JP2005097554A - 自動変速機用低摩擦摺動部材及びこれに用いる自動変速機油組成物 - Google Patents

自動変速機用低摩擦摺動部材及びこれに用いる自動変速機油組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて優れた低摩擦特性を示し、耐摩擦性に優れ、安定的に低摩擦特性を発揮し得る自動変速機用低摩擦摺動部材及びこれに用いる自動変速機油組成物を提供すること。
【解決手段】自動変速機油組成物の存在下で互いに摺動する部材の一方又は両方の摺動面に、例えばダイヤモンドライクカーボンなどの硬質炭素薄膜による被覆を施して成る摺動部位を備えており、この硬質炭素薄膜の水素含有量が20原子%以下である自動変速機用低摩擦摺動部材。
自動変速機用低摩擦摺動部材に用いられる自動変速機油組成物であり、有機系含酸素化合物及び脂肪族アミン系化合物の一方又は双方を組成物全量基準で0.05〜3.0含有する自動変速機油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動変速機用低摩擦摺動部材及びこれに用いる自動変速機油組成物に係り、更に詳細には、自動変速機での使用に適し、極めて優れた低摩擦性を示す自動変速機用低摩擦摺動部材及びこれに用いる自動変速機油組成物に関する。
地球全体の温暖化、オゾン層の破壊など地球規模での環境問題が大きくクローズアップされ、とりわけ地球全体の温暖化に大きな影響があるといわれているCO削減については各国でその規制値の決め方をめぐって大きな関心を呼んでいる。
CO削減については、自動車の燃費の削減を図ることが大きな課題の1つであり、摺動材料と潤滑油が果たす役割は大きい。
摺動材料の役割は、自動変速機の摺動部位の中で摩擦摩耗環境が苛酷な部位に対して耐摩耗性に優れ且つ低い摩擦係数を発現することであり、最近では、種々の硬質薄膜材料の適用が進んできている。一般に硬質炭素薄膜は、空気中、潤滑油非存在下における摩擦係数が、窒素チタン(TiN)や窒化クロム(CrN)といった耐摩耗性の硬質被膜材料と比べて低いことから低摩擦摺動材料として期待されている。
また、潤滑油における省燃費対策としては、(1)低粘度化による、流体潤滑領域における粘性抵抗及び自動変速機内の撹拌抵抗の低減、(2)最適な摩擦調整剤と各種添加剤の配合による、混合及び境界潤滑領域下での摩擦損失の低減、が提言されている。
このような硬質炭素薄膜の摩擦特性について、いくつかの報告がされている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
加納 他「日本トライボロジー学会予稿集」1999年5月,p11〜12 加納、他(Kano et al.),ワールド・トライボロジー・コングレス(World Tribology Congress)2001.9,Vienna,Proceeding,p.342
しかしながら、空気中において低摩擦性に優れる一般の硬質炭素薄膜は、潤滑油存在下においては、その摩擦低減効果が必ずしも大きくなく、また、このような摺動材料に従来公知の有機モリブデン化合物を含有する潤滑油組成物を適用したとしても摩擦低減効果が十分発揮されないことがあることもわかってきた。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、極めて優れた低摩擦特性を示し、耐摩擦性に優れ、安定的に低摩擦特性を発揮し得る自動変速機用低摩擦摺動部材及びこれに用いる自動変速機油組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、自動変速機に用いられる各種摺動材料及びこれら材料と自動変速機油組成物との組合せについて鋭意検討を重ねた結果、互いに摺接する摺動面の一方又は双方に水素含有量の少ない硬質炭素薄膜を形成し、所定の自動変速機油組成物を介在させることなどにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の自動変速機用低摩擦摺動部材は、自動変速機油組成物の存在下で互いに摺動する部材の一方又は両方の摺動面に、例えばダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」と称する)などの硬質炭素薄膜による被覆を施して成る摺動部位を備えており、この硬質炭素薄膜の水素含有量が20原子%以下、望ましくは10原子%以下、さらに5原子%以下、さらに望ましくは0.5原子%以下であることを特徴としている。
また、本発明の自動変速機油組成物は、上述の如き自動変速機用低摩擦摺動部材に用いられる自動変速機油組成物であり、この自動変速機油組成物は、有機系含酸素化合物及び/又は脂肪族アミン系化合物を、組成物全量基準で0.05〜3.0含有されて成る。
本発明によれば、硬質炭素薄膜をコーティングした摺動部材と任意の材料からなる摺動面との間に所定の自動変速機油組成物を介在させることなどとしたため、極めて優れた低摩擦特性を示し、耐摩耗性に優れ、安定的に低摩擦特性を発揮し得る自動変速機用低摩擦摺動部材及びこれに用いる自動変速機油組成物を提供することができる。
以下、本発明の自動変速機用低摩擦摺動部材について、更に詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の自動変速機用低摩擦摺動部材は、自動変速機油組成物の存在下で互いに摺動する部材の一方又は両方の摺動面に、硬質炭素薄膜による被覆を施して成る摺動部位を有する。かかる自動変速機油組成物が、有機系含酸素化合物又は脂肪族アミン系化合物、及びこれらの任意の混合物を含有している。これにより、一方又は両方の摺動面に、硬質炭素薄膜による被覆を施して成る摺動部材が、従来よりも極めて低摩擦で摺動し得る。
ここで、上記した硬質炭素薄膜としては、例えば炭素原子を主として構成されるDLC材料を用いることができる。
このDLC材料は、非晶質のものであって、炭素同士の結合形態がダイヤモンド構造(SP結合)とグラファイト結合(SP結合)の両方から成る。具体的には、炭素元素だけから成るa−C(アモルファスカーボン)、水素を含有するa−C:H(水素アモルファスカーボン)、及びチタン(Ti)やモリブデン(Mo)等の金属元素を一部に含むMeCなどを好適に用いることができる。
また、硬質炭素薄膜中の水素含有量が増加すると摩擦係数が増すことから、本発明においては水素含有量の上限を20原子%とする必要があるが、潤滑油中での摺動時の摩擦係数を十分に低下させ、さらに安定した摺動特性を確保するためには、10原子%以下、さらに5原子%以下、さらには0.5原子%以下とすることが望ましい。
そして、このような水素含有量の低い硬質炭素薄膜は、例えばスパッタリング法やイオンプレーティング法など、水素や水素含有化合物を実質的に使用しないPVD法により成膜することによって得られる。
この場合、成膜時に水素を含まないガスを用いるだけでなく、場合によっては反応容器や基材保持具のベーキングや基材表面のクリーニングを十分に行ったうえで成膜することが被膜中の水素量を減らすために望ましい。
また、上記硬質炭素薄膜を被覆する前の基材の表面粗さについては、硬質炭素薄膜の膜厚が相当に薄いために、成膜後も膜表面の粗さに大きく影響することから、表面粗さRa(中心線平均粗さ)が0.1μm以下であることが望ましい。すなわち、基材の表面粗さRaが0.1μmを超えて粗い場合、膜表面の粗さに起因する突起部が相手材との局部的な接触面圧を増大させ、膜の割れを誘発する可能性が高くなるためである。
更に、上記硬質炭素薄膜は、表面硬さが、マイクロビッカース硬さ(10g荷重)でHv1000〜3500、厚さが0.3〜2.0μmであることが好ましい。すなわち、硬質炭素薄膜の表面硬さ及び厚さ上記範囲から外れるとHv1000未満、厚さ0.3μm未満では摩滅し、逆にHv3500、厚さ2.0μmを超えると剥離し易くなる。
本発明の自動変速機用低摩擦摺動部材は、自動変速機油組成物を介在させて、鉄基部材やアルミニウム合金部材が接触する摺動面を有する自動変速機への適用が特に有効である。ここで、本明細書における自動変速機とは、無段変速機(CVT)を除くもの、換言すれば、不連続的又は段階的な変速が可能な自動変速機をいう。
次に、本発明の自動変速機用低摩擦摺動部材に用いる本発明の自動変速機油組成物について詳細に説明する。
本発明に用いる自動変速機油組成物としては、基油(ベースオイル)に、有機系含酸素化合物及び脂肪族アミン系化合物の一方又は両方を含有させたものを用いることが望ましく、このような潤滑油を硬質炭素薄膜が被覆された摺動面に介在させる。これによって、極めて優れた低摩擦特性が発揮される。
ここで、上記基油としては特に限定されるものではなく、鉱油、合成油、及びこれらの混合物など、潤滑油の基油として通常使用されるものであれば、種類を問わず使用することができる。
鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた作動油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系又はナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が使用でき、溶剤精製、水素化精製処理したものが一般的であるが、芳香族分をより低減することが可能な高度水素化分解プロセスやGTL Wax(ガス・トウー・リキッド・ワックス)を異性化した手法で製造したものを用いることがより好ましい。
合成油としては、具体的には、ポリ−α−オレフィン(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等)、ポリ−α−オレフィンの水素化物、イソブテンオリゴマー、イソブテンオリゴマーの水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンイソステアリネート等のトリメチロールプロパンエステル;ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールぺラルゴネート等のペンタエリスリトールエステル)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフイン又はその水素化物が好ましい例として挙げられる。
本発明に用いる自動変速機油組成物における基油は、鉱油系基油又は合成系基油を単独あるいは混合して用いる以外に、2種類以上の鉱油系基油、あるいは2種類以上の合成系基油の混合物であっても差し支えない。また、上記混合物における2種類以上の基油の混合比も特に限定されず任意に選ぶことができる。
基油中の硫黄分について、特に制限はないが、基油全量基準で、0.2%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下、さらには0.05%以下であることが好ましい。特に、水素化精製鉱油や合成系基油の硫黄分は、0.005%以下、あるいは実質的に硫黄分を含有していない(5ppm以下)ことから、これらを基油として用いることが好ましい。
また、基油中の芳香族含有量についても、特に制限はないが、自動車用変速機の潤滑油として長期間低摩擦特性を維持するためには、全芳香族含有量が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらには5%以下であることが好ましい。即ち、作動油基油の全芳香族含有量が15%を超える場合には、酸化安全性が劣るため好ましくない。
なお、ここで言う全芳香族含有量とは、ASTM D2549に規定される方法に準拠して測定される芳香族留分(aromatics fraction)含有量を意味している。
基油の動粘度にも、特に制限はないが、上記のような変速機の潤滑油として使用する場合には、100℃における動粘度が2mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上である。一方、その動粘度は、20mm/s以下であることが好ましく、10mm/s以下、特に8mm/s以下であることが好ましい。基油の100℃における動粘度が2mm/s未満である場合には、十分な耐摩耗性から得られない上に蒸発特性が劣る可能性があるため好ましくない。一方、動粘度が20mm/sを超える場合には低摩擦性能を発揮しにくく、低温性能が悪くなる可能性があるため好ましくない。本発明においては、上記基油の中から選ばれる2種以上の基油を任意に混合した混合物等が使用でき、100℃における動粘度が上記の好ましい範囲内に入る限りにおいては、基油単独の動粘度が上記以外のものであっても使用可能である。
また、基油の粘度指数にも、特別な制限はないが、80以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましく、特に変速機の潤滑油として使用する場合には、120以上であることが好ましい。基油の粘度指数を高めることでよりオイル消費が少なく、低温粘度特性、省燃費性能に優れた作動油を得ることができる。
上記有機系含酸素化合物としては、1価又は多価アルコール類、カルボン酸類、エーテル類、エステル類及びこれらの誘導体から成る群より選ばれた少なくとも1種の化合物であることが望ましく、その含有量としては、潤滑油全量基準で0.05〜3.0%の範囲内であることが望ましい。
アルコール類の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
1.1 1価アルコール類
1.2 2価アルコール類
1.3 3価以上のアルコール類
1.4 上記1〜3から選ばれるアルコール類のアルキレンオキサイド付加物
1.5 上記1〜4から選ばれる1種又は2種以上の混合物
1価アルコール類としては、ヒドロキシル基を分子中に1つ有するものであり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(1−プロパノール、2−プロパノール)、ブタノール(1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール)、ペンタノ−ル(1−ペンタノ−ル、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール)、ヘキサノール(1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2,2−ジメチルブタノール)、ヘプタノール(1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−メチル−1−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、4,4−ジメチル−2−ペンタノール、3−メチル−1−ヘキサノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘキサノール、2−エチルペンタノール)、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−メチル−3−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−プロピル−1−ペンタノール、2,4,4−トリメチル−1−ペンタノール、3,5−ジメチル−1−ヘキサノール、2−メチル−1−ヘプタノール、2,2−ジメチル−1−ヘキサノール)、ノナノ−ル(1−ノナノール、2−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、3−エチル−2,2−ジメチル−3−ペンタノール、5−メチルオクタノール等)、デカノール(1−デカノール、2−デカノール、4−デカノール、3,7−ジメチル−1ーオクタノール、2,4,6−トリメチルヘプタノール等)、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール等)、ノナデカノール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、トリコサノール、テトラコサノール等の炭素数1〜40の1価アルキルアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよい);エテノール、プロペノール、ブテノール、ヘキセノール、オクテノール、デセノール、ドデセノール、オクタデセノール(オレイルアルコール等)等炭素数2〜40の1価アルケニルアルコール類(これらアルケニル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、二重結合の位置も任意である);シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペンタノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール、プロピルシクロヘキサノール、ブチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、シクロペンチルメタノール、シクロヘキシルメタノール(1−シクロヘキシルメタノール、2−シクロヘキシルメタノール等)、シクロヘキシルエタノール、シクロヘキシルプロパノール(3−シクロヘキシルプロパノール等)、シクロヘキシルブタノール(4−シクロヘキシルブタノール等)、ブチルシクロヘキサノール、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノール等の炭素数3〜40の1価(アルキル)シクロアルキルアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置も任意である);フェニルアルコール、メチルフェニルアルコール(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール)、クレオソール、エチルフェニルアルコール、プロピルフェニルアルコール、ブチルフェニルアルコール、ブチルメチルフェニルアルコール(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ジメチルフェニルアルコール、ジエチルフェニルアルコール、ジブチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアルコール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ジブチルメチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルアルコール等)、ジブチルエチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニルアルコール等)、トリブチルフェニルアルコール(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ナフトール(α−ナフトール、β−ナフトール等)、ジブチルナフトール(2,4−ジ−tert−ブチル−α−ナフトール等)等の(アルキル)アリールアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置も任意である)等;6−(4−オキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−2,4−ビス−(n−オクチル−チオ)−1,3,5−トリアジン等及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの中では、硬質炭素薄膜をコーティングした摺動部材と任意の材料からなる摺動面の摩擦をより低下させることができ、揮発性が低く高温条件においても摩擦低減効果を発揮できる点で、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数12〜18の直鎖又は分枝のアルキル又はアルケニルアルコール類がより好ましい。
2価アルコールとしては、具体的には、ヒドロキシル基を分子中に2つ有するものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ヘプタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,17−ヘプタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,19−ノナデカンジオール、1,20−イコサデカンジオール等の炭素数2〜40のアルキル又はアルケニルジオール類(これらアルキル基又はアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルケニル基の二重結合の位置は任意であり、ヒドロキシル基の置換位置も任意である);シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール等の(アルキル)シクロアルカンジオール類(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置は任意である)、ベンゼンジオール(カテコール等)、メチルベンゼンジオール、エチルベンゼンジオール、ブチルベンゼンジオール(p−tert−ブチルカテコール等)、ジブチルベンゼンジオール(4,6−ジ−tert−ブチル−レゾルシン等)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−チオビス−(4,6−ジ−tert−ブチル−レゾルシン)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチル−フェノール)、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)、等の炭素数2〜40の2価(アルキル)アリールアルコール類(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置は任意である)等;p−tert−ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物、p−tert−ブチルフェノールとアセトアルデヒドとの縮合物等;及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの中では、硬質炭素薄膜をコーティングした摺動部材と任意の材料からなる摺動面の摩擦をより低下させることができる点で、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が好ましい。また、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)フェニルアルコール等の分子量300以上、好ましくは400以上の高分子量のヒンダードアルコール類が、高温条件(例えば内燃機関等の摺動条件)においても揮発しいにくく耐熱性に優れ、摩擦低減効果を発揮できるとともに、優れた酸化安定性をも付与できる点で好ましい。
3価以上のアルコール類としては、具体的には、ヒドロキシル基を3つ以上有するものであり、通常3〜10価、好ましくは3〜6価の多価アルコールが用いられる。これら成分の具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等のトリメチロールアルカン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等、及びこれらの重合体又は縮合物(例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のグリセリンの2〜8量体等、ジトリメチロールプロパンの2〜8量体等、ジペンタエリスリトール等のペンタエリスリトールの2〜4量体等、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物等の縮合化合物(分子内縮合化合物、分子間縮合化合物又は自己縮合化合物)等が挙げられる。
また、キシロース、アラビトール、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マントース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類も使用可能である。
これらの中では、グリセリン、トリメチロールアルカン(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン)、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の3〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等がより好ましく、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びこれらの混合物がさらに好ましく、酸素含有量が20%以上、好ましくは30%以上、特に好ましくは40%である多価アルコール類であることが特に好ましい。6価を超える多価アルコールの場合、粘度が高くなりすぎる。
上記1.4成分は、1.1〜1.3から選ばれるアルコール類のアルキレンオキサイド付加物であり、具体的には、当該アルコール類に炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドあるいはその重合体又は共重合体を付加させ、アルコール類のヒドロキシル基をハイドロカルビルエーテル化又はハイドロカルビルエステル化したものが挙げられる。炭素数2〜6のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン(α−ブチレンオキサイド)、2,3−エポキシブタン(β−ブチレンオキサイド)、1,2−エポキシ−1−メチルプロパン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン等が挙げられる。これらの中では、低摩擦性に優れる点から、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがより好ましい。
なお、2種以上のアルキレンオキサイドを用いた場合には、オキシアルキレン基の重合形式に特に制限はなく、ランダム共重合していても、ブロック共重合していてもよい。また、ヒドロキシル基を2〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させる際、全てのヒドロキシル基に付加させてもよいし、一部のヒドロキシル基のみに付加させてもよい。
カルボン酸類としては、例えば以下のものが挙げられる。
2.1 脂肪族モノカルボン酸類(脂肪酸類)
2.2 脂肪族多価カルボン酸類
2.3 炭素環カルボン酸類
2.4 複素環式カルボン酸類
2.5 上記1〜4から選ばれる2種以上の混合物
脂肪族モノカルボン酸類(脂肪酸類)としては、具体的には、カルボキシル基を分子中に1つ有する脂肪族モノカルボン酸類であり、例えばメタン酸、エタン酸(酢酸)、プロパン酸(プロピオン酸)、ブタン酸(酪酸、イソ酪酸等)、ペンタン酸(吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等)、ヘキサン酸(カプロン酸等)、ヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸等)、ノナン酸(ペラルゴン酸等)、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸等)、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸等)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸等)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸等)、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸等の炭素数1〜40の飽和脂肪族モノカルボン酸(これら飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよい。);プロペン酸(アクリル酸等)、プロピン酸(プロピオール酸等)、ブテン酸(メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等)、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸(オレイン酸等)、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、ペンタコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン酸、ノナコセン酸、トリアコンテン酸等の炭素数1〜40の不飽和脂肪族モノカルボン酸(これら不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である)等が挙げられる。
脂肪族多価カルボン酸類としては、エタン二酸(シュウ酸)、プロパン二酸(マロン酸等)、ブタン二酸(コハク酸、メチルマロン酸等)、ペンタン二酸(グルタル酸、エチルマロン酸等)、ヘキサン二酸(アジピン酸等)、ヘプタン二酸(ピメリン酸等)、オクタン二酸(スベリン酸等)、ノナン二酸(アゼライン酸等)、デカン二酸(セバシン酸等)、プロペン二酸、ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸等)、ペンテン二酸(シトラコン酸、メサコン酸等)、ヘキセン二酸、ヘプテン二酸、オクテン二酸、ノネン二酸、デセン二酸などの炭素数2〜40の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である);プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ペンタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、ヘプタントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸、ノナントリカルボン酸、デカントリカルボン酸等の飽和又は不飽和脂肪族トリカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である);飽和又は不飽和脂肪族テトラカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である)等が挙げられる。
炭素環カルボン酸類としては、具体的には、炭素環にカルボキシル基を分子中に1つ又は2つ以上有するカルボン酸類であり、例えば、シクロヘキサンモノカルボン酸、メチルシクロヘキサンモノカルボン酸、エチルシクロヘキサンモノカルボン酸、プロピルシクロヘキサンモノカルボン酸、ブチルシクロヘキサンモノカルボン酸、ペンチルシクロヘキサンモノカルボン酸、ヘキシルシクロヘキサンモノカルボン酸、ヘプチルシクロヘキサンモノカルボン酸、オクチルシクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘプタンモノカルボン酸、シクロオクタンモノカルボン酸、トリメチルシクロペンタンジカルボン酸(ショウノウ酸等)等の炭素数3〜40の、ナフテン環を有するモノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸(アルキル基、アルケニル基を置換基として有する場合、それらは直鎖状でも分枝状でもよく、二重結合の位置も任意であり、また、その置換数、置換位置も任意である);ベンゼンカルボン酸(安息香酸)、メチルベンゼンカルボン酸(トルイル酸等)、エチルベンゼンカルボン酸、プロピルベンゼンカルボン酸、ベンゼンジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸等)、ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸等)、ナフタリンカルボン酸(ナフトエ酸等)等、炭素数7〜40の芳香族モノカルボン酸類、フェニルプロパン酸(ヒドロアトロパ酸)、フェニルプロペン酸(アトロパ酸、ケイ皮酸等)、サリチル酸、炭素数1〜30のアルキル基を1つ又は2つ以上有するアルキルサリチル酸等の炭素数7〜40のアリール基を有するモノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸(アルキル基、アルケニル基を置換基として有する場合、それらは直鎖状でも分枝状でもよく、二重結合の位置も任意であり、また、その置換数、置換位置も任意である)等が挙げられる。
複素環式カルボン酸類としては、具体的には、カルボキシル基を分子中に1つ又は2つ以上有する複素環式カルボン酸類であり、例えば、フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸、ピリジンカルボン酸(ニコチン酸、イソニコチン酸等)等、炭素数5〜40の複素環式カルボン酸類が挙げられる。
エーテル類としては、具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
3.1 飽和又は不飽和脂肪族エーテル類
3.2 芳香族エーテル類
3.3 環式エーテル類
3.4 上記1〜4から選ばれる2種以上の混合物
脂肪族単一エーテル類としては、具体的には、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジヘキルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジヘプタデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、ジノナデシルエーテル、ジイコシルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルペンチルエーテル、メチルイソペンチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、エチルペンチルエーテル、エチルイソペンチルエーテル、ジビニルエーテル、ジアリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル等の炭素数1〜40の飽和又は不飽和脂肪族エーテル類(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意である)が挙げられる。
芳香族エーテル類としては、具体的には、例えば、アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテル、ポリフェニルエーテル、パーフルオロエーテル等が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、その置換位置も数も任意である。)。これらはその使用条件、特に常温において液状であることが好ましい。
環式エーテル類としては、具体的には、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトロヒドラピラン、ジオキサン、グリシジルエーテル類等の炭素数2〜40の環式エーテル類が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族、炭素環、飽和又は不飽和脂肪族を有する炭素環を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、その置換位置も数も任意である)。
エステル類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
4.1 脂肪酸モノカルボン酸類(脂肪酸類)のエステル
4.2 脂肪族多価カルボン酸類のエステル
4.3 炭素環カルボン酸類のエステル
4.4 複素環式カルボン酸類のエステル
4.5 アルコール類又はエステル類のアルキレンオキサイド付加物
4.6 上記1〜5から選ばれる任意の混合物
なお、上記4.1〜4.5に挙げたエステル類としては、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が全てエステル化された完全エステルでもよく、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が一部残存した部分エステルであってもよい。
上記4.1成分としては、前述の脂肪酸モノカルボン酸類(脂肪酸)から選ばれる1種又は2種以上と前述の1価、2価又は3価以上のアルコール類から選ばれる1種又は2種以上とのエステルであり、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤が含まれる。脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤としては、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、特に好ましくは炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有する脂肪酸エステルであり、かかる炭化水素基を有する脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとからなるエステルなどを例示できる。ここでいう脂肪酸とは脂肪族モノカルボン酸を示す。具体的な好適例としては、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレエート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレートなどが挙げられる。
脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤以外の4.1成分としては、炭素数1〜5あるいは炭素数31〜40の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有する脂肪酸エステルが挙げられ、かかる炭化水素基を有する脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとからなるエステルなどを例示できる。
これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができ、通常、上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤と区別することができる。これらの例としては、例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等の、炭素数3〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは4〜12の3価以上のポリオール類、特にネオペンチル構造を有する3価以上のポリオール類と、炭素数1〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜12のモノカルボン酸から選ばれる1種又は2種以上との単一エステル類あるいはコンプレックスエステル類等のポリオールエステル類及びこれらの混合物、あるいは、さらにアルキレンオキサイドを付加させたもの等が挙げられる。これらはヒドロキシル基又はカルボキシル基が全てエステル化された完全エステルでもよく、ヒドロキシル基又はカルボンキシル基が一部残存した部分エステルでもよいが、完全エステルであることが好ましく、そのヒドロキシル基価は通常100mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、特に好ましくは10mgKOH/g以下である。
また、これら潤滑油基油の100℃における動粘度は、好ましくは2〜60mm/s、特に好ましくは3〜50mm/sである。
上記4.2成分としては、前述の脂肪族多価カルボン酸類から選ばれる1種又は2種以上と前述の1価、2価又は3価以上のアルコール類から選ばれる1種又は2種以上とのエステル等であり、好ましい具体例としては、例えば、ジブチルマレエート、ジトリデシルグルタレート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート等の炭素数2〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜12のジカルボン酸類から選ばれる1種又は2種以上の多価カルボン酸類と、炭素数4〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜14の1価アルコール類から選ばれる1種又は2種以上とのジエステル類、あるいはこれらジエステル類(例えばジブチルマレエート等)と炭素数4〜16のポリ−α−オレフィン等との共重合体、無水酢酸等にα−オレフィンを付加した化合物と炭素数1〜40のアルコール類とのエステル等が挙げられる。これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
上記4.3成分としては、前述の炭素環カルボン酸類から選ばれる1種又は2種以上と前述の1価、2価又は3価以上のアルコール類から選ばれる1種又は2種以上とのエステル等が挙げられ、好ましい具体例としては、例えば、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、ピロメリット酸エステル類、サリチル酸エステル類等の芳香族カルボン酸エステル類が挙げられる。これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
上記4.4成分としては、前述の複素環式カルボン酸類から選ばれる1種又は2種以上と前述の1価、2価又は3価以上のアルコール類から選ばれる1種又は2種以上とのエステル類が挙げられる。これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
上記4.5成分としては、前述の1価、2価又は3価以上のアルコール類から選ばれる1種又は2種以上にアルキレンオキサイドを付加してエステル化したものや、前述の4.1〜4.4から選ばれるエステルにアルキレンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
上記含酸素有機化合物の誘導体としては、具体的には、例えば、上記アルコール類、カルボン酸類、エステル類、エーテル類から選ばれる1種を硫化した化合物、ハロゲン化(フッ化、塩化等)した化合物、硫酸、硝酸、硼酸、リン酸及びこれらの酸のエステル類又は金属塩類との反応生成物、金属、金属含有化合物、あるいは、アミン化合物との反応生成物、等が挙げられる。
これらの中では、アルコール類及びカルボン酸類並びにこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上と、アミン化合物との反応生成物(例えばマンニッヒ反応生成物、アシル化反応生成物、アミド等)が好ましい例として挙げられる。
ここでいうアミン化合物としては、アンモニア、モノアミン、ジアミン、ポリアミンが挙げられる。より具体的には、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジヘプタデシルアミン、ジオクタデシルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、及びプロピルブチルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルキルアミン;エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、及びオレイルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルケニルアミン;メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、ヘキサノールアミン、ヘプタノールアミン、オクタノールアミン、ノナノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、メタノールブタノールアミン、エタノールプロパノールアミン、エタノールブタノールアミン、及びプロパノールブタノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルカノールアミン;メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やN−ヒロドキシエチルオレイルイミダゾリン等の複素環化合物;これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;及びこれらの混合物等が例示できる。
これら窒素化合物の中でもデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン及びステアリルアミン等の炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(これらは直鎖状でも分枝状でもよい)が好ましい例として挙げることができる。
これら含酸素有機化合物の誘導体の中でも、オレイン酸アミドのような炭素数8〜20のカルボン酸アミド類が好ましい例として挙げられる。
上記脂肪族アミン系化合物としては、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、特に好ましくは炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有するものを挙げることができる。炭素数が6〜30の範囲外のときは、摩擦低減効果が十分に得られない可能性がある。
炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状炭化水素基としては、具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基などを挙げることができる。
なお、上記アルキル基及びアルケニル基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造が含まれ、また、アルケニル基における二重結合の位置は任意である。
上記脂肪族アミン化合物としては、脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物、脂肪族ポリアミン、イミダゾリン化合物等、及びこれらの誘導体等を例示できる。具体的には、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン、オレイルアミン、オレイルプロピレンジアミン、オレイルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の脂肪族アミン化合物や、これら脂肪族アミン化合物のN,N−ジポリオキシアルキレン−N−アルキル(又はアルケニル)(炭素数6〜28)等のアミンアルキレンオキシド付加物、これら脂肪族アミン化合物に炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したりアミド化した、いわゆる酸変性化合物等が挙げられる。好適な例としては、N,N−ジポリオキシエチレン−N−オレイルアミン等が挙げられる。
また、本発明に用いる自動変速機油組成物に含まれる脂肪族アミン系化合物の含有量については、潤滑油全量基準で、0.05〜3.0%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0%、特に好ましくは0.5〜1.4%であることが良い。上記含有量が0.05%未満であると摩擦低減効果が小さくなり易く、3.0%を超えると潤滑油への溶解性や貯蔵安定性が著しく悪化し、沈殿物が発生し易いので、好ましくない。
更に、本発明に用いる潤滑油組成物は、ポリブテニルコハク酸イミド及びその誘導体の一方又は双方を含有することが好適でさる。
上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の一般式(1)及び(2)
Figure 2005097554
Figure 2005097554
で表される化合物が挙げられる。これら一般式におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、高純度イソブテン又は1−ブテンとイソブテンの混合物をフッ化ホウ素系触媒又は塩化アルミニウム系触媒で重合させて得られる数平均分子量が900〜3500、望ましくは1000〜2000のポリブテンから得られる。上記数平均分子量が900未満の場合は清浄性効果が劣り易く、3500を超える場合は低温流動性に劣り易いため、望ましくない。
また、上記一般式におけるnは、清浄性に優れる点から1〜5の整数、より望ましくは2〜4の整数であることがよい。更に、上記ポリブテンは、製造過程の触媒に起因して残留する微量のフッ素分や塩素分を吸着法や十分な水洗等の適切な方法により、50ppm以下、より望ましくは10ppm以下、特に望ましくは1ppm以下まで除去してから用いることもよい。
更に、上記ポリブテニルコハク酸イミドの製造方法としては、特に限定はないが、例えば、上記ポリブテンの塩素化物又は塩素やフッ素が十分除去されたポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
一方、上記ポリブテニルコハク酸イミドの誘導体としては、上記一般式(1)及び(2)に示す化合物に、ホウ素化合物や含酸素有機化合物を作用させて、残存するアミノ基及びイミノ基の一方又は双方の一部又は全部を中和したりアミド化した、いわゆるホウ素変性化合物又は酸変性化合物を例示できる。代表的には、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド、特にホウ素含有ビスポリブテニルコハク酸イミドを用いることがより望ましい。
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩及びホウ酸エステル等が挙げられる。具体的には、上記ホウ酸としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸及びパラホウ酸等が挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム及び八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が好適例として挙げられる。更に、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸とアルキルアルコール(望ましくは炭素数1〜6)とのエステル、例えばホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル及びホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。なお、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比「B/N」は、通常0.1〜3であり、望ましくは0.2〜1である。
また、上記含酸素有機化合物としては、具体的には、例えばギ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸及びエイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸並びにこれらの無水物、又はエステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド及びヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる。
なお、本発明に用いる自動変速機油組成物において、ポリブテニルコハク酸イミド及びその誘導体の一方又は双方の含有量は特に制限されないが、0.1〜15%が望ましく、より望ましくは1.0〜12%であることが良い。0.1%未満では清浄性効果が乏しくなることがあり、15%を超えると含有量に見合う清浄性効果が得られにくく、抗乳化性が悪化し易い。
上述のように、本発明に用いる自動変速機油組成物は、硬質炭素薄膜をコーティングした摺動部材と任意の材料からなる摺動面に用いる場合に、極めて優れた低摩擦特性を示すが、特に自動変速機の摺動部位に用いるときには、金属系清浄剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、他の無灰摩擦調整剤、他の無灰分散剤、摩耗防止剤若しくは極圧剤、防錆剤、非イオン系界面活性剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、及び消泡剤を単独で又は複数種を組合せて配合し、必要な性能を高めることができる。
上記金属系清浄剤としては、自動変速機油用の金属系清浄剤として通常用いられる任意の化合物が使用できる。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレート及びナフテネート等を単独又は複数種を組合せて使用できる。ここで、上記アルカリ金属としてはナトリウム(Na)やカリウム(K)等、上記アルカリ土類金属としてはカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)等が例示できる。また、具体的な好適例としては、Ca又はMgのスルフォネート、フェネート及びサリシレートが挙げられる。
なお、これら金属系清浄剤の全塩基価及び添加量は、要求される自動変速機油の性能に応じて任意に選択できる。通常は、過塩素酸法で0〜500mgKOH/g、望ましくは150〜400mgKOH/gであり、その添加量は組成物全量基準で、通常0.1〜10%である。
また、上記酸化防止剤としては、自動変速機油用の酸化防止剤として通常用いられる任意の化合物を使用できる。例えば、4,4−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)及びオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン及びアルキルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤、並びにこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。また、かかる酸化防止剤の添加量は、組成物全量基準で、通常0.01〜5%である。
更に、上記粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸又はこれらの任意の組合せに係る共重合体やその水添物等のいわゆる非分散型粘度指数向上剤、及び更に窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。また、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等も例示できる。
これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型又は非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000が良く、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000が良い。また、かかる粘度指数向上剤は、単独で又は複数種を任意に組合せて含有させることができるが、通常その含有量は、組成物全量基準で0.1〜40.0%であることが望ましい。
更にまた、他の無灰摩擦調整剤としては、ホウ酸エステル及び脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン及び二硫化モリブデン等の金属系摩擦調整剤等が挙げられる。
また、他の無灰分散剤としては、数平均分子量が900〜3500のポリブテニル基を有するポリブテニルベンジルアミン、ポリブテニルアミン、数平均分子量が900未満のポリブテニル基を有するポリブテニルコハク酸イミド等及びそれらの誘導体等が挙げられる。
さらに、上記摩耗防止剤又は極圧剤としては、ジスルフィド、硫化油脂、硫化オレフィン、炭素数2〜20の炭化水素基を1〜3個有するリン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、チオ亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩等が挙げられる。
更にまた、上記防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
また、上記非イオン系界面活性剤及び抗乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
更に、上記金属不活性化剤としては、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、ベンゾトリアゾール及びチアジアゾール等が挙げられる。
更にまた、上記消泡剤としては、シリコーン、フルオロシリコーン及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
なお、これら添加剤を本発明に用いる潤滑油組成物に含有する場合は、その含有量は、組成物全量基準で、他の摩擦調整剤、他の無灰分散剤、摩耗防止剤又は極圧剤、防錆剤、及び抗乳化剤は0.01〜5%、並びに金属不活性化剤は0.0005〜1%の範囲から適宜選択できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[摺動部材の作製]
材料は、SCM420浸炭鋼を用い、LFW−1試験用のFalex社が規定する寸法(下記の(LFW−1試験条件)を参照。)のブロックとリングを作製した。
・ブロック
SCM420鋼から成る素材に、浸炭、低温焼戻し処理後、摺動表面をラッピングテープを用いて研磨し、表面粗さをRa0.03μmに仕上げた。得られたブロックの表面に、必要に応じてPVD処理又はCVD処理により、コーティング材を膜厚が1.1μmになるようにコーティングし、更にラッピングテープを用いて表面粗さをRa0.03μmに仕上げた。
・リング
SCM420鋼から成る素材に、浸炭、低温焼戻し処理後、摺動表面をラッピングテープを用いて研磨し、表面粗さをRa0.04μmに仕上げた。得られたブロックとリングの仕様を表1に示す。
Figure 2005097554
[ATF組成物の調製]
基油としてパラフィン系鉱油(100℃における動粘度が4.3mm/s)を使用し、脂肪酸エステル系、脂肪族アミン系、アミド系及びアルコール系の摩擦調整剤とATF添加剤パッケージとポリメタクリレートを適宜添加して、ATF組成物を調製した。得られたATF組成物と上記摺動部材とを組み合わせて実施例1〜7及び比較例1〜6の摺動部材を得た。各例の仕様を表2に示す。なお、表2中、脂肪酸エステルとしてはグリセリンモノオレートを用い、また、市販のATFとしては日産純正油(Matic−J)を用いた(このATFには、摩擦調整剤が含有されている。)。更に、用いたATFパッケージ添加物には、摩擦調整剤が含有されている。
Figure 2005097554
[性能評価]
ASTM D2714に規定されているLFW−1試験方法に準拠し、下記の試験条件で試験時間60分後の摩擦力から各例の摩擦係数を算出した。得られた結果を表2に併記する。
(LFW−1試験条件)
・試験装置 :Falex Block−on−Ring Friction
and Wear Testing Machine
・試験片 :ブロック(FalexタイプH−60形状)
:リング(FalexタイプS−10形状)
・すべり速度:0.26m/s
・荷重 :222.5N
・油温 :110℃
・試験時間 :60分
表2より、各種摩擦調整剤とDLC(a−C)の組合せは、DLC(a−C:H)及びコーティングなしに対して、摩擦低減効果が著しいことがわかる。また、現時点では、摩擦低減効果の観点から、実施例6が最も良好な結果をもたらすものと思われる。

Claims (10)

  1. 自動変速機油組成物の存在下で互いに摺動する部材の少なくとも一方の摺動面に硬質炭素薄膜を被覆して成る摺動部位を有する自動変速機用低摩擦摺動部材であって、
    上記硬質炭素薄膜の水素含有量が20原子%以下であり、
    上記自動変速機油組成物が、有機系含酸素化合物及び/又は脂肪族アミン系化合物を含んでいることを特徴とする自動変速機用低摩擦摺動部材。
  2. 上記硬質炭素薄膜の水素含有量が10原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機用低摩擦摺動部材。
  3. 上記硬質炭素薄膜の水素含有量が5原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機用低摩擦摺動部材。
  4. 上記硬質炭素薄膜の水素含有量が0.5原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機用低摩擦摺動部材。
  5. 上記硬質炭素薄膜の被覆前における基材の表面粗さがRaで0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の自動変速機用低摩擦摺動部材。
  6. 上記硬質炭素薄膜は、表面硬さが、マイクロビッカース硬さ(10g荷重)でHv1000〜3500、厚さが0.3〜2.0μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の自動変速機用低摩擦摺動部材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の自動変速機用低摩擦摺動部材に用いられる自動変速機油組成物であって、
    上記有機系含酸素化合物が1価又は多価アルコール類、カルボン酸類、エーテル類、エステル類及びこれらの誘導体から成る群より選ばれた少なくとも1種の化合物であって、組成物全量基準で0.05〜3.0%含有されていることを特徴とする自動変速機油組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の自動変速機用低摩擦摺動部材に用いられる自動変速機油組成物であって、
    上記脂肪族アミン系化合物が炭素数6〜30の炭化水素基を有し、組成物全量基準で0.05〜3.0%含有されていることを特徴とする自動変速機油組成物。
  9. ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の自動変速機油組成物。
  10. 上記ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体の含有量が、組成物全量基準で0.1〜15%であることを特徴とする請求項9に記載の自動変速機油組成物。
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