JP2005095587A - 歯垢や食べかすをかきとる歯ブラシのフィン - Google Patents

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Abstract

【課題】 通常の歯ブラシでは毛先があたりにくい歯と歯の間や歯と歯茎の境などにあてて、やわらかい歯垢や食べかすをかきとることができる歯ブラシの清掃要素。
【解決手段】 ブラシヘッドに固着され、先端部分は薄くて狭い幅のヘラなので、狭くて平行でない歯の隙間にも少ない抵抗で侵入でき、抜き差し操作で歯の側面についた歯垢や食べかすをとることができるフィン。
前記フィンの先端部分にかかる厚みを曲げる力(Ff)に対しては、弾性力と復元力があり、側方からかかる力(Fs)に対しては変形しない構造で、縦長の隙間に容易に入り、詰まった歯垢や食べかすをかきとり、歯と歯茎に沿って歯垢や食べかすをかきとるフィン。
前記フィンは嵌入掛け留めでブラシヘッドに固定され、さまざまな種類のフィンを組合わせて最適の歯ブラシを作ることができる。

【選択図】 図4

Description

本発明は通常の歯ブラシではとりにくい歯と歯の間の面や歯と歯茎の境部分に付着している、やわらかい歯垢や食べかすをかきとる清掃要素を有する歯ブラシに関します。
毎日歯磨きをしているのに、歯周病を患っている人が多くいます。私もその一人です。いろいろな刷毛形状の歯ブラシや補助清掃具、電動歯ブラシや超音波歯ブラシなどを試みましたが歯周病から開放されず、歯周病患者として満足できる歯ブラシを考えました。
やわらかい歯垢や食べかすを歯や歯茎に付着したままでいますと、歯周病菌など有害な細菌がそこで繁殖して歯周病などになりやすく、またやわらかい歯垢はそのまま放置されますとかたい歯石に変わり、強固に歯に付着して素人ではとれなくなりますので、毎日の歯磨きでやわらかいうちにとることが重要です。
歯垢や食べかすを確実に取れば、歯周病菌などの居場所がなくなり歯周病から開放されるという因果関係は明確ですが、歯のすべての部分に毛先をあてることができる歯ブラシがないため、歯磨きだけでは歯垢が取りきれません。また毛先をあてないで歯垢をとるために、高速振動による水流や水中のキャビテーションを利用する電動歯ブラシや超音波歯ブラシの利用は、口の中で歯垢除去効果のある条件を作り出すことが大変困難です。
刷毛形状をいろいろ工夫した歯ブラシがありますが、奥歯と前歯でも歯の形状はまったく違い、すべての人のすべての歯に適合する刷毛形状を作り出すことは不可能です。また歯と歯茎の境のラインは歯並びの良い人でも直線ではないので、直線列の刷毛や歯ブラシの一端で、歯垢や食べかすなどの直線でない部分の付着物を取るには無理があります。
刷毛の一本一本を先端が細いテーパ形状にして、狭い歯間に入りやすくした歯ブラシがありますが、通常刷毛束になっているので一本の刷毛だけで歯の隙間を磨くことはなく、一つの隙間に多くの先端を集中させると、先端は細くても刷毛同士が押し合って入れなくなってしまいます。仮に一本だけ入ったとしても、刷毛の断面と同じ形状の隙間でなければあたらない部分があり、一本の刷毛で歯の側面を磨く困難さは想像できると思います。
通常の歯ブラシで毛先があたらない部分に補助清掃具は有効ですが、隙間に適合しない補助清掃具はかえって有害な場合もあります。
歯間ブラシは歯茎近くの隙間に直接側面から挿入できますが、通常は歯茎側よりも狭い隙間になるかみ合わせ近くの歯の側面まで磨くには困難さがあります。歯間ブラシの芯径より狭い歯の隙間に入れるには構造上無理があり、すべての歯の隙間に適合するように、サイズの異なった歯間ブラシを準備するのは大変なことです。
デンタルフロス(糸ようじ)は、狭い隙間の歯のかみ合わせ側から歯と歯の間に入れることはできますが、歯茎に近い部分の隙間は通常広がっており、刷毛一本を歯間に入れても磨くのが困難なように、直線のフロス(糸)で曲面の歯を磨くのは難しいものです。
電動歯ブラシや超音波歯ブラシで、刷毛先があたらなくても歯垢がとれれば望ましいのですが、水流やキャビテーション現象を利用するには水など液体が必要で、歯垢除去効果がある条件を作り出すために口の中を水浸しにすることは、大変難しいことです。
過去より、刷毛形状を多くの人の歯に合うように工夫したり、磨く場所を限定した特殊形状歯ブラシの特許が数多くありますが、歯磨きをしているのに歯周病で悩んでいる人が多いことを考えると、なお解決すべき問題点があるようです。
以下調査した特許文献について、本発明との違いとなお残る問題点とを説明します。
[特許文献1]([図5A]フィン図参照)は、ブラシヘッド上にブリッスル(刷毛)と、接触した歯と歯の間に割り込むことができる図示の接触破断フィンを持った歯ブラシで、通常は接触していて磨けない歯と歯の接触面も磨くことができる歯ブラシです。
接触破断フィンは、接触した歯と歯の間に入り込むためにはできるだけ薄く適当なテーパを有することが必要な一方で、接触した歯と歯の間に割り込ませるために大きな力をかけてもフィン先端が変形しない強度を得るために厚さが必要、という矛盾に遭遇します。
使う立場からいえば、隙間がない部分へ強引に押し込むよりは、隙間の量や形状に合わせて自然に入り込む方が不安感が少ないので、本発明のフィンには[特許文献1]で要求されている曲げ係数やテーパ夾角の制限はありません。隙間侵入フィンとして小さな力で狭い隙間に侵入できます。
本発明では刷毛(ブリッスル)は構成要素ではなく、フィン自体が清掃要素です。歯と歯の狭い隙間に侵入しますので、フィン先端部分の厚みが薄いことは絶対的条件ですが、接触している歯と歯の間に先端を割り入れるための最適テーパ角や、大きな力がかかっても変形しない強度や、表面硬度、高強度樹脂材料の選定などは必要としていません。
歯と歯の接触を破断して割り込んでも、隣りあった歯の側面は平行ではないので、変形しないフィンは一部分にしかあたらず、抜き差し運動で歯の側面すべてにあたるわけではありません。本発明では、略三角形の中空部分があるフィンが歯と歯の隙間形状にあわせて変形しながら侵入しますので、抜き差し運動で歯の側面のより多くの部分に接触でき、側面の付着物をかき取ることができます。先端部分もテーパならさらに有効です。
また、別のフィン構造([図5B]フィン図参照)は、ブラシヘッド上に両端を固定した弓形の薄いリボン状ループ部分と、前記ループのほぼ中央から歯ブラシ本体とは反対方向にある歯間接触破断のためのスプリットブレード部分とで構成されております。本発明と違い、中空部分は歯間に入らない構造です。
本発明では単に前記ループ部分がないだけではなく、歯間の大きさによってはフィンの根元まで入る可能性もあり、先端から根元に向かって徐々に広がる人が足を開いて立っている形状のため[特許文献1]のブレード部分とループ部分が区別できない構造で、フィン先端部分が歯間接触部分を破断する力に耐えることを求めてもいません。
[特許文献2]([図6]実施例参照)は、柄と、弾力のある材料で形成され柄から離れた自由端は尖り柄に固定された根元は太い斧型の清掃部材と、清掃部材を柄に固定するはめ合いと抜け留めからなる清掃装置です。斧型では奥歯の清掃が困難ですし、凸凹な歯面の凹んだ部分を磨くことは困難です。
本発明[図2−3]のフィンを柄に斧型に取り付けることは可能ですが、本発明では柄に沿ったはめ合い抜け留めではなく、柄と直角な取り付け方です。清掃部材も一体ものではなく中空部分があります。また柄から離れた自由端に切込みがありますので、平面だけでなく凸凹の歯面や歯茎でも清掃することができます。
[特許文献3]([図7]実施例参照)は、細長い柄と、二枚の長方形で弾力があるシートや二列のブリッスルを、柄の長手方向と直角に間隔を置いて配置した、歯の側面磨き装置です。さらに多くの刷毛束列の歯ブラシに、U.S.Pat. 1,929,530、U.S.Pat. 4,128,910、などさまざまな形状がありますが、隣り合った歯の狭い隙間、広い隙間、いろいろな形状の隙間に一本の歯ブラシで適合させるのには、無理があります。
本発明のフィンは、先端と根元が平行なシートや刷毛束列とは違い、根元部分は平行な二枚のシートでも先端が一つになった略三角形状のフィンです。さらに[図2−3]のようにシートの形状は長方形でも先端部分に切込みがあり、一つ一つの短い幅のヘラ状先端は独立して動けますので、凸凹な歯面にも追従できます。
[特許文献4]([図8]斜視図参照)は、歯の隙間に毛先を入れて食べ滓(かす)を除去するための歯ブラシで、幅の狭い刷毛束の先がU字形に整えられてほぼ歯の巾に合わせて数列配置されています。U字形の中央部に刷毛が無く、ブラシヘッドの幅両端に歯の巾に合わせて数列配置されている[U.S.Pat. 1,929,530]もあります。
[図8]に示される「毛先の両端」は、形状的に歯と歯の隙間に入りやすいのですが、文中の作用で示されている毛の反発力で奥にある食べ滓(かす)を押し出すためには、直角に変形させても復元できる弾性のあるフィラメント(細線)材料が必要です。
本発明の清掃要素は刷毛束ではなくフィンです。また先端部分は一列の刷毛束であっても根元部分は一体化した板状で、フィンへ板厚側方からかかる力に対しては弾性変形いたしません。厚みが薄く先端が二山の[図2−2]の形状は近いものがありますが、配置や、根元が板状と中空部分がある構造は大きく異なり、性能も異なります。
本発明のフィンは、厚みを曲げる先端への力(Ff)に対しては大きく弾性変形し、力がなくなれば先端は元の位置に戻ります。一方板厚側方からかかる力(Fs)に対しては、フィンは変形しないで力を先端へ伝えますので、歯間に詰まった食べかすなどを、毛の反発力ではなくフィンを適切に操作して押し出すことができます。
[特許文献5]([図9]実施例参照)はマッサージ装置で、メタルプレートを芯に鋸歯状ラバープロジェクションをヘッド外周に配置しています。鋸歯状という外観には本発明の[図2−2]と類似する部分がありますが、求める機能と目的は異なります。
本発明のフィンの芯にメタルプレートはありません。また先端部分は狭い隙間に入れるヘラ状で、マッサージ用のプロジェクションではありません。さらに本発明のフィンは、材質がラバーでは目的とする歯間の清掃性能が落ちてしまいます。
本発明のフィンには、先端の厚みを曲げる方向の力(Ff)に対しては弾性変形と復元力が、板厚側方からの力(Fs)に対しては、変形しないで先端へ力を伝える機能が求められます。一方マッサージが目的の場合は、柄にかけた力をそのまま先端へ伝えず変形するラバーが望ましく、歯と歯の狭い隙間に入る先端は必要ありません。
[特許文献6]([図10]平面図参照)は、歯並びの凹部分に毛先をあてたいとき、通常の歯ブラシのように全面に刷毛があると歯並びの凸部分に毛先があたって凹部分に届きにくいためため、四角形状の中を無毛地帯として刷毛束を幅の狭い囲いにし、凸部分に毛先があたらないようにされたものですが、囲いの角部の刷毛が凸部分にあたると逃げにくいことと刷毛ブロックが歯のピッチに合わないと逆効果になる可能性もあります。
また歯と歯の間の隙間に入れたい場合の刷毛形状は、無毛地帯が重要ではなく、幅の狭い一列ブラシでなければなりません。[図10]にみられる二列部分は狭い隙間に入りにくくなります。
本発明の請求項5には結果として無毛地帯がありますが、ブラシヘッド上に描ける図形の一列や点の清掃要素先端をそれぞれ独立して配置した結果なので、囲いの角の部分にも歯や歯茎にあたる有効な刷毛がないこと、二列になった先端部分がないこと、描ける図形の内側に歯磨きに有効な刷毛が全くないところが違います。
[特許文献7]は毛束と基部のカップを加熱溶融一体化し、本体のホルダに圧入掛け止めする毛束固定の工法ですが、中で示されている形状のワンタフト(一束)ブラシに類似した形状に関する出願は、替えブラシ用などにも多くあります。歯にあたる先端が点ですので、鉛筆でなぞる要領でどこでも磨けるように思えますが、刷毛束の根元は太い略円錐形になっているので、狭い歯間や奥歯の奥には適しません。
ワンタフトブラシには毛細管現象で歯垢を吸い取るという面白い特徴もありますが、強力な水流を作って吸い取るのとは違い自然現象ですので、歯の表面から歯垢を引きはがす力を外部から与えることが必要です。
本発明の先端部分は、厚さ(t) が薄く幅(ws)の狭いヘラ状で円錐形状ではありません。清掃要素はフィンでフィラメント(細線)の集合体ではありませんし刷毛束を受ける金属カップもありません。組立工法は参照文献の圧入掛け止めも可能ですが、圧入力を必要としない嵌入掛け留めが望ましい工法です。
[特許文献8]([図12]代表図参照)は、植毛基体を基点にループを形成するブリッスル(刷毛)を有している歯ブラシで、歯肉を傷つけたり痛めたりすることのない歯ブラシを提供しています。U.S.Pat. 6,260,229、U.S.Pat. 2,599,191([図13]刷毛図参照)などもループ形状の刷毛を有しています。
歯茎に当たる部分が切断面でなければ、加工ばらつきがでやすい毛先を丸める作業は不要ですし、二点で基体に固定されますので、二点を結ぶ方向にかかる外力に対しては変形しても復帰しやすくなります。一方前記外力と直角方向の力に対しては、ブリッスル一本だけの場合と比較してたいした補強にはなりません。
本発明の清掃要素はフィンで、ブリッスル(刷毛)ではありません。[図1]でフィンの外側面にみられる略三角形は、先端から根元に向かって徐々に広がる人が足を開いて立っている形状で、先端に曲率はなくループ形状でもありません。先端に曲率があると、狭い隙間に侵入させるという課題が解決できず、ループ形状では、根元の二点が固定されれば最先端の位置が決まるという三角形の特性が使えません。
[図1]に示されている板厚側方からの外力[Fs]に対して、本発明では根元部分は一体化した板状ですので、ゴムのように伸び縮みする素材で無い材料でできた板は、厚みと直角の方向には容易に変形できません。
調査した特許文献
U.S.Pat. 6,041,467:"Toothbrush" [図5A][図5B]参照特表2002−507926号公報:「フィン付き歯ブラシ」 本体から剛毛付き頭部を通して延在する少なくとも1つのフィンを有する歯ブラシ U.S.Pat. 1,624,054:"Tooth Cleaning Device" [図6]参照 弾力のある材料で形成され、柄から離れた自由端は薄く固定端が太い斧型清掃装置で、固定用はめ合いと抜け留めの機能部品もある U.S.Pat. 4,573,920:"Device for cleaning the proximal faces of teeth" [図7]参照 間隔を置いて長手方向に直角な二枚の長方形の弾力的で変形しやすいシートまたは二列のブリッスルでできた歯の側面磨き装置 実開平7−13229号公報:「歯の隙間の食べ滓除去ブラシ」 [図8]参照 毛先をU字形にし、ほぼ歯の巾に配置した、歯の隙間の食べ滓除去ブラシ U.S.Pat. 2,154,846:"Massage Device" [図9]参照 芯にメタルプレートがある鋸歯状ラバープロジェクションをヘッド外周に配置 特開平7−255529号公報:「歯ブラシ」 [図10]参照 刷毛列が、無刷毛地帯を介した複数のブロックに分割形成されている歯ブラシ 実開平5−15835号公報:「ブラシ具」 ワンタフトブラシの基部固着方法 特開2004−558号公報:「歯ブラシ」 [図12]参照 植毛 基体を基点にループを形成するフィラメントを有する歯ブラシ
歯垢や食べかすを確実に取れば、歯周病菌などの居場所がなくなり歯周病から開放されるという因果関係は明確ですが、歯や歯茎の形状は複雑な上さまざまで、通常の歯ブラシでは毛先をあてることが困難な部分が必ずあります。
水流や水中のキャビテーション現象を利用して、毛先があたらなくてもやわらかい歯垢がとれれば望ましいのですが、口の中のさまざまで複雑な形状の各部分で、歯垢が確実にとれる条件を作り出すことは大変難しいことで、小型電源や小型で強力なアクチュエータなども必要となり、重く、高価になるなど、なお解決すべき多くの課題があります。
本発明の歯ブラシはやわらかい歯垢や食べかすをとるために、通常の歯ブラシでは毛先があたりにくい平行でない狭い歯間の隙間(特に歯茎に近いデルタ部分)や歯と歯茎の境などに確実にあてることができ、柄に力をかけると弾性変形し力を抜くと復元し、操作性が良く、コストが安い、という清掃要素としてのフィンを課題としています。
通常の歯ブラシでは毛先があたりにくい歯と歯の隙間や歯と歯茎の境などに清掃要素をあてるために、本発明の清掃要素には下記課題が与えられます。文中の(符号)は図中に示されています。番号.)は、後述する効果に対応します。
1.) 清掃要素の先端部分は薄く(t) て、歯垢や食べかすが溜まりやすい歯と歯の間の狭い隙間(特に歯茎に近いデルタ部分や平行でない歯と歯の隙間)に少ない抵抗で侵入でき、広い隙間でも、清掃要素の抜き差し運動で歯の側面が清掃できること
2.) 清掃要素の先端部分は点ではなく狭くても幅(ws)があり、歯の表面や歯と歯茎の境に付着したやわらかい歯垢や食べかすをある幅でかきとることができ、清掃要素の厚みを曲げようとする先端への力(Ff)に対しては力に応じて弾性変形し、力がなくなれば元の位置に復元できること
3.) 清掃要素先端の厚みに側方からかかる力(Fs)に対しては弾性変形せず、柄にかけた力をブラシヘッドを通して変形しにくい清掃要素先端に伝えることで、歯間の縦長い隙間に沿って清掃要素を操作し、歯垢や食べかすをかき出すことができること
4.) 清掃要素とブラシヘッドは着脱が容易なこと
5.) ブラシヘッド上に複数の清掃要素があり、そのうちの一つが使われているとき、他の使われていない清掃要素が使われている清掃作業の邪魔にならない配置のこと
本発明は、通常の歯ブラシでは毛先をあてにくい歯間などに清掃要素をあてるために、根元を固定し先端を自由端とした通常の細線でできた刷毛束ではなくて、たわみ弾性材料(例えば樹脂の薄板)を材料としたフィンが清掃要素です。[図1]〜[図4]をみながら、与えられた課題を解決する手段を説明します。
本発明の請求項1では、[図1]で示されるように歯や歯茎と接触して機能するフィンの最先端はブラシヘッド(BrH) のフィン固定面から高さ(h) 離れた位置にあり、厚み(t) がごく薄のヘラ状になっており、根元部分へ二股に分かれて徐々に広がり、前記略長方形の一つの対辺(w辺) で(wr)離れて根元部分でブラシヘッド(BrH) に動かないよう固定され、先端を頂点、離れ量(wr)を底辺とする略三角形の中空構造のフィンが清掃要素です。
略長方形形状とは、[図1]では二辺が(wr)と(w) の長方形を指しますが、対辺が平行とか隣り合う辺となす角度が直角とは限定されません。したがって、台形やひし形や任意の四角形、また三角形や正方形の場合もありえます。角が面取りされて多角形とみえる場合も含まれます。また辺が曲線で、楕円の両端が切断されたり鼓にみえる場合も含まれます。
清掃要素としての先端ヘラ部分は、薄板二枚が一体化されて歯と歯の間の狭い隙間にも少ない抵抗で入る薄さ(t) になっていますので、先端部分が狭い隙間に直角にあたらなくても、容易に変形して隙間に沿って少ない抵抗で侵入できます。さらにフィン最先端部分のヘラ表面の摩擦係数が小さく、断面形状が略三角形になっている方が侵入しやすいのはいうまでもありません。
前記ヘラ部分は、歯茎を傷つけないように端面が刃にならない熱処理や化学処理をしてあり、歯と歯の間の狭い隙間に安全に入れることができます。
また先端から根元に向かって二股に分かれている内側部分は中空ですので、中空部分のない板と違って歯と歯を押し開かず、中空部分が狭くなることで歯と歯の隙間に無理なく侵入することができます。また中空部分は徐々に広がっていますので、広い隙間の歯間でも、隙間が平行でない(例えばデルタ)形状でも、適当な深さまで差し込むことでフィンの方が複雑な三次元形状に適合し、少ない抵抗で侵入できます。
前記略三角形の中空構造のフィンに、頂点である先端を動かそうとする力(Ff)が働いたとき、二辺にある薄板には二点間距離を伸ばそうとする力と縮めようとする力がそれぞれ働き、材質が伸び縮みしなければたわみます。前記力がなくなると三辺が決まれば三角形の形状が決まる原理で先端位置が復元します。
この変形や復元は、薄板が伸び縮みしているのではなく、たわみ弾性材料の薄板がたわみ変形することによって二点間の直線距離を変化させていますので、大きな力をかけるほど薄板のたわみ量は大きくなりますが、最大のたわみ量でも弾性限界以内の力であれば元に戻ります。弾性限界を超えるような材料を採用すると、塑性変形して元に戻りません。
また前記略三角形は中空部分があることが重要で、中が詰まった略三角板の場合は、材質自体が伸び縮みしなければ先端を動かすために大きな力が必要で、伸び縮みできない材料を強引に動かそうと力をかけると、どこかが破損してしまい復元はしません。
三角形状による復元の原理は、離れて植毛された二本の細線の上端を固着して、三角形にして上端に底辺と平行な力をかけて離した場合の変形や復元の仕方と、上端を固着しないで前記の力をかけた場合との違いを想像してみるとわかりやすいかも知れません。
本発明の請求項2では、フィンの先端部分に根元より狭い幅(ws)のヘラ状の清掃要素があり、ヘラの数が複数個ある場合、切込みで分けられており、鉛筆や爪楊枝の先端のような点とは違って、ある幅(ws)で歯と歯茎の境などに付着したやわらかい歯垢や食べかすをかきとります。根元部分では先端より幅(w) が広い板状になって、ブラシヘッド(BrH) に固定されています。根元部分では一体化されて先端の厚みに側方からかかる力(Fs)に対して変形しないことが重要です。
先端部分からの切込みで分けられた一つ一つの薄いヘラは独立して動くことができ、曲面や凸凹面でも追従できる構造になっています。先端の厚みに側方からかかる力(Fs)に対しては、中空部分のない板形状がフィンを変形しにくくし、柄(Hndl)にかけられた力をブラシヘッド(BrH) を通して清掃要素先端部分に伝えることができます。
前記切込みが浅く、一体化された面積が大きいほど大きな力(Fs)に耐えられます。切込み深さを[図2−3]のように変えることで、変形に耐える強度を調整することができます。
この板状面積による変形力の違いは、同じ厚さと高さで、幅より高さが極端に高い板と、幅が高さより広い二種類の樹脂板に対して、厚みの側方から同じ力(Fs)をかけた場合の板の変形の仕方の違いを想像してみるとわかりやすいかも知れません。
薄板に切込みをいれる代わりに、細線を一列に整列させても類似の形状にはなりますが、厚みの側方からかかる力(Fs)に対して変形しないよう、少なくとも根元部分に一体化した板状部分がなければなりません。
通常歯と歯の隙間は縦長で、しかも平行ではありません。また歯も直方体が並んでいるわけではなく、歯並びも良い人ばかりではありません。平行でなく、直角でもない縦長の隙間に、中空部分がなく変形しにくいブレードで歯の側面を清掃するのは困難です。
本発明のフィンは先端がごく薄(t) で略三角形の中空構造があり、平行でも直角でもないさまざまな縦長の隙間に無理なく侵入し、歯の側面を清掃することができます。
本発明のフィンは三角形状が基本ですので、フィンを差し込む深さで差し込み長さも変化します。柄(Hndl)にかけた歯間の隙間に沿った方向の力(Fs)は、フィンが変形しないため減衰しないで先端部分に伝わります。これにより、縦長の歯間に詰まった歯垢や食べかすを、毛の反発力ではなくフィン先端の側方に力がかかる操作で押し出すことができます。
本発明の請求項3と4は清掃要素とブラシヘッドとの固定手段に関します。固定には、一体成形、溶着、接着、圧入、カシメ、金属片打ち込み、ビス止め、掛け留め、など多くの手段がありますが、請求項3と4ではブロックとブラシヘッドにそれぞれ掛け留め機構の引っかけ爪(Clw) と溝(Key) のうち一方を持たせ、嵌入掛け止めで固定します。
嵌入とは、掛け留めがなければ上方には動きますが、前後左右には指の力で動かない程度の嵌合を意味します。どちらかに突起を持った局部的圧入を含みます。
請求項3はフィンの構成で、フィンは清掃要素と、根元部分に固着された前記略長方形(ブラシヘッドの嵌入穴とほぼ同形状)のブロック(Blk) と、で構成されます。ブロック(Blk) は、ブラシヘッド(BrH) の穴または溝へ上方から嵌入すれば引っ掛け固定される、掛け留め機構の一方を有します。
請求項4はブラシヘッド(BrH) の構造で、前記フィンの根元部分を嵌入する穴または溝と、掛け留め機構の一方を有し、前記フィンの根元にあるブロック(Blk) をブラシヘッドの穴または溝へ上方から嵌入することで固定されます。
これにより、さまざまな形状やサイズのフィンを共通のブロックに固着することにより、同一工程で多種類の歯ブラシが生産できます。仕様変更は清掃要素の材質や形状やサイズだけでなく、フィン突き出しの角度も変えることができ、個人個人に最も適した歯ブラシを作ることが可能です。また消耗したフィンのみの交換も可能にします。
本発明の請求項5は、[図4]で示されるように複数の清掃要素(Fin1〜Fin3)の組合わせです。歯は一本一本、隙間は一つ一つ清掃するのを基本としていますので、清掃要素は歯の巾に合わせるのではなく、一つの清掃要素を使っているときに、他の清掃要素が邪魔にならないことが重要です。一つのブラシヘッドに複数の清掃要素がありますと、歯や隙間ごとに最適な清掃要素を選びながら清掃することができます。
清掃要素の配置につきましては、四角形に限らずブラシヘッド上に描ける図形の外周に配置され、前記図形の内部やコーナ部にはないか、あっても歯の清掃機能に貢献できない高さであることが重要です。前記一つの清掃要素を凹部で使っているとき、他の清掃要素が歯や歯茎の凸部にあたって邪魔にならないためです。
またブラシヘッド上の外周よりに清掃要素があることは、センターにある場合と比較して清掃したい部分にとどきやすくします。清掃要素が一つの場合でも、外周よりにあることが重要です。
本発明の清掃要素は三角形を基本に考えられ、外から与える力で変形する性質に方向性があります。清掃要素の組合わせは種類だけでなく、歯の隙間の特徴を考えて最適な方向に清掃要素を配置することで、使いやすさが違います。請求項3と4の発明は、さらに個人個人に合わせた清掃要素の取り外しや配置替えを可能にします。
本発明の請求項6は、前記フィンの根元部分を直接往復動や円弧動または超音波振動させる機構を持ち、フィンごとに先端を振動させるものです。従来の電動歯ブラシは、刷毛束を備えたブラシヘッドや移動台など、清掃作業に寄与していなくても関与する刷毛全体を振動させていました。フィンごとの振動は、投入エネルギーを少なくします。
請求項3のフィン構成の場合は、ブロック(Blk) を振動子に掛け留め機構を電極にできます。また、嵌入することによりブラシヘッド(BrH) 内の振動子がブロックと直接接触してフィンを振動させる構成も可能です。
従来の電動歯ブラシは、多くの刷毛束を歯面にあてて振動させますので、歯面の凸部分が磨きすぎになっていましたが、本発明のフィンは隙間形状に適合しながら振動により侵入しますので、従来できなかった歯の側面磨きに有効です。
本発明の振動は、従来技術の毛先があたらなくてもキャビテーション現象や強力な水流で歯垢をとるのとは目的が違って、フィンの薄(t) くて狭い幅(ws)の先端が歯と歯の隙間に侵入するのを助け、少ない回数の抜き差し運動で歯の側面を磨くためです。
通常の歯ブラシでは毛先があたりにくい歯間の隙間(特に歯茎に近いデルタ部分)や、歯と歯茎の境などに確実にあてることができ、柄に力をかけると弾性変形し、力を抜くと復元し、操作性が良く、コストが安い、という課題を解決する本発明のフィンによる効果について説明します。番号.)は前述した課題の番号に対応しています。
1.) 本発明の清掃要素であるフィンの先端部分は薄くて幅の狭いヘラ状ですので、歯並びが悪くて先端部分が隙間に直角にあたらなくても、先端が変形して少ない抵抗で侵入できます。ワンタフト(一束)ブラシより狭い歯と歯の隙間に、より深く侵入できます。
歯や歯茎に直接あたるフィンの先端部分は、面積が小さいため変形しにくく、歯と歯茎の境をフィンの先端でなぞっていくと、付着しているやわらかい歯垢や食べかすをフィンの先端でかきとることができます。
また二股に分かれている部分の内側は中空で根元に向かって広がっていますので、中空部分がないテーパブレードと違い、歯の狭い隙間を大きな力で無理に押し開かなくても、中空部分が狭くなる変形をして隙間形状にあわせて小さな力で侵入できます。
また二股に分かれている内側の中空は、先端から根元に向かって広がっていますので、狭い隙間(特にデルタ部分や平行でない隙間)でも広い隙間でも、中空部分の容積が変化して、清掃要素の抜き差し運動で歯の側面にあたる圧力が変化し清掃できます。
2.) [図1]に示されるように、本発明のフィンは薄く(t) て狭い幅(ws)のヘラですので、歯の表面や歯と歯茎の境に付着した歯垢や食べかすを、ワンタフト(一束)ブラシのように点ではなく、ある幅(ws)でかきとることができます。
厚みを曲げようとする先端への力(Ff)に対しては弾性変形し、力がなくなれば先端は元の位置に復元していますので、力がない状態で先端を正確な位置にあて、歯や歯と歯茎の境に付着した歯垢や食べかすを、弾性変形させる適度な力でかきとることができます。
本発明のフィンには略三角形の中空部分があり、厚みを曲げる先端への力(Ff)に対して弾性変形し、力がなくなれば復元するという課題を、薄板のたわみ材料とフィンの形状で解決していますので、材料単体である一枚板より大きな力で付着物をかきとります。
[図2−2]に記載のフィンの先端部分は二つのヘラなので、歯並びの上下、左右、裏表など清掃場所によって使いやすい方を選択でき、また、直線でない歯と歯茎の境に沿って歯みがきペーストを狭い幅で塗ることができます。
清掃要素は複数個あっても、使うのは一箇所につき使いやすい一つです。多くの刷毛束の歯ブラシで歯面をごしごし磨くことになれている人には、ものたりないかも知れません。爽快感を求める方には、歯みがきペーストの併用が効果的です。二つのヘラ先端に、ごく少量の歯みがきペーストをつけて歯と歯茎の境を鏡を見ながらなぞるだけで爽快感が得られます。口の中を泡だらけにするほど使わないので経済的です。
また[図2−3]に示されるような薄く(t) て多数の切り込み(ws)がある先端は、個々のヘラが独立して弾性変形し復元しますので、面積のある歯や歯茎の曲面や凸凹した面でも付着した歯垢や食べかすをかきとることができます。
3.) 先端の厚みに側方からかかる力(Fs)に対してフィンは簡単には変形しないので、柄にかけた力がブラシヘッドを通して清掃要素先端に伝わり、歯間の隙間が均一でなくても、狭くなった部分に付着したやわらかい歯垢や食べかすもかきとることができます。材質がゴムやバネ構造ではかけた力が減衰し、操作性が劣ります。
正しく使えば、爪楊枝より細くてより大きな力でも折れない爪楊枝機能の清掃具です。
4.) 請求項3と4に記載の掛け留め機構は、清掃要素とブラシヘッドの着脱を容易にし、生産性を高めます。また、個人ごとに最適な清掃要素の歯ブラシの提供を可能にします。また、消耗したフィンのみの交換も可能にします。
フィンを構成する清掃要素(CE*) とブロック(Blk) を同質材料にすることにより、リサイクルを容易にします。ブラシヘッド(BrH) と柄(Hndl)も同質材料ならなおさらです。
5.) 本発明の請求項5に記載のフィンの配置は、複数の清掃要素を単独で使うことができますので、最適な清掃用具を複数そろえる面倒がなくなります。
清掃要素の配置は種類の組合わせだけでなく、歯の隙間の特徴を考えて最適な方向に清掃要素を配置することで、より使いやすくなります。また前述のように、着脱を容易にすることにより多種類の自分に最適の清掃要素が持て、少ない保管場所ですみます。
本発明の請求項6に記載の振動発生装置はフィンの先端を微振動させますので、少ない回数の往復動で歯垢や食べかすをかきとることができます。キャビテーション現象や強力な水流を必要としませんので、弱い振動で歯垢や食べかすをかきとることができ、小さな電源ですみます。
本発明のフィンに振動を与えると隙間形状に適合しながら振動により侵入し、狭い面積の清掃要素があたるだけなので磨きすぎにならず、従来の電動歯ブラシではできなかった歯の側面磨きができます。
従来の電動歯ブラシは清掃要素を備えたブラシヘッドを交換するので、交換用のブラシヘッドが高価でしたが、請求項3の発明はブロック(Blk) の付いた清掃要素のみでの交換を可能にしますので、安価ですみます。
通常の清掃要素の先端を開放した歯ブラシでは、使っている間に毛先が開きます。刷毛の先端を一つに固着すれば、毛先は開きにくくなります。本発明は刷毛束ではありませんが、先端を一つに固着していますので先端が開きにくい効果があります。
フィンの最先端は柄で操作できる薄くて狭い幅のヘラで、鏡を見ながら歯間や歯と歯茎の境に確実に清掃要素をあてることができます。染めだし液を使わなくても、やわらかい歯垢や食べかすがフィン先端部分についてくるので、除去の効果がみえます。
通常の歯ブラシのように多数本の刷毛を密集させず、小さな金属平板も使っていませんので、生産時に細かな多量の部品管理をしなくてすみます。歯ブラシの掃除が楽なことも重要な効果です。
本発明のフィン形状には、弾性変形しやすい方向としにくい方向があり、歯並びが悪くて歯が重なっている歯間に対して先端が直角にあたらなくても、変形しやすい方向をあてることで先端を侵入させ、変形しにくい方向へかき出すことができます。
また一方向には大きく弾性変形して復元し、直角方向には同じ力で変形しない本発明のフィンの特性は、狭い部分に正確に先を当てる必要がある他の分野、例えば作業場などで狭いスリットに溜まったゴミをかき出す清掃具や、一本で細線と太線とが描けるペイントブラシやネイルブラシや筆、などにも応用できるものと思います。細長くて絡まりやすい髪の毛をほぐすヘアブラシにも、有効な特性かもわかりません。
二つヘラのフィン(Fin2)と、柄(Hndl)と、柄と一体になっているブラシヘッド(BrH) とからなる歯ブラシにおいて、請求項3と4に示されたブロック(Blk) とブラシヘッドとの嵌入掛け留めでフィン(Fin2)を固定する一実施例の[図3]について説明します。
フィン(Fin2)は清掃要素(CE2) とブロック(Blk) とからなり、清掃要素の根元部分内側にブロックは固着されています。寸法や工法は一例で、限定されるものではありません。
清掃要素(CE2) は、薄い(0.1mm) 樹脂板を加工して作られ、先端部分(Wld) は加熱加圧され、薄く(t=0.05mm以下)て狭い幅(ws=1mm)の二つのヘラとなり、先端を頂点として根元に向かって二股に分かれて徐々に離れ、中空部分のある略三角形を形作っています。
根元からヘラ最先端までの高さ(h) は二つとも同じで(15mm)、二つのヘラ先端から略V字状の切込み深さは(10mm)、根元での薄板の離れ量(wr)は( 3mm)、根元幅(w) は(10mm)と、ブロック(Blk) への固着部分面積(d= 4mm*w=10mm) が一実施例の寸法です。
ブロック(Blk) はフィン(Fin2)と同じ材質の樹脂で、幅(w=10mm)*離し量(wr=3mm)*高さ(d=4mm) の寸法で、二辺(wrの辺)には掛け留め機構の一方となる溝(Key) があり、熱溶着により固着部分面積(d= 4mm*w=10mm) で固着されています。
ブラシヘッド(BrH) には、幅(wr=3.2mm)*長さ(w=10mm)*深さ(d=4mm) のブロックを嵌入する溝と、掛け留め機構の一方となる爪(Clw) があります。
組立て方はブラシヘッド(BrH) を溝を上にして平面上におき、フィンの根元にある掛け留め機構の一方となる溝(Key) を持ったブロック(Blk) を、位置を合わせて上方から押し込みます。このとき、ブラシヘッドにある掛け留め機構の一方となる爪(Clw) は、外側へ変形して逃げ、設定の位置で溝(Key) に引っ掛かることで抜け止めとなります。外すときは、前記(Clw) を(Key) から外すことで、上方に抜き出すことができます。
[図2−1]に示すフィン(Fin1)は、先端部分が狭い幅(ws=1mm)の一つだけのヘラです。先端から根元に向かって広がり、根元幅(w=10mm)でブラシヘッドの長手方向両側に平行に固着されています。ワンタフトブラシや歯間ブラシの代わりですが、先端がはるかに薄い(t=0.05mm以下)ので、歯周ポケットの清掃や、狭くて細長い歯と歯の隙間に入れて爪楊枝代わりなど、使い道があります。
実施例はこれに限定されるものではなく、使い方によって幅(ws)は変わりますし、先端の厚みを曲げる力(Ff)に対しては弾性変形し、厚みの側方からの力(Fs)に対しては変形しないで力を伝える性質を利用した、さまざまな形状の応用が可能です。
[図2−2]に示すフィン(Fin2)は、狭い幅(ws=1mm)の二つの先端部分があるヘラです。最良の形態で嵌入掛け留めの実施例を示しましたが、ブラシヘッド(BrH) への固定方法はいろいろあり、[図1]は掛け留めようの溝がないブロック(Blk) と爪がない嵌入穴だけのブラシヘッド(BrH) に接着固定した歯ブラシの実施例です。
二つの薄く(t) て狭い幅(ws)があるヘラは、両端に偏ってありますので、歯並びの上下、左右、裏表などの清掃する場所に合わせて使いやすい方を選択でき、歯茎がえぐれた曲線部分にも鏡を見ながら先端を正確にあててなぞるだけで、付着した歯垢や食べかすをとり除くことができます。また歯と歯茎の境に歯みがきペーストを薄く塗るのは、この形状のフィン(Fin2)が最適です。
[図2−3]に示すフィン(Fin3)は、先端部分が幅(w=10mm)で、狭い幅(ws=1mm)の多数の切込みがあるヘラ列です。ヘラが横一列に並んだ形になっており、奥歯の上部の凸凹面や面積のある歯の曲面などの歯垢や食べかすをかきとることができます。フィン根元に標準ブロック(Blk) をつけておき、清掃場所によってフィンを付け替える使い方も可能です。
また柄の長手方向に取り付けて、特許文献2同様斧型歯ブラシとすることもできます。しかし、固定手段、フィン先端に切込みがある構造、略三角の中空がある構造など、特許文献2とは異なります。
実施例はこれに限定されるものではなく、たとえば切込みの幅は広くも狭くもできますし、切込み深さの配列、熱溶着の面積や形状、ブラシヘッドから突き出す角度など、さまざまな応用が可能です。材料も根元部分を一体化して側方からの力(Fs)に対して変形しにくく加工されていれば、細線を並べても可能です。
[図4]は請求項5に記載された歯ブラシの一実施例で、本発明のフィンを組合わせた例です。フィン(Fin1〜Fin3)は薄い(0.1mm) 樹脂板を加工して作られ、[図2][1]〜[3]に示される形状です。具体的組合わせと使い方の一例を記載します。
多くの複数の清掃要素を持つ歯ブラシは、適当な間隔で配置して一度に多数の歯や歯間を磨こうとしています。ここには無理があります。一人の人でも前歯と奥歯では歯の幅が異なります。まして人が変われば、歯の幅など千差万別です。本発明では一本一本の歯、一つ一つの歯間に清掃要素をあてて、歯垢や食べかすをかきとることが基本です。
[図4]の配置は、ブラシヘッド(BrH) の柄(Hndl)と反対側に先端幅広のフィン(Fin3)があり、平坦面でなく面積のある奥歯の奥側面や奥歯の上側凸凹面や歯の表裏面などを磨きます。ブラシヘッド(BrH) の柄側には先端二つヘラのフィン(Fin2)があり、奥歯の歯間や歯と歯茎の境などを磨きます。前記(Fin3)と(Fin2)の間には長手軸と平行に先端一つヘラのフィン(Fin1)があり、前歯の歯間や歯周ポケットなどを磨きます。
これら清掃要素の組合わせは、形状、材質、配置、取り付け角度、各清掃要素のサイズなど、個人の歯並びの状態やサイズに合わせていろいろ組合わせることができます。なお提示した寸法は一例で、限定されるものではありません。
図はありませんが、本発明のフィンにある嵌入掛け留め機能を有するブロック(Blk) が振動子になっています。掛け留めのとき爪と溝とが接触する面が、電極になっています。前記ブロックが直接フィンの根元を振動させますので、少ない投入エネルギーでフィンは振動します。
振動子が作り出す振動は、清掃要素としてのフィンを歯の隙間に挿入しやすくし、また歯と接触した面を数多い振動で叩きます。強力な水流やキャビテーション現象は、本発明の目的ではありません。
本発明は、従来の歯ブラシや補助清掃具では清掃要素をあてることが困難であった部分に清掃要素をあてることができ、弾力と復元力を合わせ持ってやわらかい歯垢や食べかすをかきとることができ、操作性が良く、コストが安い、という歯周病患者として希望する課題を解決できる清掃要素の形状を考えましたので、歯磨きをしていても歯周病から開放されずに困っている方々に利用していただけるものと思います。



本発明の二点清掃要素を有する歯ブラシの斜視図 本発明によるフィンの清掃要素部分実施例斜視図 [1] 清掃要素先端が一点のフィン形状 [2] 清掃要素先端が二点のフィン形状 [3] 清掃要素先端が多数点のフィン形状 本発明のフィンとブラシヘッドの嵌入説明斜視図 本発明のフィンを組合わせた歯ブラシの実施例 特許文献1のフィン形状図 [A] 特許文献1の刷毛を除いたフィンだけの斜視図 [B] 特許文献1の別のフィン形状図 特許文献2の斧型清掃装置の実施例 特許文献3の板状清掃要素の実施例 特許文献4の歯ブラシの斜視図 特許文献5のマッサージデバイスの実施例 特許文献6の歯ブラシの平面図 特許文献7のブラシ具の代表図 特許文献8の歯ブラシの代表図 U.S.Pat. 2,599,191ループ形状の刷毛の図面
符号の説明
Fin1:清掃要素先端が一点のフィン
Fin2:清掃要素先端が二点のフィン
Fin3:清掃要素先端が多数点のフィン
BrH:清掃要素根元を固定するブラシヘッド
Blk:清掃要素の根元に固着されたブロック
CE2:先端が二点の清掃要素
Clw:フィンを嵌入掛け留めする爪
Key:フィンを嵌入掛け留めする溝
Hndl:柄
Wld:熱溶着部分
d:清掃要素下端に付くブロックの深さ
h:清掃要素の高さ
t:清掃要素先端の厚み
ws:清掃要素先端の有効部分幅
wr:清掃要素根元固定部分の離れ量
w:清掃要素自体の幅(根元部分)
Ff:フィンの厚みを曲げる先端への力
Fs:フィンへ板厚側方からかかる力

Claims (6)

  1. 柄とブラシヘッドと略長方形形状にブラシヘッドに根元部分を固定される清掃要素とからなる歯ブラシにおいて、たわみ弾性材料からなり、ブラシヘッド面から離れた位置にある先端部分はごく薄のヘラで、先端から根元部分へ二股に分かれて徐々に広がり、根元部分は前記略長方形の一つの対辺位置で動かないようブラシヘッドに固定されている清掃要素としてのフィン。
  2. 請求項1記載のフィンにおいて、前記先端部分は薄くて根元より幅の狭いヘラで、ヘラの数が複数個の場合切込みがあり、切込みで分けられた一つ一つの薄いヘラは独立して動くことができ、根元部分では先端より幅が広い板状となって前記略長方形の一つの対辺位置で動かないようブラシヘッドに固定されているフィン。
  3. 請求項1記載の清掃要素において、底面が前記略長方形で前記清掃要素のブラシヘッドに嵌入される根元部分に固着され、ブラシヘッド側にある機構と組合わされて機能する掛け留め機構の一方があるブロックを備えるフィン。
  4. 請求項3記載のフィンの根元部分が嵌入される嵌入穴または溝を有し、前記ブロック側にある機構と組合わされて機能する掛け留め機構の一方を備える歯ブラシのブラシヘッド。
  5. 請求項1または2に記載のフィンや、先端部分が点や一列形状の清掃要素を一つのブラシヘッド上に配置するとき、各清掃要素はブラシヘッド上に描ける図形の外周線上に離れて配置され、前記図形の内部やコーナ部にはないか、あっても歯の清掃機能に貢献できない高さである歯ブラシ。
  6. 請求項1記載のフィンを少なくとも一個ブラシヘッド上に有し、根元を固定された状態の歯ブラシにおいて、前記フィンの根元部分を直接往復動や円弧動または超音波振動させる機構を持ち、フィンごとに先端を振動させることができる歯ブラシ。



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