JP2005102521A - きのこの人工栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 菌床栽培において、培養基を確実に加熱殺菌することを可能とし、培養基を調製する際にカビ防止剤といった薬品を使用することなく、安全性の高い食品としてのきのこを提供可能とする。
【解決手段】 通気用のフィルタ14を備えた栽培袋10に培養基12を充填し、培養基の殺菌、種菌接種、培養、生育の各工程を経てきのこを収穫する菌床栽培によるきのこの栽培方法において、前記栽培袋10に培養基12をプレス成形することなく収納し、栽培袋に収納された培養基を加熱殺菌し、次いで、栽培袋10の袋口から栽培袋内に種菌を落とし込むようにして種菌を接種し、次に、栽培袋10の袋口をシールして栽培袋を密閉した後、前記フィルタ14から排気して栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形し、栽培袋とともにプレス成形された培養基を培養室に移し、培養、生育工程を経てきのこを収穫する。
【選択図】 図3

Description

本発明はきのこの人工栽培方法に関し、より詳細には椎茸等の栽培に利用される菌床栽培によるきのこの人工栽培方法に関する。
椎茸の人工栽培では、原木を用いる栽培方法の他に、鋸屑等を用いて調製した培養基を栽培袋に収納し菌床を形成してきのこを栽培する方法が広く行われている。この菌床栽培によるきのこの栽培は以下のような方法によって行われている。
まず、培養基を調製するため、鋸屑にコーン、米糠等の栄養材を加えて水分調整する。この培養基をプラスチック製の栽培袋に詰め、プレス機を用いて培養基を押圧して、ブロック状に培養基を成形する。プレス機で培養基を押し固めるようにするときに、種菌の接種穴を穴あけする。
図5は、栽培袋10に培養基12を詰めて、ブロック状に培養基12を成形した状態を示す。13が植菌穴、14が栽培袋10に取り付けられているフィルタである。
次に、培養基を殺菌する。ブロック状に培養基が成形された栽培袋は、袋口側をたたんでフィルタが上側となるように折り曲げ、栽培袋の折り曲げ端を粘着テープでブロック体の外側面に止めておく。こうして、ブロック状に形成された培養基を袋で密閉した状態で殺菌釜に入れ、常圧殺菌あるいは高圧殺菌によって一定時間殺菌する。殺菌が完了したら、栽培袋の口をひらき、培養基の上から種菌を投入し、栽培袋の口元を密封シールする。図6は、種菌を接種して栽培袋10の口元部分をシールした状態を示す。
こうして殺菌、種菌接種が完了して密閉された培養基12は培養室に移され、100日〜140日間程度培養される。菌糸は菌床中で伸長し、菌床からきのこの子実体が生長するようになる。子実体が一定の大きさまで生長したところできのこを収穫する。
なお、栽培袋10に取り付けられているフィルタ14は、培養工程において、栽培袋10の内外での通気をなすためのものであり、外部から栽培袋10の内部に雑菌等が侵入することを阻止するフィルタ機能を備えているものである。
特開平5−176632号公報
ところで、菌床栽培では、上述したように、常圧あるいは高圧殺菌によって培養基を殺菌し、殺菌後の培養基に種菌を接種するようにされるのであるが、従来方法では殺菌釜を使用して殺菌しても十分に培養基を殺菌することができないという問題がある。
これは、栽培袋に収納されている培養基が、プレス機によって加圧されて大きなブロック体状に形成されているため、培養基を加熱した際に培養基の芯部分にまで十分に熱が伝達せず、培養基の芯部分が十分な高温に加熱されないためと考えられる。また、培養基が空気を含んでいるため、培養基が100℃以上になりにくく、これによって十分に培養基が加熱されないという理由も考えられる。
このように、従来は、殺菌操作を行っても培養基が十分に殺菌されないため、培養工程時に培養基からカビが発生するという問題があった。
なお、培養工程で培養基からカビが発生する理由としては、殺菌工程で加熱された培養基が冷却する際に、外部から栽培袋に害菌を取り込んでしまうことも考えられる。殺菌工程では、栽培袋の袋口をたたんで、培養基の側面に袋の端部側を折り曲げ、袋口から空気が通流しにくくなるようにしているのであるが、培養基が加熱されると、袋内からは空気や水分が熱せられて袋口から外部に排出され、逆に培養基が冷却される際には栽培袋内の水蒸気が凝縮し、栽培袋の外部から袋内に外気が侵入する。
栽培袋にはフィルタが装着されており、培養基が加熱されたり冷却されたりして、栽培袋の内外で通気が生じる際にはフィルタを経由して通気させることいよって、栽培袋に害菌が侵入したりすることを防止できるのであるが、従来の栽培袋に装着されているフィルタは、害菌が栽培袋に侵入することを防止する防塵率が第一に考えられているもので、通気量を抑えたフィルタ材によって形成されている。したがって、培養基が加熱したり冷却したりする際の大きな通気を可能とするものではない。この結果、従来の殺菌工程では、栽培袋の口部を経由して通気することとなり、殺菌後の栽培袋の内部にカビなどの害菌が取り込まれることが生じている。
なお、フィルタとして通気量の大きな素材を使用し、培養基の殺菌工程で栽培袋の開口部を完全にシールして、培養基が加熱および冷却される際の栽培袋の内外の通気をフィルタを介しておこなうようにすることも可能であるが、この場合は種菌を接種する際に、栽培袋のシールを再度破って種菌を接種しなければならず、種菌接種操作が煩わしくなるという問題がある。
以上のように、従来の菌床栽培によるきのこの栽培方法では、培養工程で培養基からカビが発生することが多いことから、培養基を調製する段階でカビの発生を抑制する薬品を加えることがなされている。しかしながら、食品の安全性の観点から培養基にカビ防止剤を添加することは好ましいことではない。
そこで、本発明はこのような菌床栽培における従来の課題を解決すべくなされたものでり、その目的とするところは、椎茸栽培のような菌床栽培において、培養基を確実に加熱殺菌することを可能とし、これによって培養基を調製する際にカビ防止剤といった薬品を使用することなく、安全性の高い食品としてのきのこを提供可能とするきのこの栽培方法を提供するにある。
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、 通気用のフィルタを備えた栽培袋に培養基を充填し、培養基の殺菌、種菌接種、培養、生育の各工程を経てきのこを収穫する菌床栽培によるきのこの栽培方法において、前記栽培袋に培養基を収納し、培養基をプレス成形することなく栽培袋に収納した状態で、培養基を加熱殺菌し、次いで、栽培袋の袋口から栽培袋内に種菌を接種し、次に、栽培袋の袋口をシールして栽培袋を密閉した後、前記フィルタから排気して栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形し、培養、生育工程を経てきのこを収穫することを特徴とする。
また、通気用のフィルタを備えた栽培袋に培養基を充填し、培養基の殺菌、種菌接種、培養、生育の各工程を経てきのこを収穫する菌床栽培によるきのこの栽培方法において、前記栽培袋に培養基を収納し、培養基をプレス成形することなく前記栽培袋の袋口をシールして、培養基を加熱殺菌し、次いで、栽培袋の外部から接種針を用いて栽培袋内の培養基に液体種菌を接種し、次に、前記フィルタから排気して栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形し、培養、生育工程を経てきのこを収穫することを特徴とする。この場合には、栽培袋に培養基を密閉した状態で加熱殺菌を行うから、栽培袋に外部から害菌が侵入することを好適に防止できる。
また、前記栽培袋に収納された培養基を加熱殺菌する際に、栽培袋をたいらにひろげた状態で加熱殺菌することを特徴とする。栽培袋をプレス成形せず、たいらにひろげた状態で加熱殺菌することで、培養基の芯部分まで効果的に殺菌できる。
また、前記栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形する際に、前記フィルタを上側にして、前記培養基が収納された栽培袋を箱状に形成されたプレス容器に入れ、栽培袋の上方から押圧板によって栽培袋を押圧し、フィルタから排気して栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形することを特徴とする。
本発明に係るきのこの栽培方法においては、栽培袋に培養基を収納した際に培養基をプレス成形しない状態で加熱殺菌し、培養基に種菌を接種した後に栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形するようにしているから、殺菌工程で培養基の全体を確実にかつ効率的に殺菌することができ、培養基に雑菌が侵入して培養工程で培養基からカビが発生するといったことを確実に防止することが可能になる。これによって、培養基にカビ防止用の薬品を添加したりする必要がなくなり、菌床栽培によるきのこの栽培において、安全でかつ安定的にきのこを栽培することが可能になる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面とともに詳細に説明する。
(培養基の調製)
培養基を調製する方法は、従来方法と基本的に変わらない。すなわち、鋸屑にコーン、米糠等の栄養材を加えて撹拌するとともに、水を加え水分量を調整して培養基とする。培養基に使用する鋸屑、米糠等の材料は菌床栽培によるきのこ栽培において従来使用している材料と変わるものではなく、培養基の調製方法も変わるものではない。
培養基を調製する方法において従来と異なる点は、本実施形態においては培養基に防かび剤をまったく使用しないことである。
本実施形態の培養基に防かび剤を使用せずにきのこを栽培することが可能となるのは、、以下に説明するように、培養基を殺菌する工程から培養基に種菌を接種するまでの工程を従来とは異なる方法によっているからである。すなわち、本実施形態では、殺菌工程においては培養基の芯部分まで十分に加熱されるようにすることによって培養基全体を確実に殺菌可能にするとともに、殺菌後に外部から栽培袋に害菌が侵入しないようにし、また種菌を接種した状態で培養基内で種菌が培養されやすい状態にすることを可能にしている。
(培養基の袋詰め工程)
所定の水分量に調整された培養基は栽培袋に投入するが、本実施形態においては培養基に所定量の培養基を充填した状態で、培養基をプレスせず栽培袋に投入したままの状態にする。すなわち、従来の栽培工程では栽培袋に培養基を充填した後、プレス機を用いて培養基をブロック状にプレスするが、本実施形態では、培養基を栽培袋に投入したままの状態で、培養基をプレス成形せずに殺菌工程へ進めることが特徴である。
図1(a)は栽培袋10に培養基12を投入した状態を示す。栽培袋10は従来使用している栽培袋と同じもので、栽培袋10に培養基12を投入した状態では培養基12は栽培袋10の口元側まで充填される。培養基12の充填量は、培養基の容積を計量する方法あるいは重量を計量する方法によって調節することができる。本実施形態のように、培養基12をプレス成形せず、栽培袋10に単に培養基12を投入する方法であれば、簡単に栽培袋10に培養基12を充填することができ、作業は簡単である。
図1(a)の状態で培養基12を栽培袋10の底側に落とし込むようにすることももちろん可能であるが、本実施形態では、栽培袋10に培養基12を投入した後、図1(b)に示すように、栽培袋10の口元部分を折り曲げて培養基12を平らに薄く広げた状態で殺菌する。図1(c)は、培養基12が収容された栽培袋10をケース20内に並べて殺菌釜に収納する状態を示す。
図1(b)に示すように、栽培袋10の袋口10aを袋の下側に折り曲げ、フィルタ14を上向きにして、袋を互いに接するようにしてケース20に収納すると、培養基12の自重と栽培袋10が互いに詰め合わされていることによって、袋口10aが密閉された状態になり、袋口10aから通気されることが抑制されて栽培袋10の内外の通気はフィルタ14を経由してなされるようになる。なお、栽培袋10の下側に折り曲げた袋口10aの縁部を粘着テープで栽培袋10の外面に粘着しておいてもよい。
前述したように、フィルタ14が防塵率が高く通気を抑えた素材からなる場合には、殺菌工程で培養基12が加熱されたり冷却されたりする場合の栽培袋10の内外の通気をフィルタ14のみを介して行うことができないから、本実施形態のようにフィルタ14のみを介して通気を可能にするには、フィルタ14として所要の通気量を有するものを使用する必要がある。
(殺菌工程)
培養基12を殺菌する工程では、図1(c)に示すように、培養基12をたいらにひろげた状態で殺菌釜に培養基12を収納し、常圧殺菌によって培養基を殺菌する。
本実施形態では、培養基12を栽培袋10内でたいらに広げた状態で殺菌するから、ブロック状にプレス成形した状態で殺菌する従来方法にくらべて、培養基12の内部まで確実に加熱することができ、培養基12の全体をまんべんなく殺菌することが可能となる。この方法によれば、高圧殺菌によらず常圧殺菌によって培養基12を殺菌することが可能であり、殺菌時間を従来にくらべて短縮することができ、作業効率を向上させることができる。
また、培養基12を加熱殺菌した後、培養基12が冷却される際には栽培袋10の内部で培養基12が収縮して栽培袋10の内部に外気が進入するようになるが、栽培袋10の袋口は閉止された状態になって外気が通流できないから、外気はフィルタ14のみから栽培袋10に進入し、殺菌後の栽培袋10の内部に外部から害菌が進入することが防止される。
こうして、本実施形態の殺菌工程によれば、培養基12が確実に殺菌されるとともに、殺菌後に雑菌が栽培袋10の外部から栽培袋10に侵入することを確実に防止することが可能になる。
(種菌接種工程)
図2は、培養基12に種菌を接種する方法を示す。種菌を接種する際には、図2(a)に示すように、栽培袋10の袋口10aを開き、袋口10aの上方から栽培袋10の内部に種菌22を落とし込むようにして接種する。種菌を接種する際には、接種室を殺菌して、雑菌が栽培袋10に侵入しないようにして作業する。
図2(a)の状態で、培養基12はプレス成形されていない状態で栽培袋10に収納されているから、栽培袋10の袋口10aから栽培袋10に種菌22を落下させることによって種菌22は培養基12と混じりやすく、培養基12の内部にまで種菌22が達するようになる。このように栽培袋10に培養基12を投入したままの状態で種菌22を接種する方法の場合は従来のような種菌接種穴をあけたりすることなく種菌22を接種することができ、培養基12の内部で種菌を効率的に培養することが可能となる。種菌は大鋸屑種菌のかわりに液体種菌を使用することもできる。
図2(b)は、種菌を接種した後、栽培袋10の開口部をシールした状態を示す。24が栽培袋10をシールしたシール部である。栽培袋10の開口部をシールすることによって、栽培袋10の内外の通気はフィルタ14のみを介してなされることになり、栽培袋10に雑菌が侵入することが防止されて好適な培養が可能となる。
なお、本実施形態においては、培養基を袋詰めした後、種菌接種工程までは栽培袋10の袋口をシールせず、種菌を接種した後に栽培袋10をシールしている。殺菌工程等において外部から雑菌等が栽培袋に侵入することを完全に防止する方法として、栽培袋10に培養基を充填した後、栽培袋10の袋口をシールして殺菌するようにすることも可能である。この場合、従来は、種菌接種工程で栽培袋10をいったん開口して種菌を接種するようにしていが、本実施形態では、液体種菌を使用して、培養基を栽培袋に密閉して充填した状態で、栽培袋の外部から接種針を栽培袋10に突き通して培養基12に種菌を接種する。培養基はプレス成形されていない状態であるから、液体種菌は培養基と容易に混じり合って、問題なく種菌を接種することができる。栽培袋10の接種針を刺した部位には粘着テープを貼って封止しておけばよい。
(プレス成形工程)
図2(b)に示すように培養基12に種菌22を接種して栽培袋10を密封した状態で種菌を培養することも可能であるが、菌糸体を培養基内で十分に培養させ、菌床を長持ちさせてきのこを効率的に発生させるためには、培養基12をプレスして塊状とするのがよい。したがって、図2(b)に示すように栽培袋10を密封した状態から、次に、栽培袋10とともに培養基12をブロック状にプレス成形する。
図3は、栽培袋10とともに培養基12をブロック状にプレス成形する方法を示す。図4は培養基12をプレス成形するためのプレス装置を示す。培養基12をプレス成形する際には、図3に示すように、箱状に形成されたプレス容器30に培養基12が収納された栽培袋10を入れ、フィルタ14が上位置となるように栽培袋10の上部側(シール部がある側)を折りたたみ、押圧板32によって栽培袋10を上側から押圧して培養基をブロック状に成形する。押圧板32にはエア抜きのための貫通孔34が多数個設けられているものを使用する。栽培袋10に残っている空気はフィルタ14から排気されるから、押圧板32によって栽培袋10を押圧する際にはゆっくりと押圧板32で栽培袋10を押さえ、徐々にフィルタ14から栽培袋内のエアを抜きながら培養基をブロック状に成形する。
図4はプレス装置を側面方向から見た状態を示す。プレス容器30の上方に押圧板32が配置され、押圧板32は駆動装置36によって昇降駆動される。38は押圧板32を昇降移動させる際のガイドシャフトである。本実施形態のプレス装置では、培養基12が密閉されて収納された栽培袋10をプレス容器30に収納して押圧板32で押圧して培養基12をブロック状に成形するから、培養基12を成形する際には多少、時間はかかるが、植菌穴をあけたりする必要がなく、培養基12は容易に成形できる。
(培養・生育工程)
図3に示すようにしてブロック状に成形した培養基12を培養室に移して培養させる。培養基12は栽培袋10に収納され、フィルタ14を介して栽培袋10の内外で通気することによって、雑菌に侵されることなく好適な培養がなされる。
とくに本実施形態の栽培方法によれば、培養基12の芯部分まで完全に殺菌されているから、培養基12に防かび剤等の薬品を添加する必要がまったくなく、培養期間が長期間にわたる場合でも培養基12にかびが発生したりすることがない。
培養工程後、通常の生育工程で子実体を発生させ、きのこを収穫する。本実施形態の栽培方法によれば、培養基に薬品を添加したりすることなくきのこを栽培することができることから、きわめて安全性の高いきのこを収穫することが可能になる。
また、きのこの子実体はブロック状に形成した菌床から発生し、菌床内で菌糸体が十分に培養されることから、従来の栽培方法による場合と同等の品質のきのこを収穫することができ、従来と同等もしくは従来以上の収量を得ることができる。
また、本実施形態のきのこの栽培方法は、従来の栽培袋を用いた菌床栽培による栽培方法とくらべて作業性が劣ることがなく、作業効率の点においても問題となることがない。とくに、本方法による場合は、培養基の全体を確実に殺菌することができ、培養基の内部にまで種菌を接種できることから、良品のきのこを安定して確実に栽培することができるという大きな利点がある。
なお、本実施形態のきのこの栽培方法においては、栽培袋10に取り付けるフィルタ14として相当程度の通気量が確保できるものを使用することが前提となっている。フィルタ14の通気量は通気抵抗の指数(R)として示される。すなわち、通気量をV(m3/m2.S)、指数をR(Pa・S/m)、圧力差をΔP(Pa)とすると、V=ΔP/Rの関係がある。したがって、指数値が小さいほど通気量が大きくなる。きのこの栽培袋に使用されているフィルタ材として、通気量が大きなものとしては、R=0.15〜0.67程度のものがある。本実施形態のきのこの栽培方法に利用できるフィルタ材として、これらのR=0.15〜0.67程度の通気量を有するものは十分に利用することができた。なお、フィルタ14の通気量がやや劣るものについては、一つの栽培袋にフィルタ14を複数個取り付けるといった方法で通気量を増やすことが可能である。
フィルタ14として通気量が大きなものを使用した場合には、雑菌の抑制作用が劣化する可能性があるから、通気量を大きくして、なおかつ雑菌の通過を抑止する機能を付与したフィルタは、本実施形態のきのこの栽培にとくに好適に利用することができる。このような機能を備えたフィルタとしては、ポリエチレン・テレフタレート50%(容積比)、ポリプロピレン50%(容積比)の分割型複合繊維の不織布によって形成したフィルタがある。このフィルタ材は通気性にすぐれるとともに、フィルタの厚さを厚く(2mm程度)することによって、フィルタに進入した雑菌が繊維中を進む間に、繊維自体の静電気によって補足されるという雑菌の侵入を抑止する作用を有している。また、フィルタ自体に滅菌作用を付与する方法として、分割型複合繊維に銀を担持する方法等を利用することもできる。
栽培袋に培養基を充填して殺菌する状態を示す説明図である。 培養基に種菌を接種する方法を示す説明図である。 培養基をプレス成形する方法を示す説明図である。 プレス装置の例を示す説明図である。 従来のきのこの栽培方法において、培養基をプレス成形した状態を示す説明図である。 従来のきのこの栽培方法において、培養基を密封した状態を示す説明図である。
符号の説明
10 栽培袋
10a 袋口
12 培養基
14 フィルタ
20 ケース
22 種菌
30 プレス容器
32 押圧板
34 貫通孔

Claims (4)

  1. 通気用のフィルタを備えた栽培袋に培養基を充填し、培養基の殺菌、種菌接種、培養、生育の各工程を経てきのこを収穫する菌床栽培によるきのこの栽培方法において、
    前記栽培袋に培養基を収納し、
    培養基をプレス成形することなく栽培袋に収納した状態で、培養基を加熱殺菌し、
    次いで、栽培袋の袋口から栽培袋内に種菌を接種し、
    次に、栽培袋の袋口をシールして栽培袋を密閉した後、前記フィルタから排気して栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形し、
    培養、生育工程を経てきのこを収穫することを特徴とするきのこの栽培方法。
  2. 通気用のフィルタを備えた栽培袋に培養基を充填し、培養基の殺菌、種菌接種、培養、生育の各工程を経てきのこを収穫する菌床栽培によるきのこの栽培方法において、
    前記栽培袋に培養基を収納し、
    培養基をプレス成形することなく前記栽培袋の袋口をシールして、培養基を加熱殺菌し、
    次いで、栽培袋の外部から接種針を用いて栽培袋内の培養基に液体種菌を接種し、
    次に、前記フィルタから排気して栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形し、
    培養、生育工程を経てきのこを収穫することを特徴とするきのこの栽培方法。
  3. 栽培袋に収納された培養基を加熱殺菌する際に、栽培袋をたいらにひろげた状態で加熱殺菌することを特徴とする請求項1または2記載のきのこの栽培方法。
  4. 栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形する際に、前記フィルタを上側にして、前記培養基が収納された栽培袋を箱状に形成されたプレス容器に入れ、
    栽培袋の上方から押圧板によって栽培袋を押圧し、フィルタから排気して栽培袋とともに培養基をブロック状にプレス成形することを特徴とする請求項1または2記載のきのこの栽培方法。
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