JP2005100853A - 超電導ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 交流通電時における偏流を抑制することができ、かつ、ライン速度を2m/min以上の高速とした場合でも、位置ズレの緩和が有効に働く超電導ケーブル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る超電導ケーブルは、管体17の周囲に転位セグメント18、28を螺旋状に管回してなる超電導導体層10、20が複数積層された超電導ケーブルであって、前記積層において隣接する上下の超電導導体層10、20を構成する転位セグメント18、28の管回方向は相互反対方向であり、かつ、個々の超電導導体層18、28を構成する転位セグメント15、25の撚り方向はそれぞれの転位セグメント18、28の管回方向とは逆向きをなす構成を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超電導ケーブル及びその製造方法に係る。より詳細には、管体の周囲に転位セグメントを螺旋状に管回するとき、高速で管回しても転位セグメントの浮き上がり高さを低く抑えることが可能な、超電導ケーブル及びその製造方法に関する。
超電導変圧器、超電導マグネット、超電導限流器等の超電導応用機器には、テープ状の超電導導体を用いた超電導ケーブルが使用されている。
従来の超電導ケーブルの例としては、ステンレス鋼などからなるパイプ状のフォーマ(管体)の周囲に、テープ状の超電導導体が螺旋状に巻回された超電導導体層が複数積層され、これら超電導導体層の間に層間絶縁層が介在されてなる超電導ケーブルが知られている。その際、上記超電導導体は、超電導体からなるコア部の複数が銀などからなるシース材により覆われて形成されたものである。各超電導体導体層の超電導導体の巻回方向は、交互反対方向となっており、たとえばフォーマ側から第一層目の超電導体導体層の巻回方向がS巻(右巻)、第二層目の超電導導体層の巻回方向がZ巻(左巻)、第三層目の超電導導体層の巻回方向がS巻(右巻)、第四層目の超電導導体層の巻回方向がZ巻(左巻)となっている。
上記コア部をなす材料としては、BiSrCaCu(Bi系2212相)、BiSrCaCu(Bi系2223相),Bi1.6Pb0.4SrCaCu3O、TlBaCaCu等の組成を持つ酸化物超電導物質が用いられている。そのうち、Bi系、特に、Bi系2223相酸化物超電導物質が、高い臨界温度を有し安定な物質としてコア部に利用されている。上記層間絶縁層は、ポリイミドテープなどの絶縁テープを巻回して構成されたものである。このような構成の超電導ケーブルの外周には、通常、保護層が形成されて用いられる(例えば、特許文献1参照)。
従来の超電導ケーブルにおいては、交流電流を通電した場合には各々の超電導導体において、これらに流れる交流電流による自己磁場の影響によって渦電流Fが発生する。このとき、シース材が電気抵抗率の低いAg(Agでは20℃において1.63μΩcm)等からなるために、渦電流が隣接する超電導導体のシース材に導通してしまう。その結果、超電導導体層の積層体に渦電流が横断して導通するために、超電導ケーブル全体として渦電流が支配的となり、交流損失が大きくなるという問題があった。また、上述のような構造の従来の超電導ケーブルにおいては、超電導導体層間のインダクタンスの違いにより、外側にある超電導導体層ほど電流が多く流れ、内側にある超電導導体層には電流が流れにくくなる偏流が起こるという問題があった。
上記問題を解決するため、交流通電時における交流損失を低減でき、しかも偏流を防止できる超電導ケーブルとして、図5に示すような、テープ状の超電導素線の外周に素線絶縁が施されてなるテープ状の超電導導体58を複数本転位撚り合わせた転位超電導テープユニット(以下、転位セグメントと呼ぶ)55を管体の周囲に巻回してなる超電導ケーブルが提案されている(例えば、特許文献2参照)。図5は、従来の転位セグメントの一実施形態を示す図であり、(a)は斜視図を、(b)は線C−C’に沿った断面図を表す。図5(a)において、54は転位渡り部、53は非転位渡り部を拘束する保形用テープを表す。図5(b)に示すように、テープ状の超電導素線58は、厚さtより十分に大きな幅Wを備えている。
このような超電導ケーブルでは、転位セグメントの製造装置である転位集合化装置により決まる一つの撚り方向、すなわちS撚り(右巻き)又はZ撚り(左巻き)のいずれかの撚り方向の転位セグメントを、管体をなすフォーマ周囲に巻き付ける構成を採用していた。換言すると、上述したように、フォーマの周囲に、テープ状の超電導導体が螺旋状に巻回された超電導導体層が複数積層される構成とする際、転位セグメントからなる超電導導体の巻回方向を交互反対方向とする場合でも、転位セグメントとしてはS撚り又はZ撚りの何れか一つの撚り方向のものが使用されていた。
ところで、テープ線を転位撚り合わせ加工して転位渡り長Lで両端に保形用テープ53を設けて拘束してなる転位セグメント55は、図6に示すように、転位渡り部51がエッジワイズ曲げされずにギャップgだけ浮き上がる場合がある。転位渡り部に浮き上がり(ギャップg)が生じた状態にある転位セグメント55をフォーマに巻き付けた場合、浮き上がった部分が無理にフォーマに押し付けられるためテープ線が折れ曲がり、破損する恐れがあった。
そこで、転位セグメント55をフォーマに巻き付ける場合、フォーマの中心からの距離が転位セグメントの厚さ分だけ内側と外側では異なるため、経路差による位置ズレが発生する。これを解消するするためには、ケーブル製造時に経路差による位置ズレを緩和させるための時間を確保する必要があり、従来は製造時のライン速度を遅くすることにより対応していた。
曲げ半径r(mm)の巻枠に、厚さt(mm)のテープ状の素線(以下、テープ線と呼ぶ)6本を撚り合わせてなる転位セグメント[渡り長さL(mm)]を例にすると、この転位セグメントにおけるテープ線の左右のズレは、(2/5)×tL/(r+2t)で表記される。
一方、ある直径のフォーマに転位セグメントをスパイラルに巻き付ける際の、曲げ直径は、D={d+(L/π)}/dで表記される。ここで、Dは相当曲げ直径、dはフォーマ径、Lはスパイラルピッチである。
図7は、位置ズレとフォーマ径の関係を示すグラフである。厚さが0.3mmのテープ線を、各種直径のフォーマにスパイラルピッチを100〜1000mmに変えて巻き付けたときの結果である。図7から、従来のケーブル製造条件に相当するフォーマ径20〜40mm、かつ、スパイラルピッチ200〜800mmでは、位置ズレが0.02〜0.1mmであることが分かる。
従来のケーブル製造時には、位置ズレが0.02mm以上あると、巻線直前の渡りピッチ間にはテープ線の浮き上がりg(図6)が生じており、この浮き上がりgを次のピッチ間に移動させながら、ケーブル製造を行っていた。このため、隣接した(テープ線の進行方向に対して後方に位置する)渡りピッチへのテープ線余り(浮き上がり)gの移動の様子を見ながら製造を行う必要があった。ところで、上記位置ズレは周期性を持っており、0から最大値を経て0に戻る周期を、転位渡り長×撚り本数(mm)で繰り返すことが分かっている。これは、テープ線が1回転すれば位置ズレが消滅することを意味する。
上記位置ズレに対応するため、以下に示すような方策が検討されてきた。
(1)転位セグメントを構成するテープ線間が長手方向に自由に移動できるテープ抑え方法を採用し、テープ線の長手方向への移動時にセグメントが広がることが無いように非粘着テープをスパイラル状に巻き付ける構成。
(2)テープ線には線間の摩擦を抑える目的で樹脂を塗布することにより、転位セグメント内の位置ズレが素早く緩和する構成。
しかしながら、上記方策による位置ズレの緩和は、転位セグメントを巻き付ける速度(以下、ライン速度と呼ぶ)が2m/minより低いとき有効に働く反面、これを越えるような高速には対応できなかった。
特開平11−203959号公報 特願2003−054188号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、交流通電時における偏流を抑制することができ、かつ、ライン速度を2m/min以上の高速とした場合でも、位置ズレの緩和が有効に働く超電導ケーブル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る超電導ケーブルは、管体の周囲に転位セグメントを螺旋状に管回してなる超電導導体層が複数積層された超電導ケーブルであって、前記積層において隣接する上下の超電導導体層を構成する転位セグメントの管回方向は相互反対方向であり、かつ、個々の超電導導体層を構成する転位セグメントの撚り方向はそれぞれの転位セグメントの管回方向とは逆向きをなしていることを特徴としている。
かかる構成によると、管体の周囲に転位セグメントを螺旋状に管回してなる超電導導体層が複数積層された超電導ケーブルでは、積層において隣接する上下の超電導導体層を構成する転位セグメントの管回方向は相互反対方向をなしている。この交互反対方向を採用することにより、交流通電時における偏流を抑制することができる。
また、個々の超電導導体層を構成する転位セグメントの撚り方向をそれぞれの転位セグメントの管回方向とは逆向きに構成することで、ライン速度が大きい場合でも、位置ズレが有効に緩和されるので、破断などの不具合が生じることがない。
よって、本発明によれば、交流通電時における偏流の抑制が可能であり、かつ、大きなライン速度で製造できる超電導ケーブルが得られる。なお、上述した超電導導体層の積層数は2以上であればよく、その数は特に限定されるものではない。
本発明に係る超電導ケーブルの製造方法は、管体の周囲に転位セグメントを螺旋状に管回してなる超電導導体層が複数積層された超電導ケーブルの製造方法であって、転位撚り方向が左巻である転位セグメントを用い、前記管体の周囲にS巻(右巻)方向に管回して前記超電導導体層を形成する工程Aと、転位撚り方向が右巻である転位セグメントを用い、前記管体の周囲にZ巻(左巻)方向に管回して前記超電導導体層を形成する工程Bと、
を交互に行うことを特徴としている。
上記構成からなる製造方法は、工程Aと工程Bを交互に行うものである。ここで、工程Aとは、左巻に転位撚りした転位セグメントを用い、管体の周囲にS巻(右巻)方向に管回して超電導導体層を形成するものである。工程Bは、工程Aとは逆の右巻に転位撚りした転位セグメントを用い、管体の周囲に工程Aとは逆のZ巻(左巻)方向に管回して超電導導体層を形成するものである。
つまり、上記の工程Aと工程Bを交互に行う製造方法を用いることにより、上述した超電導ケーブル、すなわち、管体の周囲に転位セグメントを螺旋状に管回してなる超電導導体層が複数積層されており、前記積層において隣接する上下の超電導導体層を構成する転位セグメントの管回方向は相互反対方向であり、かつ、個々の超電導導体層を構成する転位セグメントの撚り方向はそれぞれの転位セグメントの管回方向とは逆向きをなす超電導ケーブルを作製することができる。
上記製造方法では、個々の超電導導体層を形成する際に、それぞれの転位セグメントの管回方向とは逆向きとした撚り方向の転位セグメントを用いたので、従来より大きなライン速度で製造しても、転位セグメントが管体に管回されるとき発生する位置ズレが安定して緩和される。よって、本発明は、高速の製造条件でも破断などの不具合が生じにくいことから、安定した超電導特性を保ちながら、製造コストの大幅な低下をもたらす。
以上説明したように、本発明の超電導ケーブルは、積層され隣接する上下の超電導導体層を構成する転位セグメントの管回方向が相互反対方向であり、かつ、個々の超電導導体層を構成する転位セグメントの撚り方向はそれぞれの転位セグメントの管回方向とは逆向きをなす構成を採用した。これにより、交流通電時における偏流の抑制が図れると共に、ライン速度を上げても不具合の生じにくい超電導ケーブルが安定して得られる。よって、本発明は、安定した超電導特性を備え、しかも安価な超電導ケーブルの提供に寄与するものである。
また、本発明に係る製造方法では、上記転位セグメントの管回方向を相互反対方向とする際に、転位セグメントの管回方向とは逆向きをなす撚り方向の転位セグメントを用いて超電導ケーブルを作製することにより、従来の倍速を越えるような速度でも、破断などの不具合を発生させることなく、安定した超電導特性を有する超電導ケーブルを作製できる。ゆえに、本発明の製造方法は、従来の超電導ケーブルの製造ラインをそのまま使いながら、量産時の製造速度を大幅に向上できるので、製造コストの著しい低減をもたらす。
以下では、本発明に係る超電導ケーブルの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る超電導ケーブルを例示する斜視図であり、フォーマと呼ばれる管体17の周囲に転位セグメント15、25を螺旋状に管回してなる超電導導体層10、20を2つ積層した場合を示している。この超電導ケーブルでは、積層において隣接する上下の超電導導体層10、20を構成する転位セグメント15、25の管回方向は相互反対方向であり、かつ、個々の超電導導体層10、20を構成する転位セグメント15、25の撚り方向はそれぞれの転位セグメントの管回方向とは逆向きをなしている。
なお、図1には、超電導導体層の積層数を2とした事例を示しているが、上記構成が満足されるならば、3以上の積層数としたものにも、本発明は有効である。
フォーマ17は、ステンレス鋼などからなるものである。フォーマ17の表面は、該フォーマ17と超電導導体層10、20との間の通電を抑制するために絶縁処理が施されている。このフォーマ17の内部は、液体窒素などの冷却媒体の流路とされ、超電導導体層10、20の冷却が行われる。
図1において、内側に位置する超電導導体層10では、テープ線18がZ巻(左巻)に転位撚りした転位セグメント15が用いられ、転位セグメント15は管体17の周囲にS巻(右巻)方向に管回されている。これに対して、外側に位置する超電導導体層20では、テープ線28がS巻(右巻)に転位撚りした転位セグメント25が用いられ、転位セグメント25は管体17の周囲にZ巻(左巻)方向に管回されている。
図2は、図1において内側に位置する超電導導体層10で用いられる転位セグメント15の一例を示す図であり、図2(a)は斜視図を、図2(b)は線A−A’に沿った断面図である。これに対し、図3は、図1において外側に位置する超電導導体層20で用いられる転位セグメント25の一例を示す図であり、図3(a)は斜視図を、図3(b)は線B−B’に沿った断面図である。
図2と図3から明らかなように、いずれの転位セグメント15、25もテープ状の超電導導体からなるテープ線18、28を複数本(図2、3では6本)転位撚り合わせしたものであり、この撚り合わす際に、各テープ線18、28がその長尺方向において、順次その位置を代えて変位するように撚り合わされたものである。ただし、転位セグメント15におけるテープ線18の撚り方向と、超電導導体層20におけるテープ線28の撚り方向は逆向きをなしている点のみ相違している。
また、いずれの転位セグメント15、25においても、ポリイミド樹脂等からなる保形用テープを管回したテープ止め部13、23が、転位渡り部14、24の両端(非転位渡り部とも呼ぶ)に形成されており、転位撚りした複数本のテープ線18、28の転位撚りが崩れないように固定されている。
上記テープ線18、28としては、金属基板上に中間層を介して高温超電導材料が形成された超電導素線が用いられ、その断面形状としては厚さtより幅Wが大きいの矩形状(幅広形状とも呼ぶ)が望ましい。この超電導素線としては、幅(W)が1.0mm〜5.0mm程度、厚さ(t)が0.1mm〜1.0mm程度の範囲をとるものが好ましい。
特に、図2及び図3におけるテープ線18、28としては、ハステロイ等の金属基板上にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる中間層を介してYBaCu7−x(Y123)が成膜された酸化物超電導材料などの高温超電導材料を設けてなるテープ状の超電導素線が好適である。超電導材料としては、BiSrCaCu(Bi2212)、BiSrCaCu(Bi2223)、Bi1.6Pb0.4SrCaCuなどのBi系銀シース線材が用いられる他に、Y123などのY系を用いてもよい。
図1に示すような、Bi系銀シーステープ線から構成される超電導ケーブルを作製した。まず、内側に位置する超電導導体層10として、テープ線18を左巻に転位撚りした転位セグメント15を用い、転位セグメント15を管体17の周囲にS巻(右巻)方向に管回した。次いで、外側に位置する超電導導体層20として、テープ線28が右巻に転位撚りした転位セグメント25を用い、転位セグメント25を管体17の周囲にZ巻(左巻)方向に管回することにより、本発明に係る構成の超電導ケーブルαを得た。
その際、テープ線18、28としては、厚さ(t)が0.3mm、幅(W)が2mmのテープ線を用いた。転位セグメント15は、撚り方向を左巻とし、転位渡り長は100mmとした。これに対して、転位セグメント25は、撚り方向を右巻とし、転位渡り長は100mmとした。転位セグメント15、25を管回する際にはスパイラル(螺旋)状とし、スパイラルピッチを300mmとした。このように巻き付けたとき、巻き付け直前の浮き上がり高さを、超電導ケーブルαについて測定した。その結果を表1に示す。なお、この場合の計算から求めた位置ズレは0.05mmに相当する。
また、比較のため、テープ線18とテープ線28の転位撚り方向を同じ方向とした転位セグメント15、25を用い、それぞれの転位セグメント15、25は相互反対方向をなすように管回した超電導導体層10、20を形成してなる超電導ケーブルβを作製した。その際、他の作製条件は同様とした。この超電導ケーブルβについても同様に、巻き付け直前の浮き上がり高さを測定し、その結果を表1に示した。なお、この場合も計算から求めた位置ズレは0.05mmに相当する。表1より、上下の転位セグメントの撚り方向を逆方向とすることにより、浮き上がりを1/8に抑制できることが分かった。
Figure 2005100853
さらに、同じ仕様の超電導ケーブルαと超電導ケーブルβについて、ライン速度を変えて試作した。図4は、ライン速度と最大浮き上がり高さとの関係を示すグラフである。
図4から明らかなように、上下の転位セグメントの撚り方向を同じ方向とした超電導ケーブルβの場合(○印)には、ライン速度を2m/minとしたとき、3mmの浮き上がりが生じ、数m製作したところで導体製造途中に断線が発生した。
これに対し、上下の転位セグメントの撚り方向を逆方向とした超電導ケーブルαの場合(□印)には、ライン速度を6m/minまで上げても浮き上がりは2mm以下であった。この場合は8m/minのときに3mmの浮き上がりが発生し、製作途中で断線が発生した。
上下の転位セグメントの撚り方向を逆方向とした超電導ケーブルαとして、表2に示す設計諸元の超電導ケーブルを作製した。
Figure 2005100853
表2に示した設計諸元の超電導ケーブルを作製する際にライン速度を測定した。従来は超電導特性の劣化を防止するためライン速度を1.0m/min程度に抑えて製造する必要ががあった。これに対して、表2に示した設計諸元の超電導ケーブルを製造する際には、ライン速度を5.0m/minまで速くして製造を行ったが、得られた超電導ケーブルの超電導特性は、設計性能を十分満足することが確認された。この結果から、本発明に係る超電導ケーブルは、ライン速度を従来の5倍まで速くしても特性に影響させることなく、その製作が可能であることが明らかとなった。
本発明によれば、交流通電時における偏流の抑制が図れると共に、ライン速度を上げても不具合の生じにくい超電導ケーブルを安価に提供できる。
本発明に係る超電導ケーブルの一例を示す斜視図である。 図1において内側に位置する超電導導体層で用いられる転位セグメントの一例を示す図であり、(a)は斜視図を、(b)は線A−A’に沿った断面図を表す。 図1において外側に位置する超電導導体層で用いられる転位セグメントの一例を示す図であり、(a)は斜視図を、(b)は線B−B’に沿った断面図を表す。 ライン速度と最大浮き上がり高さとの関係を示すグラフである。 従来の転位セグメントの一実施形態を示す図であり、(a)は斜視図を、(b)は線C−C’に沿った断面図を表す。 転位セグメントにおける浮き上がりの状態を説明する図である。 フォーマ径と位置ズレとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10、20 超電導導体層、13、23 保形用テープ、15、25 転位セグメント、17 ファーマ(管体)、18、28 テープ線。

Claims (2)

  1. 管体の周囲に転位セグメントを螺旋状に管回してなる超電導導体層が複数積層された超電導ケーブルであって、
    前記積層において隣接する上下の超電導導体層を構成する転位セグメントの管回方向は相互反対方向であり、かつ、個々の超電導導体層を構成する転位セグメントの撚り方向はそれぞれの転位セグメントの管回方向とは逆向きをなしていることを特徴とする超電導ケーブル。
  2. 管体の周囲に転位セグメントを螺旋状に管回してなる超電導導体層が複数積層された超電導ケーブルの製造方法であって、
    転位撚り方向が左巻である転位セグメントを用い、前記管体の周囲にS巻(右巻)方向に管回して前記超電導導体層を形成する工程Aと、
    転位撚り方向が右巻である転位セグメントを用い、前記管体の周囲にZ巻(左巻)方向に管回して前記超電導導体層を形成する工程Bと、
    を交互に行うことを特徴とする超電導ケーブルの製造方法。
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JP2019162022A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 学校法人中部大学 超伝導ケーブル及びその敷設方法

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