JP4840635B2 - 低摩擦含油摺動機構 - Google Patents
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Description
CO2削減については自動車の燃費の削減を図ることが大きな課題の一つであり、これについて摺動材料と潤滑油の果たす役割は大きいものがある。
一般に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)材料は、空気中や潤滑油不存在下における摩擦係数が、窒化チタン(TiN)や窒化クロム(CrN)といった耐摩耗性の硬質被膜材料と比べて低いことから低摩擦摺動材料として期待されている。
(1)低粘度化による、流体潤滑領域における粘性抵抗及びエンジン内の攪拌抵抗の低減
(2)最適な摩擦調整剤と各種添加剤の配合による、混合及び境界潤滑領域下での摩擦損 失の低減
が提言されており、摩擦調整剤としてはモリブデンジチオカルバメイト(MoDTC)やモリブデンジチオホスフェート(MoDTP)といった有機モリブデン化合物を中心として多くの研究がなされており、従来の鋼材料から成る摺動面においては、使用開始初期に優れた低摩擦係数を示す有機モリブデン化合物を配合した潤滑油組成物が用いられ、効果を上げていた。
加納 他,日本トライボロジー学会予稿集,1999年5月,p.11〜12 加納 他(Kano et al.),ワールド・トライボロジー・コングレス(World Tribology Congress)2001.9,Vienna,Proceeding p.342
いずれか一方又は双方の上記摺動部材の摺動部には、硬質炭素被膜が被覆されており、
上記含油摺動部材が、含酸素有機化合物を含有する潤滑油を含むことを特徴とする。
上述の如く、本発明の低摩擦含油摺動機構は、相互に摺動する摺動部材を備えるが、これら摺動部材の双方又は一方は含油摺動部材である。
また、少なくとも一方の上記摺動部材の摺動部には、硬質炭素被膜が被覆されており、更には、上記含油摺動部材が、含酸素有機化合物を含有する潤滑油を含むものである。
但し、これら摺動部材のうち、相互に摺動するもの同士の少なくとも一方は含油摺動部材であることを要し、上述のような摺動部材がA〜Cの3個の場合には、BとAの少なくとも一方、BとCの少なくとも一方が含油摺動部材であることを必要とする。
この場合の代表例としては、A〜Cの全てが含油摺動部材、Bが含油摺動部材でAとCの双方が非含油摺動部材、AとCの双方が含油摺動部材でBが非含油摺動部材の場合を挙げることができる。
なお、かかる摺動における摩擦・摺動形式は特に限定されるものではなく、点接触、線接触及び面接触のいずれの形式によるものも、本発明の含油摺動機構の対象となる。
含油率が10体積%未満では、十分な摩擦係数の低減が実現できないことがある。
上記DLC薄膜は、いわゆるDLC材料から構成されるものであり、このDLC材料は、炭素原子を主体として構成された非晶質のものであり、炭素原子同士の結合形態がダイヤモンド構造(SP3結合)とグラファイト結合(SP2結合)の両方から成る。
上述の如く、この潤滑油は含酸素有機化合物を含有するものであるが、更に脂肪族アミン系化合物を含有していてもよい。
ここでまず、含酸素有機化合物としては、分子中に酸素を含有する有機化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、炭素、水素及び酸素から成る有機化合物であってもよいし、分子中にこれら以外の元素、例えば、窒素、硫黄、ハロゲン(フッ素、塩素等)、リン、ホウ素及び金属等を含有する有機化合物であってもよい。
また、ヒドロキシル基を2個以上有するものがより好ましく、更には、上記同様の理由から、硫黄含有量が少ないか又は硫黄を含有しない含酸素有機化合物がより望ましい。
なお、ここでいう「誘導体」としては、代表的には、炭素、水素及び酸素から成る含酸素有機化合物に、例えば、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄や硫黄含有化合物、ホウ素含有化合物、ハロゲン元素やハロゲン元素含有化合物、金属元素や金属含有化合物等(有機、無機を問わない)、アルキレンオキサイドを反応させて得られる化合物等が挙げられる。
・1価アルコール類(I−1)
・2価のアルコール類(I−2)
・3価以上のアルコール類(I−3)
・上記3種のアルコール類から選ばれる1種又は2種以上の混合物(I−4)
エテノール、プロペノール、ブテノール、ヘキセノール、オクテノール、デセノール、ドデセノール、オクタデセノール(オレイルアルコール等)等の炭素数2〜40の1価アルケニルアルコール類(これらアルケニル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、二重結合の位置も任意である);
シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペンタノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール、プロピルシクロヘキサノール、ブチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、シクロペンチルメタノール、シクロヘキシルメタノール(1−シクロヘキシルエタノール、2−シクロヘキシルエタノール等)、シクロヘキシルエタノール、シクロヘキシルプロパノール(3−シクロヘキシルプロパノール等)、シクロヘキシルブタノール(4−シクロヘキシルブタノール等)、ブチルシクロヘキサノール、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノール等の炭素数3〜40の1価(アルキル)シクロアルキルアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置も任意である);
フェニルアルコール、メチルフェニルアルコール(o―クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール)、クレオソール、エチルフェニルアルコール、プロピルフェニルアルコール、ブチルフェニルアルコール、ブチルメチルフェニルアルコール(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ジメチルフェニルアルコール、ジエチルフェニルアルコール、ジブチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアルコール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ジブチルメチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチル−4メチルフェニルアルコール等)、ジブチルエチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチル−4エチルフェニルアルコール等)、トリブチルフェニルアルコール(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ナフトール(α―ナフトール、β−ナフトール等)、ジブチルナフトール(2,4−ジ−tert−ブチル−α−ナフトール等)等の(アルキル)アリールアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、またアルキル基、ヒドロキシル基の置換位置も任意である)等;
6−(4−オキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−2,4−ビス−(n−オクチル−チオ)−1,3,5−トリアジン等;
及びこれらの混合物等が挙げられる。
シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール等の(アルキル)シクロアルカンジオール類(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置は任意である)、ベンゼンジオール(カテコール等)、メチルベンゼンジオール、エチルベンゼンジオール、ブチルベンゼンジオール(p−tert−ブチルカテコール等)、ジブチルベンゼンジオール(4,6−ジ−tert−ブチル−レゾルシン等)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−チオビス−(4,6−ジ−tert−ブチル−レゾルシン)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチル−フェノール)、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシ)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)等の炭素数2〜40の2価(アルキル)アリールアルコール類(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置は任意である);
p−tert−ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物、p−tert−ブチルフェノールとアセトアルデヒドとの縮合物など;及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)フェニルアルコール等の分子量300以上、好ましくは400の高分子量のヒンダードアルコール類は、高温条件(例えば内燃機関等の摺動条件)においても揮発しにくく耐熱性に優れ、摩擦低減効果を発揮できるとともに、優れた酸化安定性をも付与できる点で好ましい。
具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等のトリメチロールアルカンの他、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等、及びこれらの重合体又は縮合物(例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のグリセリンの2〜8量体等、ジトリメチロールプロパン等のトリメチロールプロパンの2〜8量体等、ジペンタエリスリトール等のペンタエリスリトールの2〜4量体等、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物等の縮合化合物(分子内縮合化合物、分子間縮合化合物又は自己縮合化合物))等が挙げられる。
なお、6価を超える多価アルコールは粘度が高くなりすぎることがある。
・脂肪族モノカルボン酸類(脂肪酸類)(II−1)
・脂肪族多価カルボン酸類(II−2)
・炭素環カルボン酸類(II−3)
・複素環式カルボン酸類(II−4)
・上記4種のカルボン酸類から選ばれる2種以上の混合物(II−5)
プロペン酸(アクリル酸等)、プロピン酸(プロピオール酸等)、ブテン酸(メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等)、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸(オレイン酸等)、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、ペンタコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン酸、ノナコセン酸、トリアコンテン酸等の炭素数1〜40の不飽和脂肪族モノカルボン酸(これら不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である);などが挙げられる。
プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ペンタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、ヘプタントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸、ノナントリカルボン酸、デカントリカルボン酸等の飽和又は不飽和脂肪族トリカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である);
飽和又は不飽和脂肪族テトラカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である);などが挙げられる。
・脂肪酸モノカルボン酸類(脂肪酸類)のエステル(III−1)
・脂肪族多価カルボン酸類のエステル(III−2)
・炭素環カルボン酸類のエステル(III−3)
・複素環式カルボン酸類のエステル(III−4)
・上記5種のエステル等から選ばれる任意の混合物(III−5)
なお、上記III−1〜5に挙げたエステル類は、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が全てエステル化された完全エステルでもよく、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が一部残存した部分エステルであってもよい。
具体例的には、ジブチルマレエート、ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の炭素数2〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜12のジカルボン酸類から選ばれる1種又は2種以上の多価カルボン酸類と、炭素数4〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜14の1価アルコール類から選ばれる1種又は2種以上とのジエステル類、これらジエステル類(例えばジブチルマレエート等)と炭素数4〜16のポリαオレフィン等との共重合体、無水酢酸等にαオレフィンを付加した化合物と炭素数1〜40のアルコール類とのエステル等が挙げられる。
具体的には、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、ピロメリット酸エステル類、サリチル酸エステル類等の芳香族カルボン酸エステル類である。
・飽和又は不飽和脂肪族エーテル類(IV−1)
・芳香族エーテル類(IV−2)
・環式エーテル類(IV−3)
・多価アルコールのエーテル類(IV−4)
・上記3種エーテル類のから選ばれる2種以上の混合物(IV−5)
なお、ここで言うエーテルとは、多価アルコールのヒドロキシル基が全てエーテル化された完全エーテルでも良く、ヒドロキシル基が一部残存した部分エーテルでもよいが、より低摩擦特性を示すことから部分エーテルであることが好ましい。
・飽和又は不飽和脂肪族ケトン類(V−1)
・炭素環ケトン類(V−2)
・複素環ケトン類(V−3)
・ケトンアルコール類(V−4)
・ケトン酸類(V−5)
・上記5種のケトン類等から選ばれる2種以上の混合物(V−6)
・飽和又は不飽和脂肪族アルデヒド類(VI−1)
・炭素環アルデヒド類(VI−2)
・複素環アルデヒド類(VI−3)
・上記3種のアルデヒド類から選ばれる2種以上の混合物(VI−4)
なお、上記炭化水素基は、その炭素数に何ら制限はないが、好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数3〜20である。
更にまた、上記アルキルシクロアルキル基としては、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)等の炭素数4〜40のアルキルシクロアルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素数5〜20のアルキルシクロアルキル基、特に好ましくは炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基である。
更に、上記アルキルアリール基としては、トリル基(全ての構造異性体を含む。)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)のような1置換フェニル基;
キシリル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、2−メチル−6−tert−ブチルフェニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ベンジル)フェニル基等のような同一又は異なる直鎖又は分枝のアルキル基、を2つ以上有するアリール基(アルキル基は、更にアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基を含んでもよく、全ての構造異性体を含む。)等のアルキルアリール基等が挙げられ、炭素数7〜40のアルキルアリール基、好ましくは炭素数7〜20のアルキルアリール基、特に好ましくは炭素数7〜12のアルキルアリール基である。
誘導体としては、窒素含有化合物、硫黄や硫黄含有化合物、ホウ素含有化合物、ハロゲン元素やハロゲン元素化合物、金属元素や金属含有化合物(有機、無機を問わない)、アルキレンオキサイドを反応させて得られる化合物等が挙げられるが、特にこれらに制限されない。
これらの中では、アルコール類、カルボン酸類及びアルデヒド類並びにこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上と、アミン化合物との反応生成物(例えばマンニッヒ反応生成物、アシル化反応生成物、アミド等)が好ましい例として挙げられる。
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジヘプタデシルアミン、ジオクタデシルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、及びプロピルブチルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルキルアミン;
エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、及びオレイルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルケニルアミン;
メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、ヘキサノールアミン、ヘプタノールアミン、オクタノールアミン、ノナノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、メタノールブタノールアミン、エタノールプロパノールアミン、エタノールブタノールアミン、及びプロパノールブタノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルカノールアミン;
メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;
ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やN−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の複素環化合物;
これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;
及びこれらの混合物等が例示できる。
また、これら含酸素有機化合物の誘導体の中でも、オレイン酸アミドのような上述の脂肪酸モノカルボン酸類(脂肪酸類)(II−1)のうち、炭素数8〜20のカルボン酸と上述のアミン化合物とのアミドが好ましい例として挙げられる。
また、水酸基の中でも、カルボキシル基等のカルボニル基に直接結合した水酸基よりも、アルコール性水酸基の方がより摩擦低減効果に優れていることから好ましい。
更に、化合物中のこのような水酸基の数については、特に制限は無いが、より摩擦低減効果に優れることからより多くの水酸基を有することが好ましい。
しかしながら、後述する潤滑油基油等の媒体などと共に使用する場合には、溶解性の点から水酸基の数は制限を受けることがある。
炭素数が6〜30の範囲を逸脱するときは、摩擦低減効果が十分に得られない可能性がある。なお、当該範囲の直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素基を有していれば、その他の炭化水素基を有していてもよいことは当然のことである。
なお、上記アルキル基及びアルケニル基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造が含まれ、また、アルケニル基における二重結合の位置は任意である。
ポリアミンとしては、具体的には、ステアリルテトラエチレンペンタミン、オレイルプロピレンジアミン等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、具体的には、ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、具体的には、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等が挙げられる。
アルキレンオキシド付加物としては、上述の各種アミン化合物中の窒素原子にアルキレンオキサイドを付加させたものなどが挙げられる。
具体的には、炭素数6〜28のアルキレン基又はアルケニル基を有する第1級モノアミンに、アルキレンオキサイドを付加させて得られる、N,N−ジポリオキシアルキレン−N−アルキル(アルケニル)アミン、より具体的には、N,N−ジポリオキシエチレン−N−オレイルアミン等が挙げられる。
酸変性化合物としては、上述の各種アミン化合物に上述のカルボン酸類(II)、好ましくは上述の脂肪族モノカルボン酸類(II−1)(より好ましくは炭素数2〜30)、上述の脂肪族多価カルボン酸類(II−2)(より好ましくは炭素数2〜30;シュウ酸等を含む)、上述の炭素環カルボン酸類(II−3)(より好ましくは炭素数6〜30;フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を含む)などを作用させて、アミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したりアミド化したりしたものなどが挙げられる。
但し、本発明においては、含酸素有機化合物に、脂肪族アミン系化合物や潤滑油基油などの各種成分を配合し、これを当該摺動面に供給して潤滑させてもよい。かかる各種成分としては、無灰分散剤などの各種添加剤を例示することができる。
なお、含酸素有機化合物や脂肪族アミン系化合物は、0.1〜2%程度の少量の添加であっても優れた低摩擦特性を発揮することができる。また、3.0%を超えて含有させてもよい。なお、脂肪族アミン系化合物の潤滑油基油への溶解性や貯蔵安定性の点をより重視すると、その上限値は3.0%であることが好ましく、2.0%であることがより好ましく、1.4%であることが更に好ましい。
鉱油系潤滑油基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、ワックス異性化等の処理を1つ以上行って精製したもの等が挙げられ、特に水素化分解処理や水素化精製処理又はワックス異性化処理が施されたもの等の各種の基油を用いることができる。
これらの中でも、水素化精製又は水素化分解鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等によるGTL(ガストゥリキッド)ワックスや潤滑油の脱ろう過程で得られるノルマルパラフィンを多く含むワックス等を異性化して得られるイソパラフィン系鉱油が好ましい。
1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物;
イソブテンオリゴマー、イソブテンオリゴマーの水素化物;
イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンイソステアリネート等のトリメチロールプロパンエステル;
ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のペンタエリスリトールエステル)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等;
及びこれらの混合物等が例示できる。
当該合成系潤滑油基油としては、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物が好ましい例として挙げられる。
また、上記混合物における2種類以上の基油の混合比も特に限定されず任意に選ぶことができる。
また、高度水素化分解鉱油又はワックス異性化鉱油、ポリ−α−オレフィン又はその水素化物1−デセンオリゴマー水素化物、ポリオールエステル等のエステル系潤滑油基油等、及びこれらの混合物等、潤滑油基油の全芳香族含有量が2%以下、又は0%であっても摩擦低減効果の高い組成物を得ることができる。
ここで、「全芳香族含有量」とは、ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分(aromatic fraction)含有量を意味し、通常この芳香族留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アントラセン、フェナントレン、及びこれらのアルキル化物、四環以上のベンゼン環が縮合した化合物、又はピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が含まれる。
潤滑油基油の100℃における動粘度を2mm2/s以上とすることによって油膜形成が十分になり、潤滑性に優れ、また、高条件下での基油の蒸発損失がより小さい組成物を得ることができる。一方、100℃における動粘度を20mm2/s以下とすることによって、流体抵抗が小さくなるため潤滑個所での摩擦抵抗のより小さい組成物を得ることができる。
なお、動粘度が2mm2/s未満である場合には、十分な耐摩耗性が得られない上に蒸発特性が劣る可能性があるため好ましくない。一方、動粘度が20mm2/sを超える場合には低摩擦性能を発揮しにくく、低温性能が悪くなる可能性があるため好ましくない。
本発明においては、上記基油の中から選ばれる2種以上の基油を任意に混合した混合物等が使用でき、100℃における動粘度が上記の好ましい範囲内に入る限りにおいては、基油単独の動粘度が上記以外のものであっても使用可能である。
潤滑油基油の粘度指数が高いものを選択することにより低温粘度特性に優れるだけでなく、オイル消費が少なく、低温粘度特性、省燃費性能、摩擦低減効果に優れた組成物を得ることができる。
上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の[化1]及び[化2]
上記平均分子量が900未満では清浄性効果が劣り易く、3500を超えると低温流動性に劣り易いため、望ましくない。また、上記化学式におけるnは、清浄性に優れる点から1〜5の整数、より望ましくは2〜4の整数であることがよい。
更に、上記ポリブテンは、製造過程の触媒に起因して残留する微量のフッ素分や塩素分を吸着法や十分な水洗等の適切な方法により、50ppm以下、より望ましくは10ppm以下、特に望ましくは1ppm以下まで除去してから用いてもよい。
代表的には、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド、特にホウ素含有ビスポリブテニルコハク酸イミドを用いることがより望ましい。
具体的には、上記ホウ酸としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸及びパラホウ酸等が挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム及び八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が好適例として挙げられる。更に、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸とアルキルアルコール(望ましくは炭素数1〜6)とのエステル、例えばホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル及びホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。
また、上記含酸素有機化合物としては、具体的には、例えばギ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸及びエイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸並びにこれらの無水物、又はエステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド及びヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる。
0.1%未満では清浄性効果に乏しくなることがあり、15%を超えると含有量に見合う清浄性効果が得られにくく、抗乳化性が悪化し易い。
上記[化3]中のR4、R5、R6及びR7は、それぞれ別個に炭素数1〜24の炭化水素基を示す。これら炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖状又は分枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルアリール基、及び炭素数7〜19のアリールアルキル基等のいずれかであることが望ましい。また、アルキル基やアルケニル基は、第1級、第2級及び第3級のいずれであってもよい。
ジチオリン酸亜鉛の含有量がリン元素換算量で0.1%を超えると、DLC被膜と各種金属材料、特に鉄基材料との摺動面における含酸素有機化合物の優れた摩擦低減効果が阻害されるおそれがある。
具体的には、例えば、上記化学式(3)中のR4、R5、R6及びR7に対応する炭化水素基を有するアルコール又はフェノールを五硫化ニリンと反応させてジチオリン酸とし、これを酸化亜鉛で中和させることにより合成できる。なお、上記ジチオリン酸亜鉛の構造が異なるのは、使用する原料アルコール等によることは言うまでもない。
例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレート及びナフテネート等を単独で又は複数種を組合せて使用できる。ここで、上記アルカリ金属としてはナトリウム(Na)やカリウム(K)等、上記アルカリ土類金属としてはカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)等が例示できる。また、具体的な好適例としては、Ca又はMgのスルフォネート、フェネート及びサリシレートが挙げられる。
例えば、4,4−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)及びオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン及びアルキルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤、並びにこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。
また、かかる酸化防止剤の添加量は、組成物全量基準で、通常0.01〜5%である。
また、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等も例示できる。
具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000がよい。また、かかる粘度指数向上剤は、単独で又は複数種を任意に組合せて含有させることができるが、通常その含有量は、組成物基準で0.1〜40.0%であることが望ましい。
また、上記防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
更にまた、上記金属不活性化剤としては、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール及びチアジアゾール等が挙げられる。
また、上記消泡剤としては、シリコーン、フルオロシリコーン及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
このトライボフィルムの厚さは、このフィルムが摺動界面から10nm以内の深さの範囲に形成されることから、代表的に約10nm以下である。
なお、このような本発明に関連するトライボフィルムの摩擦特性は、上述したような「−OH」基などを含有しないトライボフィルムの摩擦特性よりも優れている。
図1に示すように、3本の固定ピンを潤滑油存在下で回転する円板ディスクに押し付けるピンオンディスク型の単体摩擦試験機を用い、下記の表1に示す仕様の各例の摩擦摺動機構を作成した。
この際、ディスクは、同表に示すように鉄基合金(実施例1〜5、参考例1及び2、比較例1〜3)又は銅基合金(実施例6及び7)の焼結合金で作成し、実施例5についてはDLCコーティングを施した。コーティング膜厚などを表1に示す。
なお、表1中において、「a−C」はアモルファスカーボンを示し、「DLC」はダイヤモンドライクカーボンを示しており、「10%H」は水素含有量が10at%であることを示している。
また、表1中の表面硬さや表面粗さは、最終仕上げ後、即ちコーティングを施さないものについては仕上げ加工後、コーティングを施したものについては、コーティング後の値である。
[試験条件]
・潤滑油供給方法:外部からの給油無し
・ディスク温度:80℃
・最大ヘルツ圧力:100MPa
・ディスク回転速度:30rpm(0.03m/s)
・試験時間:60min
また、比較例3に示すように、DLCと含酸素有機化合物を含まない潤滑油基油であるPAOを含浸した含油焼結材料との組合せで摺動させた場合に比べても、約20%の摩擦低減効果が得られている。
なお、水素を含むDLC材料を用いた実施例2に着目すると、含有水素量が10at%である実施例2では、水素をほぼ含まないa−C系のDLCを用いた他の実施例に比べて、摩擦低減効果が若干減少している。従って、含酸素有機化合物を摩擦調整剤(潤滑剤)として含有する潤滑油を含浸させた焼結体と摺動させる硬質炭素被膜としては、大きな摩擦低減効果が得られるa−C系のDLC材料から成る被膜が好ましいと言い得る。
このように顕著な摩擦低減効果は、機械摺動部品の全てに対して効果が期待できる。本発明者らは、トライボロジー的な研究に鋭意取り組んできた結果、エンジンの燃費向上に直結する大きな効果が得られる技術を見出したものであり、本発明は、工業的に極めて有益であると思われる。
Claims (12)
- 相互に摺動する摺動部材を備え、該摺動部材の少なくとも一方が含油摺動部材である含油摺動機構において、
いずれか一方又は双方の上記摺動部材の摺動部には、硬質炭素被膜が被覆されており、
上記含油摺動部材が、含酸素有機化合物を含有する潤滑油を含むことを特徴とする低摩擦含油摺動機構。 - 上記含油摺動部材が、鉄基合金又は銅基合金の焼結体から成り、焼結空孔を有することを特徴とする請求項1に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記硬質炭素被膜が、水素含有量10at%以下のダイヤモンドライクカーボンから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記硬質炭素被膜が、水素を含まないアモルファスカーボン系のダイヤモンドライクカーボンから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記硬質炭素被膜は、その表面硬さがマイクロビッカース硬さで10g荷重においてHv1000〜3500であり、その膜厚が0.3〜2.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記含油摺動部材の相手摺動部材が硬質炭素被膜を有し、その硬質炭素被膜の表面粗さが、Raで0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記含油摺動部材が硬質炭素被膜を有し、その焼結空孔以外の硬質炭素被膜表面部分の表面粗さが、Raで0.1μm以下であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つの項に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記含油摺動部材の含油率が、10体積%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記潤滑油に含まれる含酸素有機化合物が、アルコール類、カルボン酸類、エーテル類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類及びこれらの誘導体から成る群より選ばれた少なくとも1種ものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記摺動部材同士が摺動する際、摺動界面に上記潤滑油が供給され、−O−、>O及び−OH基から成る群より選ばれた少なくとも1種の官能基を含有するトライボフィルムが上記摺動界面に形成されることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1の項に記載の低摩擦含油摺動機構。
- 上記トライボフィルムの厚さが、摺動界面から10nm以内の深さの範囲に形成されることを特徴とする請求項10に記載の低摩擦摺動機構。
- 上記トライボフィルムの摩擦係数が、−O−、>O及び−OH基から成る群より選ばれた少なくとも1種の官能基を含有しないトライボフィルムの摩擦係数よりも小さいことを特徴とする請求項10又は11に記載の低摩擦含油摺動機構。
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