JP2005116233A - 転位セグメント導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、管体周方向に生じる曲げ歪を抑制でき、かつ剛性の高い基材を使用しても転位渡り部が容易にエッジワイズ曲げ可能であり転位渡り部が浮き上がることがほとんどない転位セグメント導体を提供する。
【解決手段】 本発明は、厚さに対して幅が大きいテープ状の素線2を複数本、転位撚り合わせてなる転位セグメント3を、管体4の周囲に螺旋状に巻き付けてなる転位セグメント導体1において、前記管体4の直径をD[mm]、前記素線2の厚さをt[mm]、前記素線2の幅をW[mm]、前記素線2の許容歪をε、前記転位セグメント3の転位渡り部の長さをL[mm]とすると、前記素線2の厚さtが下記式(1)を満たす構成とする。
{W/(0.6L)}<t<{Dε/(1−ε)}・・・・・・(1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、テープ状の超電導素線を複数本、転位撚り合わせてなる転位セグメント導体に関する。
従来、図5に示されたように、超電導ケーブルとして、テープ状の超電導体からなる素線102を複数本、転位撚り合わせてなる転位セグメント103を、円筒状コアからなる管体(通称フォーマと呼称する)104の周囲に螺旋状に巻き付けてなる転位セグメント導体101が広く知られている(例えば、特願2003−54188,特許文献1参照)。
前記素線102として、Bi系超電導材料からなる線材を用い、素線102の幅Wを2mm以下、厚さtを0.2mm以上としたものが利用されていたが、Bi系超電導材料からなる線材は電流密度が低く、シース材に銀を用いているため強度が弱いという問題があった。
上記問題を解消するため、Bi系超電導材料に代えてY系超電導材料の素線102を用いた転位セグメント103の開発が進められてきた。このY系超電導材料からなる転位セグメント103を作製し、この転位セグメント103で上述した構成の転位セグメント導体101を製造し、液体窒素温度で使用可能な超電導ケーブルに用いる研究・開発が鋭意進められている。
ところが、現在主に作製されているY系超電導材料の素線102は、幅Wが10mm程度、厚さtが0.1mm程度のテープ形状をなしている。このようなアスペクト比(W/t)の大きいテープ状の素線102を複数本、撚り合わせてなる転位セグメント103を、前述したフォーマ104に螺旋状に巻き付けた後、その上から絶縁テープなどの被覆テープを巻き付けた場合、図6に示されたように、テープ状の素線102は、フォーマ104の外周方向に、フォーマ104の直径D相当の曲げ径で曲げられ、大きな歪を受けることになる。
図7は、フォーマ104に巻回された転位セグメント103の平面図である。非転位渡り部132を保形テープ105で結束し、転位渡り部131にはそれぞれ5箇所(□印、番号α1〜α10で示す部分)に歪ゲージを設けた状態を示している。本発明者らは、厚さtが0.1mm、幅Wが5mmのテープ状の素線102を6本撚り合わせて形成した転位セグメント103に歪ゲージを前記したとおり設け、この転位セグメント103を直径Dが22mmのフォーマ104に螺旋巻きし、各位置における歪みを測定した。
図8は、歪ゲージの取り付け位置と周方向の曲げ歪との関係を示す図である。図8中、実線は、ε(=t/(D+t))=0.0045(0.45%)を満たす直線である。一般に、素線102のアスペクト比が20以上の場合、周方向の曲げ歪の最大値εは、ε=t/(D+t)にほぼ一致することが知られており、測定された曲げ歪の極大値と前記実線とは、極めて一致することが確認された。
素線102が3層重ねられた転位セグメント103を用いた転位セグメント導体101では、現在のところフォーマ径Dが21.4mm以下のフォーマ4が用いられており、16mmのフォーマ4を用いたものも提案されている。このため、素線102に加わる周方向の曲げ歪の最大値εは、0.45%以上となることが考えられる。
一方、Y系超電導材料は曲げ歪が0.4%を越えると電気伝導特性などが劣化することが報告されている(非特許文献1参照。)。
従って、Y系超電導素線を用いた場合、許容歪みが0.4%以下であるとすると、明らかに許容歪みを上回る曲げ歪が素線102に加わることになり、極端な場合には転位セグメント103の内部で幅方向において中折れ現象が発生し、転位セグメントの構造が乱れる恐れがあり、電気伝導特性を大きく阻害する要因となる。このように、電気ロスが生じたり、ひいては破断の危険性すらあるため、安定した電気伝導特性を維持するとともに、高い長期信頼性を確立するという側面からも、上記のような周方向の曲げ歪がほとんど発生しない構造を備えてなる転位セグメント導体101の開発が期待されていた。
また、強度が強く高剛性の素線102を転位撚り合わせ、転位渡り長Lで両端側に保形テープ105を設けて拘束すると、図9に示すように転位渡り部131がエッジワイズ曲げ(超電導素線102の長手方向に歪みが生じる曲げ)されずにギャップgだけ浮き上がる場合がある。転位渡り部131が浮き上がると転位セグメント導体101等の作製途上で転位セグメント103をドラムに巻いた場合、浮き上がった部分が無理にドラム面に押しつけられるため素線102が折れ曲がり、破損することがある。
特開平11−203961号公報 飯島康裕,アドバンス・イン・スーパーコンダクティビティー(Advance in Superconductivity)XI,シュプリンガー・フェアラーク・東京(Springer-Verlag Tokyo)株式会社,1999年,p.785−788
本発明の目的は、上記した事情に鑑みなされたものである。すなわち、管体周方向に生じる曲げ歪を抑制でき、かつ剛性の高い基材を使用しても転位渡り部が容易にエッジワイズ曲げ可能であり転位渡り部が浮き上がることがほとんどない転位セグメント導体を提供することを目的とする。
本発明に係る転位セグメント導体は、厚さに対して幅が大きいテープ状の素線を複数本、転位撚り合わせてなる転位セグメントを、管体の周囲に螺旋状に巻き付けてなる転位セグメント導体において、前記管体の直径をD[mm]、前記素線の厚さをt[mm]、前記素線の幅をW[mm]、前記素線の許容歪をε、前記転位セグメントの転位渡り長をL[mm]とすると、前記素線の厚さtは、下記式(1)を満たす関係にあることを特徴とする。
{W/(0.6L)}<t<{Dε/(1−ε)}・・・・・・(1)
素線の幅tがt<{Dε/(1−ε)}を満たす値とすることによって、素線に加わる曲げ歪みの最大値が許容歪εよりも小さくなり、これにより転位セグメントの構造が乱れることが無くなり、安定した電気伝導特性が得られ、かつ高い長期信頼性が実現できる。
また、素線の幅tが{W/(0.6L)}<tを満たす値とすることによって、素線が、転位渡り部にて浮き上がらずにエッジワイズ曲げでき、これにより素線が折れ曲がり破損することを防止できる。
かかる転位セグメント導体の構成において、前記素線の厚さtに対する幅Wの比で表されるアスペクト比(W/t)が20以上であることを特徴とする。
かかる転位セグメント導体の構成において、前記素線が、一般式YBaCu7−xで表される酸化物超電導材料を備えてなることを特徴とする。
本発明の転位セグメント導体によれば、管体周方向に生じる曲げ歪を抑制でき、安定した電気伝導特性を維持するとともに、高い長期信頼性が実現できる。更に、剛性の高い基材を使用しても転位セグメントの転位渡り部がエッジワイズ曲げされて浮き上がることがほとんどなく、これにより素線が折れ曲がり破損することを防止できる。
以下、本発明に係る転位セグメント導体を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の転位セグメント導体1の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、この転位セグメント導体1の概略断面図である。
転位セグメント導体1は、テープ状の超電導素線2を複数本転位撚り合わせした転位セグメント3が、パイプ状のフォーマ(管体)4の周囲に螺旋状に巻回されてなるものである。
前記転位セグメント3は、図3に示すようにテープ状の超電導素線2を複数本(図面では6本)転位撚り合わせてなる長尺の帯状のものである。この転位セグメント3では、各テープ状の超電導素線2が、その長尺方向において順次その位置を代えて変位するように撚り合わされている。
個々の超電導素線2は、その長さ方向において転位セグメント3の表面側(外層側)に位置する領域と底面側(内層側)に位置する領域が交互に繰り返されるように配置されている。このような転位セグメント3の巻回方向は、S巻(右巻)の方向またはZ巻(左巻)の方向となっている。この転位セグメント3をフォーマ4に巻きつける際の螺旋ピッチとしては、通常50〜2000mm程度であるが、ケーブルの設計により異なる値を取り得る。
ここで、本明細書では、転位セグメント3のうち、特定の超電導素線2が、隣接する他の超電導素線2上を渡って転位する転位部を転位渡り部31と言い、隣り合う転位渡り部31間を非転位渡り部32と言う。
前記転位セグメント3では、非転位渡り部32の所定箇所が保形テープ5によって結束されており、テープ状の超電導素線2の転位撚りが崩れないように固定されている。前記保形テープ5は、ポリイミド樹脂などから構成され、一方の面全体に粘着剤が塗布されたもので、この粘着剤を介して超電導素線2に貼着固定されている。
転位セグメント3のうち、保形テープ5によって結束された部分は素線保形部とも言い、以下、隣接する素線保形部間の距離を転位渡り長Lという。
前記フォーマ4は、ステンレス鋼などからなるものである。このようなフォーマ4の表面は、フォーマ4と転位セグメント3間の通電を抑制するために絶縁処理が施されている。このフォーマ4の内部は、液体窒素等の冷却媒体の流路とされ、テープ状の超電導素線2の冷却が行われる。
前記テープ状の超電導素線2としては、基材上に超電導層を形成したものや、断面視円形状の超電導多心素線(図示せず。)が圧延加工等により平坦化されたものなどが挙げられる。この超電導素線2の横断面形状は、矩形状とすることが好ましく、転位セグメント3とした際、各超電導素線2を密着させて配置させることができ、超電導素線2間の隙間を最小に抑えることができる。
前記超電導層となる材料としては、例えば、YBaCu7−x(YBCO),HoBaCu7−x,NdBaCu7−xなどの希土類系の酸化物超電導材料、BiSrCaCu(Bi2212),BiSrCaCu(Bi2223),Bi1.6Pb0.4SrCaCuなどのBi系の酸化物超電導材料、NbSn,NbAlなどのA15型材料からなる金属系の低温超電導材料などが好ましく適用できる。
これらは1種を単独で用いても良いし、複数種を併用しても良い。
また、前記基材としては、ステンレス鋼,ハステロイ合金などの金属基材、表面にNi酸化物層が形成されたNi金属基材や、これら金属基材上に中間層としてイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が形成されたものなどが好ましく適用できる。
基材のヤング率は100GPa以上が好ましく、これにより剛性に優れ、破断し難い超電導素線2が得られる。
特に本発明では、超電導素線2としては、前記金属基材上にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)中間層を介してYBaCu7−x(YBCO)が成膜されたものが好ましく、これにより高温度で高い臨界電流値が得られる。
前記テープ状の超電導素線2の外周には、素線絶縁として絶縁層が設けられている。この絶縁層をなす絶縁材料としては、ポリエステル,ポリエステルイミド,ポリエステルイミドヒダントイン,エナメルなどが用いられる。このような絶縁層の厚みとしては、0.1〜100μm程度の範囲のものとされる。
本実施形態の転位セグメント導体1では、厚さtが下記式(1)を満たす超電導素線2が用いられている。ここで、式(1)中、D,t,W,ε,Lは、フォーマ4の直径[mm],超電導素線2の厚さ[mm],超電導素線2の幅[mm],超電導素線2の許容歪,転位セグメント3の転位渡り長[mm]をそれぞれ示す。
前記超電導素線2の厚さtについて以下に詳細に示す。
{W/(0.6L)}<t<{Dε/(1−ε)}・・・・・・(1)
まず、超電導素線2の厚さtの上限値について説明する。
一般に、素線2のアスペクト比(幅W/厚さt)が20以上の場合、幅方向の歪の最大値εは、ε=t/(D+t)にほぼ一致することが知られており、この式により算出された歪の最大値の計算値と、測定された曲げ歪の極大値とは、極めて一致することが図7においても確認されている。
前記曲げ歪みの最大値εが許容歪εよりも小さい場合、以下の式(2)を満たすことになる。
ε>{t/(D+t)}・・・・・・(2)
前記式(2)を式変形すると、以下の式(3)が得られる。
t<{Dε/(1−ε)}・・・・・・(3)
超電導素線2の厚さtを前記式(3)を満たす値とすることによって、許容歪みを上回る曲げ歪が超電導素線2に加わることがない。これにより、転位セグメント3の内部で幅方向において中折れ現象が発生することがなく、転位セグメントの構造が乱れることが無くなり、安定した導通環境が維持される。このため、従来に比べて極めて安定な電気伝導特性が得られ、かつ高い長期信頼性が実現できる。
例えば、許容歪みεが0.4%であり、フォーマ4の直径Dが21.4mmの場合、前記式(3)はt<0.086mmとなる。このため、例えば、超電導素線2の厚さtを0.08mm以下とすることによって、超電導素線2に加わる曲げ歪を許容歪みよりも小さくすることができる。
また、許容歪みεが0.4%であり、フォーマ4の直径Dが16mmの場合、前記式(3)はt<0.064mmとなる。このため、例えば、フォーマ4の直径Dが16mm以下の場合、超電導素線2の厚さtを0.06mm以下とすることによって、超電導素線2に加わる曲げ歪を許容歪み以下とすることができる。
図4は、フォーマ4の周囲に巻回された転位セグメント3上に被覆テープ6が設けられた転位セグメント導体1の要部を示す断面図である。
前記被覆テープ6としては、転位セグメント導体1が超電導ケーブルや電力ケーブルとして使用される場合、絶縁性または半導電性の材料が好ましく、具体的な材料としてはカーボン紙,クラフト紙,テフロン(登録商標)テープ,ポリイミドテープなどが挙げられる。
転位セグメント3上に被覆テープ6を巻き付ける際、超電導素線2は、フォーマ4側に押し付けられ、転位セグメント3の転位渡り部31の超電導素線2は、フォーマ4の表面に沿って湾曲し、このフォーマ4にほぼ密着することになる。しかし、超電導素線2の厚さtが前述した式(3)を満たすように十分薄くすることによって、超電導素線2が幅方向に受ける曲げ歪みを許容歪みより小さくすることができる。
次に、超電導素線2の厚さtの下限値について説明する。
転位セグメント3の転位渡り部31の素線2の浮き上がりが発生しないようにするためには、テープ状の素線2の幅W,厚さt,転位渡り部31の長さLが以下の式(4)を満たすようにする必要があることが知られている。
{W/(Lt)}≦0.313・・・・・・(4)
しかし、この関係(式(4))は、転位セグメント3が張力を受けない場合であり、実際は、素線2を撚り合わせて転位セグメント3を作製する工程や、転位セグメント3をフォーマ4の周囲へ螺旋状に巻回して転位セグメント導体1を作製する工程において、素線2や転位セグメント3には張力が加わる。
そこで、転位セグメント3に張力が加わった場合であっても、転位セグメント3の転位渡り部31の超電導素線2の浮き上がりが発生しないようにするための転位渡り部31の浮き上がりの発生と超電導素線2の厚さtとの関係を求めた。
超電導素線2として、SUS304の金属基材上にYSZ中間層を介してYBCOが成膜されたものを用いて、6本撚りの転位セグメント3を作製した。そして、この転位セグメント3の長手方向に張力を加え、転位渡り部31の浮き上がりが発生しているかどうかを調べた。
ここで、転位セグメント3に加える張力は、20〜100Nの範囲の所定の値とした。
表1は、超電導素線2の幅Wと厚さt及び転位渡り長Lを種々変化させた場合の転位渡り部31の浮き上がりの発生の有無を調べた結果を示すものである。
ここで、表1には、転位セグメント3に50Nの張力を加えた結果を示している。
なお、前記張力として20〜100Nの力を加えても表1とほぼ同様の結果が得られた。
Figure 2005116233
超電導素線2の断面のアスペクト比W/tが大きいほど同じ断面積でもエッジワイズ曲げの断面二次モーメントが大きく、エッジワイズに曲がりにくい。また、同じ幅WでもW/Lが大きい、つまりLがWに対して小さい方が同じ力でも小さいモーメントとなり、結局エッジワイズに曲がりにくい。つまり、これら2つのパラメーターW/LとW/tとの積W/(Lt)はエッジワイズへの曲がりにくさを表す指標となり、このW/(Lt)の値がある値よりも小さいと、エッジワイズ曲げ(超電導素線102の長手方向に歪みが生じる曲げ)が可能であることを示している。
表1からW/(Lt)の値が0.6よりも小さいと、エッジワイズ曲げが可能であるといえる。すなわち、以下の式(5)が導かれる。
{W/(Lt)}<0.6・・・・・・(5)
式(5)を式変形すると、以下の式(6)が得られる。
{W/(0.6L)}<t・・・・・・(6)
超電導素線2の厚さtを前記式(6)を満たす値とすることによって、張力が加わっても、転位セグメント3の転位渡り部31が浮き上がることがほとんどない。これにより、従来のように、転位渡り部31が浮き上がり、転位セグメント導体1等の作製途上で転位セグメント3をドラムに巻いた場合、浮き上がった部分が無理にドラム面に押しつけられて超電導素線2が折れ曲がり、破損することを防止できる。
また、転位渡り部31がほとんど浮き上がらないために、この転位セグメント3を構成する各テープ状の超電導素線2がその長尺方向において順次その位置を代えて変位しており、すなわち各テープ状の超電導素線2が転位セグメント3の最内側(フォーマ4側)位置から最外側位置まで繰り返して経由しながら転位セグメント導体1の長さ方向に延在することになる。このため、各超電導素線2に加わる応力などを均等にでき、超電導素線2の電気抵抗や、超電導素線2を流れる電流の自己磁場などの影響を均等化できる。
以上により、各テープ状の超電導素線2において、超電導素線2の電気抵抗や電流を流したときの自己磁場から受ける影響にばらつきがなくなり、これにより交流通電時の偏流を防止でき、内側に位置するテープ状の超電導素線2にも、外側に位置するテープ状の超電導素線2と略同量の電流を流すことができ、よって臨界電流密度を増大でき、転位セグメント導体1の大容量化を図ることができる。
前述した式(1)は、前述した式(3)と式(6)とを共に満足する関係式であり、本実施形態では、超電導素線2の厚さtを前記式(1)を満たす値とすることによって、超電導素線2に加わる曲げ歪みの最大値を許容歪εよりも小さくでき、かつ張力が加わっても、転位セグメント3の転位渡り部31が浮き上がることをほぼ無くすることができる。
なお、本実施形態では、超電導素線2を用いた場合を例示したが、テープ状の平角断面を備えた素線であれば、いかなる材料の素線であっても適用でき、本実施形態と同様の作用効果が得られる。
本発明では、管体周方向に生じる曲げ歪を抑制でき、かつ転位渡り部が浮き上がることがほとんどない転位セグメント導体を実現できる。素線として超電導素線を用いた転位セグメント導体は、安定した電気伝導特性を維持するとともに高い長期信頼性し、かつ大容量の超電導ケーブルとして利用できる。
本発明の転位セグメント導体の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の転位セグメント導体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の転位セグメントの一実施形態を示す斜視図である。 巻回された転位セグメント上に被覆テープが設けられた転位セグメント導体の要部を示す断面図である。 従来の転位セグメント導体を示す斜視図である。 従来の転位セグメント導体を示す概略断面図である。 従来の転位セグメントの平面図である。 歪ゲージの取り付け位置と周方向の曲げ歪との関係を示す図である。 従来の転位セグメント導体の浮き上がりの状態を示す概略図である。
符号の説明
1‥‥転位セグメント導体、2‥‥超電導素線(素線)、3‥‥転位セグメント、4‥‥管体(フォーマ)、31‥‥転位渡り部

Claims (3)

  1. 厚さに対して幅が大きいテープ状の素線を複数本、転位撚り合わせてなる転位セグメントを、管体の周囲に螺旋状に巻き付けてなる転位セグメント導体において、
    前記管体の直径をD[mm]、前記素線の厚さをt[mm]、前記素線の幅をW[mm]、前記素線の許容歪をε、前記転位セグメントの転位渡り長をL[mm]とすると、
    前記素線の厚さtは、下記式(1)を満たす関係にあることを特徴とする転位セグメント導体。
    {W/(0.6L)}<t<{Dε/(1−ε)}・・・・・・(1)
  2. 前記素線の厚さtに対する幅Wの比で表されるアスペクト比(W/t)が20以上であることを特徴とする請求項1に記載の転位セグメント導体。
  3. 前記素線が、一般式YBaCu7−xで表される酸化物超電導材料を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の転位セグメント導体。
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