度判定は、従来の錫−鉛共晶ハンダによるシェア強度と同等以上のものをA、20%未満の低下が見られたものをB、20〜40%の低下が見られたものをCとしている。
Figure 2005103562
Figure 2005103562
(実施例9)
角型のハンダ溶融槽(内寸:350mm×350mm×1200mm)内に純度99.99%以上の錫のインゴットを切った物(サイズ:100mm×50mm×10mm以下)を90.7kg入れ、槽の外部を取り巻くヒーターによって加熱し、その全てを溶解させた。溶解が始まると共に窒素を溶融槽の上部に流し続け、その雰囲気酸素濃度を50ppm以下となるようにした。溶解後、溶湯の温度をフィードバック制御により250℃に保った。次に、純度99.99%以上のビスマス3.0kgと純度99.99%以上のモリブデン0.3kgをそれぞれペレット状に加工したもの(サイズ:直径10mm×長さ15mm以下)をこの順序で溶湯中に加え溶解させた。さらに、雰囲気酸素濃度を40ppmに保ったまま、純度99.99%以上の亜鉛のインゴットを切ったもの(サイズ:20mm×20mm×10mm以下)6.0kgを溶湯中に加えセラミック製の棒で撹拌しながら溶解させ、再び溶湯の温度をフィードバック制御により240℃に保った。
溶湯の一部をハンダ溶融槽の底面から高さ70mmの側面に取り付けられたバルブから槽の外部に導き、遠心噴霧法により液滴化し、5℃以下の純度99.998%以上の窒素ガスで満たされた箱の中に噴出させ凝結固化させた。固化した多数の粒子をロール選別機にかけ分級したところ、粒径760±20μmの粒子を8kg回収した。
次に、前記の回収した粒子の中から、10ヶの粒子を取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均5Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
さらに、前記の回収した粒子の中から、10ヶの別の粒子を取り出し清浄な角灰皿にのせ、温度30℃・相対湿度85%の恒温恒湿槽内に連続8時間入れた。その後恒温恒湿槽から取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベアースピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均4Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
(実施例9〜16)(比較例5〜8)
粒子を作成するときの金属の重量比以外は、同一の条件として錫−亜鉛−ビスマス3元系にジルコニウムを添加して得られた粒子の特性を実施例9の結果を含めて表3に、比較例を表4に、添加量の範囲を図2にそれぞれ示す。図2中のP9〜P16が実施例9〜16の添加量に相当し、C5〜C8が比較例5〜8に相当する。なお、表中の強度判定は、従来の錫−鉛共晶ハンダによるシェア強度と同等以上のものをA、20%未満の低下が見られたものをB、20〜40%の低下が見られたものをCとしている。
Figure 2005103562
Figure 2005103562
(実施例17)
角型のハンダ溶融槽(内寸:350mm×350mm×1200mm)内に純度99.99%以上の錫のインゴットを切った物(サイズ:100mm×50mm×10mm以下)を91.0kg入れ、槽の外部を取り巻くヒーターによって加熱し、その全てを溶解させた。溶解が始まると共に窒素を溶融槽の上部に流し続け、その雰囲気酸素濃度を50ppm以下となるようにした。溶解後、溶湯の温度をフィードバック制御により250℃に保った。次に、純度99.99%以上のモリブデンをペレット状に加工したもの(サイズ:直径10mm×長さ15mm以下)を0.3kg溶湯中に加え溶解させた。さらに、雰囲気酸素濃度を40ppmに保ったまま、純度99.99%以上の亜鉛のインゴットを切ったもの(サイズ:20mm×20mm×10mm以下)3.0kgを溶湯中に加えセラミック製の棒で撹拌しながら溶解させ、溶湯の温度をフィードバック制御により245℃に保った。
溶湯の一部をハンダ溶融槽の底面から高さ70mmの側面に取り付けられたバルブから槽の外部に導き、遠心噴霧法により液滴化し、5℃以下の純度99.998%以上の窒素ガスで満たされた箱の中に噴出させ凝結固化させた。固化した多数の粒子をロール選別機にかけ分級したところ、粒径760±20μmの粒子を10kg回収した。
次に、前記の回収した粒子の中から、10ヶの粒子を取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均4Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
さらに、前記の回収した粒子の中から、10ヶの別の粒子を取り出し清浄な角灰皿にのせ、温度30℃・相対湿度85%の恒温恒湿槽内に連続8時間入れた。その後恒温恒湿槽から取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均4Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
(実施例17〜24)(比較例9〜12)
粒子を作成するときの金属の重量比以外は、同一の条件として錫−亜鉛2元系にモリブデンを添加して得られた粒子の特性を実施例17の結果を含めて表5に、比較例を表6に、添加量の範囲を図3にそれぞれ示す。図3中のP17〜P24が実施例17〜24の添加量に相当し、C9〜C12が比較例9〜12に相当する。なお、表中の強度判定は、従来の錫−鉛共晶ハンダによるシェア強度と同等以上のものをA、20%未満の低下が見られたものをB、20〜40%の低下が見られたものをCとしている。
Figure 2005103562
Figure 2005103562
(実施例25)
角型のハンダ溶融槽(内寸:350mm×350mm×1200mm)内に純度99.99%以上の錫のインゴットを切った物(サイズ:100mm×50mm×10mm以下)を92.7kg入れ、槽の外部を取り巻くヒーターによって加熱し、その全てを溶解させた。溶解が始まると共に窒素を溶融槽の上部に流し続け、その雰囲気酸素濃度を50ppm以下となるようにした。溶解後、溶湯の温度をフィードバック制御により250℃に保った。次に、純度99.99%以上のビスマス1.0kgと純度99.99%以上のモリブデン0.3kgをそれぞれペレット状に加工したもの(サイズ:直径10mm×長さ15mm以下)をこの順序で溶湯中に加え溶解させた。さらに、雰囲気酸素濃度を40ppmに保ったまま、純度99.99%以上の亜鉛のインゴットを切ったもの(サイズ:20mm×20mm×10mm以下)6.0kgを溶湯中に加えセラミック製の棒で撹拌しながら溶解させ、再び溶湯の温度をフィードバック制御により240℃に保った。
溶湯の一部をハンダ溶融槽の底面から高さ70mmの側面に取り付けられたバルブから槽の外部に導き、遠心噴霧法により液滴化し、5℃以下の純度99.998%以上の窒素ガスで満たされた箱の中に噴出させ凝結固化させた。固化した多数の粒子をロール選別機にかけ分級したところ、粒径760±20μmの粒子を10kg回収した。
次に、前記の回収した粒子の中から、10ヶの粒子を取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均5Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
さらに、前記の回収した粒子の中から、10ヶの別の粒子を取り出し清浄な角灰皿にのせ、温度30℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽内に連続8時間入れた。その後恒温恒湿槽から取り出し、りん脱酸銅の板(サイズ:35mm×35mm×厚さ0.3mm)に一粒ずつ載せ、松脂25wt%をIPAに溶解させたものをスポイトで0.05mlずつ各粒子の上から滴下した。1分後に粒子を載せたこれらのりん脱酸銅の板をコンベア−スピード0.8m/min、ピーク温度220℃、大気下でリフロー加熱し、自然冷却した。冷却後銅板に接合した粒子のシェア強度を測定したところ、平均4Nであり、接合不良と見なされる値ではなかった。
(実施例25〜32)(比較例13〜16)
粒子を作成するときの金属の重量比以外は、同一の条件として錫−亜鉛−ビスマス3元系にモリブデンを添加して得られた粒子の特性を実施例25の結果を含めて表7に、比較例を表8に、添加量の範囲を図4にそれぞれ示す。図4中のP25〜P32が実施例25〜32の添加量に相当し、C25〜C32が比較例25〜32に相当する。なお、表中の強度判定は、従来の錫−鉛共晶ハンダによるシェア強度と同等以上のものをA、20%未満の低下が見られたものをB、20〜40%の低下が見られたものをCとしている。
Figure 2005103562
Figure 2005103562
上記表1ないし表8に示したように、本発明の実施例の接合材料を用いた場合、初期強度判定及び恒温恒湿試験後の強度判定のいずれにおいても、錫−鉛系と同等の結果を示したのに対して、比較例の接合材料は、恒温恒湿試験強度判定で、明らかに本発明のものより劣っていた。
また、3元系接合材料において、亜鉛の量が過剰である場合、初期強度判定においても本発明より劣っていた。さらに、4元系接合材料において、亜鉛の量が過剰である場合及びビスマスとジルコニウムあるいはモリブデンの合計量が過小であると、初期強度判定において本発明より劣っていた。
本発明のSn−Zn系にZrを添加した場合の組成図 本発明のSn−Zn−Bi系にZrを添加した場合の組成図 本発明のSn−Zn系にMoを添加した場合の組成図 本発明のSn−Zn−Bi系にMoを添加した場合の組成図

Claims (2)

  1. 錫と、亜鉛と、ジルコニウム及びモリブデンから選択される第3成分と、不可避な不純物元素からなる実質的に3元系の接合材料であって、
    錫と亜鉛の重量比が97:3〜88:12の範囲内にあり、錫及び亜鉛の合計量と前記第3成分との重量比が99.6:0.4〜99.995:0.005の範囲内にあることを特徴とする非鉛系接合材料。
  2. 錫、亜鉛と、ビスマスと、ジルコニウム及びモリブデンから選択される第4成分と、不可避的な不純物元素とからなる実質的に4元系の接合材料であって、
    錫と亜鉛の重量比が94:6〜88:12の範囲内にあり、錫及び亜鉛の合計と、ビスマス及び前記第4成分との合計の重量比が96:4〜99:1の範囲内にあることを特徴とする非鉛系接合材料。

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