JPH11137577A

JPH11137577A - 歯間清掃用具

Info

Publication number: JPH11137577A
Application number: JP32062997A
Authority: JP
Inventors: Ryuichi Isaka; 隆一井坂
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1997-11-07
Filing date: 1997-11-07
Publication date: 1999-05-25

Abstract

(57)【要約】【課題】歯茎や歯肉を傷めることなく、歯間部の食物
残滓や歯垢などを安全かつ確実に、しかも効率よく除去
することができる歯間清掃用具を提供すること。【解決手段】柄部１と、該柄部１の先端に固設されて
柄部長手方向に棒状に細長く延びる芯部２とを備え、該
棒状に細長く延びる芯部２の先端側適宜位置に、平面形
状略三角形になる薄い板状の花弁状突起物３を所定間隔
で複数枚固設する。芯部２をその先端４から歯間に差し
入れ、柄部１を持って前後に振動させるようにして動か
すと、芯部２の先端側に形成した花弁状突起物３の花弁
が歯間部の歯面と歯肉の表面に当たって清掃運動を行な
い、歯面や歯肉の表面に付着している食物残滓、歯垢な
どを効果的に掻き取って除去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯間部の食物残滓
や歯垢などを安全かつ確実に、しかも効率よく除去する
ことができる歯間清掃用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、歯間清掃用具として、爪楊
枝、歯間ブラシ、デンタルフロス、糸楊枝などが知られ
ている。しかしながら、爪楊枝は、先端が尖っているた
め、歯茎を傷つけやすく、しかも弾力性がなくてほとん
ど曲がらないため、奥歯の歯間部の掃除が行ないにく
い。また、歯間部の隙間形状は略三角形であるにもかか
わらず、爪楊枝の断面は円形であり、三角形の隙間の角
部の清掃が行ないにくいという問題があった。

【０００３】一方、歯間ブラシは、刷毛を撚り込んだワ
イヤー部分がステンレスなどの金属で作られているた
め、折れやすく、しかも値段が高いという問題があっ
た。また、デンタルフロスは、両手の指に巻き付けて使
用するため、使い勝手が非常に悪く、歯間部に入れる際
に歯肉を傷つける恐れがあり、しかも３０ｃｍ位にカッ
トしたうちの僅かな部分しか使用しないので不経済であ
った。また、デンタルフロスは細い糸を束ねたものなの
で、清掃力が弱いという問題もあった。また、糸楊枝
は、歯間部に入れる際に歯肉を傷つける恐れがあるとと
もに、デンタルフロスと同じく清掃力が弱いという問題
があった。

【０００４】さらに、本件特許出願前においても、歯間
部を清掃するための歯ブラシ（特開昭６０−１２００９
号）や清掃用具（特開平２−６８０５１号）が提案され
ている。しかしながら、前者の場合、歯ブラシヘッド部
の上下の両面に刷毛を植毛しただけであるため、左右両
側面については清掃することができず、また、後者の場
合、歯間部に入る金属ワイヤーの表面に「やすり」様の
研磨層を設けたものであるため、歯肉を傷つけやすいと
いう問題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決するためになされたもので、歯茎や歯肉を
傷めることなく、歯間部の食物残滓や歯垢などを安全か
つ確実に、しかも効率よく除去することができる歯間清
掃用具を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の歯間清掃用具は、柄部と、該柄部の先端に
固設されて柄部長手方向に棒状に細長く延びる芯部とを
備え、該棒状に細長く延びる芯部の先端側適宜位置に、
所望の平面形状からなる薄い板状の花弁状突起物を所定
間隔で複数枚固設したものである。

【０００７】前記花弁状突起物の材質としては、適切な
弾力性、衛生性、無臭性などを確保できる限り特にこだ
わるものではないが、生産性やコストなどの点から、ポ
リエチレン、各種エラストマー、イソプレンゴム、シリ
コンゴムなどが好ましい。中でも、その物性と加工性の
点からイソプレンゴム、シリコンゴムが適している。ま
た、花弁状突起物の平面形状は、桜の花や菊花などの花
形、ヒトデや星のような形状などいかなる形状でもよい
が、歯間部の隙間形状に最も近い形状である略三角形が
最も好ましい。

【０００８】また、花弁状突起物の板厚は、板状体の中
心位置から外周縁に向かって徐々に薄くしてよいし、あ
るいは板状体全面を均一な厚さとしてもよい。好ましい
板厚は使用する材質と花弁の形状に左右されるので限定
的に規定することはできないが、花弁状突起物の中心部
でおおよそ０．５〜２ｍｍ、外周縁部でおおよそ０．２
〜１ｍｍ以内とすることが好ましい。

【０００９】また、芯部の最先端部位置から最も柄部寄
りに位置する花弁状突起物までの長さは、これらの部分
を歯間に差し込んで前後方向に往復動せしめることがで
きるに十分な長さ、例えば１０〜２０ｍｍ程度あればよ
い。また、花弁状突起物と一緒になって歯間に入り込む
芯部の先端側の直径は、強度と弾力性を確保できる限り
できるだけ細く形成することがよく、使用する材質にも
関連するが、例えば０．５〜１ｍｍ程度が好ましい。ま
た、芯部の最先端部は、使用時に歯肉を傷つけることを
防ぐために丸めることが望ましい。また、前記棒状に細
長く延びる芯部をその中間適宜位置において柄部の長手
方向から所定角度だけ曲げてもよい。これによって、歯
面や歯間への当たり角度を改善することができる。

【００１０】さらに、前記芯部の材質としては、ステン
レスなどの金属、ポリプロピレン、ポリエチレン、エラ
ストマー、イソプレンゴム、シリコンゴムなどの合成樹
脂、木、紙類を用いることができるが、生産性、コス
ト、強度、使用性、安全性、衛生性などを総合的に判断
した場合、合成樹脂、中でもイソプレンゴムまたはシリ
コンゴムが最も好ましい。歯間に入り込む芯部先端側の
断面形状は、いかなる形状でもよいが、歯間に入ること
を考慮した場合、三角形、縦長の楕円形もしくは長方形
が好ましい。

【００１１】前記柄部の長さは手指で掴むことができれ
ば十分であり、例えば、１０〜５０ｍｍ程度でよい。ま
た、柄部の断面形状は、芯部の断面形状と相似している
必要はない。むしろ、好ましくは手指で持ちやすい形
状、例えば、角を取った四角形や六角形などが都合がよ
い。

【００１２】なお、前記花弁状突起部、芯部、柄部は、
射出成形などによって全体を１回で成形加工するために
同一の材質とするのがよく、その物性と加工性の点か
ら、特にイソプレンゴムまたはシリコンゴムとすること
が好ましい。

【００１３】

【作用】本発明の歯間清掃用具は、その使用に際して芯
部をその最先端部側から歯間に差し込み、柄部を持って
前後に振動させるようにして動かす。これによって、芯
部の先端側に形成した花弁状突起物の花弁が歯間部の歯
面と歯肉の表面に当たって清掃運動を行ない、歯面や歯
肉の表面に付着している食物残滓、歯垢などを効果的に
掻き取り、除去する。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図１〜図４に本発明の第
１の実施形態を示す。図１は歯間清掃用具の全体構造を
示す側面図、図２は図１中のＡ−Ａ線拡大断面図、図３
は図１中のＢ−Ｂ線拡大断面図、図４は図１中のＣ−Ｃ
線拡大断面図である。

【００１５】図示例の歯間清掃用具は、その全体をイソ
プレンゴムまたはシリコンゴムを用いて射出成形法など
によって一体成形されている。図において、１は柄部で
あって、この柄部１の一端に棒状の細長い芯部２が柄部
長手方向に向かって一体に形成されている。そして、こ
の芯部２の最先端部４側に、薄い板状体からなる複数枚
（図１では５枚）の花弁状突起物３がその中心を芯部２
によって貫かれた状態で一定間隔で設けられている。

【００１６】図示例の場合、花弁状突起物３は、図２に
その平面形状を示すように角をとった略三角形の薄い板
状体とされており、この略三角形の薄い板状体からなる
花弁状突起物３を芯部２の最先端部４側から柄部１の方
向に向かうに従ってその大きさが相似的に徐々に大きく
なるように形成している。これは、歯間清掃の際に芯部
２をその最先端部４側から歯間部に差し込んで行く時
に、花弁状突起物３が容易に入り込んで行きやすくする
ためである。

【００１７】芯部２は、図３にその断面形状を示すよう
に円形とされており、最先端部４は歯茎などを傷つける
ことがないように丸められている。また、その基端部側
は緩やかにカーブしながら柄部１に連結されている。こ
の芯部２は、歯間部の隙間に差し込まれる関係上、でき
るだけ細く形成することが望ましい。また、柄部１は、
図４にその断面形状を示すように角を丸めた六角形とさ
れ、手指で掴んで持ちやすいように工夫されている。

【００１８】上記構成になる歯間清掃用具は、その使用
に際して芯部２をその最先端部４から歯間に差し入れ、
柄部１を持って前後に振動させるようにして動かす。こ
れによって、芯部２の先端側に形成した花弁状突起物３
の花弁が歯間部の歯面や歯肉の表面に当たって清掃運動
を行なう。この結果、歯面や歯肉の表面に付着している
食物残滓、歯垢などを効果的に掻き取って除去すること
ができる。

【００１９】図５に本発明の第２の実施形態を示す。こ
の第２の実施形態は、前記第１の実施形態と同一の構成
において、芯部２をその途中から角度θ（例えば、θ＝
１５〜４５°程度）だけ曲げたものである。このよう
に、芯部２を折り曲げると歯面や歯間への当たり角度が
改善され、歯間清掃用具をより使いやすくすることがで
きる。なお、前記第１の実施形態と同一部分には同一符
号を付し、その詳細な説明は省略する。

【００２０】上記第１および第２の実施形態では、花弁
状突起物３の平面形状を図２のような略三角形状とした
が、これに限定されるものではなく、例えば、図６
（Ａ）〜（Ｉ）に示すような種々の形状を採用すること
ができる。この花弁状突起物３は、歯間に入りやすく、
かつ、歯間の食物残滓や歯垢などを掻き落としやすい形
状であればよいが、歯間部の隙間形状が略三角形である
ことを勘案すると、図２の略三角形が最も好ましい。

【００２１】各花弁状突起物３の大きさも、図１に示し
たような芯部２の最先端部４から柄部１に向かって相似
的に徐々に大きくするだけでなく、例えば図７のように
真ん中の花弁状突起物３を最も大きく、その左右に行く
に従って小さくなるように構成してもよい。また、花弁
状突起物３の板厚方向の側面形状も、図１に示すような
形状に限定されるものではなく、その他に例えば図８
（Ａ）〜（Ｄ）に示すような種々の側面形状を採用する
ことができる。

【００２２】また、上記各実施形態では、芯部２の断面
形状を図３のような円形としたが、これに限定されるも
のではなく、例えば図９（Ａ）〜（Ｂ）に示すように、
四角形、三角形、十字形など、他の種々の形状を採用す
ることができる。歯間部の隙間形状が略三角形であるこ
とを勘案すると、図９（Ｂ）の略三角形が最も好まし
い。

【００２３】さらに、上記各実施形態では、柄部１の断
面形状を図４に示すような六角形としたが、これに限定
されるものではなく、例えば図１０（Ａ）（Ｂ）に示す
ように、四角形、円形など、他の種々の形状を採用する
ことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る発
明は、柄部と、該柄部の先端に固設されて柄部長手方向
に棒状に細長く延びる芯部とを備え、該棒状に細長く延
びる芯部の先端側適宜位置に、所望の平面形状からなる
薄い板状の花弁状突起物を固設したので、歯間部に通し
て振動を与えるように動かして清掃しても、爪楊枝のよ
うに歯肉を傷つけることがなく、しかも弾力があって曲
がりやすいので、奥歯の歯間部の清掃も行いやすくな
る。また、デンタルフロスのように両手を使う不便を解
消し、片手で楽に使用することができる。また、デンタ
ルフロスは使い捨てであるため不経済であるが、本発明
の歯間清掃用具は洗って何度でも使用することができ、
経済的である。また、細い糸を束ねたデンタルフロスよ
りも清掃力が高く、歯間部を綺麗に清掃することができ
る。また、糸楊枝のように歯肉を傷つけることがなく、
清掃力は糸以上に高い。このため、本発明の歯間清掃用
具によるときは、歯茎や歯肉を傷めることなく、歯間部
の食物残滓や歯垢などを安全かつ確実に、しかも効率よ
く掻き落として除去することができる。

【００２５】さらに、花弁状突起物を所定間隔で複数枚
固設し、各花弁状突起物の外形寸法を相似的に変化させ
たので、歯間清掃に際して芯部とともに花弁状突起物を
歯間内に容易に差し込むことができるようになり、歯間
清掃用具の使い勝手をより向上することができる。

【００２６】また、請求項２に係る発明は、花弁状突起
物の平面形状を略三角形としたので、略三角形の隙間形
状になる歯間部に挿入しやすく、確実に歯間の清掃を行
うことができる。

【００２７】また、請求項３に係る発明は、棒状に細長
く延びる芯部をその中間適宜位置において柄部の長手方
向から所定角度だけ曲げたので、歯面や歯間への当たり
角度が改善され、歯間清掃用具をより使いやすくするこ
とができる。

【００２８】また、請求項４に係る発明は、歯間清掃用
具の全体をイソプレンゴムまたはシリコンゴムから構成
したので、従来の歯間ブラシのように刷毛をワイヤーに
植えるための捩じり工程などが不要であり、一回の射出
成形で歯間清掃用具を作ることができ、製造コストを低
減することができる。また、イソプレンゴムまたはシリ
コンゴムは弾性に富むので、芯部に弾性を持たせること
ができ、曲げても折れず、長期間使用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る歯間清掃用具の一実施形態の側面
図である。

【図２】図１中のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】図１中のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

【図４】図１中のＣ−Ｃ線拡大断面図である。

【図５】本発明に係る歯間清掃用具の他の実施形態の側
面図である。

【図６】（Ａ）〜（Ｉ）は花弁状突起物の平面形状の他
例を示す図である。

【図７】花弁状突起物の他の形成例を示す図である。

【図８】（Ａ）〜（Ｄ）は花花弁状突起物の側面形状の
他例を示す図である。

【図９】（Ａ）〜（Ｃ）は花芯部の断面形状の他例を示
す図である。

【図１０】（Ａ）、（Ｂ）は柄部の断面形状の他例を示
す図である。

【符号の説明】

１柄部２芯部３花弁状突起物４芯部の最先端部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】柄部と、該柄部の先端に固設されて柄部
長手方向に棒状に細長く延びる芯部とを備え、該棒状に
細長く延びる芯部の先端側適宜位置に、所望の平面形状
からなる薄い板状の花弁状突起物を所定間隔で複数枚固
設し、各花弁状突起物の外形寸法を相似的に変化させた
ことを特徴とする歯間清掃用具。
【請求項２】前記花弁状突起物の平面形状を略三角形
としたことを特徴とする請求項１記載の歯間清掃用具。
【請求項３】前記棒状に細長く延びる芯部がその中間
適宜位置において柄部の長手方向から所定角度だけ曲げ
られていることを特徴とする請求項１または２記載の歯
間清掃用具。
【請求項４】歯間清掃用具の全体をイソプレンゴムま
たはシリコンゴムから構成したことを特徴とする請求項
１、２または３記載の歯間清掃用具。