JP2005095113A - 核酸抽出装置 - Google Patents

核酸抽出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005095113A
JP2005095113A JP2003357674A JP2003357674A JP2005095113A JP 2005095113 A JP2005095113 A JP 2005095113A JP 2003357674 A JP2003357674 A JP 2003357674A JP 2003357674 A JP2003357674 A JP 2003357674A JP 2005095113 A JP2005095113 A JP 2005095113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
nucleic acid
extraction
cartridge
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003357674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3635645B1 (ja
Inventor
Yoshihiro Seto
義弘 瀬戸
Takahiro Miyato
崇裕 宮戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003357674A priority Critical patent/JP3635645B1/ja
Priority to CNB2004100578304A priority patent/CN100543126C/zh
Priority to US10/920,447 priority patent/US7429356B2/en
Priority to EP04019619A priority patent/EP1508618B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3635645B1 publication Critical patent/JP3635645B1/ja
Publication of JP2005095113A publication Critical patent/JP2005095113A/ja
Priority to US11/798,215 priority patent/US20070209995A1/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

【課題】 短時間で効率よく試料液の核酸を自動的に抽出できる装置をコンパクトに構成する。
【解決手段】 フィルター部材11bを備えた抽出カートリッジ11を用い、核酸を含む試料液を注入し加圧し、その核酸をフィルター部材11bに吸着させた後、洗浄液を分注し加圧して不純物を除去した後、回収液を分注し加圧して吸着した核酸を回収する抽出動作を行う装置であって、抽出カートリッジ11、試料液および洗浄液の排出液を収容する廃液容器12および核酸を含む回収液を収容する回収容器13を保持する搭載機構3と、抽出カートリッジ11に加圧エアを導入する加圧エア供給機構4と、抽出カートリッジ11に洗浄液および回収液を分注する分注機構5とを備えてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フィルター部材を備えた抽出カートリッジを用いて試料液の核酸を自動抽出する核酸抽出装置に関するものである。
従来の核酸抽出法としては、遠心法によるもの、磁気ビーズを用いるもの、フィルターを用いるものなどがある。
例えば、フィルターを用いた核酸抽出装置としては、フィルターを収容したフィルターチューブをラックに多数セットし、これに試料液を分注し、上記ラックの底部の周囲をシール材を介してエアチャンバーで密閉して内部を減圧し、全フィルターチューブを同時に排出側より吸引し試料液を通過させて核酸をフィルターに吸着し、その後、洗浄液および溶出液を分注して、同様に減圧吸引して洗浄・溶出するようにした機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2832586号公報
上記のような従来の自動抽出装置では、装置が大型で多量の検体を分析するのに適したもので、検体数が少なく分析頻度の少ない場合には、高価で不向きであるとともに、処理効率が低くなる問題を有する。
また、このような装置においては、短時間で効率よくコンタミネーションが発生しないように処理し、かつ、装置を小型化するなどの点が要望されるが、特許文献1では次のような問題がある。
採取全血のように各試料液の特性が異なる場合に、特許文献1のように全体を同時に吸引するものでは、一部のフィルターチューブの吸引が終了してその抵抗がなくなると、他のフィルターチューブに作用する減圧が小さくなって粘度の高い試料液の処理が終了しない場合が生じる。その減圧容量を増大することは装置の小型化を図る際の障害となり、減圧容積が大きいために減圧を作用させるまでの時間が掛かり、また、液が全部排出されたことの検出が困難で、時間設定が長く、処理効率の向上の障害となる。一方、粘度の低い試料液では、フィルターチューブより勢いよく液が排出されて、泡状の飛沫が隣接するフィルターチューブおよびラックに付着してコンタミネーションを生じ、精度低下を招く問題がある。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、短時間で効率よく試料液の核酸を自動的に抽出できるようにしたコンパクト化が可能な核酸抽出装置を提供することを目的とするものである。
本発明の核酸抽出装置は、フィルター部材を備えた抽出カートリッジを用い、該抽出カートリッジに核酸を含む試料液を注入し加圧して該試料液中の核酸を前記フィルター部材に吸着させた後、前記抽出カートリッジに洗浄液を分注し加圧して不純物を除去した後、前記抽出カートリッジに回収液を分注し加圧してフィルター部材に吸着した核酸を分離して回収液とともに回収する抽出動作を自動的に行う核酸抽出装置であって、
前記抽出カートリッジ、前記試料液および洗浄液の排出液を収容する廃液容器および前記核酸を含む回収液を収容する回収容器を保持する搭載機構と、前記抽出カートリッジに加圧エアを導入する加圧エア供給機構と、前記抽出カートリッジに洗浄液および回収液を分注する分注機構とを備えてなることを特徴とするものである。
前記搭載機構は、装置本体に搭載されるスタンドと、該スタンドに上下移動可能に支持され前記抽出カートリッジを保持するカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーの下方で前記抽出カートリッジに対する位置を交換可能に前記廃液容器および前記回収容器を保持する容器ホルダーとを備えてなるものが好適である。
また、前記加圧エア供給機構は、下端部より加圧エアを噴出するエアノズルと、該エアノズルを支持して前記カートリッジホルダーに保持された前記抽出カートリッジに対し前記エアノズルを昇降移動させる加圧ヘッドと、該加圧ヘッドに設置され前記搭載機構のラックにおける抽出カートリッジの位置決めをする位置決め手段とを備えてなるものが好適である。
また、前記分注機構は、前記洗浄液を分注する洗浄液分注ノズルと、前記回収液を分注する回収液分注ノズルと、前記洗浄液分注ノズルおよび前記回収液分注ノズルを保持し前記搭載機構に保持された抽出カートリッジ上を順に移動可能なノズル移動台と、洗浄液を収容した洗浄液ボトルより洗浄液を吸引し前記洗浄液分注ノズルに供給する洗浄液供給ポンプと、回収液を収容した回収液ボトルより回収液を吸引し前記回収液分注ノズルに供給する回収液供給ポンプとを備えてなるものが好適である。
一方、前記フィルター部材は、イオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜で構成するのが好適である。例えば、フィルター部材は、水酸基を有する有機材料の多孔性膜で構成される。一例として、前記フィルター部材は、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物、再生セルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理した有機材料からなる多孔性膜である。また、前記フィルター部材は、シリカ化合物を含有する無機材料、例えばガラスフィルターからなる多孔性膜である。
上記のような本発明によれば、抽出カートリッジ、廃液容器および回収容器を保持する搭載機構と、抽出カートリッジに加圧エアを導入する加圧エア供給機構と、抽出カートリッジに洗浄液および回収液を分注する分注機構とを備え、フィルター部材を備えた抽出カートリッジに核酸を含む試料液を注入加圧し核酸をフィルター部材に吸着させた後、洗浄液を分注して不純物を洗浄排出した後、回収液を分注してフィルター部材に吸着した核酸を分離して回収する抽出動作を自動的に行って短時間で効率よく試料液の核酸を自動的に抽出できる機構をコンパクトに構成することとができる。
また、前記搭載機構を、スタンドと、抽出カートリッジを保持する上下移動可能なカートリッジホルダーと、廃液容器および回収容器を交換可能に保持する容器ホルダーとを備えて構成すると、抽出カートリッジおよび両容器のセット並びに廃液容器と回収容器の交換が簡易に行える。
また、前記加圧エア供給機構を、エアノズルと、該エアノズルを昇降移動させる加圧ヘッドと、抽出カートリッジの位置決めをする位置決め手段とを備えて構成すると、簡易な機構で確実な加圧エアの供給が行える。
また、前記分注機構を、洗浄液分注ノズルと、回収液分注ノズルと、抽出カートリッジ上を順に移動可能なノズル移動台と、洗浄液ボトルより洗浄液を吸引し洗浄液分注ノズルに供給する洗浄液供給ポンプと、回収液ボトルより回収液を吸引し回収液分注ノズルに供給する回収液供給ポンプとを備えて構成すると、簡易な機構で順次洗浄液および回収液の分注が行える。
フィルター部材として、イオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜で構成することにより、良好に試料液中の核酸の吸着・回収が行える。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。図1は一つの実施の形態における核酸抽出装置のカバーを除去した状態を示す斜視図、図2は核酸抽出装置の概略機構図、図3は搭載機構におけるラックの斜視図、図4はラックの使用状態を示す斜視図、図5は抽出動作の工程図、図6は抽出カートリッジの斜視図である。
一実施形態の核酸抽出装置1の機構を説明する前に、この核酸抽出装置1は、図6に示すような抽出カートリッジ11(フィルターカートリッジ)を用いて試料液中の核酸を抽出するものである。この抽出カートリッジ11は、上端が開口した筒状本体11aの底部にフィルター部材11bが保持され、筒状本体11aのフィルター部材11bより下方部位はロート状に形成され、下端中心部に細管ノズル状の排出部11cが所定長さに突出形成され、筒状本体11aの側部両側に縦方向の突起11dが形成されてなる。上部開口より後述の試料液、洗浄液、回収液が分注され、上部開口より加圧エアが導入され、各液をフィルター部材11bを通して排出部11cより後述の廃液容器12または回収容器13に流下排出する。なお、図示の場合、筒状本体11aは上部と下部に分割され嵌着する構造となっている。
そして、核酸抽出装置1は基本的に図5(a)〜(g)に示すような抽出工程によって核酸の抽出精製を行う。まず図5(a)工程で、廃液容器12上に位置する抽出カートリッジ11に溶解処理された核酸を含む試料液Sを注入する。次に図5(b)工程で、抽出カートリッジ11に加圧エアを導入して加圧し、フィルター部材11bを通して試料液Sを通過させ、このフィルター部材11bに核酸を吸着させ、通過した液状成分は廃液容器12に排出する。
次に図5(c)工程で抽出カートリッジ11に洗浄液Wを自動分注し、(d)工程で抽出カートリッジ11に加圧エアを導入して加圧し、フィルター部材11bに核酸を保持したままその他の不純物の洗浄除去を行い、通過した洗浄液Wは廃液容器12に排出される。この(c)工程および(d)工程を複数回繰り返してもよい。
その後、(e)工程で抽出カートリッジ11の下方の廃液容器12を回収容器13に交換してから、(f)工程で抽出カートリッジ11に回収液Rを自動分注し、(g)工程で抽出カートリッジ11に加圧エアを導入して加圧し、フィルター部材11bと核酸の結合力を弱め、吸着されている核酸を離脱させて、核酸を含む回収液Rを回収容器13に排出し回収する。
上記抽出カートリッジ11におけるフィルター部材11b(核酸吸着性多孔性膜)は、イオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜であり、洗浄液による洗浄時にはその吸着を保持し、回収液による回収時に核酸の吸着力を弱めて離すように構成されてなる。さらに好ましくは、フィルター部材11bは親水基として水酸基を有する多孔性膜であり、多孔性膜を形成する材料自体が、水酸基を有する多孔性膜、または多孔性膜を形成する材料を処理またはコーティングすることによって水酸基を導入した多孔性膜を意味する。多孔性膜を形成する材料は有機物、無機物のいずれでも良いが、加工の容易性から、有機高分子などの有機材料を用いることが好ましい。例えば、ナイロン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、アクリレート共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体塩、ポリベンズイミダゾール、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体塩、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、セルロース、セルロース混合エステル、ニトロセルロース、アセチルセルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル共重合体、ニトロセルロース、ポリプロピレンおよび/またはポリエステルを含む多孔性膜からなる。
水酸基を有する有機材料の多孔性膜としては、特開2003−128691号公報に記載の、アセチルセルロースの表面鹸化物が挙げられる。アセチルセルロースとしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの何れでもよいが、特にはトリアセチルセルロースが好ましい。この場合、鹸化処理の程度(鹸化度)で固相表面の水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。核酸の分離効率を挙げるためには、水酸基の量(密度)が多い方が好ましい。例えば、トリアセチルセルロースなどのアセチルセルロースの場合には、鹸化率が約5%以上であることが好ましく、10%以上であることが更に好ましい。また、表面積を大きくするために、アセチルセルロースの多孔性膜を鹸化処理する。この鹸化処理の程度(鹸化度)と多孔性膜の孔径との組合せによりにより空間的な水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。この場合、多孔性膜は、表裏対称性の多孔膜であってもよいが、表裏非対称性の多孔性膜を好ましく使用することができる。
水酸基を有する有機材料の多孔性膜としては、他に、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物などで形成された多孔性膜を挙げることができるが、多糖構造を有する有機材料の多孔性膜を好ましく使用することができる。特に、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物から成る有機高分子の多孔性膜を好ましく使用することができ、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合物、トリアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物、ジアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物を好ましく使用することができる。
また、フィルター部材11bとしては、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理した有機材料からなる多孔性膜を挙げることができ、例えば、前述の各アセチルセルロースの混合物の鹸化物を好ましく使用することができる。鹸化処理は、アセチルセルロースを鹸化処理液(例えば水酸化ナトリウム)に接触させるもので、鹸化処理液に接触したアセチルセルロースの部分に、再生セルロースとなり水酸基が導入される。核酸の分離効率を上げるためには、導入される水酸基の数が多い方が好ましい。例えば、鹸化率が約5%以上、さらには約10%以上であることが好ましい。鹸化率を変えるには、水酸化ナトリウムの濃度を変えて鹸化処理を行えば良い。
また、フィルター部材11bとしては、再生セルロースの多孔性膜を好ましく使用することができる。再生セルロースとは、アセチルセルロースの固体の表面または全体を、鹸化処理によりセルロース化したもので、本来のセルロースとは、結晶状態等の点で異なっている。
さらに他のフィルター部材11bとしては、親水基を有する無機材料である多孔性膜としてシリカ化合物を含有する多孔性膜、例えばガラスフィルターを挙げることができる。また、特許公報第3058342号に記載されているような、多孔質のシリカ薄膜を挙げることができる。この多孔質のシリカ薄膜とは、二分子膜形成能を有するカチオン型の両親媒性物質の展開液を基板上に展開した後、基板上の液膜から溶媒を除去することによって両親媒性物質の多層二分子膜薄膜を調整し、シリカ化合物を含有する溶液に接触させ、次いで前記多層二分子膜薄膜を抽出除去することで作製することができる。
フィルター部材11bとしては、厚さが10〜500μm、好ましくは、50〜250μmである多孔性膜を用いることができる。また、最小孔径が0.22μm以上、さらに好ましくは、0.5μm以上である多孔性膜を用いることができる。また、最大孔径と最小孔径の比が2以上、さらに好ましくは、5以上である多孔性膜を用いることができる。また、空隙率が50〜95%、さらに好ましくは、65〜80%である多孔性膜を用いることができる。
また、使用するフィルター部材11bは、1枚であってもよいが、複数枚を使用することもできる。複数枚のフィルター部材11bは、同一のものであっても、異なるものであって良い。無機材料のフィルター部材11bと有機材料のフィルター部材11bとの組合せであっても良い。例えば、ガラスフイルターと再生セルロースの多孔性膜との組合せを挙げることができる。また、複数枚のフィルター部材11bは、無機材料のフィルター部材11bと有機材料の核酸非吸着性多孔性膜との組合せであってもよい、例えば、ガラスフイルターと、ナイロンまたはポリスルホンの多孔性膜との組合せを挙げることができる。
前記「核酸を含む試料液S」は、細胞またはウィルスを含む検体を溶解処理することにより核酸を液中に分散させた溶液に水溶性有機溶媒を添加したものである。例えば診断分野においては、検体として採取された全血、血漿、血清、尿、便、精液、唾液等の体液、あるいは植物(またはその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物およびホモジネートなどの生物材料から調製された溶液が対象となる。「溶解処理」は、細胞膜および核膜を溶解して核酸を可溶化する試薬(例えば、カオトロピック塩またはグアニジン塩、界面活性剤およびタンパク質分解酵素を含む溶液)を含む水溶液で処理するもので、例えば、対象となる試料が全血の場合、フィルター部材11bへの非特異吸着および目詰まりを防ぐために赤血球および各種タンパク質を分解、低分子化し、抽出の対象である核酸を可溶化させるために白血球および核膜の溶解を行う。「水溶性有機溶媒」としてはエタノール、イソプロパノールまたはプロパノールなどが挙げられ、中でもエタノールが好ましい。水溶性有機溶媒の濃度は好ましくは5〜90重量%であり、さらに好ましくは20〜60重量%である。エタノールの添加濃度は、凝集物を生じない程度でできるだけ高くすることが特に好ましい。
「洗浄液W」は、核酸と一緒にフィルター部材11bに付着した試料液中の不純物を洗い流す機能を有し、核酸の吸着はそのままで不純物を離脱させる組成を有する。主剤と緩衝剤、および必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。主剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−イソプロパノール、ブタノール、アセトン等の約10〜100重量%(好ましくは20〜100重量%、さらに好ましくは40〜80重量%)の水溶液が挙げられる。
「回収液R」は、塩濃度が低いことが好ましく、特には0.5M以下の塩濃度の溶液、例えば、精製蒸留水、TEバッファ等が使用される。回収液RのpHは、pH2〜11、さらには、pH5〜9であることが好ましい。
前記核酸抽出装置1は、図1および図2に示すように、装置本体2に、複数の抽出カートリッジ11、廃液容器12および回収容器13を保持する搭載機構3と、抽出カートリッジ11に加圧エアを導入する加圧エア供給機構4と、抽出カートリッジ11に洗浄液Wおよび回収液Rを分注する分注機構5などを備えてなる。次に各機構3〜5を具体的に説明する。
<搭載機構>
搭載機構3は、装置本体2の前方下部に搭載台21を備え、この搭載台21上に複数の抽出カートリッジ11、廃液容器12および回収容器13を保持したラック6が載置される。ラック6は、図3にも示すように、スタンド61とカートリッジホルダー62と容器ホルダー63とを備える。
スタンド61は両側の柱状部61aに上下移動可能にカートリッジホルダー62を保持し、柱状部61aの間の下部の底板61b上に前後移動可能に容器ホルダー63を保持している。
カートリッジホルダー62は、前後のプレート材の接合による2分割構造に構成され、横方向に延びる保持部62aの両端に上下方向に延びる支持脚62bを備える。その支持脚62bがスタンド61の柱状部61aの上下方向の摺動溝61cに上下移動可能に挿入され、この支持脚62bがスタンド61に内蔵された付勢部材(不図示)によって上方に付勢されている。保持部62aには複数の保持孔62cが並設され、上方より抽出カートリッジ11が挿入され、抽出カートリッジ11の筒状本体11aの側部両側に形成された突起11d(図6参照)の下端がカートリッジホルダー62内の係合部材(不図示)に係合保持される。係合部材は移動可能で、移動時には突起11dとの係合を解除して抽出カートリッジ11を全部同時に下方に落下廃棄するようになっている。
このカートリッジホルダー62は上面の両側にピン孔62dを備え、使用状態では後述の位置決め手段としての押えピン49(図1参照)の先端49aが係合して下方に押し下げられる。図3のようにカートリッジホルダー62が上昇した位置では、カートリッジホルダー62に保持された抽出カートリッジ11の排出部11cの下端は容器ホルダー63にセットされた廃液容器12および回収容器13より上方に位置しているが、図4に示すように、カートリッジホルダー62が下降した際には抽出カートリッジ11の排出部11cが廃液容器12または回収容器13の内部に所定量挿入されるように設定されている。
容器ホルダー63は、横方向に延びる廃液容器保持孔63aと回収容器保持孔63bとを平行2列に備え、後側の廃液容器保持孔63aに複数の廃液容器12が、前側の回収容器保持孔63bに複数の回収容器13がそれぞれ列状に保持される。廃液容器保持孔63aおよび回収容器保持孔63bはカートリッジホルダー62の保持孔62cと等ピッチで等位置に配設され、保持された各抽出カートリッジ11の下方にそれぞれ廃液容器12および回収容器13が位置するように設定されている。この廃液容器12と回収容器13とは混同防止のためにサイズ、形状等が異なったものを使用するのが好ましい。
上記容器ホルダー63はスタンド61に内蔵された不図示の付勢部材によって前方に付勢されている。容器ホルダー63の容器交換移動(前後動)は、搭載台21に設置された作動部材31(図2参照)が、スタンド61の底板61bに形成された開口を通して、容器ホルダー63の底部の係合孔(不図示)に係合されて行われる。容器交換モータ32(DCモータ)の駆動に応じた作動部材31の移動動作に応じて容器ホルダー63が後退移動され、カートリッジホルダー62の下方に回収容器13が位置するように作動する。非作動時には廃液容器12がカートリッジホルダー62の下方に位置するように不図示の付勢部材で付勢されている。上記容器交換モータ32の作動は位置センサ33a,33bの検出に応じて制御される。
<加圧エア供給機構>
加圧エア供給機構4は、図1および図2に示すように、前記搭載機構3のラック6に対して昇降移動する加圧ヘッド40と、該加圧ヘッド40に1列に並んで設置された複数(図の場合8個)のエアノズル41と、加圧エアを発生するエアポンプ43と、リリーフバルブ44と、各エアノズル41に設置され個別に開閉する開閉バルブ45と、各エアノズル41に設置された圧力センサ46を備え、順次抽出カートリッジ11に加圧エアを送給する。
前記加圧ヘッド40は、装置本体2の中間フレーム22と上フレーム23との間に上下方向に設置されたガイドロッド24に上下移動可能に保持されている。同様に上下方向に設置されたボールネジ25に加圧ヘッド40に設置されたボールナット40aが螺合し、昇降モータ47(パルスモータ)の駆動に伴うタイミングベルト、プーリを介したボールネジ25の回転により加圧ヘッド40が、フォトセンサ48a〜48cの検出に伴う制御により昇降移動される。加圧ヘッド40の両側には押えピン49を有し、この押えピン49はスプリング49bで下方に付勢されて上下移動可能で、先端49aがカートリッジホルダー62の上面のピン孔62dに係合して位置を規制して押えるようになっている。
上記押えピン49は、カートリッジホルダー62を押圧作動している状態で、後述の洗浄液分注ノズル51wおよび回収液分注ノズル51rの横方向移動と干渉しないように、カートリッジホルダー62の前側位置を押えるように配設されている。
エアノズル41は加圧ヘッド40にそれぞれ上下移動可能にかつ下方に付勢されて設置され、その下方にはエアノズル41に対応した連通孔42a(図2参照)が開口されたシート状のシール材42が配設され、加圧ヘッド40が下降移動した際に、カートリッジホルダー62にセットされた抽出カートリッジ11の上端開口を、エアノズル41先端でシール材42を介して押圧して密閉し、連通孔42aを通して抽出カートリッジ11内へ加圧エアが送給可能となる。
リリーフバルブ44はエアポンプ43と開閉バルブ45との間の通路のエアを排出する際に大気開放作動される。開閉バルブ45は選択的に開作動されて、エアポンプ43からの加圧エアを対応するエアノズル41を経て抽出カートリッジ11内に導入するようにエア回路が構成されている。圧力センサ46は各エアノズル41に設置され、抽出カートリッジ11の内圧を個別に検出するものであり、検出圧力が所定値(例えば100kPa)となったときに対応する開閉バルブ45を閉作動して加圧エアの送給を停止したり、また、圧力が所定値以下に低下したことの検出により液排出終了を判定する制御などが行われる。
<分注機構>
分注機構5は、ラック6上を横方向に移動可能なノズル移動台50に設置された洗浄液分注ノズル51wおよび回収液分注ノズル51rと、洗浄液ボトル56wに収容された洗浄液Wを洗浄液分注ノズル51wに給送する洗浄液供給ポンプ52wと、回収液ボトル56rに収容された回収液Rを回収液分注ノズル51rに給送する回収液供給ポンプ52rと、搭載台21に載置された廃液ボトル57などを備える。
ノズル移動台50は、装置本体2の縦壁26に水平方向に設置されたガイドレール27に保持されて横方向に移動可能であり、その移動が不図示のノズル移動モータ(パルスモータ)によって各抽出カートリッジ11上で順次停止し、復帰状態では廃液ボトル57上に停止するように駆動制御される。洗浄液分注ノズル51wおよび回収液分注ノズル51rは先端が下方に向けて屈曲され、洗浄液分注ノズル51wは切替弁55wを介して洗浄液供給ポンプ52wに接続され、洗浄液供給ポンプ52wは切替弁55wを介して洗浄液ボトル56wに接続され、回収液分注ノズル51rは切替弁55rを介して回収液供給ポンプ52rに接続され、回収液供給ポンプ52rは切替弁55rを介して回収液ボトル56rに接続されている。洗浄液ボトル56wおよび回収液ボトル56rはそれぞれ装置本体2の側部に装着される。洗浄液供給ポンプ52wおよび回収液供給ポンプ52rはシリンジポンプで構成され、そのピストン部材がそれぞれポンプモータ53w,53r(パルスモータ)によってセンサ54w,54rの位置検出に基づいて所定量の洗浄液Wおよび回収液Rを分注するように駆動制御される。
すなわち、洗浄液Wまたは回収液Rを分注する場合には、切替弁55wまたは55rを洗浄液ボトル56wまたは回収液ボトル56r側に切り替え、ポンプモータ53wまたは53rを駆動して洗浄液供給ポンプ52wまたは回収液供給ポンプ52rのピストン部材を後退作動させ、洗浄液Wまたは回収液Rを洗浄液供給ポンプ52wまたは回収液供給ポンプ52rの内部に吸引収容し、続いて切替弁55wまたは55rを洗浄液分注ノズル51wまたは回収液分注ノズル51r側へ切り替え、ポンプモータ53wまたは53rを駆動して洗浄液供給ポンプ52wまたは回収液供給ポンプ52rのピストン部材を押込作動させ、廃液ボトル57に対して通路内のエアを排出するまで洗浄液または回収液を洗浄液分注ノズル51wまたは回収液分注ノズル51rより吐出させた後、洗浄液供給ポンプ52wまたは回収液供給ポンプ52rの駆動を停止させる。その後、洗浄液分注ノズル51wまたは回収液分注ノズル51rを抽出カートリッジ11上に移動させてから、洗浄液供給ポンプ52wまたは回収液供給ポンプ52rの駆動量を制御して所定量の洗浄液Wまたは回収液Rを抽出カートリッジ11へ分注するものである。
前記洗浄液ボトル56wおよび回収液ボトル56rは、容器本体56wb,56rbとキャップ56wu,56ruよりなり、両キャップ56wu,56ruにはそれぞれ細パイプ状の吸引チューブ58w,58rが設置され、該吸引チューブ58w,58rの下端が容器本体56wb,56rbの底部近傍に開口して、洗浄液供給ポンプ52wまたは回収液供給ポンプ52rの作動に応じて洗浄液W、回収液Rを吸い上げるようになっている。また、キャップ56wu,56ruには吸引に応じて空気を容器本体56wb,56rb内に導入する不図示のパイプ(開口でもよい)が設けられる。なお、洗浄液ボトル56wの容器本体56wbは、回収液ボトル56rの容器本体56rbより液の消費量が多いことから全高が大きく形成され、それに応じて吸引チューブ58wも長く形成され、キャップ56wu,56ruに対する口部のねじは同径である。
両ボトル56w,56rの装置本体2への装着は、吸引チューブ58w,58rが固着された各キャップ56wu,56ruが止め具28,28によってそれぞれ装置本体2の中間フレーム22に取り付けられ、このキャップ56wu,56ruに対して容器本体56wb,56rbを下方より、口部に吸引チューブ58w,58rを挿入してねじ込んで装着するようになっている。これは、吸引チューブ58w,58rが設置されたキャップ56wu,56ruを容器本体56wb,56rbより外して洗浄液W、回収液Rを補給するようにした場合、外したキャップ56wu,56ruをテーブル等に置いたときに、チューブ58w,58rの先端に物質が付着して洗浄液W・回収液Rに混入するのを防止するためである。
そして、特に容器高さが大きい洗浄液ボトル56wでは、容器本体56wbを外した際における吸引チューブ58wの下端と、その下方の装置本体2を載置したテーブル面との間の距離Hは、容器本体56wbの高さhより大きくなるようにしている。つまり、止め具28によるキャップ56wuの設置高さを、容器本体56wbの高さhの約2倍以上にテーブル面より高い位置にする必要がある。これにより、吸引チューブ58wを備えた固定キャップ56wuに対し、容器本体56wbの交換、液の補充作業が容易に行える。回収液ボトル56rについても同様である。
次に、上記のような各機構3〜5は、装置本体2の上部に設置された操作パネル7の入力操作に対応し、連係された不図示の制御ユニットにより内蔵されたプログラムに基づいて駆動制御される。
上記核酸抽出装置1による抽出動作を具体的に説明する。まず搭載機構3のラック6におけるカートリッジホルダー62に抽出カートリッジ11をセットし、容器ホルダー63に廃液容器12および回収容器13をそれぞれセットし、このラック6を装置本体2の搭載台21に載置して準備を行う。次に、溶解処理された試料液Sをピペット等によって各抽出カートリッジ11に順次注入する。なお、装置1に搭載する前のラック6にセットした後またはセットする前の抽出カートリッジ11に試料液Sを先に注入するようにしてもよい。
その後、操作パネル7の操作によって装置を作動させると、加圧エア供給機構4の昇降モータ47の駆動によって加圧ヘッド40が下降移動し、押えピン49の先端49aがカートリッジホルダー62のピン孔62dに係合して押さえつけて、このカートリッジホルダー62を下降させて位置を規制すると共に、抽出カートリッジ11の下端排出部11cを図4のように廃液容器12内に所定量挿入させて、排出液が飛散等によって外部に漏れてコンタミネーションの原因とならないようにする。さらに加圧ヘッド40が下降移動してシール材42を介して各エアノズル41の下端部が抽出カートリッジ11の上端開口に圧接して密閉する。前記押えピン49がカートリッジホルダー62の位置を規制していることで、各抽出カートリッジ11に対し各エアノズル41が正確に圧接して確実な密閉が確保できる。
その後、加圧エアの供給が行われるもので、全部の開閉バルブ45が閉状態でエアポンプ43が駆動され、まず1番目の開閉バルブ45が開作動される。そして、1番目のエアノズル41を通して1番目の抽出カートリッジ11にエアポンプ43からの加圧エアが供給され、その圧力センサ46の検出によって所定圧力に上昇すると1番目の開閉バルブ45を閉作動するのに続いて、2番目の開閉バルブ45が開作動されて2番目のエアノズル41を通して2番目の抽出カートリッジ11に加圧エアが供給される。この動作を順に繰り返して全ての抽出カートリッジ11に圧力を加える。圧力が作用した試料液Sは、フィルター部材11bを通って核酸が吸着保持され、その他の液状成分は下端部の排出部11cより廃液容器12に排出される。試料液Sが全てフィルター部材11bを通過すると圧力が液排出完了圧力以下に低下し、各圧力センサ46によって全部の抽出カートリッジ11で抽出終了が検出されると、加圧ヘッド40が上昇作動される。
次に、洗浄処理に移行するが、上記加圧エア供給後の加圧ヘッド40の上昇は、エアノズル41が抽出カートリッジ11より離れ、ノズル移動台50の移動が許容できる高さまで上昇した位置で停止し、押えピン49がカートリッジホルダー62を押さえつけ、抽出カートリッジ11の下端が廃液容器12内に挿入されている図4の状態を保持して行う。そして、ノズル移動台50を移動させて洗浄液分注ノズル51wを1番目の抽出カートリッジ11上に停止させて洗浄液Wを所定量分注し、ノズル移動台50を次の抽出カートリッジ11に移動させて順次洗浄液Wを分注する。全部の抽出カートリッジ11への洗浄液Wの分注が終了すると、加圧ヘッド40が下降移動し、各エアノズル41の下端部がシール材42を介して抽出カートリッジ11の上端開口に圧接して密閉してから、前述と同様に開閉バルブ45が順次開作動されて各抽出カートリッジ11に加圧エアが供給される。圧力が作用した洗浄液Wは、フィルター部材11bを通って核酸以外の不純物の洗浄除去を行い、洗浄液Wは下端部の排出部11cより廃液容器12に排出される。全部の抽出カートリッジ11における洗浄液Wが全てフィルター部材11bを通過して排出されると、加圧ヘッド40が初期の位置まで上昇作動される。洗浄処理を複数回行う場合には上記動作を繰り返す。
次に、回収処理に移行する。まず洗浄処理後の前記加圧ヘッド40の上昇により、押えピン49が上昇してラック6のカートリッジホルダー62も上昇移動し、抽出カートリッジ11の下端排出部11cが廃液容器12より上方へ移動した後、搭載機構3の作動部材31を作動させて容器ホルダー63を後退移動させ、抽出カートリッジ11の下方に回収容器13を位置させる容器交換を行う。
続いて、加圧ヘッド40が下降移動し、押えピン49の先端がカートリッジホルダー62のピン孔62dに係合して押さえつけ、抽出カートリッジ11の下端が回収容器13内に挿入されている状態を保持する。そして、ノズル移動台50を移動させて回収液分注ノズル51rを1番目の抽出カートリッジ11上に停止させて回収液Rを所定量分注し、ノズル移動台50を次の抽出カートリッジ11に移動させて順次回収液Rの分注を行う。全部の抽出カートリッジ11への回収液Rの分注が終了すると、前述と同様にさらに加圧ヘッド40が下降し、各エアノズル41の下端部をシール材42を介して抽出カートリッジ11の上端開口に圧接させて密閉してから、開閉バルブ45が順次開作動されて各抽出カートリッジ11に加圧エアが供給される。圧力が作用した回収液Rは、フィルター部材11bを通ってそれに吸着されている核酸を離脱させて、回収液Rとともに核酸が下端部の排出部11cより回収容器13に排出される。全部の抽出カートリッジ11における回収液Rが全て回収容器13に排出されると、加圧ヘッド40が上昇作動され、一連の動作が終了する。
抽出動作が終了したラック6は搭載台21より下ろされ、抽出カートリッジ11および廃液容器12はカートリッジホルダー62および容器ホルダー63より取り出されて廃棄され、一方、回収容器13は容器ホルダー63より取り出され、必要に応じて蓋がされて、次の核酸分析処理等が施される。
なお、本実施形態では、抽出カートリッジ11を複数搭載しているが、これに限定されるものではなく、抽出カートリッジ11を1本としても適用が可能である。
本発明の一つの実施の形態における核酸抽出装置のカバーを除去した状態を示す斜視図 核酸抽出装置の概略機構図 搭載機構におけるラックの斜視図 ラックの使用状態を示す斜視図 抽出動作の工程図 抽出カートリッジの斜視図
符号の説明
1 核酸抽出装置
2 装置本体
3 搭載機構
4 加圧エア供給機構
5 分注機構
6 ラック
11 抽出カートリッジ
11b フィルター部材
12 廃液容器
13 回収容器
40 加圧ヘッド
41 エアノズル
43 エアポンプ
45 開閉バルブ
46 圧力センサ
49 押えピン(位置決め手段)
50 ノズル移動台
51w,51r 分注ノズル
52w,52r 供給ポンプ
56w,56r ボトル
61 スタンド
62 カートリッジホルダー
63 容器ホルダー
S 試料液
W 洗浄液
R 回収液

Claims (11)

  1. フィルター部材を備えた抽出カートリッジを用い、該抽出カートリッジに核酸を含む試料液を注入し加圧して該試料液中の核酸を前記フィルター部材に吸着させた後、前記抽出カートリッジに洗浄液を分注し加圧して不純物を除去した後、前記抽出カートリッジに回収液を分注し加圧してフィルター部材に吸着した核酸を分離して回収液とともに回収する抽出動作を自動的に行う核酸抽出装置であって、
    前記抽出カートリッジ、前記試料液および洗浄液の排出液を収容する廃液容器および前記核酸を含む回収液を収容する回収容器を保持する搭載機構と、前記抽出カートリッジに加圧エアを導入する加圧エア供給機構と、前記抽出カートリッジに洗浄液および回収液を分注する分注機構とを備えてなることを特徴とする核酸抽出装置。
  2. 前記搭載機構は、装置本体に搭載されるスタンドと、該スタンドに上下移動可能に支持され前記抽出カートリッジを保持するカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーの下方で前記抽出カートリッジに対する位置を交換可能に前記廃液容器および前記回収容器を保持する容器ホルダーとを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の核酸抽出装置。
  3. 前記加圧エア供給機構は、下端部より加圧エアを噴出するエアノズルと、該エアノズルを支持して前記カートリッジホルダーに保持された前記抽出カートリッジに対し前記エアノズルを昇降移動させる加圧ヘッドと、該加圧ヘッドに設置され前記搭載機構のラックにおける抽出カートリッジの位置決めをする位置決め手段とを備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の核酸抽出装置。
  4. 前記分注機構は、前記洗浄液を分注する洗浄液分注ノズルと、前記回収液を分注する回収液分注ノズルと、前記洗浄液分注ノズルおよび前記回収液分注ノズルを保持し前記搭載機構に保持された抽出カートリッジ上を順に移動可能なノズル移動台と、洗浄液を収容した洗浄液ボトルより洗浄液を吸引し前記洗浄液分注ノズルに供給する洗浄液供給ポンプと、回収液を収容した回収液ボトルより回収液を吸引し前記回収液分注ノズルに供給する回収液供給ポンプとを備えてなることを特徴とする請求項1,2または3に記載の核酸抽出装置。
  5. 前記フィルター部材が、イオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜であることを特徴とする請求項1に記載の核酸抽出装置。
  6. 前記フィルター部材が、水酸基を有する有機材料の多孔性膜であることを特徴とする請求項1または5に記載の核酸抽出装置。
  7. 前記フィルター部材が、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物から成る多孔性膜であることを特徴とする請求項1,5または6に記載の核酸抽出装置。
  8. 前記フィルター部材が、再生セルロースの多孔性膜であることを特徴とする請求項1,5または6に記載の核酸抽出装置。
  9. 前記フィルター部材が、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理した有機材料からなる多孔性膜であることを特徴とする請求項1または7に記載の核酸抽出装置。
  10. 前記フィルター部材が、シリカ化合物を含有する無機材料からなる多孔性膜であることを特徴とする請求項1に記載の核酸抽出装置。
  11. 前記フィルター部材が、ガラスフィルターであることを特徴とする請求項1または10に記載の核酸抽出装置。
JP2003357674A 2003-08-19 2003-10-17 核酸抽出装置 Expired - Fee Related JP3635645B1 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003357674A JP3635645B1 (ja) 2003-08-19 2003-10-17 核酸抽出装置
CNB2004100578304A CN100543126C (zh) 2003-08-19 2004-08-18 提取装置
US10/920,447 US7429356B2 (en) 2003-08-19 2004-08-18 Extracting apparatus
EP04019619A EP1508618B1 (en) 2003-08-19 2004-08-18 Extracting apparatus
US11/798,215 US20070209995A1 (en) 2003-08-19 2007-05-11 Extracting apparatus

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003295084 2003-08-19
JP2003357674A JP3635645B1 (ja) 2003-08-19 2003-10-17 核酸抽出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3635645B1 JP3635645B1 (ja) 2005-04-06
JP2005095113A true JP2005095113A (ja) 2005-04-14

Family

ID=34466940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003357674A Expired - Fee Related JP3635645B1 (ja) 2003-08-19 2003-10-17 核酸抽出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3635645B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1826574A2 (de) * 2005-12-16 2007-08-29 Gerstel Systemtechnik GmbH & Co. KG Verfahren zur Vorbereitung von Proben für ein Analysegerät und Probenvorbereitungsstation hierfür
WO2011004653A1 (ja) * 2009-07-09 2011-01-13 凸版印刷株式会社 核酸抽出用キット、核酸抽出方法及び核酸抽出装置
KR20160078628A (ko) * 2014-12-24 2016-07-05 나노바이오시스 주식회사 핵산 추출 장치 및 그 동작 방법

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102160442B1 (ko) * 2019-04-15 2020-09-28 (주)마이크로디지탈 반응웰 카트리지 장치 및 반응웰 카트리지 시스템
KR102403439B1 (ko) 2020-07-16 2022-06-02 주식회사 에이아이바이오틱스 올인원 rt-pcr 장치

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1826574A2 (de) * 2005-12-16 2007-08-29 Gerstel Systemtechnik GmbH & Co. KG Verfahren zur Vorbereitung von Proben für ein Analysegerät und Probenvorbereitungsstation hierfür
EP1826574A3 (de) * 2005-12-16 2014-02-26 Gerstel Systemtechnik GmbH & Co. KG Verfahren zur Vorbereitung von Proben für ein Analysegerät und Probenvorbereitungsstation hierfür
WO2011004653A1 (ja) * 2009-07-09 2011-01-13 凸版印刷株式会社 核酸抽出用キット、核酸抽出方法及び核酸抽出装置
JP4911264B2 (ja) * 2009-07-09 2012-04-04 凸版印刷株式会社 核酸抽出用キット、核酸抽出方法及び核酸抽出装置
US8404489B2 (en) 2009-07-09 2013-03-26 Toppan Printing Co., Ltd. Nucleic acid extraction kit, nucleic acid extraction method, and nucleic acid extraction apparatus
US8633032B2 (en) 2009-07-09 2014-01-21 Toppan Printing Co., Ltd. Nucleic acid extraction kit, nucleic acid extraction method, and nucleic acid extraction apparatus
KR20160078628A (ko) * 2014-12-24 2016-07-05 나노바이오시스 주식회사 핵산 추출 장치 및 그 동작 방법
KR101700624B1 (ko) 2014-12-24 2017-02-14 나노바이오시스 주식회사 핵산 추출 장치 및 그 동작 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3635645B1 (ja) 2005-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7811758B2 (en) Method and apparatus of automatically isolating and purifying nucleic acid
US20070209995A1 (en) Extracting apparatus
EP1563886A1 (en) Extraction system
JP4478588B2 (ja) 特定物質回収装置及びこれを用いた核酸抽出装置
US20200377845A1 (en) Nucleic acid separating apparatus
EP1508792B1 (en) Extracting apparatus
JP2005204578A (ja) 抽出装置
JP3635645B1 (ja) 核酸抽出装置
US20050042146A1 (en) Rack for extracting apparatuses
JP2005058149A (ja) 核酸抽出装置
JP2005062084A (ja) 核酸抽出装置用ラック
JP2005278437A (ja) 自動核酸分離精製装置及び方法
JP4469655B2 (ja) 核酸抽出装置
JP2005095158A (ja) 抽出装置
JP2007252338A (ja) 抽出カートリッジの加圧装置
JP2007252337A (ja) 抽出カートリッジの加圧装置
JP2007252336A (ja) 抽出カートリッジの加圧装置
JP4522800B2 (ja) 抽出装置
JP2005095159A (ja) 抽出装置
JP2005204579A (ja) 抽出装置
JP2005110670A (ja) 抽出装置
JP2005278436A (ja) 自動核酸分離精製装置
JP2006204227A (ja) 核酸抽出装置
JP2005095157A (ja) 抽出装置
JP2005110668A (ja) 抽出装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3635645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080114

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110114

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110114

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120114

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120114

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130114

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130114

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130114

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees