JP2005102354A - アクチュエータ、光量調整装置、アクチュエータの製造方法 - Google Patents

アクチュエータ、光量調整装置、アクチュエータの製造方法 Download PDF

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博通 坂野
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Abstract

【課題】部品点数少なく構造簡単で製作及び組立て容易なアクチュエータ等を提供。
【解決手段】本アクチュエータ100は、側壁(対向する二側壁)にロータ組み込み用の開口部(OP1,OP2)を有し、上記側壁と直交する他の側壁(対向する二側壁)にロータ軸支用の軸受け部(111,112)が設けられたケース110と、このケース110の内部に前記開口部(OP1,OP2)から組み込まれる永久磁石で形成されたロータ120と、このロータ120を駆動制御するステ−タ130とを備え、前記ケース110は、通常の状態では前記ロータ120の組み込みを阻止するように狭く設定された前記軸受け部(111,112)を含む内部のスラスト方向寸法H1が、外力が加わることによって前記ロータ120の組み込みを許容する寸法H2となるように弾性変形する如く設けられていることを主たる特徴としている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、デジタルカメラにおける光量調整装置のような小型装置を駆動制御するためのアクチュエータ、このアクチュエータを光量調整部材駆動用の駆動源として用いた光量調整装置、及び上記アクチュエータの製造方法に関する。
従来のこの種のアクチュエータとして、ケース内に収容されるロータの両端を、第1、第2の軸受けで軸支する構造の駆動装置は公知である(特許文献1参照)。なお上記第1、第2の軸受けは、ステ−タヨークのストレート部及びフック部を介して一体化されるものとなっている。
上記のような構造のロータと軸受けの代表的な組立て方法としては、ロータをケースに組み込んでから、ケースに対して別設の軸受け部品を組み付ける方法、二分割ケースを用い、各ケース部材に軸受け部品を予め組み付けておき、ロータを組み込んでから、二つのケースを結合する方法等がある。
特開2003−52162号公報
特許文献1に示された駆動装置は、第1、第2の軸受けをケースに組み付けるものであるため、組立て方法の如何に拘らず、第1、第2の軸受け間の精度を確保することが困難である。また部品点数が多く、構造も複雑である。このため製作および組立てに長い時間を要する。
本発明の目的は、部品点数が少なく、構造が簡単であり、製作および組立てが容易なアクチュエータ、このアクチュエータを備えた光量調整装置、及び上記アクチュエータの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のアクチュエータは、下記のような特徴ある構成を有している。なお下記以外の本発明の特徴ある構成については実施形態の中で明らかにする。
本発明のアクチュエータは、側壁にロータ組み込み用の開口部を有し、上記側壁と異なる他の側壁にロータ軸支用の軸受け部が設けられたケースと、このケースの内部に前記開口部から組み込まれる永久磁石で形成されたロータと、このロータを駆動制御するステ−タとを備え、
前記ケースは、通常の状態では前記ロータの組み込みを阻止するように狭く設定された前記軸受け部を含む内部のスラスト方向寸法が、外力が加わることによって前記ロータの組み込みを許容する寸法となるように弾性変形する如く設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、軸受け部が一体的に設けられた単一のケース内に、当該ケースを変形させてロータを組み込み得るように構成したので、部品点数が少なく、構造が簡単で、製作および組立てが容易なアクチュエータ、このアクチュエータを備えた光量調整装置、及び上記アクチュエータの製造方法を提供できる。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るアクチュエータで駆動される光量調整装置を備えたデジタルカメラにおける光学ユニットOUの構成を示す分解斜視図である。図2は上記光学ユニットOUに組み込まれている光学系OSを示す断面図である。また図3は上記光学ユニットOUに組み込まれている光量調整装置、すなわち絞り・シャッタユニットSUを絞りシャッタ部30とアクチュエータ部(40,50)とに分離して示す斜視図である。
図1に示す光学ユニットOUは、主フレーム10に、光学系、絞り・シャッタユニット等が組み付けられたものとなっている。
すなわち主フレーム10の図中上方には光学系OSの第1の固定鏡枠部21が取り付けられている。主フレーム10の図中下方には光学系OSの第2の固定鏡枠部22が取り付けられている。第2の固定鏡枠部22の後部には、撮像素子26が配置されている。
第1の固定鏡枠部21は、プリズムL1等を保持する。また第2の固定鏡枠部22は、後述するレンズL9等を保持する。これら第1の固定鏡枠部21と第2の固定鏡枠部22との間には、図中左方に示す三つの移動鏡枠(第1の移動鏡枠23、第2の移動鏡枠24、第3の移動鏡枠25)が配置される。
ズーム用モータユニット27は、プリズムL1の反射面裏側を保持する第1の固定鏡枠部21の傾斜面と主フレーム10の一部とで形成される略三角柱形状の空間部内に配置される。このズーム用モータユニット27の減速ギヤ列27aはズーム用シャフトカム28のギヤ28aに噛合する。
ズーム用シャフトカム28は、第1の固定鏡枠部21に保持されるプリズムL1の近傍に、その中心軸が主フレーム10の長手方向すなわち第2光軸O2に平行な向きとなるように配置される。このズーム用シャフトカム28によって、第1の移動鏡枠23、第2の移動鏡枠24を含むズーム光学系が駆動制御される。
絞り・シャッタユニットSUは、光学系OSの通過光量を調整するためのものであり、光量規制用の絞り及びシャッタを備えた絞り・シャッタ部30と、この絞り・シャッタ部30の絞り及びシャッタをそれぞれ機械的に駆動するアクチュエータ部(40,50)とを備えている。絞り・シャッタ部30は第1の移動鏡枠23と第2の移動鏡枠24との間に配置される。二つのアクチュエータ40及び50は、前記ズーム用シャフトカム28の下方に配置される。絞り・シャッタユニットSUにおける二つのアクチュエータ40及び50の具体的な構造については後で詳しくは説明する。
図2に示す光学系OSは、所謂折り曲げ光学系であって、図中上方右側から第1の光軸O1に沿って入射した被写体からの光を、プリズムL1で反射して図中下方に折り曲げて第2の光軸O2に沿って出射する如く構成されている。
第1の固定鏡枠部21は、プリズムL1、レンズL2からなる第1の固定レンズ部21Fを保持している。第2の固定鏡枠部22は、レンズL9からなる第2の固定レンズ部22Fを保持している。第1の移動鏡枠23はレンズL3及びレンズL4からなる第1の移動レンズ部23Vを保持している。第2の移動鏡枠24は、レンズL5、レンズL6及びレンズL7からなる第2の移動レンズ部24Vを保持している。第3の移動鏡枠25は、レンズL8からなる第3の移動レンズ部25Vを保持している。
なお第1の移動鏡枠23、第2の移動鏡枠24、第3の移動鏡枠25は、前記第2の光軸O2に沿ってそれぞれ独立に移動可能な如く保持されている。
前記第1の移動レンズ部23V及び第2の移動レンズ部24Vは、光学系OSの第2の光軸O2に沿って撮像素子26に入射する被写体からの光束の焦点距離を変化させるために設けられている。換言すれば、第1の移動レンズ部23Vを保持する第1の移動鏡枠23、及び第2の移動レンズ部24Vを保持する第2の移動鏡枠24は、光学系OSのズーム比調節用のための移動鏡枠である。
また、第3の移動レンズ部25Vは、上記第2の光軸O2上の光束が、撮像素子26上に結像する焦点調節のために設けられている。換言すれば、この第3の移動レンズ部25Vを保持する第3の移動鏡枠25は、第2の光軸O2方向に移動自在な合焦用の移動鏡枠である。
かくして図中上方右側から第1の光軸O1に沿って入射した被写体からの光は、第1の固定レンズ部21FのプリズムL1で反射されて図中下方に折り曲げられる。折り曲げられた光束は、レンズL2をとおり第2の光軸O2に沿って出射される。この光束は第1の移動レンズ部23V、第2の移動レンズ部24V、第3の移動レンズ部25V、第2の固定レンズ部22Fを通過したのち、撮像素子26の受光面上に結像する。
図3に示すように、絞り・シャッタユニットSUのアクチュエータ40及び50は、それぞれ外殻がほぼ正方形を成し、一面(図3では下面)が取付け板60に固定されている。この取付け板60は主フレーム10に結合固定される。
絞り駆動用のアクチュエータ40は、その側面の開口部41から他方のアクチュエータ50の側面に沿って延設された長いアーム42を所定角度範囲で回動させる。長いアーム42の先端には、絞り・シャッタ部30の絞り機構と係合するピン状の係合部43が突設されている。この長いアーム42の根元部分には溝が切り込まれおり、この溝に二股バネ70の一方の端部が係合している。二股バネ70の他方の端部は、取付け板60に設けられているバネ止め孔61で係止されている。上記二股バネ70の開き付勢力により、長いアーム42は常に図の下から上方向に、つまり矢印a方向から見て反時計回り方向に回動力を付与されている。長いアーム42が図中上方に回動した位置は、ピン状の係合部43と係合する絞り機構の光学フィルタ(不図示)を光路から退避させる位置である。
シャッタ駆動用のアクチュエータ50は、その側面の開口部51から外部に出て前記長いアーム42に並行して設けられた短いアーム52を所定角度範囲で回動させる。この短いアーム52の先端には、絞り・シャッタ部30のシャッタ開閉機構と係合するピン状の係合部53が突設されている。図3には、短いアーム52が上方から下方に、つまり矢印a方向から見て時計回り方向に回動して停止している状態が示されている。この位置は、ピン状の係合部53が係合するシャッタ開閉機構のシャッタを光路から退避させる位置である。
絞り・シャッタ部30は、特には図示してないが、第2の光軸O2における光路を開閉するシャッタと、そのシャッタ開閉機構と、撮像面への光量を制御する光学フィルタ(NDフィルタ)と、その光学フィルタを光路に対し進退させる機構とを備えている。
絞り・シャッタ部30は、前記アクチュエータ部(40,50)の取付け板60に取り付けられる。この状態になると、絞り・シャッタ部30の絞り機構の駆動部は、長いアーム42の係合部43と係合する。また絞り・シャッタ部30のシャッタ開閉機構の駆動部は、短いアーム52の係合部53と係合する。
絞り・シャッタユニットSUが、取付け板60を介して主フレーム10に組み付けられたとき、絞り・シャッタ部30は、第1の移動レンズ部23Vと第2の移動レンズ部24Vとの間、すなわち図2に示した絞り位置29に配置される。
絞り駆動用のアクチュエータ40に電圧が印加されると、長いアーム42は二股バネ70の付勢力に抗して下方向に回動する。これに連動して、絞り・シャッタ部30のフィルタ機構は光学フィルタを光路内に進入させる。上記電圧の印加が停止されると、長いアーム42は二股バネ70の付勢力により上方向に回動して図示状態となる。これに連動してフィルタ機構は光学フィルタを光路外に退出させる。
シャッタ駆動用のアクチュエータ50にシャッタが閉じる方向の電圧が印加されると、短いアーム52は上方向に回動する。そして上記電圧の印加が停止されるとその状態が保持される。これにより、短いアーム52に連動する絞り・シャッタ部30のシャッタ開閉機構は、シャッタを閉じて光路を遮断しその状態を維持する。
他方、シャッタ駆動用のアクチュエータ50にシャッタが開く方向の電圧が印加されると、短いアーム52は上方向に回動して図示状態となる。上記電圧の印加が停止されるとその状態が保持される。これにより、短いアーム52に連動する絞り・シャッタ部30のシャッタ開閉機構は、シャッタを開いて光路を開放しその状態を維持する。
次に図4以下を用いて、絞り駆動用のアクチュエータ40,シャッタ駆動用アクチュエータ50の内部に格納されている同一構造を有するアクチュエータについて詳しく説明する。
図4、図5は上記同一構造を有するアクチュエータ100の概要を説明するための概略斜視図である。また図6はアクチュエータ100の具体的な構成を示す図で、(a)は右半面を切断して示す上面図であり、(b)は同じく右半面を切断して示す側面図である。更に図7はケース110の具体的な構成を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)の7c−7c線矢視断面図である。
図4〜図7に示すケース110は、軸受けに適するように摩擦係数が小さく、且つ弾性変形可能な材質、例えばポリアセタールなどで一体形成されている。ケース110の前後に対向する二側壁は開放され、ロータ組み込み用の開口部OP1,OP2となっている。ケース110の上部内側のコーナー部にはケース110が弾性変形しやすいように円弧溝状RC1,RC2が形成され、薄肉部となっている。
ケース110の上下に対向する二側壁113,114のうち上側壁113には、ロータ軸支用の軸受け部111が一体成形により設けられている。この軸受け部111は後述するロータ120の一端を軸支する本発明の第1の軸受け部111を構成している。また上下二側壁113.114のうち下側壁114には径の異なる大小二つの円孔が二段に重なった態様の軸受け部材取付け孔112Aが形成されている。この取付け孔112Aには別設の軸受け部材112Bが圧入固定される。上記取付け孔112Aとこの取付け孔112Aに圧入される軸受け部材112Bとは、ロータ120が組み込まれた後にケース110に取り付けられて、前記ロータ120を回転支持すると共に、その他端をスラスト方向に軸支する本発明の第2の軸受け部112を構成している。前記下側壁114には、前記軸受け部材取付け孔112Aの一端を前部開口部OP1につなげる連絡溝114Gが設けられている。この連絡溝114Gは後述するロータ組み込み時における回転軸121の逃げ溝として、また弾性変形を容易化するための切り込み部として働く。
前記ケース110は、通常の状態では軸受け部111を含む内部のスラスト方向寸法H1が前記ロータ120の組み込みを阻止するように狭く設定されている。しかるにケース両側壁115,116に矢印M,Nで示す方向から圧縮力が加えられると、前記軸受け部111が設けられた上側壁113は、外側に膨出するように屈曲し、ロータ120の組み込みを許容する寸法H2となるように弾性変形する。
ケース110の前記開口部OP1,OP2が形成されている面の一部には、位置決め用のピン117P,117Q及び118P,118Qがそれぞれ突設されている。
ロータ120は、回転軸121に、永久磁石からなるロータ本体122を固定し、さらに対象物(絞り機構やシャッタ機構など)を駆動する駆動レバー123を取り付けたものである。このロータ120は後で詳しく述べるように、ケース110を図4及び図7に破線で示すように弾性変形させながら前記開口部OP1又はOP2を通してケース110の内部に収容される。そして第1の軸受け部111及び第2の軸受け部材112により回転自在に軸支される。
前記開口部OP1、OP2は、前記軸受け部111,112によって軸支される前記ロータ120の回転軸121を挟んで対称な二つの位置に形成されている。
ステ−タ130は上記ロータ120を駆動制御するものである。このステータ130は一対のステ−タヨーク131,132を備えている。一対のステ−タヨーク131,132の各一端部には前記ロータ120に対し磁界を与えるための複数枚の積層コアからなる円弧状磁極部131a,132aが設けられている。また一対のステ−タヨーク131,132の各他端には、ロータ120の回転軸121と直交する方向に曲げ加工された磁気結合用のストレート部片131b,132bが設けられている。更にステ−タヨーク131,132の各中間部には連結部片131c,132cが設けられている。各連結部片131c,132cの略中央部位には、前記ケース110に形成された位置決めピン117P,117Q及び118P,118Qに対してそれぞれ係合する位置決め孔131P,131Q及び132P,132Qがそれぞれ設けられている。ステータヨーク131,132を前記ケース110に取り付けるに際しては、位置決めピン117P,117Qに対して位置決め孔131P,131Qを係合させると共に、位置決めピン118P,118Qに対して位置決め孔132P,132Qを係合させる。こうすることにより、ステ−タヨーク131,132の磁極部131a,132aは、前記ケース開口部OP1,OP2から予めケース110内に組み込まれた前記ロータ120におけるロータ本体122の外周面に対し、所定の間隙を隔てて近接配置される。またステータヨーク131,132の磁気結合用のストレート部片131b、132bは、前記ケース110の外で前記ロータ120の回転中心の延長線上で重なり合うように配置される。上記重なりあった磁気結合用のストレート部片131b、132bの外周には、励磁用のコイル装置133が巻装される。このコイル装置133はボビン133cにコイルを巻回したものであり、その中空部133aが磁気結合用のストレート部片131b、132bと嵌合する。
次にロータ120をケース110の内部に挿入する手順を、図8を参照して説明する。図8の(a)−1、(a)−2は、外力を与えない状態でのケース110とロータ120との寸法比較を示す正面図及び側断面図である。図に示すように、このままの状態では寸法上、ケース110の内部にロータ120を挿入することはできない。
そこでケース110内にロータ120を組み込むに際しては、図8の(b)−1、(b)−2に示すように、ケース110の左右両側壁115,116に矢印M、Nで示す方向から外力を与えることにより、ケース110の上側壁113が上方へ屈曲するように弾性変形させる。このように弾性変形させた状態で、ロータ120をケース110の開口部OP1又はOP2から挿入する。そして、ケース110に設けられている第1の軸受け部111に、ロータ120の回転軸121の一端部を挿入し、ケース110の内部にロータ120を配置する。このとき、仮にケース110の弾性変形量が比較的小さい場合でも、ケース110の下側壁114には連絡溝114Gが形成されているため、回転軸121の下端部はケース下側壁114に引っ掛かることなく、スムーズにケース110の中心部まで導入される。このようにして、ロータ120をケース110内に挿入した後、ケース110の下面から軸受け部材112Bをケース110の取り付け孔112Aに対して圧入し回転軸121の下端部に嵌め込む。こうすることにより、図8の(c)−1、(c)−2に示すように、ロータ120はケース110内に回転自在に配置される。
次いでステータ130をケース110の内部に挿入する手順を、図9を参照して説明する。ロータ120を既に組み込まれているケース110の開口部OP1.OP2から、ステータヨーク131,132の各磁極部131a,132aを挿入する。同時にステータヨーク131,132の各磁気結合用のストレート部片131b,132bをコイル装置133の中空部133aの中に重なり合うように挿入する。このとき、ステータヨーク131の一対の位置決め孔131P,131Qをケース110の位置決めピン117P,117Qにそれぞれ係合させると共に、ステータヨーク132の各位置決め孔132P,132Qをケース110の位置決めピン118P,118Qにそれぞれ係合させる。かくしてロータ120とステータヨーク131,132とは極めて高精度に位置決めされる。
上記のように、本実施形態においては、ケース110を弾性変形させてロータ120を組み込み、その後、ケース110に一対のステータヨーク131,132を位置決め部材を介して位置決め固定し、かつコイル装置133を装着することで組み付けることができる。かくしてアクチュエータ100をコンパクトに形成でき装置の小型化に寄与し得る。またケース110を基準にしてロータ120とステータヨーク131,132の位置決めを行うものであるため、ロータ120と磁極部131a,132aとのギャップを精度良く確保でき、トルク効率が向上する。更に部品点数も削減できるため、コスト低減にも寄与する。また、ケース110内部でステータヨーク131,132を位置決め固定するためケース自体の剛性が向上する利点もある。
なお弾性変形は完全な弾性変形でなくても良く、局部的に塑性変形を伴っていても良い。要するに、ケース110の形状を変形させやすく、外力を解除したのち概ね元の状態に戻り得る程度の可撓性を有するものであれば良い。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態を示す要部平面図である。この第2実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、ステータヨーク131,132の位置決め部として、ケース110の側壁内面に磁極部131a,132aの先端が当接する当接部139a、139bを設けた点である。
本実施形態によれば、ステータヨーク131,132の各磁極部131a,132aの先端が、ケース110の側壁内面に設けた当接部139a、139bによって位置決めされるため、ロータ本体122の外周面とステータヨーク磁極部131a,132aとの間の位置関係をより高精度に設定することができる。
(第3実施形態)
図11の(a)−1、(a)−2及び(b)−1、(b)−2は、本発明の第3実施形態の構成を示す図で、(a)−1、(a)−2はロータ挿入時の正面図と側断面図、(b)−1、(b)−2はロータ挿入後の正面図と側断面図である。この第3実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、第1の軸受け部111及び第2の軸受け部112の双方とも、上下両側壁113、114に一体成形で形成され、ロータ120の挿入時において、上下両側壁113、114がともに外側に屈曲するように弾性変形する如く設けられた点である。
本実施形態によれば、第1実施形態の構成よりケース110に対するロータ120の位置精度を更に向上させることができる。
(第4実施形態)
図12の(a)(b)は、本発明の第4実施形態の構成(二例)を示す正面図である。この第4実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、第1の軸受け部111及び第2の軸受け部112が設けられたケース110の上下両側壁113,114の外側両端部に、肉厚が局所的に凹部を設けることにより、薄肉部113a,113b及び114a,114bをそれぞれ形成した点である。
本実施形態によれば、ケース110の四隅が薄肉となって、ケース110の弾性変形がしやすいものとなる。このためロータ120の組み込み操作が容易となり、組み付け作業の能率を向上できる。
(変形例)
前記実施形態では、光量調整装置SUに用いられるアクチュエータ100を例示したが、光量調整装置用だけでなく、各種の小型装置のアクチュエータとして広く適用可能であるのは勿論である。
(実施形態における特徴点)
[1]実施形態に示されたアクチュエータ100は、
側壁(対向する二側壁)にロータ組み込み用の開口部(OP1,OP2)を有し、上記側壁と異なる(直交する場合、直交しない場合を含む)他の側壁(対向する二側壁)にロータ軸支用の軸受け部(111,112)が設けられたケース110と、
このケース110の内部に前記開口部(OP1,OP2)から組み込まれる永久磁石で形成されたロータ120と、
このロータ120を駆動制御するステ−タ130と、
を備え、
前記ケース110は、通常の状態では前記ロータ120の組み込みを阻止するように狭く設定された前記軸受け部(111,112)を含む内部のスラスト方向寸法H1が、外力が加わることによって前記ロータ120の組み込みを許容する寸法H2となるように弾性変形する如く設けられていることを特徴とする。
[2]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]に記載のアクチュエータであって、
前記ケース110は、前記軸受け部(OP1,OP2)が設けられた側壁(113、114)を当該側壁に平行な方向から圧縮するような外力が加えられたとき、前記軸受け部(111,112)が設けられた側壁(113、114)が外側に屈曲するように弾性変形する如く設けられていることを特徴とする。
[3]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]又は[2]に記載のアクチュエータであって、
前記軸受け部111は、前記ケース110に一体的に形成されていることを特徴とする。
[4]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]ないし[3]に記載のアクチュエータであって、
前記軸受け部は、前記ケース110に一体的に形成され、前記ロータ120の一端を軸支する第1の軸受け部111と、前記ロータ120が組み込まれた後に前記ケース110に取り付けられて、前記ロータ120の他端を軸支する第2の軸受け部112とを、備えたことを特徴とする。
[5]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[4]に記載のアクチュエータであって、
前記第2の軸受け部112は、前記ロータ120の軸をスラスト方向に軸支するものであることを特徴とする。
[6]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]ないし[3]のいずれか一つに記載のアクチュエータであって、
前記ケース110は、前記第1の軸受け部111及び第2の軸受け部112がそれぞれ設けられた対向する二つの側壁113、114が、ともに外側に屈曲するように弾性変形する如く設けられていることを特徴とする。
[7]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]に記載のアクチュエータであって、
前記ケース110の前記軸受け部111が設けられた側壁113の両端部は、肉厚が局所的に薄い薄肉部(RC1,RC2,113a,113b,114a,114b)となっていることを特徴とする。
[8]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]ないし[7]のいずれか一つに記載のアクチュエータであって、
前記開口部OP1,OP2は、前記軸受け部111,112によって軸支される前記ロータ110の回転中心を挟んで対称な二つの位置に形成されたことを特徴とする。
[9]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]ないし[8]のいずれか一つに記載のアクチュエータであって、
前記ステータ130は、一端部に前記ロータ120に対し磁界を与える磁極部(131a,132a)を有し、他端に磁気結合用のストレート部片(131b,132b)を有するステ−タヨーク(131,132)を備え、当該ヨーク(131,132)の磁極部(131a,132a)が、前記ケース開口部(137、138)から予めケース110内に組み込まれた前記ロータ120に近接配置されるように、前記ケース110には、前記ステータヨーク(131,132)を位置決めするための位置決め部が設けられていることを特徴とする。
[10]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[9]に記載のアクチュエータであって、
前記位置決め部は、前記開口部(OP1,OP2)が形成された側壁に設けられた位置決めピン(117P,117Q、118P,118Q)であることを特徴とする。
[11]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[9]に記載のアクチュエータであって、
前記位置決め部は、前記ケース110の側壁内面に形成され、前記磁極部131a,132aが当接する当接部139a、139bであることを特徴とする。
[12]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[9]に記載のアクチュエータであって、
前記ステータ130は、一対のステータヨーク131,132を備え、当該ステータヨーク131,132が前記ケース110に取り付けられたとき、前記ケース110外で重なり合うように配置される前記磁気結合用のストレート部片131b、132bの外周に、励磁用のコイル装置133が巻装されたものであることを特徴とする。
[13]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[9]又は[10]又は[11]に記載のアクチュエータであって、
前記ステータ130は、一対のステータヨーク131,132を備え、当該ステータヨーク131,132が前記ケース110に取り付けられたとき、前記ケース110外で前記ロータ120の回転中心の延長線上で重なり合うように配置される前記磁気結合用のストレート部片131b、132bの外周に、励磁用のコイル装置133が巻装されたものであることを特徴とする。
[14]実施形態に示されたアクチュエータ100は、前記[1]ないし[13]のいずれか一つに記載のアクチュエータであって、
前記ロータ120は対象物を駆動する駆動レバー123を備えていることを特徴とする。
[15]実施形態に示されたアクチュエータ100は、
側壁(対向する二側壁)にロータ組み込み用の開口部(OP1,OP2)を有し、上記側壁と他の側壁(対向する二側壁)にロータ軸支用の軸受け部(111,112)が設けられたケース110と、
このケース110の内部に前記開口部(OP1,OP2)から組み込まれるロータ120と、
このロータ120を駆動制御するステ−タ130と、
を備え、
前記ケース110は、通常の状態では前記ロータ120の組み込みを阻止するように狭く設定された前記軸受け部(111,112)を含む内部の寸法H1が、外力が加わることによって前記ロータ120の組み込みを許容する寸法H2となるように変形する如く設けられていることを特徴とする。
[16]実施形態に示された光量調整装置SUは、
前記[1]ないし[15]に記載のアクチュエータ100を、光量調整部材(絞り・シャッタ)を駆動する駆動源として搭載したことを特徴とする。
[17]実施形態に示されたアクチュエータの製造方法は、
ロータ120を回転可能に軸支する軸受け部111,112が設けられたケース110に対し当該ロータ120を組み付けるアクチュエータの製造方法において、
前記ケース110に外力を加えて、前記ケース110の前記軸受け部111,112が設けられた面を外側に屈曲するように弾性変形させ、前記ケース110の開口部(OP1,OP2)の大きさを広げた状態にして前記ロータ120を前記ケース110の内部に組み付けることを特徴とする。
本発明を用いることによって、小型軽量化が要求されるデジタルカメラ等を、更にコンパクトにしかも安価に製作することを実現可能とする。
本発明の第1実施形態に係るアクチュエータで駆動される光量調整装置を備えたデジタルカメラにおける光学ユニットの構成を示す分解斜視図である。 上記光学ユニットに組み込まれている光学系を示す断面図である。 上記光学ユニットに組み込まれている光量調整装置(絞り・シャッタユニット)を絞りシャッタ部とアクチュエータ部とに分離して示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るアクチュエータの概要の一部を説明するための概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るアクチュエータの概要の他の一部を説明するための概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るアクチュエータの具体的な構成を示す図で、(a)は右半面を切断して示す上面図であり、(b)は同じく右半面を切断して示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係るアクチュエータにおけるケースの具体的な構成を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)の7c−7c線矢視断面図である。 本発明の第1実施形態に係るアクチュエータ組み立て手順の一部を示す図で、(a)−1、(a)−2は組み付け直前のケースとロータとの寸法比較を示す正面図及び側断面図、(b)−1、(b)−2は組み付け時に外力を与えたときのケースとロータとの寸法比較を示す正面図及び側断面図、(c)−1、(c)−2は組み付け終了後のケースとロータとの関係を示す正面図及び側断面図である。 本発明の第1実施形態に係るアクチュエータ組み立て手順の他の一部を示す図で、(a)および(b)はステータをケースの内部に挿入するときの上面図および側面図である。 本発明の第2実施形態に係るアクチュエータの構成を一部破断して示す上面図である。 本発明の第3実施形態に係るアクチュエータの構成を示す図で、(a)−1、(a)−2はロータ挿入時の正面図と側断面図、(b)−1、(b)−2はロータ挿入後の正面図と側断面図である。 本発明の第4実施形態に係るアクチュエータの構成を示す図で、(a)及び(b)は、異なる構成例をそれぞれ示す正面図である。
符号の説明
100…アクチュエータ、110…ケース、111…第1の軸受け部、112…第2の軸受け部、117P,117Q,118P,118Q…位置決めピン、120…ロータ、12…回転軸、130…ステータ、131.132…ステータヨーク、131a,132a…磁極部、131b、132b…磁気結合用のストレート部片、131P,131Q,132P,132Q…位置決め孔、133…コイル装置。

Claims (17)

  1. 側壁にロータ組み込み用の開口部を有し、上記側壁と異なる他の側壁にロータ軸支用の軸受け部が設けられたケースと、
    このケースの内部に前記開口部から組み込まれる永久磁石で形成されたロータと、
    このロータを駆動制御するステ−タと、
    を備え、
    前記ケースは、通常の状態では前記ロータの組み込みを阻止するように狭く設定された前記軸受け部を含む内部のスラスト方向寸法が、外力が加わることによって前記ロータの組み込みを許容する寸法となるように弾性変形する如く設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記ケースは、前記軸受け部が設けられた側壁を当該側壁に平行な方向から圧縮するような外力が加えられたとき、前記軸受け部が設けられた側壁が外側に屈曲するように弾性変形する如く設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記軸受け部は、前記ケースに一体的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記軸受け部は、前記ケースに一体的に形成され、前記ロータの一端を軸支する第1の軸受け部と、前記ロータが組み込まれた後に前記ケースに取り付けられて、前記ロータの他端を軸支する第2の軸受け部とを、備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
  5. 前記第2の軸受け部は、前記ロータの軸をスラスト方向に軸支するものであることを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。
  6. 前記ケースは、前記第1の軸受け部及び第2の軸受け部がそれぞれ設けられた対向する二つの側壁が、ともに外側に屈曲するように弾性変形する如く設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
  7. 前記ケースの前記軸受け部が設けられた側壁の両端部は、肉厚が局所的に薄い薄肉部となっていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  8. 前記開口部は、前記軸受け部によって軸支される前記ロータの回転中心を挟んで対称な二つの位置に形成されたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
  9. 前記ステータは、一端部に前記ロータに対し磁界を与える磁極部を有し、他端に磁気結合用のストレート部片を有するステ−タヨークを備え、当該ヨークの磁極部が、前記ケース開口部から予めケース内に組み込まれた前記ロータに近接配置されるように、前記ケースには、前記ステータヨークを位置決めするための位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
  10. 前記位置決め部は、前記開口部が形成された側壁に設けられた位置決めピンであることを特徴とする請求項9に記載のアクチュエータ。
  11. 前記位置決め部は、前記ケースの側壁内面に形成され、前記磁極部が当接する当接部であることを特徴とする請求項9に記載のアクチュエータ。
  12. 前記ステータは、一対のステータヨークを備え、当該ステータヨークが前記ケースに取り付けられたとき、前記ケース外で重なり合うように配置される前記磁気結合用のストレート部片の外周に、励磁用のコイル装置が巻装されたものであることを特徴とする請求項9に記載のアクチュエータ。
  13. 前記ステータは、一対のステータヨークを備え、当該ステータヨークが前記ケースに取り付けられたとき、前記ケース外で前記ロータの回転中心の延長線上で重なり合うように配置される前記磁気結合用のストレート部片の外周に、励磁用のコイル装置が巻装されたものであることを特徴とする請求項9又は10又は11に記載のアクチュエータ。
  14. 前記ロータは対象物を駆動する駆動レバーを備えていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
  15. 側壁にロータ組み込み用の開口部を有し、上記側壁と他の側壁にロータ軸支用の軸受け部が設けられたケースと、
    このケースの内部に前記開口部から組み込まれるロータと、
    このロータを駆動制御するステ−タと、
    を備え、
    前記ケースは、通常の状態では前記ロータの組み込みを阻止するように狭く設定された前記軸受け部を含む内部の寸法が、外力が加わることによって前記ロータの組み込みを許容する寸法となるように変形する如く設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
  16. 請求項1ないし15に記載のアクチュエータを、光量調整部材を駆動する駆動源として搭載したことを特徴とする光量調整装置。
  17. ロータを回転可能に軸支する軸受け部が設けられたケースに対し当該ロータを組み付けるアクチュエータの製造方法において、
    前記ケースに外力を加えて、前記ケースの前記軸受け部が設けられた面を外側に屈曲するように弾性変形させ、前記ケースの開口部の大きさを広げた状態にして前記ロータを前記ケースの内部に組み付けることを特徴とするアクチュエータの製造方法。
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