JP2005102615A - 海藻養殖用の培養用基材 - Google Patents
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Abstract
【構成】1平方cm以上に切断した貝殻を2個以上、プラスチック板に接着したことを特徴とする海苔の種培養用基材。
【効果】
1平方cm以上に切断した貝殻の2個以上を、プラスチック板上に接着することにより、糸状体の成長や胞子のうの形成も良好であり、かつ作業性(培養中の洗浄や上下交換作業)の良好な培養基材を提供することができる。切断して使用する方法により、従来使用できなかったカキ殻や他の貝殻も使用することができ、安定した海藻養殖用の培養用基材を提供することができる。
【選択図】 図1
【効果】
1平方cm以上に切断した貝殻の2個以上を、プラスチック板上に接着することにより、糸状体の成長や胞子のうの形成も良好であり、かつ作業性(培養中の洗浄や上下交換作業)の良好な培養基材を提供することができる。切断して使用する方法により、従来使用できなかったカキ殻や他の貝殻も使用することができ、安定した海藻養殖用の培養用基材を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、海苔・ワカメ・コンブ等を培養する海藻養殖用の培養用基材に関する。
海苔は代表的な世代交代生物であり、冬季には食用となる葉状の姿であるが、春先に海苔葉体から果胞子が落ち、この果胞子が二枚貝の貝殻に穿孔して糸状体となり、貝殻内で生長して夏季夏季を過ごす。秋口になるとこの貝殻内で作られた殻胞子が海水中に放出され、岩や網に着生して海苔葉体となる。海苔の養殖に於いて、養殖用の網に海苔葉体を育てるためには、網に糸状体から放出された殻胞子を着生させる必要があり、殻胞子を得るために、糸状体をカキ殻等貝殻に穿孔させ、培養している。海苔の種となる殻胞子を得ることから、この糸状体を穿孔させた貝殻を一般に「種貝」と呼んでいる。
「種貝」の培養は、下記のような方法で行われている。
海苔葉体から脱落した果胞子、或いは「フリー糸状体」と呼ばれる貝殻に穿孔させずに管理培養された糸状体を貝殻上に播き、沈殿付着させるといずれも貝殻内に穿孔して生長する。「種貝」は一般的に培養液などを添加した水槽で培養され、定期的な水替えや培養液の添加、光線量の調節、珪藻などの付着物の洗浄除去作業などの管理が行われる。このような管理の元、糸状体は主に貝殻の内側の葉状層で生長し、約3ヶ月後には胞子のうの形成が認められるようになる。次第に分裂し、ぶどう状の胞子のう細胞ができはじめ、さらに次々と細胞分裂を繰り返しながら細胞が増大していく。先端部に達した胞子のう枝は貝殻表面に達し、殻胞子を放出できる状態となる。光の刺激を与えることにより、殻胞子を放出させ海苔網に付着させ、海での海苔養殖行程に移っていく。
「種貝」の培養は、下記のような方法で行われている。
海苔葉体から脱落した果胞子、或いは「フリー糸状体」と呼ばれる貝殻に穿孔させずに管理培養された糸状体を貝殻上に播き、沈殿付着させるといずれも貝殻内に穿孔して生長する。「種貝」は一般的に培養液などを添加した水槽で培養され、定期的な水替えや培養液の添加、光線量の調節、珪藻などの付着物の洗浄除去作業などの管理が行われる。このような管理の元、糸状体は主に貝殻の内側の葉状層で生長し、約3ヶ月後には胞子のうの形成が認められるようになる。次第に分裂し、ぶどう状の胞子のう細胞ができはじめ、さらに次々と細胞分裂を繰り返しながら細胞が増大していく。先端部に達した胞子のう枝は貝殻表面に達し、殻胞子を放出できる状態となる。光の刺激を与えることにより、殻胞子を放出させ海苔網に付着させ、海での海苔養殖行程に移っていく。
種付けの方法には、野外人工採苗法と室内人工採苗法がある。
野外人工採苗法とは、15×15cmのポリエチレン製袋の中に種貝を1〜2枚入れ、海苔網の下に取り付けて、海で種を付ける採苗法である。主に有明海で行われる方法であり、良質の海苔が生産できるメリットがある。
室内人工採苗法とは、陸上の水槽内に大量の種貝を投入し、水車に巻き付けた海苔網に種を付ける採苗法である。この方法は、種貝の使用数量が少なくてすむ、採苗効率が高い、海況条件に左右されない、採苗後冷蔵庫で保存できるというメリットがある。
このように、種貝は1枚づつ使用したり、5〜10枚の束で使用する場合とがある。
この種付けは9月〜10月にかけて行われ、11月から4月にかけて海苔の生産が行われるのである。
野外人工採苗法とは、15×15cmのポリエチレン製袋の中に種貝を1〜2枚入れ、海苔網の下に取り付けて、海で種を付ける採苗法である。主に有明海で行われる方法であり、良質の海苔が生産できるメリットがある。
室内人工採苗法とは、陸上の水槽内に大量の種貝を投入し、水車に巻き付けた海苔網に種を付ける採苗法である。この方法は、種貝の使用数量が少なくてすむ、採苗効率が高い、海況条件に左右されない、採苗後冷蔵庫で保存できるというメリットがある。
このように、種貝は1枚づつ使用したり、5〜10枚の束で使用する場合とがある。
この種付けは9月〜10月にかけて行われ、11月から4月にかけて海苔の生産が行われるのである。
果胞子或いは糸状体は、貝殻であれば穿孔するので、どんな貝を使用してもかまわないが、一般的には、カキ・ホタテ・アコヤ等の貝殻が使用されている。産業的に多く使用されているのは、カキ殻である。貝殻が比較的平坦であること、糸状体が生育しやすい層(葉状層)を持っていること、また、比較的入手しやすい貝であることによる。
従来は、日本のカキ殻のみが使用されていたが、日本におけるカキの生産量が低下したため、カキ殻が不足してきた。そこで、韓国のカキ殻を輸入し使用するようになってきた。しかし、韓国でも日本と同じ規模で海苔養殖が行われるようになり、カキ殻を韓国から入手することができなくなった。そのため最近では、中国からカキ殻を輸入して使用するようになってきている。
中国でも約10年以上前から海苔養殖が盛んに行われてきており、海苔養殖人口が毎年増大してきている。今後、日本・韓国・中国の海苔生産をまかなえるだけの、カキ殻が不足してくる可能性が非常に高い。
従来は、日本のカキ殻のみが使用されていたが、日本におけるカキの生産量が低下したため、カキ殻が不足してきた。そこで、韓国のカキ殻を輸入し使用するようになってきた。しかし、韓国でも日本と同じ規模で海苔養殖が行われるようになり、カキ殻を韓国から入手することができなくなった。そのため最近では、中国からカキ殻を輸入して使用するようになってきている。
中国でも約10年以上前から海苔養殖が盛んに行われてきており、海苔養殖人口が毎年増大してきている。今後、日本・韓国・中国の海苔生産をまかなえるだけの、カキ殻が不足してくる可能性が非常に高い。
貝殻は、全てを海苔の種貝用に利用できる訳ではない。カキ殻は選別され、貝が小さすぎるもの、わん曲が大きいもの、貝殻内側の白い部分(葉状層)に黒い部分が多く存在するものや傷のあるものは廃棄されている。小さい貝は、種貝の連結作業や養殖時点での洗浄作業等の手作業が煩雑であり、また、わん曲が大きい貝は光が全体に当たらないため糸状体の生長が悪くなる。黒い部分や傷が多い貝殻は、糸状体が生長しづらいからである。これらの現在利用されていない貝殻を使用する方法が見出されれば、今後将来的に十分な種貝用基材を提供することが可能となってくる。
種貝の培養時には、穴を開けた貝を5〜20枚ほど紐により固定し連結し(糸状体が生育する貝殻の内側(葉状層)が表になるよう背中合わせにする)、海水中につり下げて培養する垂下培養法という方法と、1枚づつ水槽の底において培養する平面培養法が採用されている。
垂下培養法は、大量の種貝を効率良く生産できるというメリットがあるが、作業が大変であることと培養の管理が難しいというデメリットがある。平面培養は比較的作業が楽であるというメリットがあるが、広大な場所を必要とするデメリットがある。
種貝を培養する際には、貝殻の表面に珪藻・汚れ等が付着するため、定期的に取り出し貝の表面を洗浄しなければならない。表面を洗浄しないと光が当たらなくなるため、種の生長が止まってしまうからである。平面培養の場合は貝殻を1枚ずつ取り出して洗浄しなければならず非常に手間のかかる作業となっている。垂下培養の場合は、通常貝殻を縦に一列連結したものを輪にして貝の表側同士が背中あわせになるようにつり下げているため、貝の束を動かす度に貝が絡み合い、貝殻の裏表が逆転するなど、洗浄が非常に煩雑となる。
又、垂下培養の場合は、一列に連結した貝殻の下部と上部で照度が異なるため、全体の糸状体の生長を均一にするためには、種貝の上下を入れ替えて光の照射量を調整しなければならない。そのため、一定期間毎に貝の束の上下位置を交換する作業が行われ、この作業の場合にも洗浄作業と同様に、糸状体が生育する貝殻の葉状層が表面になるように糸の絡みや貝殻の反転を調整しなければならない。これらの作業は非常に手間の掛かる作業となっている。
従って、洗浄が簡単で、貝の方向が変わらないような培養方法の開発が求められているのである。
特公昭57−5490号公報
特公平2−24498号公報
垂下培養法は、大量の種貝を効率良く生産できるというメリットがあるが、作業が大変であることと培養の管理が難しいというデメリットがある。平面培養は比較的作業が楽であるというメリットがあるが、広大な場所を必要とするデメリットがある。
種貝を培養する際には、貝殻の表面に珪藻・汚れ等が付着するため、定期的に取り出し貝の表面を洗浄しなければならない。表面を洗浄しないと光が当たらなくなるため、種の生長が止まってしまうからである。平面培養の場合は貝殻を1枚ずつ取り出して洗浄しなければならず非常に手間のかかる作業となっている。垂下培養の場合は、通常貝殻を縦に一列連結したものを輪にして貝の表側同士が背中あわせになるようにつり下げているため、貝の束を動かす度に貝が絡み合い、貝殻の裏表が逆転するなど、洗浄が非常に煩雑となる。
又、垂下培養の場合は、一列に連結した貝殻の下部と上部で照度が異なるため、全体の糸状体の生長を均一にするためには、種貝の上下を入れ替えて光の照射量を調整しなければならない。そのため、一定期間毎に貝の束の上下位置を交換する作業が行われ、この作業の場合にも洗浄作業と同様に、糸状体が生育する貝殻の葉状層が表面になるように糸の絡みや貝殻の反転を調整しなければならない。これらの作業は非常に手間の掛かる作業となっている。
従って、洗浄が簡単で、貝の方向が変わらないような培養方法の開発が求められているのである。
解決しようとする課題は、洗浄等の培養中の作業を軽減でき、かつ使用できなかったカキ殻及び他の貝殻を利用できる海藻養殖用の培養用基材を提供することにある。
鋭意研究を行った結果、1平方cm以上に切断した貝殻の2個以上を、プラスチック板上に接着することにより、糸状体の成長や胞子のうの形成も良好であり、かつ作業性の良好な海藻養殖用の培養用基材を提供できることを見出した。
すなわち、本発明は次の通りである。
(1)1平方cm以上に切断した貝殻を2個以上、プラスチック板に接着したことを特徴とする海藻養殖用の培養用基材。
(2)0.1〜20mmの厚みのプラスチック板であることを特徴とする(1)記載の海藻養殖用の培養用基材。
(3)貝とプラスチック板を接着する接着剤が、シリコーン系接着剤・エポキシ系接着剤・ゴム系接着剤・酢酸ビニル系接着剤・アクリル系接着剤・ウレタン系接着剤・ホットメルト系接着剤・ポリビニルアルコール系接着剤・ユリア樹脂系接着剤・メラミン系接着剤・フェノール系接着剤・石膏から選ばれた1種以上であることを特徴とする(1)〜(2)記載の海藻養殖用の培養用基材。
(4)接着剤の層の厚さが、20mm以下であることを特徴とする(1)〜(3)記載の海藻養殖用の培養用基材。
(5)貝がカキ・ホタテ・ハマグリ・マテガイ・タイラギなどの二枚貝中の1種以上であることを特徴とする(1)〜(4)記載の海藻養殖用の培養用基材。
(1)1平方cm以上に切断した貝殻を2個以上、プラスチック板に接着したことを特徴とする海藻養殖用の培養用基材。
(2)0.1〜20mmの厚みのプラスチック板であることを特徴とする(1)記載の海藻養殖用の培養用基材。
(3)貝とプラスチック板を接着する接着剤が、シリコーン系接着剤・エポキシ系接着剤・ゴム系接着剤・酢酸ビニル系接着剤・アクリル系接着剤・ウレタン系接着剤・ホットメルト系接着剤・ポリビニルアルコール系接着剤・ユリア樹脂系接着剤・メラミン系接着剤・フェノール系接着剤・石膏から選ばれた1種以上であることを特徴とする(1)〜(2)記載の海藻養殖用の培養用基材。
(4)接着剤の層の厚さが、20mm以下であることを特徴とする(1)〜(3)記載の海藻養殖用の培養用基材。
(5)貝がカキ・ホタテ・ハマグリ・マテガイ・タイラギなどの二枚貝中の1種以上であることを特徴とする(1)〜(4)記載の海藻養殖用の培養用基材。
従来の種貝の培養には、貝殻を単独で使用する平面培養法、もしくは紐で貝殻を連結した種用培養基材を用いて行う垂下培養法が採用されている。前記したように、培養中の貝殻の洗浄や貝殻全体に均等の照度を与える管理が、非常に困難で大変な作業となっている。
又、種の培養に最適な貝殻はカキ殻であるが、黒い部分が多くて使用できないものが発生したり、カキの生産量が少なくなり、カキ殻が不足してきている。従って、ホタテやハマグリ等の貝殻を使用せざるを得なくなってきている。
カキ殻を使用する場合でも、カキ殻がわん曲しているものは、種が全体に均一に成長することはないため、産業的には使用することができない。
又、種の培養に最適な貝殻はカキ殻であるが、黒い部分が多くて使用できないものが発生したり、カキの生産量が少なくなり、カキ殻が不足してきている。従って、ホタテやハマグリ等の貝殻を使用せざるを得なくなってきている。
カキ殻を使用する場合でも、カキ殻がわん曲しているものは、種が全体に均一に成長することはないため、産業的には使用することができない。
前記の課題を解決するために、鋭意研究を行った結果、貝殻をそのまま使用せず、貝殻の内側が白い部分(葉状層)を、1平方cm以上の面積に切断し、その切片を2個以上プラスチック板上に接着することにより、全体が平面となり糸状体の生育も良好な培養基材を製造することができることを見出した。この培養基材は、糸状体の成長や胞子のうの形成も良好である。本発明の培養基材は、全体が平面になっているため、培養途中での洗浄が簡単となる。プラスチック板に固定しているため、従来のように貝殻が紐に絡まったりすることもないため、貝殻の洗浄や上下交換の作業が非常に行いやすくなる。
試験例1よりわかるように、1平方cm より小さい面積まで切断すると、十分な大きさまで糸状体が生育出来ないため、種となる殻胞子が十分量形成されなくなるのである。そのため、1平方cm以上の面積に切断したものを使用する必要がある。貝殻を微粉末にしたものをバインダーとなる高分子(接着剤等)中に練り込んだものでは、糸状体の成長は殆ど認められない。
1平方cm以上に切断して使用することで、わん曲部も平坦になるため、今まで使用できなかったカキ殻や他の貝殻も使用することができるようになる。
試験例1よりわかるように、1平方cm より小さい面積まで切断すると、十分な大きさまで糸状体が生育出来ないため、種となる殻胞子が十分量形成されなくなるのである。そのため、1平方cm以上の面積に切断したものを使用する必要がある。貝殻を微粉末にしたものをバインダーとなる高分子(接着剤等)中に練り込んだものでは、糸状体の成長は殆ど認められない。
1平方cm以上に切断して使用することで、わん曲部も平坦になるため、今まで使用できなかったカキ殻や他の貝殻も使用することができるようになる。
本発明に使用する培養基材は、貝殻を1平方cm以上に切断し、その切片を2個以上プラスチック板上に接着することにより構成される。切片の形状としては、正方形・円形・楕円形いずれでも良く、できるだけ同じ形状にすることが好ましい。種付けをするときの作業性を考慮すると、9〜36平方cmの大きさに調整する方が良い。
又、貝殻の表面には、他の生物が付着してことが多いため、形を整えるために表面を削った方が使用しやすい。
本発明に使用する貝殻としては、貝殻であればなんでも使用することができる。作業的に好ましいのは、カキ殻及びホタテの貝殻である。
又、貝殻の表面には、他の生物が付着してことが多いため、形を整えるために表面を削った方が使用しやすい。
本発明に使用する貝殻としては、貝殻であればなんでも使用することができる。作業的に好ましいのは、カキ殻及びホタテの貝殻である。
本発明にて使用するプラスチック板の素材としては、ポリエステル・ポリプロピレン・ポリエチレン・塩化ビニル等があげられる。強度・加工性・経済性を考慮すると、ポリエステル・塩化ビニルが好ましいと言える。
厚さは0.1〜20mmが最適である。0.1mmより薄いと強度が弱くなり使用することができない。又、20mmより厚いと重くなり過ぎ作業性が悪くなるからである。幅や長さは使用形態に応じて調整することができる。例えば、貝殻(3cm×3cm)を1列のみに接着するときは、幅5mm〜15mm位の帯状のものを使用すると、強度・作業性において良好な海藻養殖用の培養用基材となる。(図3参照)
垂下培養を行う場合には、貝殻を接着するシートの両端に、本発明の海藻養殖用の培養用基材を下げるための、紐を通す穴を作っておくと良い。平面培養の場合には必要はない。
図2に示したような貝殻1個が入る溝を周囲に作ったシートに貝を接着したものや、図3のような形態であれば、種貝を1個ずつ切り離して使用することもできる。
厚さは0.1〜20mmが最適である。0.1mmより薄いと強度が弱くなり使用することができない。又、20mmより厚いと重くなり過ぎ作業性が悪くなるからである。幅や長さは使用形態に応じて調整することができる。例えば、貝殻(3cm×3cm)を1列のみに接着するときは、幅5mm〜15mm位の帯状のものを使用すると、強度・作業性において良好な海藻養殖用の培養用基材となる。(図3参照)
垂下培養を行う場合には、貝殻を接着するシートの両端に、本発明の海藻養殖用の培養用基材を下げるための、紐を通す穴を作っておくと良い。平面培養の場合には必要はない。
図2に示したような貝殻1個が入る溝を周囲に作ったシートに貝を接着したものや、図3のような形態であれば、種貝を1個ずつ切り離して使用することもできる。
本発明にて使用する接着剤としては、シリコーン系接着剤・エポキシ系接着剤・ゴム系接着剤・酢酸ビニル系接着剤・アクリル系接着剤・ウレタン系接着剤・ホットメルト系接着剤・ポリビニルアルコール系接着剤・ユリア樹脂系接着剤・メラミン系接着剤・フェノール系接着剤・石膏から選ばれた1種以上を使用することができる。又、果胞子が穿孔しやすい炭酸カルシウム等のカルシウム塩を接着剤と混合して使用することもできる。
接着剤の層の厚みとしては、20mm以下で有ることが好ましい。種貝として使用する貝殻の厚みは厚い部分で5〜15mm位であるため、貝殻の厚みに合わせた厚みで接着剤を塗布し貝を接着すると貝表面のみが表面にでている培養シートとなる。(実施例の図1参照)
接着剤の層の厚みとしては、20mm以下で有ることが好ましい。種貝として使用する貝殻の厚みは厚い部分で5〜15mm位であるため、貝殻の厚みに合わせた厚みで接着剤を塗布し貝を接着すると貝表面のみが表面にでている培養シートとなる。(実施例の図1参照)
(試験1)
カキ殻を切断し、0.25・1・4・9・16平方cmの面積(形状は、正方形)の切片とし、貝殻の表側を、プラスチック板(幅1cm、長さ8cm、厚さ0.2cm)に3枚連結するように、エポキシ樹脂により接着した。(図3参照)
比較例として、微粉末にした蠣殻をエポキシ樹脂に30%配合したものを、プラスチック板(16平方cm)に接着したものを製造した。
これらの培養用基材を用いて果胞子付けし、平面培養にて種貝を製造した。種貝の中に生育した糸状体の形成状態や殻胞子の形成量を調査した。
結果を表1に示す。
カキ殻を切断し、0.25・1・4・9・16平方cmの面積(形状は、正方形)の切片とし、貝殻の表側を、プラスチック板(幅1cm、長さ8cm、厚さ0.2cm)に3枚連結するように、エポキシ樹脂により接着した。(図3参照)
比較例として、微粉末にした蠣殻をエポキシ樹脂に30%配合したものを、プラスチック板(16平方cm)に接着したものを製造した。
これらの培養用基材を用いて果胞子付けし、平面培養にて種貝を製造した。種貝の中に生育した糸状体の形成状態や殻胞子の形成量を調査した。
結果を表1に示す。
(試験2)
図1(実施例5)・図2(実施例6)・図3(実施例7)に示す培養用基材を製造した。比較例として、紐で連結したカキ殻を用いた。これらの培養基材を用いて果胞子付けし、垂下培養にて種貝を製造した。
種貝の中に生育した糸状体の生育状態及び管理中の洗浄作業及上下交換の作業性を調査した。
結果を表2に示す。
図1(実施例5)・図2(実施例6)・図3(実施例7)に示す培養用基材を製造した。比較例として、紐で連結したカキ殻を用いた。これらの培養基材を用いて果胞子付けし、垂下培養にて種貝を製造した。
種貝の中に生育した糸状体の生育状態及び管理中の洗浄作業及上下交換の作業性を調査した。
結果を表2に示す。
1平方cm以上に切断した貝殻の2個以上を、プラスチック板上に接着することにより、糸状体の成長や胞子のうの形成も良好であり、かつ作業性(培養中の洗浄や上下交換作業)の良好な培養基材を提供することができる。切断して使用する方法により、従来使用できなかったカキ殻や他の貝殻も使用することができ、安定した海藻養殖用の培養用基材を提供することができる。
1:貝殻
2:接着剤
3:プラスチックプレート
4:切断用部分
2:接着剤
3:プラスチックプレート
4:切断用部分
Claims (5)
- 1平方cm以上に切断した貝殻を2個以上、プラスチック板に接着したことを特徴とする海藻養殖用の培養用基材。
- 0.1〜20mmの厚みのプラスチック板であることを特徴とする請求項1記載の海藻養殖用の培養用基材。
- 貝殻とプラスチック板を接着する接着剤が、シリコーン系接着剤・エポキシ系接着剤・ゴム系接着剤・酢酸ビニル系接着剤・アクリル系接着剤・ウレタン系接着剤・ホットメルト系接着剤・ポリビニルアルコール系接着剤・ユリア樹脂系接着剤・メラミン系接着剤・フェノール系接着剤・石膏から選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1〜2記載の海藻養殖用の培養用基材。
- 接着剤の層の厚さが、20mm以下であることを特徴とする請求項1〜3記載の海藻養殖用の培養用基材。
- 貝殻がカキ・ホタテ・ハマグリ・マテガイ・タイラギ等の二枚貝中の1種以上であることを特徴とする請求項1〜4記載の海藻養殖用の培養用基材。
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JP2003341574A JP2005102615A (ja) | 2003-09-30 | 2003-09-30 | 海藻養殖用の培養用基材 |
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---|---|---|---|---|
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CN110004139A (zh) * | 2019-05-10 | 2019-07-12 | 江苏瑞雪海洋科技股份有限公司 | 贝壳构件及其制备方法 |
CN112219713A (zh) * | 2020-10-28 | 2021-01-15 | 连云港东浦建筑工业化发展有限公司 | 一种装配式紫菜育苗基板及其使用方法 |
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WO2023113064A1 (ko) * | 2021-12-15 | 2023-06-22 | 대양에스씨 주식회사 | 김 패각 사상체가 구비된 김 양식 채묘봉투 |
-
2003
- 2003-09-30 JP JP2003341574A patent/JP2005102615A/ja active Pending
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