JP2005095394A - トリムカバーの端末取付構造 - Google Patents

トリムカバーの端末取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 シートクッション後部の両側部分のトリムカバーの端末の浮き上がりを極力抑制して、見栄えの向上と他部材との干渉の回避とを共に達成すること。
【解決手段】 シートクッション3の後部側のクッションフレーム5に設けられると共にクッションフレーム5に固着されるリクライニングベース6で覆われる突起部7と、トリムカバー4の端縁部4aに、トリムカバー4の引き込み方向aと略直交する長尺な結合部分8を有して結合される平板状の係合手段9とを備え、ベース6のフレーム5への固着状態で係合手段9を突起部7に係合させることによってトリムカバー4が取り付けられている。これによりトリムカバー4は、結合部分8を介してその端縁部4aの長尺部分が一体となって引き込まれること、および外側への膨らみをリクライニングベース6により阻止される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車用シートクッションのトリムカバーの端末取付構造に関するものである。
自動車のシートクッションは、クッションパッドの表面全体をトリムカバーで覆って大略構成されている。
この種のトリムカバーの端末の第1取付構造は、表面側がクッションパッドで形成され、裏面側がパネルにより形成されており、表面側を覆ったトリムカバーの端末を裏面側へ折り返すと共に、トリムカバーの端末に適宜の間隔で設けた樹脂フックを、パネルの周縁に沿って設けた凹部の係止孔に係合させた構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の第2取付構造では、トリムカバーは、その下端に取り付けられたフックをシートフレーム下端に係止して取り付けられている(例えば、特許文献2参照)。この第2取付構造では、リクライニング機構はパッドおよびトリムカバーにそれぞれ形成された貫通孔を通過して上方へ突出している。すなわち、トリムカバーは、その端縁部をリクライニング機構の外側に位置して取り付けられている。
さらに他の第3取付構造では、パッドを覆っているトリムカバーの下端には引き布の一端が縫合され、該引き布の他端は所定のテンションが付与された状態でパッドの裏側に回り込んで、クリップにて係止されている(例えば、特許文献3参照)。
実開平2−89998号明細書および図面。 特開2002−199952号公報の段落番号[0016]、[0017] の記載、および図1の記載。 特開2002−193049号公報の段落番号[0014]の記載、および 図2の記載。
しかしながら、これら従来の端末取付構造の内、第1あるいは第3取付構造にあっては、トリムカバーの端末を適宜間隔ごとにフックあるいは引き布で取付けているため、フックあるいは引き布がない部分のトリムカバーの端末が浮き上がってしまい、これにより見映えが悪くなると共に、シートクッションは車体に対してスライド自在に支持されるため、特にその後部の両側部分にあってはスライド時に浮き上がった端末が他の物に引っ掛かるおそれがある、という課題を有している。
また、第2取付構造にあっても同様で、トリムカバーは、乗員の居ない状態では付与されているテンションにより適度の張りを保っているが、乗員の着座により前記テンションが解除されて、リクライニング機構の外側に位置するトリムカバーの端末が浮き上がる虞があり、この浮き上がりにより前記したと同様の課題を有している。
そこでこの発明は、シートクッション後部の両側部分のトリムカバーの端末の浮き上がりを極力抑制して、見栄えの向上と他部材との干渉の回避とを共に達成することができるトリムカバーの端末取付構造を提供することを目的としている。
前記した目的を達成するために、請求項1の発明は、シートクッション後部の両側部分のトリムカバーの端末取付構造であって、
前記シートクッションの後部側のクッションフレームに設けられると共に該クッションフレームに固着されるリクライニングベースで覆われる突起部と、前記トリムカバーの端縁部に、該トリムカバーの引き込み方向と略直交する長尺な結合部分を有して結合される平板状の係合手段とを備え、前記リクライニングベースの前記クッションフレームへの固着状態で前記係合手段を前記突起部に係合させることによって前記トリムカバーが取り付けられていることを特徴とする。
このため請求項1の発明では、シートクッション後部の両側部分に位置するトリムカバーは係合手段を突起部に係合させることによりリクライニングベースの内側に取り付けられる。この取付状態では、トリムカバーは、長尺な結合部分を介してその端縁部の長尺部分の全体が一体となって引き込まれること、および外側への膨らみをリクライニングベースにより阻止されることにより、シートクッション後部の両側部分に位置するトリムカバーの端末の浮き上がりを有効に阻止することができる。
また、突起部、および該突起部に係合している係合手段は、クッションフレームに固着されるリクライニングベースにより覆われて外部部材との干渉から保護されると共に外部からの視認をも避けることができる。
また、請求項2の発明は、請求項1記載のトリムカバーの端末取付構造であって、
前記突起部は、端面開口部および側面開口部を有して前記クッションフレームに設けられると共に前記リクライニングベースにより前記側面開口部が塞がれる凹部内に設けられており、
前記係合手段は、前記突起部に挿入される係合孔が穿設されていると共に前記凹部に嵌入可能な大きさの板状体で構成されていることを特徴とする。
このため請求項2の発明では、係合孔を突起部に挿入させることによって板状体を突起部に係合させることができ、これによりシートクッション後部の両側部分に位置するトリムカバーの端末がそれぞれ取り付けられる。このとき係合孔の突起部からの抜け止めは、凹部の側面開口部を塞ぐリクライニングベースにより行われる。
また、突起部、および該突起部に係合している板状体は、凹部の側面開口部を塞ぐリクライニングベースにより他の外力負荷から保護されると共に、突起部を凹部内に設けたことにより、固着の際リクライニングベースからの外力負荷(圧接力)を何等受けることのない安定した係合状態を当初から維持することができる。
また、請求項3の発明は、請求項1または2記載のトリムカバーの端末取付構造であって、
前記突起部は、前記トリムカバーの引き込み方向に対向する広平面を有する起立片で構成されており、
前記係合孔は、前記トリムカバーの引き込み方向に対して直交する方向に長く、かつ前記起立片に挿入可能な大きさに形成される矩形孔で構成されていることを特徴とする。
このため請求項3の発明では、矩形孔を起立片に挿入することにより、板状体は、その揺動が阻止されて安定した係合状態となる。
以上詳細に述べたように、本発明は以下のような効果を奏することができる。
すなわち、請求項1の発明によれば、トリムカバーは、長尺な結合部分を介してその端縁部の長尺部分の全体が一体となって引き込まれること、および外側への膨らみをリクライニングベースにより阻止されることにより、シートクッション後部の両側部分のトリムカバーの端末の浮き上がりを極力抑制して、見栄えの向上と他部材との干渉の回避とを共に達成することができる。
その上、請求項1の発明によれば、突起部、および該突起部に係合している係合手段は、リクライニングベースにより覆われて外部部材との干渉から保護されると共に外部からの視認をも避けることができ、これによりトリムカバーの係合部分の耐久性の向上と見栄えの向上とを達成することができる。
また、請求項2の発明によれば、トリムカバーの取付操作は、係合孔を突起部に挿入させるという簡単な操作に加えて、その操作を適宜のテンション付与下で行うので、係合孔を突出部に挿入させただけで仮止めすることができるので、請求項1の発明の効果に加えて、取付操作の容易化を図ることができる。
その上、請求項2の発明によれば、係合状態にある板状体は、リクライニングベースで覆われて他の外力負荷から保護されると共に、突起部を凹部内に設けたことにより突起部および板状体を底辺部とリクライニングベースとの間のギャップ内に位置させることができるので、請求項1の発明の効果に加えて、リクライニングベースからの外力負荷(圧接力)を何等受けることのない安定した係合状態を当初から維持することができると共に、突起部および板状体の耐久性の向上をも図ることができる。
また、請求項3の発明によれば、矩形孔を起立片に挿入することにより、板状体は、その揺動が阻止されて安定した係合状態となるので、請求項1または2の発明の効果に加えて、取付作業の一層の容易化を図ることができる。
以下、本発明を図示した実施形態に基づいて説明する。なお、図中、FRは車体の前側、RRは車体の後ろ側、UPは車体の上側、LWRは車体の下側として説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのトリムカバーの端末取付構造1の組み付け状態を示す要部断面図で、図2は、その端末取付構造1の要部の分解斜視図で、図3は前記端末取付構造1が適用される車両用シート2の骨格部分のみの組み付け状態を示す要部斜視図である。
自動車のシートクッション3は、クッションパッド10の表面全体をトリムカバー4で覆って大略構成されている。そしてトリムカバーの端末取付構造1は、シートクッション3の後部の両側部分のトリムカバー4の端末取付構造のことである。なお、図3中、符号18はシートクッション3に懸架されたSばねであり、符号19はシートバック20に懸架された線ばねであり、符号21はリクライニング機構である。
このときトリムカバーの端末取付構造1では、クッションフレーム5に設けられると共にクッションフレーム5に固着されるリクライニングベース6で覆われる突起部7と、トリムカバー4の端縁部4aに、トリムカバー4の引き込み方向aと略直交する長尺な結合部分8を有して結合される平板状の係合手段9とを備え、リクライニングベース6のクッションフレーム5への固着状態で係合手段9を突起部7に係合させることによってトリムカバー4が取り付けられている。
本実施形態では、係合手段9は、平板状の矩形樹脂材で構成されており、その一辺が縫合されてトリムカバー4の端縁部4aに結合されている(図2参照)。このときの縫合部分が、長尺な結合部分8を構成している。
また、リクライニングベース6は、突起部7を覆うようにしてクッションフレーム5に固着されており、トリムカバー4は、このリクライニングベース6のクッションフレーム5への固着状態で係合手段9を突起部7に係合させることにより、リクライニングベース6の内側に取り付けられている(図1(a)参照)。 具体的にはリクライニングベース6は、突起部7に何等干渉することなく突起部7を覆うように取り付けられるものであるから、突起部7の形成箇所に該当するリクライニングベース6または/およびクッションフレーム5には、前記干渉を避けるための凹部が形成される。
この構成では、トリムカバー4は、長尺な結合部分8を介してその端縁部4aの長尺部分の全体が一体となって引き込まれること、および外側への膨らみをリクライニングベース6により阻止されることにより、シートクッション3の後部の両側部分に位置するトリムカバー4の端末の浮き上がりを有効に阻止することができ、これにより見栄えの向上と他部材との干渉の回避とを共に達成することができる。
また、突起部7、および突起部7に係合している係合手段9は、クッションフレーム5に固着されるリクライニングベース6により覆われて外部部材との干渉から保護されると共に外部からの視認をも避けることができ、これによりトリムカバー4の係合部分の耐久性の向上と見栄えの向上とを達成することができる。
また好ましくは、図1(a)および図2に示すように、突起部7は、端面開口部15aおよび側面開口部15bを有してクッションフレーム5に設けられると共にリクライニングベース6により側面開口部15bが塞がれる凹部15内に設けられており、係合手段は、突起部7に挿入される係合孔12が穿設されていると共に凹部15に嵌入可能な大きさの板状体9で構成される。
本実施形態では、突起部7は、凹部15の底辺部15cの中央部分に形成されており、かつ板状体9は、係合孔12を突起部7に挿入させると共に全体を凹部15に嵌入させることによって、突起部7に係合している。
また、クッションフレーム5には、図2に示すように、凹部15の両側の平面部5aに締結用ねじ孔11が穿設されており、かつ平面部5aの裏面側には締結用ねじ孔11に合致させてナット13が溶接により固着されている。そしてリクライニングベース6は、図1(b)および図3に示すように、リクライニングベース6のねじ孔(図示せず)および締結用ねじ孔11を挿通してナット13に螺合するボルト14によりクッションフレーム5に固着される。この固着により凹部15の側面開口部15bは、リクライニングベース6により塞がれる。
この構成では、係合孔12を突起部7に挿入させることによって板状体9を突起部7に係合させることができ、これによりシートクッション3の後部の両側部分に位置するトリムカバー4の端末がそれぞれ取り付けられる。このとき係合孔12の突起部7からの抜け止めは、凹部15の側面開口部15bを塞ぐリクライニングベース6により行われる。この取付操作は、係合孔12を突起部7に挿入させるという簡単な操作に加えて、その操作を適宜のテンション付与下で行うので、係合孔12を突起部7に挿入させただけで仮止めすることができるので容易である。
また、突起部7、および突起部7に係合している板状体9は、凹部15の側面開口部15bを塞ぐリクライニングベース6により他の外力負荷から保護されると共に、突起部7を凹部15内に設けたことにより突起部7および板状体9を底辺部15cとリクライニングベース6との間のギャップG内に位置させることができ(図1(a))、これによりリクライニングベース6からの外力負荷(圧接力)を何等受けることのない安定した係合状態を当初から維持することができると共に、突起部7および板状体9の耐久性の向上をも図ることができる。
さらには、リクライニングベース6は、図1(b)に示すように、クッションフレーム5の平面部5aとの広い面接合状態で固着されるので、好ましい固着強度を有してクッションレーム5に取り付けられる。
さらに好ましくは、図2に示すように、突起部は、トリムカバー4の引き込み方向aに対向する広平面7aを有する起立片7で構成されており、係合孔は、トリムカバー4の引き込み方向aに対して直交する方向に長く、かつ起立片7に挿入可能な大きさに形成される矩形孔12で構成されている。
本実施形態では、起立片7は、凹部15の底辺部15cの中央部分の一部を切り起こして形成されており、矩形孔12は、起立片7の起立方向と直交する方向の断面形状と略同形状で幾分大き目に形成されている。
この構成では、矩形孔12を起立片7に挿入することにより、板状体9は、その揺動が阻止されて安定した係合状態となるので、取付作業の一層の容易化を図ることができる。
この発明の一実施形態としてのトリムカバーの端末取付構造の組み付け状態を示す要部断面図で、(a)は図3のIa−Ia線に対応する断面図であり、(b)は図3のIb−Ib線に対応する断面図ある。 図1の端末取付構造の要部の分解斜視図である。 図1の端末取付構造が適用される車両用シートの骨格部分のみの組み付け状態を示す要部斜視図である。
符号の説明
1 端末取付構造(トリムカバーの端末取付構造)
3 シートクッション
4 トリムカバー
4a 端縁部(トリムカバーの)
5 クッションフレーム
6 リクライニングベース
7 起立片(突起部)
8 結合部分
9 板状体(係合手段)
12 矩形孔(係合孔)
15 凹部
15a 端面開口部(凹部の)
15b 側面開口部(凹部の)
a 引き込み方向(トリムカバーの)

Claims (3)

  1. シートクッション後部の両側部分のトリムカバーの端末取付構造であって、
    前記シートクッションの後部側のクッションフレームに設けられると共に該クッションフレームに固着されるリクライニングベースで覆われる突起部と、前記トリムカバーの端縁部に、該トリムカバーの引き込み方向と略直交する長尺な結合部分を有して結合される平板状の係合手段とを備え、前記リクライニングベースの前記クッションフレームへの固着状態で前記係合手段を前記突起部に係合させることによって前記トリムカバーが取り付けられていることを特徴とするトリムカバーの端末取付構造。
  2. 請求項1記載のトリムカバーの端末取付構造であって、
    前記突起部は、端面開口部および側面開口部を有して前記クッションフレームに設けられると共に前記リクライニングベースにより前記側面開口部が塞がれる凹部内に設けられており、
    前記係合手段は、前記突起部に挿入される係合孔が穿設されていると共に前記凹部に嵌入可能な大きさの板状体で構成されていることを特徴とするトリムカバーの端末取付構造。
  3. 請求項1または2記載のトリムカバーの端末取付構造であって、
    前記突起部は、前記トリムカバーの引き込み方向に対向する広平面を有する起立片で構成されており、
    前記係合孔は、前記トリムカバーの引き込み方向に対して直交する方向に長く、かつ前記起立片に挿入可能な大きさに形成される矩形孔で構成されていることを特徴とするトリムカバーの端末取付構造。
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