JP2005092302A - 高安定発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 恒温槽を有する高安定発振器に関し、トランジスタの電流増幅率のばらつきによる影響を除いて高安定温度制御を行う。
【解決手段】 恒温槽1に発振回路OSCを収容し、感温素子3により検出した恒温槽1内の温度に従って加熱源のトランジスタ2を制御する演算処理回路9を有し、該演算処理回路9は、トランジスタ2に流れる電流Icを検出した電圧Vcにより、トランジスタ2の電流増幅率を求め、この電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、この誤差増幅率を用いて、感温素子による検出温度に従ってトランジスタ2を制御する構成を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一定の設定温度に制御する恒温槽内に、発振器を収容した高安定発振器に関する。
周囲温度が変化しても安定な発振を継続できるように、恒温槽内に水晶発振器等の高精度の発振器を収容した高安定発振器が知られている。例えば、図7に示すように、恒温槽71内に、水晶振動子73を接続した発振回路72を配置し、温度制御回路74により恒温槽71内の温度を設定値に維持するように制御する。この場合、水晶振動子71の共振周波数温度特性が最も良くなる例えば70〜80°Cの範囲内に設定された温度を維持するように制御するものである。
又図8は、ルビジウム原子発振器を示すもので、81は原子共鳴器、82はマイクロ波共鳴器、83は励起光源、84,85は温度制御回路、86は周波数制御回路、87は発振回路、88は水晶振動子、89は周波数合成回路を示す。
マイクロ波共振器82と励起光源83とはそれぞれ図示を省略した別個の恒温槽内に収容し、マイクロ波共振器82を収容した恒温槽を温度制御回路84により、例えば、70〜80°Cの範囲内に設定した温度に維持し、ルビジウムランプからなる励起光源83を収容した恒温槽を温度制御回路85により、例えば、90〜100°Cの範囲内に設定した温度に維持する。
又水晶振動子88を発振回路87に接続した水晶発振器の出力周波数を、周波数合成回路89によりルビジウムの共鳴周波数(6834.68MHz)に合成して、原子共鳴器81のマイクロ波共振器82に加える。この場合、周波数合成回路89からの周波数と、ルビジウムの共鳴周波数との誤差分を検出し、この誤差分が零となるように周波数制御回路86を介して発振回路87を制御し、ルビジウムの共鳴周波数を基準とした発振器出力を得ることができる。
図9は、従来の温度制御回路の説明図であり、91は恒温槽、92はヒータートランジスタ、93は白金抵抗やサーミスタ等の感温素子、94は電源Eo、95は温度−電圧変換回路、96は基準電圧回路、97は誤差増幅回路、98は電圧−変換回路を示す。尚、恒温槽91内の発振回路は図示を省略している。
ヒータートランジスタ92は、恒温槽91内の加熱源であり、電源94から電流が供給されて、電力Pcに相当する発熱を利用して恒温槽91内の温度を制御する。その温度Tcを感温素子93により検出し、温度−電圧変換回路95により温度Tcに対応した電圧Vtに変換し、基準電圧回路96からの設定温度に対応した基準電圧Vrとの差を誤差増幅回路97により求め、その誤差電圧Vbを電圧−電流変換回路98により電流Ibに変換して、ヒータートランジスタ92のベース電流として加える。これにより、ヒータートランジスタ92で発生する熱量は、温度Tcが一定の設定温度となるように、電源94から供給される電流が制御される。
図10は、従来のディジタル処理による温度制御回路を示し、101は恒温槽、102はヒータートランジスタ、103はサーミスタ等の感温素子、104は電源、105は温度−電圧変換回路、106は基準電圧回路、107,108はAD変換回路、109は演算処理回路、110はDA変換回路、111は電圧−電流変換回路を示す。
この温度制御回路は、前述の図9に示すアナログ回路構成による温度制御と基本的には同一の処理で恒温槽の温度制御を行うものであり、温度Tcに対応した温度−電圧変換回路105からの電圧Vtと、基準電圧回路106からの基準電圧VrとをAD変換器107,108によりディジタル信号に変換し、演算処理回路109により誤差分を求め、この誤差分に対応して、ヒータートランジスタ102のベース電流Ibを制御する。この場合の演算処理回路109は、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)やマイクロコンピュータ(マイコン)等により構成することができる。そして、AD変換器107,108はアナログの電圧Vt,Vrをディジタル値に変換して演算処理回路109に入力する為のものであり、又DA変換器110はディジタル値をアナログ値に変換する為のものである。
前述の恒温槽の温度を制御する温度制御ループは、例えば、図11に示す構成となる。同図に於いて、Tcは恒温槽の温度、Vtは温度−電圧変換回路の出力電圧、Vrは基準電圧、Vbは誤差分の電圧、Ibはヒータートランジスタのベースに供給するベース電流、Pcはヒータートランジスタの消費電力を示す。この温度制御ループの伝達特性H(s)は、次式に示すものとなる。
H(s)=Tc/Vr
=Go・Y・Gt・Fc/(1+Go・Y・Gt・Fc・Ft)
=A/(1+A・Ft) …(1)
尚、Goは誤差検出値(Vt−Vr)の乗算値(誤差増幅率)、Yはヒータートランジスタのベース電流への伝達関数、Gtはヒータートランジスタの電力への伝達関数、Fcは感温素子に於ける温度値への伝達関数、Ftは温度−電圧変換回路に於ける電圧値への伝達関数を示す。又A(=Go・Y・Gt・Fc)は、温度制御ループの前向き伝達関数で、温度の安定性を決定する重要なファクタである。
又ヒータートランジスタの電力への伝達関数Gtは、
Gt=Pc/Ib=h・E …(2)
となる。尚、hはヒータートランジスタの電流増幅率、Eはヒータートランジスタの電源電圧を示す。
又水晶発振器を収容した恒温槽内の加熱源のヒーターに流れる電流を、恒温槽内の検出温度に対応してトランジスタにより制御し、そのトランジスタのエミッタ出力の一部を差動増幅器にネガティブフィードバックする温度制御回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−117645号公報
トランジスタは、その電流増幅率(h)のばらつきが製品によって比較的大きいものであり、特性等の区分指定がない場合は5〜10倍、区分指定した場合でも2倍程度のばらつきがある。そして、前述の(1),(2)式から明らかなように、温度制御ループの前向き伝達関数Aが、トランジスタの電流増幅率(h)に比例するものであるから、恒温槽の温度の揺らぎや、周囲温度変化時の設定温度オフセットが発生する。その結果、水晶発振器等の発振回路の出力周波数も変動する問題がある。このような点を回避する為には、設計値の電流増幅率を有するヒータートランジスタを選別して用いることが必要となり、コストアップとなる問題がある。
又前述の(1)式で表される伝達関数の一例についての位相特性と伝達特性とを、前向き伝達関数Aをパラメータとして図12の(A),(B)に示す。横軸は周波数[Hz]とし、(A)の縦軸は位相[deg]、(B)の縦軸は利得[dB]を示す。又点線曲線aと一点鎖線曲線bと二点鎖線曲線cと実線曲線dとは、順次前向き伝達関数Aが大きくなる場合について示す。即ち、この前向き伝達関数Aが大きくなると、カットオフ周波数(利得が3dBとなる周波数)が増大し、ピークジッタ(利得が0dB以上)の発生、カットオフ周波数に於ける位相余裕度(−180度までの余裕)の減少等の状態となる。
従って、温度制御回路として、必要以上に電流を頻繁に制御した場合は、温度安定度が劣化し、或る周期の温度揺らぎが発生し、温度制御回路自体が発振状態となる等の問題が発生し、発振器の出力周波数の安定度が劣化する問題がある。
又前述の特許文献1に於ける回路構成は、図13に示すように、ヒーターに流れる電流をトランジスタQによって制御するもので、THは温度検出用のサーミスタ、OPAは演算増幅器、R1〜R4,RB,RF,REは抵抗を示す。この回路構成に於けるサーミスタTHの温度検出の電圧Vthと、演算増幅器OPAの出力電圧Voとの関係は、次式で示すものとなる。
Vo=(1+R2/R3+R2/RF+R2/R1)Vth
−(R2/R1)VR−(R2/RF)VE
となる。尚、VRは基準電圧、VEはトランジスタQのエミッタの電圧を示す。
この場合、サーミスタTHによる温度検出の電圧Vthに対する温度制御回路の感度は、(1+R2/R3+R2/RF+R2/R1)と一定の値を示すものであり、従って、トランジスタQの電流増幅率や温度制御ループの各要素の変化により制御ループゲインが変動する問題がある。
本発明は、前述の従来の問題点を解決し、低コストで、恒温槽の温度を制御するトランジスタの電流増幅率のばらつきによる温度の変動を抑制し、発振器の出力周波数の安定化を図ることを目的とする。
本発明の高安定発振器は、恒温槽を有する高安定発振器に於いて、前記恒温槽の温度を検出する感温素子と、前記恒温槽の加熱源のトランジスタと、該トランジスタに流れる電流を検出する電流検出回路と、該電流検出回路により検出した電流により前記トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、該誤差増幅率を用いて前記感温素子による検出温度に従って前記トランジスタを制御する演算処理回路とを備えている。
又恒温槽を有する高安定発振器に於いて、前記恒温槽の温度を検出する感温素子と、前記恒温槽の加熱源のヒーター抵抗線と、該ヒーター抵抗線に流れる電流を制御するトランジスタと、該トランジスタに流れる電流を前記ヒーター抵抗線の電圧として検出して該トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、該誤差増幅率を用いて前記感温素子による検出温度に従って前記トランジスタを制御する演算処理回路とを備えている。
又前記演算処理回路は、所定期間毎に前記トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出して保持する構成を有することができる。
又前記恒温槽の周囲環境温度を検出する感温素子と、前記演算処理回路とを含み、該演算処理回路は、前記感温素子による周囲環境温度の検出値と、前記恒温槽の温度を検出する感温素子による検出値と、前記トランジスタに流れる電流の検出値とを入力して、前記周囲環境温度の基準値と前記周囲環境温度の検出値との差分と前記トランジスタの電流増幅率の温度係数とを基に、前記温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率の温度補正値を算出し、該補正値に従って前記誤差増幅率を補正して前記トランジスタを制御する構成とする。
発振回路を収容して恒温槽の温度を制御する加熱源となるトランジスタやヒーター抵抗線に流れる電流を検出してトランジスタの電流増幅率を求め、この電流増幅率を基に、温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出して、恒温槽の温度検出値に従って、恒温槽の加熱源のヒータートランジスタやヒーター抵抗線に流れる電流を制御することにより、電流増幅率のばらつきが大きい場合でも、恒温槽の温度揺らぎ等が生じないように制御することが可能となり、低コストで出力周波数の高安定化を図ることができる。
発振回路OSCを収容した恒温槽1の温度を検出する感温素子3と、恒温槽1の加熱源のトランジスタ(ヒータートランジスタ)2と、このトランジスタ2に流れる電流Icを検出する抵抗Rcによる電流検出回路と、この電流検出回路により検出した電流により,トランジスタ2の電流増幅率を求め、この電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、この誤差増幅率を用いて、感温素子3による検出温度に従って、トランジスタ2を制御する演算処理回路9とを備えている。
図1は、本発明の実施例1の説明図であり、1は恒温槽、2は恒温槽の加熱源のトランジスタ(以下、ヒータートランジスタと称する)、3はサーミスタ等の感温素子、4は電源、5は温度−電圧変換回路、6は基準電圧回路、7,8はAD変換回路、9はマイクロコンピュータ(マイコン)等の演算処理回路、10はDA変換回路、11は電圧−電流変換回路、12はAD変換回路、13は制御処理部、14はタイマ、15はレジスタ、OSCは水晶発振器等の各種構成の発振回路、Rcは電流検出回路を構成する抵抗を示す。
恒温槽1内に水晶振動子等を含む発振回路OSCを配置し、ヒータートランジスタ2に電源4から電流を供給して恒温槽1内を加熱し、サーミスタ等の感温素子3により恒温槽1内の温度Tcを検出し、温度−電圧変換回路5により電圧Vtに変換し、AD変換器7によりディジタル値に変換して演算処理回路9に入力し、基準電圧回路6からの基準電圧VrをAD変換器8によりディジタル値に変換して演算処理回路9に入力し、演算処理回路9により、設定温度と検出温度との誤差分に相当する値を算出して、DA変換器10によりアナログ値に変換し、電圧−電流変換回路11により電流Ibに変換して、ヒータートランジスタ2のベース電流を供給し、ヒータートランジスタ2の発熱量を制御することにより、恒温槽1内を所定の設定温度に維持する。
又本発明の実施例1に於いては、ヒータートランジスタ2に電源4の電圧Eoが印加されて流れる電流Icを、電流検出回路を構成する抵抗Rcにより検出し、その検出電圧VcをAD変換器12によりディジタル値に変換して演算処理回路9に入力し、ヒータートランジスタ2の電流増幅率を算出する。演算処理回路9は、前述のように、DSPやマイコン等の演算処理機能により実現することが可能であり、各部を制御し、且つ演算処理を行う制御処理部13と、内部クロックのカウント等によるタイマ14と、レジスタ15等の機能を含むものである。
トランジスタの電流増幅率hは、
=Vc/Rc・Vb・Y …(3)
で表される。Vcはベース電流Ibを流す為の電圧、Yはベース電流への伝達関数、Vcは抵抗Rcによるベース電流Ibの検出電圧を示す。従って、ヒータートランジスタ2のベースに電圧−電流変換回路11からベース電流Ibを供給する為の電圧Vbと、ヒータートランジスタ2のコレクタに流れる電流Icを抵抗Rcにより検出した電圧Vcと、ヒータートランジスタ2のベース電流への伝達関数Yとにより、演算処理回路9は、ヒータートランジスタ2の電流増幅率hを算出する。
又演算処理回路9は、この算出した電流増幅率を基に誤差増幅率Goを、
Go=Gor・hr/h …(4)
により算出する。尚、Gorは設計時に設定されたヒータートランジスタの電流増幅率、Gorは設計時に設定された所望の誤差増幅率を示す。
発振回路OSCの動作開始初期に、前述の(4)式に従って算出した誤差増幅率Goを、レジスタ15又は図示を省略しているメモリ又は不揮発性メモリに保持して、恒温槽1の温度制御を行う。或いは、タイマ14による所定時間間隔で誤差増幅率Goを算出して、恒温槽1の温度制御を行う。従って、ヒータートランジスタ2の電流増幅率が設計基準値の例えば2倍で、ヒータートランジスタ2の電力への伝達関数Gtが2倍となっても、誤差増幅率Goを設計基準値の1/2とすることにより、温度制御ループの前向き伝達関数A(=Go・Y・Gt・Fc)は設計値を維持することができる。即ち、ヒータートランジスタの電流増幅率がばらついても、その電流増幅率を求め、その電流増幅率を基に誤差増幅率Goを算出することによって、温度制御を行うものであるから、発振回路OSCの出力周波数の変動が発生しないように、恒温槽1の温度を制御することができる。
図2は、本発明の実施例1の処理フローチャートを示し、先ず、電源オン(POW ON)とし(A1)、誤差増幅率Go設定済みか否かを判定し、設定済の場合は、ステップ(A8)に移行し、設定済みでない場合は、ヒータートランジスタ2のベース電圧Vbの初期値Vboを演算処理回路9から出力する(A3)。この初期値Vboは、ヒータートランジスタ2の基準の特性により、予め、演算処理回路9に設定しておくものである。このベース電圧の初期値Vboによるヒータートランジスタ2に流れる電流の検出電圧Vcの初期値Vcoを、AD変換器12を介して演算処理回路9で取り込み(A4)、電流増幅率hを、h=Vco/Rc・Vb・Yにより求める(A5)。
そして、この電流増幅率hを基に、誤差増幅率Goを、Go=Gor・hr/hにより算出し(A6)、この算出した誤差増幅率Goをレジスタ15又は不揮発性メモリに設定フラグと共に格納する(A7)。そして、この誤差増幅率Goを用いて、恒温槽1の温度制御処理を行う(A9)。尚、ステップ(A8),(A10)は温度制御処理(A9)を繰り返すループ処理を示す。従って、ヒータートランジスタ2の電流増幅率のばらつきが大きい場合でも、電源オン時にヒータートランジスタ2の電流増幅率を求め、それを基に誤差増幅率Goを算出して保持することにより、恒温槽1の温度を安定に制御し、発振回路OSCの出力周波数の安定化を図ることができる。
図3は、本発明の実施例2の処理フローチャートを示し、電源オン(POW ON)とし(B1)、ベース電圧Vbの初期値Vboを出力し(B2)、ヒータートランジスタ2に流れる電流Icの検出電圧Vcを取り込み(B3)、この検出電圧Vcを用いて電流増幅率hを、h=Vco/Rc・Vb・Yにより求め(B4)、この電流増幅率hを基に誤差増幅率Goを算出し(B5)、この誤差増幅率Goを用いて恒温槽1の温度制御処理を行う(B7)。そして、誤差増幅率Goの更新処理か否かをタイマ14等により所定時間毎に判定し、更新処理を行うタイミングでは、ステップ(B3)に移行し、更新処理を行うタイミングではない場合、ステップ(B6),(B9)間のループにより温度制御処理を行う(B7)。この実施例によれば、ヒータートランジスタ2の電流増幅率の経年変化に対しても、恒温槽1の温度を安定に制御して、発振回路OSCの出力周波数を安定化することができる。
図4は、本発明の実施例3の説明図であり、図1と同一符号は同一の機能部分を示し、21は周囲温度を検出する感温素子、22は温度−電圧変換回路、23はAD変換器を示す。この実施例3は、周囲環境温度Taを感温素子21により検出し、温度−電圧変換回路22により電圧Vaに変換し、AD変換器23によりディジタル値に変換して、演算処理回路9に入力する。
恒温槽1内の温度を感温素子3により検出し、ヒータートランジスタ2を制御して、恒温槽1内の温度を安定化する温度制御処理は、図1に示す実施例1と同様であるから、重複した説明は省略する。サーミスタ等の感温素子21により周囲環境温度Taを検出し、その温度の検出電圧Vaの基準値をVarとし、ヒータートランジスタ2の電流増幅率の温度変化による係数をFtとすると、誤差増幅率Goの温度補正値Gadjは、
Gadj=Ft(Var−Va) …(5)
で表される。この温度補正値Gadjを誤差増幅率Goに加算することにより、周囲環境温度Taの変化に対しても、恒温槽1内の温度を更に安定化することができる。
図5は、前述の本発明の実施例3の処理フローチャートを示し、電源オン(POW ON)により(C1)、ベース電圧Vbの初期値Vboを出力し(C2)、ヒータートランジスタ2に流れる電流Icの検出電圧Vcを取り込み(C3)、この検出電圧Vcを用いて電流増幅率hを、h=Vco/Rc・Vb・Yにより求め(C4)、この電流増幅率hを基に誤差増幅率Goを算出する(C5)。
そして、周囲環境温度Taの検出電圧Vaを取り込み(C7)、誤差増幅率Goの温度補正値Gadjを算出し(C8)、誤差増幅率Go=G0+Gadjにより補正し(C9)、温度制御処理を行う(C10)。そして、ステップ(C6),(C11)間のループによる繰り返し処理を行う。
図6は、本発明の実施例4の説明図であり、図1と同一符号は同一機能部分を示し、31はヒーター抵抗線、32はトランジスタ、33はAD変換器を示す。この実施例4は、ヒーター抵抗線31を加熱源とし、そのヒーター抵抗線31に流れる電流Icをトランジスタ32により制御する構成について示すものであり、例えば、ヒーター抵抗線31を恒温槽1に巻き付けた構成とすることができる。又トランジスタ32を介してヒーター抵抗線31に流れる電流Icを、ヒーター抵抗線31の電圧Vcとして検出し、AD変換器33によりディジタル値に変換して、演算処理回路9に入力する。
ヒーター抵抗線31に流れる電流Icを制御するトランジスタ32の電流増幅率は、
=Ic/Vb・Y=(Eo−Vc)/Rh・Vb・Y …(6)
で表される。尚、Eoは電源4の電圧、Vcはトランジスタ32のコレクタ電圧、Rhはヒーター抵抗線31の抵抗、Vbはトランジスタ32のベース電圧、Yはトランジスタのベース電流への伝達関数を示す。
この実施例4に於けるヒーター抵抗線31とトランジスタ32とは、前述の各実施例に於けるヒータートランジスタ2の発熱部分と電流制御部分とを分離した構成に相当し、トランジスタ32の電流増幅率のばらつきが大きい場合でも、設定基準値の電流増幅率との比に対応して誤差増幅率を補正することにより、恒温槽1内の温度を安定に制御して、発振回路OSCの出力周波数を安定化することができる。又トランジスタ32の電流増幅率は、電源オン時の初期状態に於いて求めて、この電流増幅率により誤差増幅率を補正する構成とするだけでなく、所定時間毎に電流増幅率を求めて、誤差増幅率を修正する構成とすることもできる。
(付記1)
恒温槽を有する高安定発振器に於いて、前記恒温槽の温度を検出する感温素子と、前記恒温槽の加熱源のトランジスタと、該トランジスタに流れる電流を検出する電流検出回路と、該電流検出回路により検出した電流により前記トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、該誤差増幅率を用いて前記感温素子による検出温度に従って前記トランジスタを制御する演算処理回路とを備えたことを特徴とする高安定発振器。
(付記2)
恒温槽を有する高安定発振器に於いて、前記恒温槽の温度を検出する感温素子と、前記恒温槽の加熱源のヒーター抵抗線と、該ヒーター抵抗線に流れる電流を制御するトランジスタと、該トランジスタに流れる電流を前記ヒーター抵抗線の電圧として検出して該トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、該誤差増幅率を用いて前記感温素子による検出温度に従って前記トランジスタを制御する演算処理回路とを備えたことを特徴とする高安定発振器。
(付記3)
前記演算処理回路は、所定期間毎に前記トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出して保持する構成を有することを特徴とする付記1又は2記載の高安定発振器。
(付記4)
前記恒温槽の周囲環境温度を検出する感温素子と、前記演算処理回路とを含み、該演算処理回路は、前記感温素子による周囲環境温度の検出値と、前記恒温槽の温度を検出する感温素子による検出値と、前記トランジスタに流れる電流の検出値とを入力して、前記周囲環境温度の基準値と前記周囲環境温度の検出値との差分と前記トランジスタの電流増幅率の温度係数とを基に、前記温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率の温度補正値を算出し、該補正値に従って前記誤差増幅率を補正して前記トランジスタを制御する構成を有することを特徴とする付記1又は2記載の高安定発振器。
本発明の実施例1の説明図である。 本発明の実施例1の処理フローチャートである。 本発明の実施例2の処理フローチャートである。 本発明の実施例3の説明図である。 本発明の実施例3の処理フローチャートで或る。 本発明の実施例4の説明図である。 高安定発振器の説明図である。 ルビジウム原子発振器の説明図である。 従来例の温度制御回路の説明図である。 従来例のディジタル処理による温度制御回路の説明図である。 温度制御ループの説明図である。 伝達関数をパラメータとした特性説明図である。 従来例の要部回路図である。
符号の説明
1 恒温槽
2 加熱源のトランジスタ(ヒータートランジスタ)
3 感温素子
4 電源
5 温度−電圧変換回路
6 基準電圧回路
7 AD変換器
8 AD変換器
9 演算処理回路
10 DA変換器
11 電圧−電流変換回路
OSC 発振回路

Claims (3)

  1. 恒温槽を有する高安定発振器に於いて、
    前記恒温槽の温度を検出する感温素子と、
    前記恒温槽の加熱源のトランジスタと、
    該トランジスタに流れる電流を検出する電流検出回路と、
    該電流検出回路により検出した電流により前記トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、該誤差増幅率を用いて前記感温素子による検出温度に従って前記トランジスタを制御する演算処理回路と
    を備えたことを特徴とする高安定発振器。
  2. 恒温槽を有する高安定発振器に於いて、
    前記恒温槽の温度を検出する感温素子と、
    前記恒温槽の加熱源のヒーター抵抗線と、
    該ヒーター抵抗線に流れる電流を制御するトランジスタと、
    該トランジスタに流れる電流を前記ヒーター抵抗線の電圧として検出して該トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出し、該誤差増幅率を用いて前記感温素子による検出温度に従って前記トランジスタを制御する演算処理回路と
    を備えたことを特徴とする高安定発振器。
  3. 前記演算処理回路は、所定期間毎に前記トランジスタの電流増幅率を求め、該電流増幅率を基に温度制御ループの前向き伝達関数が一定となる誤差増幅率を算出して保持する構成を有することを特徴とする請求項1又は2記載の高安定発振器。
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