JP2005096219A - 平版印刷方法および平版印刷原版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ヒートモード露光により平版印刷原版を画像描画し、現像処理を行わず直接印刷機に装着して印刷する平版印刷方法において、色素前駆体を含む平版印刷原版を用い、版種識別および画像の検証確認を行って印刷する。色素前駆体として、少なくとも一つのウレタン結合を有する縮合環化合物を用いる。
【選択図】 なし
Description
近年では、コンピュータが画像をデジタル情報として電子的に処理し、蓄積して、出力する。従って、デジタル画像情報に応じた画像形成処理は、レーザー光のような指向性の高い活性放射線を用いる走査露光により、リスフイルムを介することなく、平版印刷原版に対して直接画像形成を行うことが望ましい。このようにデジタル画像情報からリスフイルムを介さずに印刷版を製版する技術は、コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)と呼ばれている。
従来のPS版による印刷版の製版方法を、コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術で実施しようとすると、レーザー光の波長領域と感光性樹脂の感光波長領域とが一致しないとの問題がある。
特に近年は、地球環境への配慮が産業界全体の大きな関心事となっている。環境への配慮からも、湿式の後処理は、簡素化するか、乾式処理に変更するか、さらには無処理化することが望ましい。
このような機上現像に適した平版印刷原版は、水(湿し水)に可溶な感光層を有し、しかも、明室に置かれた印刷機上で現像されるのに適した明室取り扱い性を有することが必要とされる。
従来のPS版では、このような要求を満足することは、実質的に不可能であった。
CTPまたはCTCを実現するため、機上現像または無処理(無現像)で印刷版を製版しようとすると、画像形成層を着色しても、印刷前に(画像状に露光または加熱した段階で)画像を確認することができない。そこで、CTPまたはCTC用の平版印刷原版は、露光または加熱した段階で画像を確認する手段(焼き出し剤)が要求されている。
焼き出し剤として、光または熱で酸、塩基またはラジカルを発生する化合物と、発生した酸、塩基またはラジカルと相互作用して変色する化合物とを用いた印刷版が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、熱分解性化合物の色変化を、感熱層を有する直描型平版印刷版原版の焼き出し剤として利用することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、熱分解温度が250℃以下の熱分解性色素を焼き出し剤として用いることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、本発明の目的は、平版印刷原版を画像状に露光または加熱した段階で画像を確認して現像処理を行わず直接印刷機に装着して平版印刷を行うことでもある。
さらに、本発明の目的は、画像状に露光または加熱した段階で画像を確認し現像処理を行わず直接印刷機に装着して印刷できる平版印刷原版を提供することである。
(1)ヒートモード露光により平版印刷原版を画像描画し、現像処理を行わず直接印刷機に装着して印刷する平版印刷方法であって、平版印刷原版が、下記式(I)乃至(X)で表される色素前駆体を含み、版種識別および画像の検証確認を行って印刷することを特徴とする平版印刷方法:
(3)式(I)乃至(X)における−CO−O−R1 が反応により水素原子に変換されることにより、色素前駆体が色素になる(1)に記載の平版印刷方法。
(6)式(I)乃至(X)における−CO−O−R1 が反応により水素原子に変換されることにより、色素前駆体が色素になる(4)に記載の平版印刷原版。
式(I)乃至(IV)および(VII)乃至(X)で表される色素前駆体は、特開平8−6242号公報に「化学的方法、熱的方法、光分解的方法または照射誘導の手段によって不溶性顔料に変換されうる可溶性顔料前駆物質」として開示されている。
本発明では、上記公報に開示されている可溶性顔料前駆物質から不溶性顔料への溶解性の変化ではなく、式(I)乃至(IV)および(VII)乃至(X)で表される色素前駆体から色素への色相の変化を利用して、版種識別および画像の検証確認を行う。
式(V)および(VI)で表される色素前駆体は、特表2003−508553号公報に新規なリレン染料として開示されている。
本発明では、上記公報に開示されていない用途として、式(V)または(VI)で表される色素前駆体を版種識別および画像の検証確認に用いる。
平版印刷原版は、色素前駆体を含み、色素前駆体が色素に変化することにより、版種識別および画像の検証確認を行うことができる。
色素前駆体は、下記式(I)乃至(X)で表される。
脂肪族基(置換アルキル基、置換アルケニル基および置換アルキニル基)の置換基の例には、ハロゲン原子、芳香族基、複素環基、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、シリル、−O−R、−S−R、−NH−R、−N(−R)2 、−CO−R、−SiH2 −R、−SiH(−R)2 、−Si(−R)3 が含まれる。Rは、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。
芳香族基(置換アリール基)の置換基の例は、脂肪族基の置換基の例に加えて、脂肪族基を含む。
本明細書において、複素環基の複素環に、脂肪族環、芳香族環、複素環が縮合していてもよい。複素環およびその縮合環は、置換基を有することができる。
複素環基の置換基の例は、芳香族基の置換基の例に加えて、オキソ(=O)、チオ(=S)およびイミノ(=NH、=N−R、Rは、脂肪族基、芳香族基または複素環基)を含む。
式(I)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
式(II)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
式(III)において、R3 は、ハロゲン原子、シアノ、脂肪族基、芳香族基または−O−Rである。Rは、式(I)と同じ定義を有する。
式(III)において、nは、0、1または2である。
式(III)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
式(IV)において、R3 は、ハロゲン原子、シアノ、脂肪族基、芳香族基または−O−Rである。Rは、式(I)と同じ定義を有する。
式(IV)において、nは、0、1または2である。
式(V)において、R4 は、水素原子、脂肪族基または芳香族基である。
式(V)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
式(VI)において、R4 は、水素原子、脂肪族基または芳香族基である。
式(VI)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
式(VII)において、R3 は、ハロゲン原子、シアノ、脂肪族基、芳香族基または−O−Rである。Rは、式(I)と同じ定義を有する。
式(VII)において、nは、0、1または2である。
式(VII)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
式(VIII)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
式(IX)において、m個のR2 および上記R5 に含まれるR2 は、少なくとも一つが−CO−O−R1 であり、残りは水素原子である。R1 は、式(I)と同じ定義を有する。
式(IX)において、Mは、金属原子(例、Zn、Cu、Ni、Fe、V)または二つの水素原子である。
式(IX)において、Lは、単結合または二価の連結基である。二価の連結基は、アルキレン基、置換アルキレン基、−SO2 −およびそれらの組み合わせであることが好ましい。アルキレン基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。アルキレンの炭素原子数は、1乃至40が好ましく、1乃至30がより好ましく、1乃至20がさらに好ましく、1乃至15がさらにまた好ましく、1乃至12が最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換アルキレン基の置換基の例は、前述した脂肪族基の置換基の例と同様である。
式(IX)において、mは、1、2、3または4である。
式(X)において、Arは、p+1価の無置換芳香族基またはp+1価の無置換複素環基である。上記「無置換」は、R6 以外の置換基を有していないとの意味である。複素環基は、不飽和複素環を有することが好ましい。
式(X)において、R6 は、ニトロ、−NH−R、−N(−R)2 、−O−R、−S−R、−CH=N−R、−N=N−R、−SO−R、−SO2 −R、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。Rは、式(I)と同じ定義を有する。
式(X)において、pは、0、1、2、3または4である。
式(X)において、Xは、酸素原子または硫黄原子である。酸素原子の方が硫黄原子よりも好ましい。
画像形成層がマイクロカプセルを含有する場合は、マイクロカプセルが色素を含むことができる。また、マイクロカプセル外の画像形成層中に色素を添加してもよい。
画像形成層は、熱又はヒートモード露光により画像描画することができる。本発明は、露光後現像せず、印刷機に装着して印刷可能な平版印刷原版に適用できる。露光後現像せず、印刷機に装着して印刷可能な平版印刷原版は、既に多数が提案されている。
α−スルホニル酢酸構造のような脱炭酸を起こすカルボン酸及びカルボン酸塩を有するポリマー極性変換材料を用いた現像処理が不要なCTP用平版印刷原版が提案されている(例えば、特開2000−122272号公報記載)。
ノボラック樹脂のような会合性のポリマーに熱を加えると溶解性が向上し、熱を与えなかった部分との間に溶解性の差が生じ、アルカリ水溶液で現像することによってポリ画像を形成するポジ型感熱性平版印刷原版が提案されている(例えば、特公昭46−27919号、特開平7−285275号の各公報に記載)。
親水性樹脂中に熱可塑性疎水性重合体の微粒子を分散させた感光層を親水性支持体上に設け、赤外線レーザー露光して熱可塑性疎水性重合体の微粒子を熱により合体(融着)させて画像形成した後、そのまま印刷機に版を取り付け、湿し水及び/又はインキを供給することにより印刷機上で非画像部分を除去する、いわゆる機上現像が可能である平版印刷用原版が提案されている(例えば、特許第2938397号公報記載)。
ヒートモード露光する場合には、画像形成層中に、赤外線吸収色素を用いることが好ましい。
赤外線吸収色素は、波長が760乃至1200nmの赤外光を熱に変換する機能を有することが好ましい。
赤外線吸収色素は、波長が760乃至1200nmの赤外領域に吸収極大を有する赤外線吸収染料または赤外線吸収顔料であることが好ましい。
赤外吸収染料には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料(特開昭58−112793号、同58−224793号、同59−48187号、同59−73996号、同60−52940号、同60−63744号の各公報に記載)、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム染料(特開昭58−112792号公報記載)、ピリリウム染料(特開昭57−142645号、同58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146061号、同59−146063号、特公平5−13514号、同5−19702号の各公報、米国特許第3881924号、同4283475号、同4327169号の各明細書に記載)および金属チオレート錯体が含まれる。
赤外吸収染料については、米国特許第4756993号および同5156938号および同メチン染料(特開昭58−125246号、同58−173696号、同58−181690号、同58−194595号、同59−84356号、同59−202829号、同60−78787号の各公報、英国特許第434875号明細書に記載)が好ましく、シアニン染料(特開昭58−125246号、同59−84356号、同59−202829号、同59−216146号、同60−78787号、特開2001−133969号の各公報、特願2001-6326号、同2001−237840号明細書、英国特許第434875号明細書に記載)がさらに好ましい。
Bo−Lo=Bs
上記式において、Bsは、塩基性核であり;Boは、塩基性核のオニウム体であり;そして、Loは、奇数個のメチンからなるメチン鎖である。
赤外吸収染料の場合、Loは、7個のメチンからなるメチン鎖であることが好ましい。
Rは、炭素原子数が1乃至12の脂肪族基または炭素原子数が6乃至12の芳香族基または炭素原子数が1乃至12のヘテロ環基である。
1−ピリジニオは、置換基または対アニオンを有していてもよい。置換基の例には、アルキル基、アリール基、アミノ、置換アミノ基およびハロゲン原子が含まれる。対アニオンの例には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオンおよびスルホン酸イオンが含まれる。過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオンおよびアリールスルホン酸イオンが好ましい。
メソ位に隣接する二つのメチンは、それぞれ独立に、炭素原子数1乃至12の炭化水素基で置換されているか、あるいは二つの置換基が結合して、5員環または6員環を形成していることが好ましい。
メチン鎖を構成する他のメチンは、置換基(例、炭素原子数が12以下の炭化水素基)を有していてもよいが、無置換であることが好ましい。
少なくとも一つの窒素原子を含む5員環(窒素原子が1位)は、2位でメチン鎖と結合していることが好ましい。また、少なくとも一つの窒素原子を含む5員環は、3位が硫黄原子または炭素原子数が12以下のアルキル基二つで置換された炭素原子(ジアルキルメチレン基)であることが好ましい。また、少なくとも一つの窒素原子を含む5員環には、芳香族環(例、ベンゼン環、ナフタレン環)が縮合していることが好ましく、芳香族環は5員環の4位と5位に縮合していることがさらに好ましい。芳香族環は、置換基を有していてもよく、置換基の例には、炭素原子数が12以下の炭化水素基、ハロゲン原子および炭素原子数が12以下のアルコキシ基が含まれる。
顔料は、0.01乃至10μmの範囲に平均粒径を有することが好ましく、0.05乃至1μmの範囲に平均粒径を有することがさらに好ましく、0.1乃至1μmの範囲に平均粒径を有することが最も好ましい。平均粒径を調節することで、塗布液中での顔料分散物の安定性と形成される層の均一性が得られる。
画像形成層の吸光度は、画像形成層に添加する赤外線吸収剤の量と画像形成層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの画像形成層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
赤外線吸収色素は、感光層にマイクロカプセルを含有する場合には、マイクロカプセルに内包してもよく、カプセル外にあってもよい。
熱溶融性ポリマーの主鎖は、炭化水素(ポリオレフィン)、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエーテルおよびそれらの組み合わせから選ばれることが好ましい。炭化水素またはポリウレタンを含む主鎖が特に好ましい。
熱溶融性ポリマーの主鎖は、置換基を有することができる。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、メルカプト、ホルミル、アミノ、カルボキシル、カルバモイル、スルホ、スルファモイル、ホスホノ、シアノ、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−S−R、−CO−R、−NH−R、−N(−R)2 、−CO−O−R、−O−CO−R、−CO−NH−R、−NH−CO−R、−SO2 −R、−SO2 −O−R、−O−SO2 −R、−SO2 −NH−R、−NH−SO2 −Rおよび−P(=O)(−O−R)2 が含まれる。上記Rは、それぞれ、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。酸性基および塩基性基は、解離していても、対イオンと共に塩の状態になっていてもよい。
熱溶融性ポリマーの分子量は、質量平均で、5百乃至100万であることが好ましく、千乃至50万であることがより好ましく、2千乃至20万であることがさらに好ましく、5千乃至10万であることが最も好ましい。
熱溶融性ポリマーは、画像形成層に5乃至90質量%含まれていることが好ましく、30乃至80質量%含まれていることがさらに好ましい。
均質な微粒子を形成するため、乳化重合反応において界面活性剤を使用することが好ましい。カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用できる。界面活性剤の使用量は、モノマーの総量の0.01乃至10質量%であることが好ましい。
重合反応は、重合開始剤(連鎖移動剤)を用いることが好ましい。重合開始剤の使用量は、モノマーの総量の0.05乃至10質量%であることが好ましい。
微粒子は、5乃至500nmの粒子サイズを有することが好ましく、10乃至300nmの粒子サイズを有することがさらに好ましい。粒子サイズ分布は、なるべく均一であることが好ましい。
二種類以上の微粒子を混合して用いてもよい。
微粒子またはマイクロカプセルを画像形成層に添加して使用する場合、親水性化合物を微粒子またはマイクロカプセルのバインダーとして画像形成層で使用することが好ましい。
親水性化合物は、ポリマーであることが好ましい。親水性ポリマーの親水性基としては、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、アミノまたはアミド結合が好ましい。カルボキシルおよびスルホは、塩の状態であってもよい。
親水性ポリマーとしては、様々な天然または半合成ポリマーあるいは合成ポリマーが使用できる。
天然または半合成ポリマーとしては、多糖類(例、アラビアゴム、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、そのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム)またはタンパク質(例、カゼイン、ゼラチン)を用いることができる。
カルボキシルを親水性基として有する合成ポリマーの例には、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸およびそれらの塩が含まれる。
その他の親水性基(例、アミノ、多数のエーテル結合、親水性複素環基、アミド結合、スルホ)を有する合成ポリマーの例には、ポリエチレングリコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミドおよびポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩が含まれる。
二種類以上の親水性ポリマーを併用してもよい。
画像形成層中に親水性ポリマーは、2乃至40質量%含まれることが好ましく、3乃至30質量%含まれることがさらに好ましい。
低分子量の親水性化合物としては、界面活性剤を好ましく用いることができる。界面活性剤は、ノニオン界面活性剤(特開昭62−251740号、特開平3−208514号の各公報記載)、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤(特開平2−195356号公報記載)、両性界面活性剤(特開昭59−121044号、特開平4−13149号の各公報記載)あるいは含フッ素界面活性剤を用いることができる。
低分子量の親水性化合物は、画像形成層に0.05乃至15質量%含まれることが好ましく、0.1乃至5質量%含まれることがさらに好ましい。
重合性化合物は、ポリマー(重合性基を架橋性官能基として有する架橋性ポリマー)であってもよい。
重合性化合物は、その一分子中に二個以上の重合性官能基を有することが好ましい。
重合性化合物の重合性官能基は、加熱することにより重合反応する。また、重合反応を促進する化合物(例えば、酸)の感熱性前駆体と、重合性化合物(例えば、ビニルエーテル化合物や環状エーテル化合物)とを併用してもよい。さらに、熱重合開始剤(ラジカル前駆体)と、重合性化合物(エチレン性不飽和重合性化合物)とを併用してもよい。
感熱性酸発生剤と、ビニルエーテルまたは環状エーテルとの組み合わせについては、特開2001−277740号、同2002−46361号および同2002−29162号の各公報に記載がある。
熱重合開始剤(熱ラジカル発生剤)とエチレン性不飽和重合性化合物との組み合わせについては、特開2002−137562号公報に記載がある。
ビニルエーテル化合物も、複数のビニルエーテル基を有することが好ましい。ビニルエーテル化合物は、下記式(XI)で表されることが好ましい。
(XI)L4 (−O−CR5 =CR6 R7 )m
mが2の場合、L4 は、アルキレン基、置換アルキレン基、アリーレン基、置換アリーレン基、二価の複素環基、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−SO−、−SO2 −およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の基であることが好ましい。
アルキレン基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
置換アルキレン基および置換アルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
アリーレン基は、フェニレンであることが好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。
二価の複素環基は、置換基を有していてもよい。
置換アリーレン基、置換アリール基および置換複素環基の置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
三価以上の脂肪族基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
芳香族基は、ベンゼン環残基であることが好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
L4 は、m個の繰り返し単位からなるポリマーの主鎖を構成してもよい。
(XII)L4 (−CR5 =CR6 R7 )m
L4 、R5 、R6 およびR7 の定義は、式(XI)と同様である。
重合性化合物および架橋性ポリマーの官能基がビニルオキシ基またはエポキシ基のようなカチオン重合性基である場合は、画像形成層は、さらに感熱性酸発生剤を含むことが好ましい。
感熱性酸発生剤は、加熱すると酸を発生する化合物からなる。発生した酸は、ビニルオキシ基またはエポキシ基の重合反応を開始もしくは促進する。
感熱性酸発生剤は、オニウム塩であることが好ましい。
二種類以上の感熱性酸発生剤を併用してもよい。
感熱性酸発生剤の添加量は、画像形成層全固形分の0.01乃至20質量%が好ましく、0.1乃至10質量%がさらに好ましい。
感熱性酸発生剤は、マイクロカプセル(後述)に添加することができる。感熱性酸発生剤をマイクロカプセルに添加する場合、感熱性酸発生剤は水不溶性であることが好ましい。感熱性酸発生剤をマイクロカプセルに添加しない場合、感熱性酸発生剤は水溶性であることが好ましい。
重合性化合物(および架橋性ポリマー)の官能基が、エチレン性不飽和基のようなラジカル重合性基である場合は、画像形成層は、さらに熱重合開始剤を含むことが好ましい。
熱重合開始剤は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進させる化合物である。熱重合開始剤の例には、オニウム塩、トリハロメチル基を有するトリアジン化合物、過酸化物、アゾ化合物、アジド化合物、キノンジアジド化合物およびメタロセン化合物が含まれる。オニウム塩(例、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩)が好ましく、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩およびスルホニウム塩が特に好ましい。
二種類以上の熱重合開始剤を併用してもよい。
熱重合開始剤(熱ラジカル発生剤)については、特開2002−137562号公報に記載がある。
熱重合開始剤の添加量は、画像形成層全固形分の0.1乃至50質量%が好ましく、0.5乃至30質量%がさらに好ましく、1乃至20質量%が最も好ましい。
熱重合開始剤は、マイクロカプセル(後述)に添加することができる。熱重合開始剤をマイクロカプセルに添加する場合、熱重合性開始剤は水不溶性であることが好ましい。熱重合開始剤をマイクロカプセルに添加しない場合、熱重合性開始剤は水溶性であることが好ましい。
重合性化合物を含むマイクロカプセルを、画像形成層に分散することができる。
マイクロカプセルは、公知のコアセルベーション法(米国特許2800457号、同2800458号の各明細書記載)、界面重合法(英国特許990443号、米国特許3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号、同42−711号の各公報記載)、ポリマー析出法(米国特許3418250号、同3660304号の各明細書記載)、イソシアネート・ポリオール壁形成法(米国特許3796669号明細書記載)、イソシアネート壁形成法(米国特許3914511号明細書記載)、尿素・ホルムアルデヒド壁もしくは尿素・ホルムアルデヒド−レゾルシノール壁形成法(米国特許4001140号、同4087376号、同4089802号の各明細書記載)、メラミン−ホルムアルデヒド壁もしくはヒドロキシセルロース壁形成法(米国特許4025445号明細書記載)、モノマー重合によるin situ 法(特公昭36−9163号、同51−9079号の各明細書記載)、スプレードライング法(英国特許930422号、米国特許3111407号の各明細書記載)、あるいは電解分散冷却法(英国特許952807号、同967074号の各明細書記載)により製造できる。
マイクロカプセルの平均粒径は、0.01乃至20μmが好ましく、0.05乃至2.0μmがさらに好ましく、0.10乃至1.0μmが最も好ましい。
マイクロカプセルは、カプセル同志が熱により融合してもよい。すなわち、マイクロカプセル内包物のうち、塗布時にカプセル表面もしくはマイクロカプセル外に滲み出したもの、または、マイクロカプセル壁に浸入したものが、熱により化学反応を起こせば良い。
二種類以上のマイクロカプセルを併用してもよい。
マイクロカプセルの画像形成層への添加量は、固形分換算で、10乃至80質量%であることが好ましく、15乃至60質量%であることがさらに好ましい。
溶剤としては、アルコール、エーテル、アセタール、エステル、ケトン、多価アルコール、アミド、アミン、脂肪酸を用いることができる。好ましい溶剤の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが含まれる。二種類以上の溶剤を併用してもよい。
溶剤の添加量は、塗布液の5乃至95質量%が好ましく、10乃至90質量%がさらに好ましく、15乃至85質量%が最も好ましい。
脱炭酸性のカルボン酸基を有する親水性ポリマーを加熱すると、脱炭酸反応により親水性のカルボン酸基が疎水性の炭化水素基に変化する。
脱炭酸性のカルボン酸は、スルホニル酢酸、プロピオル酸およびジクロロクロロ酢酸が代表的である。従って、脱炭酸性のカルボン酸基としては、カルボキシメタンスルホニル基(−SO2 −CH2 −COOH)、カルボキシエニチル基(−C≡C−COOH)およびカルボキシジクロロメチル基(−CCl2 −COOH)を用いることができる。スルホニル酢酸から誘導されるカルボキシメタンスルホニル基が特に好ましい。カルボン酸基は、プロトンが解離していても、カチオンと共に塩を形成していてもよい。
カルボキシメタンスルホニル基の炭素原子に結合している二個の水素原子は、置換されていてもよい。置換基の例は、前述した脂肪族基の置換基の例と同様である。
上記のカルボン酸基に代えて、スルホン酸基またはリン酸基を有する官能基も、加熱により親水性から疎水性に変化させることができる。
カルボキシメタンスルホニル基のスルホニル基(−SO2 −)に代えて、スルフィニル基(−SO−)、カルボニル基(−CO−)、硫黄原子(−S−)、酸素原子(−O−)またはイミノ基(−NH−)を有するカルボン酸基も、脱炭酸反応により疎水性の炭化水素基に変化させることができる。
親水性基が加熱により疎水性に変化する親水性ポリマーは、架橋させるか、あるいは架橋ポリマー(後述)と併用する。架橋については、架橋ポリマーに関して後述する。
ポリマーの主鎖は、加熱により疎水性に変化する親水性基以外の置換基を有することができる。置換基の例は、前述した熱溶融性ポリマーの主鎖の置換基と同じである。
親水性基が加熱により疎水性に変化する親水性ポリマーは、画像形成層に10乃至99質量%の範囲で含まれることが好ましく、10乃至95質量%の範囲で含まれることがさらに好ましい。
スルホンイミド、ジスルホンまたはスルホン酸エステルを有する疎水性ポリマーを加熱すると、強い親水性官能基であるスルホン酸基を有する親水性ポリマーに変換される。
スルホンイミド、ジスルホンおよびスルホン酸エステルは、いずれも二価または三価の官能基であって、ポリマーの主鎖または側鎖の任意の位置に存在することができる。ただし、加熱により親水性に変化する疎水性基は、ポリマーの主鎖よりも側鎖に含まれることが好ましく、側鎖の末端に存在することがさらに好ましい。従って、加熱により親水性に変化する疎水性基は、−SO2 −NR−SO2 −R、−SO2 −N(−SO2 −R)2 、−SO2 −SO2 −R、−SO2 −O−Rまたは−O−SO2 −Rで表される一価の官能基として、側鎖の末端に存在することが特に好ましい。Rは、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。
疎水性基が加熱により親水性に変化する疎水性ポリマーは、架橋させるか、あるいは架橋ポリマー(後述)と併用する。架橋については、架橋ポリマーに関して後述する。
ポリマーの主鎖は、加熱により親水性に変化する疎水性基以外の置換基を有することができる。置換基の例は、前述した熱溶融性ポリマーの主鎖の置換基と同じである。
疎水性基が加熱により親水性に変化する疎水性ポリマーは、画像形成層に10乃至99質量%の範囲で含まれることが好ましく、20乃至95質量%の範囲で含まれることがさらに好ましい。
無処理の(ネガ型またはポジ型)平版印刷原版では、画像形成層の耐刷性を確保するため、画像形成層が架橋しているポリマーを含む必要がある。しかし、平版印刷原版に画像形成層を設ける前に(例えば、画像形成層の塗布液の段階で)、ポリマーが架橋(硬化)していると、架橋ポリマーを均一に含む画像形成層を設けることは非常に難しい(実質的に不可能である)。従って、画像形成層を設けてから(例えば、画像形成層の塗布液の塗布後に)、ポリマーを架橋させることが好ましい。
架橋性基を有するポリマーと架橋剤(光開始剤または熱開始剤)とを画像形成層の塗布液に添加し、塗布後に、光照射または加熱により架橋剤を機能させてポリマーを架橋させることができる。ただし、外部のエネルギー(光照射または加熱)を加えることなく、塗布だけでポリマーを架橋させる方が好ましい。そのためには、画像形成層の塗布後に外部のエネルギーを必要とすることなく機能する架橋剤を用いて、ポリマーを架橋させることが特に好ましい。
架橋剤は、下記式(XIII)で表される化合物であることが好ましい。
Mは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)またはジルコニウム(Zr)であり;Mがアルミニウムの場合、pは3または4であり、Mがケイ素、チタンまたはジルコニウムの場合、pは4であり;qは、0乃至2の整数であり;R9 およびR10は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基または芳香族基である。脂肪族基および芳香族基の定義は、前述した通りである。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至4であることが好ましい。
化合物の分子量は、1000以下であることが好ましい。
アルミニウムのアルコキシド化合物の例には、トリメトキシアルミネート、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシアルミネートおよびテトラエトキシアルミネートが含まれる。
ジルコニウムのアルコキシド化合物の例には、トリメトキシジルコネート、テトラメトキシジルコネート、トリエトキシジルコネート、テトラエトキシジルコネート、テトラプロポキシジルコネート、クロロトリメトキシジルコネート、クロロトリエトキシジルコネート、エチルトリメトキシジルコネート、メチルトリエトキシジルコネート、エチルトリエトキシジルコネート、ジエチルジエトキシジルコネート、フェニルトリメトキシジルコネートおよびフェニルトリエトキシジルコネートが含まれる。
架橋剤の使用量は、ポリマーに対して0.5乃至60質量%の範囲であることが好ましく、0.1乃至30質量%の範囲であることがさらに好ましい。
ただし、前述したように、ケイ素、チタン、ジルコニウムまたはアルミニウムの水酸化物またはアルコキシド化合物を架橋剤として用いることが好ましい。その場合、ポリマーは、ケイ素、チタン、ジルコニウムまたはアルミニウムの水酸化物またはアルコキシド化合物から誘導される官能基を架橋剤が作用できる官能基として有することが好ましい。
架橋剤が作用できる官能基は、ポリマーの末端基または側鎖に導入できる。
架橋剤が作用できる官能基は、下記式(XVII)で表されることが特に好ましい。
式中、R71およびR72は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1乃至8の脂肪族基または炭素原子数が6乃至8の芳香族基であって、複数のR3 またはR4 は、異なっていてもよい。mは、0、1または2である。
架橋剤が作用できる官能基を含む繰り返し単位/架橋剤が作用できる官能基を含まない繰り返し単位の割合は、モノマーの質量比で、1/99乃至99/1であることが好ましく、30/70乃至90/10であることがさらに好ましい。
ポリマーの主鎖は、炭化水素(ポリオレフィン)、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエーテルおよびそれらの組み合わせから選ばれることが好ましい。炭化水素主鎖が特に好ましい。
ポリマーの主鎖は、架橋剤が作用できる官能基以外の置換基を有することができる。置換基の例は、前述した熱溶融性ポリマーの主鎖の置換基と同じである。
架橋ポリマーは、画像形成層に10乃至99質量%の範囲で含まれることが好ましく、20乃至95質量%の範囲で含まれることがさらに好ましい。
インキ受容層は、有機高分子を含有する。有機高分子としては、溶媒に可溶で、親油性の被膜を形成できるものである。さらには、上層である親水性層の塗布溶媒に不溶であることが望ましいが、場合によっては一部上層の塗布溶媒に膨潤するものが、親水性層との接着性に優れ、望ましい場合がある。その他、親水性層の塗布溶媒に可溶な有機高分子を用いる場合には、架橋剤を添加する等の工夫をして、インキ受容層を硬化させておくことが望ましい。
有用な有機高分子としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール化合物とアセトンとの縮合樹脂、ポリビニルアセテート、アクリル樹脂及びその共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルハロゲン化フェノール、メタクリル樹脂及びその共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、ポリビニルフォルマール、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、セルロースエステル樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等を挙げることができる。
これらの中で、より好ましい化合物として、側鎖にヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホンアミド基やトリアルコキシシリル基を有する樹脂が、基板や上層の親水性層との接着性に優れ、場合によって架橋剤で容易に硬化するので望ましい。
その他、アクリロニトリル共重合体、ポリウレタン、側鎖にスルホンアミド基を有する共重合体や側鎖にヒドロキシル基を有する共重合体をジアゾ樹脂によって光硬化させたものが好ましい。
ノボラック樹脂及びレゾール樹脂としては、フェノール、クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール/クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール変性キシレン、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、クロロフェノール(m−Cl、p−Cl)、ブロモフェノール(m−Br、p−Br)、サリチル酸、フロログルシノールなどと、アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどとの付加縮合物を挙げることができる。
その他の好適な高分子化合物として以下(1)〜(12)に示すモノマーをその構成単位とする通常1〜20万の平均分子量を持つ共重合体を挙げることができる。
(2)脂肪族ヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル、
(5)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド及びN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、
(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル、
(8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、
(9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン、
(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン、
(11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
有機高分子を架橋させる架橋剤としては、例えば、ジアゾ樹脂、芳香族アジド化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、テトラアルコキシ珪素の初期加水分解縮合物、グリオキザール、アルデヒド化合物やメチロール化合物を挙げることができる。
接着助剤としては、上記ジアゾ樹脂が基板及び親水性層との接着に優れるが、この他にシランカップリング剤、イソシアネート化合物、チタン系カップリング剤も有用である。
上記色素は、インキ受容層中に添加される場合は受容層の全固形分に対し、通常約0.02〜10%、より好ましくは約0.1〜5%の割合である。
さらに、インキ受容層には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
さらに、インキ受容層に添加できる発色又は消色系の添加剤としては、例えば、ジアゾ化合物やジフェニルヨードニウム塩のような熱酸発生剤とロイコ染料(ロイコマラカイトグリーン、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットのラクトン体等)やPH変色染料(例えば、エチルバイオレット、ビクトリアピュアブルーBOH等の染料)が組み合わせて用いられる。その他、EP897134号明細書に記載されているような、酸発色染料と酸性バインダーの組合わせも有効である。この場合、加熱によって染料を形成している会合状態の結合が切れ、ラクトン体が形成して有色から無色に変化する。これらの添加剤の添加割合は、好ましくはインキ受容層固形分に対し10%以下、より好ましくは5%以下である。
親水性層は、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する。
これらの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物は、上記元素のハロゲン化物やアルコキシ化合物の加水分解、あるいは、水酸化物の縮合など種々の公知の方法によってコロイド分散液の分散相、すなわち、コロイド粒子として作られる。親水性層を設けるための親水性層塗布液に添加する場合は、コロイド分散液の状態で添加できる。
これらの元素の酸化物又は水酸化物のうち、特に好ましいものは、アルミニウム、ケイ素、チタン及びジルコニウムから選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物である。
これらの元素の酸化物又は水酸化物のコロイド粒子は、コロイドの粒径として、シリカの場合5〜100nmの球形のものが好適である。10〜50nmの球状粒子が、50〜400nmの長さに連なったパールネックレス状のコロイド粒子も用いることができる。アルミニウムの酸化物又は水酸化物のコロイド粒子のように100nm×10nmのような羽毛状のものも有効である。これらのコロイド分散液は、日産化学工業(株)などの市販品を購入することもできる。
これらのコロイド粒子の分散媒としては、水のほかに、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトンなどの有機溶媒も有用である。
具体的な親水性樹脂として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース及びそれらのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー、ポリアクリル酸及びそれらの塩、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルアルコール、ならびに加水分解度が少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%の加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー等を挙げることができる。
また、親水性層には、芳香族水酸基を有する樹脂を用いることもできる。芳香族水酸基を有する樹脂を用いた場合は、親水性層の皮膜性の向上と同時に、刷り出しの着肉性を改良することができる。芳香族水酸基を有する樹脂としては、メタノールに25℃で5%以上溶解するものが好ましく、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ケトンピロガロール樹脂等のアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
その中でも、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20の混合物、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合物とアルデヒドとの付加縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。アルデヒドの中でも、特にホルムアルデヒドが好ましい。ノボラック樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜15,000、さらに好ましくは1,500〜10,000のものが用いられる。
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの代わりに、それぞれパラホルムアルデヒド及びパラアルデヒドを使用してもよい。レゾール樹脂の重量平均分子量は、好ましくは500〜10,000、特に好ましくは1,000〜5,000である。
好ましいポリビニルフェノール樹脂としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独又は2種以上の共重合体が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は、芳香環に塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲンあるいは炭素数1〜4個のアルキル基等の置換基を有していてもよく、従って、ポリビニルフェノール類としては、芳香環にハロゲン又は炭素数1〜4個のアルキル基を有していても良いポリビニルフェノールが挙げられる。
ケトンピロガロール樹脂としては、アセトンピロガロール樹脂が特に有用である。
これらの芳香族水酸基を有する樹脂の添加割合は、好ましくは親水性層固形分の20%以下、より好ましくは12%以下である。
さらに、親水性層には、印刷時の耐刷力を増加させる目的で、上記の親水性樹脂あるいは芳香族水酸基を有する樹脂の架橋剤を添加してもよい。この様な架橋剤としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、ポリイソシアネート、テトラアルコキシシランの初期加水分解・縮合物、ジメチロール尿素及びヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。
さらに、親水性層には、塗布の面状を良化させるため、良く知られたフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤などを添加しても良い。
親水性層は、上記各成分を溶剤に溶解又は分散した溶液を調製し、塗布により設けられる。親水性層塗布液の主溶剤としては、水、及び、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低沸点アルコールが単独又は混合物として用いられる。
インキ受容層の親油性高分子を溶解する溶剤の含有量は、好ましくは、親水性層塗布液全溶剤の0.4〜40%である。より好ましくは0.4〜20%である。
親水性層の乾燥塗布量は、好ましくは0.2〜0.8g/m2、より好ましくは0.3〜0.5g/m2である。この範囲内で、機上現像性の低下や感度低下を起こすことなく、親水性層の良好な保水性が得られる。
感熱性平版印刷版用原板は、アブレーションによるカス発生の防止、及び保存や取り扱い時の親油性物質による親水性層汚染や傷付きや、素手で取り扱ったときの指紋跡付着防止のため、親水性層上に親水性オーバーコート層を設けることができる。
親水性オーバーコート層は印刷機上で除去可能なものであり、水溶性樹脂、又は水溶性樹脂を部分的に架橋した水膨潤性樹脂から選ばれた樹脂を含有する。
かかる水溶性樹脂は、水溶性の天然高分子及び合成高分子から選ばれ、架橋剤とともに用い、塗布乾燥された皮膜がフィルム形成能を有するものである。
架橋により、オーバーコート層表面の粘着性が低下して取り扱い性がよくなるが、架橋が進み過ぎるとオーバーコート層が親油性に変化して、印刷機上におけるオーバーコート層の除去が困難になるので、適度な部分架橋が好ましい。
好ましい部分架橋の程度は、25℃の水中に印刷版用原板を浸したときに、30秒〜10分間では親水性オーバーコート層が溶出せず残存しているが、10分以上では溶出が認められる程度である。
架橋反応に用いられる化合物としては、架橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリアルコキシシリル化合物、多価金属塩化合物、ポリアミン化合物、アルデヒド化合物、ヒドラジンなどが挙げられ、該架橋反応は公知の触媒を添加し、反応を促進することもできる。
ポリエポキシ化合物の具体例としては、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノール類もしくはそれらの水素添加物とエピハロヒドリンとのポリ縮合物、などが挙げられる。
ポリアミンの具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドアミンなどが挙げられる。
チタネート化合物としては、テトラエチルオルトシリケート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリアクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピル(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルトリインステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリジシルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2ージアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、など。
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、など。
これらの架橋剤は単独又は2種以上を混合して使用することが可能である。これらの架橋剤のうち特に好ましい架橋剤は、水溶性の架橋剤であるが、非水溶性のものは分散剤によって水に分散して使用することができる。
特に好ましい水溶性樹脂と架橋剤の組み合わせとしては、カルボン酸含有水溶性樹脂/多価金属化合物、カルボン酸含有水溶性樹脂/水溶性エポキシ樹脂、水酸基含有樹脂/ジアルデヒド類を挙げられる。
架橋剤の好適な添加量は、水溶性樹脂の0.5〜10%である。この範囲内で印刷機上でのオーバーコート層の除去性を損なうことなく、良好な耐水性が得られる。
上記非イオン界面活性剤のオーバーコート層の全固形物中に占める割合は、0.05〜5%が好ましい。
オーバーコート層の乾燥塗布量は、0.1〜4.0g/m2が好ましく、更に好ましい範囲は0.10〜0.25g/m2である。この範囲内で、印刷機上でのオーバーコート層の除去性を損なうことなく、アブレーションカスの発生防止、良好な汚れや傷付き防止、及び指紋跡付着防止ができる。
画像形成層に無機微粒子を添加してもよい。微粒子を構成する無機化合物は、酸化物(例、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン)または金属塩(例、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム)が好ましい。
無機微粒子の平均粒径は、5nm乃至10μmが好ましく、10nm乃至1μmがさらに好ましい。
無機微粒子は、画像形成層に1.0乃至70質量%含まれることが好ましく、5.0乃至50質量%含まれることがさらに好ましい。
界面活性剤は、画像形成層に0.05乃至15質量%含まれることが好ましく、0.1乃至5質量%含まれることがさらに好ましい。
可塑剤の画像形成層への添加量は、0.1乃至50質量%であることが好ましく、1乃至30質量%であることがさらに好ましい。
画像形成層は、各成分を適当な液状媒体中に溶解、分散または乳化して塗布液を調製し、支持体上に塗布し、および乾燥して液状媒体を除去することにより形成することができる。塗布液に使用する液状媒体の例には、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエンおよび水が含まれる。二種類以上の液体を混合して用いてもよい。
塗布液の全固形分濃度は、1乃至50質量%であることが好ましい。
画像形成層の乾燥塗布量は、0.5乃至5.0g/m2 であることが好ましい。
支持体としては、金属板、プラスチックフイルムまたは紙を用いることができる。
機上現像型平版印刷原版では、親水性支持体を用いて、現像により非画像部の画像形成層を除去し、露出した親水性支持体の表面を、平版印刷版の親水性領域として機能させる。
親水性支持体としては、表面処理されたアルミニウム板、親水処理されたプラスチックフイルムまたは耐水処理された紙が好ましい。さらに具体的には、陽極酸化処理されたアルミニウム板、親水性層を設けたポリエチレンテレフタレートフイルムまたはポリエチレンでラミネートされた紙が好ましい。
陽極酸化処理されたアルミニウム板が特に好ましい。
無処理の(ネガ型またはポジ型)平版印刷原版では、支持体は疎水性であってもよい。ただし、陽極酸化処理されたアルミニウム板は、無処理の平版印刷原版でも、好ましい支持体として用いることができる。
アルミニウム板の厚さは、0.05乃至0.6mmであることが好ましく、0.1乃至0.4mmであることがさらに好ましく、0.15乃至0.3mmであることが最も好ましい。
粗面化処理は、アルミニウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2乃至1.0μmとなるように実施することが好ましい。
粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理を行う。アルカリ処理液としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液が一般に用いられる。アルカリエッチング処理の後は、さらに中和処理を行うことが好ましい。
陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質が使用できる。一般には、硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が電解質として用いられる。
陽極酸化の処理条件は一般に、電解質の濃度が1乃至80質量%溶液、液温が5乃至70℃、電流密度が5乃至60A/dm2 、電圧が1乃至100V、そして、電解時間が10秒乃至5分の範囲である。
陽極酸化処理により形成される酸化皮膜量は、1.0乃至5.0g/m2 であることが好ましく、1.5乃至4.0g/m2 であることがさらに好ましい。
支持体を表面処理(例えば、シリケート処理)してから、画像形成層を設けてもよい。
支持体と画像形成層との間に下塗り層を設けてもよい。
親油性物質による画像形成層表面の汚染防止のため、画像形成層の上に、オーバーコート層を設けることができる。
オーバーコート層は、印刷時に容易に除去できる材料(例えば、脂溶性物質)から構成する。そのためには、水溶性の有機ポリマーから水溶性オーバーコート層を構成することが好ましい。水溶性の有機ポリマーの例には、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガム、セルロースエーテル(例、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース)、デキストリンおよびその誘導体(例、ホワイトデキストリン、酵素分解エーテル化デキストリンプルラン)が含まれる。
水溶性の有機ポリマーの繰り返し単位を二種類以上有するコポリマーを用いてもよい。コポリマーの例には、ビニルアルコール−酢酸ビニルコポリマー(ポリ酢酸ビニルの部分ケン化ポリマー)およびビニルメチルエーテル−無水マレイン酸コポリマーが含まれる。ポリ酢酸ビニルの部分ケン化により、ビニルアルコール−酢酸ビニルコポリマーを合成する場合は、ケン化度は65質量%以上であることが好ましい。
二種類以上の水溶性有機ポリマーを併用してもよい。
オーバーコート層の塗布液には、ノニオン界面活性剤(例、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル)を添加することができる。
オーバーコート層の塗布量は、0.1乃至2.0g/m2 であることが好ましい。
平版印刷原版は、画像状に露光し、赤外線吸収色素で画像露光による光エネルギーを熱エネルギーに変換する。
露光方法には、アナログデータである原稿(オリジナル)を介しての露光と、オリジナルのデータ(通常はデジタルデータ)に対応させた走査露光とがある。
オリジナルを介しての露光では、光源としてキセノン放電灯または赤外線ランプが用いられる。キセノン放電灯のような高出力の光源を使用すれば、短時間のフラッシュ露光も可能である。
走査露光は、レーザー、特に赤外線レーザーを用いることが一般的である。赤外線の波長は、700乃至1200nmであることが好ましい。赤外線は、固体高出力赤外線レーザー(例えば、半導体レーザー、YAGレーザー)が好ましい。
画像形成層が、可溶性から不溶性に変化する態様では、親水性支持体を用い、現像処理を行い、親水性支持体表面からなる(湿し水を受容する親水性の)非画像部と残存する画像形成層からなる(油性インクを受容する親油性の)画像部とを形成できる。ただし、通常の印刷版(アルカリ性溶出液で非画像部を溶出する現像処理が必要)と異なり、印刷機上で、湿し水及び/又はインクを供給することにより現像することができる。
親油性層に隣接する親水性層がアブレーションする態様では、アブレーションした部分がインク受容性の画像部、残存する親水性層が親水性の非画像部を形成する。そして、画像形成後、印刷機上で、湿し水及び/又はインクを供給することにより現像することができる。
形成される疎水性領域と親水性領域との差が、平版印刷が必要とする湿し水を受容する親水性の非画像部と油性インクを受容する親油性の画像部との差になる場合は、現像処理なしで印刷版(無処理刷版)として直ちに印刷に使用することができる。
以上のように本発明に従い画像状に露光した平版印刷原版は、特別な現像処理を実施することなく、印刷を実施できる。
なお、製版した印刷版を全面加熱して、残存する未反応の成分を反応させ、印刷版の強度(耐刷性)をさらに改善してもよい。
また、レーザー露光装置を有する印刷機(特許2938398号公報記載)を用いると、平版印刷原版を印刷機シリンダー上に取りつけた後に、印刷機に搭載されたレーザーにより露光し、(必要に応じて機上現像し)直ちに印刷することも可能である。
(アルミニウム支持体の作製)
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)を、表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理した。毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3 )を用い、アルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。得られたアルミニウム板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗した。さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。砂目立て表面のエッチング量は、約3g/m2 であった。
酢酸エチル18gに、ポリスチレン(質量平均分子量:4.5万)6g、下記の赤外線吸収染料(1)1.5g、アニオン界面活性剤(パイオニンA−41C、竹本油脂(株)製)0.2gおよび色素前駆体(2)1.5gを溶解した。溶液を、ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製)の4質量%水溶液36gに加え、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。乳化物に、水24gを加え、60℃で90分間攪拌しながら、酢酸エチルを蒸発させ、微粒子分散液を調製した。分散液の固形分濃度は15質量%、微粒子の平均粒径は0.30μmであった。
水100g、微粒子分散液(微粒子の固形分換算で5g)およびポリビニルアルコール0.5gを混合して、画像形成層塗布液を調製した。
画像形成層塗布液を、アルミニウム支持体の上に塗布し、オーブンを用い70℃で90秒乾燥して、画像形成層を形成した。乾燥後の画像形成層の塗布量は、1.0g/m2 であった。このようにして、機上現像型平版印刷原版(ネガ型)を製造した。
作製した平版印刷原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したイメージセッター(Trendsetter3244VFS、Creo社製)にて、300mJ/cm2 の版面エネルギー、そして2400dpiの解像度の条件で画像露光した。
露光部が消色して、未露光部とのコントラストは良好であり、焼き出しを目視で確認することができた。
露光後、現像処理することなく、印刷機(SOR−M、ハイデルベルグ社製)のシリンダーに取り付け、湿し水を供給した後、インクを供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。機上現像枚数(良好な印刷物が得られるようになるまでに要した紙の枚数)は20枚であった。機上現像が終了後は、1万枚印刷後も、汚れやかすれを発生することなく、良好な印刷物が得られた。
[実施例2]
酢酸エチル40gに、市販のイソシアナート付加物(タケネートD−110N、三井武田ケミカル(株)製)18g、下記のビニルエーテル化合物10g、赤外線吸収染料(5)4g、色素前駆体(14)4gおよびアニオン界面活性剤(パイオニンA−41C、竹本油脂(株)製)0.2gを溶解して油相を得た。
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製)の4質量%水溶液80gを調製して水相とした。
油相と水相とを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。水70gを加え、室温で30分、さらに40℃で3時間攪拌し、マイクロカプセル分散液を調製した。分散液の固形分濃度は18質量%、マイクロカプセルの平均粒径は0.35μmであった。
水100g、マイクロカプセル分散液(マイクロカプセルの固形分換算で5g)、ポリビニルアルコール0.5gおよび下記の感熱性酸発生剤0.5gを混合して、画像形成層塗布液を調製した。
画像形成層塗布液を、実施例1で作製したアルミニウム支持体の上に塗布し、オーブンを用い80℃で90秒乾燥して、画像形成層を形成した。乾燥後の画像形成層の塗布量は、1.0g/m2 であった。このようにして、機上現像型平版印刷原版(ネガ型)を製造した。
作製した平版印刷原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したイメージセッター(Trendsetter3244VFS、Creo社製)にて、300mJ/cm2 の版面エネルギー、そして2400dpiの解像度の条件で画像露光した。
露光部が消色して、未露光部とのコントラストは良好であり、焼き出しを目視で確認することができた。
露光後、現像処理することなく、印刷機(SOR−M、ハイデルベルグ社製)のシリンダーに取り付け、湿し水を供給した後、インクを供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。機上現像枚数(良好な印刷物が得られるようになるまでに要した紙の枚数)は20枚であった。機上現像が終了後は、1万枚印刷後も、汚れやかすれを発生することなく、良好な印刷物が得られた。
[実施例3]
下記組成の画像形成層塗布液を調製し、実施例1で作製したアルミニウム支持体の上に塗布し、オーブンを用い、80℃で90秒乾燥して、画像形成層を形成した。乾燥後の画像形成層の塗布量は、1.0g/m2 であった。このようにして、機上現像型平版印刷原版(ネガ型)を製造した。
画像形成層塗布液組成
────────────────────────────────────────
下記の赤外線吸収染料(2) 0.05g
色素前駆体(11) 0.05g
下記の重合開始剤 0.2g
下記のバインダーポリマー(平均分子量:8万) 0.75g
イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート(NKエステルM−315、新中村化学工業(株)製) 0.75g
下記のフッ素系界面活性剤 0.1g
メチルエチルケトン 8.0g
テトラヒドロフラン 10g
────────────────────────────────────────
作製した平版印刷原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したイメージセッター(Trendsetter3244VFS、Creo社製)にて、200mJ/cm2 の版面エネルギー、そして2400dpiの解像度の条件で画像露光した。
露光部が消色して、未露光部とのコントラストは良好であり、焼き出しを目視で確認することができた。露光前後の反射吸収スペクトル測定から、吸収極大波長の変化は50nm以上であった。色差計(色彩色差計CR−221、ミノルタ(株)製)を用いて、露光部、未露光部を測色したところ、ΔE=20であった。
露光後、現像処理することなく、印刷機(SOR−M、ハイデルベルグ社製)のシリンダーに取り付け、湿し水を供給した後、インクを供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。機上現像枚数(良好な印刷物が得られるようになるまでに要した紙の枚数)は20枚であった。機上現像が終了後は、1万枚印刷後も、汚れやかすれを発生することなく、良好な印刷物が得られた。
[実施例4]
陽極酸化皮膜の形成までは実施例1と同様にして、シリケート(珪酸ナトリウム)処理は実施せずにアルミニウム支持体を作製した。
作製した支持体の中心線表面粗さRaは、0.25μmであった。
以下の成分を均一に混合し、室温で2時間攪拌して加水分解を行い、ゾル状組成物を得た。
ゾル状組成物
────────────────────────────────────────
末端に3−(トリメトキシシリル)プロピルチオが結合しているポリアクリルアミド 21g
テトラメトキシシラン 62g
エタノール 470g
1N硝酸水溶液 10g
────────────────────────────────────────
下記組成の画像形成層塗布液を調製し、アルミニウム支持体の上に、乾燥後の塗布量が3g/m2 となるように塗布し、70℃で10分間乾燥して平版印刷原版(ネガ型)を得た。得られた平版印刷原版の表面の接触角(空中水滴)を測定機(CA−Z、協和界面科学(株)製)で測定したところ、6.5°であり、優れた親水性を有することが確認された。
画像形成層塗布液組成
────────────────────────────────────────
ゾル状組成物 66g
実施例1で調製した微粒子分散液 400g
水 374g
────────────────────────────────────────
作製した平版印刷原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したイメージセッター(Trendsetter3244VFS、Creo社製)にて、300mJ/cm2 の版面エネルギー、そして2400dpiの解像度の条件で画像露光した。
露光部が消色して、未露光部とのコントラストは良好であり、焼き出しを目視で確認することができた。
露光後、現像処理することなく、印刷機(SOR−M、ハイデルベルグ社製)のシリンダーに取り付け、湿し水を供給した後、インクを供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。印刷工程の初期において直ちに高画質の印刷物が得られた。その後も連続的に印刷を継続したところ、1万枚印刷しても非画像部に汚れの無い良好な印刷物が得られた。
[実施例5]
下記組成の画像形成層塗布液を調製し、実施例1で作製したアルミニウム支持体の上に、乾燥後の塗布量が1g/m2 となるように塗布し、70℃で3分間乾燥して平版印刷原版を得た。
画像形成層塗布液組成
────────────────────────────────────────
下記の繰り返し単位からなるポジ型極性変換ポリマー 0.450g
下記の赤外線吸収染料(3) 0.025g
色素前駆体(21) 0.025g
メチルエチルケトン 3.000g
テトラヒドロフラン 3.000g
────────────────────────────────────────
作製した平版印刷原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したイメージセッター(Trendsetter3244VFS、Creo社製)にて、300mJ/cm2 の版面エネルギー、そして2400dpiの解像度の条件で画像露光した。
露光部が消色して、未露光部とのコントラストは良好であり、焼き出しを目視で確認することができた。
露光後、現像処理することなく、印刷機(SOR−M、ハイデルベルグ社製)のシリンダーに取り付け、湿し水を供給した後、インクを供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。印刷工程の初期において直ちに高画質の印刷物が得られた。その後も連続的に印刷を継続したところ、1万枚印刷しても非画像部に汚れの無い良好な印刷物が得られた。
[実施例6]
実施例4で得た支持体上に、下記のように調製したインキ受容層塗布液を塗布し、70℃にて3分間乾燥してインキ受容層を形成した。乾燥後の塗布質量は0.42g/m2 であった。
インキ受容層塗布塗布液組成
────────────────────────────────────────
エピコート1009(エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン製) 1.2g
エピコート1001(エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン製) 0.3g
赤外線吸収染料(1) 0.3g
色素前駆体(13) 0.1g
メチルエチルケトン 13.5g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 13.5g
テトラヒドロフラン 13.5g
────────────────────────────────────────
インキ受容層の上に、下記のように調製した親水性層塗布液を塗布し、80℃で1分間乾燥させ、親水性層を形成した。親水性層の乾燥塗布量は、0.40g/m2 であった。
親水性層塗布塗布液組成
────────────────────────────────────────
メタノールシリカゾル
(10〜20nmのシリカ粒子を30%含有するメタノール溶液からなるコロイド、日産化学工業製) 3.0g
ポリアクリル酸(質量平均分子量25万、和光純薬工業製) 0.1g
────────────────────────────────────────
下記のように調製したオーバーコート層塗布液を塗布し、90℃で1.5分間乾燥して、乾燥塗布量0.15g/m2 のオーバーコート層を形成した。
オーバーコート層塗布塗布液組成
────────────────────────────────────────
アラビヤガムの28%水溶液 1.5g
下記の赤外線吸収染料(4) 0.042g
エマレックス#710(10%水溶液、日本エマルジョン製) 0.168g
酢酸マグネシウム4水和物(10%水溶液、和光純薬工業製) 0.03g
蒸留水 30.06g
────────────────────────────────────────
作製した平版印刷原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したイメージセッター(Trendsetter3244VFS、Creo社製)にて、300mJ/cm2 の版面エネルギー、そして2400dpiの解像度の条件で画像露光した。
露光部が消色して、未露光部とのコントラストは良好であり、焼き出しを目視で確認することができた。
露光後、現像処理することなく、印刷機(SOR−M、ハイデルベルグ社製)のシリンダーに取り付け、湿し水を供給した後、インクを供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。印刷工程の初期において直ちに高画質の印刷物が得られた。その後も連続的に印刷を継続したところ、5千枚印刷した後も汚れの無い良好な印刷物が得られた。
[実施例7]
酢酸エチル17gに、市販のイソシアナート付加物(タケネートD−110N、三井武田ケミカル(株)製)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(SR444、日本化薬(株)製)3.15g、赤外線吸収染料(3)0.7g、色素前駆体(11)4gおよびアニオン界面活性剤(パイオニンA−41C、竹本油脂(株)製)0.1gを溶解して油相を得た。
ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ(株)製)の4質量%水溶液40gを調製して水相とした。
油相と水相とを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を蒸留水25gに加え、室温で30分攪拌後、さらに40℃で3時間攪拌し、マイクロカプセル分散液を調製した。固形分濃度が20質量%となるように、蒸留水を用いてマイクロカプセル分散液を希釈した。マイクロカプセルの平均粒径は、0.3μmであった。
水100g、マイクロカプセル分散液(マイクロカプセルの固形分換算で5g)、実施例3で用いた重合開始剤0.5gおよび実施例3で用いたフッ素系界面活性剤0.2gを混合して、画像形成層塗布液を調製した。
画像形成層塗布液を、実施例1で作製したアルミニウム支持体の上にバー塗布し、オーブンを用い70℃で60秒乾燥して、画像形成層を形成した。
作製した平版印刷原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したイメージセッター(Trendsetter3244VFS、Creo社製)にて、300mJ/cm2 の版面エネルギー、そして2400dpiの解像度の条件で画像露光した。
画像露光後の平版印刷原版を調べたところ、露光部と未露光部との区別を目視で確認することができた。
露光後、現像処理することなく、印刷機(SOR−M、ハイデルベルグ社製)のシリンダーに取り付け、湿し水を供給した後、インクを供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。機上現像枚数(良好な印刷物が得られるようになるまでに要した紙の枚数)は20枚であった。機上現像が終了後は、1万枚印刷後も、汚れやかすれを発生することなく、良好な印刷物が得られた。
Claims (4)
- ヒートモード露光により平版印刷原版を画像描画し、現像処理を行わず直接印刷機に装着して印刷する平版印刷方法であって、平版印刷原版が、下記式(I)乃至(X)で表される色素前駆体を含み、版種識別および画像の検証確認を行って印刷することを特徴とする平版印刷方法:
- 式(I)乃至(X)において、R1 が、脂肪族基である請求項1に記載の平版印刷方法。
- 式(I)乃至(X)における−CO−O−R1 が反応により水素原子に変換されることにより、色素前駆体が色素になる請求項1に記載の平版印刷方法。
- ヒートモード露光により画像描画し、現像処理を行わず直接印刷機に装着して印刷することが可能な平版印刷原版であって、下記式(I)乃至(X)で表される色素前駆体を含むことを特徴とする平版印刷原版:
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