JP2005103054A - 光を用いた生体の物質特性検査装置 - Google Patents

光を用いた生体の物質特性検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構成で光を用いた生体の物質特性を検査することである。
【解決手段】 物質特性検査装置は、生体組織に光を入射する発光素子26、反射光を検出する受光素子28を含む複数の探触素子20を備え、各探触素子20は、制御部76の制御の下、切替回路60により順次選択されて特性算出部64に接続される。特性算出部64は、発光素子26への入力波形と受光素子28からの出力波形との間の位相差に応じ周波数を変化させる位相シフト回路を備え、その周波数変化より生体組織の物質特性を算出する。算出された物質特性は、データ収集部70、表示処理部72を経て表示部74に2次元表示される。
【選択図】図7

Description

本発明は、光を用いた生体の物質特性検査装置に係り、特に生体に光を入射する発光素子と生体からの光を受光する受光素子とを備える物質特性検査装置に関する。
生体の皮膚組織の変化やその内部の臓器の変化等を観察するためにX線透過撮影や、X線CTによる断層検査等が行われる。また、X線被爆の問題を避けるために、レーザ光等を用いた光学的検査が提案されている。例えば、特許文献1には、受発光プローブを生体皮膚表面に当接させて近赤外光を入射し、そのスペクトルを測定し、検量式を用いて生体皮膚組織の成分濃度を定量する方法が開示されている。また、特許文献2においては、多モード発振レーザを光源として、生体に照射し、生体内部の屈折率の異なる地点からの反射光を合成し、合成された光をモードごとに分光分離して光波エコートモグラフィを得ることが開示されている。
特開2003−144421号公報 特開平7−49306号公報
上記のように、光を用いて生体の物質特性を得ようとする従来技術は、入射光と反射光との間のスペクトル分布の相違を用いている。したがって、波長の安定した光源と、スペクトルを分析するための分光装置と、入射光と反射光とのスペクトル変化を解析する解析装置等が必要で、大掛かりなシステムとなっている。
例えば、生体表面の腫瘍の検査や、生体の内部におけるしこりの検査等においては、狭い範囲の観察で済むにもかかわらず、大規模な装置を用いねばならず不便であり、コストもかかる。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、より簡便な構成の光を用いた生体の物質特性検査装置を提供することである。本発明の目的は、より簡便な構成で、物質特性の2次元的分布を測定できる光を用いた生体の物質特性検査装置を提供することである。
1.本発明の概念
本発明は、発光素子を駆動して周期性のある光出力を生体に入射し、その反射光の変化を受光素子で受け止め観察したところ、発光素子を駆動する周期性の入力信号と、受光素子から取り出される周期性の出力信号との間に位相差が生ずることを見出したことに基づく。図1に生体組織の1つである脂肪にLED(LightEmission Diode)から周期性の光を入射し、反射光をフォトダイードで検出し、LEDへの入力信号とフォトダイオードからの出力信号との間の位相差を観察した例を示す。図1において横軸はLEDの光出力、縦軸は入力信号と出力信号との間の位相差、パラメータは入力信号の周波数である。図に示すように、生体組織に周期性光を入射したときのフォトダイオードの出力信号を観察すると、光出力及び入力周波数に依存する位相差が検出される。また、この位相差の大きさが生体組織により相違することも確かめられた。したがって、この位相差は、光に対する生体の物質特性を表しているものであることがわかる。
本願発明者は、入力信号と出力信号との間の位相差を精度よく検出するものとして、位相シフト法を考案している(特開平9−145691号公報参照)。本願発明は、生体に光を入射したときの入力信号と出力信号との間に現われる位相差の測定に位相シフト法を適用し、精度よく定量的に光に対する生体の物質特性を検査しようとするものである。
2.課題解決手段
本発明に係る光を用いた生体の物質特性検査装置は、プローブ基体と、プローブ基体に保持される探触素子であって、生体に光を入射する発光素子と、生体からの光を受光する受光素子とを有する探触素子と、受光素子の信号出力端に入力端が接続される増幅器と、増幅器の出力端と発光素子の信号入力端との間に設けられ、信号の周波数を変化させて発光素子への入力波形と受光素子からの出力波形との間に生ずる位相差をゼロにする位相補償回路と、探触素子と増幅器と位相補償回路とで形成される帰還ループにより位相差をゼロに補償して起こる自励発振振動の周波数を計測し、探触素子から生体に光が入射され生体から光を受光しているときの周波数と光が生体に入射されていないときの周波数と間の偏差を検出する周波数偏差検出器と、検出された周波数偏差を生体の物質特性として出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る光を用いた生体の物質特性検査装置は、プローブ基体と、プローブ基体に2次元に配列されて保持される複数の探触素子であって、各探触素子は、生体に光を入射する発光素子と、生体からの光を受光する受光素子とをそれぞれ有する複数の探触素子と、各探触素子についてその受光素子の信号入力端とその発光素子の信号出力端との間に接続可能に設けられ、生体の物質特性を算出する物質特性算出器と、各探触素子と物質特性算出器との接続を順次切り替える切替回路と、各探触素子について算出された物質特性を2次元表示する表示器と、を備え、物質特性算出器は、受光素子の信号出力端に入力端が接続された増幅器と、増幅器の出力端と発光素子の信号入力端との間に設けられ、信号の周波数を変化させて発光素子への入力波形と受光素子からの出力波形との間に生ずる位相差をゼロにする位相補償回路と、探触素子と増幅器と位相補償回路とで形成される帰還ループにより位相差をゼロに補償して起こる自励発振振動の周波数を計測し、探触素子から生体に光が入射され生体から光を受光するときの周波数と光が生体に入射されていないときの周波数との間の偏差を検出する周波数偏差検出器と、を含み、周波数偏差の2次元分布から生体の物質特性の検査を行うことを特徴とする。
また、表示器は、プローブ基体において各探触素子が配列される素子配列面と反対側の裏面に設けられることが好ましい。
また、本発明に係る光を用いた生体の物質特性検査装置において、プローブ基体の裏面側に設けられ、表示器を収納する収納部と、収納部の一部に設けられ、表示器と接続される基体側接続部と、表示器から引き出され、一端に基体側接続部に着脱可能に接続される表示側接続部を有する信号線と、を備え、信号線の表示側接続部を基体側接続部に接続したまま、表示器がプローブ基体の収納部に収納されることが好ましい。
また、本発明に係る光を用いた生体の物質特性検査装置において、さらに、プローブ基体は、外部機器に接続するための外部接続部を有し、表示側接続部は、外部接続部にも接続可能である構造を有していることが好ましい。
上記のように、本発明に係る光を用いた生体の物質特性検査装置によれば、発光素子への入力波形と受光素子からの出力波形との間の位相差を位相シフト法により周波数偏差に変換する。位相差の定量測定に比較し、周波数の定量測定の方が格段に精度の優れた計測器を用いることができる。したがって、発光素子、受光素子の他は、電子回路と周波数測定器等を用いるだけの簡便な方法で、光を用いた生体の物質特性を検査できる。
また、発光素子と受光素子とを対として備える探触子を2次元に配列することで、光を用いた生体の物質特性を2次元表示することができる。2次元表示する表示器をプローブ基体の裏面側に一体として配置することで、検査者は、プローブ基体を生体組織に例えば圧接しながら、リアルタイム的に光を用いた生体の物質特性の2次元分布を把握することができる。また、表示器をプローブ基体から着脱可能とし、信号線によりプローブ基体と接続することで、患者自身がプローブ基体を生体組織に例えば圧接しながら、観察できる位置に表示器をおいて、リアルタイム的に光を用いた生体の物質特性の2次元分布を把握することができる。
以下に、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図2から図4は、光を用いた生体の物質特性検査装置(以後、単に物質特性検査装置と称する)10の上面側から見た斜視図、側面図、下面側から見た斜視図である。図に示すように、物質特性検査装置10は、円板状のプローブ基体12と、プローブ基体12から延びて、手で把持されるつかみ部14とからなる。
プローブ基体12は、下面側に生体の表面に圧接される複数の探触素子20を2次元的に配置して保持し、上面側に複数の表示素子40を各探触素子20に対応して2次元的に配置して保持する円板状の部材である。例えば直径が約60mm、厚みが約20mmのプラスチック成形品に、探触素子20及び表示素子40をそれぞれ40−50個程度2次元的に配置したものを用いることができる。また、上面側に、小型のディスプレイ42を配置することもできる。
つかみ部14は、プローブ基体12と固定接続され、手で安定して把持できる程度の大きさを有する取っ手状の部材である。例えば上記のプローブ基体12にあわせて、厚みを約20mmとし、取っ手部の幅を約45mm、長さを約100mmのプラスチック成形品を用いることができる。
つかみ部14の内部には、各探触素子20の入出力信号に基づき各探触素子20が接触する部分の生体組織の物質特性を算出し、それを2次元分布として表示する信号処理を行う電子回路部50が収納される。電子回路部50の出力は、外部インタフェイス51を介し、図示されていない外部の診断装置等に接続することもできる。また、電子回路部50の一部または全部をつかみ部14の外部に出し、信号線で探触素子20や表示素子40と接続してもよい。電子回路部50の詳細については後述する。
1つの探触素子20は、1つの発光素子と1つの受光素子とを隣接して配置して構成されるものである。また、反射光を効率よく受取るために、1つの受光素子の周囲に複数の発光素子を配置して1つの探触素子20としてもよい。図5は、1つの探触素子20を2つの発光素子26と1つの受光素子28とで構成した例について探触素子20周りの詳細を示す図である。探触素子20は、取り付け台24の上に(図5においては紙面に向かって下方向になる)、発光素子26と受光素子28が配置され、さらにその上に略半球状のプラスチック製の接触ボール30がかぶせられて構成される。取り付け台24は、例えば回路基板で構成することができる。探触素子20は、取り付け台24側の底面でプローブ基体12に接着等で固定される。
発光素子26は、生体組織16に光を入射する機能を有し、LEDにより構成することができる。受光素子28は、生体組織16、例えばその内部におけるしこりの部分18からの反射光を検出する機能を有する素子で、フォトセンサで構成することができる。
図6は、発光素子26及び受光素子28周りの回路構成を示す図である。発光素子26は、その一端が電源に接続され、他端がスイッチング素子27に接続される。スイッチング素子27は、例えばnpnトランジスタ等で構成することができ、この場合は、コレクタが発光素子26の他端に、エミッタが接地に、ベースが交流信号発生部25を介して信号線54aに接続される。受光素子28は、一端が抵抗素子29を介して電源に、他端が接地に接続され、抵抗素子29との接続部が信号線54bに接続される。信号線54a,54bは、後述する切替回路60に入力される。したがって、信号線54aから供給される入力信号に応じてスイッチング素子27が作動し、それにより発光素子26は周期性のある光出力を生体に向けて入射する。生体からの反射光は受光素子28により受取られ、これを抵抗素子29により電圧信号に変換して出力信号として信号線54bに出力する。
図6に示す構成の各電子部品が取り付け台24の上に配線接続されて配置され、その上から接触ボール30がかぶせられる。接触ボール30は、その半球状の形状により、入射光及び反射光を集光する機能を有する。図5に示すように、生体組織16の内部のしこり18等の物質特性を検査するため、物質特性検査装置自体を生体組織に押付けて検査する場合に、その半球状表面で生体組織16にスムーズに圧接する機能を有する部材である。かかる接触ボール30は、取り付け台24の上に、例えばナイロン樹脂等のプラスチック樹脂が供給され、これを半球状の型を用いて成形して得ることができる。半球の半径は、例えば5mm程度を用いることができる。
図7は、電子回路部50のブロック図である。電子回路部50は、切替回路60と特性算出部64とデータ収集部70と表示処理部72と表示部74と、これらを全体として制御する制御部76とを備える。
切替回路60は、制御部76の制御の下で、複数のスイッチにおける特定のスイッチをONすることで、複数の探触素子の中から特定の探触素子を選択し、これを特性算出部64に接続する機能を有する選択スイッチ回路である。すなわち、選択された特定の探触素子の発光素子26からの信号線54aを信号線84aに、受光素子28からの信号線54bを信号線84bにそれぞれ接続し、これらを介して特性算出部64に接続する機能を有する。複数のスイッチ80には半導体スイッチを用いることができる。接続の切り替えは、各探触素子20ごとの逐次切り替え、例えば、各探触素子20にアドレスを付し、走査方法に従ったアドレスの順に、対応する発光素子26と受光素子28とを同期させて特性算出部64へ接続するものとすることができる。走査方法は、制御部76が制御するが、例えば探触素子の配置を行列配置とみて1行ずつ走査するライン走査としてもよく、また、探触素子の配置を極座標配置とみて中心かららせん状に走査するものとすることもできる。
特性算出部64は、切替回路60により選択された各探触素子20について、発光素子26の信号入力端の信号、すなわち信号線54aの信号、および、受光素子28の信号出力端の信号、すなわち信号線54bの信号とに基づいて、その探触素子20が向かい合う生体組織の部分の物質特性を算出する回路である。算出された物質特性データは、各探触素子20ごとに対応付けられてデータ収集部70に送られる。対応付けには、例えば上記の探触素子アドレスを用いることができる。
図8は、特性算出部64のブロック図である。特性算出部64は、探触素子20における発光素子26と信号線(54a),84aを介して接続される端子94と、受光素子28と信号線(54b),84bを介して接続される端子92を備える。また、特性算出部64は、端子92に入力端が接続される増幅器96と、増幅器96の出力端と端子94との間に設けられ、発光素子26への入力波形と受光素子28からの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路98とを備える。かかる機能を持つ位相シフト回路の内容については、上記の特開平9−145691号公報に詳しく述べられている。
このような構成で、発光素子26、受光素子28と生体組織とを含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体組織の物質特性が変化することで生ずる周波数変化を、周波数変化量検出部100で検出し、物質特性変換器102により周波数変化を生体組織の物質特性に変換する。周波数変化を生体組織の物質特性に変換するには、例えば較正テーブル等を用いることができる。較正テーブルは、例えば生体の物質特性を生体の硬さとするときは、硬さの基準とできる基準物質を接触ボールの先端に押し当て、そのときの周波数変化を得ることで作成できる。基準物質として、例えばしこりのない標準的な乳部の脂肪または筋肉や、または標準的な乳部の脂肪または筋肉とあらかじめ対応を取ってあるシリコンゴム等の標準物質を用いることができる。変換された物質特性信号は端子104から出力される。
発光素子26、受光素子28と生体組織を含む閉ループの共振状態における振動の周波数は、発光素子26のゲートに接続される交流信号発生部25の周波数が中心周波数となるが、その中心周波数は位相シフト回路98により変化する。換言すれば、交流信号発生部25は、受光素子28−増幅器96−位相シフト回路98によるフィードバックによりその周波数を変化することができるものである。かかる交流信号発生部25は、例えば、LCR回路等で構成することができる。交流信号発生部25の中心周波数は、図1で説明したように例えば数10kHzから1MHzとすることができる。
データ収集部70は、各探触素子20ごとに、その物質特性データを対応付けて記憶する記憶装置である。対応付けには上記の探触素子アドレスを用いることができる。
表示処理部72は、データ収集部70から必要なデータを読み出し、物質データの2次元表示をするための信号処理を行う回路である。例えば、図2に示すように、表示部74が複数の表示素子40の2次元配列であるときは、各表示素子への出力を、各探触素子20の2次元配列に対応付ける処理を行う。すなわち、表示部74を観察したときに、各表示素子40は、プローブ基体12に対し、ちょうど各表示素子40の真下の探触素子20が検出した物質特性を表すように対応付け処理を行う。
また、測定領域全体の物質特性について、平均値、最大値、最小値、標準偏差等を求め、あるいは物質特性分布のヒストグラフ化等の統計処理を行った後、テキストデータ等により表示が可能な処理を行ってもよい。
表示処理されたデータは、表示部74に出力される。表示部74は、複数の表示素子40を2次元配置したものであり、上記のように、複数の探触素子の2次元配置に対応した配置とすることが好ましい。複数の表示素子40としては、発光ダイオード等の発光素子、液晶ディスプレイの2次元配置された各画素等を用いることができる。
生体の物質特性、例えば硬さをあらわすのには、表示素子の輝度を用い、例えば、生体組織の硬さが大きい値を示すに従い、すなわち、しこりの程度が悪化するに従い、輝度を強くして表現することができる。また、可変色型発光ダイオードあるいはカラー液晶ディスプレイを用い、硬さを色の相違あるいは色の濃淡で示すこともできる。例えば、生体組織の硬さが小さい値から大きい値に移るに従い、青−黄−赤と色を変えることで、しこりの程度をビジュアルに表現できる。
データ収集部70を表示処理部72の演算処理のための一時記憶装置として用いるときは、各探触素子に対応する物質特性は即時に処理されて、表示部74にリアルタイムで表示することができる。また、データ収集部70を過去のデータをデータベースとして記憶する記憶装置として用いるときは、データベースから読み出されたデータを表示部74に表示することができる。
また、各探触素子20に対応付けられて配置される各表示素子40以外に、図2に示すような一般的な小型ディスプレイ42を設けることもできる。この小型ディスプレイ42を用い、例えば、測定領域全体の物質特性についての平均値等の統計処理データ等を表示してもよい。
図9は、他の実施形態における物質特性検査装置210の構成を示す図である。この物質特性検査装置210は、本体部分220と表示器部分230とを別体構造とし、コネクタを介して着脱可能としたものである。ここで表示器部分230は、複数の表示素子240が2次元配置されたもので、信号線232を備え、信号線232の一端には表示側コネクタ234が設けられる。これに対応して、本体部分220には基体側コネクタ252が設けられる。基体側コネクタ252は電子回路部250に接続される。また、電子回路部250からは、基体側コネクタ252と並列に外部インタフェイス254が設けられる。表示側コネクタ234は、基体側コネクタ252にも外部インタフェイス254にも接続可能な構造を有している。
本体部分220と表示器部分230とは図示されていないはめあい部分によりはまりあい、一体化することができる。すなわち、表示側コネクタ234を基体側コネクタ252に接続し、信号線232を折畳んで本体部分220又は表示器部分230の接続部分の空間に収納し、本体部分220と表示器部分230とをはめあい部分にはめあわすことで、一体化した物質特性検査装置210が得られる。この一体化した物質特性検査装置210の外観は、図2で説明した物質特性検査装置10と同じとなり、その形態での使用法も同じとなる。
この物質特性検査装置210によれば、物質特性の表示の自由度が格段に増大する。図10−12に、この物質特性検査装置210の物質特性表示方法の例を示す。
図10は、第1の用い方の例を示す図で、この方法は図2で説明した物質特性検査装置10でも可能な方法である。すなわち、本体部分220と表示器部分230とを一体化して用い、外部インタフェイス254を用いて外部の診断装置300に接続する。外部診断装置300としては、例えばより大きな表示画面とデータ処理能力とを有するコンピュータを用いることができる。この方法においては、例えば、検査者が物質特性検査装置210を手にもち、被検査者の体表に対して物質特性検査装置210を圧接してそのしこりの状態等について表示器部分230を用いて観察できるとともに、被検査者も外部診断装置300の画面をみてその様子を知ることができる。
図11は、第2の用い方の例を示す図である。ここでは、表示側コネクタ234と基体側コネクタ252との接続はそのままにして、本体部分220と表示器部分230とのはめあわせを外し、信号線232を延ばして用いる。この方法においては、例えば、被検査者が自分で物質特性検査装置210を手にもち、自分の体表に対して物質特性検査装置210を圧接しつつ、表示器部分230の画面により、そのしこりの状態等の様子を知ることができる。
図12は、第3の用い方の例を示す図である。ここでは、本体部分220から表示器部分230を外すとともに、表示側コネクタ234と基体側コネクタ252との接続も外し、表示側コネクタ234を外部インタフェイス254に接続する。この方法においては、図11で説明した第2の用い方と同じ用い方が可能であるが、信号線232が本体部分220の端部に接続されるため、本体部分220を手で持って操作することがより容易となる。
腫瘍等の生体の体表の状態、しこり等の生体内部の状態等を観察する検査装置、診断装置に利用することができる。特に、探触子部分を手で持って生体の物質特性を測定する装置に利用することができる。
本発明の概念の基礎となる観察結果を説明する図で、生体組織に発光素子から周期性光を入射して受光素子により反射光を検出し、発光素子への入力信号と受光素子からの出力信号との間に位相差が観察されることを示す図である。 本発明に係る実施の形態における物質特性検査装置の上面側から見た斜視図である。 本発明に係る実施の形態における物質特性検査装置の側面図である。 本発明に係る実施の形態における物質特性検査装置の下面側から見た斜視図である。 本発明に係る実施の形態における探触素子周りの詳細図である。 本発明に係る実施の形態において発光素子及び受光素子周りの回路構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態における電子回路部のブロック図である。 本発明に係る実施の形態における特性算出部のブロック図である。 他の実施の形態における物質特性検査装置の構成を示す図である。 他の実施の形態における第1の用い方を説明する図である。 他の実施の形態における第2の用い方を説明する図である。 他の実施の形態における第3の用い方を説明する図である。
符号の説明
10,210 物質特性検査装置、12 プローブ基体、14 つかみ部、16 生体組織、20 探触素子、26 発光素子、28 受光素子、30 接触ボール、40 表示素子、50,250 電子回路部、51,254 外部インタフェイス、60 切替回路、64 特性算出部、70 データ収集部、72 表示処理部、74 表示部、76 制御部、96 増幅器、98 位相シフト回路、100 周波数変化量検出部、102 物質特性変換器、220 本体部分、230 表示器部分、232 信号線、234 表示側コネクタ、252 基体側コネクタ。

Claims (5)

  1. プローブ基体と、
    プローブ基体に保持される探触素子であって、生体に光を入射する発光素子と、生体からの光を受光する受光素子とを有する探触素子と、
    受光素子の信号出力端に入力端が接続される増幅器と、
    増幅器の出力端と発光素子の信号入力端との間に設けられ、信号の周波数を変化させて発光素子への入力波形と受光素子からの出力波形との間に生ずる位相差をゼロにする位相補償回路と、
    探触素子と増幅器と位相補償回路とで形成される帰還ループにより位相差をゼロに補償して起こる自励発振振動の周波数を計測し、探触素子から生体に光が入射され生体から光を受光しているときの周波数と光が生体に入射されていないときの周波数と間の偏差を検出する周波数偏差検出器と、
    検出された周波数偏差を生体の物質特性として出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする光を用いた生体の物質特性検査装置。
  2. プローブ基体と、
    プローブ基体に2次元に配列されて保持される複数の探触素子であって、各探触素子は、生体に光を入射する発光素子と、生体からの光を受光する受光素子とをそれぞれ有する複数の探触素子と、
    各探触素子についてその受光素子の信号入力端とその発光素子の信号出力端との間に接続可能に設けられ、生体の物質特性を算出する物質特性算出器と、
    各探触素子と物質特性算出器との接続を順次切り替える切替回路と、
    各探触素子について算出された物質特性を2次元表示する表示器と、
    を備え、
    物質特性算出器は、
    受光素子の信号出力端に入力端が接続された増幅器と、
    増幅器の出力端と発光素子の信号入力端との間に設けられ、信号の周波数を変化させて発光素子への入力波形と受光素子からの出力波形との間に生ずる位相差をゼロにする位相補償回路と、
    探触素子と増幅器と位相補償回路とで形成される帰還ループにより位相差をゼロに補償して起こる自励発振振動の周波数を計測し、探触素子から生体に光が入射され生体から光を受光するときの周波数と光が生体に入射されていないときの周波数との間の偏差を検出する周波数偏差検出器と、
    を含み、周波数偏差の2次元分布から生体の物質特性の検査を行うことを特徴とする光を用いた生体の物質特性検査装置。
  3. 請求項2に記載の光を用いた生体の物質特性検査装置において、
    表示器は、プローブ基体において各探触素子が配列される素子配列面と反対側の裏面に設けられることを特徴とする光を用いた生体の物質特性検査装置。
  4. 請求項3に記載の光を用いた生体の物質特性検査装置において、
    プローブ基体の裏面側に設けられ、表示器を収納する収納部と、
    収納部の一部に設けられ、表示器と接続される基体側接続部と、
    表示器から引き出され、一端に基体側接続部に着脱可能に接続される表示側接続部を有する信号線と、
    を備え、信号線の表示側接続部を基体側接続部に接続したまま、表示器がプローブ基体の収納部に収納されることを特徴とする光を用いた生体の物質特性検査装置。
  5. 請求項4に記載の光を用いた生体の物質特性検査装置において、
    さらに、プローブ基体は、外部機器に接続するための外部接続部を有し、
    表示側接続部は、外部接続部にも接続可能である構造を有していることを特徴とする光を用いた生体の物質特性検査装置。
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