JP2005103401A - 1,4−ジオキサン含有廃水の処理方法及び装置 - Google Patents

1,4−ジオキサン含有廃水の処理方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】50mg/L以上の高濃度で1,4-ジオキサンを含有する廃水であっても、促進酸化処理によって、0.1mg/L以下の低濃度まで分解することができる1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置10において、コントローラ16で導入弁22及び導出弁26の開閉を制御されているので、促進酸化処理槽12内の1,4-ジオキサン含有廃水に対してオゾン処理装置18及び紫外線照射装置20による促進酸化処理を回分処理で行うことができるので、廃水中に50mg/L以上の高濃度で含有される1,4-ジオキサンを0.1mg/L以下の低濃度まで分解することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、1,4-ジオキサンを含有する廃水に対して促進酸化処理する処理方法及び装置に関する。
1,4-ジオキサンは一般的に溶剤などとして使用されており、市販のポリオキシアルキルエーテルのような洗剤中にも含まれている。このため、1,4-ジオキサンを製造する工程からの廃水中や、あるいはポリエチレン系の製品を製造又は使用する工程からの廃水中に1,4-ジオキサンが含まれる。1,4-ジオキサンは水溶性を有する難分解物質であるため、下水処理場における生物処理や固液分離処理ではほとんど分解処理できず、水環境に対する汚染が指摘されている。
このような難分解性物質を分解除去する方法として、従来からオゾン酸化法、活性炭吸着法、凝集沈殿法などが多く用いられている。また、オゾン処理を主として、過酸化水素処理及び紫外線処理を併用する促進酸化法や、金属触媒下で過酸化水素水を添加してOHラジカルを形成させるフェントン酸化法なども採用されている。
しかし、1,4-ジオキサンはオゾン酸化法により若干の分解を行うことができるが、反応効率が悪いという欠点がある。また、1,4-ジオキサンは活性炭吸着性が悪いために、吸着による除去は難しい。さらに、1,4-ジオキサンは水溶性を有しているため、凝集沈殿で除去することができない。
一方、特許文献1〜3では、廃水中の1,4-ジオキサンを分解処理することができる促進酸化法を用いた処理方法が開示されている。また、フェントン酸化法でも、廃水中の1,4-ジオキサンを分解処理することが可能であるという報告がある。これらの分解処理は、1,4-ジオキサンを含有する廃水を促進酸化処理槽又はフェントン酸化処理槽に連続通水する1段のみの連続処理によって行われている。
特開2001−029966号公報 特開2001−121163号公報 特開2000−202466号公報
しかしながら、従来の1,4-ジオキサンの分解処理は、廃水中の1,4-ジオキサン濃度が1mg/L以下という低濃度での連続処理を想定しており、廃水中に1,4-ジオキサンが高濃度で存在する場合の処理については検討されていない。事実、特許文献1〜3は10ug/L以下の1,4-ジオキサンを含む廃水に対する処理方法であり、高濃度の1,4-ジオキサン処理を行う想定はなされていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、50mg/L以上の高濃度で1,4-ジオキサンを含有する廃水であっても、促進酸化処理によって、0.1mg/L以下の低濃度まで分解することができる1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者は、1,4-ジオキサンを50mg/L以上の極めて高濃度で含有する廃水の処理方法について検討した結果、オゾン処理と、過酸化水素処理又は紫外線処理のうち少なくとも1つ以上を併用して行う促進酸化法を用いた促進酸化処理が、分解効率性及び経済性の面から最適であることが分かった。更には、このような高濃度の廃水を促進酸化処理する際の分解特性を調べたところ、廃水中の1,4-ジオキサン濃度と処理時間との間には密接な関係があることが分かった。即ち、1,4-ジオキサン濃度が50mg/L以上、例えば200mg/Lの廃水を促進酸化処理する場合、廃水中の1,4-ジオキサン濃度が10mg/L以上、50mg/L未満の範囲までは分解時間に比例して低減するので、処理時間に対する1,4-ジオキサンの分解速度は速い。しかしながら、それ以降は濃度の対数に比例して低減するので、処理時間に対する1,4-ジオキサンの分解速度が急激に遅くなると共に、処理水中の1,4-ジオキサン濃度も十分に低くならない。
このことから、本発明者は、1,4-ジオキサンを50mg/L以上の極めて高濃度で含有する廃水の分解特性を踏まえて促進酸化処理のやり方を鋭意検討した結果、促進酸化法を回分処理で行うか、或いは促進酸化処理を複数段に分けて行うと共に、複数段のうちの1段目の1,4-ジオキサン濃度が10mg/L以上、50mg/L未満の範囲まで低減したら次段目に移行させることで、1,4-ジオキサンを極めて低濃度まで分解除去できることが分かった。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法において、前記廃水中に前記1,4-ジオキサンが50mg/L以上の高濃度で含有される場合には、前記促進酸化処理を回分処理で行うことを特徴とする。これにより、50mg/L以上の高濃度で1,4-ジオキサンを含有する廃水であっても、促進酸化処理によって、0.1mg/L以下の低濃度まで分解することができる。
本発明の請求項2は前記目的を達成するために、廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法において、前記廃水中に前記1,4-ジオキサンが50mg/L以上の高濃度で含有される場合には、前記促進酸化処理を複数段に分けて行うと共に、前記複数段のうちの1段目の1,4-ジオキサン濃度が10mg/L以上、50mg/L未満の範囲まで低減したら次段目に移行させることを特徴とする。これにより、50mg/L以上の高濃度で1,4-ジオキサンを含有する廃水であっても、促進酸化処理によって0.1mg/L以下の低濃度まで分解することができる。
請求項3は請求項2において、前記次段目における促進酸化処理を回分処理で行うことを特徴とする。1段目を連続処理で促進酸化処理し、2段目を回分処理で促進酸化処理することで、処理時間の短縮も可能だからである。
本発明の請求項4は前記目的を達成するために、廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置において、前記1,4-ジオキサン含有廃水を回分処理で促進酸化処理する回分式の促進酸化処理槽を設けたことを特徴とする。これは請求項1の回分処理を装置として構成したものである。
本発明の請求項5は前記目的を達成するために、廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置において、前記1,4-ジオキサン含有廃水を連続処理で促進酸化処理する連続式の促進酸化処理槽と、前記連続式の促進酸化処理槽で処理された1次処理水を回分処理で促進酸化処理する回分式の促進酸化処理槽と、前記連続式の促進酸化処理槽と前記回分式の促進酸化処理槽との間に設けられた貯留槽と、を備えたことを特徴とする。
請求項5は、1,4-ジオキサン含有廃水を先ず連続式の促進酸化処理槽で促進酸化処理を連続処理で行い、この1次処理水を回分式の促進酸化処理槽で促進酸化処理を回分処理で行うようにしたものである。
本発明の請求項6は前記目的を達成するために、廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置において、1,4-ジオキサン含有廃水を連続処理で促進酸化処理する連続式の促進酸化処理槽を複数段設けたことを特徴とする。
請求項6は、連続式の促進酸化処理槽を複数段設け、1,4-ジオキサン含有廃水に対する連続処理を複数の槽に分けて行うようにしたものである。
以上説明したように本発明に係る1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法及び装置によれば、50mg/L以上の高濃度で1,4-ジオキサンを含有する廃水であっても、促進酸化処理によって、0.1mg/L以下の低濃度まで分解することができる。
以下添付図面に従って本発明に係る1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法及び装置における好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置10の概略構成図であり、促進酸化法を回分処理で行う促進酸化処理槽を設けた一例である。なお、図中の黒色矢印は水の流れる方向を示しており 黒色点線矢印はオゾンの流れる方向を示している。
図1に示すように、1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置10は、主に促進酸化処理槽12、水位センサ14A、14B、コントローラ16で構成され、促進酸化処理槽12にはオゾン処理装置18及び紫外線照射装置20が搭載される。
促進酸化処理槽12の下部には導入弁22及びポンプ23を有する導入管24が接続され、促進酸化処理槽12の上方側面には導出弁26を有する導出管28が接続され、導入弁22、ポンプ23、及び導出弁26の開閉や駆動はコントローラ16によって制御される。また、促進酸化処理槽12内には上限水位センサ14Aと下限水位センサ14Bが設けられ、促進酸化処理槽12内の水位を測定してコントローラ16へ送信する。コントローラ16は、受信した各水位センサ14A,14Bの測定値を基にして、導入弁22、ポンプ23、及び導出弁26の開閉及び駆動を制御することにより、所定量の1,4-ジオキサン含有廃水(以下、廃水と記す)が促進酸化処理槽12内に貯留される。
オゾン処理装置18は、オゾン発生器30及びオゾンガス注入管32で構成される。オゾン発生器30は促進酸化処理槽12の近傍に設けられ、オゾンガスを発生させる。発生したオゾンガスは、オゾンガス注入管32を通過して促進酸化処理槽12の底部に設置された散気管34により廃水中へ散気されて注入される。廃水中へ注入されたオゾンガスは、促進酸化処理槽12の上部に設けられた排気管36から排気される。なお、オゾン処理装置18では、廃水中で20〜120mg/Lになるオゾンガス量が注入される。
紫外線照射装置20は促進酸化処理槽12の中心で直立した状態に設けられ、促進酸化処理槽12内の廃水に対して紫外線が照射される。
次に、上記した本発明の第1の実施の形態である1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置10の作用について説明する。
コントローラ16は、導入弁22が開くと共にポンプ23を駆動して1,4-ジオキサン含有廃水を促進酸化処理槽12に導入し、上限水位センサ14Aのところまで水位が上がったら、ポンプ23を停止すると共に導入弁22を閉じる。これにより、促進酸化処理槽12には所定量の廃水が貯留される。次に、促進酸化処理槽12では、オゾン処理装置18により底部からオゾンガスが曝気されると共に、紫外線照射装置20から紫外線が照射される。これにより、廃水はオゾン処理と紫外線処理とを併用した促進酸化処理が回分処理によって行われ、その強力な酸化分解によって廃水中の1,4-ジオキサンが分解処理される。最初のバッチの廃水の促進酸化処理が終わったら、コントローラ16で導出弁26を開き、処理水を導出管28から排出する。このとき、下限水位センサ14B以下に水位がなったら、コントローラ16は導出弁26を閉じる。この一連の操作を繰り返し行うことにより、1,4-ジオキサンを50mg/Lの高濃度で含有する廃水を回分処理で促進酸化処理することができる。
ここで、1,4-ジオキサン濃度が50mg/L以上の極めて高濃度の廃水を促進酸化処理で分解する際の分解特性について説明する。
図2は、促進酸化処理槽12に1,4-ジオキサン濃度が200mg/Lの廃水を連続処理で促進酸化処理する場合の、1,4-ジオキサン濃度と処理時間との関係を示したものであり、横軸は処理時間を示し、縦軸は廃水中の1,4-ジオキサン濃度を示した。
図2に示すように、1,4-ジオキサンの初期濃度が約200mg/Lの廃水は、1,4-ジオキサン濃度が約20mg/L程度までは分解速度が速く60分以内で急速に低減したが、それ以降は急激に分解速度が低下して、1,4-ジオキサン濃度が約20mg/Lから0.5mg/Lにするまでに80分も要した。その後、継続して廃水を連続処理で促進酸化処理を行ったが、処理水の1,4-ジオキサン濃度は0.5mg/L以下にはならなかった。
図3の(A)、(B)は、1,4-ジオキサン濃度と処理時間との関係を別の角度から考察したもので、図3(A)は処理時間60分までの1,4-ジオキサン濃度を表示したもので、図3(B)は処理時間60分〜140分までの1,4-ジオキサン濃度を対数表示したものである。
図3(A)から分かるように、1,4-ジオキサンの初期濃度が約150mg/Lの廃水は、濃度が10mg/L以上、50mg/L未満の範囲までは、処理時間に比例して低減するので分解速度は速いが、それ以降は、図3(B)から分かるように、濃度の対数に比例して低減するので、処理時間に対する1,4-ジオキサンの分解速度が急激に遅くなる。そして、図2から、処理時間に対する1,4-ジオキサンの分解速度が急激に遅くなる1,4-ジオキサン濃度の変曲点は、10mg/L以上、50mg/L未満の範囲にあることが分かった。
このことは、1,4-ジオキサンを50mg/L以上の高濃度で含有される廃水の場合には、促進酸化法での分解速度の点から見ると、1,4-ジオキサンの濃度が10mg/L以上、50mg/L未満の範囲が分解速度が急激に遅くなるターニング領域があることを意味する。このことから、図3(B)の濃度の対数に比例して低減する領域での1,4-ジオキサンの促進酸化処理は、促進酸化処理槽12に廃水を連続通水(連続処理)する1段のみの連続処理では、処理水の1,4-ジオキサン濃度を十分に低減できない。例えば、1,4-ジオキサンの初期濃度が200mg/L濃度の廃水を0.1mg/L以下の濃度まで分解したい場合、200mg/L濃度から約20mg/Lまで減少させる間は、処理時間に比例して1,4-ジオキサン濃度が低減するので、この間は連続処理で促進酸化処理しても、回分処理で促進酸化処理しても問題ない。しかし、20mg/L以降は濃度の対数に比例して低減するので、一段のみの連続処理では促進酸化処理が促進されず、処理水の1,4-ジオキサン濃度は0.5mg/Lが限度である。この理由は、1,4-ジオキサンが高濃度な廃水の場合、連続通水によって処理槽内に常に高濃度な廃水が供給されているため分解が間に合わないこと、更にはオゾンと紫外線を用いた促進酸化法では、促進酸化処理槽12内が曝気されるオゾンで攪拌されるため、連続処理で促進酸化処理を行うと廃水原水の一部がショートパスしてしまうので、十分な1,4-ジオキサンの分解がなされないまま処理水として排出されてしまうことに起因しているものと考察される。従って、連続処理で供給される廃水原水と、促進酸化処理槽12で処理された処理水の1,4-ジオキサン濃度との差が大きい場合には、一段のみの連続処理で十分な促進酸化処理を達成することは極めて困難である。
しかし、1,4-ジオキサンの濃度が50mg/L以上の高濃度な廃水であっても、促進酸化法で処理した後の処理水中の1,4-ジオキサン濃度は、水環境への汚染を考慮すると0.1mg/L以下にすることが望ましい。
そこで、本発明の第1の実施の形態では、図1で説明した回分式の促進酸化処理槽12を設けた1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置10を用い、廃水中に1,4-ジオキサンが50mg/L以上の高濃度で含有される場合には、促進酸化処理を回分処理で行うようにした。これにより、ターニング領域である1,4-ジオキサン濃度が10mg/L以上、50mg/L未満になっても、1,4-ジオキサンの高濃度な廃水原水が促進酸化処理槽12内に流入することがないので、0.1mg/L以下の低濃度まで1,4-ジオキサンを分解することができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態である処理装置40の概略構成図であり、2槽の促進酸化処理槽との間に貯留槽を設けた例である。なお、第1の実施の形態と同じ部材及び装置には同符合を付して説明するとともに、説明は省略する。以下、第3の実施の形態の説明も同様である。
図4に示すように、処理装置40は、上流から順に第1の促進酸化処理槽42と、貯留槽44と、第2の促進酸化処理槽46と、で構成される。
第1の促進酸化処理槽42は、図1で示した促進酸化処理槽12とほぼ同様の装置構成であるが、導入管24から流入した廃水に対して連続通水(連続処理)による促進酸化処理が行われる。第1の促進酸化処理槽42で処理された廃水は、1次処理水として1次処理水管48を介して貯留槽44へ送水される。貯留槽44では1次処理水を一時的に貯留し、貯留された1次処理水は送水管50を介して第2の促進酸化処理槽46へ送水される。
第2の促進酸化処理槽46は、図1で示した回分式の促進酸化処理槽12と同様の装置構成であり、水位センサ14A,14Bに基づいてコントローラ16で注入弁52及び導出弁26の開閉を制御することにより、回分処理による促進酸化処理が行われる。
1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置40では、第1の促進酸化処理槽42で1,4-ジオキサンを高濃度で含有される廃水が供給されるが、高濃度下では1,4-ジオキサンを促進酸化処理により比較的速い速度で分解除去されるので、連続通水した状態でもターニング領域である10mg/L以上、50mg/L未満までは短時間で1次処理水を得ることができる。続いて、第2の促進酸化処理槽46で1次処理水を回分処理によって分解処理を行うため、0.1mg/L以下の低濃度まで分解処理することができる。
また、第1の促進酸化処理槽42は連続通水した状態で処理を行うため、回分式の第2の促進酸化処理槽46よりも処理する水量が多いが、第1の促進酸化処理槽42と第2の促進酸化処理槽46との間に貯留槽44を設け、この貯留槽44で水量調整を行うことで対応することができる。
なお、貯留槽44で1次処理水を貯留して水量を調整したが、第1の促進酸化処理槽42の下流に回分式の第2の促進酸化処理槽46を複数設けて、第1の促進酸化処理槽42から各槽に分配してもよい。これにより、廃水中に50mg/L以上の高濃度で含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理によって分解除去する際に低濃度まで分解除去でき、しかも分解処理時間を短縮することができる。
図5は、本発明の第3の実施の形態である処理装置60の概略構成図であり、連続処理を行う促進酸化処理槽を2段設けた例である。
図5に示すように、処理装置60は、第1の促進酸化処理槽62を上流側に設け、第2の促進酸化処理槽64と送水管50で連結した状態で設置される。
第1の促進酸化処理槽62の内部上方にはサンプル管65が設置され、槽内の廃水を採集してジオキサン測定装置66へ送水する。ジオキサン測定装置66は第1の促進酸化処理槽62の周辺に設けられ、内蔵する分析計(図示せず)で採集された廃水中の1,4-ジオキサン濃度を測定し、その測定値がコントローラ16へ送信する。コントローラ16は、ジオキサン測定装置66の測定値を基にして、ポンプ23の駆動を制御する。なお、廃水原水の1,4-ジオキサン濃度がある程度予想できる場合には、処理条件から1,4-ジオキサン濃度を想定することが可能であるため、コントローラ16、サンプル管65、及びジオキサン測定装置66を設けずに、処理条件に合わせてポンプ23を駆動させればよい。
このように構成された第3の実施の形態である処理装置60によれば、廃水が先ず第1の促進酸化処理槽62で連続処理による促進酸化処理が行われることにより、1次処理水が得られる。この場合、1次処理水の1,4-ジオキサン濃度がターニング領域である10mg/L以上、50mg/L未満の範囲になるように第1の促進酸化処理槽62の滞留時間をコントローラ16で調整する。1次処理水は送水管50を介して第2の促進酸化処理槽64へ連続通水(連続処理)による2段目の促進酸化処理がなされる。これにより、分解速度のターニング領域である10mg/L以上、50mg/L未満の所定値を境として、第1の促進酸化処理槽62と、第2の促進酸化処理槽64とで確実に分離して促進酸化処理されるので、連続処理による促進酸化処理であっても低濃度まで1,4-ジオキサンを分解することができる。
なお、上述した1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置10,40,60において、各部材及び装置の個数、形状、材質などは特に限定するものではない。また、本発明では、促進酸化処理としてオゾン処理と紫外線処理とを併用した例で説明したが、特に限定するものではない。オゾン処理と、紫外線処理又は過酸化水素処理のうちどれか1つを併用した促進酸化法を用いていればよい。
(実施例1)
実施例1では、図1に示した処理装置10を用いて、滞留時間が140分になるように、1段の促進酸化処理槽12で廃水を回分処理で促進酸化処理を行うことにより、廃水中に含有される1,4-ジオキサンの分解処理を行った。供試廃水としては、1,4-ジオキサン濃度が200mg/Lであるものを使用した。オゾン注入濃度は20mg/Lとし、注入速度は4mg- O3 /L/minとした。紫外線照射はランプ出力40Wで行った。その結果、処理水中の1,4-ジオキサン濃度を0.02mg/Lの極めて低濃度まで低減させることができた。
(比較例)
比較例では、図1に示した処理装置10において、滞留時間が140分になるように、1段の促進酸化処理槽12で廃水を連続処理で促進酸化処理することにより、廃水中に含有される1,4-ジオキサンの分解処理を行った。その他の条件は、実施例1と同様である。その結果、処理水中の1,4-ジオキサン濃度は0.5mg/Lとなり、0.1mg/L以下まで低減することはできなかった。
(実施例2)
実施例2では、図4に示した第1の促進酸化処理槽42、貯留槽44、及び第2の促進酸化処理槽46からなる1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置40を用いて、廃水を連続処理で促進酸化処理する方法と、回分処理で促進酸化処理する方法とを組み合わせることにより、廃水中に含有される1,4-ジオキサンを分解処理を行ったものである。第1の促進酸化処理槽42では滞留時間が60分になるように連続処理で促進酸化処理を行い、その処理水を第2の促進酸化処理槽で80分間回分処理で促進酸化処理を行った。その他の条件は、実施例1と同様である。その結果、合計で140分処理を行ったところ、処理水中の1,4-ジオキサン濃度を0.03mg/Lの極めて低濃度まで低減させることができた。
(実施例3)
実施例3は、図4に示した1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置60を用いて、廃水を連続処理で促進酸化処理する方法を2段で行うことにより、廃水中に含有される1,4-ジオキサンの分解処理を行った。第1の促進酸化処理槽62では滞留時間が60分になるようにして促進酸化処理し、その処理水を第2の促進酸化処理槽64では滞留時間が80分になるようにして促進酸化処理した。その他の条件は、実施例1と同様である。その結果、合計で140分処理を行ったところ、処理水中の1,4-ジオキサン濃度を0.05mg/Lの低濃度まで低下させることができた。
本発明の第1の実施の形態である1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置の概略構成図 1,4-ジオキサン濃度と処理時間との関係を示したグラフ 1,4-ジオキサン濃度と処理時間との関係を別の方法で示したグラフ 本発明の第2の実施の形態である1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置の概略構成図 本発明の第3の実施の形態である1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置の概略構成図
符号の説明
10,40, 60…1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置(処理装置)、12…促進酸化処理槽、14A…上限水位センサ、14B…下限水位センサ、16…コントローラ、18…オゾン処理装置、20…紫外線照射装置、22…導入弁、23…ポンプ、24…導入管、26…導出弁、28…導出管、30…オゾン発生器、32…オゾンガス注入管、34…散気管、36…排気管、42…第1の促進酸化処理槽、44…貯留槽、46…第2の促進酸化処理槽、48…1次処理水管、50…送水管、52…注入弁、62…第1の促進酸化処理槽、64…第2の促進酸化処理槽、65…サンプル管、66…ジオキサン測定装置

Claims (6)

  1. 廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法において、
    前記廃水中に前記1,4-ジオキサンが50mg/L以上の高濃度で含有される場合には、前記促進酸化処理を回分処理で行うことを特徴とする1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法。
  2. 廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法において、
    前記廃水中に前記1,4-ジオキサンが50mg/L以上の高濃度で含有される場合には、前記促進酸化処理を複数段に分けて行うと共に、前記複数段のうちの1段目の1,4-ジオキサン濃度が10mg/L以上、50mg/L未満の範囲まで低減したら次段目に移行させることを特徴とする1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法。
  3. 前記次段目における促進酸化処理を回分処理で行うことを特徴とする請求項2の1,4-ジオキサン含有廃水の処理方法。
  4. 廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置において、
    前記1,4-ジオキサン含有廃水を回分処理で促進酸化処理する回分式の促進酸化処理槽を設けたことを特徴とする1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置。
  5. 廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置において、
    前記1,4-ジオキサン含有廃水を連続処理で促進酸化処理する連続式の促進酸化処理槽と、
    前記連続式の促進酸化処理槽で処理された1次処理水を回分処理で促進酸化処理する回分式の促進酸化処理槽と、
    前記連続式の促進酸化処理槽と前記回分式の促進酸化処理槽との間に設けられた貯留槽と、を備えたことを特徴とする1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置。
  6. 廃水中に含有される1,4-ジオキサンを促進酸化処理法を用いて分解除去する1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置において、
    1,4-ジオキサン含有廃水を連続処理で促進酸化処理する連続式の促進酸化処理槽を複数段設けたことを特徴とする1,4-ジオキサン含有廃水の処理装置。

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