JP2005103359A - 遠心分離システム - Google Patents

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Mamoru Kokubo
護 小久保
Koji Ueda
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Abstract

【課題】 無菌状態のアイソレータ内で処理された試料を、アイソレータ外部に設けられた遠心分離機で無菌状態を維持したまま遠心分離するのは、煩雑であった。
【解決手段】 それぞれ独立して無菌状態が維持されるアイソレータ1と密封容器3と、この密封容器内に着脱自在に収容可能な試料管5と、この試料管内に収容した試料を遠心分離する遠心分離機3とを備えている。上記密封容器2の口部2cは、上記アイソレータ1に着脱自在に連結することができるとともに、無菌状態を維持したままアイソレータと相互に連通可能となっている。この状態では、アイソレータ1と密封容器2との間で無菌状態を保ったまま試料管5を移送することができる。さらに、上記密封用器は遠心分離機3に着脱自在に取付け可能となっており、該遠心分離機により密封用器内に収容した試料管内の試料を無菌状態で遠心分離させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は遠心分離システムに関し、より詳しくは、無菌状態を維持したまま試料管内の試料を遠心分離させることができる遠心分離システムを提供するものである。
従来、無菌状態を維持したまま試料管内の試料を遠心分離するために、上記試料管を無菌状態が維持される密封容器内に着脱自在に収容し、この試料管を収容した密封容器を遠心分離機に取付けることによって上記試料管内に収容した試料を遠心分離していた(特許文献1)。
また従来、無菌状態が維持される密封容器を、無菌状態が維持されるアイソレータに着脱自在に連結して無菌状態で相互に連通可能とし、無菌状態を維持したまま、製品を密封容器とアイソレータとの間で搬送可能としたものも知られている(特許文献2)。
実用新案登録第2556011号公報 特開平6−193323号公報
無菌状態が維持されたアイソレータ内で処理された血液や細胞等の試料を遠心分離する際には、上記試料を試料管内に収容し、該試料管を上記特許文献1に開示されている密封容器内に収容すればよいが、その収容作業が煩雑であった。
すなわち、上記密封用器内に試料管を収容するには、先ずアイソレータとこれに隣接されて設けられたアイソレータの作業室との連通を遮断し、この状態で作業室内に上記密封容器をその開閉蓋を開いた状態で収容する。次に、作業室内と密封容器の内外を過酸化水素水などで滅菌し、それにより作業室内が無菌状態となったら該作業室とアイソレータとを連通させる。
この状態において、グローブによる手作業によって、又はマニピュレータによる自動作業によって上記密封容器内に試料管が収容されたら、開閉蓋を閉じて密封用器内に試料管を密封する。この状態となったら、アイソレータと作業室との連通を遮断して密封容器を作業室から取り出し、該密封容器を遠心分離機に取付ければ、該遠心分離機によって上記試料管内に収容した試料を遠心分離することができる。
このように、アイソレータ内の試料管を密封容器に収容して遠心分離機に取付けるまでに多くの工程を必要とし、また遠心分離が終了した試料管をアイソレータ内に戻すのにも同様に多くの工程を必要とするので、その作業が煩雑となっていた。
このような課題を解決するために、本発明は、それぞれ独立して無菌状態が維持されるアイソレータと密封容器と、この密封容器内に着脱自在に収容可能な試料管と、この試料管内に収容した試料を遠心分離する遠心分離機とを備え、
上記密封容器の口部を上記アイソレータに着脱自在に連結することにより無菌状態で両者を相互に連通可能とし、さらに上記密封用器を上記遠心分離機に着脱自在に取付け可能として、該遠心分離機により密封用器内に収容した試料管内の試料を遠心分離させることを特徴とする遠心分離システムを提供するものである。
上記構成によれば、無菌状態が維持される密封容器の口部は、上記アイソレータに着脱自在に連結されて無菌状態で相互に連通可能となっているので、この状態において、アイソレータ内の試料管を密封容器内に収容することができる。そして密封容器内に試料管を収容したら、無菌状態を維持して該密封容器をアイソレータから離脱させ、次に該密封容器を遠心分離機に取付ければ、該遠心分離機により密封用器内に収容した試料管内の試料を無菌状態で遠心分離させることができる。
このように本発明においては、無菌状態が維持されるアイソレータと、無菌状態が維持される密封容器とを、無菌状態で相互に連通可能とし、かつ上記密封容器を遠心分離機に着脱自在に取付け可能としているので、従来に比較してアイソレータ内の試料管を容易に密封容器に収容して遠心分離機に取付けことができるという作用効果を得ることができる。
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、1は内部が無菌状態に維持されるアイソレータ、2は内部が無菌状態に維持される密封容器である。これらアイソレータ1と密封容器2とはそれぞれ独立して無菌状態に維持されるようになっているが、上記密封容器2をアイソレータ1に着脱自在に連結することにより、無菌状態を維持したまま両者を相互に連通することができるようになっている。
すなわち、上記アイソレータ1はその底壁に枠1aによって囲まれた開口部1bを備えており、この枠1aには開閉扉1cが開閉可能に設けられている。開閉扉1cを開くことによってアイソレータ1を外部に開放し、閉じることによってアイソレータ1を外部から密封してその内部を無菌状態に維持できるようになっている。
他方、上記密封容器2は着脱自在な開閉蓋2aを備えており、この開閉蓋2aは密封容器2の開口部2bの周囲を区画する口部2cに図示しない第1バヨネットを介して着脱されるようになっている。上記開閉蓋2aを口部2cから取り外すことによって密封容器2を外部に開放し、口部2cに取付けることによって密封容器2を外部から密封してその内部を無菌状態に維持できるようになっている。
さらに、上記密封容器2の口部2cは図示しない第2バヨネットによってアイソレータ1の枠1aに着脱されるようになっており、それによって上記密封容器2をアイソレータ1に着脱自在に連結することができるようになっている。
またこれと同時に、密封容器2をアイソレータ1に連結した際には、密封容器2の開閉蓋2aは図示しない第3バヨネットによってアイソレータ1の開閉扉1cに連結されるようになっており、この状態で上記アイソレータ1の開閉扉1cを図示しないグローブ又はマニピュレータによって開放させることにより、該開閉扉1cに連結された開閉蓋2aも開閉扉1cと一体に開放作動させることができるようになっている。
この際、開閉扉1cの外気に曝されていた部分と、開閉蓋2aの外気に曝されていた部分とは互いに重合して相互にシールされるようになっており、それによってアイソレータ1の内部と密封容器2の内部とは無菌状態を維持したまま相互に連通されるようになる。
このような機構は、上記特許文献2に詳細に記載されているので、ここではこれ以上の詳細な説明は省略する。
上記密封容器2は、本実施例では、図2、図3に示すように遠心分離機3の駆動機構4を構成する回転軸4aによって回転駆動されるロータを構成している。このロータすなわち密封容器2は、全体として円筒形状に形成されてその軸部に上記回転軸4aが挿入される有底の軸孔2dを備え、この軸孔2d内に、上記回転軸4aに設けた係合部4bに着脱自在に係合して回転軸4aの回転を密封容器2に伝達する係合部2eを形成してある。
さらに上記密封容器2内には複数の収容孔2fを傾斜させて設けてあり、各収容孔2f内にそれぞれ試料管5を着脱自在に収容させることができるようにしてある。このとき、各試料管5は上方が中央側となるように傾かせて各収容孔2f内にそれぞれ収容させることができるようにしてある。
なお、大気に曝される上記有底の軸孔2dは、密封容器2内に連通していないことは勿論である。
以上の構成において、無菌状態が維持されたアイソレータ1内で血液や細胞等の試料が処理される際には、上記開閉扉1cは閉じられてアイソレータ1内は外部から密封されている。他方、密封容器2はアイソレータ1から離脱されており、かつ開閉蓋2aにより密封されて内部が無菌状態に維持されている。
この状態において、試料管5内の試料を遠心分離する際には、先ず密封容器2の口部2cを図示しない第2バヨネットを介してアイソレータ1の枠1aに連結して該密封容器2をアイソレータ1に取付けると同時に、密封容器2の開閉蓋2aを第3バヨネットを介してアイソレータ1の開閉扉1cに連結させる。そして第1バヨネットによる密封容器2の開閉蓋2aと口部2cとの連結を解除させながら開閉扉1cを開閉蓋2aとともに一体的に開放させれば、アイソレータ1の内部と密封容器2の内部とが無菌状態を維持したまま相互に連通されるようになる。
この状態となったら、アイソレータ1内の試料管5を密封容器2内の収容孔2fに収容し、次に上記開閉扉1cを開閉蓋2aとともに一体に閉じさせる。これにより、開閉扉1cはアイソレータ1を密封し、また開閉蓋2aは密封容器2を密封するので、この後、アイソレータ1から密封容器2を離脱させればよい。
このようにして試料管5を収容した密封容器2をアイソレータ1から離脱させたら、該密封容器2を遠心分離機3に組み込んで密封容器2の軸孔2d内の係合部2eを回転軸4aの係合部4bに係合させればよい。これによって、遠心分離機3により密封容器2を回転させて、試料管5内の試料に遠心分離を施すことができる。
遠心分離の終了後に、試料管5をアイソレータ1内に戻すには、上述したように再び密封容器2をアイソレータ1に連結して、開閉扉1cと開閉蓋2aを一体的に開けばよいことは勿論である。
図4ないし図6は本発明の第2実施例を示したもので、上記第1実施例では密封容器2を遠心分離機3のロータとして構成していたが、本実施例では、密封容器12を遠心分離機13のロータ16に設けた係合孔16a内に収容できるように構成してある。
すなわち、上記ロータ16は遠心分離機13の回転軸14aに固定してあり、上記係合孔16aはロータ16の円周方向等間隔位置に複数設けて、各係合孔16a内にそれぞれ1つの密封容器12を着脱自在に取付けることができるようにしてある。また、各密封容器12内にはそれぞれ1本の試料管15を収容できるようにしてあり、さらに各係合孔16aを上方がロータ16の中央側となるように傾かせて形成することにより、各密封容器12を各係合孔16aに収容した際には、各密封容器12内の各試料管5をその上方が中央側となるように傾かせることができるようにしてある。
なお、各密封容器12は、第1実施例の密封容器2と同様に、アイソレータ11に着脱自在に連結して、無菌状態で相互に連通可能としてあることは勿論であり、第1実施例と同一又は相当する部分には、同一の符号に10を加えた符号を付して示してある。
このような構成においても、上記実施例と同様に、容易にアイソレータ11内の試料管15を遠心分離機13に取付けることができ、また遠心分離の終了した試料管15を容易にアイソレータ11内に戻すことができる。
なお、必要に応じて、上記開閉蓋2a、12aに除菌フィルターを設け、密封容器2、12内を該除菌フィルターを介して大気に連通させることができる。すなわち、細胞を取り扱う場合には代謝を抑える目的で、試料を冷却状態で遠心分離する冷却遠心機を用いたり冷蔵保存することがある。この場合、密封容器内部の空気が収縮されて内部圧が下がると、劣化などで密封容器のシール機能が低下した場合にはそこから外気を吸い込むおそれがあるが、上記除菌フィルターを設ければこれを防止することができる。
また、上記実施例ではいずれも試料管5、15を遠心分離機3、13のロータに傾斜させた状態で支持させるようにしているが、スイング式の遠心分離機のように、各試料管を揺動自在に支持させるようにしてもよい。より具体的には、第1実施例では遠心分離機3のロータに相当する密封容器2に試料管5を揺動自在に支持させるようにし、また第2実施例では遠心分離機13のロータ16に密封容器12を揺動自在に支持させるようにすればよい。
本発明の第1実施例を示し、アイソレータ1と密封容器2との連結状態を示す断面図。 密封容器2を遠心分離機3に組込む前の状態を示す断面図。 遠心分離機3に密封容器2を組み付けた状態を示す断面図。 本発明の第2実施例を示し、アイソレータ11と密封容器12との連結状態を示す断面図。 密封容器12を遠心分離機13に組込む前の状態を示す断面図。 遠心分離機13に密封容器12を収容した状態を示す断面図。
符号の説明
1、11 アイソレータ 1b、11b 開口部
1c、11c 開閉扉 2、12 密封容器
2a、12a 開閉蓋 2b、12b 開口部
2c、12c 口部 2d 軸孔
2e 係合部 2f、12f 収容孔
3、13 遠心分離機 4、14 駆動機構
4a、14a 回転軸 4b 係合部
5、15 試料管 16 ロータ
16a 収容孔

Claims (4)

  1. それぞれ独立して無菌状態が維持されるアイソレータと密封容器と、この密封容器内に着脱自在に収容可能な試料管と、この試料管内に収容した試料を遠心分離する遠心分離機とを備え、
    上記密封容器の口部を上記アイソレータに着脱自在に連結することにより無菌状態で両者を相互に連通可能とし、さらに上記密封用器を上記遠心分離機に着脱自在に取付け可能として、該遠心分離機により密封用器内に収容した試料管内の試料を遠心分離させることを特徴とする遠心分離システム。
  2. 上記アイソレータに開閉扉が設けられるとともに、上記密封容器の口部に開閉蓋が設けられ、これら開閉扉と開閉蓋は、アイソレータと密封容器との連結状態において一体に開閉作動されて、アイソレータ内部と密封容器内部とを無菌状態で連通させることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離システム。
  3. 上記密封容器は、遠心分離機の駆動機構によって回転駆動されるロータを構成しており、該密封容器は上記駆動機構に着脱自在に連動されて、該遠心分離機の駆動機構によって回転駆動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠心分離システム。
  4. 上記遠心分離機は、駆動機構によって回転駆動されるロータを備えており、上記密封容器はこのロータに形成した収容部に着脱自在に装着されることをと特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠心分離システム。
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