JP2005093237A - 電解質およびそれを用いた電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容量および充放電サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電解質およびそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】 正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された電極体20を備える。負極22は、Liと化合可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。セパレータ23には溶媒に電解質塩が溶解された電解液が含浸されている。電解液には、活性酸素を有するオキシラジカル化合物が添加されている。充放電時に溶媒分子が分解しても、その分解により生成したラジカル種を、オキシラジカル化合物が瞬時に捕捉し、ラジカルによる他の溶媒分子の連鎖的な分解反応が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正極および負極と共に電解質を備えた電池、およびそれに用いる電解質に関する。
近年、携帯電話機,カメラ一体型VTR(video tape recorder )あるいはラップトップコンピュータなどのポータブル電子機器が多く登場し、それらのポータブル電子機器に対し性能の向上が求められている。それに伴い、ポータブル電子機器の電源として、充放電が可能な二次電池についてエネルギー密度の向上および小型軽量化が求められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、鉛電池あるいはニッケルカドミウム電池などよりも高エネルギーを有し、長時間使用可能であるという点で優れている。
リチウムイオン二次電池には、従来より負極活物質に例えば難黒鉛化性炭素や黒鉛等といった炭素質材料が用いられている。良好な充放電サイクル特性を得ることができるからである。このような負極活物質については、例えば特許文献1に記載されているように、出発原料および製造条件を制御することで更なる高容量化が可能であることが報告されている。
しかし、この負極活物質を用いた負極の放電電位はリチウムに対して0.8V〜1.0Vと高いことから、この負極活物質をリチウムイオン二次電池に使用すると、更なる高容量化が困難となる。また、充放電曲線の形状のヒステリシスが大きく、充放電サイクル特性が劣化するという問題もあった。
このような問題を解決する負極活物質としてはリチウム合金がある。リチウム合金は、電気化学的な生成および分解の可逆反応を応用することで充放電を行うことができるものである。リチウム合金としては、例えばLi−Al合金やLi−Si合金等が知られており、例えば、特許文献2においては、負極活物質としてケイ素(Si)との合金を用いることが提案されている。
特開平8−315825号公報 米国特許第4950566号明細書
しかしながら、リチウムイオン二次電池では、Li−Al合金やLi−Si合金等を負極活物質に用いて充放電を繰り返した場合、十分な容量および良好な充放電サイクル特性を得ることが難しいという問題があった。その原因の1つとしては、負極と電解液とが過剰に反応して、電解液が分解してしまうことが挙げられる。また、その分解された電解液が負極表面に皮膜となって形成され、リチウムイオンの吸蔵および放出が阻害されることも挙げられる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、容量および充放電サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電解質およびそれを用いた電池を提供することにある。
本発明による電解質は、活性酸素を有する化合物を含むものである。
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、電解質は、活性酸素を有する化合物を含むものである。
本発明による電解質および電池では、上記化合物が含まれていることから、充放電時に溶媒分子が分解しても、その分解により生成したラジカル種を、上記化合物が瞬時に捕捉し、ラジカルによる他の溶媒分子の連鎖的な分解反応が抑制される。
本発明の電解質および電池によれば、電解質が上記化合物を含むようにしたので、充放電時に溶媒分子が分解しても、その分解により生成したラジカル種を、上記化合物が瞬時に捕捉し、ラジカルによる他の溶媒分子の連鎖的な分解反応が抑制される。よって、充放電における可逆性が向上し、電池特性を向上させることができる。とりわけ、負極にリチウムと化合可能な金属元素または半金属元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むようにした場合、充放電を繰り返すと電池特性が劣化しやすいので、より高い効果を発揮することができる。
また、特に、電解質における上記化合物の含有量を、0.005mol/dm3 以上2.0mol/dm3 以下の範囲内とするようにすれば、電池特性をより向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して巻回された電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、液状の電解質である電解液が注入されセパレータ23に含浸されている。また、電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
電極体20の中心には、例えば、センターピン24が挿入されている。また、電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は、図1に示した電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aと、正極集電体21Aの両面あるいは片面に設けられた正極合剤層21Bとを有している。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極合剤層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどの結着剤および人工黒鉛やカーボンブラックなどの導電剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しない金属硫化物あるいは金属酸化物など、またはリチウムを含有するリチウム複合酸化物が挙げられる。
中でも、リチウム複合酸化物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム複合酸化物としては、例えば、化学式Li(1+x) MIy MII(1-x-y) 2 で表されるものが挙げられる。式中、MIは、コバルトおよびニッケルのうちの少なくとも一方を表し、MIIは、マンガン(Mn),マグネシウム(Mg),アルミニウム,チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),鉄(Fe),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。xの値は、−0.1≦x≦0.1であり、yの値は、y=0または0.005≦y≦0.5である。リチウム複合酸化物の具体例としては、六方晶構造を有するリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )やリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2 )、あるいはスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aと、負極集電体22Aの両面あるいは片面に設けられた負極合剤層22Bとを有している。負極集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。負極合剤層22Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、リチウムと化合可能な金属元素または半金属元素の単体,合金および化合物が好ましい。電池の容量を高めることができるからである。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
リチウムと化合可能な金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、亜鉛(Zn),カドミウム(Cd),鉛(Pb),スズ(Sn),ビスマス(Bi),インジウム(In),アンチモン(Sb),ゲルマニウム(Ge),ホウ素(B),ケイ素(Si)あるいはヒ素(As)が挙げられる。これらの化合物としては、例えば化学式Mas Mbt で表されるものが挙げられる。この化学式において、Maはリチウムと化合可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはMa以外の元素のうちの少なくとも1種を表す。sおよびtの値はそれぞれs>0、t≧0である。
中でも長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素の単体または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはこれらの化合物である。より高い容量を得ることができるからである。なお、これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
このような化合物について具体的に例を挙げれば、SiB4 .SiB6 ,Mg2 Si,Mg2 Sn,Ni2 Si,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2 ,NiSi2 ,CaSi2 ,CrSi2 ,Cu5 Si,FeSi2 ,MnSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,VSi2 ,WSi2 あるいはZnSi2 などのMcMdu (Mcはケイ素またはスズを表し、Mdは1種以上の金属元素を表し、u≧0である)で表される合金あるいは化合物、またはSiC,Si3 4 ,Si2 2 O,Ge2 2 O,SiOv (0<v≦2),SnOw (0<w≦2),LiSiOあるいはLiSnOなどがある。
なお、他の化合物としては、例えば、LiAl合金,LiAlMe合金(Meは長周期型周期表における2〜11族の元素および14族の元素からなる群のうちの少なくとも1種を表す),AlSb合金あるいはCuMgSb合金が挙げられる。
なお、このような負極活物質の作製方法は限定されないが、例えば、出発原料を混合した混合物をアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中あるいは還元性ガス雰囲気中で加熱処理し、加熱処理した混合物を粉砕することによって作製することができる。また、出発原料に機械的な力を加えるメカニカルアロイング法によって作製することもできる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、炭素質材料が挙げられる。この炭素質材料は、充放電サイクル特性に優れており、上記リチウムと化合可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金および化合物のいずれか1種または2種以上と共に用いるようにすれば、高容量を得ることができると共に、充放電サイクル特性を向上させることができるので好ましい。また、導電剤としても機能するので好ましい。炭素質材料の具体例としては、難黒鉛化炭素,易黒鉛化性炭素,黒鉛,熱分解性炭素類,コークス類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物,焼成体,炭素繊維あるいは活性炭などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものであり、一部には難黒鉛化炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離して、両極の接触による内部短絡を防止すると共に、イオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、平均粒径が5μm以下程度の微小な孔を多数有する微多孔性膜を単層であるいは積層して構成されている。このような微多孔成膜の構成材料としては、例えば、オレフィン系ポリマー,プロピレン系ポリマー,セルロース系ポリマー,ポリイミドあるいはナイロンがあり、他にもガラス繊維あるいはアルミナ繊維などを用いることが可能である。中でも、ポリプロピレンやポリオレフィンは、短絡防止効果に優れ、シャットダウン効果により電池の安全性を向上させることができるので好ましい。
セパレータ23に含浸された電解液は、非水溶媒などの溶媒と、溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。非水溶媒としては、例えば、環状炭酸エステルあるいは鎖状炭酸エステルの1種または2種以上を混合したものが好ましい。電解液は、高い導電率および広い電位窓を持ち、電気化学的、科学的、熱的な安定性を持つことが要求されるが、環状炭酸エステルは誘電率が高く、アニオンとカチオンとを十分に解離させることができ、鎖状炭酸エステルは粘度が低く、解離したイオンを速い速度で移動させることができるので、高い導電率を得ることができるからである。特に、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとを混合して用いるようにすればより好ましい。環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネートあるいはプロピレンカーボネートなどが挙げられ、鎖状炭酸エステルとしては、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネートあるいはメチルエチルカーボネートなどが挙げられる。
また、非水溶媒には、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルの他に、例えば1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラビドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどのいずれか1種または2種以上を含んでいてもよい。
電解質塩としては、例えば、リチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2 2 ,LiClO4 ,LiAsF6 ,LiBF4 ,LiB(C6 5 4 .CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,LiClあるいはLiBrなどが挙げられる。中でも、LiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 あるいはLiN(C2 5 SO2 2 のいずれか1種または2種以上を用いることが好ましい。LiPF6 は酸化安定性に優れており、充放電を繰り返しても分解することが少ないことから、リチウムイオンを円滑に移動させ、容量を高めることができ、LiN(CF3 SO2 2 およびLiN(C2 5 SO2 2 は、LiPF6 よりアニオンの大きさが大きいため、同体積中に含まれる非水溶媒の占める体積が小さくなり、負極表面での電解液の分解およびそれに基づく被膜の形成が抑制されると考えられるからである。
電解液における電解質塩の割合(濃度)は、0.5mol/dm3 以上1.0mol/dm3 以下の範囲内であることが好ましい。電解質塩が少ないと電気伝導度が小さくなり、逆に、電解質塩が多いと電解液の粘性が高くなり、正極21と負極22との間においてイオンが移動しにくくなるからである。つまり、この範囲内とすることにより、イオンの吸蔵・放出量が良好となり、電池特性の低下が抑制される。
この電解液は、また、添加剤として、活性酸素を有する化合物(以下、オキシラジカル化合物という)のいずれか1種または2種以上を含んでいる。オキシラジカル化合物は、充放電時における溶媒分子の分解により生成したラジカル種を瞬時に捕捉することにより、ラジカルによる他の溶媒分子の連鎖的な分解反応を抑制する機能を有していると考えられる。つまり、この二次電池では、充放電の繰り返しにより分解された溶媒が負極22の表面で被膜となることが抑制されると共に、電解液の劣化も抑制されるので、リチウムイオンの吸蔵および放出反応が効率的に行われ、電池容量および充放電サイクル特性などの電池特性を改善することができるようになっている。なお、オキシラジカル化合物は溶媒として機能することもあるが、本明細書では上述した機能に注目し、添加剤として説明している。もちろん、添加されたオキシラジカル化合物の少なくとも一部が上述したような反応に寄与すればよく、反応に寄与しないオキシラジカル化合物は溶媒として機能してもよい。
オキシラジカル化合物としては、例えば、化1,化2,化3,化4,化5あるいは化6に示した化合物、または、これらの誘導体が挙げられる。
Figure 2005093237
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電解液におけるオキシラジカル化合物の割合は0.005mol/dm3 以上2.0mol/dm3 以下の範囲内であることが好ましい。オキシラジカル化合物が少なすぎると上述の効果が十分に発揮されない場合があり、一方、多すぎると電解液の粘度が高くなり、リチウムイオンの移動が阻害され、電池特性が低下してしまう場合があるからである。すなわち、この範囲内とすることにより、負極22の表面に被膜が形成されることが十分に防止され、十分な電気伝導度が得られることから、リチウムイオンの吸蔵および放出反応をより効率的に行うことができ、電池特性を十分に改善することができる。
なお、電解液に代えて、ゲル状電解質を用いてもよい。ゲル状電解質は、例えば、高分子化合物に電解液を保持させたものである。電解液(すなわち、溶媒および電解質塩等)については、上述のとおりである。高分子化合物としては、例えば、電解液を吸収してゲル化するものであればよく、そのような高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。このゲル状電解質における電解質塩の割合は、電解液と同様に、0.5mol/dm3 以上1.0mol/dm3 以下の範囲内であることが好ましく、オキシラジカル化合物の割合も、電解液と同様に、0.005mol/dm3 以上2.0mol/dm3 以下の範囲内であることが好ましい。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極合剤層21Bからリチウムイオンが放出され、電解質を介して負極合剤層22Bに吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極合剤層22Bからリチウムイオンが放出され、電解質を介して正極合剤層21Bに吸蔵される。この充放電に伴い、溶媒分子が分解する場合があるが、オキシラジカル化合物が、その分解により生成したラジカル種を瞬時に捕捉するので、ラジカルによる他の溶媒分子の連鎖的な分解反応が抑制される。よって、充放電の繰り返しにより分解された溶媒が負極22の表面で被膜となることが抑制され、リチウムイオンの吸蔵および放出反応が効率的に行われる。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極活物質と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの混合溶媒に分散させて正極合剤スラリーとする。次いで、正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させたのち圧縮成型して正極合剤層21Bを形成し、正極21を作製する。そののち、正極集電体21Aに超音波溶接あるいはスポット溶接などにより正極リード25を接合する。
また、例えば、負極活物質と結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの混合溶媒に分散させて負極合剤スラリーとする。次いで、負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し乾燥させたのち圧縮成型して負極合剤層22Bを形成し、負極22を作製する。そののち、負極集電体22Aに超音波溶接あるいはスポット溶接などにより負極リード26を接合する。
次いで、正極21と負極22とをセパレータ23を介して多数回巻回し、電極体20を作製したのち、この電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、電池缶11の内部に収納する。続いて、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接する。
また、溶媒に電解質塩を溶解させ、更にこれに添加剤としてオキシラジカル化合物を溶解させ、電解液を調製する。そののち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、本実施の形態の二次電池が完成する。
このように本実施の形態では、電解質がオキシラジカル化合物を含むようにしたので、充放電時に溶媒分子が分解しても、その分解により生成したラジカル種をオキシラジカル化合物が瞬時に捕捉し、ラジカルによる他の溶媒分子の連鎖的な分解反応が抑制される。また、これにより、溶媒が負極22の表面で被膜となることが抑制されると共に、電解液の劣化が抑制される。その結果、リチウムイオンの吸蔵および放出反応が効率的に行われ、電池特性を向上させることができる。とりわけ、負極22にリチウムと化合可能な金属元素または半金属元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種は電解質との反応性が高く、充放電を繰り返すと劣化し、電池特性を劣化させやすいので、これらを含むようにした場合により高い効果を発揮することができる。
また、特に、電解質における上記化合物の含有量を、0.005mol/dm3 以上2.0mol/dm3 以下の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−6)
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5mol:1molの比率でミキサーを用いて十分に混合したのち、電気炉にて900℃の空気中において5時間焼成し、焼成後に粉砕することにより粉末状のリチウムコバルト複合酸化物を合成した。このリチウムコバルト複合酸化物についてX線回析測定を行ったところ、LiCoO2 であることが確認された。
次いで、合成したリチウムコバルト複合酸化物を正極活物質として用い、リチウムコバルト複合酸化物91重量部と、導電剤であるグラファイト6重量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3重量部とを、混合溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンを用いてプラネタリーミキサーにより混練および分散し、正極合剤塗液を作製した。続いて、塗工装置としてダイコータを用いて、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に正極合剤塗液を均一に塗布し乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成形して正極合剤層21Bを形成した。そののち、長さ54mm間隔で裁断し、正極21を作製した。次いで、正極集電体21Aに幅方向の一端部から突出するようにアルミニウム片よりなる正極リード25を接合した。
また、原料としてコバルト粉末とスズ粉末とを用意し、コバルト粉末28g とスズ粉末72g とを混合して、この混合物を石英ボードに入れ、アルゴンガス雰囲気中において1500℃で加熱し、室温まで冷却した。これにより得られた混合物をアルゴンガス雰囲気中においてボールミルにて粉砕したのち分級し、コバルト−スズ(Co−Sn)合金粉末を合成した。このコバルト−スズ合金粉末について、走査型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径が10μmであることが確認された。
次いで、合成したコバルト−スズ合金粉末を負極活物質として用い、コバルト−スズ合金粉末45重量部と、負極活物質および導電剤である鱗片状黒鉛(ティミカル製KS−44)45重量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10重量部とを、混合溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンを用いて、プラネタリーミキサーにより混練および分散し、負極合剤塗液を作製した。続いて、塗工装置としてダイコータを用いて、厚み10μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に負極合剤塗液を均一に塗布し乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成形して負極合剤層22Bを形成した。そののち、長さ56mm間隔で裁断し、負極22を作製した。次いで、負極集電体22Aに幅方向の一端部から突出するようにニッケル片よりなる負極リード26を接合した。
そののち、正極21と負極22との間に厚み25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ23を介在させて、これらを複数積層させた積層体を多数巻回して電極体20を作製した。このとき、電極体20の一方端面から正極リード25が、他方端面から負極リード26が導出するようにした。次いで、正極リード26を電池蓋14に、負極リード26を鉄にニッケルめっきを施した電池缶11にそれぞれ溶接すると共に、電極体20を電池缶11の内部に収納した。
また、エチレンカーボネート20体積%とジエチルカーボネート80体積%とを混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を溶解させ、更にこれに添加剤としてオキシラジカル化合物を溶解させ、電解液を調製した。その際、オキシラジカル化合物の種類を実施例1−1〜1−6で表1に示したように変化させた。すなわち、実施例1−1では化1に示した化合物を用い、実施例1−2では化2に示した化合物を用い、実施例1−3では化3に示した化合物を用い、実施例1−4では化4に示した化合物を用い、実施例1−5では化5に示した化合物を用い、実施例1−6では化6に示した化合物を用いた。電解液におけるLiPF6 の割合は、実施例1−1〜1−6のいずれについても1mol/dm3 とし、電解液におけるオキシラジカル化合物の割合は実施例1−1〜1−6のいずれについても0.5mol/dm3 とした。
Figure 2005093237
次いで、電解液を電池缶11の内部に注入し、アスファルトを塗布した絶縁性のガスケット17を介して、電池缶11の開口部に電池蓋14を圧入して電池缶11の開口部をかしめることにより電池蓋14を強固に固定した。以上のようにして、実施例1−1〜1−6の二次電池(直径18mm、高さ65mm、内径17.38mm、缶肉厚0.31mm)を作製した。
また、実施例1−1〜1−6に対する比較例1−1として、オキシラジカル化合物を用いないことを除き、他は実施例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例1−1〜1−6および比較例1−1の二次電池について、次のようにして初期容量および充放電サイクル特性としての容量維持率を評価した。まず、23℃の温度環境下において最大電圧4. 2V、充電電流1A、充電時間5時間の充電条件で定電圧定電流充電を行った後、放電電流2. 5A、終止電圧2. 5Vの放電条件で定電流放電を行い、初期容量を求めた。次いで、最大電圧4. 2V、充電電流2. 5A、充電時間2. 5時間の充電条件で定電圧定電流充電を行ったのち、放電電流2. 5A、終止電圧2. 5Vの放電条件で定電流放電を行い、同一の充放電条件で充放電を繰り返し、50サイクル目の放電容量を求め、初期容量と50サイクル目の放電容量とから(50サイクル目の放電容量/初期容量)×100として、容量維持率を求めた。得られた結果を表1に示す。
表1に示したように、オキシラジカル化合物を用いた実施例1−1〜1−6によれば、用いなかった比較例1−1に比べて、初期容量および容量維持率の両方について高い値が得られた。すなわち、電解液にオキシラジカル化合物を含むようにすれば、電池容量および充放電サイクル特性を向上させることができることが分かった。
(実施例2−1〜2−28)
オキシラジカル化合物の種類およびその電解液における割合を表2,表3,表4,表5,表6または表7に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1〜1−6と同様にして二次電池を作製した。実施例2−1〜2−28の二次電池についても、実施例1−1〜1−6と同様にして、初期容量および容量維持率を評価した。その結果を比較例1−1の結果と共に表2,表3,表4,表5,表6または表7に示す。
Figure 2005093237
Figure 2005093237
Figure 2005093237
Figure 2005093237
Figure 2005093237
Figure 2005093237
表2ないし表7に示したように、実施例2−1〜2−28によれば、実施例1−1〜1−6と同様に比較例1−1に比べて、高い容量維持率が得られた。また、容量維持率は、オキシラジカル化合物の割合が多いと高く、オキシラジカル化合物の割合が少ないと小さい傾向が見られた。すなわち、電解液におけるオキシラジカル化合物の割合は0.005mol/dm3 以上2.0mol/dm3 以下の範囲内とすれば好ましいことが分かった。
(実施例3−1〜3−13)
電解質塩の種類およびその電解液における割合を表8に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。実施例3−1〜3−13の二次電池についても、実施例1−1と同様にして、初期容量および容量維持率を評価した。その結果を比較例1−1の結果と共に表8に示す。
Figure 2005093237
表8に示しように、実施例3−1〜3−13によれば、実施例1−1と同様に、比較例1−1に比べて高い容量維持率が得られた。すなわち、電解質塩として、LiPF6 以外の他のリチウム塩を用いても、電解液にオキシラジカル化合物を含むようにすれば、充放電サイクル特性を向上させることができることが分かった。
また、実施例1−1,3−1〜3−4から分かるように、初期容量および容量維持率は、電解質塩の割合が多くなると向上し、極大値を示したのち小さくなる傾向が見られた。すなわち、電解液における電解質塩の割合は0.5mol/dm3 以上1.0mol/dm3 以下の範囲内とすれば好ましいことが分かった。
更に、実施例1−1,3−5〜3−7から分かるように、電解質塩としてLiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 またはLiN(C2 5 SO2 2 を用いた実施例1−1.3−5,3−6によれば、LiBF4 を用いた実施例3−7に比べて、初期容量および容量維持率の両方について高い値が得られた。加えて、実施例3−8〜3−13から分かるように、LiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 またはLiN(C2 5 SO2 2 のいずれか2種を用いた実施例3−8〜3−10によれば、LiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 またはLiN(C2 5 SO2 2 とLiBF4 とを用いた実施例3−11〜3−13に比べて、初期容量および容量維持率の両方について高い値が得られた。すなわち、電解質塩として、LiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 およびLiN(C2 5 SO2 2 のうちの少なくとも1種を含むようにすれば好ましいことが分かった。
(実施例4−1〜4−27)
実施例4−1〜4−9として、コバルト−スズ合金粉末に代えて銅−スズ(Cu−Sn)合金粉末を用いると共に、電解液における化1に示した化合物の割合を表9に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。なお、銅−スズ合金粉末は、原料に銅粉末20重量%とスズ粉末80重量%とを用いたことを除き、他は実施例1−1のコバルト−スズ合金粉末と同様にして作製した。また、実施例4−10〜4−18として、コバルト−スズ合金粉末に代えて鉄−スズ(Fe−Sn)合金粉末を用いると共に、電解液における化1に示した化合物の割合を表10に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。なお、鉄−スズ合金粉末は、原料に鉄粉末40重量%とスズ粉末60重量%とを用いたことを除き、他は実施例1−1のコバルト−スズ合金粉末と同様にして作製した。更に、実施例4−19〜4−27として、コバルト−スズ合金粉末に代えてグラファイトを用いると共に、電解液の組成を変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。電解液は、ジエチルカーボネートに代えてジメチルカーボネートを用いると共に、化1に示した化合物の割合を表11に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1の電解液と同様にして調製した。
Figure 2005093237
Figure 2005093237
Figure 2005093237
また、実施例4−1〜4−9に対する比較例4−1として、化1に示した化合物を用いないことを除き、他は実施例4−1〜4−9と同様にして二次電池を作製した。更に、実施例4−10〜4−18に対する比較例4−2として、化1に示した化合物を用いないことを除き、他は実施例4−10〜4−18と同様にして二次電池を作製した。加えて、実施例4−19〜4−27に対する比較例4−3として、化1に示した化合物を用いないことを除き、他は実施例4−19〜4−27と同様にして二次電池を作製した。実施例4−1〜4−27および比較例4−1〜4−3の二次電池についても、実施例1−1と同様にして、初期容量および容量維持率を評価した。その結果を表9ないし表11に示す。
表9ないし表11に示したように、化1に示した化合物を用いた実施例4−1〜4−27によれば、対応する比較例4−1〜4−3に比べて、高い容量維持率が得られた。すなわち、コバルト−スズ合金以外の他の負極活物質を用いても、電解液にオキシラジカル化合物を含むようにすれば、充放電サイクル特性を向上させることができることが分かった。
また、表2,表9ないし表11を比較すると分かるように、負極活物質に合金を用いた実施例1−1,2−1〜2−8,4−1〜4−18によれば、対応する比較例1−1,4−1,4−2に比べて、容量維持率を飛躍的に向上させることができた。これに対して、負極活物質に炭素質材料のみを用いた実施例4−19〜4−27および比較例4−3では、上述したように、実施例4−19〜4−27の方が比較例4−3に比べて容量維持率が高かったものの、その向上の割合はあまり大きくなかった。すなわち、負極22に合金を用いた場合に、電解液にオキシラジカル化合物を含むようにすれば、より高い効果を発揮できることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、オキシラジカル化合物について具体的に例を挙げて説明したが、上記効果は、オキシラジカル化合物の構造に起因するものと考えられる。従って、他のオキシラジカル化合物を用いても、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電解液または固体状の電解質の1種であるゲル状電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、イオン伝導性セラミックス,イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなるイオン伝導性無機化合物、またはこれらのイオン伝導性無機化合物と電解液とを混合したもの、またはこれらのイオン伝導性無機化合物とゲル状電解質あるいは高分子固体電解質とを混合したものが挙げられる。高分子固体電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合してまたは共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
更に、上記実施の形態および実施例では、円筒型の二次電池について説明したが、形状は特に限定されることなく、例えば、いわゆる角型,コイン型,ボタン型あるいは薄型などの種々の形状にするようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態および実施例では、電極反応種としてリチウムを用いる場合を説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの長周期型周期表における他の1族の元素,またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などの長周期型周期表における2族の元素、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その場合、正極活物質および電解質塩などは、その軽金属に応じて適宜選択される。他は上記実施の形態と同様に構成することができる。
更にまた、上記実施の形態および実施例では、本発明の電解質を二次電池に用いる場合について説明したが、一次電池などの他の電池についても適用することができる。また、コンデンサ,キャパシタあるいはエレクトロクロミック素子などの他の電気化学素子に用いることもできる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した電極体の一部を拡大して表す断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極合剤層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極合剤層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード。

Claims (9)

  1. 活性酸素を有する化合物を含むことを特徴とする電解質。
  2. 前記化合物の割合が、0.005mol/dm3 以上2.0mol/dm3 以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1記載の電解質。
  3. 更に、LiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 およびLiN(C2 5 SO2 2 のうちの少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の電解質。
  4. 更に、電解質塩を0.5mol/dm3 以上1.0mol/dm3 以下の割合で含む
    ことを特徴とする請求項1記載の電解質。
  5. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記電解質は、活性酸素を有する化合物を含む
    ことを特徴とする電池。
  6. 前記電解質における前記化合物の割合が、0.005mol/dm3 以上2.0mol/dm3 以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 前記電解質は、更に、LiPF6 ,LiN(CF3 SO2 2 およびLiN(C2 5 SO2 2 のうちの少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項5記載の電池。
  8. 前記電解質は、更に、電解質塩を0.5mol/dm3 以上1.0mol/dm3 以下の割合で含む
    ことを特徴とする請求項5記載の電池。
  9. 前記負極は、リチウム(Li)と化合可能な金属元素または半金属元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項5記載の電池。
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